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1.4.2. GFS と GFS2 のその他の相異点

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本セクションでは、「GFS2 のコマンド名」 に説明されていない GFS と GFS2 の違いについて簡単に説明します。

コンテキスト依存のパス名

GFS2 ファイルシステムでは、ポイント先が変化するファイルやディレクトリーを指すシンボリックリンクを作成できるコンテキスト依存のパス名には対応していません。GFS2 でこのように機能させたい場合は、mount コマンドの bind オプションを使用します。GFS2 でのコンテキスト依存のパス名やバインドのマウントについての詳細は 「複数マウントの結合とコンテキスト依存のパス名」 を参照してください。

gfs2.ko モジュール

GFS ファイルシステムを実装するカーネルモジュールは gfs.ko です。 GFS2 ファイルシステムを実装するカーネルモジュールは gfs2.ko です。

GFS2 での Quota の施行を有効にする

GFS2 ファイルシステムでは、クォータの施行がデフォルトでは無効になっているため明示的に有効にする必要があります。クォータの施行を有効にするまたは無効にする方法については 「GFS2 のクォータ管理」 を参照してください。

データジャーナリング

GFS2 ファイルシステムでは、ファイルやディレクトリーに j フラグをセットしたり外したりする chattr コマンドの使用に対応しています。ファイルに +j フラグをセットするとそのファイルでのデータジャーナリングが有効になります。+j フラグをディレクトリーにセットするということは「jdata を継承させる」ということになります。つまり、このディレクトリー内にその後作成されるファイルやディレクトリーがすべてジャーナリングされることになります。ファイルでデータのジャーナリングを有効または無効にする場合は chattr コマンドの使用をお勧めします。

ジャーナルを動的に追加

GFS ファイルシステムでは、ジャーナルはファイルシステムの外に存在する埋め込まれたメタデータなので、ジャーナルを追加する前にファイルシステムを格納している論理ボリュームのサイズを拡張する必要があります。GFS2 ファイルシステムでは、ジャーナルはプレーンファイル (ただし隠しファイル) です。つまり、GFS2 ファイルシステムの場合、追加ジャーナル用の領域がファイルシステムに残っている限り、追加のサーバーがファイルシステムをマウントする際にジャーナルを動的に追加することができます。GFS2 ファイルシステムにジャーナルを追加する方法については 「ファイルシステムへジャーナルの追加」 を参照してください。

atime_quantum パラメーターの削除

GFS2 ファイルシステムは調整可能な atime_quantum パラメーターには対応していません。GFS ファイルシステムではこのパラメーターを使うと atime 更新の発生頻度を指定することができます。GFS2 では代替として relatimenoatime のマウントオプションに対応しています。GFS で atime_quantum パラメーターを使って設定する動作と同じような動作を設定する場合は relatime マウントオプションの使用をお勧めします。

マウントコマンドの data= オプション

GFS2 ファイルシステムをマウントする場合、mount コマンドの data=ordered または data=writeback オプションを指定することができます。data=ordered を設定すると、トランザクションによって変更されたユーザーデータがディスクにフラッシュされてから、そのトランザクションがディスクにコミットされます。これにより、クラッシュ後、ファイル内に初期化されていないブロックが出現するのを防ぎます。data=writeback を設定すると、ユーザーデータはダーティになった後でも常にディスクに書き込まれます。ordered モードと同じ整合性の保証は得られませんが、一部の作業負荷に対して作業速度が若干速くなるはずです。デフォルトは ordered モードです。

gfs2_tool コマンド

gfs2_tool コマンドが GFS2 に対して対応しているオプションと gfs_tool コマンドが GFS に対して対応しているオプションとは異なります。
  • gfs2_tool コマンドは、ファイルシステムが格納しているジャーナル数など、現在設定されているジャーナルに関する情報を表示する journals パラメーターに対応しています。
  • gfs2_tool コマンドでは counters フラグには対応していません。このフラグは gfs_tool コマンドでは GFS の統計を表示する際に使用されます。
  • gfs2_tool コマンドでは inherit_jdata フラグには対応していません。ディレクトリーに「jdata を継承させる」フラグを付ける場合は jdata フラグを設定するか、chattr コマンドを使って +j フラグを設定します。ファイルでデータのジャーナリングを有効または無効にする場合は chattr コマンドの使用をお勧めします。

注記

Red Hat Enterprise Linux 6.2 リリースからは GFS2 で tunegfs2 コマンドに対応するようになります。gfs2_tool コマンドの一部機能がこのコマンドで行えるようになります。詳細については tunegfs2 の man ページを参照してください。gfs2_tool コマンドの settune および gettune 関数はmount コマンドのコマンドラインオプションに置き換えられ、必要な時に fstab ファイルで設定できるようになりました。

gfs2_edit コマンド

gfs2_edit コマンドが GFS2 に対して対応しているオプションと gfs_edit コマンドが GFS に対して対応しているオプションとは異なります。コマンドの各バージョンが対応しているオプションについては gfs2_edit および gfs_edit の man ページをそれぞれ参照してください。
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