4.4. RHSA-2022:1001 — OSP 16.2.2 向けコンポーネントのリリース
collectd-libpod-stats コンポーネントに対する変更:
マルチコアシステムで CPU の使用率が高いと、CPU 使用率の計算が不正確でした。
今回の更新により、マルチコアシナリオにおける CPU 使用率の計算が正確になりました。最新の STF ダッシュボードは、この更新を組み込むように調整されています。(BZ#2006970)
openstack-cinder コンポーネントに対する変更:
今回の更新で、イメージから複数の仮想マシン (VM) を同時に起動すると、一部の仮想マシンの起動操作が失敗するバグが修正されました。
以前は、Block Storage サービス (cinder) GPFS Spectrum Scale ドライバーは、ストレージバックエンドがコピーオンライト (COW) モードをサポートしていることを正しく検出しませんでした。ドライバーは、イメージからボリュームを迅速に作成する機能などの COW 機能を無効にしていました。イメージから複数のインスタンスを同時に起動する場合、そのイメージをブートボリュームにコピーする際にインスタンスがタイムアウトすることがありました。
GPFS Block Storage サービスドライバーは、ストレージのバックエンドが COW モードをサポートしていることを正しく検出するようになりました。複数の仮想マシンインスタンスを同時に生成できるようになりました。(BZ#2022018)
この更新以前は、PowerMaxOS 5978.711 でスナップショットを作成すると、REST でペイロード応答が変更され、デバイスラベルの形式が変更されました。ソリューションイネーブラーからの基になるデータが変更され、コロン文字 (:) が含まれなくなりました。これにより、PowerMax ドライバーの IndexError 例外が発生しました。
IndexError: list index out of range
今回の更新で、この問題は PowerMaxOS 5978.711 以降で解決されています。(BZ#2003762)
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この更新では、出力が 1000 行を超えたときに、
openstack volume backup list
コマンドの出力から詳細が省略されていたバグが修正されています。(BZ#2006556) - この更新の前は、NFS ドライバーは、エラー状態の Open Stack Storage スナップショットを削除する試みをブロックしていました。これにより、ユーザーは壊れたスナップショット DB エントリーを削除できませんでした。今回の更新により、失敗したスナップショットをクリーンアップできるように制限が削除されました。(BZ#2022121)
- 本リリースでは、HPE ストレージアレイの Block Storage サービス (cinder) ドライバーが更新されました。更新されたドライバーにより、Primera バージョン 4.2 以降の HPE の Primera 製品で iSCSI プロトコルを使用できます。(BZ#2029943)
openstack-neutron コンポーネントに対する変更:
今回の更新により、ML2/OVS デプロイメントのハードウェアオフロードポートに QoS の最大帯域幅制限、出力方向ルールを設定できるようになりました。ポリシーを設定するには、通常の QoS ポリシー/ルールメソッドを使用します。
バックエンドは、通常の OVS QoS エンジンではなくポリシーを適用するために
ip link
コマンドを使用します。これは、OVSmeter
アクションをオフロードできないためです。meter アクションがオフロードではない を参照してください。(BZ#1971545)
openstack-tripleo-common コンポーネントに対する変更:
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この更新の前は、dnsmasq が正しく実行されていても、dnsmasq ヘルスチェックは失敗していました。root ユーザーではなく dnsmasq ユーザーを使用し、
/proc
ファイルにアクセスできなかったため、ヘルスチェックは失敗しました。そのため、検証が有効な場合、誤ったな systemd ジャーナルメッセージおよび失敗が生じました。今回の更新により、dnsmasq ヘルスチェックは使用が制限されるため無効になり、今後のリリースでは段階的に廃止されます。dnsmasq コンテナーは、実行中であれば正常としてマークされるようになりました。(BZ#1961237)
puppet-ironic コンポーネントに対する変更:
- RHOSP 16.2.2 では、アーキテクチャーに POWER (ppc64le) と x86_64 UEFI ノードの両方が含まれている場合に、アンダークラウドが PXE および iPXE ブートモードの両方をサポートするように設定できます。詳細については、マルチ CPU アーキテクチャーオーバークラウドの設定 を参照してください。(BZ#1982489)
puppet-tripleo コンポーネントに対する変更:
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今回の更新により、Block Storage サービス (cinder) の
powermax_port_groups
パラメーターが正しく使用されないというエラーが修正されました。(BZ#2027759)
python-dracclient コンポーネントに対する変更:
今回の更新で、Dell EMC PERC H755 RAID コントローラー物理ディスクを非 RAID モードに変換する際に意図しない結果が発生する原因となっていたバグが修正されました。
変換により、誤って RAID-0 仮想ディスクが作成され、
Online
状態に移行し、物理ディスクが消費されました。RAID-0 仮想ディスクは、変換中に作成されなくなりました。(BZ#2010246)
python-os-brick コンポーネントに対する変更:
この更新では、Ceph クライアントリリース 15.2.0 (Octopus) 以降で Ceph ストレージバックエンドに接続できず、Red Hat Ceph Storage5.0 以降に影響を与えるバグが修正されています。
Ceph 接続を有効にするために生成される一時的な設定ファイルには、'[global]' セクションマーカーが含まれていませんでした。今回の更新では、'[global]' セクションマーカーが一時ファイルに追加されました。
セクションマーカーは、Ceph クライアントリリース 0.94.0 (Hammer) で導入されました。Octopus リリース以降、Ceph にはマーカーが必要です。この修正は、Red Hat Ceph Storage 4.x との下位互換性があります。(BZ#2024684)
python-tripleoclient コンポーネントに対する変更:
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この更新の前は、JSON 形式のファイルを指すように
undercloud.conf
のnet_config_override
パラメーターを設定することしかできませんでした。今回の更新により、undercloud.conf
のnet_config_override
パラメーターを、YAML または JSON のいずれかの形式でファイルを指すように設定できるようになりました。(BZ#1956785)
tripleo-ansible コンポーネントに対する変更:
このテクノロジープレビュー機能の更新により、以下のパラメーターを設定して OVS PMD 自動ロードバランスを設定することができます。
OvsPmdAutoLb
:OVS DPDK PMD 自動ロードバランス機能を有効/無効にします。値: true または false。OVS DPDK は、デフォルト値の false を使用します。OvsPmdLoadThreshold
: OVS DPDK PMD 自動ロードバランス機能の最小 PMD スレッド負荷しきい値を設定します。0〜100 の値を設定して、PMD 自動ロードバランスがトリガーされる可能性がある場合の、分離されていない PMD スレッドの最小 PMD スレッド負荷しきい値 (使用サイクルの %) を指定します。OvsPmdImprovementThreshold
: OVS DPDK PMD 自動ロードバランス機能の PMD 負荷分散改善しきい値を設定します。0〜100 の値を設定して、PMD 自動ロードバランスの発生を可能にする、分離されていない PMD スレッド全体の負荷分散の評価された最小の改善率を指定します。OvsPmdRebalInterval
: OVS DPDK PMD 自動負荷分散機能の PMD 自動負荷分散間隔を設定します。0〜20,000 の値を設定して、2 つの連続する PMD 自動負荷分散の反復間の最低限の時間 (分単位) を指定します。(BZ#1952060)-
今回の更新により、
--db-only
オプションを指定してopenstack undercloud backup
コマンドを実行し、アンダークラウドノードで実行されるデータベースのバックアップを作成することができるようになりました。このバックアップを使用して、アップグレードプロセス時に破損した場合にデータベースの状態を復元できます。(BZ#1977392)