2.2. キックスタートツリー
キックスタートプロビジョニングを使用するには、ご使用の Satellite に最低でも 1 つのキックスタートツリーがインストールされている必要があります。キックスタートツリーのインストールは、自動または手動で行うことができます。
手順2.1 キックスタートツリーの自動インストール
RHN にベースチャンネルがあるすべてのディストリビューションで、キックスタートツリーを自動でインストールできます。これは、
satellite-sync 介した通常のチャンネル同期の一環として行われます。
- キックスタートのベースとするディストリビューションを選択して、そのディストリビューションのベースチャンネルとそれに対応する RHN ツールのチャンネルを探します。例えば、x86 アーキテクチャを採用した Red Hat Enterprise Linux 5 を使用したい場合、
rhel-i386-server-5チャンネルとそれに対応する RHN Tools チャンネルであるrhn-tools-rhel-i386-server-5が必要になります。 - 接続された Satellite を使用している場合には、
satellite-syncを使ってSatellite サーバーを Red Hat サーバーと直接同期します。Satellite サーバーが接続されていない場合には、Red Hat サーバーから切断されたチャンネルダンプを取得して、それらと同期する必要があります。 - チャンネルを同期すると、そのディストリビューション用の対応するキックスタートツリーが自動的に作成されます。
手順2.2 キックスタートツリーの手動インストール
カスタムディストリビューションは通常 Red Hat がサポートしていませんが、このようなディストリビューションや Red Hat Enterprise Linux のベータバージョンをキックスタートするには、対応するキックスタートツリーを手動で作成する必要があります。キックスタートするディストリビューション用のインストール ISO が必要となります。
- インストール ISO をご使用の Satellite Server にコピーして、
/mnt/isoにマウントします。 - ISO のコンテンツをカスタムのロケーションにコピーします。すべてのカスタムディストリビューションで、
/var/satellite内にディレクトリを作成することが推奨されます。例えば、RHEL のベータディストリビューションのコンテンツを/var/satellite/custom-distro/rhel-i386-server-5.3-beta/にコピーします。 - RHN Satellite の Web インターフェースを使用して、カスタムソフトウェアチャンネルを作成します。
で、適切な名前とラベルを付けて親チャンネルを作成します。上記で使用した例では、rhel-5.3-beta のラベルを使用します。 rhnpushコマンドを使用して、ソフトウェアパッケージをツリーのロケーションから新規作成されたソフトウェアチャンネルにプッシュします。rhnpush --server=http://localhost/APP -c 'rhel-5.3-beta' \ -d /var/satellite/custom-distro/rhel-i386-server-5.3-beta/Server/
rhnpush --server=http://localhost/APP -c 'rhel-5.3-beta' \ -d /var/satellite/custom-distro/rhel-i386-server-5.3-beta/Server/Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ご使用のディストリビューションによって、ツリー内のサブディレクトリが異なります。- ソフトウェアパッケージがプッシュされたら、
rmコマンドを使用して、ツリーパス内で削除することができます。パッケージは、依然としてチャンネル内の Satellite サーバー上に格納され、ツリー内には必要なくなります。rm /var/satellite/custom-distro/rhel-i386-server-5.3-beta/Server/*.rpm
rm /var/satellite/custom-distro/rhel-i386-server-5.3-beta/Server/*.rpmCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 注記
ソフトウェアパッケージをキックスタートツリー内に残すように選択することもできます。これにより、後日、yumコマンドを使用して、随時インストールできるようになります。 - RHN Satellite Web インターフェースを使用してディストリビューションを作成します。
に進み、適切なラベルとフルツリーパス (例: /var/satellite/custom-distro/rhel-i386-server-5.3-beta/) を使用して、ディストリビューションを作成します。あらかじめ作成したベースチャンネルと正しいインストーラ生成 (例:Red Hat Enterprise Linux 5) を選択します。作成を完了するには、キックスタートディストリビューションの作成 を選択します。 - 複数の環境とシステムにわたって同一ソフトウェアを維持するには、既存の Red Hat Enterprise Linux ベースチャンネルからの RHN Tools 子チャンネルを新たに作成したベースチャンネルの子チャンネルとしてクローンできます。子チャンネルのクローンが以下の手順で行います。
- RHN Satellite の Web インターフェースで、
をクリックします。 - Clone From: (クローンする対象) ドロップダウンボックスからクローンする子チャンネルとその状態を選択します。
- チャンネルの作成 をクリックします。
- 必要な情報を記入し、クローンされた子チャンネルの上位になる親チャンネルを選びます。
- チャンネルの作成 をクリックします。
図2.1 キックスタートディストリビューションの作成