3.2. ロールアウトのデプロイ
クラスター管理者は、ユーザートラフィックのサブセットを新しいアプリケーションバージョンに段階的にルーティングするように Argo Rollouts を設定できます。次に、アプリケーションがデプロイされ、機能しているかどうかをテストできます。
次の手順例では、rollouts-demo
ロールアウトとサービスを作成します。次に、ロールアウトではトラフィックの 20% をアプリケーションの canary バージョンにルーティングし、手動によるプロモーションを待ちます。次に、トラフィック全体が新しいアプリケーションバージョンにルーティングされるまで、複数の自動プロモーションを実行します。
手順
-
Web コンソールの Administrator パースペクティブで、Operator
Installed Operator Red Hat OpenShift GitOps Rollout をクリックします。 -
Project ドロップダウンメニューから、
Rollout
カスタムリソース (CR) を作成および設定するプロジェクトを作成または選択します。 Create Rollout をクリックし、YAML ビューに以下の設定を入力します。
apiVersion: argoproj.io/v1alpha1 kind: Rollout metadata: name: rollouts-demo spec: replicas: 5 strategy: canary: 1 steps: 2 - setWeight: 20 3 - pause: {} 4 - setWeight: 40 - pause: {duration: 45} 5 - setWeight: 60 - pause: {duration: 20} - setWeight: 80 - pause: {duration: 10} revisionHistoryLimit: 2 selector: matchLabels: app: rollouts-demo template: 6 metadata: labels: app: rollouts-demo spec: containers: - name: rollouts-demo image: argoproj/rollouts-demo:blue ports: - name: http containerPort: 8080 protocol: TCP resources: requests: memory: 32Mi cpu: 5m
- 1
- ロールアウトで使用する必要のあるデプロイメントストラテジー。
- 2
- ロールアウトの手順を指定します。この例では、トラフィックの 20%、40%、60%、80% を段階的に canary バージョンにルーティングします。
- 3
- canary バージョンに送信する必要があるトラフィックの割合。値が 20 の場合、トラフィックの 20% が canary バージョンに送信されることを意味します。
- 4
- プロモーションのリクエストが見つかるまで Argo Rollouts コントローラーに、無期限に一時停止するように指定します。
- 5
- Argo Rollouts コントローラーに 45 秒間一時停止するように指定します。期間の値は、秒 (
s
)、分 (m
)、または時間 (h
) で設定できます。たとえば、1 時間の場合は1h
と指定できます。値が指定されていない場合、期間の値はデフォルトで秒になります。 - 6
- 作成する Pod を指定します。
Create をクリックします。
注記ロールアウトが作成時にすぐに利用できるように、Argo Rollouts コントローラーは、
.spec.template.spec.containers.image
フィールドで指定されたargoproj/rollouts-demo:blue
の初期コンテナーイメージを安定バージョンとして自動的に扱います。最初のインスタンスでは、Rollout
リソースの作成により、すべてのトラフィックがアプリケーションの stable バージョンにルーティングされ、トラフィックが canary バージョンに送信される部分がスキップされます。ただし、.spec.template.spec.containers.image
フィールドに変更を加えた以降のすべてのアプリケーションアップグレードでは、Argo Rollouts コントローラーは通常どおり canary の手順を実行します。次のコマンドを実行して、ロールアウトが正しく作成されたことを確認します。
$ oc argo rollouts list rollouts -n <namespace> 1
- 1
Rollout
リソースが定義されている namespace を指定します。
出力例
NAME STRATEGY STATUS STEP SET-WEIGHT READY DESIRED UP-TO-DATE AVAILABLE rollouts-demo Canary Healthy 8/8 100 5/5 5 5 5
rollouts-demo
ロールアウトをターゲットとする Kubernetes サービスを作成します。-
Web コンソールの Administrator パースペクティブで、Networking
Services をクリックします。 Create Service をクリックし、YAML ビューに次の設定を入力します。
apiVersion: v1 kind: Service metadata: name: rollouts-demo spec: ports: 1 - port: 80 targetPort: http protocol: TCP name: http selector: 2 app: rollouts-demo
Create をクリックします。
ロールアウトは、作成されたサービスを canary
ReplicaSet
の Pod テンプレートハッシュで自動的に更新します。例:rollouts-pod-template-hash: 687d76d795
-
Web コンソールの Administrator パースペクティブで、Networking
次のコマンドを実行して、ロールアウトの進行状況を確認します。
$ oc argo rollouts get rollout rollouts-demo --watch -n <namespace> 1
- 1
Rollout
リソースが定義されている namespace を指定します。
出力例
Name: rollouts-demo Namespace: spring-petclinic Status: ✔ Healthy Strategy: Canary Step: 8/8 SetWeight: 100 ActualWeight: 100 Images: argoproj/rollouts-demo:blue (stable) Replicas: Desired: 5 Current: 5 Updated: 5 Ready: 5 Available: 5 NAME KIND STATUS AGE INFO ⟳ rollouts-demo Rollout ✔ Healthy 4m50s └──# revision:1 └──⧉ rollouts-demo-687d76d795 ReplicaSet ✔ Healthy 4m50s stable ├──□ rollouts-demo-687d76d795-75k57 Pod ✔ Running 4m49s ready:1/1 ├──□ rollouts-demo-687d76d795-bv5zf Pod ✔ Running 4m49s ready:1/1 ├──□ rollouts-demo-687d76d795-jsxg8 Pod ✔ Running 4m49s ready:1/1 ├──□ rollouts-demo-687d76d795-rsgtv Pod ✔ Running 4m49s ready:1/1 └──□ rollouts-demo-687d76d795-xrmrj Pod ✔ Running 4m49s ready:1/1
ロールアウトの作成後、ロールアウトの Status フィールドに Phase: Healthy が表示されることを確認できます。
Rollout タブの Rollouts セクションで、
rollouts-demo
ロールアウトの Status フィールドに Phase: Healthy が表示されていることを確認します。ヒントまたは、以下のコマンドを実行して、ロールアウトが正常であることを確認できます。
$ oc argo rollouts status rollouts-demo -n <namespace> 1
- 1
Rollout
リソースが定義されている namespace を指定します。
出力例
Healthy
これで、Rollout
CR の次の更新で canary デプロイメントを実行する準備が整いました。