第1章 連邦情報処理標準 (FIPS) の準備と準拠
米国国立標準技術研究所 (NIST) によって開発された連邦情報処理標準 (FIPS) は、特に銀行、医療、公共部門などの高度に規制された分野で、機密データを保護および暗号化するために高く評価されていると見なされています。Red Hat Enterprise Linux (RHEL) および OpenShift Container Platform は FIPS モード を提供することで FIPS をサポートします。このモードでは、システムは openssl
などの特定の FIPS 検証済み暗号モジュールの使用のみを許可します。これにより、FIPS への準拠が保証されます。
1.1. FIPS コンプライアンスの有効化
以下の手順を使用して、Red Hat Quay デプロイメントで FIPS コンプライアンスを有効にします。
前提条件
- Red Hat Quay のスタンドアロンデプロイメントを実行している場合、Red Hat Enterprise Linux (RHEL) デプロイメントはバージョン 8 以降であり、FIPS が有効である。
- Red Hat Quay Operator を使用している場合、OpenShift Container Platform はバージョン 4.10 以降を使用する。
- Red Hat Quay のバージョンが 3.5.0 以降である。
- Red Hat Quay デプロイメントの管理者権限がある。
手順
Red Hat Quay の
config.yaml
ファイルで、FEATURE_FIPS
設定フィールドをtrue
に設定します。以下に例を示します。--- FEATURE_FIPS = true ---
FEATURE_FIPS
をtrue
に設定すると、Red Hat Quay は FIPS 準拠のハッシュ関数を使用して実行されます。