第16章 全般的な更新
Dovecot
の first_valid_uid
のデフォルト値が Red Hat Enterprise Linux 7 で変更される
Red Hat Enterprise Linux 7.3 以降、
Dovecot
の first_valid_uid
設定オプションのデフォルト値が Red Hat Enterprise Linux 6 の 500
から 1000
に変更されました。このため、Red Hat Enterprise Linux 6 インストールで first_valid_uid
を明示的に定義しないと、Red Hat Enterprise Linux 7 への更新後に Dovecot
設定は UID が 1000
未満のユーザーによるログインを許可しなくなります。
この設定の齟齬を回避するには、
/etc/dovecot/conf.d/10-mail.conf
ファイル内の first_valid_uid
を 500
に再定義します。この問題の影響を受けるのは、first_valid_uid
が明示的に定義されていないインストールのみであることに留意してください。(BZ#1388967)
Red Hat Enterprise Linux 7 でサービスの予期されるデフォルト設定についての情報が誤っている
起動スクリプトを処理する Preupgrade Assistant は、Red Hat Enterprise Linux 7 では
/usr/lib/systemd/system-preset/90-default.preset
ファイルに従って、Red Hat Enterprise Linux 6 では現行設定に従ってサービスの予期されるデフォルト設定について間違った情報を提供します。さらに、このモジュールはシステムのデフォルト設定をチェックせず、チェックスクリプトの処理中に使用されるランレベルの設定のみをチェックします。これは、システムのデフォルトのランレベルではない可能性があります。このため、起動スクリプトは予期される方法では処理されず、新規システムでは本来よりも多くの手動操作が必要になります。ただし、想定されるデフォルト設定にもかかわらず、関連サービスに選択される設定についてユーザーは情報提供されます。
アップグレードの後、named-chroot
サービスでは、手動で作成された設定は正常に機能しない可能性がある
named-chroot
サービスを使用し、/var/named/chroot/
ディレクトリー内に手動で作成した独自の設定ファイルがある場合、このサービスは、Red Hat Enterprise Linux 7 へのアップグレード後にターゲットシステムで正常に機能しない可能性があります。使用している設定ファイルの options
セクションには、session-keyfile
および pid-file
ディレクティブが格納されている必要があります。以下に例を示します。
session-keyfile "/run/named/session.key"; pid-file "/run/named/named.pid";
Preupgrade Assistant
モジュールは、/var/named/chroot/
ディレクトリー内に手動で作成されたファイルを確認したり、修正したりしません。この問題を回避するには、上記に示した例を options
セクションに手動で挿入します。手動で作成した独自の設定ファイルが /var/named/chroot/
にない場合、/etc/named.conf
ファイルを含む bind
の設定ファイルが使用されます。これらの設定ファイルは、Preupgrade Assistant
モジュールによって確認および修正されます。(BZ#1473233)