第5章 Red Hat Virtualization 用ストレージの準備
新たな環境のストレージドメインとして使用するストレージを準備する必要があります。Red Hat Virtualization 環境には少なくとも 1 つのデータストレージドメインが必要ですが、さらに追加することを推奨します。
ホストのオペレーティングシステムのインストールまたは再インストールを行う場合、Red Hat では、ホストにアタッチされている既存の OS 以外のストレージを最初にデタッチすることを強く推奨しています。これは、ディスクを誤って初期化してデータが失われる可能性を避けるためです。
データドメインには、データセンター内の仮想マシンおよびテンプレートの仮想ハードディスクと OVF ファイルを格納します。このドメインは、アクティブな間は複数のデータセンター間で共有することはできません (ただし、データセンター間で移行することは可能です)。複数のストレージタイプのデータドメインを同じデータセンターに追加することは可能ですが、それらはすべてローカルドメインではなく、全ホストがアクセス可能なドメインであることが条件となります。
以下のストレージタイプのいずれかを使用することができます。
5.1. NFS ストレージの準備
ファイルストレージまたはリモートサーバーで NFS 共有を設定し、Red Hat Enterprise Virtualization Host システムのストレージドメインとして機能するようにします。リモートストレージで共有をエクスポートし、Red Hat Virtualization Manager で共有を設定すると、共有は Red Hat Virtualization Host に自動的にインポートされます。
NFS の準備、設定、マウント、およびエクスポートに関する詳細は、Red Hat Enterprise Linux 8 の ファイルシステムの管理 を参照してください。
Red Hat Virtualization には、特定のシステムユーザーアカウントおよびシステムユーザーグループが必要です。これにより、Manager はストレージドメイン (エクスポートしたディレクトリー) にデータを保管することができます。以下の手順では、1 つのディレクトリーのパーミションを設定しています。Red Hat Virtualization のストレージドメインとして使用するすべてのディレクトリーについて、chown
および chmod
のステップを繰り返す必要があります。
前提条件
NFS
utils
パッケージをインストールする。# dnf install nfs-utils -y
以下のコマンドを実行して、有効なバージョンを確認する。
# cat /proc/fs/nfsd/versions
以下のサービスを有効にする。
# systemctl enable nfs-server # systemctl enable rpcbind
手順
kvm
グループを作成します。# groupadd kvm -g 36
kvm
グループにvdsm
ユーザーを作成します。# useradd vdsm -u 36 -g kvm
storage
ディレクトリーを作成し、アクセス権を変更します。# mkdir /storage # chmod 0755 /storage # chown 36:36 /storage/
storage
ディレクトリーを、適切なパーミッションで/etc/exports
に追加します。# vi /etc/exports # cat /etc/exports /storage *(rw)
以下のサービスを再起動します。
# systemctl restart rpcbind # systemctl restart nfs-server
特定の IP アドレスで利用可能なエクスポートを確認するには、以下のコマンドを実行します。
# exportfs /nfs_server/srv 10.46.11.3/24 /nfs_server <world>
サービス起動後に /etc/exports
を変更した場合は、exportfs -ra
コマンドを使用してその変更を再読み込みできます。上記のすべての手順を実行すると、exports ディレクトリーが準備でき、利用可能かどうかを確認するため、別のホストでテストすることができます。