第3章 サブスクリプションの管理
Red Hat Satellite 6 では、Red Hat のコンテンツ配信ネットワーク (CDN) からコンテンツをインポートします。Satellite Server には、お使いの Satellite の各組織に対するサブスクリプションの割り当てが含まれているマニフェストが必要です。これにより、対応するリポジトリーを見つけてアクセスし、そのリポジトリーからダウンロードできるようになります。すべてのサブスクリプション情報は Red Hat カスタマーポータルアカウントで入手できます。
Red Hat Satellite 6.3 には、割り当てに将来の日付が指定されたサブスクリプションを使用する機能が追加されました。これにより、既存のサブスクリプションの有効期限の前に、将来の日付が指定されたサブスクリプションがコンテンツホストに追加されたときに、リポジトリーへのアクセスが妨げられることがありません。Red Hat は、自動アタッチ機能を使用せずに、現在のサブスクリプションの有効期限が切れる前に、コンテンツホストに将来の日付が指定されたサブスクリプションを手動でアタッチすることを推奨します。詳細は 「コンテンツホストへのサブスクリプションのアタッチ」 を参照してください。
本章では、サブスクリプションのサブセットを含むサブスクリプションの割り当てを作成する方法を説明します。
3.1. 複数の割り当てを使用した複数の組織の管理
複数の組織を管理する場合は、Satellite Server で複数の割り当てを使用できます。Satellite 6 では、各組織ごとに Satellite で設定された割り当てが 1 つ必要になります。この利点は、各組織が完全に独立したサブスクリプションを保持するため、各組織をそれぞれ独自の Red Hat Network アカウントでサポートできることです。
3.2. カスタマーポータルでサブスクリプションの割り当ての作成
サブスクリプション情報は、Red Hat カスタマーポータルでアクセスできます。そこで subscription allocation を使用して、Red Hat Satellite サーバーなどのオンプレミス管理アプリケーションで使用するサブスクリプションを割り当てることができます。
- ブラウザーで https://access.redhat.com/ を開き、Red Hat アカウントでログインします。
- カスタマーポータルの左上にある サブスクリプション に移動します。
- サブスクリプション割り当て に移動します。
- 新規サブスクリプションの割り当てを作成 をクリックします。
- 名前 フィールドに名前を入力します。
- タイプ の一覧から、お使いの Satellite Server に一致するタイプとバージョンを選択します。
- 作成 をクリックします。
3.3. 割り当てへのサブスクリプションの追加
以下の手順では、サブスクリプションを割り当てに追加する方法を説明します。
- サブスクリプション割り当て に移動します。
- 変更するサブスクリプションの名前を選択します。
- サブスクリプション タブをクリックします。
- サブスクリプションの追加 をクリックします。
- Red Hat 製品サブスクリプションの一覧が表示されます。各製品に対するエンタイトルメントの数量 を入力します。
- 送信 をクリックして割り当てを完了します。
割り当てにサブスクリプションを追加したら、マニフェストファイルをエクスポートします。
3.4. カスタマーポータルからのサブスクリプションマニフェストのエクスポート
1 つ以上のサブスクリプションがあるサブスクリプション割り当てを表示し、以下のいずれかからマニフェストをエクスポートできます。
- サブスクリプション セクションの 詳細 タブから マニフェストのエクスポート ボタンをクリックします。
- サブスクリプション タブから マニフェストのエクスポート ボタンをクリックします。
マニフェストをエクスポートすると、カスタマーポータルにより、選択したサブスクリプション証明書がエンコードされ、.zip アーカイブが作成されます。作成した .zip アーカイブはサブスクリプションのマニフェストで、Satellite サーバーにアップロードできます。
3.5. Satellite Server へのサブスクリプションマニフェストのインポート
マニフェストは、Red Hat Satellite 6 の Web UI と CLI の両方でインポートできます。
Web UI をご利用の場合
- コンテキストが、使用する組織に設定されていることを確認します。
- コンテンツ > Red Hat サブスクリプション に移動します。
- マニフェストの管理 をクリックして、組織のマニフェストページを表示します。
- ファイルの選択 をクリックしてサブスクリプションマニフェストを選択し、アップロード をクリックします。
CLI をご利用の場合
Red Hat Satellite 6 CLI を使用するには、Satellite Server にマニフェストが必要になります。ローカルクライアントシステムで、マニフェストを Satellite Server にコピーします。
[user@client ~]$ scp ~/manifest_file.zip root@satellite.example.com:~/.
以下のコマンドを実行して、マニフェストをインポートします。
[root@satellite ~]# hammer subscription upload \ --file ~/manifest_file.zip \ --organization "organization_name"
数分後、CLI により、マニフェストのインポートに成功したことが報告されます。
3.6. マニフェストの更新
マニフェストは削除しないでください。Red Hat カスタマーポータルまたは Satellite Web UI でマニフェストを削除すると、すべてのコンテンツホストの登録が解除されます。
サブスクリプションの割り当てを変更した場合は、マニフェストを更新してその変更を更新する必要があります。たとえば、以下のいずれかを行った場合はマニフェストを更新してください。
- サブスクリプションの更新
- サブスクリプションの数量の調整
- 追加サブスクリプションの購入
Satellite のマニフェストを更新するには、以下の 3つの方法から選択できます。
- Satellite Web UI の更新ボタンを使用します。Web UI で、コンテンツ > Red Hat サブスクリプション > マニフェストの管理 に移動し、マニフェストの更新 ボタンを選択します。
- カスタマーポータルからダウンロードし、Satellite Web UI でアップロードします。Web UI で、コンテンツ > Red Hat サブスクリプション > マニフェストの管理 に移動し、参照… をクリックします。サブスクリプションマニフェストを選択し、アップロード をクリックします。
- カスタマーポータルからダウンロードし、CLI から Satellite Server にアップロードします。
[root@satellite ~]# hammer subscription upload \ --file ~/manifest_file.zip \ --organization "organization_name"
3.7. コンテンツホストへのサブスクリプションのアタッチ
プロビジョニング時に、コンテンツホストにサブスクリプションをアタッチするには、アクティベーションキーの使用が推奨されます。ただし、アクティベーションキーは既存のホストを更新することができません。新規または追加のサブスクリプション (たとえば将来の日付が指定されたサブスクリプション) を 1 台のホストにアタッチする必要がある場合は、以下の方法で行ってください。複数のホストをアップデートする必要がある場合は、「コンテンツホストのサブスクリプションの一括アップデート」 を参照してください。アクティベーションキーの詳細は「8章アクティベーションキーの管理」を参照してください。
Web UI をご利用の場合
- ホスト > コンテンツホスト に移動します。
- 変更するサブスクリプションが割り当てられているホストの左側にあるチェックボックスを選択します。
- アクションの選択 一覧から サブスクリプションの管理 を選択します。
- 任意で、検索 フィールドにキーと値を入力し、表示するサブスクリプションを絞り込みます。
- 追加または削除するサブスクリプションの左側にあるチェックボックスを選択し、選択した項目を追加 または 選択した項目を削除 をクリックします。
- 完了 をクリックして変更を保存します。
CLI をご利用の場合
利用可能なサブスクリプションの一覧を表示します。
# hammer subscription list --organization-id 1
サブスクリプションをホストにアタッチします。
# hammer host subscription attach --host host_name --subscription-id subscription_id
3.8. コンテンツホストのサブスクリプションの一括アップデート
ここで説明する方法は、インストール後に複数のコンテンツホストを同時に変更することを目的としています。Web UI およびフィルター機能を使用して変更するコンテンツホストを選択するか、Hammer コマンドラインツールの CSV ファイルエクスポート機能を使用し、CSV ファイルで設定を変更し、変更内容をアップロードします。
Web UI をご利用の場合
- ホスト > コンテンツホスト に移動します。
- 変更するサブスクリプションが割り当てられているホストの左側にあるチェックボックスを選択します。
- アクションの選択 一覧から サブスクリプションの管理 を選択します。
- 任意で、検索 フィールドにキーと値を入力し、表示するサブスクリプションを絞り込みます。
- 追加または削除するサブスクリプションの左側にあるチェックボックスを選択し、選択した項目を追加 または 選択した項目を削除 をクリックします。
- 完了 をクリックして変更を保存します。
CLI をご利用の場合
コンテンツホストの現在の状態を CSV ファイルにエクスポートします。
# hammer --server https://satellite.example.com csv content-hosts --export --file content_hosts.csv
CSV ファイルで必要な値を変更します。CSV ファイルの文字列を変更するには、エディター、CSV プラグイン、または
sed
を使用できます。ファイルのバックアップを作成します。
# cp content_hosts.csv content_hosts.csv.backup
以下のように、文字列を変更します。
# sed -i "s/1|RH1234|Red Hat Enterprise Linux Server/1|RH5678|Red Hat Enterprise Linux Server/g" content_hosts.csv
変更箇所を確認します。以下は例となります。
# diff content_hosts.csv content_hosts.csv.backup
変更したファイルを Satellite Server にアップロードします。
# hammer --server https://satellite.example.com csv content-hosts --file content_hosts.csv
3.9. 本章のまとめ
本章では、サブスクリプション割り当てとマニフェストを使用して、Red Hat カスタマーポータルからサブスクリプション情報を取得し、Satellite Server にインポートする方法を説明しました。
次章では、コンテンツ (特に Red Hat の RPM リポジトリー) をインポートする方法を説明します。