3.5. ワークスペースの起動を迅速化するイメージのキャッシュ


OpenShift Dev Spaces ワークスペースの起動時間のパフォーマンスを改善するには、Image Puller を使用して OpenShift クラスターのイメージの事前プルに使用できる OpenShift Dev Spaces に依存しないコンポーネントを使用します。Image Puller は、関連する OpenShift Dev Spaces ワークスペースイメージを各ノードで事前にプルするように設定できる DaemonSet を作成する追加の OpenShift デプロイメントです。これらのイメージは、OpenShift Dev Spaces ワークスペースの起動時にすでに利用可能なため、ワークスペースの開始時間が改善されています。

Image Puller は、設定用に以下のパラメーターを提供します。

表3.37 Image Puller パラメーター
パラメーター使用方法デフォルト

CACHING_INTERVAL_HOURS

デーモンセットのヘルスチェック間隔 (時間単位)

"1"

CACHING_MEMORY_REQUEST

Puller の実行中にキャッシュされる各イメージのメモリー要求。「メモリー設定の定義」 を参照してください。

10Mi

CACHING_MEMORY_LIMIT

Puller の実行中にキャッシュされる各イメージのメモリー制限。「メモリー設定の定義」 を参照してください。

20Mi

CACHING_CPU_REQUEST

Puller の実行中にキャッシュされる各イメージのプロセッサー要求

.05 または 50 ミリコア

CACHING_CPU_LIMIT

Puller の実行中にキャッシュされる各イメージのプロセッサー制限

.2 または 200 ミリコア

DAEMONSET_NAME

作成するデーモンセットの名前

kubernetes-image-puller

DEPLOYMENT_NAME

作成するデプロイメントの名前

kubernetes-image-puller

NAMESPACE

作成するデーモンセットが含まれる OpenShift プロジェクト

k8s-image-puller

IMAGES

プルするイメージのセミコロンで区切られたリスト (<name1>=<image1>;<name2>=<image2> の形式)。「イメージ一覧の定義」を参照してください。

 

NODE_SELECTOR

デーモンセットによって作成される Pod に適用するノードセレクター

'{}'

AFFINITY

DaemonSet によって作成される Pod に適用されるアフィニティー

'{}'

IMAGE_PULL_SECRETS

DeamonSet で作成される Pod に追加する pullsecret1;…​ 形式のイメージプルシークレットのリスト。これらのシークレットはイメージ puller の namespace に配置し、クラスター管理者はそれらを作成する必要があります。

""

3.5.1. イメージ一覧の定義

Image Puller は、che-machine-exec などの scratch イメージを含むほとんどのイメージを事前プルできます。ただし、traefik などの Dockerfile にボリュームをマウントするイメージは、OpenShift 3.11 における事前プルではサポートされません。

手順

  1. https://<openshift_dev_spaces_fqdn>/plugin-registry/v3/external_images.txt URL に移動して、プルする関連コンテナーイメージのリストを収集します。
  2. プル前のリストからイメージを判別します。ワークスペースの起動時間を短縮するには、Universal-developer-image、che-code、che-gateway などのワークスペース関連のイメージをプルすることを検討してください。

3.5.2. メモリー設定の定義

メモリー要求および制限パラメーターを定義して、コンテナーをプルし、プラットフォームに実行するのに十分なメモリーがあることを確認します。

手順

  1. CACHING_MEMORY_REQUEST または CACHING_MEMORY_LIMIT の最小値を定義するには、プルする各コンテナーイメージの実行に必要なメモリー容量を考慮してください。
  2. CACHING_MEMORY_REQUEST または CACHING_MEMORY_LIMIT の最大値を定義するには、クラスターのデーモンセット Pod に割り当てられるメモリーの合計を考慮します。

    (memory limit) * (number of images) * (number of nodes in the cluster)

    コンテナーのメモリー制限が 20Mi の 20 ノードで 5 つのイメージをプルする場合、2000Mi のメモリーが必要です。

3.5.3. Web コンソールを使用した OpenShift への Image Puller のインストール

OpenShift Web コンソールを使用して、コミュニティーでサポートされている Kubernetes Image Puller Operator を OpenShift にインストールできます。

前提条件

手順

  1. コミュニティーでサポートされている Kubernetes Image Puller Operator をインストールします。Installing from OperatorHub using the web console を参照してください。
  2. コミュニティーでサポートされている Kubernetes Image Puller Operator から KubernetesImagePuller オペランドを作成します。Creating applications from installed Operators を参照してください。

3.5.4. CLI を使用した OpenShift への Image Puller のインストール

OpenShift oc 管理ツールを使用して、OpenShift に Kubernetes Image Puller をインストールできます。

前提条件

手順

  1. Image Puller リポジトリーのクローンを作成し、OpenShift テンプレートが含まれるディレクトリーを取得します。

    $ git clone https://github.com/che-incubator/kubernetes-image-puller
    $ cd kubernetes-image-puller/deploy/openshift
  2. 以下のパラメーターを使用して、app.yamlconfigmap.yaml および serviceaccount.yaml OpenShift テンプレートを設定します。

    表3.38 app.yaml の Image Puller OpenShift テンプレートパラメーター
    使用方法デフォルト

    DEPLOYMENT_NAME

    ConfigMap の DEPLOYMENT_NAME の値

    kubernetes-image-puller

    IMAGE

    kubernetes-image-puller デプロイメントに使用されるイメージ

    registry.redhat.io/devspaces/imagepuller-rhel8:3.11

    IMAGE_TAG

    プルするイメージタグ

    latest

    SERVICEACCOUNT_NAME

    デプロイメントで作成され、使用される ServiceAccount の名前

    kubernetes-image-puller

    表3.39 configmap.yaml の Image Puller OpenShift テンプレートパラメーター
    使用方法デフォルト

    CACHING_CPU_LIMIT

    ConfigMap の CACHING_CPU_LIMIT の値

    .2

    CACHING_CPU_REQUEST

    ConfigMap の CACHING_CPU_REQUEST の値

    .05

    CACHING_INTERVAL_HOURS

    ConfigMap の CACHING_INTERVAL_HOURS の値

    "1"

    CACHING_MEMORY_LIMIT

    ConfigMap の CACHING_MEMORY_LIMIT の値

    "20Mi"

    CACHING_MEMORY_REQUEST

    ConfigMap の CACHING_MEMORY_REQUEST の値

    "10Mi"

    DAEMONSET_NAME

    ConfigMap の DAEMONSET_NAME の値

    kubernetes-image-puller

    DEPLOYMENT_NAME

    ConfigMap の DEPLOYMENT_NAME の値

    kubernetes-image-puller

    IMAGES

    ConfigMap の IMAGES の値

    "undefined"

    NAMESPACE

    ConfigMap の NAMESPACE の値

    k8s-image-puller

    NODE_SELECTOR

    ConfigMap の NODE_SELECTOR の値

    "{}"

    表3.40 serviceaccount.yaml の Image Puller OpenShift テンプレートパラメーター
    使用方法デフォルト

    SERVICEACCOUNT_NAME

    デプロイメントで作成され、使用される ServiceAccount の名前

    kubernetes-image-puller

  3. Image Puller をホストする OpenShift プロジェクトを作成します。

    $ oc new-project <k8s-image-puller>
  4. テンプレートを処理してから適用し、Puller をインストールします。

    $ oc process -f serviceaccount.yaml | oc apply -f -
    $ oc process -f configmap.yaml | oc apply -f -
    $ oc process -f app.yaml | oc apply -f -

検証手順

  1. <kubernetes-image-puller> デプロイメントおよび <kubernetes-image-puller> デーモンセットがあることを確認します。デーモンセットでは、クラスター内の各ノードに Pod が必要です。

    $ oc get deployment,daemonset,pod --namespace <k8s-image-puller>
  2. <kubernetes-image-puller> ConfigMap の値を確認します。

    $ oc get configmap <kubernetes-image-puller> --output yaml
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