5.3. FCP ストレージの準備
Red Hat Virtualization は、既存の LUN で設定されるボリュームグループからストレージドメインを作成することで、SAN ストレージをサポートしています。ボリュームグループおよび LUN は、いずれも同時に複数のストレージドメインにアタッチすることはできません。
Red Hat Virtualization システムの管理者には Storage Area Networks (SAN) に関する作業知識が必要になります。SAN は通常、ホストと外部の共有ストレージ間のトラフィックにファイバーチャネルプロトコル (FCP) を使用します。このため、SAN は FCP ストレージとも呼ばれています。
Red Hat Enterprise Linux での FCP またはマルチパスの準備および設定に関する情報は、ストレージ管理ガイド および DM Multipath ガイド を参照してください。
ブロックストレージを使用する際に、仮想マシンを Raw デバイスまたは直接 LUN にデプロイして論理ボリュームマネージャー (LVM) で管理する場合は、フィルターを作成してゲストの論理ボリュームを除外する必要があります。これにより、ホストの起動時にゲストの論理ボリュームがアクティブ化されるのを防ぐことができます。アクティブ化されると、論理ボリュームの内容が古くなり、データ破損が生じる可能性があります。vdsm-tool config-lvm-filter
コマンドを使用して、LVM のフィルターを作成します。LVM フィルターの作成 を参照してください。
現状、Red Hat Virtualization はブロックサイズ 4K のブロックストレージはサポートしていません。ブロックストレージはレガシー (512b ブロック) モードで設定する必要があります。
SAN ストレージから起動したホストがストレージへの接続を失うと、ストレージファイルシステムは読み取り専用になり、接続が回復した後もその状態が続きます。
この状態を回避するには、ブート LUN の SAN のルートファイルシステムにドロップインマルチパス設定ファイルを追加し、接続可能な場合にキューに置かれるようにしてください。
# cat /etc/multipath/conf.d/host.conf
multipaths {
multipath {
wwid boot_LUN_wwid
no_path_retry queue
}
}