3.8. Active/Active (Read-Enabled) SAP HANA システムレプリケーションセットアップ用のセカンダリー仮想 IP アドレスの追加 (オプション)
SAP HANA 2.0 SPS1 以降、SAP HANA は SAP HANA システムレプリケーションの Active/Active (Read-Enabled) セットアップをサポートしており、SAP HANA システムレプリケーションセットアップのセカンダリーインスタンスを読み取り専用アクセスに使用できます。
このようなセットアップをサポートするには、クライアントがセカンダリー SAP HANA インスタンスにアクセスできるようにする 2 番目の仮想 IP アドレスが必要です。テイクオーバーが発生した後もセカンダリーレプリケーションサイトに確実にアクセスできるようにするために、HA クラスターは、昇格可能な SAPHana リソースのスレーブで仮想 IP アドレスを移動する必要があります。
SAP HANA で Active/Active (Read-Enabled) モードを有効にするには、セカンダリー SAP HANA インスタンスを登録するときに、operationMode
を logreplay_readaccess
に設定する必要があります。
3.8.1. セカンダリー仮想 IP アドレスを管理するリソースの作成
[root]# pcs resource create vip2_RH1_02 IPaddr2 ip="192.168.1.11"
HA クラスターが実行されているプラットフォームに基づいて、仮想 IP アドレスを管理するための適切なリソースエージェントを使用してください。
3.8.2. 場所の制約の作成
これは、セカンダリー仮想 IP アドレスが適切な HA クラスターノードに確実に配置されるようにするためです。
[root]# pcs constraint location vip2_RH1_02 rule score=INFINITY hana_rh1_sync_state eq SOK and hana_rh1_roles eq 4:S:master1:master:worker:master [root]# pcs constraint location vip2_RH1_02 rule score=2000 hana_rh1_sync_state eq PRIM and hana_rh1_roles eq 4:P:master1:master:worker:master
これらの場所の制約により、2 番目の仮想 IP リソースは確実に次の動作をします。
- プライマリー SAP HANA インスタンスとセカンダリー SAP HANA インスタンスが両方とも実行されていて、SAP HANA システムレプリケーションが同期している場合、セカンダリー SAP HANA インスタンスが実行されている HA クラスターノード上で 2 番目の仮想 IP がアクティブになります。
- セカンダリー SAP HANA インスタンスが実行されていない場合、または SAP HANA システムレプリケーションが同期していない場合、プライマリー SAP HANA インスタンスが実行されている HA クラスターノード上で 2 番目の仮想 IP がアクティブになります。セカンダリー SAP HANA インスタンスが実行中で、SAP HANA システムレプリケーションが再び同期されると、2 番目の仮想 IP はセカンダリー SAP HANA インスタンスが実行されている HA クラスターノードに戻ります。
- プライマリー SAP HANA インスタンスが実行されておらず、HA クラスターによって SAP HANA テイクオーバーがトリガーされた場合、他のノード上の SAP HANA インスタンスが新しいセカンダリーとして登録され、SAP HANA システムレプリケーションが再び同期されるまで、2 番目の仮想 IP は同じノード上で実行され続けます。
これにより、正常な SAP HANA インスタンスが実行されているノードに 2 番目の仮想 IP リソースが割り当てられる時間が最大化されます。