第1章 JBoss EAP のトランザクション
トランザクションは、すべてが成功または失敗しなければならない 2 つ以上の操作で構成されます。成功するとコミットされ、失敗するとロールバックされます。ロールバックでは、トランザクションのコミットが行われる前に各メンバーの状態が元に戻されます。
1.1. transaction サブシステム
transactions
サブシステムは、タイムアウト値、トランザクションロギング、統計の収集、Java Transaction Service (JTS) を使用するかどうかなど、トランザクションマネージャー (TM) オプション の設定を可能にします。transactions
サブシステムは、以下の 4 つの主要素で構成されます。
- コア環境
- コア環境には、管理されているリソースの代わりに JBoss EAP サーバーによるトランザクション境界の制御を可能にする TM インターフェースが含まれています。トランザクションコーディネーターはトランザクションオブジェクトとの対話と、トランザクションに参加するリソースを管理します。
- リカバリー環境
- JBoss EAP トランザクションサービスのリカバリー環境は、システムがトランザクションの影響を受けるすべてのリソースに一貫してトランザクションの結果を確実に適用するようにします。アプリケーションのプロセスやそれをホストするマシンがクラッシュしたり、ネットワークの接続が切断されても、この操作は継続されます。
- コーディネーター環境
- コーディネーター環境は、デフォルトのタイムアウトやロギングの統計など、トランザクションのカスタムプロパティーを定義します。
- オブジェクトストア
- JBoss EAP トランザクションサービスは、障害をリカバリーする目的で、オブジェクトストアを使用し、トランザクションの結果を永続的に記録します。リカバリーマネージャーは、リカバリーが必要となる可能性のあるトランザクションやリソースに対して、オブジェクトストアやその他の情報の場所をスキャンします。