2.4. 分離されたネットワークでの chrony の設定
インターネットに接続されないネットワークの場合、1 台のコンピューターがプライマリータイムサーバーとして選択されます。他のコンピューターは、サーバーの直接のクライアント、またはクライアントのクライアントです。サーバーでは、ドリフトファイルは、システムクロックのドリフトの平均率を使用して手動で設定します。サーバーを再起動すると、周囲のシステムから時間を取得し、システムクロックを設定するために平均値を計算します。その後、drift ファイルに基づいて調整の適用を再開します。drift ファイルは、settime
コマンドが使用されたときに自動的に更新されます。
分離されたネットワーク内のシステムに chrony を設定するには、次の手順に従います。
手順
サーバーとして選択したシステムで、
/etc/chrony.conf
を次のように編集します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow <subnet>
は、クライアントの接続元として許可するネットワークです。サブネットを指定するには、Classless Inter-Domain Routing (CIDR) 表記を使用します。サーバーの直接のクライアントとして選択したシステムで、
/etc/chrony.conf
を次のように編集します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow <server_fqdn>
はサーバーのホスト名、<server_ip_address>
はサーバーのアドレスです。この設定のクライアントは、再起動するとサーバーと再同期します。
サーバーの直接のクライアントにはならないクライアントシステムの /etc/chrony.conf
ファイルでは、local
ディレクティブおよび allow
ディレクティブが省略される以外は、同じになる必要があります。
孤立したネットワークでは、ローカルの参照モードを有効にする local
ディレクティブも使用できます。これにより、NTP
サーバーとして動作している chronyd
は、サーバーが一度も同期されていなかったり、クロックの最終更新から長い時間が経過している場合でも、リアルタイムに同期してるように見えます。
ネットワーク内の複数のサーバーが同じローカル構成を使用し、互いに同期しつつ、複数のサーバーにポーリングを行うクライアントを混乱させないようにするには、local
ディレクティブの orphan
オプションを使用して、orphan モードを有効にします。各サーバーは、他のすべてのサーバーを local
でポーリングするように設定する必要があります。これにより、最小の参照 ID を持つサーバーでのみローカル参照が有効になり、他のサーバーはそれに同期します。サーバーに障害が発生すると、別のサーバーが引き継ぎます。