第2章 Argo CD のカスタムリソースとコンポーネントのプロパティー


ArgoCD カスタムリソースは、Argo CD クラスターを設定するコンポーネントの設定を可能にする特定の Argo CD クラスターの必要な状態を記述する Kubernetes カスタムリソース (CRD) です。

2.1. Argo CD カスタムリソースプロパティー

Argo CD カスタムリソースは以下のプロパティーで構成されます。

名前説明デフォルトProperties

aggregatedClusterRoles

クラスタースコープインスタンスの Argo CD Application Controller コンポーネントに集約されたクラスターロールを使用します。

false

 

applicationInstanceLabelKey

Argo CD がアプリ名を追跡ラベルとして挿入する metadata.label キー名。

app.kubernetes.io/instance

 

applicationSet

ApplicationSet Controller の設定オプション。

object

  • enabled - Argo CD のインストール中に ApplicationSet Controller を有効にするために使用するフラグ。
  • env - ApplicationSet Controller Pod の環境を指定します。
  • extraCommandArgs - ApplicationSet ワークロードの Operator によって設定された既存の引数に追加された引数のリスト。
  • image - ApplicationSet Controller のコンテナーイメージ。このプロパティーは、ARGOCD_APPLICATIONSET_IMAGE 環境変数をオーバーライドします。
  • logLevel - Argo CD Application Controller コンポーネントによって使用されるログレベル。有効なオプションは、debuginfoerror、および warn です。
  • logFormat - Argo CD Application Controller コンポーネントが使用するログ形式。有効なオプションは text および json です。
  • parallelismLimit - コントローラーに設定する kubectl 並列処理の制限 (--kubectl-parallelism-limit フラグ)。
  • resources - コンテナーコンピューティングリソース。
  • scmProviders - 許可された Source Code Manager (SCM) プロバイダーの URL。
  • scmRootCAConfigMap - Application Set Controller の "/app/tls/scm/cert" パスにマウントされる Gitlab SCM プロバイダーの TLS 証明書を保存する config map の名前。
  • sourceNamespaces - ターゲット namespace で Argo CD ApplicationSet リソースを作成および管理するための非コントロールプレーン namespace のリスト。
  • version - applicationSet コンテナーイメージで使用するタグ。
  • volumes - Argo CD ApplicationSet コントローラーコンポーネントに設定された追加ボリュームのリスト。このフィールドは任意です。
  • volumeMounts - Argo CD ApplicationSet コントローラーコンポーネントに設定された追加のボリュームマウントのリスト。このフィールドは任意です。
  • webhookServer - ApplicationSet Webhook サーバーで使用可能なオプションを定義します。

banner

UI バナーメッセージを追加します。

object

  • banner.content - バナーメッセージの内容。バナーを表示する場合はこのコンテンツは必須です。
  • banner.url - オプションのバナーメッセージリンク URL。

configManagementPlugins

設定管理プラグインを追加します。

empty

 

controller

Argo CD Application Controller オプション。

object

  • appSync - AppSync は、Argo CD アプリケーションの同期頻度を制御するために使用されます
  • env - Application Controller ワークロード用に設定する環境。
  • extraCommandArgs - Operator によって設定された既存の引数に追加される引数のリスト。
  • initContainers - ArgoCD Application Controller コンポーネントの init コンテナーのリスト。このフィールドは任意です。
  • logLevel - Argo CD Application Controller コンポーネントによって使用されるログレベル。有効なオプションは、debuginfoerror、および warn です。
  • processors.operation - オペレーションプロセッサーの数。
  • processors.status - ステータスプロセッサーの数。
  • resources - コンテナーコンピューティングリソース。
  • sidecarContainers - ArgoCD Application Controller コンポーネントの sidecar コンテナーのリスト。このフィールドは任意です。
  • sharding.enabled - Argo CD Application Controller コンポーネントでシャーディングを有効にします。このプロパティーを使用して、多数のクラスターを管理し、コントローラーコンポーネントのメモリー負荷を軽減します。
  • sharding.replicas - Argo CD Application Controller のシャーディングをサポートするために使用されるレプリカの数。
  • sharding.dynamicScalingEnabled - Argo CD Application Controller コンポーネントの動的スケーリングを有効にします。コントローラーコンポーネントが管理しているクラスターの数に基づいて、Operator がレプリカの数をスケーリングするようにする場合は、このプロパティーを使用します。このプロパティーを true に設定すると、sharding.enabled および sharding.replicas プロパティーの設定がオーバーライドされます。
  • sharding.minShards - Argo CD Application Controller レプリカの最小数。
  • sharding.maxShards - Argo CD Application Controller レプリカの最大数。
  • sharding.clustersPerShard - 各シャードで管理する必要があるクラスターの数。レプリカ数が maxShards に達すると、シャードは複数のクラスターを管理します。
  • volumes - Argo CD Application Controller コンポーネントに設定された追加ボリュームのリスト。このフィールドは任意です。
  • volumeMounts - Argo CD Application Controller コンポーネントに設定された追加のボリュームマウントのリスト。このフィールドは任意です。

disableAdmin

組み込みの管理者ユーザーを無効にします。

false

 

defaultClusterScopedRoleDisabled

クラスタースコープのインスタンスのデフォルトクラスターロールの作成を無効にします。

false

 

extraConfig

Argo CD カスタムリソース内で直接設定できない追加の Argo CD 設定を argocd-cm config map に追加します。

empty

 

gaTrackingID

Google Analytics 追跡 ID を使用します。

empty

 

gaAnonymizeUsers

Google アナリティクスに送信されるハッシュ化されたユーザー名を有効にします。

false

 

ha

高可用性のオプション

object

  • enabled - Argo CD の高可用性サポートをグローバルに切り替えます。
  • redisProxyImage - Redis HAProxy コンテナーイメージ。このプロパティーは、ARGOCD_REDIS_HA_PROXY_IMAGE 環境変数をオーバーライドします。
  • redisProxyVersion - Redis HAProxy コンテナーイメージに使用するタグ。

helpChatURL

チャットヘルプを取得するための URL (これは通常、サポート用の Slack チャネルです)。

https://mycorp.slack.com/argo-cd

 

helpChatText

チャットヘルプを取得するためのテキストボックスに表示されるテキスト。

Chat now!

 

image

すべての Argo CD コンポーネントのコンテナーイメージ。これにより、ARGOCD_IMAGE 環境変数が上書きされます。

argoproj/argocd

 

import

Argo CD の設定オプションをインポートします。

object

  • name - データをインポートできる ArgoCDExport リソースの名前。
  • namespace - name フィールドによって参照される ArgoCDExport リソースの namespace。このフィールドが設定されていない場合、ArgoCDExport リソースの namespace はデフォルトで Argo CD と同じ namespace に設定されます。

ingress

Ingress 設定オプション。

object

 

initialRepositories

クラスターの作成時に Argo CD を使用するように設定するための初期 Git リポジトリー。

empty

 

initialSSHKnownHosts

クラスターの作成時に Argo CD が SSH 経由で Git リポジトリーに接続するために使用する初期の SSH Known Hosts データを定義します。

default_Argo_CD_Known_Hosts

  • excludedefaulthosts - Argo CD によって提供される SSH Known Hosts のデフォルトリストを追加するかどうかを示します。
  • keys - Argo CD サーバーに組み込む SSH Known Hosts のカスタムセットを記述します。

kustomizeBuildOptions

kustomize build で使用するビルドオプションおよびパラメーター。

empty

 

kustomizeVersions

Argo CD リポジトリーサーバーコンテナーイメージで設定されている Kustomize バージョンのリストを定義します。

empty

  • path - Argo CD リポジトリーサーバーコンテナーイメージのファイルシステム内の Kustomize バージョンのパス。
  • version - Argo CD リポジトリーサーバーコンテナーイメージで設定されている vX.Y.Z 形式の Kustomize バージョン。

monitoring

インスタンスのワークロードステータスモニタリング設定を定義します。

object

  • disableMetrics - インスタンスのメトリクスの収集を有効または無効にするには、このフィールドを設定します。
  • enabled - インスタンスに対してワークロードステータスの監視が有効になっているかどうかを示します。

notifications

Notifications Controller の設定オプション。

object

  • enabled - Notifications Controller を開始するためのトグル。
  • env - Notifications Controller ワークロードに設定する環境。
  • image - すべての Argo CD コンポーネントのコンテナーイメージ。このプロパティーは、ARGOCD_IMAGE 環境変数をオーバーライドします。
  • logLevel - Argo CD Application Controller コンポーネントによって使用されるログレベル。有効なオプションは、debuginfoerror、および warn です。
  • replicas - Notifications Controller に対して実行されるレプリカの数。
  • resources - コンテナーコンピューティングリソース。
  • version - Notifications コンテナーイメージで使用するタグ。

nodePlacement

Argo CD ワークロードの NodeSelectors および Tolerations を定義します。

empty

  • nodeSelector - ノード選択のためのキーと値ペアのマップ。
  • tolerations - toleration により、Pod は taint が一致するノードのスケジュールを作成できます。

oidcConfig

Dex の代替となる OIDC 設定。

empty

 

prometheus

Prometheus 設定オプション。

object

  • enabled - Argo CD の Prometheus サポートをグローバルに切り替えます。
  • host - Ingress または Route リソースに使用するホスト名。
  • ingress - Prometheus の Ingress を切り替えます。
  • route - ルート設定オプション。
  • size - Prometheus StatefulSet のレプリカ数。

rbac

RBAC 設定オプション。

object

  • defaultPolicy - argocd-rbac-cm config map の policy.default プロパティー。API リクエストを承認するときに Argo CD がフォールバックするデフォルトのロールの名前。
  • policy - argocd-rbac-cm config map の policy.csv プロパティー。このプロパティーには、ユーザー定義の RBAC ポリシーとロール定義に関する CSV データが含まれます。
  • policyMatcher - argocd-rbac-cm config map の policy.matchMode プロパティー。このプロパティーには、glob マッチャーの場合は 'glob'、正規表現マッチャーの場合は 'regex' の 2 つのオプションがあります。
  • scopes - argocd-rbac-cm config map のスコーププロパティー。RBAC の操作中に (サブスコープに加えて) どの OIDC スコープを検査するかを制御します。

redis

Redis 設定オプション。

object

  • autotls - プロバイダーを使用して、Redis サーバーの TLS 証明書を作成します。現在、openshift 値のみが使用可能です。
  • disableTLSVerification - 厳密な TLS 検証を使用して Redis サーバーにアクセスする必要があるかどうかを定義します。
  • image - Redis のコンテナーイメージ。これは、ARGOCD_REDIS_IMAGE 環境変数をオーバーライドします。
  • resources - コンテナーコンピューティングリソース。
  • version - Redis コンテナーイメージで使用するタグ。

repositoryCredentials

クラスターの作成時に使用する Argo CD を設定するための Git リポジトリー認証情報テンプレート。

empty

 

resourceActions

リソースアクションの動作をカスタマイズします。

empty

 

resourceExclusions

リソースグループのクラス全体を完全に無視します。

empty

 

resourceInclusions

どのリソースグループ/種類が適用されるかを識別するための設定。

empty

 

resourceHealthChecks

リソースのヘルスチェック動作をカスタマイズします。

empty

 

resourceIgnoreDifferences

リソースの違いを無視する動作をカスタマイズします。

empty

 

resourceTrackingMethod

Argo CD が管理対象リソースを監視するために使用するフィールド。

label

 

server

Argo CD Server 設定オプション。

object

  • autoscale - サーバーの自動スケール設定オプション。
  • env - サーバーのワークロード用に設定する環境。
  • enabled - Argo CD のインストール中に Argo CD サーバーを有効にするフラグ。
  • enableRolloutsUI - パラメーターが true に設定されている場合、パラメーターは Argo CD で Argo Rollouts UI エクステンションを有効にします。デフォルト値は false に設定されます。
  • extraCommandArgs - Operator によって設定された既存の引数に追加される引数のリスト。
  • grpc - gRPC 設定オプション。
  • host - Ingress または Route リソースに使用されるホスト名。
  • initContainers - Argo CD Application Controller コンポーネントの init コンテナーのリスト。このフィールドは任意です。
  • ingress - Argo CD サーバーコンポーネントの Ingress 設定。
  • insecure - Argo CD サーバーの安全でないフラグを切り替えます。
  • logLevel - Argo CD サーバーコンポーネントによって使用されるログレベル。有効なオプションは、debuginfoerror、および warn です。
  • logFormat - Argo CD サーバーコンポーネントで使用されるログ形式。有効なオプションは text および json です。
  • resources - コンテナーコンピューティングリソース。
  • replicas - Argo CD サーバーのレプリカの数。0 以上である必要があります。autoscale が有効な場合、replicas は無視されます。
  • route - ルート設定オプション。
  • service.Type - サービスリソースに使用される serviceType
  • sidecarContainers - Argo CD Application Controller コンポーネントの sidecar コンテナーのリスト。このフィールドは任意です。
  • volumes - Argo CD Application Controller コンポーネントに設定された追加ボリュームのリスト。このフィールドは任意です。
  • volumeMounts - Argo CD Application Controller コンポーネントに設定された追加のボリュームマウントのリスト。このフィールドは任意です。

sourceNamespaces

アプリケーションリソースを作成できる namespace を指定します。

string

 

sso

シングルサインオンオプション。

object

  • dex - Dex SSO プロバイダーの設定オプション。
  • keycloak - Keycloak SSO プロバイダーの設定オプション。
  • provider - シングルサインオンの設定に使用されるプロバイダーの名前。現在サポートされているオプションは Dex と Keycloak です。

statusBadgeEnabled

アプリケーションステータスバッジを有効にします。

true

 

tls

TLS 設定オプション。

object

  • ca.configMapName - CA 証明書を含む ConfigMap の名前。
  • ca.secretName - CA 証明書とキーを含むシークレットの名前。
  • initialCerts - HTTPS 経由で Git リポジトリーに接続するための argocd-tls-certs-cm config map 内の証明書の初期セット。

usersAnonymousEnabled

匿名ユーザーアクセスを有効にします。

true

 

version

すべての Argo CD コンポーネントのコンテナーイメージで使用するタグ。

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