5.3. 物理マシンから仮想マシンへの変換
変換サーバーと選択した起動メディアの準備が整ったところで、次に P2V クライアントを起動して、変換サーバーに接続し、物理マシンの変換を行います。変換プロセス (特に大容量の物理ディスクを変換する場合) には長時間を要する可能性があります。
手順5.1 物理マシンから仮想マシンへの変換
変換サーバーで P2V クライアントの起動メディアを起動します。
変換サーバーで、変換準備の際に作成した P2V クライアントの起動メディアを起動します。P2V クライアントは Red Hat Enterprise Linux 6 のライブイメージを基盤に構築されるため、このツールの起動中には Red Hat Enterprise Linux 6 のスプラッシュイメージが表示されます。必要であればネットワークの設定をします。
通常 P2V クライアントは、DHCP を使用してネットワークを自動的に設定します。ネットワークを自動的に設定できない場合には、手動で設定する必要があります。IP Address、Gateway、Prefix は必須フィールドです。ご使用のネットワークに適した値を入力して Use these network settings をクリックします。P2V クライアントは、物理マシンから仮想マシンへの変換での NIC チーミング設定をサポートしていない点に注意してください。図5.1 P2V クライアントのネットワーク設定
注記
自動的なネットワーク設定を避け、手動でネットワークを設定するには、物理マシンのネットワークを切断してから起動します。変換サーバーへ接続します。
ネットワークの設定時には、変換サーバーへの接続の詳細情報の入力を要求されます。これには、Hostname (ホスト名または IP アドレス)、Username (root である必要あり)、Password が含まれます。これらの詳細情報を入力して Connect をクリックします。図5.2 変換サーバーへの接続
対象の仮想マシンを設定して、変換するハードウェアを選択します。
変換サーバーに接続した後には、変換される物理マシンにアタッチされる仮想ハードウェアを設定し、変換する物理ハードウェアを選択します。図5.3 仮想マシンの設定
- Target Properties で以下を設定します。
- ドロップダウンメニューから Destination Profile を選択します。これは、変換サーバーの
/etc/virt-v2v.conf
ファイルに記載されているターゲットプロファイルを反映します。 - Target Properties に、物理マシンから変換される仮想マシンの Name を入力します。
- Target Properties の Number of CPUs と Memory(MB) の値は自動的に検出/入力されます。出力される仮想マシンに、この値よりも多くの CPU とメモリーが必要な場合には変更してください。
- Fixed Storage で、変換するデバイスを 1 つまたは複数選択してください。固定ストレージデバイスを少なくとも 1 つ選択する必要があります。これには、オペレーティングシステムのインストールを格納しているデバイスが含まれます。
- Removable Media で、変換するデバイスを 1 つまたは複数選択します。
- Network Interfaces で、変換するネットワークインターフェースを 1 つまたは複数選択します。
- オプション: デバッグのメッセージをファイルに表示するには、Enable server-side debugging のチェックボックスを選択します。この設定は、変換処理中にサーバーが
LIBGUESTFS_TRACE
およびLIBGUESTFS_DEBUG
の出力を書き込むように指示します。Enable server-side debugging チェックボックスは、Red Hat Enterprise Linux 6.5 以降のバージョンアップのみで利用できます。P2V 変換のデバッグに関する詳しい情報は、「P2V 変換のデバッグ」 を参照してください。 - Convert をクリックします。
図5.4 変換処理中の画面
変換が完了して、処理が正常に完了したことを示すメッセージが表示されたら、物理マシンをシャットダウンすることができます。
![The screen reads "A guest has been successfully created on the target server. Remove the temporary boot device from this machine and press 'Power Off' to continue." A Power Off button appears below the text in this window.](https://access.redhat.com/webassets/avalon/d/Red_Hat_Enterprise_Linux-6-V2V_Guide-ja-JP/images/5cece124b9c4097f2baad2ce61189d09/p2v_success.png)
図5.5 変換が正常に完了したことを通知するメッセージ
物理マシンから仮想マシンへの変換が完了しました。このマシンをインポートして、ハイパーバイザーで実行することができます。