2.5.2. Red Hat Virtualization インストーラーでプロビジョニングされるインフラストラクチャーで障害のあるノードの置き換え
以下の手順に従って、OpenShift Data Foundation の Red Hat Virtualization のインストーラーでプロビジョニングされるインフラストラクチャー (IPI) で動作しない障害のあるノードを置き換えます。
前提条件
- Red Hat では、交換前のノードと同様のインフラストラクチャー、リソース、およびディスクで、交換後のノードを設定することを推奨します。
- OpenShift Container Platform (RHOCP) クラスターにログインしている必要があります。
-
以前のバージョンから OpenShift Data Foundation version 4.8 にアップグレードし、
LocalVolumeDiscovery
およびLocalVolumeSet
オブジェクトを作成していない場合は、Post-update configuration changes for clusters backed by local storage に説明されている以下の手順に従って、これを実行します。
手順
-
OpenShift Web コンソールにログインし、 Compute
Nodes をクリックします。 - 置き換える必要のあるノードを特定します。その マシン名 をメモします。
置き換えるノードのラベルを取得します。
$ oc get nodes --show-labels | grep <node_name>
置き換えるノードで実行されている mon (ある場合) および OSD を特定します。
$ oc get pods -n openshift-storage -o wide | grep -i <node_name>
先の手順で特定された Pod のデプロイメントをスケールダウンします。
以下に例を示します。
$ oc scale deployment rook-ceph-mon-c --replicas=0 -n openshift-storage $ oc scale deployment rook-ceph-osd-0 --replicas=0 -n openshift-storage $ oc scale deployment --selector=app=rook-ceph-crashcollector,node_name=<node_name> --replicas=0 -n openshift-storage
ノードにスケジュール対象外 (unschedulable) のマークを付けます。
$ oc adm cordon <node_name>
Terminating
状態の Pod を削除します。$ oc get pods -A -o wide | grep -i <node_name> | awk '{if ($4 == "Terminating") system ("oc -n " $1 " delete pods " $2 " --grace-period=0 " " --force ")}'
ノードをドレイン (解放) します。
$ oc adm drain <node_name> --force --delete-emptydir-data=true --ignore-daemonsets
-
Compute
Machines をクリックします。必要なマシンを検索します。 -
必要なマシンの横にある Action menu (⋮)
Delete Machine をクリックします。 Delete をクリックしてマシンの削除を確認します。新しいマシンが自動的に作成されます。新規マシンが起動し、Running 状態に移行するまで待機します。
重要このアクティビティーには少なくとも 5-10 分以上かかる場合があります。
-
OpenShift Web コンソールで Compute
Nodes をクリックします。新規ノードが Ready 状態にあるかどうかを確認します。 - 物理的に新しいデバイスをノードに追加します。
以下のいずれかを使用して、OpenShift Data Foundation ラベルを新規ノードに適用します。
- ユーザーインターフェイスを使用する場合
-
新規ノードについて、Action Menu (⋮)
Edit Labels をクリックします。 - cluster.ocs.openshift.io/openshift-storage を追加し、Save をクリックします。
-
新規ノードについて、Action Menu (⋮)
- コマンドラインインターフェイスの使用
- 以下のコマンドを実行して、OpenShift Data Foundation ラベルを新規ノードに適用します。
$ oc label node <new_node_name> cluster.ocs.openshift.io/openshift-storage=""
OpenShift ローカルストレージ Operator がインストールされている namespace を特定し、これを
local_storage_project
変数に割り当てます。$ local_storage_project=$(oc get csv --all-namespaces | awk '{print $1}' | grep local)
以下に例を示します。
$ local_storage_project=$(oc get csv --all-namespaces | awk '{print $1}' | grep local) echo $local_storage_project openshift-local-storage
新規ワーカーノードを
localVolumeDiscovery
およびlocalVolumeSet
に追加します。localVolumeDiscovery
定義を更新し、新規ノードを追加して失敗したノードを削除します。# oc edit -n $local_storage_project localvolumediscovery auto-discover-devices [...] nodeSelector: nodeSelectorTerms: - matchExpressions: - key: kubernetes.io/hostname operator: In values: - server1.example.com - server2.example.com #- server3.example.com - newnode.example.com [...]
エディターを終了する前に必ず保存します。
上記の例では、
server3.example.com
が削除され、newnode.example.com
が新規ノードになります。編集する
localVolumeSet
を決定します。# oc get -n $local_storage_project localvolumeset NAME AGE localblock 25h
localVolumeSet
定義を更新して、新規ノードを追加し、障害が発生したノードを削除します。# oc edit -n $local_storage_project localvolumeset localblock [...] nodeSelector: nodeSelectorTerms: - matchExpressions: - key: kubernetes.io/hostname operator: In values: - server1.example.com - server2.example.com #- server3.example.com - newnode.example.com [...]
エディターを終了する前に必ず保存します。
上記の例では、
server3.example.com
が削除され、newnode.example.com
が新規ノードになります。
新規
localblock
PV が利用可能であることを確認します。$oc get pv | grep localblock | grep Available local-pv-551d950 512Gi RWO Delete Available localblock 26s
openshift-storage
プロジェクトを変更します。$ oc project openshift-storage
失敗した OSD をクラスターから削除します。必要に応じて、複数の障害のある OSD を指定することができます。
$ oc process -n openshift-storage ocs-osd-removal \ -p FAILED_OSD_IDS=_<failed_osd_id>_ FORCE_OSD_REMOVAL=false | oc create -n openshift-storage -f -
<failed_osd_id>
rook-ceph-osd
接頭辞の直後の Pod 名の整数です。コマンドにコンマ区切りの OSD ID を追加して、複数の OSD を削除できます (例:FAILED_OSD_IDS=0,1,2
)OSD が 3 つしかないクラスター、または OSD が削除された後にデータの 3 つのレプリカすべてを復元するにはスペースが不十分なクラスターでは、
FORCE_OSD_REMOVAL
値をtrue
に変更する必要があります。
ocs-osd-removal-job
Pod のステータスをチェックして、OSD が正常に削除されたことを確認します。Completed
のステータスで、OSD の削除ジョブが正常に完了したことを確認します。# oc get pod -l job-name=ocs-osd-removal-job -n openshift-storage
OSD の取り外しが完了したことを確認します。
$ oc logs -l job-name=ocs-osd-removal-job -n openshift-storage --tail=-1 | egrep -i 'completed removal'
出力例:
2022-05-10 06:50:04.501511 I | cephosd: completed removal of OSD 0
重要ocs-osd-removal-job
が失敗し、Pod が予想されるCompleted
の状態にない場合、追加のデバッグのために Pod ログを確認します。以下に例を示します。
# oc logs -l job-name=ocs-osd-removal-job -n openshift-storage --tail=-1
PVC に関連付けられた PV を特定します。
# oc get pv -L kubernetes.io/hostname | grep localblock | grep Released local-pv-d6bf175b 512Gi RWO Delete Released openshift-storage/ocs-deviceset-0-data-0-6c5pw localblock 2d22h server3.example.com
Released 状態の PV がある場合は、これを削除します。
# oc delete pv <persistent-volume>
以下に例を示します。
# oc delete pv local-pv-d6bf175b persistentvolume "local-pv-d6bf175b" deleted
crashcollector
Pod デプロイメントを特定します。$ oc get deployment --selector=app=rook-ceph-crashcollector,node_name=failed-node-name -n openshift-storage
既存の crashcollector Pod デプロイメントがある場合は、これを削除します。
$ oc delete deployment --selector=app=rook-ceph-crashcollector,node_name=failed-node-name -n openshift-storage
ocs-osd-removal
ジョブを削除します。# oc delete -n openshift-storage job ocs-osd-removal-job
出力例:
job.batch "ocs-osd-removal-job" deleted
検証手順
以下のコマンドを実行して、出力で新規ノードが表示されていることを確認します。
$ oc get nodes --show-labels | grep cluster.ocs.openshift.io/openshift-storage= |cut -d' ' -f1
Workloads
Pods をクリックし、新規ノード上の少なくとも以下の Pod が Running
状態にあることを確認します。-
csi-cephfsplugin-*
-
csi-rbdplugin-*
-
他の必要なすべての OpenShift Data Foundation Pod が Running 状態にあることを確認します。
また、増分の
mon
が新規に作成されており、Running 状態にあることを確認します。$ oc get pod -n openshift-storage | grep mon
出力例:
rook-ceph-mon-a-cd575c89b-b6k66 2/2 Running 0 38m rook-ceph-mon-b-6776bc469b-tzzt8 2/2 Running 0 38m rook-ceph-mon-d-5ff5d488b5-7v8xh 2/2 Running 0 4m8s
OSD と Mon が
Running
状態になるまで数分かかる場合があります。新規 OSD Pod が交換後のノードで実行されていることを確認します。
$ oc get pods -o wide -n openshift-storage| egrep -i new-node-name | egrep osd
(オプション) クラスターでクラスター全体の暗号化が有効な場合には、新規 OSD デバイスが暗号化されていることを確認します。
直前の手順で特定された新規ノードごとに、以下を実行します。
デバッグ Pod を作成し、選択したホストの chroot 環境を開きます。
$ oc debug node/<node name> $ chroot /host
lsblk を実行し、
ocs-deviceset
名の横にある crypt キーワードを確認します。$ lsblk
- 検証手順が失敗した場合は、Red Hat サポートにお問い合わせください。