第5章 物理マシンから仮想マシンへの変換
本章では、Red Hat の Physical-to-Virtual (P2V) ソリューションである Virt P2V を使用した、物理マシンから仮想マシンへの変換について説明します。
Virt P2V は、virt-v2v パッケージに含まれている virt-p2v-server と、Red Hat カスタマーポータルから
rhel-6.x-p2v.iso
として提供されている P2V クライアントの両方で構成されます。rhel-6.x-p2v.iso
は、カスタマイズされた Red Hat Enterprise Linux 6 イメージをベースとする、ブート可能なディスクイメージです。rhel-6.x-p2v.iso
からマシンを起動して、virt-v2v がインストールされている V2V 変換サーバーに接続すると、物理マシンのデータが変換サーバーにアップロードされ、Red Hat Enterprise Virtualization または libvirt で管理される KVM で使用できるように変換されます。
ホストは Red Hat Enterprise Linux 6 を実行している必要がある点に注意してください。他のホスト設定では機能しません。
重要
以下のルールを順守してください。これらのルールに従わなかった場合には、データが損失したり、ディスクが正常に機能しなくなる可能性があります。
- Physical to Virtual (P2V) 機能には、virt-v2v-0.8.7 以降のバージョンをインストール済みの Red Hat Enterprise Linux 6 仮想化ホストが必要です。virt-v2v のバージョンは、
$ rpm -q virt-v2v
のコマンドを実行すると確認することができます。 - Red Hat Enterprise Linux 5 変換サーバーに対して変換を行ったり、バージョン 0.8.7-6.el6 よりも前の virt-v2v パッケージは使用することはできない点に注意してください。
- 物理マシンから仮想マシンへの変換が可能なオペレーティングシステムは数多くありますが、ソフトウェア RAID を使用した物理マシンの変換では既知の問題があるので注意してください。ソフトウェア RAID md デバイス上にファイルシステムの root がある Red Hat Enterprise Linux 6 マシンは、ゲスト仮想マシンに変換することができますが、ソフトウェア RAID md デバイス上にファイルシステムの root がある Red Hat Enterprise Linux 4 および Red Hat Enterprise Linux 5 の物理マシンは、仮想マシンに変換することはできません。現時点では、この問題の回避策はありません。
5.1. 前提条件
P2V クライアントを使用して物理マシンを変換する場合に P2V クライアントを正常に起動するには、基本的なハードウェア要件を満たしている必要があります。
- PXE、光学メディア (CD、DVD)、USB のいずれかで起動可能
- 最小 512 MB の RAM
- イーサネット接続
- コンソールアクセス (キーボード、ビデオ、マウス)
virt-v2v
のサポート対象オペレーティングシステム:- Red Hat Enterprise Linux 3.9
- Red Hat Enterprise Linux 4
- Red Hat Enterprise Linux 5
- Red Hat Enterprise Linux 6
- Windows XP
- Windows Vista
- Windows 7
- Windows Server 2003
- Windows Server 2008