第4章 Red Hat Enterprise Virtualization で実行するための仮想マシンの変換
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は、仮想マシンを Red Hat Enterprise Virtualization で実行するように変換することができます。仮想マシンは、Xen、KVM、および VMware ESX / ESX(i) の環境から変換することが可能です。仮想マシンを Red Hat Enterprise Virtualization で実行するように変換する前には、使用する Red Hat Enterprise Virtualization データセンターにエクスポートストレージドメインをアタッチする必要があります。エクスポートストレージドメインをアタッチするプロセスについては、「エクスポートストレージドメインのアタッチ」 で説明しています。エクスポートストレージドメインについての詳しい説明は、『Red Hat Enterprise Virtualization 管理ガイド』を参照してください。
4.1. 変換されるストレージの許容可能な出力形式
Red Hat Enterprise Virtualization で実行するようにゲスト仮想マシンを変換する場合には、ストレージ形式と割り当てポリシーの組み合わせがすべてサポートされているわけではない点に注意することが重要です。サポートされる組み合わせは、ゲストのインポート先となる Red Hat Enterprise Virtualization データセンターがデータストレージドメインにブロック (FC または iSCSI) を使用するか、ファイル (NFS) を使用するかによって異なります。
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は、エクスポートストレージドメインに書き込みを行い、その形式は常に NFS である必要がある点に注意してください。
注記
データドメインのタイプは、Red Hat Enterprise Virtualization への仮想マシンのインポートを成功させる重要な要素です。
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は、データセンターのタイプを検知することができないので、ユーザーが手動でチェックする必要があります。
ドメインタイプ | ストレージ形式 | サポート |
---|---|---|
NFS | raw | Yes |
qcow2 | No | |
FC/iSCSI | raw | Yes |
qcow2 | No |
ドメインタイプ | ストレージ形式 | サポート |
---|---|---|
NFS | raw | Yes |
qcow2 | Yes | |
FC/iSCSI | raw | No |
qcow2 | Yes |
-of
と -oa
のパラメーターを使用して、それぞれデータ形式と割り当てポリシーを指定しない限り、virt-v2v
は変換される仮想マシンのデータ形式と割り当てポリシーを維持します。スパース割り当てを使用する仮想マシンを FC または iSCSI データセンターにインポートするには、ストレージ形式を qcow2 に変換する必要があります。これは、virt-v2v
に -of qcow2 -oa sparse
のパラメーターを渡すことによって指定することができます。raw と qcow2 間の形式の変換は、リソースを集中的に使用する操作で、変換プロセスの所要時間が約 2 倍となる点に注意してください。
重要
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は、事前割り当て済みの qcow2 ストレージに書き込みを行うことができますが、Red Hat Enterprise Virtualization では一切サポートされていません。Red Hat Enterprise Virtualization へのインポートは失敗します。