Hosted Control Plane


OpenShift Container Platform 4.17

OpenShift Container Platform で Hosted Control Plane を使用する

Red Hat OpenShift Documentation Team

概要

このドキュメントでは、OpenShift Container Platform の Hosted Control Plane を管理するための手順を説明します。Hosted Control Plane を使用すると、コントロールプレーンごとに専用の物理マシンまたは仮想マシンを用意することなく、ホスティングクラスター上の Pod としてコントロールプレーンを作成できます。

第1章 Hosted Control Plane のリリースノート

リリースノートには、新機能、非推奨機能、変更、既知の問題に関する情報が記載されています。

1.1. OpenShift Container Platform 4.17 用の Hosted Control Plane のリリースノート

このリリースでは、OpenShift Container Platform 4.17 用の Hosted Control Plane が利用可能になりました。OpenShift Container Platform 4.17 用の Hosted Control Plane は、multicluster engine for Kubernetes Operator バージョン 2.7 をサポートしています。

1.1.1. 新機能および機能拡張

今回のリリースでは、以下の概念に関連する拡張機能が追加されました。

1.1.1.1. カスタムの taint と toleration (テクノロジープレビュー)

OpenShift Virtualization の Hosted Control Plane では、hcp CLI -tolerations 引数を使用するか、hc.Spec.Tolerations API ファイルを使用して、Hosted Control Plane Pod に toleration を適用できるようになりました。この機能は、テクノロジープレビューとしてのみ利用できます。詳細は、カスタムの taint および toleration を参照してください。

1.1.1.2. OpenShift Virtualization における NVIDIA GPU デバイスのサポート (テクノロジープレビュー)

OpenShift Virtualization の Hosted Control Plane では、1 つ以上の NVIDIA グラフィックスプロセッシングユニット (GPU) デバイスをノードプールにアタッチできます。この機能は、テクノロジープレビューとしてのみ利用できます。詳細は、hcp CLI を使用して NVIDIA GPU デバイスをアタッチする および NodePool リソースを使用して NVIDIA GPU デバイスをアタッチする を参照してください。

1.1.1.3. AWS におけるテナンシーのサポート

AWS でホステッドクラスターを作成するときに、EC2 インスタンスを共有ハードウェアで実行するか、シングルテナントハードウェアで実行するかを指定できます。詳細は、AWS 上にホステッドクラスターを作成する を参照してください。

1.1.1.4. ホステッドクラスターでの OpenShift Container Platform バージョンのサポート

ホステッドクラスターに、サポートされているさまざまな OpenShift Container Platform バージョンをデプロイできます。詳細は、ホステッドクラスターでサポートされている OpenShift Container Platform バージョン を参照してください。

1.1.1.5. 非接続環境における OpenShift Virtualization の Hosted Control Plane の一般提供を開始

このリリースでは、非接続環境における OpenShift Virtualization の Hosted Control Plane が一般提供されます。詳細は、非接続環境で OpenShift Virtualization に Hosted Control Plane をデプロイする を参照してください。

1.1.1.6. AWS における ARM64 OpenShift Container Platform クラスターの Hosted Control Plane の一般提供を開始

このリリースでは、AWS における ARM64 OpenShift Container Platform クラスターの Hosted Control Plane が一般提供されます。詳細は、ARM64 アーキテクチャーでのホステッドクラスターの実行 を参照してください。

1.1.1.7. IBM Z における Hosted Control Plane の一般提供を開始

このリリースでは、IBM Z 上の Hosted Control Plane が一般提供されます。詳細は、IBM Z への Hosted Control Plane のデプロイ を参照してください。

1.1.1.8. IBM Power における Hosted Control Plane の一般提供を開始

このリリースでは、IBM Power 上の Hosted Control Plane が一般提供されます。詳細は、IBM Power への Hosted Control Plane のデプロイ を参照してください。

1.1.2. バグ修正

  • 以前は、ホストされたクラスタープロキシーが設定され、HTTP または HTTPS エンドポイントを持つアイデンティティープロバイダー (IDP) が使用されていた場合、プロキシー経由で送信される前に IDP のホスト名が解決されませんでした。その結果、データプレーンでのみ解決できるホスト名は IDP では解決できませんでした。この更新により、IPD トラフィックを konnectivity トンネル経由で送信する前に DNS ルックアップが実行されます。その結果、データプレーンでのみ解決できるホスト名を持つ IDP は、Control Plane Operator によって検証できるようになります。(OCPBUGS-41371)
  • 以前は、ホストされたクラスターの controllerAvailabilityPolicySingleReplica に設定されていた場合、ネットワークコンポーネント上の podAntiAffinity によってコンポーネントの可用性がブロックされていました。このリリースにより、この問題は解決されました。(OCPBUGS-39313)
  • 以前は、ホストされたクラスターイメージ設定で指定された AddedTrustedCA は、image-registry-Operator によって期待されたとおりに openshift-config namespace に調整されず、コンポーネントは利用できませんでした。このリリースにより、この問題は解決されました。(OCPBUGS-39225)
  • 以前は、コアオペレーティングシステムの変更により、Red Hat HyperShift の定期的な適合ジョブが失敗していました。この失敗したジョブにより、OpenShift API のデプロイメントが失敗していました。このリリースでは、更新時に 1 つのファイルがコピーされるのではなく、個々の信頼済み認証局 (CA) 証明書が再帰的にコピーされるため、定期的な適合ジョブが成功し、OpenShift API が期待どおりに実行されます。(OCPBUGS-38941)
  • 以前は、ホストされたクラスター内の Konnectivity プロキシーエージェントは常にすべての TCP トラフィックを HTTP/S プロキシー経由で送信していました。また、トラフィックでは解決された IP アドレスのみ受信するため、NO_PROXY 設定のホスト名も無視されました。その結果、LDAP トラフィックなどのプロキシーされることを意図していないトラフィックが、設定に関係なくプロキシーされました。このリリースでは、プロキシーはソース (コントロールプレーン) で完了し、Konnectivity エージェントのプロキシー設定が削除されました。その結果、LDAP トラフィックなどのプロキシーされることを意図していないトラフィックはプロキシーされなくなります。ホスト名を含む NO_PROXY 設定は尊重されます。(OCPBUGS-38637)
  • 以前は、azure-disk-csi-driver-controller イメージは、registryOverride を使用するときに適切なオーバーライド値を取得しませんでした。これは、値が azure-disk-csi-driver データプレーンイメージに伝播されるのを避けるため、意図的に行われたものです。この更新では、別のイメージオーバーライド値を追加することで問題が解決されました。その結果、azure-disk-csi-driver-controllerregistryOverride で使用できるようになり、azure-disk-csi-driver データプレーンイメージに影響を与えなくなりました。(OCPBUGS-38183)
  • 以前は、プロキシー管理クラスター上で実行されていた Hosted Control Plane 内の AWS クラウドコントローラーマネージャーは、クラウド API 通信にプロキシーを使用しませんでした。このリリースにより、この問題は修正されました。(OCPBUGS-37832)
  • 以前は、ホストされたクラスターのコントロールプレーンで実行される Operator のプロキシーが、データプレーンで実行される konnectivity エージェント Pod のプロキシー設定によって実行されていました。アプリケーションプロトコルに基づいてプロキシーが必要かどうかを区別することはできませんでした。

    OpenShift Container Platform との互換性を保つために、HTTPS または HTTP 経由の IDP 通信はプロキシーする必要がありますが、LDAP 通信はプロキシーする必要ありません。このタイプのプロキシーでは、トラフィックが Konnectivity エージェントに到達するまでに宛先 IP アドレスのみ使用可能になるため、ホスト名に依存する NO_PROXY エントリーも無視されます。

    このリリースでは、ホステッドクラスターでのプロキシーはコントロールプレーンで konnectivity-https-proxy および konnectivity-socks5-proxy を介して呼び出され、Konnectivity エージェントからのプロキシートラフィックが停止されます。その結果、LDAP サーバー宛のトラフィックはプロキシーされなくなります。その他の HTTPS または HTTPS トラフィックは正しくプロキシーされます。ホスト名を指定すると、NO_PROXY 設定が適用されます。(OCPBUGS-37052)

  • 以前は、IDP 通信のプロキシーが Konnectivity エージェントで行われていました。トラフィックが Konnectivity に到達するまでに、そのプロトコルとホスト名が利用できなくなっていました。その結果、OAUTH サーバー Pod のプロキシーが正しく実行されていませんでした。プロキシーを必要とするプロトコル (http/s) とプロキシーを必要としないプロトコル (ldap://) が区別されていませんでした。さらに、HostedCluster.spec.configuration.proxy 仕様で設定されている no_proxy 変数が考慮されませんでした。

    このリリースでは、OAUTH サーバーの Konnectivity サイドカーでプロキシーを設定することにより、no_proxy 設定を考慮しながら、トラフィックを適切にルーティングできるようになりました。その結果、ホストされたクラスターにプロキシーが設定されている場合、OAUTH サーバーがアイデンティティープロバイダーと適切に通信できるようになりました。(OCPBUGS-36932)

  • 以前は、Hosted Cluster Config Operator (HCCO) は、HostedCluster オブジェクトから ImageContentSources フィールドを削除した後、ImageDigestMirrorSet CR (IDMS) を削除しませんでした。その結果、IDMS は、本来は保持されるべきではないにもかかわらず、HostedCluster オブジェクトに保持されていました。このリリースでは、HCCO は HostedCluster オブジェクトからの IDMS リソースの削除を管理します。(OCPBUGS-34820)
  • 以前は、非接続環境に hostedCluster をデプロイするには、hypershift.openshift.io/control-plane-operator-image アノテーションを設定する必要がありました。この更新により、アノテーションは不要になりました。さらに、メタデータインスペクターはホストされた Operator の調整中に期待どおりに機能し、OverrideImages は期待どおりに設定されます。(OCPBUGS-34734)
  • 以前は、AWS 上のホストされたクラスターは、VPC のプライマリー CIDR 範囲を活用して、データプレーン上でセキュリティーグループルールを生成していました。その結果、複数の CIDR 範囲を持つ AWS VPC にホストされたクラスターをインストールした場合、生成されたセキュリティーグループルールでは不十分な可能性がありました。この更新により、提供された Machine CIDR 範囲に基づいてセキュリティーグループルールが生成され、この問題が解決されます。(OCPBUGS-34274)
  • 以前は、OpenShift Cluster Manager コンテナーには適切な TLS 証明書がありませんでした。その結果、接続されていないデプロイメントではイメージストリームを使用できませんでした。このリリースでは、この問題を解決するために、TLS 証明書が projected ボリュームとして追加されました。(OCPBUGS-31446)
  • 以前は、OpenShift Virtualization における multicluster engine for Kubernetes Operator コンソールの一括破棄オプションでは、ホステッドクラスターが破棄されませんでした。このリリースでは、この問題は解決されました。(ACM-10165)

1.1.3. 既知の問題

  • アノテーションと ManagedCluster リソース名が一致しない場合、multicluster engine for Kubernetes Operator コンソールにはクラスターの状態が Pending import として表示されます。このようなクラスターは、multicluster engine Operator で使用できません。アノテーションがなく、ManagedCluster 名が HostedCluster リソースの Infra-ID 値と一致しない場合も、同じ問題が発生します。
  • Multicluster engine for Kubernetes Operator コンソールを使用して、既存のホステッドクラスターに新しいノードプールを追加すると、オプションリストに同じバージョンの OpenShift Container Platform が複数回表示される場合があります。必要なバージョンの一覧で任意のインスタンスを選択できます。
  • ノードプールが 0 ワーカーにスケールダウンされても、コンソールのホストのリストには、Ready 状態のノードが表示されます。ノードの数は、次の 2 つの方法で確認できます。

    • コンソールでノードプールに移動し、ノードが 0 であることを確認します。
    • コマンドラインインターフェイスで、以下のコマンドを実行します。

      • 次のコマンドを実行して、ノードプールにあるノード数が 0 個であることを確認します。

        $ oc get nodepool -A
      • 次のコマンドを実行して、クラスター内にあるノード数が 0 個であることを確認します。

        $ oc get nodes --kubeconfig
      • 次のコマンドを実行して、クラスターにバインドされているエージェント数が 0 と報告されていることを確認します。

        $ oc get agents -A
  • デュアルスタックネットワークを使用する環境でホステッドクラスターを作成すると、次の DNS 関連の問題が発生する可能性があります。

    • service-ca-operator Pod の CrashLoopBackOff 状態: Pod が Hosted Control Plane 経由で Kubernetes API サーバーに到達しようとすると、kube-system namespace のデータプレーンプロキシーがリクエストを解決できないため、Pod はサーバーに到達できません。この問題は、HAProxy セットアップでフロントエンドが IP アドレスを使用し、バックエンドが Pod が解決できない DNS 名を使用するために発生します。
    • Pod が ContainerCreating 状態でスタックする: この問題は、openshift-service-ca-operator が DNS Pod が DNS 解決に必要とする metrics-tls シークレットを生成できないために発生します。その結果、Pod は Kubernetes API サーバーを解決できません。これらの問題を解決するには、デュアルスタックネットワークの DNS サーバー設定を行います。
  • エージェントプラットフォームでは、Hosted Control Plane 機能により、エージェントがイグニションのプルに使用するトークンが定期的にローテーションされます。その結果、少し前に作成されたエージェントリソースがある場合、Ignition のプルに失敗する可能性があります。回避策として、エージェント仕様で IgnitionEndpointTokenReference プロパティーのシークレットを削除し、その後にエージェントリソースのラベルを追加または変更します。システムは新しいトークンを使用してシークレットを再作成します。
  • ホステッドクラスターをそのマネージドクラスターと同じ namespace に作成した場合、マネージドホステッドクラスターをデタッチすると、ホステッドクラスターが含まれるマネージドクラスター namespace 内のすべてが削除されます。次の状況では、マネージドクラスターと同じ namespace にホステッドクラスターが作成される可能性があります。

    • デフォルトのホステッドクラスターのクラスター namespace を使用し、multicluster engine for Kubernetes Operator を介してエージェントプラットフォーム上にホステッドクラスターを作成した場合。
    • ホステッドクラスターの namespace をホステッドクラスターの名前と同じになるよう指定して、コマンドラインインターフェイスまたは API を介してホステッドクラスターを作成した場合。

1.1.4. 一般提供およびテクノロジープレビュー機能

一般提供 (GA) の機能は完全にサポートされており、実稼働での使用に適しています。テクノロジープレビュー (TP) 機能は実験的な機能であり、本番環境での使用を目的としたものではありません。TP 機能の詳細は、Red Hat Customer Portal のテクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。

Hosted Control Plane の GA 機能および TP 機能は、次の表を参照してください。

表1.1 Hosted Control Plane GA および TP トラッカー
機能4.154.164.17

Amazon Web Services (AWS) 上の OpenShift Container Platform の Hosted Control Plane

テクノロジープレビュー

一般提供

一般提供

ベアメタル上の OpenShift Container Platform の Hosted Control Plane

一般提供

一般提供

一般提供

OpenShift Virtualization 上の OpenShift Container Platform の Hosted Control Plane

一般提供

一般提供

一般提供

非ベアメタルエージェントマシンを使用した OpenShift Container Platform の Hosted Control Plane

テクノロジープレビュー

テクノロジープレビュー

テクノロジープレビュー

Amazon Web Services 上の ARM64 OpenShift Container Platform クラスター用の Hosted Control Plane

テクノロジープレビュー

テクノロジープレビュー

一般提供

IBM Power 上の OpenShift Container Platform の Hosted Control Plane

テクノロジープレビュー

テクノロジープレビュー

一般提供

IBM Z 上の OpenShift Container Platform の Hosted Control Plane

テクノロジープレビュー

テクノロジープレビュー

一般提供

RHOSP 上の OpenShift Container Platform の Hosted Control Plane

利用不可

利用不可

開発者プレビュー

第2章 Hosted Control Plane の概要

OpenShift Container Platform クラスターは、スタンドアロンまたは Hosted Control Plane という 2 つの異なるコントロールプレーン設定を使用してデプロイできます。スタンドアロン設定では、専用の仮想マシンまたは物理マシンを使用してコントロールプレーンをホストします。OpenShift Container Platform の Hosted Control Plane を使用すると、各コントロールプレーンに専用の仮想マシンまたは物理マシンを用意する必要なく、管理クラスター上の Pod としてコントロールプレーンを作成できます。

2.1. Hosted Control Plane の概要

Hosted Control Plane は、次のプラットフォームで サポートされているバージョンの multicluster engine for Kubernetes Operator を使用することで利用できます。

  • Agent プロバイダーを使用したベアメタル
  • 非ベアメタルエージェントマシン (テクノロジープレビュー機能)
  • OpenShift Virtualization
  • Amazon Web Services (AWS)
  • IBM Z
  • IBM Power

Hosted Control Plane 機能はデフォルトで有効になっています。

2.1.1. Hosted Control Plane のアーキテクチャー

OpenShift Container Platform は、多くの場合、クラスターがコントロールプレーンとデータプレーンで構成される結合モデルまたはスタンドアロンモデルでデプロイされます。コントロールプレーンには、API エンドポイント、ストレージエンドポイント、ワークロードスケジューラー、および状態を保証するアクチュエーターが含まれます。データプレーンには、ワークロードとアプリケーションが実行されるコンピュート、ストレージ、およびネットワークが含まれます。

スタンドアロンコントロールプレーンは、クォーラムを確保できる最小限の数で、物理または仮想のノードの専用グループによってホストされます。ネットワークスタックは共有されます。クラスターへの管理者アクセスにより、クラスターのコントロールプレーン、マシン管理 API、およびクラスターの状態に影響を与える他のコンポーネントを可視化できます。

スタンドアロンモデルは正常に機能しますが、状況によっては、コントロールプレーンとデータプレーンが分離されたアーキテクチャーが必要になります。そのような場合には、データプレーンは、専用の物理ホスティング環境がある別のネットワークドメインに配置されています。コントロールプレーンは、Kubernetes にネイティブなデプロイやステートフルセットなど、高レベルのプリミティブを使用してホストされます。コントロールプレーンは、他のワークロードと同様に扱われます。

Hosted Control Plane モデルと、コントロールプレーンとワーカーを組み合わせた OpenShift を比較した図

2.1.2. Hosted Control Plane の利点

Hosted Control Plane を使用すると、真のハイブリッドクラウドアプローチへの道が開かれ、その他のさまざまなメリットも享受できます。

  • コントロールプレーンが分離され、専用のホスティングサービスクラスターでホストされるため、管理とワークロードの間のセキュリティー境界が強化されます。その結果、クラスターのクレデンシャルが他のユーザーに漏洩する可能性が低くなります。インフラストラクチャーのシークレットアカウント管理も分離されているため、クラスターインフラストラクチャーの管理者が誤ってコントロールプレーンインフラストラクチャーを削除することはありません。
  • Hosted Control Plane を使用すると、より少ないノードで多数のコントロールプレーンを実行できます。その結果、クラスターはより安価になります。
  • コントロールプレーンは OpenShift Container Platform で起動される Pod で構成されるため、コントロールプレーンはすぐに起動します。同じ原則が、モニタリング、ロギング、自動スケーリングなどのコントロールプレーンとワークロードに適用されます。
  • インフラストラクチャーの観点からは、レジストリー、HAProxy、クラスター監視、ストレージノードなどのインフラストラクチャーをテナントのクラウドプロバイダーのアカウントにプッシュして、テナントでの使用を分離できます。
  • 運用上の観点からは、マルチクラスター管理はさらに集約され、クラスターの状態と一貫性に影響を与える外部要因が少なくなります。Site Reliability Engineer は、一箇所で問題をデバッグして、クラスターのデータプレインを移動するため、解決までの時間 (TTR) が短縮され、生産性が向上します。

2.2. Hosted Control Plane、multicluster engine Operator、および RHACM の関係

Hosted Control Plane は、multicluster engine for Kubernetes Operator を使用して設定できます。マルチクラスターエンジンは Red Hat Advanced Cluster Management (RHACM) の不可欠な要素であり、RHACM ではデフォルトで有効になっています。multicluster engine Operator のクラスターライフサイクルにより、さまざまなインフラストラクチャークラウドプロバイダー、プライベートクラウド、オンプレミスデータセンターにおける Kubernetes クラスターの作成、インポート、管理、破棄のプロセスが定義されます。

multicluster engine Operator は、OpenShift Container Platform および RHACM ハブクラスターにクラスター管理機能を提供するクラスターライフサイクル Operator です。multicluster engine Operator は、クラスター群の管理を強化し、クラウドとデータセンター全体の OpenShift Container Platform クラスターのライフサイクル管理を支援します。

図2.1 クラスターライフサイクルと基盤

クラスターライフサイクルと基盤

OpenShift Container Platform の multicluster engine Operator は、スタンドアロンクラスターマネージャーとして、または RHACM ハブクラスターの一部として使用できます。

ヒント

管理クラスターはホスティングクラスターとも呼ばれます。

OpenShift Container Platform クラスターは、スタンドアロンまたは Hosted Control Plane という 2 つの異なるコントロールプレーン設定を使用してデプロイできます。スタンドアロン設定では、専用の仮想マシンまたは物理マシンを使用してコントロールプレーンをホストします。OpenShift Container Platform の Hosted Control Plane を使用すると、各コントロールプレーンに専用の仮想マシンまたは物理マシンを用意する必要なく、管理クラスター上の Pod としてコントロールプレーンを作成できます。

図2.2 RHACM と multicluster engine Operator の概要図

RHACM と multicluster engine Operator の概要図

2.2.1. RHACM での multicluster engine Operator ホステッドクラスターの検出

ホステッドクラスターを Red Hat Advanced Cluster Management (RHACM) ハブクラスターに移行し、RHACM 管理コンポーネントを使用して管理する場合は、Red Hat Advanced Cluster Management の公式ドキュメント の手順を参照してください。

2.3. Hosted Control Plane のバージョン管理

Hosted Control Plane 機能には次のコンポーネントが含まれています。これらのコンポーネントには、個別のバージョン管理とサポートレベルが必要な場合があります。

  • 管理クラスター
  • HyperShift Operator
  • Hosted Control Plane (hcp) コマンドラインインターフェイス (CLI)
  • hypershift.openshift.io API
  • Control Plane Operator

2.3.1. 管理クラスター

実稼働環境で使用する管理クラスターでは、OperatorHub から入手できる multicluster engine for Kubernetes Operator が必要です。multicluster engine Operator には、HyperShift Operator のサポートされているビルドがバンドルされています。管理クラスターのサポートを継続するには、multicluster engine Operator が動作する OpenShift Container Platform のバージョンを使用する必要があります。一般に、multicluster engine Operator の新しいリリースは、以下の OpenShift Container Platform のバージョンで動作します。

  • OpenShift Container Platform の最新の一般提供バージョン
  • OpenShift Container Platform の最新の一般提供バージョンより 2 つ前のバージョン

管理クラスター上の HyperShift Operator を通じてインストールできる OpenShift Container Platform バージョンの完全なリストは、HyperShift Operator のバージョンによって異なります。ただし、リストには常に、管理クラスターと同じ OpenShift Container Platform バージョンと、管理クラスターよりも 2 つ前のマイナーバージョンが含まれます。たとえば、管理クラスターが 4.17 とサポートされているバージョンの multicluster engine Operator を実行している場合、HyperShift Operator は 4.17、4.16、4.15、および 4.14 ホステッドクラスターをインストールできます。

OpenShift Container Platform のメジャー、マイナー、またはパッチバージョンのリリースごとに、Hosted Control Plane の 2 つのコンポーネントがリリースされます。

  • HyperShift Operator
  • hcp コマンドラインインターフェイス (CLI)

2.3.2. HyperShift Operator

HyperShift Operator は、HostedCluster API リソースによって表されるホストされたクラスターのライフサイクルを管理します。HyperShift Operator は、OpenShift Container Platform の各リリースでリリースされます。HyperShift Operator は、hypershift namespace に supported-versions config map を作成します。この config map には、サポートされているホステッドクラスターのバージョンが含まれています。

同じ管理クラスター上で異なるバージョンのコントロールプレーンをホストできます。

supported-versions config map オブジェクトの例

    apiVersion: v1
    data:
      supported-versions: '{"versions":["4.17"]}'
    kind: ConfigMap
    metadata:
      labels:
        hypershift.openshift.io/supported-versions: "true"
      name: supported-versions
      namespace: hypershift

2.3.3. Hosted Control Plane CLI

hcp CLI を使用してホストされたクラスターを作成できます。CLI は multicluster engine Operator からダウンロードできます。hcp version コマンドを実行すると、CLI が kubeconfig ファイルに対してサポートする最新の OpenShift Container Platform が出力に表示されます。

2.3.4. hypershift.openshift.io API

HostedClusterNodePool などの hypershift.openshift.io API リソースを使用して、大規模な OpenShift Container Platform クラスターを作成および管理できます。HostedCluster リソースには、コントロールプレーンと共通データプレーンの設定が含まれます。HostedCluster リソースを作成すると、ノードが接続されていない、完全に機能するコントロールプレーンが作成されます。NodePool リソースは、HostedCluster リソースにアタッチされたスケーラブルなワーカーノードのセットです。

API バージョンポリシーは、通常、Kubernetes API のバージョン管理 のポリシーと一致します。

Hosted Control Plane の更新には、ホストされたクラスターとノードプールの更新が含まれます。詳細は、「Hosted Control Plane の更新」を参照してください。

2.3.5. Control Plane Operator

Control Plane Operator は、次のアーキテクチャー用の各 OpenShift Container Platform ペイロードリリースイメージの一部としてリリースされます。

  • amd64
  • arm64
  • multi-arch

2.4. Hosted Control Plane の一般的な概念とペルソナの用語集

OpenShift Container Platform の Hosted Control Plane を使用する場合は、その主要な概念と関連するペルソナを理解することが重要です。

2.4.1. 概念

ホステッドクラスター
コントロールプレーンと API エンドポイントが管理クラスターでホストされている OpenShift Container Platform クラスター。ホステッドクラスターには、コントロールプレーンとそれに対応するデータプレーンが含まれます。
ホステッドクラスターのインフラストラクチャー
テナントまたはエンドユーザーのクラウドアカウントに存在するネットワーク、コンピュート、およびストレージリソース。
Hosted Control Plane
管理クラスターで実行される OpenShift Container Platform コントロールプレーン。ホステッドクラスターの API エンドポイントによって公開されます。コントロールプレーンのコンポーネントには、etcd、Kubernetes API サーバー、Kubernetes コントローラーマネージャー、および VPN が含まれます。
ホスティングクラスター
管理クラスター を参照してください。
マネージドクラスター
ハブクラスターが管理するクラスター。この用語は、Red Hat Advanced Cluster Management で multicluster engine for Kubernetes Operator が管理するクラスターライフサイクル特有の用語です。マネージドクラスターは、管理クラスター とは異なります。詳細は、マネージドクラスター を参照してください。
管理クラスター
HyperShift Operator がデプロイされる OpenShift Container Platform クラスター。ホステッドクラスターのコントロールプレーンをホストします。管理クラスターは ホスティングクラスター と同義です。
管理クラスターのインフラストラクチャー
管理クラスターのネットワーク、コンピュート、およびストレージリソース。
ノードプール
コンピュートノードを含むリソース。コントロールプレーンにはノードプールが含まれます。コンピュートノードはアプリケーションとワークロードを実行します。

2.4.2. ペルソナ

クラスターインスタンス管理者
このロールを引き受けるユーザーは、スタンドアロン OpenShift Container Platform の管理者と同等です。このユーザーには、プロビジョニングされたクラスター内で cluster-admin ロールがありますが、クラスターがいつ、どのように更新または設定されるかを制御できない可能性があります。このユーザーは、クラスターに投影された設定を表示するための読み取り専用アクセス権を持っている可能性があります。
クラスターインスタンスユーザー
このロールを引き受けるユーザーは、スタンドアロン OpenShift Container Platform の開発者と同等です。このユーザーには、OperatorHub またはマシンに対するビューがありません。
クラスターサービスコンシューマー
このロールを引き受けるユーザーは、コントロールプレーンとワーカーノードを要求したり、更新を実行したり、外部化された設定を変更したりできます。通常、このユーザーはクラウド認証情報やインフラストラクチャー暗号化キーを管理したりアクセスしたりしません。クラスターサービスのコンシューマーペルソナは、ホストされたクラスターを要求し、ノードプールと対話できます。このロールを引き受けるユーザーには、論理境界内でホストされたクラスターとノードプールを作成、読み取り、更新、または削除するための RBAC があります。
クラスターサービスプロバイダー

このロールを引き受けるユーザーは通常、管理クラスター上で cluster-admin ロールを持ち、HyperShift Operator とテナントのホストされたクラスターのコントロールプレーンの可用性を監視および所有するための RBAC を持っています。クラスターサービスプロバイダーのペルソナは、次の例を含むいくつかのアクティビティーを担当します。

  • コントロールプレーンの可用性、稼働時間、安定性を確保するためのサービスレベルオブジェクトの所有
  • コントロールプレーンをホストするための管理クラスターのクラウドアカウントの設定
  • ユーザーがプロビジョニングするインフラストラクチャーの設定 (利用可能なコンピュートリソースのホスト認識を含む)

第3章 Hosted Control Plane のデプロイの準備

3.1. Hosted Control Plane の要件

Hosted Control Plane において、管理クラスター とは HyperShift Operator がデプロイされ、ホステッドクラスターのコントロールプレーンがホストされる OpenShift Container Platform クラスターです。管理クラスターとワーカーは、同じインフラストラクチャー上で実行する必要があります。たとえば、管理クラスターをベアメタル上で実行し、ワーカーをクラウド上で実行することはできません。ただし、管理クラスターとワーカーを同じプラットフォーム上で実行する必要はありません。たとえば、管理クラスターをベアメタル上で実行し、ワーカーを OpenShift Virtualization 上で実行することもできます。

コントロールプレーンはホステッドクラスターに関連付けられており、単一の namespace 内の Pod として実行されます。クラスターのサービスコンシューマーがホステッドクラスターを作成すると、コントロールプレーンから独立したワーカーノードが作成されます。

3.1.1. Hosted Control Plane のサポートマトリックス

Multicluster engine for Kubernetes Operator には HyperShift Operator が含まれているため、Hosted Control Plane のリリースは multicluster engine Operator のリリースと一致します。詳細は、OpenShift Operator のライフサイクル を参照してください。

3.1.1.1. 管理クラスターのサポート

サポートされているスタンドアロンの OpenShift Container Platform クラスターは、すべて管理クラスターにすることができます。次の表は、multicluster engine Operator のバージョンと、それらをサポートする管理クラスターのバージョンをマッピングしています。

表3.1 OpenShift Container Platform 管理クラスターでサポートされている multicluster engine Operator バージョン
管理クラスターバージョンサポートされている multicluster engine Operator バージョン

4.14 - 4.15

2.4

4.14 - 4.16

2.5

4.14 - 4.17

2.6

4.15 - 4.17

2.7

3.1.1.2. ホステッドクラスターのサポート

ホステッドクラスターの場合、管理クラスターのバージョンとホステッドクラスターのバージョンの間に直接的な関係はありません。ホステッドクラスターのバージョンは、使用している multicluster engine Operator バージョンに含まる HyperShift Operator により異なります。

注記

管理クラスターとホステッドクラスター間の最小遅延が 200 ミリ秒であることを確認してください。

次の表は、multicluster engine Operator のバージョンと、その multicluster engine Operator バージョンに関連付けられている HyperShift Operator を使用して作成できるホステッドクラスターのバージョンを示しています。

表3.2 multicluster engine Operator バージョンを使用して作成できるホステッドクラスターバージョン
ホステッドクラスターのバージョンmulticluster engine Operator 2.4multicluster engine Operator 2.5multicluster engine Operator 2.6multicluster engine Operator 2.7

4.14

はい

はい

はい

はい

4.15

いいえ

はい

はい

はい

4.16

いいえ

いいえ

はい

はい

4.17

いいえ

いいえ

いいえ

はい

3.1.1.3. ホステッドクラスタープラットフォームのサポート

次の表は、Hosted Control Plane の各プラットフォームでサポートされている OpenShift Container Platform のバージョンを示しています。表内の 管理クラスターバージョン は、multicluster engine Operator が有効になっている OpenShift Container Platform バージョンを意味します。

表3.3 プラットフォームに必要な OpenShift Container Platform バージョン
ホステッドクラスタープラットフォーム管理クラスターバージョンホステッドクラスターのバージョン

Amazon Web Services

4.16 - 4.17

4.16 - 4.17

IBM Power

4.17

4.17

IBM Z

4.17

4.17

OpenShift Virtualization

4.14 - 4.17

4.14 - 4.17

ベアメタル

4.14 - 4.17

4.14 - 4.17

非ベアメタルエージェントマシン (テクノロジープレビュー)

4.16 - 4.17

4.16 - 4.17

3.1.1.4. multicluster engine Operator の更新

multicluster engine Operator の別バージョンに更新する場合、その multicluster engine Operator バージョンに含まれる HyperShift Operator がサポートしているバージョンのホステッドクラスターは、引き続き実行できます。次の表は、更新後の multicluster engine Operator バージョンでサポートされるホステッドクラスターバージョンを示しています。

表3.4 更新後の multicluster engine Operator バージョンでサポートされるホステッドクラスター
更新後の multicluster engine Operator バージョンサポートされるホステッドクラスターバージョン

2.4 から 2.5 に更新

OpenShift Container Platform 4.14

2.5 から 2.6 に更新

OpenShift Container Platform 4.14 - 4.15

2.6 から 2.7 に更新

OpenShift Container Platform 4.14 - 4.16

たとえば、管理クラスターに OpenShift Container Platform 4.14 ホストクラスターがあり、multicluster engine Operator 2.4 から 2.5 に更新した場合、ホストクラスターは引き続き実行できます。

3.1.1.5. テクノロジープレビュー機能

次のリストは、このリリースのテクノロジープレビュー機能を示しています。

  • 非接続環境の IBM Z の Hosted Control Plane
  • OpenShift Virtualization における Hosted Control Plane のカスタムの taint と toleration
  • OpenShift Virtualization の Hosted Control Plane 上の NVIDIA GPU デバイス

3.2. Hosted Control Plane のサイジングに関するガイダンス

ホステッドクラスターのワークロードやワーカーノード数などの多くの要因が、一定数のコントロールプレーンノード内に収容できるホステッドクラスターの数に影響します。このサイジングガイドを使用して、ホステッドクラスターの容量計画に役立ててください。このガイダンスでは、高可用性 Hosted Control Plane トポロジーを前提としています。負荷ベースのサイジングの例は、ベアメタルクラスターで測定されました。クラウドベースのインスタンスには、メモリーサイズなど、さまざまな制限要因が含まれる場合があります。

次のリソース使用量のサイズ測定値をオーバーライドし、メトリクスサービスの監視を無効化することもできます。

次の高可用性 Hosted Control Plane の要件を参照してください。この要件は、OpenShift Container Platform バージョン 4.12.9 以降でテストされたものです。

  • 78 Pod
  • etcd 用の 3 つの 8 GiB PV
  • 最小仮想 CPU: 約 5.5 コア
  • 最小メモリー: 約 19 GiB

関連情報

3.2.1. Pod の制限

各ノードの maxPods 設定は、コントロールプレーンノードに収容できるホステッドクラスターの数に影響します。すべてのコントロールプレーンノードの maxPods 値に注意することが重要です。高可用性の Hosted Control Plane ごとに約 75 個の Pod を計画します。

ベアメタルノードの場合、マシンに十分なリソースがある場合でも、Pod 要件を考慮すると、各ノードに約 3 つの Hosted Control Plane が使用されるため、デフォルトで maxPods 設定に 250 が指定されていることが制限要因となる可能性があります。KubeletConfig 値を設定して maxPods 値を 500 に設定すると、Hosted Control Plane の密度が増し、追加のコンピュートリソースを活用できるようになります。

関連情報

3.2.2. 要求ベースのリソース制限

クラスターがホストできる Hosted Control Plane の最大数は、Pod からの Hosted Control Plane CPU およびメモリー要求に基づいて計算されます。

可用性の高い Hosted Control Plane は、5 つの仮想 CPU と 18 GB のメモリーを要求する 78 個の Pod で構成されています。これらのベースライン数値は、クラスターワーカーノードのリソース容量と比較され、Hosted Control Plane の最大数を推定します。

3.2.3. 負荷ベースの制限

クラスターがホストできる Hosted Control Plane の最大数は、Hosted Control Plane の Kubernetes API サーバーに何らかのワークロードが配置されたときの Hosted Control Plane Pod の CPU とメモリーの使用量に基づいて計算されます。

次の方法を使用して、ワークロードの増加に伴う Hosted Control Plane のリソース使用量を測定しました。

  • KubeVirt プラットフォームを使用し、それぞれ 8 つの仮想 CPU と 32 GiB を使用する 9 つのワーカーを持つホステッドクラスター
  • 次の定義に基づいて、API コントロールプレーンのストレスに重点を置くように設定されたワークロードテストプロファイル:

    • 各 namespace にオブジェクトを作成し、合計 100 の namespace まで拡張しました。
    • オブジェクトの継続的な削除と作成により、API のストレスを増加させます。
    • ワークロードの 1 秒あたりのクエリー数 (QPS) とバースト設定を高く設定して、クライアント側のスロットリングを排除します。

負荷が 1000 QPS 増加すると、Hosted Control Plane のリソース使用量が、仮想 CPU 9 個分およびメモリー 2.5 GB 分増加します。

一般的なサイジングが目的の場合は、1000 QPS の API レートを 中程度 のホステッドクラスターの負荷、2000 QPS の API レートを 高程度 のホステッドクラスターの負荷とみなしてください。

注記

このテストでは、予想される API 負荷に基づいてコンピュートリソースの使用量を増やすために、推定係数を定めています。正確な使用率は、クラスターのワークロードのタイプとペースによって異なる場合があります。

表3.5 負荷の表
Hosted Control Plane のリソース使用量のスケーリング仮想 CPUメモリー (GiB)

負荷がないときのリソース使用量

2.9

11.1

1000 QPS でのリソース使用量

9.0

2.5

負荷が 1000 QPS 増加すると、Hosted Control Plane のリソース使用量が、仮想 CPU 9 個分およびメモリー 2.5 GB 分増加します。

一般的なサイジングが目的の場合は、1000 QPS API レートを中程度のホステッドクラスターの負荷、2000 QPS API を高程度のホステッドクラスターの負荷とみなしてください。

次の例は、ワークロードおよび API レート定義の Hosted Control Plane リソースのスケーリングを示しています。

表3.6 API レートの表
QPS (API レート)仮想 CPU の使用量メモリーの使用量 (GiB)

低負荷 (50 QPS 未満)

2.9

11.1

中負荷 (1000 QPS)

11.9

13.6

高負荷 (2000 QPS)

20.9

16.1

Hosted Control Plane のサイジングは、コントロールプレーンの負荷と、大量の API アクティビティー、etcd アクティビティー、またはその両方を引き起こすワークロードに関係します。データベースの実行など、データプレーンの負荷に重点を置くホスト型 Pod ワークロードでは、API レートが高い可能性があります。

3.2.4. サイジング計算の例

この例では、次のシナリオに対してサイジングのガイダンスを提供します。

  • hypershift.openshift.io/control-plane ノードとしてラベル付けされたベアメタルワーカー 3 つ
  • maxPods 値を 500 に設定している
  • 負荷ベースの制限に応じて、予想される API レートは中または約 1000 である
表3.7 入力の制限
制限の説明サーバー 1サーバー 2

ワーカーノード上の仮想 CPU 数

64

128

ワーカーノードのメモリー (GiB)

128

256

ワーカーあたりの最大 Pod 数

500

500

コントロールプレーンのホストに使用されるワーカーの数

3

3

最大 QPS ターゲットレート (1 秒あたりの API リクエスト)

1000

1000

表3.8 サイジング計算の例

ワーカーノードのサイズと API レートに基づいた計算値

サーバー 1

サーバー 2

計算の注記

仮想 CPU リクエストに基づくワーカーあたりの最大ホストコントロールプレーン数

12.8

25.6

Hosted Control Plane ごとにワーカー仮想 CPU/5 合計仮想 CPU 要求の数

仮想 CPU 使用率に基づくワーカーあたりの最大 Hosted Control Plane 数

5.4

10.7

仮想 CPU の数 ÷ (2.9 測定されたアイドル状態の仮想 CPU 使用率 + (QPS ターゲットレート ÷ 1000) × 9.0 1000 QPS 増加あたりの測定された仮想 CPU 使用率)

メモリーリクエストに基づくワーカーごとの最大 Hosted Control Plane

7.1

14.2

Hosted Control Plane ごとにワーカーメモリー GiB/18 GiB の合計メモリーリクエスト

メモリー使用量に基づくワーカーあたりの最大 Hosted Control Plane 数

9.4

18.8

ワーカーメモリー GiB ÷ (11.1 測定されたアイドルメモリー使用量 + (QPS ターゲットレート ÷ 1000) × 2.5 1000 QPS 増加あたりの測定されたメモリー使用量)

ノードごとの Pod の制限に基づくワーカーごとの最大 Hosted Control Plane

6.7

6.7

500 maxPod/Hosted Control Plane あたり 75 Pod

前述の最大値の中の最小値

5.4

6.7

 
 

仮想 CPU の制限要因

maxPods の制限要因

 

管理クラスター内の Hosted Control Plane の最大数

16

20

前述の各最大値の最小値 x 3 control-plane 用ワーカー

表3.9 Hosted Control Plane の容量メトリクス

名前

説明

mce_hs_addon_request_based_hcp_capacity_gauge

高可用性 Hosted Control Plane のリソース要求に基づく、クラスターがホストできる Hosted Control Plane の推定最大数。

mce_hs_addon_low_qps_based_hcp_capacity_gauge

すべての Hosted Control Plane がクラスターの Kube API サーバーに約 50 QPS を送信する場合、クラスターがホストできる Hosted Control Plane の推定最大数。

mce_hs_addon_medium_qps_based_hcp_capacity_gauge

すべての Hosted Control Plane がクラスターの Kube API サーバーに約 1000 QPS を送信する場合、クラスターがホストできる Hosted Control Plane の推定最大数。

mce_hs_addon_high_qps_based_hcp_capacity_gauge

すべての Hosted Control Plane がクラスターの Kube API サーバーに約 2000 QPS を送信する場合、クラスターがホストできる Hosted Control Plane の推定最大数。

mce_hs_addon_average_qps_based_hcp_capacity_gauge

Hosted Control Plane の既存の平均 QPS に基づいて、クラスターがホストできる Hosted Control Plane の推定最大数。アクティブな Hosted Control Plane がない場合、QPS が低くなることが予想されます。

3.3. リソース使用率測定値のオーバーライド

リソース使用率のベースライン測定値のセットは、ホステッドクラスターごとに異なる場合があります。

3.3.1. ホステッドクラスターのリソース使用率測定値のオーバーライド

リソース使用率の測定値は、クラスターのワークロードの種類とペースに基づいてオーバーライドできます。

手順

  1. 次のコマンドを実行して、ConfigMap リソースを作成します。

    $ oc create -f <your-config-map-file.yaml>

    <your-config-map-file.yaml>hcp-sizing-baseline config map を含む YAML ファイルの名前に置き換えます。

  2. local-cluster namespace に hcp-sizing-baseline config map を作成し、オーバーライドする測定値を指定します。config map は、次の YAML ファイルのようになります。

    kind: ConfigMap
    apiVersion: v1
    metadata:
      name: hcp-sizing-baseline
      namespace: local-cluster
    data:
      incrementalCPUUsagePer1KQPS: "9.0"
      memoryRequestPerHCP: "18"
      minimumQPSPerHCP: "50.0"
  3. 以下のコマンドを実行して hypershift-addon-agent デプロイメントを削除し、hypershift-addon-agent Pod を再起動します。

    $ oc delete deployment hypershift-addon-agent -n open-cluster-management-agent-addon

検証

  • hypershift-addon-agent Pod ログを監視します。次のコマンドを実行して、オーバーライドされた測定値が config map 内で更新されていることを確認します。

    $ oc logs hypershift-addon-agent -n open-cluster-management-agent-addon

    ログは以下の出力のようになります。

    出力例

    2024-01-05T19:41:05.392Z	INFO	agent.agent-reconciler	agent/agent.go:793	setting cpuRequestPerHCP to 5
    2024-01-05T19:41:05.392Z	INFO	agent.agent-reconciler	agent/agent.go:802	setting memoryRequestPerHCP to 18
    2024-01-05T19:53:54.070Z	INFO	agent.agent-reconciler	agent/hcp_capacity_calculation.go:141	The worker nodes have 12.000000 vCPUs
    2024-01-05T19:53:54.070Z	INFO	agent.agent-reconciler	agent/hcp_capacity_calculation.go:142	The worker nodes have 49.173369 GB memory

    オーバーライドされた測定値が hcp-sizing-baseline config map で適切に更新されない場合、hypershift-addon-agent Pod ログに次のエラーメッセージが表示されることがあります。

    エラーの例

    2024-01-05T19:53:54.052Z	ERROR	agent.agent-reconciler	agent/agent.go:788	failed to get configmap from the hub. Setting the HCP sizing baseline with default values.	{"error": "configmaps \"hcp-sizing-baseline\" not found"}

3.3.2. メトリクスサービスモニタリングの無効化

hypershift-addon マネージドクラスターアドオンを有効にすると、メトリクスサービスモニタリングがデフォルトで設定され、OpenShift Container Platform モニタリングが hypershift-addon からメトリクスを収集できるようになります。

手順

次の手順を実行して、メトリクスサービスの監視を無効にできます。

  1. 次のコマンドを実行して、ハブクラスターにログインします。

    $ oc login
  2. 次のコマンドを実行して、hypershift-addon-deploy-config アドオンのデプロイメント設定の仕様を編集します。

    $ oc edit addondeploymentconfig hypershift-addon-deploy-config -n multicluster-engine
  3. 次の例に示すように、disableMetrics=true カスタマイズ変数を仕様に追加します。

    apiVersion: addon.open-cluster-management.io/v1alpha1
    kind: AddOnDeploymentConfig
    metadata:
      name: hypershift-addon-deploy-config
      namespace: multicluster-engine
    spec:
      customizedVariables:
      - name: hcMaxNumber
        value: "80"
      - name: hcThresholdNumber
        value: "60"
      - name: disableMetrics 1
        value: "true"
    1
    カスタマイズ変数 disableMetrics=true は、新規および既存の hypershift-addon マネージドクラスターアドオンのメトリクスサービス監視を無効にします。
  4. 次のコマンドを実行して、設定の仕様に変更を適用します。

    $ oc apply -f <filename>.yaml

3.4. Hosted Control Plane のコマンドラインインターフェイスのインストール

Hosted Control Plane のコマンドラインインターフェイスである hcp は、Hosted Control Plane の使用を開始するために使用できるツールです。管理や設定などの Day 2 運用には、GitOps や独自の自動化ツールを使用してください。

3.4.1. ターミナルからの Hosted Control Plane コマンドラインインターフェイスのインストール

ターミナルから、Hosted Control Plane のコマンドラインインターフェイス (CLI) である hcp をインストールできます。

手順

  1. 次のコマンドを実行して、hcp バイナリーをダウンロードするための URL を取得します。

    $ oc get ConsoleCLIDownload hcp-cli-download -o json | jq -r ".spec"
  2. 次のコマンドを実行して hcp バイナリーをダウンロードします。

    $ wget <hcp_cli_download_url> 1
    1
    hcp_cli_download_url は、前の手順で取得した URL に置き換えます。
  3. 次のコマンドを実行して、ダウンロードしたアーカイブを解凍します。

    $ tar xvzf hcp.tar.gz
  4. 次のコマンドを実行して、hcp バイナリーファイルを実行可能にします。

    $ chmod +x hcp
  5. 次のコマンドを実行して、hcp バイナリーファイルをパス内のディレクトリーに移動します。

    $ sudo mv hcp /usr/local/bin/.
注記

Mac コンピューターに CLI をダウンロードすると、hcp バイナリーファイルに関する警告が表示される場合があります。バイナリーファイルを実行できるようにするには、セキュリティー設定を調整する必要があります。

検証

  • 次のコマンドを実行して、使用可能なパラメーターのリストが表示されることを確認します。

    $ hcp create cluster <platform> --help 1
    1
    hcp create cluster コマンドを使用すると、ホステッドクラスターを作成および管理できます。サポートされているプラットフォームは、awsagent、および kubevirt です。

3.4.2. Web コンソールを使用した Hosted Control Plane コマンドラインインターフェイスのインストール

OpenShift Container Platform Web コンソールを使用して、Hosted Control Plane のコマンドラインインターフェイス (CLI) である hcp をインストールできます。

手順

  1. OpenShift Container Platform Web コンソールから、Help アイコンCommand Line Tools をクリックします。
  2. お使いのプラットフォーム用の Download hcp CLI をクリックします。
  3. 次のコマンドを実行して、ダウンロードしたアーカイブを解凍します。

    $ tar xvzf hcp.tar.gz
  4. 次のコマンドを実行して、バイナリーファイルを実行可能にします。

    $ chmod +x hcp
  5. 次のコマンドを実行して、バイナリーファイルをパス内のディレクトリーに移動します。

    $ sudo mv hcp /usr/local/bin/.
注記

Mac コンピューターに CLI をダウンロードすると、hcp バイナリーファイルに関する警告が表示される場合があります。バイナリーファイルを実行できるようにするには、セキュリティー設定を調整する必要があります。

検証

  • 次のコマンドを実行して、使用可能なパラメーターのリストが表示されることを確認します。

    $ hcp create cluster <platform> --help 1
    1
    hcp create cluster コマンドを使用すると、ホステッドクラスターを作成および管理できます。サポートされているプラットフォームは、awsagent、および kubevirt です。

3.4.3. コンテンツゲートウェイを使用した Hosted Control Plane コマンドラインインターフェイスのインストール

コンテンツゲートウェイを使用して、Hosted Control Plane のコマンドラインインターフェイス (CLI) である hcp をインストールできます。

手順

  1. コンテンツゲートウェイ に移動し、hcp バイナリーをダウンロードします。
  2. 次のコマンドを実行して、ダウンロードしたアーカイブを解凍します。

    $ tar xvzf hcp.tar.gz
  3. 次のコマンドを実行して、hcp バイナリーファイルを実行可能にします。

    $ chmod +x hcp
  4. 次のコマンドを実行して、hcp バイナリーファイルをパス内のディレクトリーに移動します。

    $ sudo mv hcp /usr/local/bin/.
注記

Mac コンピューターに CLI をダウンロードすると、hcp バイナリーファイルに関する警告が表示される場合があります。バイナリーファイルを実行できるようにするには、セキュリティー設定を調整する必要があります。

検証

  • 次のコマンドを実行して、使用可能なパラメーターのリストが表示されることを確認します。

    $ hcp create cluster <platform> --help 1
    1
    hcp create cluster コマンドを使用すると、ホステッドクラスターを作成および管理できます。サポートされているプラットフォームは、awsagent、および kubevirt です。

3.5. ホステッドクラスターのワークロードの分散

OpenShift Container Platform の Hosted Control Plane を初めて使用する前に、ホステッドクラスターの Pod をインフラストラクチャーノードにスケジュールできるように、ノードを適切にラベル付けする必要があります。また、ノードのラベリングは以下の理由で重要です。

  • 高可用性と適切なワークロードのデプロイメントを確保するため。たとえば、node-role.kubernetes.io/infra ラベルを設定して、OpenShift Container Platform サブスクリプションに control-plane ワークロード数が割り当てられないようにできます。
  • コントロールプレーンのワークロードが管理クラスター内の他のワークロードから分離されるようにするため。
重要

ワークロードには管理クラスターを使用しないでください。ワークロードは、コントロールプレーンが実行されるノード上で実行してはなりません。

3.5.1. 管理クラスターノードのラベル付け

Hosted Control Plane をデプロイするには、適切なノードのラベル付けを行う必要があります。

管理クラスターの管理者は、管理クラスターノードで次のラベルと taint を使用して、コントロールプレーンのワークロードをスケジュールします。

  • hypershift.openshift.io/control-plane: true: このラベルとテイントを使用して、Hosted Control Plane ワークロードの実行専用にノードを割り当てます。値を true に設定すると、コントロールプレーンノードが他のコンポーネント (管理クラスターのインフラストラクチャーコンポーネントや誤ってデプロイされたその他のワークロードなど) と共有されるのを回避できます。
  • hypershift.openshift.io/cluster: ${HostedControlPlane Namespace} : ノードを単一のホストされたクラスター専用にする場合は、このラベルとテイントを使用します。

コントロールプレーン Pod をホストするノードに以下のラベルを適用します。

  • node-role.kubernetes.io/infra: このラベルを使用して、サブスクリプションにコントロールプレーンワークロード数が割り当てられないようにします。
  • topology.kubernetes.io/zone: このラベルを管理クラスターノードで使用して、障害ドメイン全体に高可用性クラスターをデプロイします。ゾーンは、ゾーンが設定されているノードの場所、ラック名、またはホスト名である場合があります。たとえば、管理クラスターには、worker-1aworker-1bworker-2a、および worker-2b のノードがあります。worker-1aworker-1b ノードは rack1 にあり、worker-2a ノードと worker-2b ノードは rack2 にあります。各ラックをアベイラビリティゾーンとして使用するには、次のコマンドを入力します。

    $ oc label node/worker-1a node/worker-1b topology.kubernetes.io/zone=rack1
    $ oc label node/worker-2a node/worker-2b topology.kubernetes.io/zone=rack2

ホステッドクラスターの Pod には許容範囲があり、スケジューラーはアフィニティールールを使用して Pod をスケジュールします。Pod は、control-plane と Pod の cluster のテイントを許容します。スケジューラーは、hypershift.openshift.io/control-plane および hypershift.openshift.io/cluster: ${HostedControlPlane Namespace} でラベル付けされたノードへの Pod のスケジューリングを優先します。

ControllerAvailabilityPolicy オプションには、HighlyAvailable を使用します。これは、Hosted Control Plane のコマンドラインインターフェイス (hcp) がデプロイするデフォルト値です。このオプションを使用する場合は、topology.kubernetes.io/zone をトポロジーキーとして設定することで、さまざまな障害ドメインにわたるホステッドクラスター内のデプロイメントごとに Pod をスケジュールできます。高可用性ではないコントロールプレーンはサポートされていません。

手順

ホステッドクラスターがその Pod をインフラストラクチャーノードにスケジュールすることを要求できるようにするには、次の例に示すように HostedCluster.spec.nodeSelector を設定します。

  spec:
    nodeSelector:
      role.kubernetes.io/infra: ""

こうすることで、各ホステッドクラスターの Hosted Control Plane が適格なインフラストラクチャーノードワークロードとなり、基盤となる OpenShift Container Platform ノードに資格を与える必要がなくなります。

3.5.2. 優先クラス

4 つの組み込み優先クラスは、ホステッドクラスター Pod の優先順位とプリエンプションに影響を与えます。管理クラスター内に Pod は、次の上位から下位の順序で作成できます。

  • hypershift-operator: HyperShift Operator Pod。
  • hypershift-etcd: etcd 用の Pod。
  • hypershift-api-critical: API 呼び出しとリソース許可が成功するために必要な Pod。これらの Pod には、kube-apiserver、集約 API サーバー、Web フックなどの Pod が含まれます。
  • hypershift-control-plane : API クリティカルではないものの、クラスターバージョンの Operator など、高い優先順位が必要なコントロールプレーン内の Pod。

3.5.3. カスタムの taint と toleration

OpenShift Virtualization 上の Hosted Control Plane の場合、ホステッドクラスターの Pod は、デフォルトで control-planecluster の taint を許容します。ただし、HostedCluster.spec.tolerations を設定することで、ホステッドクラスターがホステッドクラスターごとにこれらの taint を許容できるように、ノードでカスタムの taint を使用することもできます。

重要

ホステッドクラスターの toleration を渡す機能は、テクノロジープレビュー機能です。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat 製品サポートのサービスレベルアグリーメント (SLA) の対象外であり、機能的に完全ではない場合があります。Red Hat は、実稼働環境でこれらを使用することを推奨していません。テクノロジープレビューの機能は、最新の製品機能をいち早く提供して、開発段階で機能のテストを行いフィードバックを提供していただくことを目的としています。

Red Hat のテクノロジープレビュー機能のサポート範囲に関する詳細は、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。

設定例

  spec:
    tolerations:
    - effect: NoSchedule
      key: kubernetes.io/custom
      operator: Exists

hcp CLI の引数 --toleration を使用して、クラスターを作成するときに、ホステッドクラスターに toleration を設定することもできます。

CLI 引数の例

--toleration="key=kubernetes.io/custom,operator=Exists,effect=NoSchedule"

ホステッドクラスターごとにホステッドクラスター Pod の配置を細かく制御するには、カスタムの toleration を nodeSelectors とともに使用します。ホステッドクラスターのグループを同じ場所に配置し、他のホステッドクラスターから分離することができます。ホステッドクラスターをインフラノードとコントロールプレーンノードに配置することもできます。

ホステッドクラスターの toleration は、コントロールプレーンの Pod にのみ適用されます。管理クラスターで実行される他の Pod や、仮想マシンを実行する Pod などのインフラストラクチャー関連の Pod を設定するには、別のプロセスを使用する必要があります。

3.6. Hosted Control Plane 機能の有効化または無効化

Hosted Control Plane 機能と hypershift-addon マネージドクラスターアドオンは、デフォルトで有効になっています。機能を無効にする場合、または無効にした後に手動で有効にする場合は、次の手順を参照してください。

3.6.1. Hosted Control Plane 機能の手動での有効化

Hosted Control Plane を手動で有効にする必要がある場合は、次の手順を実行します。

手順

  1. 次のコマンドを実行して機能を有効にします。

    $ oc patch mce multiclusterengine --type=merge -p '{"spec":{"overrides":{"components":[{"name":"hypershift","enabled": true}]}}}' 1
    1
    デフォルトの MultiClusterEngine リソースインスタンス名は multiclusterengine ですが、$ oc get mce コマンドを実行し、クラスターから MultiClusterEngine 名を取得できます。
  2. 次のコマンドを実行して、hypershift および hypershift-local-hosting 機能が MultiClusterEngine カスタムリソースで有効になっていることを確認します。

    $ oc get mce multiclusterengine -o yaml 1
    1
    デフォルトの MultiClusterEngine リソースインスタンス名は multiclusterengine ですが、$ oc get mce コマンドを実行し、クラスターから MultiClusterEngine 名を取得できます。

    出力例

    apiVersion: multicluster.openshift.io/v1
    kind: MultiClusterEngine
    metadata:
      name: multiclusterengine
    spec:
      overrides:
        components:
        - name: hypershift
          enabled: true
        - name: hypershift-local-hosting
          enabled: true

3.6.1.1. local-cluster の hypershift-addon マネージドクラスターアドオンを手動で有効にする

Hosted Control Plane 機能を有効にすると、hypershift-addon マネージドクラスターアドオンが自動的に有効になります。hypershift-addon マネージドクラスターアドオンを手動で有効にする必要がある場合は、次の手順を実行して hypershift-addon を使用し、HyperShift Operator を local-cluster にインストールします。

手順

  1. 以下の例のようなファイルを作成して、ManagedClusterAddon HyperShift アドオンを作成します。

    apiVersion: addon.open-cluster-management.io/v1alpha1
    kind: ManagedClusterAddOn
    metadata:
      name: hypershift-addon
      namespace: local-cluster
    spec:
      installNamespace: open-cluster-management-agent-addon
  2. 以下のコマンドを実行してこのファイルを適用します。

    $ oc apply -f <filename>

    filename は、作成したファイル名に置き換えます。

  3. 以下のコマンドを実行して、hypershift-addon がインストールされていることを確認します。

    $ oc get managedclusteraddons -n local-cluster hypershift-addon

    アドオンがインストールされている場合、出力は以下の例のようになります。

    NAME               AVAILABLE   DEGRADED   PROGRESSING
    hypershift-addon   True

HyperShift アドオンがインストールされ、ホスティングクラスターを使用してホステッドクラスターを作成および管理できるようになります。

3.6.2. Hosted Control Plane 機能の無効化

HyperShift Operator をアンインストールして、Hosted Control Plane 機能を無効にすることができます。Hosted Control Plane 機能を無効にする場合は、ホステッドクラスターの管理 のトピックで説明されているように、multicluster engine Operator のホステッドクラスターとマネージドクラスターリソースを破棄する必要があります。

3.6.2.1. HyperShift Operator のアンインストール

HyperShift Operator をアンインストールし、local-cluster から hypershift-addon を無効にするには、以下の手順を実行します。

手順

  1. 以下のコマンドを実行して、ホステッドクラスターが実行されていないことを確認します。

    $ oc get hostedcluster -A
    重要

    ホステッドクラスターが実行中の場合、hypershift-addon が無効になっていても、HyperShift Operator はアンインストールされません。

  2. 以下のコマンドを実行して hypershift-addon を無効にします。

    $ oc patch mce multiclusterengine --type=merge -p '{"spec":{"overrides":{"components":[{"name":"hypershift-local-hosting","enabled": false}]}}}' 1
    1
    デフォルトの MultiClusterEngine リソースインスタンス名は multiclusterengine ですが、$ oc get mce コマンドを実行し、クラスターから MultiClusterEngine 名を取得できます。
    注記

    hypershift-addon を無効にした後、multicluster engine Operator コンソールから local-clusterhypershift-addon を無効にすることもできます。

3.6.2.2. Hosted Control Plane 機能の無効化

Hosted Control Plane 機能を無効にするには、次の手順を実行します。

前提条件

  • HyperShift Operator をアンインストールした。詳細は、「HyperShift Operator のアンインストール」を参照してください。

手順

  1. 次のコマンドを実行して、Hosted Control Plane 機能を無効にします。

    $ oc patch mce multiclusterengine --type=merge -p '{"spec":{"overrides":{"components":[{"name":"hypershift","enabled": false}]}}}' 1
    1
    デフォルトの MultiClusterEngine リソースインスタンス名は multiclusterengine ですが、$ oc get mce コマンドを実行し、クラスターから MultiClusterEngine 名を取得できます。
  2. 次のコマンドを実行すると、MultiClusterEngine カスタムリソースで hypershift および hypershift-local-hosting 機能が無効になっていることを確認できます。

    $ oc get mce multiclusterengine -o yaml 1
    1
    デフォルトの MultiClusterEngine リソースインスタンス名は multiclusterengine ですが、$ oc get mce コマンドを実行し、クラスターから MultiClusterEngine 名を取得できます。

    hypershifthypershift-local-hostingenabled: フラグが false に設定されている次の例を参照してください。

    apiVersion: multicluster.openshift.io/v1
    kind: MultiClusterEngine
    metadata:
      name: multiclusterengine
    spec:
      overrides:
        components:
        - name: hypershift
          enabled: false
        - name: hypershift-local-hosting
          enabled: false

第4章 Hosted Control Plane のデプロイ

4.1. AWS への Hosted Control Plane のデプロイ

ホステッドクラスター は、API エンドポイントとコントロールプレーンが管理クラスターでホストされている OpenShift Container Platform クラスターです。ホステッドクラスターには、コントロールプレーンとそれに対応するデータプレーンが含まれます。オンプレミスで Hosted Control Plane を設定するには、管理クラスターに multicluster engine for Kubernetes Operator をインストールする必要があります。hypershift-addon マネージドクラスターアドオンを使用して既存のマネージドクラスターに HyperShift Operator をデプロイすると、そのクラスターを管理クラスターとして有効にして、ホステッドクラスターの作成を開始できます。hypershift-addon マネージドクラスターアドオンは、local-cluster マネージドクラスターでデフォルトで有効になっています。

ホステッドクラスターは、multicluster engine Operator のコンソールか、Hosted Control Plane のコマンドラインインターフェイス (CLI) である hcp を使用して作成できます。ホステッドクラスターは、マネージドクラスターとして自動的にインポートされます。ただし、この multicluster engine Operator への自動インポート機能を無効にする こともできます。

4.1.1. AWS への Hosted Control Plane のデプロイの準備

Amazon Web Services (AWS) に Hosted Control Plane をデプロイする準備をする際には、次の情報を考慮してください。

  • 各ホステッドクラスターに、クラスター全体で一意の名前が必要です。multicluster engine Operator によってホステッドクラスターを管理するには、ホステッドクラスター名を既存のマネージドクラスターと同じにすることはできません。
  • ホステッドクラスター名として clusters を使用しないでください。
  • Hosted Control Plane の同じプラットフォームで、ハブクラスターとワーカーを実行します。
  • ホステッドクラスターは、multicluster engine Operator のマネージドクラスターの namespace には作成できません。
4.1.1.1. 管理クラスターを設定するための前提条件

管理クラスターを設定するには、次の前提条件を満たす必要があります。

  • OpenShift Container Platform クラスターに multicluster engine for Kubernetes Operator 2.5 以降がインストールされている。multicluster engine Operator は、Red Hat Advanced Cluster Management (RHACM) をインストールすると、自動的にインストールされます。multicluster engine Operator は、OpenShift Container Platform OperatorHub から Operator として RHACM なしでインストールすることもできます。
  • multicluster engine Operator のマネージド OpenShift Container Platform クラスターが少なくとも 1 つある。multicluster engine Operator バージョン 2.5 以降では、local-cluster が自動的にインポートされます。次のコマンドを実行して、ハブクラスターの状態を確認できます。

    $ oc get managedclusters local-cluster
  • aws コマンドラインインターフェイス (CLI) がインストールされている。
  • Hosted Control Plane の CLI である hcp がインストールされている。

4.1.2. Amazon Web Services S3 バケットと S3 OIDC シークレットの作成

Amazon Web Services (AWS) でホステッドクラスターを作成して管理するには、S3 バケットと S3 OIDC シークレットを作成する必要があります。

手順

  1. 次のコマンドを実行して、クラスターの OIDC 検出ドキュメントをホストするためのパブリックアクセスを持つ S3 バケットを作成します。

    $ aws s3api create-bucket --bucket <bucket_name> \1
      --create-bucket-configuration LocationConstraint=<region> \2
      --region <region> 3
    1
    <bucket_name> は、作成する S3 バケットの名前に置き換えます。
    2 3
    us-east-1 リージョン以外のリージョンにバケットを作成するには、この行を追加し、<region> を使用するリージョンに置き換えます。us-east-1 リージョンにバケットを作成するには、この行を省略します。
    $ aws s3api delete-public-access-block --bucket <bucket_name> 1
    1
    <bucket_name> は、作成する S3 バケットの名前に置き換えます。
    $ echo '{
        "Version": "2012-10-17",
        "Statement": [
            {
                "Effect": "Allow",
                "Principal": "*",
                "Action": "s3:GetObject",
                "Resource": "arn:aws:s3:::<bucket_name>/*" 1
            }
        ]
    }' | envsubst > policy.json
    1
    <bucket_name> は、作成する S3 バケットの名前に置き換えます。
    $ aws s3api put-bucket-policy --bucket <bucket_name> --policy file://policy.json 1
    1
    <bucket_name> は、作成する S3 バケットの名前に置き換えます。
    注記

    Mac コンピューターを使用している場合は、ポリシーを機能させるためにバケット名をエクスポートする必要があります。

  2. HyperShift Operator 用に hypershift-operator-oidc-provider-s3-credentials という名前の OIDC S3 シークレットを作成します。
  3. シークレットを local-cluster namespace に保存します。
  4. 次の表を参照して、シークレットに次のフィールドが含まれていることを確認します。

    表4.1 AWS シークレットの必須フィールド
    フィールド名説明

    bucket

    ホステッドクラスターの OIDC 検出ドキュメントをホストするためのパブリックアクセスを備えた S3 バケットが含まれています。

    credentials

    バケットにアクセスできる default プロファイルの認証情報を含むファイルへの参照。デフォルトでは、HyperShift は default プロファイルのみを使用して バケット を操作します。

    region

    S3 バケットのリージョンを指定します。

  5. AWS シークレットを作成するには、次のコマンドを実行します。

    $ oc create secret generic <secret_name> --from-file=credentials=<path>/.aws/credentials --from-literal=bucket=<s3_bucket> --from-literal=region=<region> -n local-cluster
    注記

    シークレットの障害復旧バックアップは自動的に有効になりません。障害復旧用に hypershift-operator-oidc-provider-s3-credentials シークレットのバックアップを有効にするラベルを追加するには、次のコマンドを実行します。

    $ oc label secret hypershift-operator-oidc-provider-s3-credentials -n local-cluster cluster.open-cluster-management.io/backup=true

4.1.3. ホステッドクラスター用のルーティング可能なパブリックゾーンの作成

ホステッドクラスター内のアプリケーションにアクセスするには、ルーティング可能なパブリックゾーンを設定する必要があります。パブリックゾーンが存在する場合は、この手順を省略します。省略しないと、パブリックゾーンによって既存の機能に影響が生じます。

手順

  • DNS レコードのルーティング可能なパブリックゾーンを作成するには、次のコマンドを入力します。

    $ aws route53 create-hosted-zone --name <basedomain> --caller-reference $(whoami)-$(date --rfc-3339=date) 1
    1
    <basedomain> は、ベースドメイン (例: www.example.com) に置き換えます。

4.1.4. AWS IAM ロールと STS 認証情報の作成

Amazon Web Services (AWS) でホステッドクラスターを作成する前に、AWS IAM ロールと STS 認証情報を作成する必要があります。

手順

  1. 次のコマンドを実行して、ユーザーの Amazon Resource Name (ARN) を取得します。

    $ aws sts get-caller-identity --query "Arn" --output text

    出力例

    arn:aws:iam::1234567890:user/<aws_username>

    この出力は、次のステップで <arn> の値として使用します。

  2. ロールの信頼関係設定を含む JSON ファイルを作成します。以下の例を参照してください。

    {
        "Version": "2012-10-17",
        "Statement": [
            {
                "Effect": "Allow",
                "Principal": {
                    "AWS": "<arn>" 1
                },
                "Action": "sts:AssumeRole"
            }
        ]
    }
    1
    <arn> は、前のステップでメモしたユーザーの ARN に置き換えます。
  3. 次のコマンドを実行して、Identity and Access Management (IAM) ロールを作成します。

    $ aws iam create-role \
    --role-name <name> \1
    --assume-role-policy-document file://<file_name>.json \2
    --query "Role.Arn"
    1
    <name> は、ロール名に置き換えます (例: hcp-cli-role)。
    2
    <file_name> は、前のステップで作成した JSON ファイルの名前に置き換えます。

    出力例

    arn:aws:iam::820196288204:role/myrole

  4. ロールの次の権限ポリシーを含む policy.json という名前の JSON ファイルを作成します。

    {
        "Version": "2012-10-17",
        "Statement": [
            {
                "Sid": "EC2",
                "Effect": "Allow",
                "Action": [
                    "ec2:CreateDhcpOptions",
                    "ec2:DeleteSubnet",
                    "ec2:ReplaceRouteTableAssociation",
                    "ec2:DescribeAddresses",
                    "ec2:DescribeInstances",
                    "ec2:DeleteVpcEndpoints",
                    "ec2:CreateNatGateway",
                    "ec2:CreateVpc",
                    "ec2:DescribeDhcpOptions",
                    "ec2:AttachInternetGateway",
                    "ec2:DeleteVpcEndpointServiceConfigurations",
                    "ec2:DeleteRouteTable",
                    "ec2:AssociateRouteTable",
                    "ec2:DescribeInternetGateways",
                    "ec2:DescribeAvailabilityZones",
                    "ec2:CreateRoute",
                    "ec2:CreateInternetGateway",
                    "ec2:RevokeSecurityGroupEgress",
                    "ec2:ModifyVpcAttribute",
                    "ec2:DeleteInternetGateway",
                    "ec2:DescribeVpcEndpointConnections",
                    "ec2:RejectVpcEndpointConnections",
                    "ec2:DescribeRouteTables",
                    "ec2:ReleaseAddress",
                    "ec2:AssociateDhcpOptions",
                    "ec2:TerminateInstances",
                    "ec2:CreateTags",
                    "ec2:DeleteRoute",
                    "ec2:CreateRouteTable",
                    "ec2:DetachInternetGateway",
                    "ec2:DescribeVpcEndpointServiceConfigurations",
                    "ec2:DescribeNatGateways",
                    "ec2:DisassociateRouteTable",
                    "ec2:AllocateAddress",
                    "ec2:DescribeSecurityGroups",
                    "ec2:RevokeSecurityGroupIngress",
                    "ec2:CreateVpcEndpoint",
                    "ec2:DescribeVpcs",
                    "ec2:DeleteSecurityGroup",
                    "ec2:DeleteDhcpOptions",
                    "ec2:DeleteNatGateway",
                    "ec2:DescribeVpcEndpoints",
                    "ec2:DeleteVpc",
                    "ec2:CreateSubnet",
                    "ec2:DescribeSubnets"
                ],
                "Resource": "*"
            },
            {
                "Sid": "ELB",
                "Effect": "Allow",
                "Action": [
                    "elasticloadbalancing:DeleteLoadBalancer",
                    "elasticloadbalancing:DescribeLoadBalancers",
                    "elasticloadbalancing:DescribeTargetGroups",
                    "elasticloadbalancing:DeleteTargetGroup"
                ],
                "Resource": "*"
            },
            {
                "Sid": "IAMPassRole",
                "Effect": "Allow",
                "Action": "iam:PassRole",
                "Resource": "arn:*:iam::*:role/*-worker-role",
                "Condition": {
                    "ForAnyValue:StringEqualsIfExists": {
                        "iam:PassedToService": "ec2.amazonaws.com"
                    }
                }
            },
            {
                "Sid": "IAM",
                "Effect": "Allow",
                "Action": [
                    "iam:CreateInstanceProfile",
                    "iam:DeleteInstanceProfile",
                    "iam:GetRole",
                    "iam:UpdateAssumeRolePolicy",
                    "iam:GetInstanceProfile",
                    "iam:TagRole",
                    "iam:RemoveRoleFromInstanceProfile",
                    "iam:CreateRole",
                    "iam:DeleteRole",
                    "iam:PutRolePolicy",
                    "iam:AddRoleToInstanceProfile",
                    "iam:CreateOpenIDConnectProvider",
                    "iam:ListOpenIDConnectProviders",
                    "iam:DeleteRolePolicy",
                    "iam:UpdateRole",
                    "iam:DeleteOpenIDConnectProvider",
                    "iam:GetRolePolicy"
                ],
                "Resource": "*"
            },
            {
                "Sid": "Route53",
                "Effect": "Allow",
                "Action": [
                    "route53:ListHostedZonesByVPC",
                    "route53:CreateHostedZone",
                    "route53:ListHostedZones",
                    "route53:ChangeResourceRecordSets",
                    "route53:ListResourceRecordSets",
                    "route53:DeleteHostedZone",
                    "route53:AssociateVPCWithHostedZone",
                    "route53:ListHostedZonesByName"
                ],
                "Resource": "*"
            },
            {
                "Sid": "S3",
                "Effect": "Allow",
                "Action": [
                    "s3:ListAllMyBuckets",
                    "s3:ListBucket",
                    "s3:DeleteObject",
                    "s3:DeleteBucket"
                ],
                "Resource": "*"
            }
        ]
    }
  5. 次のコマンドを実行して、policy.json ファイルをロールに割り当てます。

    $ aws iam put-role-policy \
      --role-name <role_name> \1
      --policy-name <policy_name> \2
      --policy-document file://policy.json 3
    1
    <role_name> は、ロールの名前に置き換えます。
    2
    <policy_name> は、ポリシー名に置き換えます。
    3
    policy.json ファイルには、ロールの権限ポリシーを含めます。
  6. 次のコマンドを実行して、sts-creds.json という名前の JSON ファイル内の STS 認証情報を取得します。

    $ aws sts get-session-token --output json > sts-creds.json

    sts-creds.json ファイルの例

    {
                  "Credentials": {
                      "AccessKeyId": "ASIA1443CE0GN2ATHWJU",
                      "SecretAccessKey": "XFLN7cZ5AP0d66KhyI4gd8Mu0UCQEDN9cfelW1”,
                      "SessionToken": "IQoJb3JpZ2luX2VjEEAaCXVzLWVhc3QtMiJHMEUCIDyipkM7oPKBHiGeI0pMnXst1gDLfs/TvfskXseKCbshAiEAnl1l/Html7Iq9AEIqf////KQburfkq4A3TuppHMr/9j1TgCj1z83SO261bHqlJUazKoy7vBFR/a6LHt55iMBqtKPEsIWjBgj/jSdRJI3j4Gyk1//luKDytcfF/tb9YrxDTPLrACS1lqAxSIFZ82I/jDhbDs=",
                      "Expiration": "2025-05-16T04:19:32+00:00"
                  }
              }

4.1.6. AWS 上の Hosted Control Plane 用の外部 DNS を有効にする

Hosted Control Plane では、コントロールプレーンとデータプレーンが分離されています。DNS は、次の 2 つの独立した領域で設定できます。

  • ホステッドクラスター (*.apps.service-consumer-domain.com などのドメイン) 内のワークロードの Ingress。
  • サービスプロバイダーのドメイン *.service-provider-domain.com を介した API または OAuth エンドポイントなど、管理クラスター内のサービスエンドポイントの Ingress。

hostedCluster.spec.dns の入力は、ホステッドクラスター内のワークロードの Ingress を管理します。hostedCluster.spec.services.servicePublishingStrategy.route.hostname の入力は、管理クラスター内のサービスエンドポイントの Ingress を決定します。

外部 DNS は、LoadBalancer または Route の公開タイプを指定し、その公開タイプのホスト名を提供するホステッドクラスター Services の名前レコードを作成します。Private または PublicAndPrivate エンドポイントアクセスタイプを持つホステッドクラスターの場合、APIServer サービスと OAuth サービスのみがホスト名をサポートします。Private ホステッドクラスターの場合、DNS レコードが VPC 内の Virtual Private Cloud (VPC) エンドポイントのプライベート IP アドレスに解決されます。

Hosted Control Plane は、次のサービスを公開します。

  • APIServer
  • OIDC

これらのサービスは、HostedCluster 仕様の servicePublishingStrategy フィールドを使用して公開できます。デフォルトでは、servicePublishingStrategyLoadBalancer および Route タイプの場合、次のいずれかの方法でサービスを公開できます。

  • LoadBalancer タイプの Service のステータスにあるロードバランサーのホスト名を使用する方法
  • Route リソースの status.host フィールドを使用する方法

ただし、マネージドサービスのコンテキストで Hosted Control Plane をデプロイすると、これらの方法によって、基盤となる管理クラスターの Ingress サブドメインが公開され、管理クラスターのライフサイクルと障害復旧のオプションが制限される可能性があります。

DNS 間接化が LoadBalancer および Route 公開タイプに階層化されている場合、マネージドサービスオペレーターは、サービスレベルドメインを使用してすべてのパブリックホステッドクラスターサービスを公開できます。このアーキテクチャーでは、DNS 名を新しい LoadBalancer または Route に再マッピングできますが、管理クラスターの Ingress ドメインは公開されません。Hosted Control Plane は、外部 DNS を使用して間接層を実現します。

管理クラスターの hypershift namespace に HyperShift Operator と一緒に external-dns をデプロイできます。外部 DNS は、external-dns.alpha.kubernetes.io/hostname アノテーションを持つ Services または Routes を監視します。このアノテーションは、レコードなどの Service、または CNAME レコードなどの Route を指す DNS レコードを作成するために使用されます。

外部 DNS はクラウド環境でのみ使用できます。その他の環境では、DNS とサービスを手動で設定する必要があります。

外部 DNS の詳細は、外部 DNS を参照してください。

4.1.6.1. 前提条件

Amazon Web Services (AWS) で Hosted Control Plane の外部 DNS を設定する前に、次の前提条件を満たす必要があります。

  • 外部パブリックドメインを作成した。
  • AWS Route53 管理コンソールにアクセスできる。
  • Hosted Control Plane 用に AWS PrivateLink を有効にした。
4.1.6.2. Hosted Control Plane の外部 DNS の設定

Hosted Control Plane は、外部 DNS またはサービスレベル DNS を使用してプロビジョニングできます。

  1. HyperShift Operator 用の Amazon Web Services (AWS) 認証情報シークレットを作成し、local-cluster namespace で hypershift-operator-external-dns-credentials という名前を付けます。
  2. 次の表を参照して、シークレットに必須フィールドが含まれていることを確認してください。

    表4.3 AWS シークレットの必須フィールド
    フィールド名説明

    任意または必須

    provider

    サービスレベル DNS ゾーンを管理する DNS プロバイダー。

    必須

    domain-filter

    サービスレベルドメイン。

    必須

    credentials

    すべての外部 DNS タイプをサポートする認証情報ファイル。

    AWS キーを使用する場合はオプション

    aws-access-key-id

    認証情報アクセスキー ID。

    AWS DNS サービスを使用する場合はオプション

    aws-secret-access-key

    認証情報アクセスキーのシークレット。

    AWS DNS サービスを使用する場合はオプション

  3. AWS シークレットを作成するには、次のコマンドを実行します。

    $ oc create secret generic <secret_name> --from-literal=provider=aws --from-literal=domain-filter=<domain_name> --from-file=credentials=<path_to_aws_credentials_file> -n local-cluster
    注記

    シークレットの障害復旧バックアップは自動的に有効になりません。障害復旧のためにシークレットをバックアップするには、次のコマンドを入力して hypershift-Operator-external-dns-credentials を追加します。

    $ oc label secret hypershift-operator-external-dns-credentials -n local-cluster cluster.open-cluster-management.io/backup=""
4.1.6.3. パブリック DNS ホストゾーンの作成

パブリック DNS ホストゾーンは、パブリックホステッドクラスターを作成するために、External DNS Operator によって使用されます。

外部 DNS ドメインフィルターとして使用するパブリック DNS ホストゾーンを作成できます。AWS Route 53 管理コンソールで次の手順を実行します。

手順

  1. Route 53 管理コンソールで、Create hosted zone をクリックします。
  2. Hosted zone configuration ページでドメイン名を入力し、タイプとして Publish hosted zone が選択されていることを確認し、Create hosted zone をクリックします。
  3. ゾーンが作成されたら、Records タブの Value/Route traffic to 列の値をメモします。
  4. メインドメインで、DNS 要求を委任ゾーンにリダイレクトするための NS レコードを作成します。Value フィールドに、前の手順でメモした値を入力します。
  5. Create records をクリックします。
  6. 次の例のように、新しいサブゾーンにテストエントリーを作成し、dig コマンドでテストして、DNS ホストゾーンが機能していることを確認します。

    $ dig +short test.user-dest-public.aws.kerberos.com

    出力例

    192.168.1.1

  7. LoadBalancer および Route サービスのホスト名を設定するホステッドクラスターを作成するには、次のコマンドを入力します。

    $ hcp create cluster aws --name=<hosted_cluster_name> --endpoint-access=PublicAndPrivate --external-dns-domain=<public_hosted_zone> ... 1
    1
    <public_hosted_zone> は、作成したパブリックホストゾーンに置き換えます。

    ホステッドクラスターの services ブロックの例

      platform:
        aws:
          endpointAccess: PublicAndPrivate
    ...
      services:
      - service: APIServer
        servicePublishingStrategy:
          route:
            hostname: api-example.service-provider-domain.com
          type: Route
      - service: OAuthServer
        servicePublishingStrategy:
          route:
            hostname: oauth-example.service-provider-domain.com
          type: Route
      - service: Konnectivity
        servicePublishingStrategy:
          type: Route
      - service: Ignition
        servicePublishingStrategy:
          type: Route

Control Plane Operator は、ServicesRoutes リソースを作成し、external-dns.alpha.kubernetes.io/hostname のアノテーションを付けます。ServicesRoutes の場合、Control Plane Operator は、サービスエンドポイントの servicePublishingStrategy フィールドの hostname パラメーターの値を使用します。DNS レコードを作成するには、external-dns デプロイメントなどのメカニズムを使用できます。

サービスレベルの DNS 間接化をパブリックサービスにのみ設定できます。プライベートサービスは hypershift.local プライベートゾーンを使用するため、hostname を設定できません。

次の表は、サービスとエンドポイントの組み合わせに対して hostname を設定することが有効な場合を示しています。

表4.4 hostname を設定するためのサービスとエンドポイントの組み合わせ
サービスPublic

PublicAndPrivate

Private

APIServer

Y

Y

N

OAuthServer

Y

Y

N

Konnectivity

Y

N

N

Ignition

Y

N

N

4.1.6.4. AWS 上で外部 DNS を使用してホステッドクラスターを作成する

Amazon Web Services (AWS) で PublicAndPrivate または Public 公開ストラテジーを使用してホステッドクラスターを作成するには、管理クラスターで次のアーティファクトが設定されている必要があります。

  • パブリック DNS ホストゾーン
  • External DNS Operator
  • HyperShift Operator

ホステッドクラスターは、hcp コマンドラインインターフェイス (CLI) を使用してデプロイできます。

手順

  1. 管理クラスターにアクセスするには、次のコマンドを入力します。

    $ export KUBECONFIG=<path_to_management_cluster_kubeconfig>
  2. 次のコマンドを入力して、External DNS Operator が実行されていることを確認します。

    $ oc get pod -n hypershift -lapp=external-dns

    出力例

    NAME                            READY   STATUS    RESTARTS   AGE
    external-dns-7c89788c69-rn8gp   1/1     Running   0          40s

  3. 外部 DNS を使用してホストされたクラスターを作成するには、次のコマンドを入力します。

    $ hcp create cluster aws \
        --role-arn <arn_role> \ 1
        --instance-type <instance_type> \ 2
        --region <region> \ 3
        --auto-repair \
        --generate-ssh \
        --name <hosted_cluster_name> \ 4
        --namespace clusters \
        --base-domain <service_consumer_domain> \ 5
        --node-pool-replicas <node_replica_count> \ 6
        --pull-secret <path_to_your_pull_secret> \ 7
        --release-image quay.io/openshift-release-dev/ocp-release:<ocp_release_image> \ 8
        --external-dns-domain=<service_provider_domain> \ 9
        --endpoint-access=PublicAndPrivate 10
        --sts-creds <path_to_sts_credential_file> 11
    1
    Amazon Resource Name (ARN) を指定します (例: arn:aws:iam::820196288204:role/myrole)。
    2
    インスタンスタイプを指定します (例: m6i.xlarge)
    3
    AWS リージョンを指定します (例: us-east-1)。
    4
    ホストされたクラスター名を指定します (例: my-external-aws)
    5
    サービスコンシューマーが所有するパブリックホストゾーンを指定します (例: service-consumer-domain.com)。
    6
    ノードのレプリカ数を指定します (例: 2)
    7
    プルシークレットファイルへのパスを指定します。
    8
    使用するサポート対象の OpenShift Container Platform バージョンを指定します (例: 4.17.0-multi)。
    9
    サービスプロバイダーが所有するパブリックホストゾーンを指定します (例: service-provider-domain.com)。
    10
    PublicAndPrivate として設定します。外部 DNS は、Public または PublicAndPrivate 設定でのみ使用できます。
    11
    AWS STS 認証情報ファイルへのパスを指定します (例: /home/user/sts-creds/sts-creds.json)。

4.1.7. AWS 上でのホステッドクラスターの作成

hcp コマンドラインインターフェイス (CLI) を使用して、Amazon Web Services (AWS) 上にホステッドクラスターを作成できます。

Amazon Web Services (AWS) 上の Hosted Control Plane では、デフォルトで AMD64 ホステッドクラスターを使用します。ただし、Hosted Control Plane を ARM64 ホステッドクラスターで実行することもできます。詳細は、「ARM64 アーキテクチャーでのホステッドクラスターの実行」を参照してください。

ノードプールとホステッドクラスターの互換性のある組み合わせは、次の表を参照してください。

表4.5 ノードプールとホステッドクラスターの互換性のあるアーキテクチャー
ホステッドクラスターノードプール

AMD64

AMD64 または ARM64

ARM64

ARM64 または AMD64

前提条件

  • Hosted Control Plane の CLI である hcp を設定した。
  • local-cluster マネージドクラスターを管理クラスターとして有効にした。
  • AWS Identity and Access Management (IAM) ロールと AWS Security Token Service (STS) 認証情報を作成した。

手順

  1. AWS 上にホステッドクラスターを作成するには、次のコマンドを実行します。

    $ hcp create cluster aws \
        --name <hosted_cluster_name> \1
        --infra-id <infra_id> \2
        --base-domain <basedomain> \3
        --sts-creds <path_to_sts_credential_file> \4
        --pull-secret <path_to_pull_secret> \5
        --region <region> \6
        --generate-ssh \
        --node-pool-replicas <node_pool_replica_count> \7
        --namespace <hosted_cluster_namespace> \8
        --role-arn <role_name> \9
        --render-into <file_name>.yaml 10
    1
    ホステッドクラスターの名前を指定します (例: example)。
    2
    インフラストラクチャー名を指定します。<hosted_cluster_name><infra_id> には同じ値を指定する必要があります。そうしないと、multicluster engine for Kubernetes Operator のコンソールに、クラスターが正しく表示されない可能性があります。
    3
    ベースドメインを指定します (例: example.com)。
    4
    AWS STS 認証情報ファイルへのパスを指定します (例: /home/user/sts-creds/sts-creds.json)。
    5
    プルシークレットへのパスを指定します (例: /user/name/pullsecret)。
    6
    AWS リージョン名を指定します (例: us-east-1)。
    7
    ノードプールのレプリカ数を指定します (例: 3)。
    8
    デフォルトでは、HostedClusterNodePool のすべてのカスタムリソースが clusters namespace に作成されます。--namespace <namespace> パラメーターを使用すると、特定の namespace に HostedCluster および NodePool カスタムリソースを作成できます。
    9
    Amazon Resource Name (ARN) を指定します (例: arn:aws:iam::820196288204:role/myrole)。
    10
    EC2 インスタンスを共有テナントハードウェア上で実行するか、シングルテナントハードウェア上で実行するかを指定する場合は、このフィールドを含めます。--render-into フラグを含めると、Kubernetes リソースが、このフィールドで指定した YAML ファイルにレンダリングされます。この場合、次のステップに進み、YAML ファイルを編集します。
  2. 前のコマンドに --render-into フラグを含めた場合は、指定した YAML ファイルを編集します。YAML ファイルの NodePool 仕様を編集して、EC2 インスタンスを共有ハードウェア上で実行するか、シングルテナントハードウェア上で実行するかを指定します。次に例を示します。

    サンプル YAML ファイル

    apiVersion: hypershift.openshift.io/v1beta1
    kind: NodePool
    metadata:
      name: <nodepool_name> 1
    spec:
      platform:
        aws:
          placement:
            tenancy: "default" 2

    1
    NodePool リソースの名前を指定します。
    2
    テナンシーの有効な値 ("default""dedicated"、または "host") を指定します。ノードプールインスタンスを共有ハードウェア上で実行する場合は、"default" を使用します。各ノードプールインスタンスをシングルテナントハードウェア上で実行する場合は、"dedicated" を使用します。事前に割り当てられた専用ホスト上でノードプールインスタンスを実行する場合は、"host" を使用します。

検証

  1. ホステッドクラスターのステータスを確認し、AVAILABLE の値が True であることを確認します。以下のコマンドを実行します。

    $ oc get hostedclusters -n <hosted_cluster_namespace>
  2. 次のコマンドを実行して、ノードプールのリストを取得します。

    $ oc get nodepools --namespace <hosted_cluster_namespace>
4.1.7.1. kubeadmin 認証情報を使用して AWS 上のホステッドクラスターにアクセスする

Amazon Web Services (AWS) にホステッドクラスターを作成した後、kubeconfig ファイル、アクセスシークレット、および kubeadmin 認証情報を取得して、ホステッドクラスターにアクセスできます。

ホステッドクラスターのリソースとアクセスシークレットは、ホステッドクラスターの namespace に格納されます。Hosted Control Plane は、Hosted Control Plane の namespace で実行されます。

シークレット名の形式は次のとおりです。

  • kubeconfig シークレット: <hosted_cluster_namespace>-<name>-admin-kubeconfig。たとえば、clusters-hypershift-demo-admin-kubeconfig です。
  • kubeadmin パスワードシークレット: <hosted_cluster_namespace>-<name>-kubeadmin-password。たとえば、clusters-hypershift-demo-kubeadmin-password です。
注記

kubeadmin パスワードシークレットは、Base64 でエンコードされています。kubeconfig シークレットには、Base64 でエンコードされた kubeconfig 設定が含まれています。Base64 でエンコードされた kubeconfig 設定をデコードし、<hosted_cluster_name>.kubeconfig ファイルに保存する必要があります。

手順

  • デコードされた kubeconfig 設定を含む <hosted_cluster_name>.kubeconfig ファイルを使用して、ホステッドクラスターにアクセスします。以下のコマンドを入力します。

    $ oc --kubeconfig <hosted_cluster_name>.kubeconfig get nodes

    API サーバーまたはホステッドクラスターのコンソールにログインするには、kubeadmin パスワードシークレットをデコードする必要があります。

4.1.7.2. hcp CLI を使用して AWS 上のホステッドクラスターにアクセスする

hcp コマンドラインインターフェイス (CLI) を使用して、ホステッドクラスターにアクセスできます。

手順

  1. 次のコマンドを入力して、kubeconfig ファイルを生成します。

    $ hcp create kubeconfig --namespace <hosted_cluster_namespace> --name <hosted_cluster_name> > <hosted_cluster_name>.kubeconfig
  2. kubeconfig ファイルを保存したら、次のコマンドを入力してホステッドクラスターにアクセスします。

    $ oc --kubeconfig <hosted_cluster_name>.kubeconfig get nodes

4.1.8. AWS 上の複数のゾーンにホステッドクラスターを作成する

hcp コマンドラインインターフェイス (CLI) を使用して、Amazon Web Services (AWS) 上の複数のゾーンにホステッドクラスターを作成できます。

前提条件

  • AWS Identity and Access Management (IAM) ロールと AWS Security Token Service (STS) 認証情報を作成した。

手順

  • 次のコマンドを実行して、AWS 上の複数のゾーンにホステッドクラスターを作成します。

    $ hcp create cluster aws \
      --name <hosted_cluster_name> \1
      --node-pool-replicas=<node_pool_replica_count> \2
      --base-domain <basedomain> \3
      --pull-secret <path_to_pull_secret> \4
      --role-arn <arn_role> \5
      --region <region> \6
      --zones <zones> \7
      --sts-creds <path_to_sts_credential_file> 8
    1
    ホステッドクラスターの名前を指定します (例: example)。
    2
    ノードプールのレプリカ数を指定します (例: 2)。
    3
    ベースドメインを指定します (例: example.com)。
    4
    プルシークレットへのパスを指定します (例: /user/name/pullsecret)。
    5
    Amazon Resource Name (ARN) を指定します (例: arn:aws:iam::820196288204:role/myrole)。
    6
    AWS リージョン名を指定します (例: us-east-1)。
    7
    AWS リージョン内のアベイラビリティーゾーンを指定します (例: us-east-1aus-east-1b)。
    8
    AWS STS 認証情報ファイルへのパスを指定します (例: /home/user/sts-creds/sts-creds.json)。

指定したゾーンごとに、次のインフラストラクチャーが作成されます。

  • パブリックサブネット
  • プライベートサブネット
  • NAT ゲートウェイ
  • プライベートルートテーブル

パブリックルートテーブルはパブリックサブネット間で共有されます。

ゾーンごとに 1 つの NodePool リソースが作成されます。ノードプール名の末尾にはゾーン名が付けられます。ゾーンのプライベートサブネットは spec.platform.aws.subnet.id に設定されます。

4.1.8.1. AWS STS 認証情報を指定してホステッドクラスターを作成する

hcp create cluster aws コマンドを使用してホステッドクラスターを作成する場合は、ホステッドクラスターのインフラストラクチャーリソースを作成する権限を持つ Amazon Web Services (AWS) アカウントの認証情報を指定する必要があります。

インフラストラクチャーリソースの例としては、次のものがあります。

  • Virtual Private Cloud (VPC)
  • サブネット
  • ネットワークアドレス変換 (NAT) ゲートウェイ

次のいずれかの方法で AWS 認証情報を指定できます。

  • AWS Security Token Service (STS) 認証情報
  • multicluster engine Operator からの AWS クラウドプロバイダーのシークレット

手順

  • AWS STS 認証情報を指定して AWS 上にホステッドクラスターを作成するには、次のコマンドを入力します。

    $ hcp create cluster aws \
      --name <hosted_cluster_name> \1
      --node-pool-replicas <node_pool_replica_count> \2
      --base-domain <basedomain> \3
      --pull-secret <path_to_pull_secret> \4
      --sts-creds <path_to_sts_credential_file> \5
      --region <region> \6
      --role-arn <arn_role>  7
    1
    ホステッドクラスターの名前を指定します (例: example)。
    2
    ノードプールのレプリカ数を指定します (例: 2)。
    3
    ベースドメインを指定します (例: example.com)。
    4
    プルシークレットへのパスを指定します (例: /user/name/pullsecret)。
    5
    AWS STS 認証情報ファイルへのパスを指定します (例: /home/user/sts-creds/sts-creds.json)。
    6
    AWS リージョン名を指定します (例: us-east-1)。
    7
    Amazon Resource Name (ARN) を指定します (例: arn:aws:iam::820196288204:role/myrole)。

4.1.9. ARM64 アーキテクチャーでのホステッドクラスターの実行

Amazon Web Services (AWS) 上の Hosted Control Plane では、デフォルトで AMD64 ホステッドクラスターを使用します。ただし、Hosted Control Plane を ARM64 ホステッドクラスターで実行することもできます。

ノードプールとホステッドクラスターの互換性のある組み合わせは、次の表を参照してください。

表4.6 ノードプールとホステッドクラスターの互換性のあるアーキテクチャー
ホステッドクラスターノードプール

AMD64

AMD64 または ARM64

ARM64

ARM64 または AMD64

4.1.9.1. ARM64 OpenShift Container Platform クラスターにホステッドクラスターを作成する

デフォルトのリリースイメージをマルチアーキテクチャーリリースイメージでオーバーライドすることで、Amazon Web Services (AWS) の ARM64 OpenShift Container Platform クラスターでホステッドクラスターを実行できます。

マルチアーキテクチャーリリースイメージを使用しない場合、ホステッドクラスターでマルチアーキテクチャーリリースイメージを使用するか、リリースイメージに基づいて NodePool カスタムリソースを更新するまで、ノードプール内のコンピュートノードが作成されず、ノードプールの調整が停止します。

前提条件

  • AWS にインストールされた、64 ビット ARM インフラストラクチャーの OpenShift Container Platform クラスターがある。詳細は、Create an OpenShift Container Platform Cluster: AWS (ARM) を参照してください。
  • AWS Identity and Access Management (IAM) ロールと AWS Security Token Service (STS) 認証情報を作成する。詳細は、「AWS IAM ロールと STS 認証情報の作成」を参照してください。

手順

  1. 次のコマンドを入力して、ARM64 OpenShift Container Platform クラスターにホステッドクラスターを作成します。

    $ hcp create cluster aws \
      --name <hosted_cluster_name> \1
      --node-pool-replicas <node_pool_replica_count> \2
      --base-domain <basedomain> \3
      --pull-secret <path_to_pull_secret> \4
      --sts-creds <path_to_sts_credential_file> \5
      --region <region> \6
      --release-image quay.io/openshift-release-dev/ocp-release:<ocp_release_image> \7
      --role-arn <role_name> 8
    1
    ホステッドクラスターの名前を指定します (例: example)。
    2
    ノードプールのレプリカ数を指定します (例: 3)。
    3
    ベースドメインを指定します (例: example.com)。
    4
    プルシークレットへのパスを指定します (例: /user/name/pullsecret)。
    5
    AWS STS 認証情報ファイルへのパスを指定します (例: /home/user/sts-creds/sts-creds.json)。
    6
    AWS リージョン名を指定します (例: us-east-1)。
    7
    使用するサポート対象の OpenShift Container Platform バージョンを指定します (例: 4.17.0-multi)。非接続環境を使用している場合は、<ocp_release_image> をダイジェストイメージに置き換えます。OpenShift Container Platform リリースイメージダイジェストを抽出するには、「OpenShift Container Platform リリースイメージダイジェストの抽出」を参照してください。
    8
    Amazon Resource Name (ARN) を指定します (例: arn:aws:iam::820196288204:role/myrole)。
  2. 次のコマンドを実行して、ホステッドクラスターに NodePool オブジェクトを追加します。

    $ hcp create nodepool aws \
      --cluster-name <hosted_cluster_name> \1
      --name <nodepool_name> \2
      --node-count <node_pool_replica_count> 3
    1
    ホステッドクラスターの名前を指定します (例: example)。
    2
    ノードプール名を指定します。
    3
    ノードプールのレプリカ数を指定します (例: 3)。
4.1.9.2. AWS ホステッドクラスターに ARM または AMD の NodePool オブジェクトを作成する

同じ Hosted Control Plane から、64 ビット ARM および AMD の NodePool オブジェクトであるアプリケーションワークロードをスケジュールできます。NodePool 仕様で arch フィールドを定義し、NodePool オブジェクトに必要なプロセッサーアーキテクチャーを設定できます。arch フィールドの有効な値は次のとおりです。

  • arm64
  • amd64

前提条件

手順

  • 次のコマンドを実行して、AWS でホステッドクラスターに ARM または AMD の NodePool オブジェクトを追加します。

    $ hcp create nodepool aws \
      --cluster-name <hosted_cluster_name> \1
      --name <node_pool_name> \2
      --node-count <node_pool_replica_count> \3
      --arch <architecture> 4
    1
    ホステッドクラスターの名前を指定します (例: example)。
    2
    ノードプール名を指定します。
    3
    ノードプールのレプリカ数を指定します (例: 3)。
    4
    アーキテクチャータイプを指定します (例: arm64amd64)。--arch フラグに値を指定しない場合は、デフォルトで amd64 値が使用されます。

4.1.10. AWS でのプライベートホステッドクラスターの作成

local-cluster をホスティングクラスターとして有効にした後、Amazon Web Services (AWS) にホステッドクラスターまたはプライベートホステッドクラスターをデプロイできます。

デフォルトでは、ホステッドクラスターはパブリック DNS と管理クラスターのデフォルトルーターを介してパブリックにアクセスできます。

AWS 上のプライベートクラスターの場合、ホステッドクラスターとの通信は、すべて AWS PrivateLink を介して行われます。

前提条件

  • AWS PrivateLink を有効にした。詳細は、「AWS PrivateLink の有効化」を参照してください。
  • AWS Identity and Access Management (IAM) ロールと AWS Security Token Service (STS) 認証情報を作成した。詳細は、「AWS IAM ロールと STS 認証情報の作成」および「Identity and Access Management (IAM) 権限」を参照してください。
  • AWS に踏み台インスタンス を設定した。

手順

  • 次のコマンドを入力して、AWS 上にプライベートホステッドクラスターを作成します。

    $ hcp create cluster aws \
      --name <hosted_cluster_name> \1
      --node-pool-replicas=<node_pool_replica_count> \2
      --base-domain <basedomain> \3
      --pull-secret <path_to_pull_secret> \4
      --sts-creds <path_to_sts_credential_file> \5
      --region <region> \6
      --endpoint-access Private \7
      --role-arn <role_name> 8
    1
    ホステッドクラスターの名前を指定します (例: example)。
    2
    ノードプールのレプリカ数を指定します (例: 3)。
    3
    ベースドメインを指定します (例: example.com)。
    4
    プルシークレットへのパスを指定します (例: /user/name/pullsecret)。
    5
    AWS STS 認証情報ファイルへのパスを指定します (例: /home/user/sts-creds/sts-creds.json)。
    6
    AWS リージョン名を指定します (例: us-east-1)。
    7
    クラスターがパブリックかプライベートかを定義します。
    8
    Amazon Resource Name (ARN) を指定します (例: arn:aws:iam::820196288204:role/myrole)。ARN ロールの詳細は、「Identity and Access Management (IAM) 権限」を参照してください。

    ホステッドクラスターの次の API エンドポイントは、プライベート DNS ゾーンを通じてアクセスできます。

  • api.<hosted_cluster_name>.hypershift.local
  • *.apps.<hosted_cluster_name>.hypershift.local
4.1.10.1. AWS 上のプライベート管理クラスターへのアクセス

関連情報

コマンドラインインターフェイス (CLI) を使用して、プライベート管理クラスターにアクセスできます。

手順

  1. 次のコマンドを入力して、ノードのプライベート IP を確認します。

    $ aws ec2 describe-instances --filter="Name=tag:kubernetes.io/cluster/<infra_id>,Values=owned" | jq '.Reservations[] | .Instances[] | select(.PublicDnsName=="") | .PrivateIpAddress'
  2. 次のコマンドを入力して、ホステッドクラスターの kubeconfig ファイルを作成し、ノードにコピーします。

    $ hcp create kubeconfig > <hosted_cluster_kubeconfig>
  3. 踏み台経由でノードの 1 つに SSH 接続するために、次のコマンドを入力します。

    $ ssh -o ProxyCommand="ssh ec2-user@<bastion_ip> -W %h:%p" core@<node_ip>
  4. SSH シェルから、次のコマンドを入力して、kubeconfig ファイルの内容をノード上のファイルにコピーします。

    $ mv <path_to_kubeconfig_file> <new_file_name>
  5. 次のコマンドを入力して、kubeconfig ファイルをエクスポートします。

    $ export KUBECONFIG=<path_to_kubeconfig_file>
  6. 次のコマンドを入力して、ホステッドクラスターのステータスを確認します。

    $ oc get clusteroperators clusterversion

4.2. ベアメタルへの Hosted Control Plane のデプロイ

クラスターを管理クラスターとして機能するように設定することで、Hosted Control Plane をデプロイできます。管理クラスターは、コントロールプレーンがホストされる OpenShift Container Platform クラスターです。場合によっては、管理クラスターは ホスティング クラスターとも呼ばれます。

注記

管理クラスターは、マネージド クラスターとは異なります。マネージドクラスターは、ハブクラスターが管理するクラスターです。

Hosted Control Plane 機能はデフォルトで有効になっています。

multicluster engine Operator は、マネージドのハブクラスターであるデフォルトの local-cluster と、管理クラスターとしてのハブクラスターのみをサポートしています。Red Hat Advanced Cluster Management がインストールされている場合は、マネージドハブクラスター (local-cluster) を管理クラスターとして使用できます。

ホステッドクラスター は、API エンドポイントとコントロールプレーンが管理クラスターでホストされている OpenShift Container Platform クラスターです。ホステッドクラスターには、コントロールプレーンとそれに対応するデータプレーンが含まれます。ホステッドクラスターは、multicluster engine Operator のコンソールか、Hosted Control Plane のコマンドラインインターフェイス (CLI) である hcp を使用して作成できます。

ホステッドクラスターは、マネージドクラスターとして自動的にインポートされます。この自動インポート機能を無効にする場合は、multicluster engine Operator へのホステッドクラスターの自動インポートの無効化 を参照してください。

4.2.1. ベアメタルへの Hosted Control Plane のデプロイの準備

ベアメタルに Hosted Control Plane をデプロイする準備をする際には、次の情報を考慮してください。

  • Hosted Control Plane の同じプラットフォームで、ハブクラスターとワーカーを実行します。
  • すべてのベアメタルホストは、Central Infrastructure Management が提供する Discovery Image ISO を使用して手動で起動する必要があります。ホストは手動で起動することも、Cluster-Baremetal-Operator を使用して自動化することもできます。各ホストが起動すると、エージェントプロセスが実行され、ホストの詳細が検出され、インストールが完了します。Agent カスタムリソースは、各ホストを表します。
  • Hosted Control Plane のストレージを設定する場合は、etcd の推奨プラクティスを考慮してください。レイテンシー要件を満たすには、各コントロールプレーンノードで実行されるすべての Hosted Control Plane の etcd インスタンス専用の高速ストレージデバイスを使用します。LVM ストレージを使用して、ホストされた etcd Pod のローカルストレージクラスを設定できます。詳細は、推奨される etcd プラクティス および 論理ボリュームマネージャーストレージを使用した永続ストレージ を参照してください。
4.2.1.1. 管理クラスターを設定するための前提条件
  • OpenShift Container Platform クラスターに multicluster engine for Kubernetes Operator 2.2 以降がインストールされている必要があります。multicluster engine Operator は、OpenShift Container Platform OperatorHub から Operator としてインストールできます。
  • multicluster engine Operator には、少なくとも 1 つのマネージド OpenShift Container Platform クラスターが必要です。multicluster engine Operator バージョン 2.2 以降では、local-cluster が自動的にインポートされます。local-cluster の詳細は、Red Hat Advanced Cluster Management ドキュメントの 詳細設定 を参照してください。次のコマンドを実行して、ハブクラスターの状態を確認できます。

    $ oc get managedclusters local-cluster
  • 管理クラスター上のベアメタルホストに topology.kubernetes.io/zone ラベルを追加する必要があります。そうしないと、すべての Hosted Control Plane Pod が単一ノードでスケジュールされ、単一障害点が発生します。
  • エージェントプラットフォームを使用して、Hosted Control Plane をベアメタルでプロビジョニングできます。Agent プラットフォームは、Central Infrastructure Management サービスを使用して、ホステッドクラスターにワーカーノードを追加します。詳細は、Central Infrastructure Management サービスの有効化 を参照してください。
  • Hosted Control Plane コマンドラインインターフェイスをインストールする必要があります。
4.2.1.2. ベアメタルファイアウォール、ポート、およびサービスの要件

管理クラスター、コントロールプレーン、ホストされたクラスター間でポートの通信ができるように、ファイアウォール、ポート、およびサービスの要件を満たす必要があります。

注記

サービスはデフォルトのポートで実行されます。ただし、NodePort 公開ストラテジーを使用する場合、サービスは NodePort サービスによって割り当てられたポートで実行されます。

ファイアウォールルール、セキュリティーグループ、またはその他のアクセス制御を使用して、必要なソースだけにアクセスを制限します。必要な場合を除き、ポートを公開しないでください。実稼働環境の場合は、ロードバランサーを使用して、単一の IP アドレスによるアクセスを簡素化します。

ハブクラスターにプロキシー設定がある場合は、すべてのホステッドクラスター API エンドポイントを Proxy オブジェクトの noProxy フィールドに追加して、ハブクラスターがホステッドクラスターの API エンドポイントにアクセスできようにします。詳細は、「クラスター全体のプロキシーの設定」を参照してください。

Hosted Control Plane はベアメタル上で次のサービスを公開します。

  • APIServer

    • APIServer サービスはデフォルトでポート 6443 で実行され、コントロールプレーンコンポーネント間の通信には ingress アクセスが必要です。
    • MetalLB ロードバランシングを使用する場合は、ロードバランサーの IP アドレスに使用される IP 範囲への ingress アクセスを許可します。
  • OAuthServer

    • ルートと Ingress を使用してサービスを公開する場合、OAuthServer サービスはデフォルトでポート 443 で実行されます。
    • NodePort 公開ストラテジーを使用する場合は、OAuthServer サービスにファイアウォールルールを使用します。
  • Konnectivity

    • ルートと Ingress を使用してサービスを公開する場合、Konnectivity サービスはデフォルトでポート 443 で実行されます。
    • Konnectivity エージェントはリバーストンネルを確立し、コントロールプレーンがホストされたクラスターのネットワークにアクセスできるようにします。エージェントは egress を使用して Konnectivity サーバーに接続します。サーバーは、ポート 443 のルートまたは手動で割り当てられた NodePort を使用して公開されます。
    • クラスター API サーバーのアドレスが内部 IP アドレスの場合は、ワークロードサブネットからポート 6443 の IP アドレスへのアクセスを許可します。
    • アドレスが外部 IP アドレスの場合は、ノードからその外部 IP アドレスにポート 6443 で送信できるように許可します。
  • Ignition

    • ルートと Ingress を使用してサービスを公開する場合、Ignition サービスはデフォルトでポート 443 で実行されます。
    • NodePort 公開ストラテジーを使用する場合は、Ignition サービスにファイアウォールルールを使用します。

ベアメタルで以下のサービスは必要ありません。

  • OVNSbDb
  • OIDC
4.2.1.3. ベアメタルのインフラストラクチャー要件

エージェントプラットフォームはインフラストラクチャーを作成しませんが、インフラストラクチャーに関して次の要件があります。

  • Agent: Agent は、Discovery イメージで起動され、OpenShift Container Platform ノードとしてプロビジョニングされる準備ができているホストを表します。
  • DNS: API および Ingress エンドポイントは、ルーティング可能である必要があります。

4.2.2. ベアメタルでの DNS 設定

ホステッドクラスターの API サーバーは、NodePort サービスとして公開されます。API サーバーに到達できる宛先を指す api.<hosted_cluster_name>.<base_domain> の DNS エントリーが存在する必要があります。

DNS エントリーは、Hosted Control Plane を実行しているマネージドクラスター内のノードの 1 つを指すレコードと同様、単純化できます。エントリーは、受信トラフィックを Ingress Pod にリダイレクトするためにデプロイされるロードバランサーを指すこともできます。

DNS 設定の例

api.example.krnl.es.    IN A 192.168.122.20
api.example.krnl.es.    IN A 192.168.122.21
api.example.krnl.es.    IN A 192.168.122.22
api-int.example.krnl.es.    IN A 192.168.122.20
api-int.example.krnl.es.    IN A 192.168.122.21
api-int.example.krnl.es.    IN A 192.168.122.22
`*`.apps.example.krnl.es. IN A 192.168.122.23

IPv6 ネットワーク上の非接続環境用に DNS を設定する場合、設定は次の例のようになります。

IPv6 ネットワークの DNS 設定の例

api.example.krnl.es.    IN A 2620:52:0:1306::5
api.example.krnl.es.    IN A 2620:52:0:1306::6
api.example.krnl.es.    IN A 2620:52:0:1306::7
api-int.example.krnl.es.    IN A 2620:52:0:1306::5
api-int.example.krnl.es.    IN A 2620:52:0:1306::6
api-int.example.krnl.es.    IN A 2620:52:0:1306::7
`*`.apps.example.krnl.es. IN A 2620:52:0:1306::10

デュアルスタックネットワークの非接続環境で DNS を設定する場合は、IPv4 と IPv6 の両方の DNS エントリーを含めるようにしてください。

デュアルスタックネットワークの DNS 設定の例

host-record=api-int.hub-dual.dns.base.domain.name,192.168.126.10
host-record=api.hub-dual.dns.base.domain.name,192.168.126.10
address=/apps.hub-dual.dns.base.domain.name/192.168.126.11
dhcp-host=aa:aa:aa:aa:10:01,ocp-master-0,192.168.126.20
dhcp-host=aa:aa:aa:aa:10:02,ocp-master-1,192.168.126.21
dhcp-host=aa:aa:aa:aa:10:03,ocp-master-2,192.168.126.22
dhcp-host=aa:aa:aa:aa:10:06,ocp-installer,192.168.126.25
dhcp-host=aa:aa:aa:aa:10:07,ocp-bootstrap,192.168.126.26

host-record=api-int.hub-dual.dns.base.domain.name,2620:52:0:1306::2
host-record=api.hub-dual.dns.base.domain.name,2620:52:0:1306::2
address=/apps.hub-dual.dns.base.domain.name/2620:52:0:1306::3
dhcp-host=aa:aa:aa:aa:10:01,ocp-master-0,[2620:52:0:1306::5]
dhcp-host=aa:aa:aa:aa:10:02,ocp-master-1,[2620:52:0:1306::6]
dhcp-host=aa:aa:aa:aa:10:03,ocp-master-2,[2620:52:0:1306::7]
dhcp-host=aa:aa:aa:aa:10:06,ocp-installer,[2620:52:0:1306::8]
dhcp-host=aa:aa:aa:aa:10:07,ocp-bootstrap,[2620:52:0:1306::9]

4.2.3. ベアメタルでのホステッドクラスターの作成

Agent プラットフォームでホステッドクラスターを作成すると、HyperShift は Hosted Control Plane namespace に Agent Cluster API プロバイダーをインストールします。ベアメタルでホステッドクラスターを作成するか、インポートできます。

ホステッドクラスターを作成するときは、次のガイドラインに留意してください。

  • 各ホステッドクラスターに、クラスター全体で一意の名前が必要です。multicluster engine Operator によってホステッドクラスターを管理するには、ホステッドクラスター名を既存のマネージドクラスターと同じにすることはできません。
  • ホステッドクラスター名として clusters を使用しないでください。
  • ホステッドクラスターは、multicluster engine Operator のマネージドクラスターの namespace には作成できません。

手順

  1. 次のコマンドを入力して、Hosted Control Plane namespace を作成します。

    $ oc create ns <hosted_cluster_namespace>-<hosted_cluster_name>

    <hosted_cluster_namespace> を、ホストされたクラスターの namespace 名 (例: clusters) に置き換えます。<hosted_cluster_name> は、ホステッドクラスターの名前に置き換えます。

  2. クラスターにデフォルトのストレージクラスが設定されていることを確認します。そうしないと、保留中の PVC が表示される場合があります。以下のコマンドを実行します。

    $ hcp create cluster agent \
        --name=<hosted_cluster_name> \1
        --pull-secret=<path_to_pull_secret> \2
        --agent-namespace=<hosted_control_plane_namespace> \3
        --base-domain=<basedomain> \4
        --api-server-address=api.<hosted_cluster_name>.<basedomain> \5
        --etcd-storage-class=<etcd_storage_class> \6
        --ssh-key  <path_to_ssh_public_key> \7
        --namespace <hosted_cluster_namespace> \8
        --control-plane-availability-policy HighlyAvailable \9
        --release-image=quay.io/openshift-release-dev/ocp-release:<ocp_release_image> 10
    1
    ホステッドクラスターの名前を指定します (例: example)。
    2
    プルシークレットへのパスを指定します (例: /user/name/pullsecret)。
    3
    Hosted Control Plane namespace を指定します (例: clusters-example)。oc get agent -n <hosted_control_plane_namespace> コマンドを使用して、この namespace でエージェントが使用可能であることを確認します。
    4
    ベースドメインを指定します (例: krnl.es)。
    5
    --api-server-address フラグは、ホステッドクラスター内の Kubernetes API 通信に使用される IP アドレスを定義します。--api-server-address フラグを設定しない場合は、管理クラスターに接続するためにログインする必要があります。
    6
    etcd ストレージクラス名を指定します (例: lvm-storageclass)。
    7
    SSH 公開鍵へのパスを指定します。デフォルトのファイルパスは ~/.ssh/id_rsa.pub です。
    8
    ホストされたクラスターの namespace を指定します。
    9
    コントロールプレーンの可用性ポリシーのデフォルト値は、HighlyAvailable です。
    10
    使用するサポート対象の OpenShift Container Platform バージョンを指定します (例: 4.17.0-multi)。非接続環境を使用している場合は、<ocp_release_image> をダイジェストイメージに置き換えます。OpenShift Container Platform リリースイメージダイジェストを抽出するには、OpenShift Container Platform リリースイメージダイジェストの抽出 を参照してください。
  3. しばらくしてから、次のコマンドを入力して、Hosted Control Plane の Pod が稼働中であることを確認します。

    $ oc -n <hosted_control_plane_namespace> get pods

    出力例

    NAME                                             READY   STATUS    RESTARTS   AGE
    capi-provider-7dcf5fc4c4-nr9sq                   1/1     Running   0          4m32s
    catalog-operator-6cd867cc7-phb2q                 2/2     Running   0          2m50s
    certified-operators-catalog-884c756c4-zdt64      1/1     Running   0          2m51s
    cluster-api-f75d86f8c-56wfz                      1/1     Running   0          4m32s

4.2.3.1. コンソールを使用してベアメタル上にホストされたクラスターを作成する

コンソールを使用してホステッドクラスターを作成するには、次の手順を実行します。

手順

  1. OpenShift Container Platform Web コンソールを開き、管理者の認証情報を入力してログインします。コンソールを開く手順は、Web コンソールへのアクセス を参照してください。
  2. コンソールヘッダーで、All Clusters が選択されていることを確認します。
  3. Infrastructure → Clusters をクリックします。
  4. Create cluster → Host inventory → Hosted control plane をクリックします。

    Create cluster ページが表示されます。

  5. Create cluster ページでプロンプトに従い、クラスター、ノードプール、ネットワーク、および自動化に関する詳細を入力します。

    注記

    クラスターの詳細を入力する際には、次のヒントが役立つ場合があります。

    • 事前定義された値を使用してコンソールのフィールドに自動的に値を入力する場合は、ホストインベントリーの認証情報を作成できます。詳細は、オンプレミス環境の認証情報の作成 を参照してください。
    • Cluster details ページのプルシークレットは、OpenShift Container Platform リソースへのアクセスに使用する OpenShift Container Platform プルシークレットです。ホストインベントリー認証情報を選択した場合は、プルシークレットが自動的に入力されます。
    • Node pools ページでは、namespace にノードプールのホストが含まれます。コンソールを使用してホストインベントリーを作成した場合、コンソールは専用の namespace を作成します。
    • Networking ページで、API サーバー公開ストラテジーを選択します。ホステッドクラスターの API サーバーは、既存のロードバランサーを使用するか、NodePort タイプのサービスとして公開できます。API サーバーに到達できる宛先を指す api.<hosted_cluster_name>.<base_domain> 設定の DNS エントリーが存在する必要があります。このエントリーとして、管理クラスター内のノードの 1 つを指すレコード、または受信トラフィックを Ingress Pod にリダイレクトするロードバランサーを指すレコードを指定できます。
  6. エントリーを確認し、Create をクリックします。

    Hosted cluster ビューが表示されます。

  7. Hosted cluster ビューでホストされたクラスターのデプロイメントを監視します。
  8. ホストされたクラスターに関する情報が表示されない場合は、All Clusters が選択されていることを確認し、クラスター名をクリックします。
  9. コントロールプレーンコンポーネントの準備が整うまで待ちます。このプロセスには数分かかる場合があります。
  10. ノードプールのステータスを表示するには、NodePool セクションまでスクロールします。ノードをインストールするプロセスには約 10 分かかります。Nodes をクリックして、ノードがホストされたクラスターに参加したかどうかを確認することもできます。

次のステップ

4.2.3.2. ミラーレジストリーを使用してベアメタル上にホストされたクラスターを作成する

ミラーレジストリーを使用して、hcp create cluster コマンドで --image-content-sources フラグを指定して、ベアメタル上にホステッドクラスターを作成できます。

手順

  1. YAML ファイルを作成して、イメージコンテンツソースポリシー (ICSP) を定義します。以下の例を参照してください。

    - mirrors:
      - brew.registry.redhat.io
      source: registry.redhat.io
    - mirrors:
      - brew.registry.redhat.io
      source: registry.stage.redhat.io
    - mirrors:
      - brew.registry.redhat.io
      source: registry-proxy.engineering.redhat.com
  2. ファイルを icsp.yaml として保存します。このファイルにはミラーレジストリーが含まれます。
  3. ミラーレジストリーを使用してホステッドクラスターを作成するには、次のコマンドを実行します。

    $ hcp create cluster agent \
        --name=<hosted_cluster_name> \1
        --pull-secret=<path_to_pull_secret> \2
        --agent-namespace=<hosted_control_plane_namespace> \3
        --base-domain=<basedomain> \4
        --api-server-address=api.<hosted_cluster_name>.<basedomain> \5
        --image-content-sources icsp.yaml  \6
        --ssh-key  <path_to_ssh_key> \7
        --namespace <hosted_cluster_namespace> \8
        --release-image=quay.io/openshift-release-dev/ocp-release:<ocp_release_image> 9
    1
    ホステッドクラスターの名前を指定します (例: example)。
    2
    プルシークレットへのパスを指定します (例: /user/name/pullsecret)。
    3
    Hosted Control Plane namespace を指定します (例: clusters-example)。oc get agent -n <hosted-control-plane-namespace> コマンドを使用して、この namespace でエージェントが使用可能であることを確認します。
    4
    ベースドメインを指定します (例: krnl.es)。
    5
    --api-server-address フラグは、ホステッドクラスター内の Kubernetes API 通信に使用される IP アドレスを定義します。--api-server-address フラグを設定しない場合は、管理クラスターに接続するためにログインする必要があります。
    6
    ICSP およびミラーレジストリーを定義する icsp.yaml ファイルを指定します。
    7
    SSH 公開鍵へのパスを指定します。デフォルトのファイルパスは ~/.ssh/id_rsa.pub です。
    8
    ホストされたクラスターの namespace を指定します。
    9
    使用するサポート対象の OpenShift Container Platform バージョンを指定します (例: 4.17.0-multi)。非接続環境を使用している場合は、<ocp_release_image> をダイジェストイメージに置き換えます。OpenShift Container Platform リリースイメージダイジェストを抽出するには、OpenShift Container Platform リリースイメージダイジェストの抽出 を参照してください。

次のステップ

4.2.4. ホステッドクラスター作成の確認

デプロイメントプロセスが完了したら、ホステッドクラスターが正常に作成されたことを確認できます。ホステッドクラスターの作成から数分後に、次の手順に従います。

手順

  1. 次の extract コマンドを入力して、新しいホステッドクラスターの kubeconfig を取得します。

    $ oc extract -n <hosted-control-plane-namespace> secret/admin-kubeconfig --to=- > kubeconfig-<hosted-cluster-name>
  2. kubeconfig を使用して、ホステッドクラスターのクラスター Operator を表示します。以下のコマンドを入力します。

    $ oc get co --kubeconfig=kubeconfig-<hosted-cluster-name>

    出力例

    NAME                                       VERSION   AVAILABLE   PROGRESSING   DEGRADED   SINCE   MESSAGE
    console                                    4.10.26   True        False         False      2m38s
    dns                                        4.10.26   True        False         False      2m52s
    image-registry                             4.10.26   True        False         False      2m8s
    ingress                                    4.10.26   True        False         False      22m

  3. 次のコマンドを入力して、ホストされたクラスター上で実行中の Pod を表示することもできます。

    $ oc get pods -A --kubeconfig=kubeconfig-<hosted-cluster-name>

    出力例

    NAMESPACE                                          NAME                                                      READY   STATUS             RESTARTS        AGE
    kube-system                                        konnectivity-agent-khlqv                                  0/1     Running            0               3m52s
    openshift-cluster-node-tuning-operator             tuned-dhw5p                                               1/1     Running            0               109s
    openshift-cluster-storage-operator                 cluster-storage-operator-5f784969f5-vwzgz                 1/1     Running            1 (113s ago)    20m
    openshift-cluster-storage-operator                 csi-snapshot-controller-6b7687b7d9-7nrfw                  1/1     Running            0               3m8s
    openshift-console                                  console-5cbf6c7969-6gk6z                                  1/1     Running            0               119s
    openshift-console                                  downloads-7bcd756565-6wj5j                                1/1     Running            0               4m3s
    openshift-dns-operator                             dns-operator-77d755cd8c-xjfbn                             2/2     Running            0               21m
    openshift-dns                                      dns-default-kfqnh                                         2/2     Running            0               113s

4.3. OpenShift Virtualization への Hosted Control Plane のデプロイ

Hosted Control Plane と OpenShift Virtualization を使用すると、KubeVirt 仮想マシンによってホストされるワーカーノードを含む OpenShift Container Platform クラスターを作成できます。OpenShift Virtualization 上の Hosted Control Plane には、次のようないくつかの利点があります。

  • Hosted Control Plane とホステッドクラスターを同じ基盤となるベアメタルインフラストラクチャーにまとめることで、リソースの使用率が向上する
  • Hosted Control Plane とホステッドクラスターを分離して強力な分離を実現する
  • ベアメタルノードのブートストラッププロセスを排除することで、クラスターのプロビジョニング時間を短縮する
  • 同じベース OpenShift Container Platform クラスターで多くのリリースを管理する

Hosted Control Plane 機能はデフォルトで有効になっています。

Hosted Control Plane のコマンドラインインターフェイス (hcp) を使用して、OpenShift Container Platform のホストされるクラスターを作成できます。ホステッドクラスターは、マネージドクラスターとして自動的にインポートされます。この自動インポート機能を無効にする場合は、「multicluster engine Operator へのホステッドクラスターの自動インポートの無効化」を参照してください。

4.3.1. OpenShift Virtualization に Hosted Control Plane をデプロイするための要件

OpenShift Virtualization に Hosted Control Plane をデプロイする準備をする際には、次の情報を考慮してください。

  • Hosted Control Plane の同じプラットフォームで、ハブクラスターとワーカーを実行します。
  • 各ホステッドクラスターに、クラスター全体で一意の名前が必要です。multicluster engine Operator によってホステッドクラスターを管理するには、ホステッドクラスター名を既存のマネージドクラスターと同じにすることはできません。
  • ホステッドクラスター名として clusters を使用しないでください。
  • ホステッドクラスターは、multicluster engine Operator のマネージドクラスターの namespace には作成できません。
  • Hosted Control Plane のストレージを設定する場合は、etcd の推奨プラクティスを考慮してください。レイテンシー要件を満たすには、各コントロールプレーンノードで実行されるすべての Hosted Control Plane の etcd インスタンス専用の高速ストレージデバイスを使用します。LVM ストレージを使用して、ホストされた etcd Pod のローカルストレージクラスを設定できます。詳細は、「推奨される etcd プラクティス」および「論理ボリュームマネージャーストレージを使用した永続ストレージ」を参照してください。
4.3.1.1. 前提条件

OpenShift Virtualization 上に OpenShift Container Platform クラスターを作成するには、以下の前提条件を満たす必要があります。

  • KUBECONFIG 環境変数で指定された OpenShift Container Platform クラスター、バージョン 4.14 以降への管理者アクセスを持っている。
  • OpenShift Container Platform 管理クラスターで、次の DNS に示すように、ワイルドカード DNS ルートが有効になっている。

    $ oc patch ingresscontroller -n openshift-ingress-operator default --type=json -p '[{ "op": "add", "path": "/spec/routeAdmission", "value": {wildcardPolicy: "WildcardsAllowed"}}]'
  • OpenShift Container Platform 管理クラスターに、OpenShift Virtualization バージョン 4.14 以降がインストールされている。詳細は、「Web コンソールを使用した OpenShift Virtualization のインストール」を参照してください。
  • OpenShift Container Platform 管理クラスターはオンプレミスのベアメタルである。
  • OpenShift Container Platform 管理クラスターは、デフォルトの Pod ネットワーク CNI として OVNKubernetes で設定されている。
  • OpenShift Container Platform 管理クラスターにはデフォルトのストレージクラスがある。詳細は、「インストール後のストレージ設定」を参照してください。次の例は、デフォルトのストレージクラスを設定する方法を示しています。

    $ oc patch storageclass ocs-storagecluster-ceph-rbd -p '{"metadata": {"annotations":{"storageclass.kubernetes.io/is-default-class":"true"}}}'
  • quay.io/openshift-release-dev リポジトリーの有効なプルシークレットファイルがある。詳細は、「user-provisioned infrastructure を使用して任意の x86_64 プラットフォームに OpenShift をインストールする」を参照してください。
  • Hosted Control Plane コマンドラインインターフェイスがインストール済みである。
  • ロードバランサーを設定した。詳細は、「MetalLB の設定」を参照してください。
  • ネットワークパフォーマンスを最適化するために、KubeVirt 仮想マシンをホストする OpenShift Container Platform クラスターで 9000 以上のネットワーク最大伝送単位 (MTU) を使用している。低い MTU 設定を使用すると、ネットワーク遅延とホストされる Pod のスループットに影響があります。MTU が 9000 以上の場合にのみ、ノードプールでマルチキューを有効にします。
  • multicluster engine Operator には、少なくとも 1 つのマネージド OpenShift Container Platform クラスターがある。local-cluster は自動的にインポートされます。local-cluster の詳細は、multicluster engine Operator ドキュメントの「高度な設定」を参照してください。次のコマンドを実行して、ハブクラスターの状態を確認できます。

    $ oc get managedclusters local-cluster
  • OpenShift Virtualization 仮想マシンをホストする OpenShift Container Platform クラスターで、ライブマイグレーションを有効化できるように ReadWriteMany (RWX) ストレージクラスを使用している。
4.3.1.2. ファイアウォールのポートの要件

管理クラスター、コントロールプレーン、ホステッドクラスター間でポートが通信できるように、ファイアウォールとポートの要件を満たしていることを確認します。

  • kube-apiserver サービスはデフォルトでポート 6443 で実行され、コントロールプレーンコンポーネント間の通信には ingress アクセスが必要です。

    • NodePort 公開ストラテジーを使用する場合は、kube-apiserver サービスに割り当てられたノードポートが公開されていることを確認してください。
    • MetalLB ロードバランシングを使用する場合は、ロードバランサーの IP アドレスに使用される IP 範囲への ingress アクセスを許可します。
  • NodePort 公開ストラテジーを使用する場合は、ignition-server および Oauth-server 設定にファイアウォールルールを使用します。
  • konnectivity エージェントは、ホステッドクラスター上で双方向通信を可能にするリバーストンネルを確立し、ポート 6443 でクラスター API サーバーアドレスへの egress アクセスを必要とします。この egress アクセスを使用すると、エージェントは kube-apiserver サービスにアクセスできます。

    • クラスター API サーバーのアドレスが内部 IP アドレスの場合は、ワークロードサブネットからポート 6443 の IP アドレスへのアクセスを許可します。
    • アドレスが外部 IP アドレスの場合は、ノードからその外部 IP アドレスにポート 6443 で送信できるように許可します。
  • デフォルトのポート 6443 を変更する場合は、その変更を反映するようにルールを調整します。
  • クラスター内で実行されるワークロードに必要なポートがすべて開いていることを確認してください。
  • ファイアウォールルール、セキュリティーグループ、またはその他のアクセス制御を使用して、必要なソースだけにアクセスを制限します。必要な場合を除き、ポートを公開しないでください。
  • 実稼働環境の場合は、ロードバランサーを使用して、単一の IP アドレスによるアクセスを簡素化します。

4.3.2. コンピュートノードのライブマイグレーション

ホステッドクラスターの仮想マシン (仮想マシン) の管理クラスターが更新中またはメンテナンス中に、ホステッドクラスターのワークロードの中断を防止するためにホステッドクラスター仮想マシンを自動的にライブマイグレーションできます。その結果、KubeVirt プラットフォームのホステッドクラスターの可用性と操作に影響を与えることなく、管理クラスターを更新できます。

重要

仮想マシンがルートボリュームと kubevirt-csi CSI プロバイダーにマップされているストレージクラスの両方に ReadWriteMany (RWX) ストレージを使用していれば、KubeVirt 仮想マシンのライブマイグレーションはデフォルトで有効になります。

NodePool オブジェクトの status セクションで KubeVirtNodesLiveMigratable 条件を確認することで、ノードプール内の仮想マシンがライブマイグレーションに対応していることを確認できます。

以下は、RWX ストレージが使用されていないために仮想マシンをライブマイグレーションできない例を示しています。

仮想マシンのライブマイグレーションができない設定例

    - lastTransitionTime: "2024-10-08T15:38:19Z"
      message: |
        3 of 3 machines are not live migratable
        Machine user-np-ngst4-gw2hz: DisksNotLiveMigratable: user-np-ngst4-gw2hz is not a live migratable machine: cannot migrate VMI: PVC user-np-ngst4-gw2hz-rhcos is not shared, live migration requires that all PVCs must be shared (using ReadWriteMany access mode)
        Machine user-np-ngst4-npq7x: DisksNotLiveMigratable: user-np-ngst4-npq7x is not a live migratable machine: cannot migrate VMI: PVC user-np-ngst4-npq7x-rhcos is not shared, live migration requires that all PVCs must be shared (using ReadWriteMany access mode)
        Machine user-np-ngst4-q5nkb: DisksNotLiveMigratable: user-np-ngst4-q5nkb is not a live migratable machine: cannot migrate VMI: PVC user-np-ngst4-q5nkb-rhcos is not shared, live migration requires that all PVCs must be shared (using ReadWriteMany access mode)
      observedGeneration: 1
      reason: DisksNotLiveMigratable
      status: "False"
      type: KubeVirtNodesLiveMigratable

以下は、仮想マシンがライブマイグレーション要件を満たしている例を示しています。

仮想マシンのライブマイグレーションが可能な設定例

    - lastTransitionTime: "2024-10-08T15:38:19Z"
      message: "All is well"
      observedGeneration: 1
      reason: AsExpected
      status: "True"
      type: KubeVirtNodesLiveMigratable

通常の状況ではライブマイグレーションにより仮想マシンの中断を防止できますが、インフラストラクチャーノードの障害などのイベントが発生すると、障害が発生したノードでホストされているすべての仮想マシンが強制的に再起動される可能性があります。ライブマイグレーションを成功させるには、仮想マシンがホストされているソースノードが正しく動作している必要があります。

ノードプール内の仮想マシンのライブマイグレーションができない場合、管理クラスターのメンテナンス中にホステッドクラスターでワークロードの中断が発生する可能性があります。デフォルトでは、Hosted Control Plane コントローラーは、仮想マシンが停止される前に、ライブマイグレーションできない KubeVirt 仮想マシンでホストされているワークロードをドレインしようとします。仮想マシンが停止する前にホステッドクラスターノードをドレインすると、Pod Disruption Budget によってホステッドクラスター内のワークロードの可用性を保護できます。

4.3.3. KubeVirt プラットフォームを使用したホステッドクラスターの作成

OpenShift Container Platform 4.14 以降では、KubeVirt を使用してクラスターを作成でき、外部インフラストラクチャーを使用して作成することも可能です。

4.3.3.1. CLI を使用して KubeVirt プラットフォームでホステッドクラスターを作成する

ホステッドクラスターを作成するには、Hosted Control Plane コマンドラインインターフェイス (hcp) を使用できます。

手順

  1. 以下のコマンドを入力します。

    $ hcp create cluster kubevirt \
      --name <hosted-cluster-name> \ 1
      --node-pool-replicas <worker-count> \ 2
      --pull-secret <path-to-pull-secret> \ 3
      --memory <value-for-memory> \ 4
      --cores <value-for-cpu> \ 5
      --etcd-storage-class=<etcd-storage-class> 6
    1
    ホステッドクラスターの名前を指定します (例: example)。
    2
    ワーカー数を指定します (例: 2)。
    3
    プルシークレットへのパスを指定します (例: /user/name/pullsecret)。
    4
    メモリーの値を指定します (例: 6Gi)。
    5
    CPU の値を指定します (例: 2)。
    6
    etcd ストレージクラス名を指定します (例: lvm-storageclass)。
    注記

    --release-image フラグを使用すると、特定の OpenShift Container Platform リリースを使用してホステッドクラスターを設定できます。

    --node-pool-replicas フラグに従って、2 つの仮想マシンワーカーレプリカを持つクラスターに対してデフォルトのノードプールが作成されます。

  2. しばらくすると、次のコマンドを入力して、ホストされているコントロールプレーン Pod が実行されていることを確認できます。

    $ oc -n clusters-<hosted-cluster-name> get pods

    出力例

    NAME                                                  READY   STATUS    RESTARTS   AGE
    capi-provider-5cc7b74f47-n5gkr                        1/1     Running   0          3m
    catalog-operator-5f799567b7-fd6jw                     2/2     Running   0          69s
    certified-operators-catalog-784b9899f9-mrp6p          1/1     Running   0          66s
    cluster-api-6bbc867966-l4dwl                          1/1     Running   0          66s
    .
    .
    .
    redhat-operators-catalog-9d5fd4d44-z8qqk              1/1     Running   0          66s

    KubeVirt 仮想マシンによってサポートされるワーカーノードを含むホステッドクラスターは、通常、完全にプロビジョニングされるまでに 10 ~ 15 分かかります。

  3. ホステッドクラスターのステータスを確認するには、次のコマンドを入力して、対応する HostedCluster リソースを確認します。

    $ oc get --namespace clusters hostedclusters

    完全にプロビジョニングされた HostedCluster オブジェクトを示す以下の出力例を参照してください。

    NAMESPACE   NAME      VERSION   KUBECONFIG                 PROGRESS    AVAILABLE   PROGRESSING   MESSAGE
    clusters    example   4.x.0     example-admin-kubeconfig   Completed   True        False         The hosted control plane is available

    4.x.0 を、使用するサポートされている OpenShift Container Platform バージョンに置き換えます。

4.3.3.2. 外部インフラストラクチャーを使用して KubeVirt プラットフォームでホステッドクラスターを作成する

デフォルトでは、HyperShift Operator は、ホステッドクラスターのコントロールプレーン Pod と、同じクラスター内の KubeVirt ワーカー VM の両方をホストします。外部インフラストラクチャー機能を使用すると、ワーカーノード VM をコントロールプレーン Pod とは別のクラスターに配置できます。

  • 管理クラスター は HyperShift Operator を実行し、ホステッドクラスターのコントロールプレーン Pod をホストする OpenShift Container Platform クラスターです。
  • インフラストラクチャークラスター は、ホステッドクラスターの KubeVirt ワーカー VM を実行する OpenShift Container Platform クラスターです。
  • デフォルトでは、管理クラスターは VM をホストするインフラストラクチャークラスターとしても機能します。ただし、外部インフラストラクチャーの場合、管理クラスターとインフラストラクチャークラスターは異なります。

前提条件

  • KubeVirt ノードをホストする外部インフラストラクチャークラスター上に namespace が必要です。
  • 外部インフラストラクチャークラスター用の kubeconfig ファイルが必要です。

手順

hcp コマンドラインインターフェイスを使用して、ホステッドクラスターを作成できます。

  • KubeVirt ワーカーの仮想マシンをインフラストラクチャークラスターに配置するには、次の例に示すように、--infra-kubeconfig-file および --infra-namespace 引数を使用します。

    $ hcp create cluster kubevirt \
      --name <hosted-cluster-name> \ 1
      --node-pool-replicas <worker-count> \ 2
      --pull-secret <path-to-pull-secret> \ 3
      --memory <value-for-memory> \ 4
      --cores <value-for-cpu> \ 5
      --infra-namespace=<hosted-cluster-namespace>-<hosted-cluster-name> \ 6
      --infra-kubeconfig-file=<path-to-external-infra-kubeconfig> 7
    1
    ホステッドクラスターの名前を指定します (例: example)。
    2
    ワーカー数を指定します (例: 2)。
    3
    プルシークレットへのパスを指定します (例: /user/name/pullsecret)。
    4
    メモリーの値を指定します (例: 6Gi)。
    5
    CPU の値を指定します (例: 2)。
    6
    インフラストラクチャー namespace を指定します (例: clusters-example)。
    7
    インフラストラクチャークラスターの kubeconfig ファイルへのパスを指定します (例: /user/name/external-infra-kubeconfig)。

    このコマンドを入力すると、コントロールプレーン Pod は HyperShift Operator が実行される管理クラスターでホストされ、KubeVirt VM は別のインフラストラクチャークラスターでホストされます。

4.3.3.3. コンソールを使用したホステッドクラスターの作成

コンソールを使用して KubeVirt プラットフォームでホステッドクラスターを作成するには、次の手順を実行します。

手順

  1. OpenShift Container Platform Web コンソールを開き、管理者の認証情報を入力してログインします。
  2. コンソールヘッダーで、All Clusters が選択されていることを確認します。
  3. Infrastructure > Clusters をクリックします。
  4. Create cluster > Red Hat OpenShift Virtualization > Hosted をクリックします。
  5. Create cluster ページで、プロンプトに従ってクラスターとノードプールの詳細を入力します。

    注記
    • 事前定義された値を使用してコンソールのフィールドに自動的に入力する場合は、OpenShift Virtualization の認証情報を作成します。詳細は、オンプレミス環境の認証情報の作成 を参照してください。
    • Cluster details ページのプルシークレットは、OpenShift Container Platform リソースへのアクセスに使用する OpenShift Container Platform プルシークレットです。OpenShift Virtualization の認証情報を選択した場合、プルシークレットが自動的に入力されます。
  6. エントリーを確認し、Create をクリックします。

    Hosted cluster ビューが表示されます。

  7. Hosted cluster ビューでホストされたクラスターのデプロイメントを監視します。ホストされたクラスターに関する情報が表示されない場合は、All Clusters が選択されていることを確認し、クラスター名をクリックします。
  8. コントロールプレーンコンポーネントの準備が整うまで待ちます。このプロセスには数分かかる場合があります。
  9. ノードプールのステータスを表示するには、NodePool セクションまでスクロールします。ノードをインストールするプロセスには約 10 分かかります。Nodes をクリックして、ノードがホストされたクラスターに参加したかどうかを確認することもできます。

関連情報

4.3.4. OpenShift Virtualization 上の Hosted Control Plane のデフォルトの Ingress と DNS を設定する

すべての OpenShift Container Platform クラスターにはデフォルトのアプリケーション Ingress コントローラーが含まれており、これにはワイルドカード DNS レコードが関連付けられている必要があります。デフォルトでは、HyperShift KubeVirt プロバイダーを使用して作成されたホステッドクラスターは、自動的に KubeVirt 仮想マシンが実行される OpenShift Container Platform クラスターのサブドメインになります。

たとえば、OpenShift Container Platform クラスターには次のデフォルトの Ingress DNS エントリーがある可能性があります。

*.apps.mgmt-cluster.example.com

その結果、guest という名前が付けられ、その基礎となる OpenShift Container Platform クラスター上で実行される KubeVirt ホステッドクラスターには、次のデフォルト Ingress が設定されます。

*.apps.guest.apps.mgmt-cluster.example.com

手順

デフォルトの Ingress DNS が適切に機能するには、KubeVirt 仮想マシンをホストするクラスターでワイルドカード DNS ルートを許可する必要があります。

  • この動作は、以下のコマンドを入力して設定できます。

    $ oc patch ingresscontroller -n openshift-ingress-operator default --type=json -p '[{ "op": "add", "path": "/spec/routeAdmission", "value": {wildcardPolicy: "WildcardsAllowed"}}]'
注記

デフォルトのホステッドクラスターの Ingress を使用する場合、接続がポート 443 経由の HTTPS トラフィックに制限されます。ポート 80 経由のプレーン HTTP トラフィックは拒否されます。この制限は、デフォルトの Ingress の動作にのみ適用されます。

4.3.5. Ingress と DNS の動作のカスタマイズ

デフォルトの Ingress および DNS 動作を使用しない場合は、作成時に一意のベースドメインを使用して KubeVirt ホステッドクラスターを設定できます。このオプションでは、作成時に手動の設定手順が必要であり、クラスターの作成、ロードバランサーの作成、およびワイルドカード DNS 設定の 3 つの主要な手順が含まれます。

4.3.5.1. ベースドメインを指定するホステッドクラスターのデプロイ

ベースドメインを指定するホステッドクラスターを作成するには、次の手順を実行します。

手順

  1. 以下のコマンドを入力します。

    $ hcp create cluster kubevirt \
      --name <hosted_cluster_name> \ 1
      --node-pool-replicas <worker_count> \ 2
      --pull-secret <path_to_pull_secret> \ 3
      --memory <value_for_memory> \ 4
      --cores <value_for_cpu> \ 5
      --base-domain <basedomain> 6
    1
    ホステッドクラスターの名前を指定します。
    2
    ワーカー数を指定します (例: 2)。
    3
    プルシークレットへのパスを指定します (例: /user/name/pullsecret)。
    4
    メモリーの値を指定します (例: 6Gi)。
    5
    CPU の値を指定します (例: 2)。
    6
    ベースドメインを指定します (例: hypershift.lab)。

    その結果、ホストされたクラスターには、クラスター名とベースドメイン用に設定された Ingress ワイルドカード (例: .apps.example.hypershift.lab) が含まれます。ホステッドクラスターは Partial ステータスのままです。一意のベースドメインを持つホステッドクラスターを作成した後、必要な DNS レコードとロードバランサーを設定する必要があるためです。

  2. 次のコマンドを入力して、ホストされたクラスターのステータスを表示します。

    $ oc get --namespace clusters hostedclusters

    出力例

    NAME            VERSION   KUBECONFIG                       PROGRESS   AVAILABLE   PROGRESSING   MESSAGE
    example                   example-admin-kubeconfig         Partial    True        False         The hosted control plane is available

  3. 次のコマンドを入力してクラスターにアクセスします。

    $ hcp create kubeconfig --name <hosted_cluster_name> > <hosted_cluster_name>-kubeconfig
    $ oc --kubeconfig <hosted_cluster_name>-kubeconfig get co

    出力例

    NAME                                       VERSION   AVAILABLE   PROGRESSING   DEGRADED   SINCE   MESSAGE
    console                                    4.x.0     False       False         False      30m     RouteHealthAvailable: failed to GET route (https://console-openshift-console.apps.example.hypershift.lab): Get "https://console-openshift-console.apps.example.hypershift.lab": dial tcp: lookup console-openshift-console.apps.example.hypershift.lab on 172.31.0.10:53: no such host
    ingress                                    4.x.0     True        False         True       28m     The "default" ingress controller reports Degraded=True: DegradedConditions: One or more other status conditions indicate a degraded state: CanaryChecksSucceeding=False (CanaryChecksRepetitiveFailures: Canary route checks for the default ingress controller are failing)

    4.x.0 を、使用するサポートされている OpenShift Container Platform バージョンに置き換えます。

次のステップ

出力のエラーを修正するには、「ロードバランサーのセットアップ」および「ワイルドカード DNS の設定」の手順を完了します。

注記

ホステッドクラスターがベアメタル上にある場合は、ロードバランサーサービスを設定するために MetalLB が必要になる場合があります。詳細は、「MetalLB の設定」を参照してください。

4.3.5.2. ロードバランサーのセットアップ

Ingress トラフィックを KubeVirt 仮想マシンにルーティングし、ロードバランサー IP アドレスにワイルドカード DNS エントリーを割り当てるロードバランサーサービスを設定します。

手順

  1. ホストされたクラスターの Ingress を公開する NodePort サービスがすでに存在します。ノードポートをエクスポートし、それらのポートをターゲットとするロードバランサーサービスを作成できます。

    1. 次のコマンドを入力して、HTTP ノードポートを取得します。

      $ oc --kubeconfig <hosted_cluster_name>-kubeconfig get services -n openshift-ingress router-nodeport-default -o jsonpath='{.spec.ports[?(@.name=="http")].nodePort}'

      次の手順で使用する HTTP ノードポート値をメモします。

    2. 次のコマンドを入力して、HTTPS ノードポートを取得します。

      $ oc --kubeconfig <hosted_cluster_name>-kubeconfig get services -n openshift-ingress router-nodeport-default -o jsonpath='{.spec.ports[?(@.name=="https")].nodePort}'

      次の手順で使用する HTTPS ノードポート値をメモします。

  2. 次のコマンドを入力して、ロードバランサーサービスを作成します。

    oc apply -f -
    apiVersion: v1
    kind: Service
    metadata:
      labels:
        app: <hosted_cluster_name>
      name: <hosted_cluster_name>-apps
      namespace: clusters-<hosted_cluster_name>
    spec:
      ports:
      - name: https-443
        port: 443
        protocol: TCP
        targetPort: <https_node_port> 1
      - name: http-80
        port: 80
        protocol: TCP
        targetPort: <http-node-port> 2
      selector:
        kubevirt.io: virt-launcher
      type: LoadBalancer
    1
    前の手順でメモした HTTPS ノードポート値を指定します。
    2
    前の手順でメモした HTTP ノードポート値を指定します。
4.3.5.3. ワイルドカード DNS の設定

ロードバランサーサービスの外部 IP を参照するワイルドカード DNS レコードまたは CNAME を設定します。

手順

  1. 次のコマンドを入力して外部 IP アドレスを取得します。

    $ oc -n clusters-<hosted_cluster_name> get service <hosted-cluster-name>-apps -o jsonpath='{.status.loadBalancer.ingress[0].ip}'

    出力例

    192.168.20.30

  2. 外部 IP アドレスを参照するワイルドカード DNS エントリーを設定します。次の DNS エントリーの例を表示します。

    *.apps.<hosted_cluster_name\>.<base_domain\>.

    DNS エントリーは、クラスターの内部と外部にルーティングできる必要があります。

    DNS 解決の例

    dig +short test.apps.example.hypershift.lab
    
    192.168.20.30

  3. 次のコマンドを実行して、ホストされたクラスターのステータスが Partial から Completed に移行したことを確認します。

    $ oc get --namespace clusters hostedclusters

    出力例

    NAME            VERSION   KUBECONFIG                       PROGRESS    AVAILABLE   PROGRESSING   MESSAGE
    example         4.x.0     example-admin-kubeconfig         Completed   True        False         The hosted control plane is available

    4.x.0 を、使用するサポートされている OpenShift Container Platform バージョンに置き換えます。

4.3.6. MetalLB の設定

MetalLB を設定する前に、MetalLB Operator をインストールする必要があります。

手順

ホステッドクラスターで MetalLB を設定するには、次の手順を実行します。

  1. 次のサンプル YAML コンテンツを configure-metallb.yaml ファイルに保存して、MetalLB リソースを作成します。

    apiVersion: metallb.io/v1beta1
    kind: MetalLB
    metadata:
      name: metallb
      namespace: metallb-system
  2. 次のコマンドを入力して、YAML コンテンツを適用します。

    $ oc apply -f configure-metallb.yaml

    出力例

    metallb.metallb.io/metallb created

  3. 以下のサンプル YAML コンテンツを create-ip-address-pool.yaml ファイルに保存して、IPAddressPool リソースを作成します。

    apiVersion: metallb.io/v1beta1
    kind: IPAddressPool
    metadata:
      name: metallb
      namespace: metallb-system
    spec:
      addresses:
      - 192.168.216.32-192.168.216.122 1
    1
    ノードネットワーク内で使用可能な IP アドレスの範囲を使用してアドレスプールを作成します。IP アドレス範囲は、ネットワーク内で使用可能な IP アドレスの未使用のプールに置き換えます。
  4. 次のコマンドを入力して、YAML コンテンツを適用します。

    $ oc apply -f create-ip-address-pool.yaml

    出力例

    ipaddresspool.metallb.io/metallb created

  5. 次のサンプル YAML コンテンツを l2advertisement.yaml ファイルに保存して、L2Advertisement リソースを作成します。

    apiVersion: metallb.io/v1beta1
    kind: L2Advertisement
    metadata:
      name: l2advertisement
      namespace: metallb-system
    spec:
      ipAddressPools:
       - metallb
  6. 次のコマンドを入力して、YAML コンテンツを適用します。

    $ oc apply -f l2advertisement.yaml

    出力例

    l2advertisement.metallb.io/metallb created

関連情報

4.3.7. 追加のネットワーク、Guaranteed CPU、およびノードプールの仮想マシンのスケジュールを設定する

ノードプール用に追加のネットワークを設定する必要がある場合、仮想マシン (VM) 用の Guaranteed CPU へのアクセスを要求する場合、または KubeVirt 仮想マシンのスケジュールを管理する必要がある場合は、次の手順を参照してください。

4.3.7.1. ノードプールへの複数のネットワークの追加

デフォルトでは、ノードプールによって生成されたノードは、Pod ネットワークに割り当てられます。Multus および NetworkAttachmentDefinitions を使用すると、追加のネットワークをノードに割り当てることができます。

手順

ノードに複数のネットワークを追加するには、次のコマンドを実行して --additional-network 引数を使用します。

$ hcp create cluster kubevirt \
  --name <hosted_cluster_name> \ 1
  --node-pool-replicas <worker_node_count> \ 2
  --pull-secret <path_to_pull_secret> \ 3
  --memory <memory> \ 4
  --cores <cpu> \ 5
  --additional-network name:<namespace/name> \ 6
  –-additional-network name:<namespace/name>
1
ホステッドクラスターの名前を指定します (例: example)。
2
ワーカーノードの数を指定します (例: 2)
3
プルシークレットへのパスを指定します (例: /user/name/pullsecret)。
4
メモリー値を指定します (例: 8Gi)
5
CPU 値を指定します (例: 2)
6
–additional-network 引数の値を name:<namespace/name> に設定します。<namespace/name> は、NetworkAttachmentDefinition の namespace と名前に置き換えます。
4.3.7.1.1. 追加のネットワークをデフォルトとして使用する

デフォルトの Pod ネットワークを無効にすることで、追加のネットワークをノードのデフォルトネットワークとして追加できます。

手順

  • 追加のネットワークをデフォルトとしてノードに追加するには、次のコマンドを実行します。

    $ hcp create cluster kubevirt \
      --name <hosted_cluster_name> \ 1
      --node-pool-replicas <worker_node_count> \ 2
      --pull-secret <path_to_pull_secret> \ 3
      --memory <memory> \ 4
      --cores <cpu> \ 5
      --attach-default-network false \ 6
      --additional-network name:<namespace>/<network_name> 7
    1
    ホステッドクラスターの名前を指定します (例: example)。
    2
    ワーカーノードの数を指定します (例: 2)
    3
    プルシークレットへのパスを指定します (例: /user/name/pullsecret)。
    4
    メモリー値を指定します (例: 8Gi)
    5
    CPU 値を指定します (例: 2)
    6
    --attach-default-network false 引数は、デフォルトの Pod ネットワークを無効にします。
    7
    ノードに追加する追加のネットワークを指定します (例: name:my-namespace/my-network)。
4.3.7.2. Guaranteed CPU リソースの要求

デフォルトでは、KubeVirt 仮想マシンはノード上の他のワークロードと CPU を共有する場合があります。これにより、仮想マシンのパフォーマンスに影響が出る可能性があります。パフォーマンスへの影響を回避するために、仮想マシン用の Guaranteed CPU へのアクセスを要求できます。

手順

  • 保証された CPU リソースを要求するには、次のコマンドを実行して --qos-class 引数を Guaranteed に設定します。

    $ hcp create cluster kubevirt \
      --name <hosted_cluster_name> \ 1
      --node-pool-replicas <worker_node_count> \ 2
      --pull-secret <path_to_pull_secret> \ 3
      --memory <memory> \ 4
      --cores <cpu> \ 5
      --qos-class Guaranteed 6
    1
    ホステッドクラスターの名前を指定します (例: example)。
    2
    ワーカーノードの数を指定します (例: 2)
    3
    プルシークレットへのパスを指定します (例: /user/name/pullsecret)。
    4
    メモリー値を指定します (例: 8Gi)
    5
    CPU 値を指定します (例: 2)
    6
    --qos-class Guaranteed 引数は、指定された数の CPU リソースが仮想マシンに割り当てられることを保証します。
4.3.7.3. ノードセットに KubeVirt 仮想マシンをスケジュールする

デフォルトでは、ノードプールによって作成された KubeVirt 仮想マシンは、使用可能な任意のノードにスケジュールされます。KubeVirt 仮想マシンは、仮想マシンを実行するのに十分な容量を持つ特定のノードセットにスケジュールすることもできます。

手順

  • 特定のノードセット上のノードプール内で KubeVirt 仮想マシンをスケジュールするには、次のコマンドを実行して -- 仮想マシン -node-selector 引数を使用します。

    $ hcp create cluster kubevirt \
      --name <hosted_cluster_name> \ 1
      --node-pool-replicas <worker_node_count> \ 2
      --pull-secret <path_to_pull_secret> \ 3
      --memory <memory> \ 4
      --cores <cpu> \ 5
      --vm-node-selector <label_key>=<label_value>,<label_key>=<label_value> 6
    1
    ホステッドクラスターの名前を指定します (例: example)。
    2
    ワーカーノードの数を指定します (例: 2)
    3
    プルシークレットへのパスを指定します (例: /user/name/pullsecret)。
    4
    メモリー値を指定します (例: 8Gi)
    5
    CPU 値を指定します (例: 2)
    6
    --vm-node-selector フラグは、キーと値のペアを含む特定のノードセットを定義します。<label_key><label_value> をそれぞれラベルのキーと値に置き換えます。

4.3.8. ノードプールのスケーリング

oc scale コマンドを使用して、ノードプールを手動でスケーリングできます。

手順

  1. 以下のコマンドを実行します。

    NODEPOOL_NAME=${CLUSTER_NAME}-work
    NODEPOOL_REPLICAS=5
    
    $ oc scale nodepool/$NODEPOOL_NAME --namespace clusters --replicas=$NODEPOOL_REPLICAS
  2. しばらくしてから、次のコマンドを入力して、ノードプールのステータスを確認します。

    $ oc --kubeconfig $CLUSTER_NAME-kubeconfig get nodes

    出力例

    NAME                  STATUS   ROLES    AGE     VERSION
    example-9jvnf         Ready    worker   97s     v1.27.4+18eadca
    example-n6prw         Ready    worker   116m    v1.27.4+18eadca
    example-nc6g4         Ready    worker   117m    v1.27.4+18eadca
    example-thp29         Ready    worker   4m17s   v1.27.4+18eadca
    example-twxns         Ready    worker   88s     v1.27.4+18eadca

4.3.8.1. ノードプールの追加

名前、レプリカの数、およびメモリーや CPU 要件などの追加情報を指定して、ホステッドクラスターのノードプールを作成できます。

手順

  1. ノードプールを作成するには、次の情報を入力します。この例では、ノードプールには VM に割り当てられたより多くの CPU があります。

    export NODEPOOL_NAME=${CLUSTER_NAME}-extra-cpu
    export WORKER_COUNT="2"
    export MEM="6Gi"
    export CPU="4"
    export DISK="16"
    
    $ hcp create nodepool kubevirt \
      --cluster-name $CLUSTER_NAME \
      --name $NODEPOOL_NAME \
      --node-count $WORKER_COUNT \
      --memory $MEM \
      --cores $CPU \
      --root-volume-size $DISK
  2. clusters namespace 内の nodepool リソースをリスト表示して、ノードプールのステータスを確認します。

    $ oc get nodepools --namespace clusters

    出力例

    NAME                      CLUSTER         DESIRED NODES   CURRENT NODES   AUTOSCALING   AUTOREPAIR   VERSION   UPDATINGVERSION   UPDATINGCONFIG   MESSAGE
    example                   example         5               5               False         False        4.x.0
    example-extra-cpu         example         2                               False         False                  True              True             Minimum availability requires 2 replicas, current 0 available

    4.x.0 を、使用するサポートされている OpenShift Container Platform バージョンに置き換えます。

  3. しばらくしてから、次のコマンドを入力してノードプールのステータスを確認できます。

    $ oc --kubeconfig $CLUSTER_NAME-kubeconfig get nodes

    出力例

    NAME                      STATUS   ROLES    AGE     VERSION
    example-9jvnf             Ready    worker   97s     v1.27.4+18eadca
    example-n6prw             Ready    worker   116m    v1.27.4+18eadca
    example-nc6g4             Ready    worker   117m    v1.27.4+18eadca
    example-thp29             Ready    worker   4m17s   v1.27.4+18eadca
    example-twxns             Ready    worker   88s     v1.27.4+18eadca
    example-extra-cpu-zh9l5   Ready    worker   2m6s    v1.27.4+18eadca
    example-extra-cpu-zr8mj   Ready    worker   102s    v1.27.4+18eadca

  4. 次のコマンドを入力して、ノードプールが予期したステータスになっていることを確認します。

    $ oc get nodepools --namespace clusters

    出力例

    NAME                      CLUSTER         DESIRED NODES   CURRENT NODES   AUTOSCALING   AUTOREPAIR   VERSION   UPDATINGVERSION   UPDATINGCONFIG   MESSAGE
    example                   example         5               5               False         False        4.x.0
    example-extra-cpu         example         2               2               False         False        4.x.0

    4.x.0 を、使用するサポートされている OpenShift Container Platform バージョンに置き換えます。

関連情報

4.3.9. OpenShift Virtualization でのホステッドクラスターの作成の検証

ホステッドクラスターが正常に作成されたことを確認するには、次の手順を完了します。

手順

  1. 次のコマンドを入力して、HostedCluster リソースが completed 状態に移行したことを確認します。

    $ oc get --namespace clusters hostedclusters <hosted_cluster_name>

    出力例

    NAMESPACE   NAME      VERSION   KUBECONFIG                 PROGRESS    AVAILABLE   PROGRESSING   MESSAGE
    clusters    example   4.12.2    example-admin-kubeconfig   Completed   True        False         The hosted control plane is available

  2. 次のコマンドを入力して、ホステッドクラスター内のすべてのクラスターオペレーターがオンラインであることを確認します。

    $ hcp create kubeconfig --name <hosted_cluster_name> > <hosted_cluster_name>-kubeconfig
    $ oc get co --kubeconfig=<hosted_cluster_name>-kubeconfig

    出力例

    NAME                                       VERSION   AVAILABLE   PROGRESSING   DEGRADED   SINCE   MESSAGE
    console                                    4.12.2   True        False         False      2m38s
    csi-snapshot-controller                    4.12.2   True        False         False      4m3s
    dns                                        4.12.2   True        False         False      2m52s
    image-registry                             4.12.2   True        False         False      2m8s
    ingress                                    4.12.2   True        False         False      22m
    kube-apiserver                             4.12.2   True        False         False      23m
    kube-controller-manager                    4.12.2   True        False         False      23m
    kube-scheduler                             4.12.2   True        False         False      23m
    kube-storage-version-migrator              4.12.2   True        False         False      4m52s
    monitoring                                 4.12.2   True        False         False      69s
    network                                    4.12.2   True        False         False      4m3s
    node-tuning                                4.12.2   True        False         False      2m22s
    openshift-apiserver                        4.12.2   True        False         False      23m
    openshift-controller-manager               4.12.2   True        False         False      23m
    openshift-samples                          4.12.2   True        False         False      2m15s
    operator-lifecycle-manager                 4.12.2   True        False         False      22m
    operator-lifecycle-manager-catalog         4.12.2   True        False         False      23m
    operator-lifecycle-manager-packageserver   4.12.2   True        False         False      23m
    service-ca                                 4.12.2   True        False         False      4m41s
    storage                                    4.12.2   True        False         False      4m43s

4.4. 非ベアメタルエージェントマシンへの Hosted Control Plane のデプロイ

ホスティングクラスターとして機能するようにクラスターを設定することで、Hosted Control Plane をデプロイメントできます。ホスティングクラスターは、コントロールプレーンがホストされる OpenShift Container Platform クラスターです。ホスティングクラスターは管理クラスターとも呼ばれます。

重要

非ベアメタルエージェントマシン上の Hosted Control Plane は、テクノロジープレビュー機能です。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat 製品サポートのサービスレベルアグリーメント (SLA) の対象外であり、機能的に完全ではない場合があります。Red Hat は、実稼働環境でこれらを使用することを推奨していません。テクノロジープレビューの機能は、最新の製品機能をいち早く提供して、開発段階で機能のテストを行いフィードバックを提供していただくことを目的としています。

Red Hat のテクノロジープレビュー機能のサポート範囲に関する詳細は、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。

注記

管理クラスターは、マネージド クラスターとは異なります。マネージドクラスターは、ハブクラスターが管理するクラスターです。

Hosted Control Plane 機能はデフォルトで有効になっています。

multicluster engine Operator は、デフォルトの local-cluster マネージドハブクラスターのみをサポートしています。Red Hat Advanced Cluster Management (RHACM) 2.10 では、local-cluster マネージドハブクラスターをホスティングクラスターとして使用できます。

ホストされたクラスター は、ホスティングクラスターでホストされる API エンドポイントとコントロールプレーンを含む OpenShift Container Platform クラスターです。ホステッドクラスターには、コントロールプレーンとそれに対応するデータプレーンが含まれます。ホステッドクラスターは、multicluster engine Operator コンソールまたは hcp コマンドラインインターフェイス (CLI) を使用して作成できます。

ホステッドクラスターは、マネージドクラスターとして自動的にインポートされます。この自動インポート機能を無効にする場合は、「multicluster engine Operator へのホステッドクラスターの自動インポートの無効化」を参照してください。

4.4.1. 非ベアメタルエージェントマシンへの Hosted Control Plane のデプロイの準備

ベアメタルに Hosted Control Plane をデプロイする準備をする際には、次の情報を考慮してください。

  • エージェントプラットフォームを使用して、エージェントマシンをワーカーノードとしてホステッドクラスターに追加できます。エージェントマシンは、Discovery Image でブートされ、OpenShift Container Platform ノードとしてプロビジョニングされる準備ができているホストを表します。Agent プラットフォームは、Central Infrastructure Management サービスの一部です。詳細は、Central Infrastructure Management サービスの有効化 を参照してください。
  • ベアメタルではないすべてのホストは、Central Infrastructure Management が提供する検出イメージ ISO を使用して手動で起動する必要があります。
  • ノードプールをスケールアップすると、レプリカごとにマシンが作成されます。Cluster API プロバイダーは、マシンごとに、承認済みで、検証に合格し、現在使用されておらず、ノードプール仕様で指定されている要件を満たしているエージェントを検索してインストールします。エージェントのステータスと状態を確認することで、エージェントのインストールを監視できます。
  • ノードプールをスケールダウンすると、エージェントは対応するクラスターからバインド解除されます。Agent を再利用するには、Discovery イメージを使用してエージェントを再起動する必要があります。
  • Hosted Control Plane のストレージを設定する場合は、etcd の推奨プラクティスを考慮してください。レイテンシー要件を満たすには、各コントロールプレーンノードで実行されるすべての Hosted Control Plane の etcd インスタンス専用の高速ストレージデバイスを使用します。LVM ストレージを使用して、ホストされた etcd Pod のローカルストレージクラスを設定できます。詳細は、OpenShift Container Platform ドキュメントの「推奨される etcd プラクティス」および「論理ボリュームマネージャーストレージを使用した永続ストレージ」を参照してください。
4.4.1.1. 非ベアメタルエージェントマシンに Hosted Control Plane をデプロイするための前提条件

非ベアメタルエージェントマシンに Hosted Control Plane をデプロイする前に、次の前提条件を確認する必要があります。

  • OpenShift Container Platform クラスターに multicluster engine for Kubernetes Operator 2.5 がインストールされている必要があります。multicluster engine Operator は、Red Hat Advanced Cluster Management (RHACM) をインストールすると、自動的にインストールされます。multicluster engine Operator は、OpenShift Container Platform OperatorHub から Operator として RHACM なしでインストールすることもできます。
  • multicluster engine Operator のマネージド OpenShift Container Platform クラスターが少なくとも 1 つある。local-cluster マネージドハブクラスターは自動的にインポートされます。local-cluster の詳細は、詳細設定 を参照してください。次のコマンドを実行して、ハブクラスターの状態を確認できます。

    $ oc get managedclusters local-cluster
  • Central Infrastructure Management を有効にした。詳細は、Central Infrastructure Management サービスの有効化 を参照してください。
  • hcp コマンドラインインターフェイスをインストールした。
  • ホステッドクラスターの名前がクラスター全体で一意である。multicluster engine Operator によってホステッドクラスターを管理するには、ホステッドクラスター名を既存のマネージドクラスターと同じにすることはできません。
  • Hosted Control Plane の同じプラットフォームで、ハブクラスターとワーカーを実行している。
4.4.1.2. 非ベアメタルエージェントマシンのファイアウォール、ポート、およびサービスの要件

管理クラスター、コントロールプレーン、ホステッドクラスター間でポートが通信できるように、ファイアウォールとポートの要件を満たす必要があります。

注記

サービスはデフォルトのポートで実行されます。ただし、NodePort 公開ストラテジーを使用する場合、サービスは NodePort サービスによって割り当てられたポートで実行されます。

ファイアウォールルール、セキュリティーグループ、またはその他のアクセス制御を使用して、必要なソースだけにアクセスを制限します。必要な場合を除き、ポートを公開しないでください。実稼働環境の場合は、ロードバランサーを使用して、単一の IP アドレスによるアクセスを簡素化します。

Hosted Control Plane は、非ベアメタルエージェントマシン上で次のサービスを公開します。

  • APIServer

    • APIServer サービスはデフォルトでポート 6443 で実行され、コントロールプレーンコンポーネント間の通信には ingress アクセスが必要です。
    • MetalLB ロードバランシングを使用する場合は、ロードバランサーの IP アドレスに使用される IP 範囲への ingress アクセスを許可します。
  • OAuthServer

    • ルートと Ingress を使用してサービスを公開する場合、OAuthServer サービスはデフォルトでポート 443 で実行されます。
    • NodePort 公開ストラテジーを使用する場合は、OAuthServer サービスにファイアウォールルールを使用します。
  • Konnectivity

    • ルートと Ingress を使用してサービスを公開する場合、Konnectivity サービスはデフォルトでポート 443 で実行されます。
    • Konnectivity エージェントはリバーストンネルを確立し、コントロールプレーンがホストされたクラスターのネットワークにアクセスできるようにします。エージェントは egress を使用して Konnectivity サーバーに接続します。サーバーは、ポート 443 のルートまたは手動で割り当てられた NodePort を使用して公開されます。
    • クラスター API サーバーのアドレスが内部 IP アドレスの場合は、ワークロードサブネットからポート 6443 の IP アドレスへのアクセスを許可します。
    • アドレスが外部 IP アドレスの場合は、ノードからその外部 IP アドレスにポート 6443 で送信できるように許可します。
  • Ignition

    • ルートと Ingress を使用してサービスを公開する場合、Ignition サービスはデフォルトでポート 443 で実行されます。
    • NodePort 公開ストラテジーを使用する場合は、Ignition サービスにファイアウォールルールを使用します。

非ベアメタルエージェントマシンでは、次のサービスは必要ありません。

  • OVNSbDb
  • OIDC
4.4.1.3. 非ベアメタルエージェントマシンのインフラストラクチャー要件

エージェントプラットフォームはインフラストラクチャーを作成しませんが、次のインフラストラクチャー要件があります。

  • Agent: Agent は、Discovery イメージで起動され、OpenShift Container Platform ノードとしてプロビジョニングされる準備ができているホストを表します。
  • DNS: API および Ingress エンドポイントは、ルーティング可能である必要があります。

4.4.2. 非ベアメタルエージェントマシンでの DNS の設定

ホステッドクラスターの API サーバーは、NodePort サービスとして公開されます。API サーバーに到達できる宛先を指す api.<hosted_cluster_name>.<basedomain> の DNS エントリーが存在する必要があります。

DNS エントリーは、Hosted Control Plane を実行しているマネージドクラスター内のノードの 1 つを指すレコードと同様、単純化できます。エントリーは、受信トラフィックを Ingress Pod にリダイレクトするためにデプロイされるロードバランサーを指すこともできます。

  • IPv4 ネットワークで接続環境の DNS を設定する場合は、次の DNS 設定の例を参照してください。

    api-int.example.krnl.es.    IN A 192.168.122.22
    `*`.apps.example.krnl.es.   IN A 192.168.122.23
  • IPv6 ネットワークで非接続環境の DNS を設定する場合は、次の DNS 設定の例を参照してください。

    api-int.example.krnl.es.    IN A 2620:52:0:1306::7
    `*`.apps.example.krnl.es.   IN A 2620:52:0:1306::10
  • デュアルスタックネットワークの非接続環境で DNS を設定する場合は、IPv4 と IPv6 の両方の DNS エントリーを含めるようにしてください。次の DNS 設定の例を参照してください。

    host-record=api-int.hub-dual.dns.base.domain.name,2620:52:0:1306::2
    address=/apps.hub-dual.dns.base.domain.name/2620:52:0:1306::3
    dhcp-host=aa:aa:aa:aa:10:01,ocp-master-0,[2620:52:0:1306::5]

4.4.3. CLI を使用した非ベアメタルエージェントマシンでのホステッドクラスターの作成

エージェントプラットフォームでホステッドクラスターを作成すると、HyperShift Operator が Agent Cluster API プロバイダーを Hosted Control Plane の namespace にインストールします。ベアメタルでホステッドクラスターを作成するか、インポートできます。

ホステッドクラスターを作成するときは、次のガイドラインを確認してください。

  • 各ホステッドクラスターに、クラスター全体で一意の名前が必要です。multicluster engine Operator によってホステッドクラスターを管理するには、ホステッドクラスター名を既存のマネージドクラスターと同じにすることはできません。
  • ホステッドクラスター名として clusters を使用しないでください。
  • ホステッドクラスターは、multicluster engine Operator のマネージドクラスターの namespace には作成できません。

手順

  1. 次のコマンドを入力して、Hosted Control Plane namespace を作成します。

    $ oc create ns <hosted_cluster_namespace>-<hosted_cluster_name> 1
    1
    <hosted_cluster_namespace> を、ホストされたクラスターの namespace 名 (例: clusters) に置き換えます。<hosted_cluster_name> は、ホステッドクラスターの名前に置き換えます。
  2. 次のコマンドを入力して、ホステッドクラスターを作成します。

    $ hcp create cluster agent \
      --name=<hosted_cluster_name> \1
      --pull-secret=<path_to_pull_secret> \2
      --agent-namespace=<hosted_control_plane_namespace> \3
      --base-domain=<basedomain> \4
      --api-server-address=api.<hosted_cluster_name>.<basedomain> \5
      --etcd-storage-class=<etcd_storage_class> \6
      --ssh-key  <path_to_ssh_key> \7
      --namespace <hosted_cluster_namespace> \8
      --control-plane-availability-policy HighlyAvailable \9
      --release-image=quay.io/openshift-release-dev/ocp-release:<ocp_release> 10
    1
    ホステッドクラスターの名前を指定します (例: example)。
    2
    プルシークレットへのパスを指定します (例: /user/name/pullsecret)。
    3
    Hosted Control Plane namespace を指定します (例: clusters-example)。oc get agent -n <hosted-control-plane-namespace> コマンドを使用して、この namespace でエージェントが使用可能であることを確認します。
    4
    ベースドメインを指定します (例: krnl.es)。
    5
    --api-server-address フラグは、ホステッドクラスター内の Kubernetes API 通信に使用される IP アドレスを定義します。--api-server-address フラグを設定しない場合は、管理クラスターに接続するためにログインする必要があります。
    6
    クラスターにデフォルトのストレージクラスが設定されていることを確認します。設定されていない場合は、PVC が保留になる可能性があります。etcd ストレージクラス名を指定します (例: lvm-storageclass)。
    7
    SSH 公開鍵へのパスを指定します。デフォルトのファイルパスは ~/.ssh/id_rsa.pub です。
    8
    ホストされたクラスターの namespace を指定します。
    9
    コントロールプレーンの可用性ポリシーのデフォルト値は、HighlyAvailable です。
    10
    使用するサポート対象の OpenShift Container Platform バージョンを指定します (例: 4.17.0-multi)。

検証

  • しばらくしてから、次のコマンドを入力して、Hosted Control Plane の Pod が稼働中であることを確認します。

    $ oc -n <hosted_control_plane_namespace> get pods

    出力例

    NAME                                             READY   STATUS    RESTARTS   AGE
    catalog-operator-6cd867cc7-phb2q                 2/2     Running   0          2m50s
    control-plane-operator-f6b4c8465-4k5dh           1/1     Running   0          4m32s

4.4.3.1. Web コンソールを使用した非ベアメタルエージェントマシンでのホステッドクラスターの作成

OpenShift Container Platform Web コンソールを使用して、非ベアメタルエージェントマシン上にホステッドクラスターを作成できます。

前提条件

  • cluster-admin 権限でクラスターにアクセスできる。
  • OpenShift Container Platform Web コンソールにアクセスできる。

手順

  1. OpenShift Container Platform Web コンソールを開き、管理者の認証情報を入力してログインします。
  2. コンソールのヘッダーで、All Clusters を選択します。
  3. Infrastructure → Clusters をクリックします。
  4. Create cluster Host inventory → Hosted control plane をクリックします。

    Create cluster ページが表示されます。

  5. Create cluster ページでプロンプトに従い、クラスター、ノードプール、ネットワーク、および自動化に関する詳細を入力します。

クラスターの詳細を入力する際には、次のヒントが役立つ場合があります。

  • 事前定義された値を使用してコンソールのフィールドに自動的に値を入力する場合は、ホストインベントリーの認証情報を作成できます。詳細は、オンプレミス環境の認証情報の作成 を参照してください。
  • Cluster details ページのプルシークレットは、OpenShift Container Platform リソースへのアクセスに使用する OpenShift Container Platform プルシークレットです。ホストインベントリー認証情報を選択した場合は、プルシークレットが自動的に入力されます。
  • Node pools ページでは、namespace にノードプールのホストが含まれます。コンソールを使用してホストインベントリーを作成した場合、コンソールは専用の namespace を作成します。
  • Networking ページで、API サーバー公開ストラテジーを選択します。ホステッドクラスターの API サーバーは、既存のロードバランサーを使用するか、NodePort タイプのサービスとして公開できます。API サーバーに到達できる宛先を指す api.<hosted_cluster_name>.<basedomain> 設定の DNS エントリーが存在する必要があります。このエントリーとして、管理クラスター内のノードの 1 つを指すレコード、または受信トラフィックを Ingress Pod にリダイレクトするロードバランサーを指すレコードを指定できます。

    1. エントリーを確認し、Create をクリックします。

    Hosted cluster ビューが表示されます。

    1. Hosted cluster ビューでホストされたクラスターのデプロイメントを監視します。ホストされたクラスターに関する情報が表示されない場合は、All Clusters が選択されていることを確認し、クラスター名をクリックします。コントロールプレーンコンポーネントの準備が整うまで待ちます。このプロセスには数分かかる場合があります。
    2. ノードプールのステータスを表示するには、NodePool セクションまでスクロールします。ノードをインストールするプロセスには約 10 分かかります。Nodes をクリックして、ノードがホストされたクラスターに参加したかどうかを確認することもできます。

次のステップ

4.4.3.2. ミラーレジストリーを使用してベアメタル上にホストされたクラスターを作成する

ミラーレジストリーを使用して、hcp create cluster コマンドで --image-content-sources フラグを指定して、ベアメタル上にホステッドクラスターを作成できます。

手順

  1. YAML ファイルを作成して、イメージコンテンツソースポリシー (ICSP) を定義します。以下の例を参照してください。

    - mirrors:
      - brew.registry.redhat.io
      source: registry.redhat.io
    - mirrors:
      - brew.registry.redhat.io
      source: registry.stage.redhat.io
    - mirrors:
      - brew.registry.redhat.io
      source: registry-proxy.engineering.redhat.com
  2. ファイルを icsp.yaml として保存します。このファイルにはミラーレジストリーが含まれます。
  3. ミラーレジストリーを使用してホステッドクラスターを作成するには、次のコマンドを実行します。

    $ hcp create cluster agent \
        --name=<hosted_cluster_name> \1
        --pull-secret=<path_to_pull_secret> \2
        --agent-namespace=<hosted_control_plane_namespace> \3
        --base-domain=<basedomain> \4
        --api-server-address=api.<hosted_cluster_name>.<basedomain> \5
        --image-content-sources icsp.yaml  \6
        --ssh-key  <path_to_ssh_key> \7
        --namespace <hosted_cluster_namespace> \8
        --release-image=quay.io/openshift-release-dev/ocp-release:<ocp_release_image> 9
    1
    ホステッドクラスターの名前を指定します (例: example)。
    2
    プルシークレットへのパスを指定します (例: /user/name/pullsecret)。
    3
    Hosted Control Plane namespace を指定します (例: clusters-example)。oc get agent -n <hosted-control-plane-namespace> コマンドを使用して、この namespace でエージェントが使用可能であることを確認します。
    4
    ベースドメインを指定します (例: krnl.es)。
    5
    --api-server-address フラグは、ホステッドクラスター内の Kubernetes API 通信に使用される IP アドレスを定義します。--api-server-address フラグを設定しない場合は、管理クラスターに接続するためにログインする必要があります。
    6
    ICSP およびミラーレジストリーを定義する icsp.yaml ファイルを指定します。
    7
    SSH 公開鍵へのパスを指定します。デフォルトのファイルパスは ~/.ssh/id_rsa.pub です。
    8
    ホストされたクラスターの namespace を指定します。
    9
    使用するサポート対象の OpenShift Container Platform バージョンを指定します (例: 4.17.0-multi)。非接続環境を使用している場合は、<ocp_release_image> をダイジェストイメージに置き換えます。OpenShift Container Platform リリースイメージダイジェストを抽出するには、OpenShift Container Platform リリースイメージダイジェストの抽出 を参照してください。

次のステップ

4.4.4. 非ベアメタルエージェントマシンでのホステッドクラスターの作成を検証する

デプロイメントプロセスが完了したら、ホステッドクラスターが正常に作成されたことを確認できます。ホステッドクラスターの作成から数分後に、次の手順に従います。

手順

  1. 次のコマンドを入力して、新しいホステッドクラスターの kubeconfig ファイルを取得します。

    $ oc extract -n <hosted_cluster_namespace> secret/<hosted_cluster_name>-admin-kubeconfig --to=- > kubeconfig-<hosted_cluster_name>
  2. kubeconfig ファイルを使用して、ホステッドクラスターのクラスター Operator を表示します。以下のコマンドを入力します。

    $ oc get co --kubeconfig=kubeconfig-<hosted_cluster_name>

    出力例

    NAME                                       VERSION   AVAILABLE   PROGRESSING   DEGRADED   SINCE   MESSAGE
    console                                    4.10.26   True        False         False      2m38s
    csi-snapshot-controller                    4.10.26   True        False         False      4m3s
    dns                                        4.10.26   True        False         False      2m52s

  3. 次のコマンドを入力して、ホステッドクラスター上で実行中の Pod を表示します。

    $ oc get pods -A --kubeconfig=kubeconfig-<hosted_cluster_name>

    出力例

    NAMESPACE                                          NAME                                                      READY   STATUS             RESTARTS        AGE
    kube-system                                        konnectivity-agent-khlqv                                  0/1     Running            0               3m52s
    openshift-cluster-samples-operator                 cluster-samples-operator-6b5bcb9dff-kpnbc                 2/2     Running            0               20m
    openshift-monitoring                               alertmanager-main-0                                       6/6     Running            0               100s
    openshift-monitoring                               openshift-state-metrics-677b9fb74f-qqp6g                  3/3     Running            0               104s

4.5. IBM Z への Hosted Control Plane のデプロイ

クラスターを管理クラスターとして機能するように設定することで、Hosted Control Plane をデプロイできます。管理クラスターは、コントロールプレーンがホストされる OpenShift Container Platform クラスターです。管理クラスターは ホスティング クラスターとも呼ばれます。

注記

管理 クラスターは マネージド クラスターではありません。マネージドクラスターは、ハブクラスターが管理するクラスターです。

hypershift アドオンを使用してマネージドクラスターに HyperShift Operator をデプロイすることにより、そのマネージドクラスターを管理クラスターに変換できます。その後、ホステッドクラスターの作成を開始できます。

multicluster engine Operator は、マネージドのハブクラスターであるデフォルトの local-cluster と、管理クラスターとしてのハブクラスターのみをサポートしています。

エージェントプラットフォームを使用して、Hosted Control Plane をベアメタルでプロビジョニングできます。Agent プラットフォームは、Central Infrastructure Management サービスを使用して、ホステッドクラスターにワーカーノードを追加します。詳細は、「Central Infrastructure Management サービスの有効化」を参照してください。

各 IBM Z システムホストは、Central Infrastructure Management によって提供される PXE イメージを使用して起動する必要があります。各ホストが起動すると、エージェントプロセスが実行されてホストの詳細が検出され、インストールが完了します。Agent カスタムリソースは、各ホストを表します。

Agent プラットフォームでホステッドクラスターを作成すると、HyperShift Operator は Hosted Control Plane namespace に Agent Cluster API プロバイダーをインストールします。

4.5.1. IBM Z で Hosted Control Plane を設定するための前提条件

  • multicluster engine for Kubernetes Operator version 2.5 以降を OpenShift Container Platform クラスターにインストールする必要があります。multicluster engine Operator は、OpenShift Container Platform OperatorHub から Operator としてインストールできます。
  • multicluster engine Operator には、少なくとも 1 つのマネージド OpenShift Container Platform クラスターが必要です。multicluster engine Operator バージョン 2.5 以降では、local-cluster が自動的にインポートされます。local-cluster の詳細は、Red Hat Advanced Cluster Management ドキュメントの 詳細設定 を参照してください。次のコマンドを実行して、ハブクラスターの状態を確認できます。

    $ oc get managedclusters local-cluster
  • HyperShift Operator を実行するために 3 つ以上のワーカーノードを含むホスティングクラスターがある。
  • Central Infrastructure Management サービスが有効である。詳細は、Central Infrastructure Management サービスの有効化 を参照してください。
  • Hosted Control Plane コマンドラインインターフェイスをインストールする必要があります。詳細は、Hosted Control Plane コマンドラインインターフェイスのインストール を参照してください。

4.5.2. IBM Z のインフラストラクチャー要件

エージェントプラットフォームはインフラストラクチャーを作成しませんが、インフラストラクチャー用の次のリソースを必要とします。

  • Agents: Agent は Discovery イメージまたは PXE イメージで起動され、OpenShift Container Platform ノードとしてプロビジョニングする準備ができているホストを表します。
  • DNS: API および Ingress エンドポイントは、ルーティング可能である必要があります。

Hosted Control Plane 機能はデフォルトで有効になっています。この機能を以前に無効にしていて手動で有効にする場合、またはこの機能を無効にする必要がある場合は、Hosted Control Plane 機能の有効化または無効化 を参照してください。

4.5.3. IBM Z での Hosted Control Plane の DNS 設定

ホステッドクラスターの API サーバーは、NodePort サービスとして公開されます。API サーバーに到達できる宛先を指す api.<hosted_cluster_name>.<base_domain> の DNS エントリーが存在する必要があります。

DNS エントリーは、Hosted Control Plane を実行しているマネージドクラスター内のノードの 1 つを指すレコードと同様、単純化できます。

エントリーは、受信トラフィックを Ingress Pod にリダイレクトするためにデプロイされるロードバランサーを指すこともできます。

次の DNS 設定の例を参照してください。

$ cat /var/named/<example.krnl.es.zone>

出力例

$ TTL 900
@ IN  SOA bastion.example.krnl.es.com. hostmaster.example.krnl.es.com. (
      2019062002
      1D 1H 1W 3H )
  IN NS bastion.example.krnl.es.com.
;
;
api                   IN A 1xx.2x.2xx.1xx 1
api-int               IN A 1xx.2x.2xx.1xx
;
;
*.apps        IN A 1xx.2x.2xx.1xx
;
;EOF

1
このレコードは、Hosted Control Plane の受信トラフィックと送信トラフィックを処理する API ロードバランサーの IP アドレスを参照します。

IBM z/VM の場合、エージェントの IP アドレスに対応する IP アドレスを追加します。

compute-0              IN A 1xx.2x.2xx.1yy
compute-1              IN A 1xx.2x.2xx.1yy

4.5.4. ベアメタルでのホステッドクラスターの作成

Agent プラットフォームでホステッドクラスターを作成すると、HyperShift は Hosted Control Plane namespace に Agent Cluster API プロバイダーをインストールします。ベアメタルでホステッドクラスターを作成するか、インポートできます。

ホステッドクラスターを作成するときは、次のガイドラインに留意してください。

  • 各ホステッドクラスターに、クラスター全体で一意の名前が必要です。multicluster engine Operator によってホステッドクラスターを管理するには、ホステッドクラスター名を既存のマネージドクラスターと同じにすることはできません。
  • ホステッドクラスター名として clusters を使用しないでください。
  • ホステッドクラスターは、multicluster engine Operator のマネージドクラスターの namespace には作成できません。

手順

  1. 次のコマンドを入力して、Hosted Control Plane namespace を作成します。

    $ oc create ns <hosted_cluster_namespace>-<hosted_cluster_name>

    <hosted_cluster_namespace> を、ホストされたクラスターの namespace 名 (例: clusters) に置き換えます。<hosted_cluster_name> は、ホステッドクラスターの名前に置き換えます。

  2. クラスターにデフォルトのストレージクラスが設定されていることを確認します。そうしないと、保留中の PVC が表示される場合があります。以下のコマンドを実行します。

    $ hcp create cluster agent \
        --name=<hosted_cluster_name> \1
        --pull-secret=<path_to_pull_secret> \2
        --agent-namespace=<hosted_control_plane_namespace> \3
        --base-domain=<basedomain> \4
        --api-server-address=api.<hosted_cluster_name>.<basedomain> \5
        --etcd-storage-class=<etcd_storage_class> \6
        --ssh-key  <path_to_ssh_public_key> \7
        --namespace <hosted_cluster_namespace> \8
        --control-plane-availability-policy HighlyAvailable \9
        --release-image=quay.io/openshift-release-dev/ocp-release:<ocp_release_image> 10
    1
    ホステッドクラスターの名前を指定します (例: example)。
    2
    プルシークレットへのパスを指定します (例: /user/name/pullsecret)。
    3
    Hosted Control Plane namespace を指定します (例: clusters-example)。oc get agent -n <hosted_control_plane_namespace> コマンドを使用して、この namespace でエージェントが使用可能であることを確認します。
    4
    ベースドメインを指定します (例: krnl.es)。
    5
    --api-server-address フラグは、ホステッドクラスター内の Kubernetes API 通信に使用される IP アドレスを定義します。--api-server-address フラグを設定しない場合は、管理クラスターに接続するためにログインする必要があります。
    6
    etcd ストレージクラス名を指定します (例: lvm-storageclass)。
    7
    SSH 公開鍵へのパスを指定します。デフォルトのファイルパスは ~/.ssh/id_rsa.pub です。
    8
    ホストされたクラスターの namespace を指定します。
    9
    コントロールプレーンの可用性ポリシーのデフォルト値は、HighlyAvailable です。
    10
    使用するサポート対象の OpenShift Container Platform バージョンを指定します (例: 4.17.0-multi)。非接続環境を使用している場合は、<ocp_release_image> をダイジェストイメージに置き換えます。OpenShift Container Platform リリースイメージダイジェストを抽出するには、OpenShift Container Platform リリースイメージダイジェストの抽出 を参照してください。
  3. しばらくしてから、次のコマンドを入力して、Hosted Control Plane の Pod が稼働中であることを確認します。

    $ oc -n <hosted_control_plane_namespace> get pods

    出力例

    NAME                                             READY   STATUS    RESTARTS   AGE
    capi-provider-7dcf5fc4c4-nr9sq                   1/1     Running   0          4m32s
    catalog-operator-6cd867cc7-phb2q                 2/2     Running   0          2m50s
    certified-operators-catalog-884c756c4-zdt64      1/1     Running   0          2m51s
    cluster-api-f75d86f8c-56wfz                      1/1     Running   0          4m32s

4.5.5. IBM Z 上の Hosted Control Plane 用の InfraEnv リソースを作成する

InfraEnv は、PXE イメージを使用して起動されるホストがエージェントとして参加できる環境です。この場合、エージェントは Hosted Control Plane と同じ namespace に作成されます。

手順

  1. 設定を含む YAML ファイルを作成します。以下の例を参照してください。

    apiVersion: agent-install.openshift.io/v1beta1
    kind: InfraEnv
    metadata:
      name: <hosted_cluster_name>
      namespace: <hosted_control_plane_namespace>
    spec:
      cpuArchitecture: s390x
      pullSecretRef:
        name: pull-secret
      sshAuthorizedKey: <ssh_public_key>
  2. ファイルを infraenv-config.yaml として保存します。
  3. 次のコマンドを入力して設定を適用します。

    $ oc apply -f infraenv-config.yaml
  4. initrd.imgkernel.img、または rootfs.img などの PXE イメージをダウンロードする URL を取得するには、次のコマンドを入力します。このイメージは、IBM Z マシンがエージェントとして参加できるようにします。

    $ oc -n <hosted_control_plane_namespace> get InfraEnv <hosted_cluster_name> -o json

4.5.6. InfraEnv リソースへの IBM Z エージェントの追加

Hosted Control Plane にコンピュートノードをアタッチするには、ノードプールのスケーリングに役立つエージェントを作成します。IBM Z 環境にエージェントを追加するには、追加の手順が必要です。これは、このセクションで詳しく説明します。

特に明記されていない限り、以下の手順は IBM Z および IBM LinuxONE 上の z/VM と RHEL KVM の両方のインストールに適用されます。

4.5.6.1. IBM Z KVM をエージェントとして追加する

KVM を使用する IBM Z の場合は、次のコマンドを実行して、InfraEnv リソースからダウンロードした PXE イメージを使用して IBM Z 環境を開始します。エージェントが作成されると、ホストは Assisted Service と通信し、管理クラスター上の InfraEnv リソースと同じ namespace に登録します。

手順

  1. 以下のコマンドを実行します。

    virt-install \
       --name "<vm_name>" \ 1
       --autostart \
       --ram=16384 \
       --cpu host \
       --vcpus=4 \
       --location "<path_to_kernel_initrd_image>,kernel=kernel.img,initrd=initrd.img" \ 2
       --disk <qcow_image_path> \ 3
       --network network:macvtap-net,mac=<mac_address> \ 4
       --graphics none \
       --noautoconsole \
       --wait=-1
       --extra-args "rd.neednet=1 nameserver=<nameserver>   coreos.live.rootfs_url=http://<http_server>/rootfs.img random.trust_cpu=on rd.luks.options=discard ignition.firstboot ignition.platform.id=metal console=tty1 console=ttyS1,115200n8 coreos.inst.persistent-kargs=console=tty1 console=ttyS1,115200n8" 5
    1
    仮想マシンの名前を指定します。
    2
    kernel_initrd_image ファイルの場所を指定します。
    3
    ディスクイメージのパスを指定します。
    4
    Mac アドレスを指定します。
    5
    エージェントのサーバー名を指定します。
  2. ISO ブートの場合は、InfraEnv リソースから ISO をダウンロードし、次のコマンドを実行してノードを起動します。

    virt-install \
      --name "<vm_name>" \ 1
      --autostart \
      --memory=16384 \
      --cpu host \
      --vcpus=4 \
      --network network:macvtap-net,mac=<mac_address> \ 2
      --cdrom "<path_to_image.iso>" \ 3
      --disk <qcow_image_path> \
      --graphics none \
      --noautoconsole \
      --os-variant <os_version> \ 4
      --wait=-1
    1
    仮想マシンの名前を指定します。
    2
    Mac アドレスを指定します。
    3
    image.iso ファイルの場所を指定します。
    4
    使用しているオペレーティングシステムのバージョンを指定します。
4.5.6.2. IBM Z LPAR をエージェントとして追加する

IBM Z または IBM LinuxONE 上の論理パーティション (LPAR) をコンピュートノードとして Hosted Control Plane に追加できます。

手順

  1. エージェントのブートパラメーターファイルを作成します。

    パラメーターファイルの例

    rd.neednet=1 cio_ignore=all,!condev \
    console=ttysclp0 \
    ignition.firstboot ignition.platform.id=metal
    coreos.live.rootfs_url=http://<http_server>/rhcos-<version>-live-rootfs.<architecture>.img \1
    coreos.inst.persistent-kargs=console=ttysclp0
    ip=<ip>::<gateway>:<netmask>:<hostname>::none nameserver=<dns> \2
    rd.znet=qeth,<network_adaptor_range>,layer2=1
    rd.<disk_type>=<adapter> \3
    zfcp.allow_lun_scan=0
    ai.ip_cfg_override=1 \4
    random.trust_cpu=on rd.luks.options=discard

    1
    coreos.live.rootfs_url アーティファクトには、起動する kernelinitramfs に合った rootfs アーティファクトを指定します。HTTP プロトコルおよび HTTPS プロトコルのみがサポートされます。
    2
    ip パラメーターは、z/VM を使用したクラスターの IBM Z および IBM IBM® LinuxONE へのインストール の説明に従って、IP アドレスを手動で割り当てます。
    3
    DASD タイプのディスクにインストールする場合は、rd.dasd を使用して、Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) をインストールする DASD を指定します。FCP タイプのディスクにインストールする場合は、rd.zfcp=<adapter>,<wwpn>,<lun> を使用して、RHCOS がインストールされる FCP ディスクを指定します。
    4
    Open Systems Adapter (OSA) または HiperSockets を使用する場合は、このパラメーターを指定します。
  2. InfraEnv リソースから .ins ファイルと initrd.img.addrsize ファイルをダウンロードします。

    デフォルトでは、.ins ファイルと initrd.img.addrsize ファイルの URL は、InfraEnv リソースにはありません。これらのアーティファクトを取得するには、URL を編集する必要があります。

    1. 次のコマンドを実行して、カーネル URL エンドポイントを更新し、ins-file を含めます。

      $ curl -k -L -o generic.ins "< url for ins-file >"

      URL の例

      https://…/boot-artifacts/ins-file?arch=s390x&version=4.17.0

    2. initrd URL エンドポイントを更新し、s390x-initrd-addrsize を含めます。

      URL の例

      https://…./s390x-initrd-addrsize?api_key=<api-key>&arch=s390x&version=4.17.0

  3. initrdkernelgeneric.ins、および initrd.img.addrsize パラメーターファイルをファイルサーバーに転送します。FTP を使用してファイルを転送し、ブートする方法の詳細は、「LPAR へのインストール」を参照してください。
  4. マシンを起動します。
  5. クラスター内の他のマシンすべてに対してこの手順を繰り返します。
4.5.6.3. IBM z/VM をエージェントとして追加する

z/VM ゲストに静的 IP を使用する場合は、IP パラメーターが 2 回目の起動でも持続するように、z/VM エージェントの NMStateConfig 属性を設定する必要があります。

InfraEnv リソースからダウンロードした PXE イメージを使用して IBM Z 環境を開始するには、以下の手順を実行します。エージェントが作成されると、ホストは Assisted Service と通信し、管理クラスター上の InfraEnv リソースと同じ namespace に登録します。

手順

  1. パラメーターファイルを更新して、rootfs_urlnetwork_adaptor、および disk_type の値を追加します。

    パラメーターファイルの例

    rd.neednet=1 cio_ignore=all,!condev \
    console=ttysclp0  \
    ignition.firstboot ignition.platform.id=metal \
    coreos.live.rootfs_url=http://<http_server>/rhcos-<version>-live-rootfs.<architecture>.img \1
    coreos.inst.persistent-kargs=console=ttysclp0
    ip=<ip>::<gateway>:<netmask>:<hostname>::none nameserver=<dns> \2
    rd.znet=qeth,<network_adaptor_range>,layer2=1
    rd.<disk_type>=<adapter> \3
    zfcp.allow_lun_scan=0
    ai.ip_cfg_override=1 \4

    1
    coreos.live.rootfs_url アーティファクトには、起動する kernelinitramfs に合った rootfs アーティファクトを指定します。HTTP プロトコルおよび HTTPS プロトコルのみがサポートされます。
    2
    ip パラメーターは、z/VM を使用したクラスターの IBM Z および IBM IBM® LinuxONE へのインストール の説明に従って、IP アドレスを手動で割り当てます。
    3
    DASD タイプのディスクにインストールする場合は、rd.dasd を使用して、Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) をインストールする DASD を指定します。FCP タイプのディスクにインストールする場合は、rd.zfcp=<adapter>,<wwpn>,<lun> を使用して、RHCOS がインストールされる FCP ディスクを指定します。
    4
    Open Systems Adapter (OSA) または HiperSockets を使用する場合は、このパラメーターを指定します。
  2. 次のコマンドを実行して、initrd、カーネルイメージ、およびパラメーターファイルをゲスト VM に移動します。

    vmur pun -r -u -N kernel.img $INSTALLERKERNELLOCATION/<image name>
    vmur pun -r -u -N generic.parm $PARMFILELOCATION/paramfilename
    vmur pun -r -u -N initrd.img $INSTALLERINITRAMFSLOCATION/<image name>
  3. ゲスト VM コンソールから次のコマンドを実行します。

    cp ipl c
  4. エージェントとそのプロパティーをリスト表示するには、次のコマンドを入力します。

    $ oc -n <hosted_control_plane_namespace> get agents

    出力例

    NAME    CLUSTER APPROVED    ROLE    STAGE
    50c23cda-cedc-9bbd-bcf1-9b3a5c75804d    auto-assign
    5e498cd3-542c-e54f-0c58-ed43e28b568a    auto-assign

  5. 次のコマンドを実行してエージェントを承認します。

    $ oc -n <hosted_control_plane_namespace> patch agent \
      50c23cda-cedc-9bbd-bcf1-9b3a5c75804d -p \
      '{"spec":{"installation_disk_id":"/dev/sda","approved":true,"hostname":"worker-zvm-0.hostedn.example.com"}}' \1
      --type merge
    1
    必要に応じて、仕様でエージェント ID <installation_disk_id><hostname> を設定できます。
  6. 次のコマンドを実行して、エージェントが承認されていることを確認します。

    $ oc -n <hosted_control_plane_namespace> get agents

    出力例

    NAME                                            CLUSTER     APPROVED   ROLE          STAGE
    50c23cda-cedc-9bbd-bcf1-9b3a5c75804d             true       auto-assign
    5e498cd3-542c-e54f-0c58-ed43e28b568a             true       auto-assign

4.5.7. IBM Z 上のホステッドクラスターの NodePool オブジェクトのスケーリング

NodePool オブジェクトは、ホステッドクラスターの作成時に作成されます。NodePool オブジェクトをスケーリングすることで、Hosted Control Plane にさらに多くのコンピュートノードを追加できます。

ノードプールをスケールアップすると、マシンが作成されます。Cluster API プロバイダーは、承認され、検証に合格し、現在使用されておらず、ノードプールの仕様で指定されている要件を満たすエージェントを見つけます。エージェントのステータスと状態を確認することで、エージェントのインストールを監視できます。

ノードプールをスケールダウンすると、エージェントは対応するクラスターからバインド解除されます。クラスターを再利用する前に、PXE イメージを使用してクラスターを起動し、ノード数を更新する必要があります。

手順

  1. 次のコマンドを実行して、NodePool オブジェクトを 2 つのノードにスケーリングします。

    $ oc -n <clusters_namespace> scale nodepool <nodepool_name> --replicas 2

    Cluster API エージェントプロバイダーは、ホステッドクラスターに割り当てられる 2 つのエージェントをランダムに選択します。これらのエージェントはさまざまな状態を経て、最終的に OpenShift Container Platform ノードとしてホステッドクラスターに参加します。エージェントは次の順序で移行フェーズを通過します。

    • binding
    • discovering
    • insufficient
    • installing
    • installing-in-progress
    • added-to-existing-cluster
  2. 次のコマンドを実行して、スケールされた特定のエージェントのステータスを確認します。

    $ oc -n <hosted_control_plane_namespace> get agent -o \
      jsonpath='{range .items[*]}BMH: {@.metadata.labels.agent-install\.openshift\.io/bmh} \
      Agent: {@.metadata.name} State: {@.status.debugInfo.state}{"\n"}{end}'

    出力例

    BMH: Agent: 50c23cda-cedc-9bbd-bcf1-9b3a5c75804d State: known-unbound
    BMH: Agent: 5e498cd3-542c-e54f-0c58-ed43e28b568a State: insufficient

  3. 次のコマンドを実行して、移行フェーズを表示します。

    $ oc -n <hosted_control_plane_namespace> get agent

    出力例

    NAME                                   CLUSTER           APPROVED       ROLE        STAGE
    50c23cda-cedc-9bbd-bcf1-9b3a5c75804d   hosted-forwarder   true          auto-assign
    5e498cd3-542c-e54f-0c58-ed43e28b568a                      true          auto-assign
    da503cf1-a347-44f2-875c-4960ddb04091   hosted-forwarder   true          auto-assign

  4. 次のコマンドを実行して、ホステッドクラスターにアクセスするための kubeconfig ファイルを生成します。

    $ hcp create kubeconfig --namespace <clusters_namespace> --name <hosted_cluster_namespace> > <hosted_cluster_name>.kubeconfig
  5. エージェントが added-to-existing-cluster 状態に達したら、次のコマンドを入力して、OpenShift Container Platform ノードが表示されることを確認します。

    $ oc --kubeconfig <hosted_cluster_name>.kubeconfig get nodes

    出力例

    NAME                             STATUS   ROLES    AGE      VERSION
    worker-zvm-0.hostedn.example.com Ready    worker   5m41s    v1.24.0+3882f8f
    worker-zvm-1.hostedn.example.com Ready    worker   6m3s     v1.24.0+3882f8f

    Cluster Operator は、ワークロードをノードに追加することによって調整を開始します。

  6. 次のコマンドを入力して、NodePool オブジェクトをスケールアップしたときに 2 台のマシンが作成されたことを確認します。

    $ oc -n <hosted_control_plane_namespace> get machine.cluster.x-k8s.io

    出力例

    NAME                                CLUSTER  NODENAME PROVIDERID     PHASE     AGE   VERSION
    hosted-forwarder-79558597ff-5tbqp   hosted-forwarder-crqq5   worker-zvm-0.hostedn.example.com   agent://50c23cda-cedc-9bbd-bcf1-9b3a5c75804d   Running   41h   4.15.0
    hosted-forwarder-79558597ff-lfjfk   hosted-forwarder-crqq5   worker-zvm-1.hostedn.example.com   agent://5e498cd3-542c-e54f-0c58-ed43e28b568a   Running   41h   4.15.0

  7. 次のコマンドを実行して、クラスターのバージョンを確認します。

    $ oc --kubeconfig <hosted_cluster_name>.kubeconfig get clusterversion,co

    出力例

    NAME                                         VERSION       AVAILABLE   PROGRESSING   SINCE   STATUS
    clusterversion.config.openshift.io/version   4.15.0-ec.2   True        False         40h     Cluster version is 4.15.0-ec.2

  8. 以下のコマンドを実行して、クラスター Operator のステータスを確認します。

    $ oc --kubeconfig <hosted_cluster_name>.kubeconfig get clusteroperators

クラスターの各コンポーネントの出力には、NAMEVERSIONAVAILABLEPROGRESSINGDEGRADEDSINCE、および MESSAGE のクラスター Operator のステータスが表示されます。

出力例は、Operator の初期設定 参照してください。

4.6. IBM Power への Hosted Control Plane のデプロイ

ホスティングクラスターとして機能するようにクラスターを設定することで、Hosted Control Plane をデプロイメントできます。ホスティングクラスターは、コントロールプレーンがホストされる OpenShift Container Platform クラスターです。ホスティングクラスターは 管理 クラスターとも呼ばれます。

注記

管理 クラスターは マネージド クラスターではありません。マネージドクラスターは、ハブクラスターが管理するクラスターです。

multicluster engine Operator は、管理対象のハブクラスターであるデフォルトの local-cluster と、ホスティングクラスターとしてのハブクラスターのみをサポートします。

エージェントプラットフォームを使用して、Hosted Control Plane をベアメタルでプロビジョニングできます。Agent プラットフォームは、Central Infrastructure Management サービスを使用して、ホステッドクラスターにワーカーノードを追加します。詳細は、「Central Infrastructure Management サービスの有効化」を参照してください。

各 IBM Power ホストは、Central Infrastructure Management が提供する Discovery Image を使用して起動する必要があります。各ホストが起動すると、エージェントプロセスが実行されてホストの詳細が検出され、インストールが完了します。Agent カスタムリソースは、各ホストを表します。

Agent プラットフォームでホステッドクラスターを作成すると、HyperShift は Hosted Control Plane namespace に Agent Cluster API プロバイダーをインストールします。

4.6.1. IBM Power で Hosted Control Plane を設定するための前提条件

  • OpenShift Container Platform クラスターにインストールされた multicluster engine for Kubernetes Operator 2.7 以降。multicluster engine Operator は、Red Hat Advanced Cluster Management (RHACM) をインストールすると、自動的にインストールされます。multicluster engine Operator は、OpenShift Container Platform OperatorHub から Operator として RHACM なしでインストールすることもできます。
  • multicluster engine Operator には、少なくとも 1 つのマネージド OpenShift Container Platform クラスターが必要です。multicluster engine Operator バージョン 2.7 以降では、local-cluster マネージドハブクラスターが自動的にインポートされます。local-cluster の詳細は、RHACM ドキュメントの 詳細設定 を参照してください。次のコマンドを実行して、ハブクラスターの状態を確認できます。

    $ oc get managedclusters local-cluster
  • HyperShift Operator を実行するには、3 つ以上のワーカーノードを含むホスティングクラスターが必要です。
  • Central Infrastructure Management サービスが有効である。詳細は、「Central Infrastructure Management サービスの有効化」を参照してください。
  • Hosted Control Plane のコマンドラインインターフェイスをインストールする必要があります。詳細は、「Hosted Control Plane のコマンドラインインターフェイスのインストール」を参照してください。

Hosted Control Plane 機能はデフォルトで有効になっています。この機能を以前に無効にしていて、手動で有効にする場合は、「Hosted Control Plane 機能の手動での有効化」を参照してください。機能を無効にする必要がある場合は、「Hosted Control Plane 機能の無効化」を参照してください。

4.6.2. IBM Power のインフラストラクチャー要件

エージェントプラットフォームはインフラストラクチャーを作成しませんが、インフラストラクチャー用の次のリソースを必要とします。

  • Agent: Agent は、Discovery イメージで起動され、OpenShift Container Platform ノードとしてプロビジョニングされる準備ができているホストを表します。
  • DNS: API および Ingress エンドポイントは、ルーティング可能である必要があります。

4.6.3. IBM Power での Hosted Control Plane の DNS 設定

ホステッドクラスターの API サーバーが公開されます。API サーバーに到達できる宛先を指す api.<hosted-cluster-name>.<base-domain> エントリーの DNS エントリーが存在する必要があります。

DNS エントリーは、Hosted Control Plane を実行しているマネージドクラスター内のノードの 1 つを指すレコードと同様、単純化できます。

エントリーは、受信トラフィックを Ingress Pod にリダイレクトするためにデプロイされるロードバランサーを指すこともできます。

次の DNS 設定の例を参照してください。

$ cat /var/named/<example.krnl.es.zone>

出力例

$ TTL 900
@ IN  SOA bastion.example.krnl.es.com. hostmaster.example.krnl.es.com. (
      2019062002
      1D 1H 1W 3H )
  IN NS bastion.example.krnl.es.com.
;
;
api                   IN A 1xx.2x.2xx.1xx 1
api-int               IN A 1xx.2x.2xx.1xx
;
;
*.apps.<hosted-cluster-name>.<basedomain>           IN A 1xx.2x.2xx.1xx
;
;EOF

1
このレコードは、Hosted Control Plane の受信トラフィックと送信トラフィックを処理する API ロードバランサーの IP アドレスを参照します。

IBM Power の場合、エージェントの IP アドレスに対応する IP アドレスを追加します。

設定例

compute-0              IN A 1xx.2x.2xx.1yy
compute-1              IN A 1xx.2x.2xx.1yy

4.6.4. ベアメタルでのホステッドクラスターの作成

Agent プラットフォームでホステッドクラスターを作成すると、HyperShift は Hosted Control Plane namespace に Agent Cluster API プロバイダーをインストールします。ベアメタルでホステッドクラスターを作成するか、インポートできます。

ホステッドクラスターを作成するときは、次のガイドラインに留意してください。

  • 各ホステッドクラスターに、クラスター全体で一意の名前が必要です。multicluster engine Operator によってホステッドクラスターを管理するには、ホステッドクラスター名を既存のマネージドクラスターと同じにすることはできません。
  • ホステッドクラスター名として clusters を使用しないでください。
  • ホステッドクラスターは、multicluster engine Operator のマネージドクラスターの namespace には作成できません。

手順

  1. 次のコマンドを入力して、Hosted Control Plane namespace を作成します。

    $ oc create ns <hosted_cluster_namespace>-<hosted_cluster_name>

    <hosted_cluster_namespace> を、ホストされたクラスターの namespace 名 (例: clusters) に置き換えます。<hosted_cluster_name> は、ホステッドクラスターの名前に置き換えます。

  2. クラスターにデフォルトのストレージクラスが設定されていることを確認します。そうしないと、保留中の PVC が表示される場合があります。以下のコマンドを実行します。

    $ hcp create cluster agent \
        --name=<hosted_cluster_name> \1
        --pull-secret=<path_to_pull_secret> \2
        --agent-namespace=<hosted_control_plane_namespace> \3
        --base-domain=<basedomain> \4
        --api-server-address=api.<hosted_cluster_name>.<basedomain> \5
        --etcd-storage-class=<etcd_storage_class> \6
        --ssh-key  <path_to_ssh_public_key> \7
        --namespace <hosted_cluster_namespace> \8
        --control-plane-availability-policy HighlyAvailable \9
        --release-image=quay.io/openshift-release-dev/ocp-release:<ocp_release_image> 10
    1
    ホステッドクラスターの名前を指定します (例: example)。
    2
    プルシークレットへのパスを指定します (例: /user/name/pullsecret)。
    3
    Hosted Control Plane namespace を指定します (例: clusters-example)。oc get agent -n <hosted_control_plane_namespace> コマンドを使用して、この namespace でエージェントが使用可能であることを確認します。
    4
    ベースドメインを指定します (例: krnl.es)。
    5
    --api-server-address フラグは、ホステッドクラスター内の Kubernetes API 通信に使用される IP アドレスを定義します。--api-server-address フラグを設定しない場合は、管理クラスターに接続するためにログインする必要があります。
    6
    etcd ストレージクラス名を指定します (例: lvm-storageclass)。
    7
    SSH 公開鍵へのパスを指定します。デフォルトのファイルパスは ~/.ssh/id_rsa.pub です。
    8
    ホストされたクラスターの namespace を指定します。
    9
    コントロールプレーンの可用性ポリシーのデフォルト値は、HighlyAvailable です。
    10
    使用するサポート対象の OpenShift Container Platform バージョンを指定します (例: 4.17.0-multi)。非接続環境を使用している場合は、<ocp_release_image> をダイジェストイメージに置き換えます。OpenShift Container Platform リリースイメージダイジェストを抽出するには、OpenShift Container Platform リリースイメージダイジェストの抽出 を参照してください。
  3. しばらくしてから、次のコマンドを入力して、Hosted Control Plane の Pod が稼働中であることを確認します。

    $ oc -n <hosted_control_plane_namespace> get pods

    出力例

    NAME                                             READY   STATUS    RESTARTS   AGE
    capi-provider-7dcf5fc4c4-nr9sq                   1/1     Running   0          4m32s
    catalog-operator-6cd867cc7-phb2q                 2/2     Running   0          2m50s
    certified-operators-catalog-884c756c4-zdt64      1/1     Running   0          2m51s
    cluster-api-f75d86f8c-56wfz                      1/1     Running   0          4m32s

第5章 Hosted Control Plane の管理

5.1. AWS での Hosted Control Plane の管理

Amazon Web Services (AWS) 上の OpenShift Container Platform に Hosted Control Plane を使用する場合、セットアップに応じてインフラストラクチャーの要件が異なります。

5.1.1. AWS インフラストラクチャーと IAM 権限を管理するための前提条件

Amazon Web Services (AWS) 上の OpenShift Container Platform の Hosted Control Plane を設定するには、次のインフラストラクチャー要件を満たす必要があります。

  • ホステッドクラスターを作成する前に、Hosted Control Plane を設定した。
  • AWS Identity and Access Management (IAM) ロールと AWS Security Token Service (STS) 認証情報を作成した。
5.1.1.1. AWS のインフラストラクチャー要件

Amazon Web Services (AWS) で Hosted Control Plane を使用する場合、インフラストラクチャー要件は次のカテゴリーに当てはまります。

  • 任意の AWS アカウント内の、HyperShift Operator 用の事前に必要な管理対象外インフラストラクチャー
  • ホステッドクラスターの AWS アカウント内の事前に必要な管理対象外インフラストラクチャー
  • 管理 AWS アカウント内の Hosted Control Plane によって管理されるインフラストラクチャー
  • ホステッドクラスターの AWS アカウント内の Hosted Control Plane によって管理されるインフラストラクチャー
  • ホステッドクラスターの AWS アカウント内の Kubernetes によって管理されるインフラストラクチャー

事前に必要とは、Hosted Control Plane を適切に動作させるために AWS インフラストラクチャーが必要であることを意味します。管理対象外とは、Operator やコントローラーによってインフラストラクチャーが作成されないことを意味します。

5.1.1.2. AWS アカウント内の HyperShift Operator 用の管理対象外インフラストラクチャー

任意の Amazon Web Services (AWS) アカウントは、Hosted Control Plane サービスのプロバイダーによって異なります。

セルフマネージドの Hosted Control Plane では、クラスターサービスプロバイダーが AWS アカウントを制御します。クラスターサービスプロバイダーは、クラスターコントロールプレーンをホストし、稼働時間について責任を負う管理者です。マネージドの Hosted Control Plane では、AWS アカウントは Red Hat に属します。

HyperShift Operator 用の事前に必要な管理対象外のインフラストラクチャーでは、管理クラスター AWS アカウントに次のインフラストラクチャー要件が適用されます。

  • 1 つの S3 バケット

    • OpenID Connect (OIDC)
  • ルート 53 のホステッドゾーン

    • ホステッドクラスターのプライベートおよびパブリックエントリーをホストするドメイン
5.1.1.3. 管理 AWS アカウントの管理対象外インフラストラクチャーの要件

インフラストラクチャーが事前に必要であり、ホステッドクラスターの AWS アカウントで管理されていない場合、すべてのアクセスモードのインフラストラクチャー要件は次のとおりです。

  • 1 つの VPC
  • 1 つの DHCP オプション
  • 2 つのサブネット

    • 内部データプレーンサブネットであるプライベートサブネット
    • データプレーンからインターネットへのアクセスを可能にするパブリックサブネット
  • 1 つのインターネットゲートウェイ
  • 1 つの Elastic IP
  • 1 つの NAT ゲートウェイ
  • 1 つのセキュリティーグループ (ワーカーノード)
  • 2 つのルートテーブル (1 つはプライベート、もう 1 つはパブリック)
  • 2 つの Route 53 のホステッドゾーン
  • 次の項目に対する十分なクォータ:

    • パブリックホステッドクラスター用の 1 つの Ingress サービスロードバランサー
    • プライベートホステッドクラスター用の 1 つのプライベートリンクエンドポイント
注記

プライベートリンクネットワークが機能するには、ホステッドクラスターの AWS アカウントのエンドポイントゾーンが、管理クラスターの AWS アカウントのサービスエンドポイントによって解決されるインスタンスのゾーンと同じである必要があります。AWS では、ゾーン名は us-east-2b などのエイリアスであり、必ずしも異なるアカウントの同じゾーンにマップされるわけではありません。そのため、プライベートリンクが機能するには、管理クラスターのリージョンのすべてのゾーンにサブネットまたはワーカーが必要です。

5.1.1.4. 管理 AWS アカウントのインフラストラクチャーの要件

インフラストラクチャーが管理 AWS アカウントの Hosted Control Plane によって管理されている場合、インフラストラクチャーの要件は、クラスターがパブリック、プライベート、またはその組み合わせであるかによって異なります。

パブリッククラスターを使用するアカウントの場合、インフラストラクチャー要件は次のとおりです。

  • ネットワークロードバランサー: ロードバランサー Kube API サーバー

    • Kubernetes がセキュリティーグループを作成する
  • ボリューム

    • etcd 用 (高可用性に応じて 1 つまたは 3 つ)
    • OVN-Kube 用

プライベートクラスターを使用するアカウントの場合、インフラストラクチャー要件は次のとおりです。

  • ネットワークロードバランサー: ロードバランサーのプライベートルーター
  • エンドポイントサービス (プライベートリンク)

パブリッククラスターとプライベートクラスターを持つアカウントの場合、インフラストラクチャー要件は次のとおりです。

  • ネットワークロードバランサー: ロードバランサーのパブリックルーター
  • ネットワークロードバランサー: ロードバランサーのプライベートルーター
  • エンドポイントサービス (プライベートリンク)
  • ボリューム

    • etcd 用 (高可用性に応じて 1 つまたは 3 つ)
    • OVN-Kube 用
5.1.1.5. ホステッドクラスターの AWS アカウントのインフラストラクチャー要件

インフラストラクチャーがホステッドクラスターの Amazon Web Services (AWS) アカウントの Hosted Control Plane によって管理されている場合、インフラストラクチャーの要件は、クラスターがパブリック、プライベート、またはその組み合わせであるかによって異なります。

パブリッククラスターを使用するアカウントの場合、インフラストラクチャー要件は次のとおりです。

  • ノードプールには、RoleRolePolicy が定義された EC2 インスタンスが必要です。

プライベートクラスターを使用するアカウントの場合、インフラストラクチャー要件は次のとおりです。

  • アベイラビリティーゾーンごとに 1 つのプライベートリンクエンドポイント
  • ノードプールの EC2 インスタンス

パブリッククラスターとプライベートクラスターを持つアカウントの場合、インフラストラクチャー要件は次のとおりです。

  • アベイラビリティーゾーンごとに 1 つのプライベートリンクエンドポイント
  • ノードプールの EC2 インスタンス
5.1.1.6. ホステッドクラスターの AWS アカウント内の Kubernetes によって管理されるインフラストラクチャー

ホステッドクラスターの Amazon Web Services (AWS) アカウント内のインフラストラクチャーを Kubernetes によって管理する場合、インフラストラクチャーの要件は次のとおりです。

  • デフォルトの Ingress 用のネットワークロードバランサー
  • レジストリー用の S3 バケット

5.1.2. Identity and Access Management (IAM) 権限

Hosted Control Plane のコンテキストでは、コンシューマーが Amazon Resource Name (ARN) ロールを作成する役割を果たします。コンシューマー は、権限ファイルを生成するための自動プロセスです。コンシューマーは CLI または OpenShift Cluster Manager である場合があります。Hosted Control Plane では、最小権限コンポーネントの原則を遵守するための詳細な設定が可能です。そのため、すべてのコンポーネントが独自のロールを使用して Amazon Web Services (AWS) オブジェクトを操作または作成します。ロールは、製品が正常に機能するために必要なものに制限されます。

ホステッドクラスターは ARN ロールを入力として受け取り、コンシューマーは各コンポーネントの AWS 権限設定を作成します。その結果、コンポーネントは STS および事前設定された OIDC IDP を通じて認証できるようになります。

次のロールは、コントロールプレーン上で実行され、データプレーン上で動作する、Hosted Control Plane の一部のコンポーネントによって消費されます。

  • controlPlaneOperatorARN
  • imageRegistryARN
  • ingressARN
  • kubeCloudControllerARN
  • nodePoolManagementARN
  • storageARN
  • networkARN

次の例は、ホステッドクラスターからの IAM ロールへの参照を示しています。

...
endpointAccess: Public
  region: us-east-2
  resourceTags:
  - key: kubernetes.io/cluster/example-cluster-bz4j5
    value: owned
rolesRef:
    controlPlaneOperatorARN: arn:aws:iam::820196288204:role/example-cluster-bz4j5-control-plane-operator
    imageRegistryARN: arn:aws:iam::820196288204:role/example-cluster-bz4j5-openshift-image-registry
    ingressARN: arn:aws:iam::820196288204:role/example-cluster-bz4j5-openshift-ingress
    kubeCloudControllerARN: arn:aws:iam::820196288204:role/example-cluster-bz4j5-cloud-controller
    networkARN: arn:aws:iam::820196288204:role/example-cluster-bz4j5-cloud-network-config-controller
    nodePoolManagementARN: arn:aws:iam::820196288204:role/example-cluster-bz4j5-node-pool
    storageARN: arn:aws:iam::820196288204:role/example-cluster-bz4j5-aws-ebs-csi-driver-controller
type: AWS
...

Hosted Control Plane が使用するロールを次の例に示します。

  • ingressARN

    {
        "Version": "2012-10-17",
        "Statement": [
            {
                "Effect": "Allow",
                "Action": [
                    "elasticloadbalancing:DescribeLoadBalancers",
                    "tag:GetResources",
                    "route53:ListHostedZones"
                ],
                "Resource": "\*"
            },
            {
                "Effect": "Allow",
                "Action": [
                    "route53:ChangeResourceRecordSets"
                ],
                "Resource": [
                    "arn:aws:route53:::PUBLIC_ZONE_ID",
                    "arn:aws:route53:::PRIVATE_ZONE_ID"
                ]
            }
        ]
    }
  • imageRegistryARN

    {
        "Version": "2012-10-17",
        "Statement": [
            {
                "Effect": "Allow",
                "Action": [
                    "s3:CreateBucket",
                    "s3:DeleteBucket",
                    "s3:PutBucketTagging",
                    "s3:GetBucketTagging",
                    "s3:PutBucketPublicAccessBlock",
                    "s3:GetBucketPublicAccessBlock",
                    "s3:PutEncryptionConfiguration",
                    "s3:GetEncryptionConfiguration",
                    "s3:PutLifecycleConfiguration",
                    "s3:GetLifecycleConfiguration",
                    "s3:GetBucketLocation",
                    "s3:ListBucket",
                    "s3:GetObject",
                    "s3:PutObject",
                    "s3:DeleteObject",
                    "s3:ListBucketMultipartUploads",
                    "s3:AbortMultipartUpload",
                    "s3:ListMultipartUploadParts"
                ],
                "Resource": "\*"
            }
        ]
    }
  • storageARN

    {
        "Version": "2012-10-17",
        "Statement": [
            {
                "Effect": "Allow",
                "Action": [
                    "ec2:AttachVolume",
                    "ec2:CreateSnapshot",
                    "ec2:CreateTags",
                    "ec2:CreateVolume",
                    "ec2:DeleteSnapshot",
                    "ec2:DeleteTags",
                    "ec2:DeleteVolume",
                    "ec2:DescribeInstances",
                    "ec2:DescribeSnapshots",
                    "ec2:DescribeTags",
                    "ec2:DescribeVolumes",
                    "ec2:DescribeVolumesModifications",
                    "ec2:DetachVolume",
                    "ec2:ModifyVolume"
                ],
                "Resource": "\*"
            }
        ]
    }
  • networkARN

    {
        "Version": "2012-10-17",
        "Statement": [
            {
                "Effect": "Allow",
                "Action": [
                    "ec2:DescribeInstances",
                    "ec2:DescribeInstanceStatus",
                    "ec2:DescribeInstanceTypes",
                    "ec2:UnassignPrivateIpAddresses",
                    "ec2:AssignPrivateIpAddresses",
                    "ec2:UnassignIpv6Addresses",
                    "ec2:AssignIpv6Addresses",
                    "ec2:DescribeSubnets",
                    "ec2:DescribeNetworkInterfaces"
                ],
                "Resource": "\*"
            }
        ]
    }
  • kubeCloudControllerARN

    {
        "Version": "2012-10-17",
        "Statement": [
            {
                "Action": [
                    "ec2:DescribeInstances",
                    "ec2:DescribeImages",
                    "ec2:DescribeRegions",
                    "ec2:DescribeRouteTables",
                    "ec2:DescribeSecurityGroups",
                    "ec2:DescribeSubnets",
                    "ec2:DescribeVolumes",
                    "ec2:CreateSecurityGroup",
                    "ec2:CreateTags",
                    "ec2:CreateVolume",
                    "ec2:ModifyInstanceAttribute",
                    "ec2:ModifyVolume",
                    "ec2:AttachVolume",
                    "ec2:AuthorizeSecurityGroupIngress",
                    "ec2:CreateRoute",
                    "ec2:DeleteRoute",
                    "ec2:DeleteSecurityGroup",
                    "ec2:DeleteVolume",
                    "ec2:DetachVolume",
                    "ec2:RevokeSecurityGroupIngress",
                    "ec2:DescribeVpcs",
                    "elasticloadbalancing:AddTags",
                    "elasticloadbalancing:AttachLoadBalancerToSubnets",
                    "elasticloadbalancing:ApplySecurityGroupsToLoadBalancer",
                    "elasticloadbalancing:CreateLoadBalancer",
                    "elasticloadbalancing:CreateLoadBalancerPolicy",
                    "elasticloadbalancing:CreateLoadBalancerListeners",
                    "elasticloadbalancing:ConfigureHealthCheck",
                    "elasticloadbalancing:DeleteLoadBalancer",
                    "elasticloadbalancing:DeleteLoadBalancerListeners",
                    "elasticloadbalancing:DescribeLoadBalancers",
                    "elasticloadbalancing:DescribeLoadBalancerAttributes",
                    "elasticloadbalancing:DetachLoadBalancerFromSubnets",
                    "elasticloadbalancing:DeregisterInstancesFromLoadBalancer",
                    "elasticloadbalancing:ModifyLoadBalancerAttributes",
                    "elasticloadbalancing:RegisterInstancesWithLoadBalancer",
                    "elasticloadbalancing:SetLoadBalancerPoliciesForBackendServer",
                    "elasticloadbalancing:AddTags",
                    "elasticloadbalancing:CreateListener",
                    "elasticloadbalancing:CreateTargetGroup",
                    "elasticloadbalancing:DeleteListener",
                    "elasticloadbalancing:DeleteTargetGroup",
                    "elasticloadbalancing:DescribeListeners",
                    "elasticloadbalancing:DescribeLoadBalancerPolicies",
                    "elasticloadbalancing:DescribeTargetGroups",
                    "elasticloadbalancing:DescribeTargetHealth",
                    "elasticloadbalancing:ModifyListener",
                    "elasticloadbalancing:ModifyTargetGroup",
                    "elasticloadbalancing:RegisterTargets",
                    "elasticloadbalancing:SetLoadBalancerPoliciesOfListener",
                    "iam:CreateServiceLinkedRole",
                    "kms:DescribeKey"
                ],
                "Resource": [
                    "\*"
                ],
                "Effect": "Allow"
            }
        ]
    }
  • nodePoolManagementARN

    {
        "Version": "2012-10-17",
        "Statement": [
            {
                "Action": [
                    "ec2:AllocateAddress",
                    "ec2:AssociateRouteTable",
                    "ec2:AttachInternetGateway",
                    "ec2:AuthorizeSecurityGroupIngress",
                    "ec2:CreateInternetGateway",
                    "ec2:CreateNatGateway",
                    "ec2:CreateRoute",
                    "ec2:CreateRouteTable",
                    "ec2:CreateSecurityGroup",
                    "ec2:CreateSubnet",
                    "ec2:CreateTags",
                    "ec2:DeleteInternetGateway",
                    "ec2:DeleteNatGateway",
                    "ec2:DeleteRouteTable",
                    "ec2:DeleteSecurityGroup",
                    "ec2:DeleteSubnet",
                    "ec2:DeleteTags",
                    "ec2:DescribeAccountAttributes",
                    "ec2:DescribeAddresses",
                    "ec2:DescribeAvailabilityZones",
                    "ec2:DescribeImages",
                    "ec2:DescribeInstances",
                    "ec2:DescribeInternetGateways",
                    "ec2:DescribeNatGateways",
                    "ec2:DescribeNetworkInterfaces",
                    "ec2:DescribeNetworkInterfaceAttribute",
                    "ec2:DescribeRouteTables",
                    "ec2:DescribeSecurityGroups",
                    "ec2:DescribeSubnets",
                    "ec2:DescribeVpcs",
                    "ec2:DescribeVpcAttribute",
                    "ec2:DescribeVolumes",
                    "ec2:DetachInternetGateway",
                    "ec2:DisassociateRouteTable",
                    "ec2:DisassociateAddress",
                    "ec2:ModifyInstanceAttribute",
                    "ec2:ModifyNetworkInterfaceAttribute",
                    "ec2:ModifySubnetAttribute",
                    "ec2:ReleaseAddress",
                    "ec2:RevokeSecurityGroupIngress",
                    "ec2:RunInstances",
                    "ec2:TerminateInstances",
                    "tag:GetResources",
                    "ec2:CreateLaunchTemplate",
                    "ec2:CreateLaunchTemplateVersion",
                    "ec2:DescribeLaunchTemplates",
                    "ec2:DescribeLaunchTemplateVersions",
                    "ec2:DeleteLaunchTemplate",
                    "ec2:DeleteLaunchTemplateVersions"
                ],
                "Resource": [
                    "\*"
                ],
                "Effect": "Allow"
            },
            {
                "Condition": {
                    "StringLike": {
                        "iam:AWSServiceName": "elasticloadbalancing.amazonaws.com"
                    }
                },
                "Action": [
                    "iam:CreateServiceLinkedRole"
                ],
                "Resource": [
                    "arn:*:iam::*:role/aws-service-role/elasticloadbalancing.amazonaws.com/AWSServiceRoleForElasticLoadBalancing"
                ],
                "Effect": "Allow"
            },
            {
                "Action": [
                    "iam:PassRole"
                ],
                "Resource": [
                    "arn:*:iam::*:role/*-worker-role"
                ],
                "Effect": "Allow"
            }
        ]
    }
  • controlPlaneOperatorARN

    {
        "Version": "2012-10-17",
        "Statement": [
            {
                "Effect": "Allow",
                "Action": [
                    "ec2:CreateVpcEndpoint",
                    "ec2:DescribeVpcEndpoints",
                    "ec2:ModifyVpcEndpoint",
                    "ec2:DeleteVpcEndpoints",
                    "ec2:CreateTags",
                    "route53:ListHostedZones"
                ],
                "Resource": "\*"
            },
            {
                "Effect": "Allow",
                "Action": [
                    "route53:ChangeResourceRecordSets",
                    "route53:ListResourceRecordSets"
                ],
                "Resource": "arn:aws:route53:::%s"
            }
        ]
    }

5.1.3. AWS インフラストラクチャーと IAM リソースを個別に作成する

デフォルトでは、hcp create cluster aws コマンドは、クラウドインフラストラクチャーをホステッドクラスターとともに作成し、それを適用します。hcp create cluster aws コマンドを使用してクラスターの作成だけを実行したり、クラスターを生成して適用する前に変更したりできるように、クラウドインフラストラクチャー部分を個別に作成することもできます。

クラウドインフラストラクチャー部分を個別に作成するには、Amazon Web Services (AWS) インフラストラクチャーの作成、AWS Identity and Access (IAM) リソースの作成、およびクラスターの作成を行う必要があります。

5.1.3.1. AWS インフラストラクチャーを個別に作成する

Amazon Web Services (AWS) インフラストラクチャーを作成するには、クラスター用の Virtual Private Cloud (VPC) やその他のリソースを作成する必要があります。AWS コンソールまたはインフラストラクチャー自動化およびプロビジョニングツールを使用できます。AWS コンソールの使用手順は、AWS ドキュメントの Create a VPC plus other VPC resources を参照してください。

VPC には、プライベートサブネットとパブリックサブネット、およびネットワークアドレス変換 (NAT) ゲートウェイやインターネットゲートウェイなどの外部アクセス用のリソースが含まれている必要があります。VPC に加えて、クラスターの Ingress 用のプライベートホストゾーンが必要です。PrivateLink (Private または PublicAndPrivate アクセスモード) を使用するクラスターを作成する場合は、PrivateLink 用の追加のホストゾーンが必要です。

次の設定例を使用して、ホステッドクラスター用の AWS インフラストラクチャーを作成します。

---
apiVersion: v1
kind: Namespace
metadata:
  creationTimestamp: null
  name: clusters
spec: {}
status: {}
---
apiVersion: v1
data:
  .dockerconfigjson: xxxxxxxxxxx
kind: Secret
metadata:
  creationTimestamp: null
  labels:
    hypershift.openshift.io/safe-to-delete-with-cluster: "true"
  name: <pull_secret_name> 1
  namespace: clusters
---
apiVersion: v1
data:
  key: xxxxxxxxxxxxxxxxx
kind: Secret
metadata:
  creationTimestamp: null
  labels:
    hypershift.openshift.io/safe-to-delete-with-cluster: "true"
  name: <etcd_encryption_key_name> 2
  namespace: clusters
type: Opaque
---
apiVersion: v1
data:
  id_rsa: xxxxxxxxx
  id_rsa.pub: xxxxxxxxx
kind: Secret
metadata:
  creationTimestamp: null
  labels:
    hypershift.openshift.io/safe-to-delete-with-cluster: "true"
  name: <ssh-key-name> 3
  namespace: clusters
---
apiVersion: hypershift.openshift.io/v1beta1
kind: HostedCluster
metadata:
  creationTimestamp: null
  name: <hosted_cluster_name> 4
  namespace: clusters
spec:
  autoscaling: {}
  configuration: {}
  controllerAvailabilityPolicy: SingleReplica
  dns:
    baseDomain: <dns_domain> 5
    privateZoneID: xxxxxxxx
    publicZoneID: xxxxxxxx
  etcd:
    managed:
      storage:
        persistentVolume:
          size: 8Gi
          storageClassName: gp3-csi
        type: PersistentVolume
    managementType: Managed
  fips: false
  infraID: <infra_id> 6
  issuerURL: <issuer_url> 7
  networking:
    clusterNetwork:
    - cidr: 10.132.0.0/14
    machineNetwork:
    - cidr: 10.0.0.0/16
    networkType: OVNKubernetes
    serviceNetwork:
    - cidr: 172.31.0.0/16
  olmCatalogPlacement: management
  platform:
    aws:
      cloudProviderConfig:
        subnet:
          id: <subnet_xxx> 8
        vpc: <vpc_xxx> 9
        zone: us-west-1b
      endpointAccess: Public
      multiArch: false
      region: us-west-1
      rolesRef:
        controlPlaneOperatorARN: arn:aws:iam::820196288204:role/<infra_id>-control-plane-operator
        imageRegistryARN: arn:aws:iam::820196288204:role/<infra_id>-openshift-image-registry
        ingressARN: arn:aws:iam::820196288204:role/<infra_id>-openshift-ingress
        kubeCloudControllerARN: arn:aws:iam::820196288204:role/<infra_id>-cloud-controller
        networkARN: arn:aws:iam::820196288204:role/<infra_id>-cloud-network-config-controller
        nodePoolManagementARN: arn:aws:iam::820196288204:role/<infra_id>-node-pool
        storageARN: arn:aws:iam::820196288204:role/<infra_id>-aws-ebs-csi-driver-controller
    type: AWS
  pullSecret:
    name: <pull_secret_name>
  release:
    image: quay.io/openshift-release-dev/ocp-release:4.16-x86_64
  secretEncryption:
    aescbc:
      activeKey:
        name: <etcd_encryption_key_name>
    type: aescbc
  services:
  - service: APIServer
    servicePublishingStrategy:
      type: LoadBalancer
  - service: OAuthServer
    servicePublishingStrategy:
      type: Route
  - service: Konnectivity
    servicePublishingStrategy:
      type: Route
  - service: Ignition
    servicePublishingStrategy:
      type: Route
  - service: OVNSbDb
    servicePublishingStrategy:
      type: Route
  sshKey:
    name: <ssh_key_name>
status:
  controlPlaneEndpoint:
    host: ""
    port: 0
---
apiVersion: hypershift.openshift.io/v1beta1
kind: NodePool
metadata:
  creationTimestamp: null
  name: <node_pool_name> 10
  namespace: clusters
spec:
  arch: amd64
  clusterName: <hosted_cluster_name>
  management:
    autoRepair: true
    upgradeType: Replace
  nodeDrainTimeout: 0s
  platform:
    aws:
      instanceProfile: <instance_profile_name> 11
      instanceType: m6i.xlarge
      rootVolume:
        size: 120
        type: gp3
      subnet:
        id: <subnet_xxx>
    type: AWS
  release:
    image: quay.io/openshift-release-dev/ocp-release:4.16-x86_64
  replicas: 2
status:
  replicas: 0
1
<pull_secret_name> は、プルシークレットの名前に置き換えます。
2
<etcd_encryption_key_name> は、etcd 暗号鍵の名前に置き換えます。
3
<ssh_key_name> は、SSH 鍵の名前に置き換えます。
4
<hosted_cluster_name> は、ホステッドクラスターの名前に置き換えます。
5
<dns_domain> は、example.com などのベース DNS ドメインに置き換えます。
6
<infra_id> は、ホステッドクラスターに関連付けられている IAM リソースを特定する値に置き換えます。
7
<issuer_url> は、末尾の値が infra_id である発行者 URL に置き換えます。たとえば、https://example-hosted-us-west-1.s3.us-west-1.amazonaws.com/example-hosted-infra-id です。
8
<subnet_xxx> は、サブネット ID に置き換えます。プライベートサブネットとパブリックサブネットの両方にタグを付ける必要があります。パブリックサブネットの場合は、kubernetes.io/role/elb=1 を使用します。プライベートサブネットの場合は、kubernetes.io/role/internal-elb=1 を使用します。
9
<vpc_xxx> は、VPC ID に置き換えます。
10
<node_pool_name> は、NodePool リソースの名前に置き換えます。
11
<instance_profile_name> は、AWS インスタンスの名前に置き換えます。
5.1.3.2. AWS IAM リソースの作成

Amazon Web Services (AWS) では、次の IAM リソースを作成する必要があります。

5.1.3.3. ホステッドクラスターを個別に作成する

Amazon Web Services (AWS) にホステッドクラスターを個別に作成できます。

ホステッドクラスターを個別に作成するには、次のコマンドを入力します。

$ hcp create cluster aws \
    --infra-id <infra_id> \1
    --name <hosted_cluster_name> \2
    --sts-creds <path_to_sts_credential_file> \3
    --pull-secret <path_to_pull_secret> \4
    --generate-ssh \5
    --node-pool-replicas 3
    --role-arn <role_name> 6
1
<infra_id>create infra aws コマンドで指定したのと同じ ID に置き換えます。この値は、ホステッドクラスターに関連付けられている IAM リソースを識別します。
2
<hosted_cluster_name> は、ホステッドクラスターの名前に置き換えます。
3
<path_to_sts_credential_file> は、create infra aws コマンドで指定した名前と同じ名前に置き換えます。
4
<path_to_pull_secret> を有効な OpenShift Container Platform プルシークレットを含むファイルの名前に置き換えます。
5
--generate-ssh フラグはオプションですが、ワーカーに SSH 接続する必要がある場合に含めるとよいでしょう。SSH キーが生成され、ホステッドクラスターと同じ名 namespace にシークレットとして保存されます。
6
<role_name> は、Amazon Resource Name (ARN) に置き換えます (例: arn:aws:iam::820196288204:role/myrole)。Amazon Resource Name (ARN) を指定します (例: arn:aws:iam::820196288204:role/myrole)。ARN ロールの詳細は、「Identity and Access Management (IAM) 権限」を参照してください。

コマンドに --render フラグを追加して、クラスターに適用する前にリソースを編集できるファイルに出力をリダイレクトすることもできます。

コマンドを実行すると、次のリソースがクラスターに適用されます。

  • namespace
  • プルシークレットを含むシークレット
  • HostedCluster
  • NodePool
  • コントロールプレーンコンポーネントの 3 つの AWS STS シークレット
  • --generate-ssh フラグを指定した場合は、1 つの SSH キーシークレット。

5.2. ベアメタルでの Hosted Control Plane の管理

Hosted Control Plane をベアメタルにデプロイした後、次のタスクを完了してホステッドクラスターを管理できます。

5.2.1. ホステッドクラスターへのアクセス

ホステッドクラスターにアクセスするには、kubeconfig ファイルと kubeadmin 認証情報をリソースから直接取得するか、hcp コマンドラインインターフェイスを使用して kubeconfig ファイルを生成します。

前提条件

リソースから kubeconfig ファイルと認証情報を直接取得し、ホステッドクラスターにアクセスするには、ホステッドクラスターのアクセスシークレットを理解している必要があります。ホステッドクラスター (ホスティング) のリソースとアクセスシークレットは、ホステッドクラスターの namespace に格納されます。Hosted Control Plane は、Hosted Control Plane の namespace で実行されます。

シークレット名の形式は次のとおりです。

  • kubeconfig シークレット: <hosted_cluster_namespace>-<name>-admin-kubeconfig.たとえば、clusters-hypershift-demo-admin-kubeconfig です。
  • kubeadmin パスワードシークレット: <hosted_cluster_namespace>-<name>-kubeadmin-password.たとえば、clusters-hypershift-demo-kubeadmin-password です。

kubeconfig シークレットには Base64 でエンコードされた kubeconfig フィールドが含まれており、これをデコードしてファイルに保存し、次のコマンドで使用できます。

$ oc --kubeconfig <hosted_cluster_name>.kubeconfig get nodes

kubeadmin パスワードシークレットも Base64 でエンコードされます。これをデコードし、そのパスワードを使用して、ホステッドクラスターの API サーバーまたはコンソールにログインできます。

手順

  • hcp CLI を使用してホステッドクラスターにアクセスして kubeconfig ファイルを生成するには、次の手順を実行します。

    1. 次のコマンドを入力して、kubeconfig ファイルを生成します。

      $ hcp create kubeconfig --namespace <hosted_cluster_namespace> --name <hosted_cluster_name> > <hosted_cluster_name>.kubeconfig
    2. kubeconfig ファイルを保存した後、次のコマンド例を入力して、ホステッドクラスターにアクセスできます。

      $ oc --kubeconfig <hosted_cluster_name>.kubeconfig get nodes

5.2.2. ホステッドクラスターの NodePool オブジェクトのスケーリング

ホステッドクラスターにノードを追加することで、NodePool オブジェクトをスケールアップできます。ノードプールをスケーリングする際には、次の情報を考慮してください。

  • ノードプールによってレプリカをスケーリングすると、マシンが作成されます。クラスター API プロバイダーは、すべてのマシンに対して、ノードプール仕様で指定された要件を満たすエージェントを見つけてインストールします。エージェントのステータスと状態を確認することで、エージェントのインストールを監視できます。
  • ノードプールをスケールダウンすると、エージェントは対応するクラスターからバインド解除されます。Agent を再利用するには、Discovery イメージを使用してエージェントを再起動する必要があります。

手順

  1. NodePool オブジェクトを 2 つのノードにスケーリングします。

    $ oc -n <hosted_cluster_namespace> scale nodepool <nodepool_name> --replicas 2

    Cluster API エージェントプロバイダーは、ホステッドクラスターに割り当てられる 2 つのエージェントをランダムに選択します。これらのエージェントはさまざまな状態を経て、最終的に OpenShift Container Platform ノードとしてホステッドクラスターに参加します。エージェントは次の順序で状態を通過します。

    • binding
    • discovering
    • insufficient
    • installing
    • installing-in-progress
    • added-to-existing-cluster
  2. 以下のコマンドを入力します。

    $ oc -n <hosted_control_plane_namespace> get agent

    出力例

    NAME                                   CLUSTER         APPROVED   ROLE          STAGE
    4dac1ab2-7dd5-4894-a220-6a3473b67ee6   hypercluster1   true       auto-assign
    d9198891-39f4-4930-a679-65fb142b108b                   true       auto-assign
    da503cf1-a347-44f2-875c-4960ddb04091   hypercluster1   true       auto-assign

  3. 以下のコマンドを入力します。

    $ oc -n <hosted_control_plane_namespace> get agent -o jsonpath='{range .items[*]}BMH: {@.metadata.labels.agent-install\.openshift\.io/bmh} Agent: {@.metadata.name} State: {@.status.debugInfo.state}{"\n"}{end}'

    出力例

    BMH: ocp-worker-2 Agent: 4dac1ab2-7dd5-4894-a220-6a3473b67ee6 State: binding
    BMH: ocp-worker-0 Agent: d9198891-39f4-4930-a679-65fb142b108b State: known-unbound
    BMH: ocp-worker-1 Agent: da503cf1-a347-44f2-875c-4960ddb04091 State: insufficient

  4. 次の extract コマンドを入力して、新しいホステッドクラスターの kubeconfig を取得します。

    $ oc extract -n <hosted_cluster_namespace> secret/<hosted_cluster_name>-admin-kubeconfig --to=- > kubeconfig-<hosted_cluster_name>
  5. エージェントが added-to-existing-cluster 状態に達したら、次のコマンドを入力して、ホステッドクラスターの OpenShift Container Platform ノードが表示されることを確認します。

    $ oc --kubeconfig kubeconfig-<hosted_cluster_name> get nodes

    出力例

    NAME           STATUS   ROLES    AGE     VERSION
    ocp-worker-1   Ready    worker   5m41s   v1.24.0+3882f8f
    ocp-worker-2   Ready    worker   6m3s    v1.24.0+3882f8f

    Cluster Operator は、ワークロードをノードに追加することによって調整を開始します。

  6. 次のコマンドを入力して、NodePool オブジェクトをスケールアップしたときに 2 台のマシンが作成されたことを確認します。

    $ oc -n <hosted_control_plane_namespace> get machines

    出力例

    NAME                            CLUSTER               NODENAME       PROVIDERID                                     PHASE     AGE   VERSION
    hypercluster1-c96b6f675-m5vch   hypercluster1-b2qhl   ocp-worker-1   agent://da503cf1-a347-44f2-875c-4960ddb04091   Running   15m   4.x.z
    hypercluster1-c96b6f675-tl42p   hypercluster1-b2qhl   ocp-worker-2   agent://4dac1ab2-7dd5-4894-a220-6a3473b67ee6   Running   15m   4.x.z

    clusterversion 調整プロセスは最終的に、Ingress および Console クラスター Operator のみが欠落しているポイントに到達します。

  7. 以下のコマンドを入力します。

    $ oc --kubeconfig kubeconfig-<hosted_cluster_name> get clusterversion,co

    出力例

    NAME                                         VERSION   AVAILABLE   PROGRESSING   SINCE   STATUS
    clusterversion.config.openshift.io/version             False       True          40m     Unable to apply 4.x.z: the cluster operator console has not yet successfully rolled out
    
    NAME                                                                             VERSION   AVAILABLE   PROGRESSING   DEGRADED   SINCE   MESSAGE
    clusteroperator.config.openshift.io/console                                      4.12z     False       False         False      11m     RouteHealthAvailable: failed to GET route (https://console-openshift-console.apps.hypercluster1.domain.com): Get "https://console-openshift-console.apps.hypercluster1.domain.com": dial tcp 10.19.3.29:443: connect: connection refused
    clusteroperator.config.openshift.io/csi-snapshot-controller                      4.12z     True        False         False      10m
    clusteroperator.config.openshift.io/dns                                          4.12z     True        False         False      9m16s

5.2.2.1. ノードプールの追加

名前、レプリカの数、およびエージェントラベルセレクターなどの追加情報を指定して、ホステッドクラスターのノードプールを作成できます。

手順

  1. ノードプールを作成するには、次の情報を入力します。

    $ hcp create nodepool agent \
      --cluster-name <hosted_cluster_name> \1
      --name <nodepool_name> \2
      --node-count <worker_node_count> \3
      --agentLabelSelector '{"matchLabels": {"size": "medium"}}' 4
    1
    <hosted_cluster_name> は、ホステッドクラスターの名前に置き換えます。
    2
    <nodepool_name> は、ノードプールの名前に置き換えます (例: <hosted_cluster_name>-extra-cpu)。
    3
    <worker_node_count> は、ワーカーノード数 (例: 2) に置き換えます。
    4
    --agentLabelSelector フラグは任意です。ノードプールは、"size" : "medium" ラベルを持つエージェントを使用します。
  2. clusters namespace 内の nodepool リソースをリスト表示して、ノードプールのステータスを確認します。

    $ oc get nodepools --namespace clusters
  3. 次のコマンドを入力して、admin-kubeconfig シークレットを抽出します。

    $ oc extract -n <hosted_control_plane_namespace> secret/admin-kubeconfig --to=./hostedcluster-secrets --confirm

    出力例

    hostedcluster-secrets/kubeconfig

  4. しばらくしてから、次のコマンドを入力してノードプールのステータスを確認できます。

    $ oc --kubeconfig ./hostedcluster-secrets get nodes

検証

  • 次のコマンドを入力して、使用可能なノードプールの数が予想されるノードプールの数と一致することを確認します。

    $ oc get nodepools --namespace clusters
5.2.2.2. ホステッドクラスターのノード自動スケーリングの有効化

ホステッドクラスターにさらに容量が必要で、予備のエージェントが利用可能な場合は、自動スケーリングを有効にして新しいワーカーノードをインストールできます。

手順

  1. 自動スケーリングを有効にするには、次のコマンドを入力します。

    $ oc -n <hosted_cluster_namespace> patch nodepool <hosted_cluster_name> --type=json -p '[{"op": "remove", "path": "/spec/replicas"},{"op":"add", "path": "/spec/autoScaling", "value": { "max": 5, "min": 2 }}]'
    注記

    この例では、ノードの最小数は 2、最大数は 5 です。追加できるノードの最大数は、プラットフォームによって制限される場合があります。たとえば、エージェントプラットフォームを使用する場合、ノードの最大数は使用可能なエージェントの数によって制限されます。

  2. 新しいノードを必要とするワークロードを作成します。

    1. 次の例を使用して、ワークロード設定を含む YAML ファイルを作成します。

      apiVersion: apps/v1
      kind: Deployment
      metadata:
        creationTimestamp: null
        labels:
          app: reversewords
        name: reversewords
        namespace: default
      spec:
        replicas: 40
        selector:
          matchLabels:
            app: reversewords
        strategy: {}
        template:
          metadata:
            creationTimestamp: null
            labels:
              app: reversewords
        spec:
          containers:
          - image: quay.io/mavazque/reversewords:latest
            name: reversewords
            resources:
              requests:
                memory: 2Gi
      status: {}
    2. ファイルを workload-config.yaml として保存します。
    3. 以下のコマンドを入力して、YAML を適用します。

      $ oc apply -f workload-config.yaml
  3. 次のコマンドを入力して、admin-kubeconfig シークレットを抽出します。

    $ oc extract -n <hosted_cluster_namespace> secret/<hosted_cluster_name>-admin-kubeconfig --to=./hostedcluster-secrets --confirm

    出力例

    hostedcluster-secrets/kubeconfig

  4. 次のコマンドを入力して、新しいノードが Ready ステータスであるかどうかを確認できます。

    $ oc --kubeconfig ./hostedcluster-secrets get nodes
  5. ノードを削除するには、次のコマンドを入力してワークロードを削除します。

    $ oc --kubeconfig ./hostedcluster-secrets -n <namespace> delete deployment <deployment_name>
  6. 数分間待ちます。その間に、容量の追加が必要にならないようにします。エージェントプラットフォームでは、エージェントは廃止され、再利用できます。次のコマンドを入力すると、ノードが削除されたことを確認できます。

    $ oc --kubeconfig ./hostedcluster-secrets get nodes
注記

IBM Z エージェントの場合、コンピュートノードがクラスターからデタッチされるのは、KVM エージェントを使用する IBM Z の場合だけです。z/VM および LPAR の場合は、コンピュートノードを手動で削除する必要があります。

エージェントは、KVM を使用する IBM Z でのみ再利用できます。z/VM および LPAR の場合は、エージェントを再作成して、それらをコンピュートノードとして使用してください。

5.2.2.3. ホストされたクラスターのノードの自動スケーリングを無効にする

ノードの自動スケーリングを無効にするには、次の手順を実行します。

手順

  • ホステッドクラスターのノードの自動スケーリングを無効にするには、次のコマンドを入力します。

    $ oc -n <hosted_cluster_namespace> patch nodepool <hosted_cluster_name> --type=json -p '[\{"op":"remove", "path": "/spec/autoScaling"}, \{"op": "add", "path": "/spec/replicas", "value": <specify_value_to_scale_replicas>]'

    このコマンドは、YAML ファイルから "spec.autoScaling" を削除し、"spec.replicas" を追加し、"spec.replicas" を指定の整数値に設定します。

5.2.3. ベアメタル上のホステッドクラスターでの Ingress の処理

すべての OpenShift Container Platform クラスターには、通常、外部 DNS レコードが関連付けられているデフォルトのアプリケーション Ingress コントローラーがあります。たとえば、ベースドメイン krnl.esexample という名前のホストされたクラスターを作成する場合は、ワイルドカードドメイン *.apps.example.krnl.es がルーティング可能であると予想することができます。

手順

*.apps ドメインのロードバランサーとワイルドカード DNS レコードを設定するには、ゲストクラスターで次のアクションを実行します。

  1. MetalLB Operator の設定を含む YAML ファイルを作成して MetalLB をデプロイします。

    apiVersion: v1
    kind: Namespace
    metadata:
      name: metallb
      labels:
        openshift.io/cluster-monitoring: "true"
      annotations:
        workload.openshift.io/allowed: management
    ---
    apiVersion: operators.coreos.com/v1
    kind: OperatorGroup
    metadata:
      name: metallb-operator-operatorgroup
      namespace: metallb
    ---
    apiVersion: operators.coreos.com/v1alpha1
    kind: Subscription
    metadata:
      name: metallb-operator
      namespace: metallb
    spec:
      channel: "stable"
      name: metallb-operator
      source: redhat-operators
      sourceNamespace: openshift-marketplace
  2. ファイルを metallb-operator-config.yaml として保存します。
  3. 以下のコマンドを入力して設定を適用します。

    $ oc apply -f metallb-operator-config.yaml
  4. Operator の実行後、MetalLB インスタンスを作成します。

    1. MetalLB インスタンスの設定を含む YAML ファイルを作成します。

      apiVersion: metallb.io/v1beta1
      kind: MetalLB
      metadata:
        name: metallb
        namespace: metallb
    2. ファイルを metallb-instance-config.yaml として保存します。
    3. 次のコマンドを入力して、MetalLB インスタンスを作成します。

      $ oc apply -f metallb-instance-config.yaml
  5. 単一の IP アドレスを含む IPAddressPool リソースを作成します。この IP アドレスは、クラスターノードが使用するネットワークと同じサブネット上にある必要があります。

    1. 以下の例のような内容で、ipaddresspool.yaml などのファイルを作成します。

      apiVersion: metallb.io/v1beta1
      kind: IPAddressPool
      metadata:
        namespace: metallb
        name: <ip_address_pool_name> 1
      spec:
        addresses:
          - <ingress_ip>-<ingress_ip> 2
        autoAssign: false
      1
      IPAddressPool リソース名を指定します。
      2
      環境の IP アドレスを指定します。たとえば、192.168.122.23 です。
    2. 次のコマンドを入力して、IP アドレスプールの設定を適用します。

      $ oc apply -f ipaddresspool.yaml
  6. L2 アドバタイズメントを作成します。

    1. 以下の例のような内容で、l2advertisement.yaml などのファイルを作成します。

      apiVersion: metallb.io/v1beta1
      kind: L2Advertisement
      metadata:
        name: <l2_advertisement_name> 1
        namespace: metallb
      spec:
        ipAddressPools:
         - <ip_address_pool_name> 2
      1
      L2Advertisement リソース名を指定します。
      2
      IPAddressPool リソース名を指定します。
    2. 次のコマンドを入力して設定を適用します。

      $ oc apply -f l2advertisement.yaml
  7. LoadBalancer タイプのサービスを作成すると、MetalLB はサービスに外部 IP アドレスを追加します。

    1. metallb-loadbalancer-service.yaml という名前の YAML ファイルを作成して、Ingress トラフィックを Ingress デプロイメントにルーティングする新しいロードバランサーサービスを設定します。

      kind: Service
      apiVersion: v1
      metadata:
        annotations:
          metallb.universe.tf/address-pool: ingress-public-ip
        name: metallb-ingress
        namespace: openshift-ingress
      spec:
        ports:
          - name: http
            protocol: TCP
            port: 80
            targetPort: 80
          - name: https
            protocol: TCP
            port: 443
            targetPort: 443
        selector:
          ingresscontroller.operator.openshift.io/deployment-ingresscontroller: default
        type: LoadBalancer
    2. metallb-loadbalancer-service.yaml ファイルを保存します。
    3. YAML 設定を適用するには、次のコマンドを入力します。

      $ oc apply -f metallb-loadbalancer-service.yaml
    4. 次のコマンドを入力して、OpenShift Container Platform コンソールにアクセスします。

      $ curl -kI https://console-openshift-console.apps.example.krnl.es

      出力例

      HTTP/1.1 200 OK

    5. clusterversionclusteroperator の値をチェックして、すべてが実行されていることを確認します。以下のコマンドを入力します。

      $ oc --kubeconfig <hosted_cluster_name>.kubeconfig get clusterversion,co

      出力例

      NAME                                         VERSION   AVAILABLE   PROGRESSING   SINCE   STATUS
      clusterversion.config.openshift.io/version   4.x.y      True        False        3m32s   Cluster version is 4.x.y
      
      NAME                                                                             VERSION   AVAILABLE   PROGRESSING   DEGRADED   SINCE   MESSAGE
      clusteroperator.config.openshift.io/console                                      4.x.y     True        False         False      3m50s
      clusteroperator.config.openshift.io/ingress                                      4.x.y     True        False         False      53m

      <4.x.y> は、使用するサポート対象の OpenShift Container Platform バージョン (例: 4.17.0-multi) に置き換えます。

5.2.4. ベアメタル上でマシンのヘルスチェックを有効にする

ベアメタル上でマシンのヘルスチェックを有効にして、異常なマネージドクラスターノードを自動的に修復および置き換えることができます。マネージドクラスターにインストールする準備ができている追加のエージェントマシンが必要です。

マシンのヘルスチェックを有効にする前に、次の制限を考慮してください。

  • MachineHealthCheck オブジェクトを変更することはできません。
  • マシンヘルスチェックでは、少なくとも 2 つのノードが 8 分以上 False または Unknown ステータスのままである場合にのみ、ノードが置き換えられます。

マネージドクラスターノードのマシンヘルスチェックを有効にすると、ホストされたクラスターに MachineHealthCheck オブジェクトが作成されます。

手順

ホストされたクラスターでマシンのヘルスチェックを有効にするには、NodePool リソースを変更します。以下の手順を実行します。

  1. NodePool リソースの spec.nodeDrainTimeout 値が 0s より大きいことを確認します。<hosted_cluster_namespace> をホストされたクラスター namespace の名前に置き換え、<nodepool_name> をノードプール名に置き換えます。以下のコマンドを実行します。

    $ oc get nodepool -n <hosted_cluster_namespace> <nodepool_name> -o yaml | grep nodeDrainTimeout

    出力例

    nodeDrainTimeout: 30s

  2. spec.nodeDrainTimeout 値が 0s より大きくない場合は、次のコマンドを実行して値を変更します。

    $ oc patch nodepool -n <hosted_cluster_namespace> <nodepool_name> -p '{"spec":{"nodeDrainTimeout": "30m"}}' --type=merge
  3. NodePool リソースで spec.management.autoRepair フィールドを true に設定して、マシンのヘルスチェックを有効にします。以下のコマンドを実行します。

    $ oc patch nodepool -n <hosted_cluster_namespace> <nodepool_name> -p '{"spec": {"management": {"autoRepair":true}}}' --type=merge
  4. 次のコマンドを実行して、NodePool リソースが autoRepair: true 値で更新されていることを確認します。

    $ oc get nodepool -n <hosted_cluster_namespace> <nodepool_name> -o yaml | grep autoRepair

5.2.5. ベアメタル上でマシンのヘルスチェックを無効にする

マネージドクラスターノードのマシンのヘルスチェックを無効にするには、NodePool リソースを変更します。

手順

  1. NodePool リソースで spec.management.autoRepair フィールドを false に設定して、マシンのヘルスチェックを無効にします。以下のコマンドを実行します。

    $ oc patch nodepool -n <hosted_cluster_namespace> <nodepool_name> -p '{"spec": {"management": {"autoRepair":false}}}' --type=merge
  2. 次のコマンドを実行して、NodePool リソースが autoRepair: false 値で更新されていることを確認します。

    $ oc get nodepool -n <hosted_cluster_namespace> <nodepool_name> -o yaml | grep autoRepair

5.3. OpenShift Virtualization での Hosted Control Plane の管理

OpenShift Virtualization にホステッドクラスターをデプロイした後、次の手順を実行してクラスターを管理できます。

5.3.1. ホステッドクラスターへのアクセス

ホステッドクラスターにアクセスするには、kubeconfig ファイルと kubeadmin 認証情報をリソースから直接取得するか、hcp コマンドラインインターフェイスを使用して kubeconfig ファイルを生成します。

前提条件

リソースから kubeconfig ファイルと認証情報を直接取得し、ホステッドクラスターにアクセスするには、ホステッドクラスターのアクセスシークレットを理解している必要があります。ホステッドクラスター (ホスティング) のリソースとアクセスシークレットは、ホステッドクラスターの namespace に格納されます。Hosted Control Plane は、Hosted Control Plane の namespace で実行されます。

シークレット名の形式は次のとおりです。

  • kubeconfig シークレット: <hosted_cluster_namespace>-<name>-admin-kubeconfig (clusters-hypershift-demo-admin-kubeconfig)
  • kubeadmin パスワードシークレット: <hosted_cluster_namespace>-<name>-kubeadmin-password (clusters-hypershift-demo-kubeadmin-password)

kubeconfig シークレットには Base64 でエンコードされた kubeconfig フィールドが含まれており、これをデコードしてファイルに保存し、次のコマンドで使用できます。

$ oc --kubeconfig <hosted_cluster_name>.kubeconfig get nodes

kubeadmin パスワードシークレットも Base64 でエンコードされます。これをデコードし、そのパスワードを使用して、ホステッドクラスターの API サーバーまたはコンソールにログインできます。

手順

  • hcp CLI を使用してホステッドクラスターにアクセスして kubeconfig ファイルを生成するには、次の手順を実行します。

    1. 次のコマンドを入力して、kubeconfig ファイルを生成します。

      $ hcp create kubeconfig --namespace <hosted_cluster_namespace> --name <hosted_cluster_name> > <hosted_cluster_name>.kubeconfig
    2. kubeconfig ファイルを保存した後、次のコマンド例を入力して、ホステッドクラスターにアクセスできます。

      $ oc --kubeconfig <hosted_cluster_name>.kubeconfig get nodes

5.3.2. OpenShift Virtualization での Hosted Control Plane のストレージの設定

詳細なストレージ設定を指定しなかった場合、KubeVirt 仮想マシン (VM) イメージ、KubeVirt Container Storage Interface (CSI) マッピング、および etcd ボリュームにデフォルトのストレージクラスが使用されます。

次の表に、ホステッドクラスターで永続ストレージをサポートするためにインフラストラクチャーが提供する必要がある機能を示します。

表5.1 ホステッドクラスターの永続ストレージモード
インフラストラクチャーの CSI プロバイダーホステッドクラスターの CSI プロバイダーホステッドクラスターの機能注記

任意の RWX Block CSI プロバイダー

kubevirt-csi

基本: RWO Block および File、RWX Block および Snapshot

推奨

任意の RWX Block CSI プロバイダー

Red Hat OpenShift Data Foundation 外部モード

Red Hat OpenShift Data Foundation の機能セット

 

任意の RWX Block CSI プロバイダー

Red Hat OpenShift Data Foundation 内部モード

Red Hat OpenShift Data Foundation の機能セット

使用しないでください。

5.3.2.1. KubeVirt CSI ストレージクラスのマッピング

KubeVirt CSI は、ReadWriteMany (RWX) アクセスが可能なインフラストラクチャーストレージクラスのマッピングをサポートします。クラスターの作成時に、インフラストラクチャーのストレージクラスをホストされるストレージクラスにマッピングできます。

手順

  • インフラストラクチャーのストレージクラスをホストされるストレージクラスにマッピングするには、次のコマンドを実行して --infra-storage-class-mapping 引数を使用します。

    $ hcp create cluster kubevirt \
      --name <hosted_cluster_name> \ 1
      --node-pool-replicas <worker_node_count> \ 2
      --pull-secret <path_to_pull_secret> \ 3
      --memory <memory> \ 4
      --cores <cpu> \ 5
      --infra-storage-class-mapping=<infrastructure_storage_class>/<hosted_storage_class> \ 6
    1
    ホステッドクラスターの名前を指定します (例: example)。
    2
    ワーカー数を指定します (例: 2)。
    3
    プルシークレットへのパスを指定します (例: /user/name/pullsecret)。
    4
    メモリーの値を指定します (例: 8Gi)。
    5
    CPU の値を指定します (例: 2)。
    6
    <infrastructure_storage_class> をインフラストラクチャーストレージクラス名に置き換え、<hosted_storage_class> をホストされたクラスターストレージクラス名に置き換えます。hcp create cluster コマンド内で --infra-storage-class-mapping 引数を複数回使用できます。

ホステッドクラスターを作成すると、インフラストラクチャーのストレージクラスがホステッドクラスター内に表示されます。これらのストレージクラスのいずれかを使用するホステッドクラスター内に永続ボリューム要求 PVC を作成すると、KubeVirt CSI はクラスターの作成時に設定したインフラストラクチャーストレージクラスマッピングを使用してそのボリュームをプロビジョニングします。

注記

KubeVirt CSI は、RWX アクセスが可能なインフラストラクチャーストレージクラスのマッピングのみをサポートします。

次の表に、ボリュームモードとアクセスモードの機能が KubeVirt CSI ストレージクラスにどのようにマッピングされるかを示します。

表5.2 KubeVirt CSI ストレージクラスとアクセスモードおよびボリュームモードのマッピング
インフラストラクチャーの CSI 機能ホステッドクラスターの CSI 機能仮想マシンのライブ移行のサポート注記

RWX: Block または Filesystem

ReadWriteOnce (RWO) Block または Filesystem RWX Block のみ

サポート対象

Filesystem ボリュームモードでは、ホストされた Block モードのパフォーマンスが低下するため、Block モードを使用してください。RWX Block ボリュームモードは、ホステッドクラスターが OpenShift Container Platform 4.16 以降の場合にのみサポートされます。

RWO Block ストレージ

RWO Block ストレージまたは Filesystem

サポート対象外

ライブマイグレーションのサポートが不足しているため、KubeVirt 仮想マシンをホストする基盤となるインフラストラクチャークラスターを更新する機能が影響を受けます。

RWO FileSystem

RWO Block または Filesystem

サポート対象外

ライブマイグレーションのサポートが不足しているため、KubeVirt 仮想マシンをホストする基盤となるインフラストラクチャークラスターを更新する機能が影響を受けます。インフラストラクチャー Filesystem ボリュームモードを使用すると、ホストされた Block モードのパフォーマンスが低下します。

5.3.2.2. 単一の KubeVirt CSI ボリュームスナップショットクラスのマッピング

KubeVirt CSI を使用して、インフラストラクチャーのボリュームスナップショットクラスをホステッドクラスターに公開できます。

手順

  • ボリュームスナップショットクラスをホステッドクラスターにマッピングするには、ホステッドクラスターを作成するときに --infra-volumesnapshot-class-mapping 引数を使用します。以下のコマンドを実行します。

    $ hcp create cluster kubevirt \
      --name <hosted_cluster_name> \ 1
      --node-pool-replicas <worker_node_count> \ 2
      --pull-secret <path_to_pull_secret> \ 3
      --memory <memory> \ 4
      --cores <cpu> \ 5
      --infra-storage-class-mapping=<infrastructure_storage_class>/<hosted_storage_class> \ 6
      --infra-volumesnapshot-class-mapping=<infrastructure_volume_snapshot_class>/<hosted_volume_snapshot_class> 7
    1
    ホステッドクラスターの名前を指定します (例: example)。
    2
    ワーカー数を指定します (例: 2)。
    3
    プルシークレットへのパスを指定します (例: /user/name/pullsecret)。
    4
    メモリーの値を指定します (例: 8Gi)。
    5
    CPU の値を指定します (例: 2)。
    6
    <infrastructure_storage_class> は、インフラストラクチャークラスターに存在するストレージクラスに置き換えます。<hosted_storage_class> は、ホステッドクラスターに存在するストレージクラスに置き換えます。
    7
    <infrastructure_volume_snapshot_class> は、インフラストラクチャークラスターに存在するボリュームスナップショットクラスに置き換えます。<hosted_volume_snapshot_class> は、ホステッドクラスターに存在するボリュームスナップショットクラスに置き換えます。
    注記

    --infra-storage-class-mapping および --infra-volumesnapshot-class-mapping 引数を使用しない場合、デフォルトのストレージクラスとボリュームスナップショットクラスを使用してホステッドクラスターが作成されます。したがって、インフラストラクチャークラスターでデフォルトのストレージクラスとボリュームスナップショットクラスを設定する必要があります。

5.3.2.3. 複数の KubeVirt CSI ボリュームスナップショットクラスのマッピング

複数のボリュームスナップショットクラスを特定のグループに割り当てることで、それらをホステッドクラスターにマッピングできます。インフラストラクチャーのストレージクラスとボリュームスナップショットクラスは、同じグループに属している場合にのみ相互に互換性があります。

手順

  • 複数のボリュームスナップショットクラスをホステッドクラスターにマッピングするには、ホステッドクラスターを作成するときに group オプションを使用します。以下のコマンドを実行します。

    $ hcp create cluster kubevirt \
      --name <hosted_cluster_name> \ 1
      --node-pool-replicas <worker_node_count> \ 2
      --pull-secret <path_to_pull_secret> \ 3
      --memory <memory> \ 4
      --cores <cpu> \ 5
      --infra-storage-class-mapping=<infrastructure_storage_class>/<hosted_storage_class>,group=<group_name> \ 6
      --infra-storage-class-mapping=<infrastructure_storage_class>/<hosted_storage_class>,group=<group_name> \
      --infra-storage-class-mapping=<infrastructure_storage_class>/<hosted_storage_class>,group=<group_name> \
      --infra-volumesnapshot-class-mapping=<infrastructure_volume_snapshot_class>/<hosted_volume_snapshot_class>,group=<group_name> \ 7
      --infra-volumesnapshot-class-mapping=<infrastructure_volume_snapshot_class>/<hosted_volume_snapshot_class>,group=<group_name>
    1
    ホステッドクラスターの名前を指定します (例: example)。
    2
    ワーカー数を指定します (例: 2)。
    3
    プルシークレットへのパスを指定します (例: /user/name/pullsecret)。
    4
    メモリーの値を指定します (例: 8Gi)。
    5
    CPU の値を指定します (例: 2)。
    6
    <infrastructure_storage_class> は、インフラストラクチャークラスターに存在するストレージクラスに置き換えます。<hosted_storage_class> は、ホステッドクラスターに存在するストレージクラスに置き換えます。<group_name> は、グループ名に置き換えます。たとえば、infra-storage-class-mygroup/hosted-storage-class-mygroup,group=mygroup および infra-storage-class-mymap/hosted-storage-class-mymap,group=mymap です。
    7
    <infrastructure_volume_snapshot_class> は、インフラストラクチャークラスターに存在するボリュームスナップショットクラスに置き換えます。<hosted_volume_snapshot_class> は、ホステッドクラスターに存在するボリュームスナップショットクラスに置き換えます。たとえば、infra-vol-snap-mygroup/hosted-vol-snap-mygroup,group=mygroup および infra-vol-snap-mymap/hosted-vol-snap-mymap,group=mymap です。
5.3.2.4. KubeVirt 仮想マシンのルートボリュームの設定

クラスターの作成時に、--root-volume-storage-class 引数を使用して、KubeVirt 仮想マシンルートボリュームをホストするために使用するストレージクラスを設定できます。

手順

  • KubeVirt 仮想マシンのカスタムのストレージクラスとボリュームサイズを設定するには、次のコマンドを実行します。

    $ hcp create cluster kubevirt \
      --name <hosted_cluster_name> \ 1
      --node-pool-replicas <worker_node_count> \ 2
      --pull-secret <path_to_pull_secret> \ 3
      --memory <memory> \ 4
      --cores <cpu> \ 5
      --root-volume-storage-class <root_volume_storage_class> \ 6
      --root-volume-size <volume_size> 7
    1
    ホステッドクラスターの名前を指定します (例: example)。
    2
    ワーカー数を指定します (例: 2)。
    3
    プルシークレットへのパスを指定します (例: /user/name/pullsecret)。
    4
    メモリーの値を指定します (例: 8Gi)。
    5
    CPU の値を指定します (例: 2)。
    6
    KubeVirt 仮想マシンルートボリュームをホストするストレージクラスの名前を指定します (例: ocs-storagecluster-ceph-rbd)。
    7
    ボリュームサイズを指定します (例: 64)。

    これにより、PVC 上でホストされる仮想マシンを使用してホステッドクラスターが作成されます。

5.3.2.5. KubeVirt 仮想マシンイメージキャッシュの有効化

KubeVirt 仮想マシンイメージキャッシュを使用すると、クラスターの起動時間とストレージ使用量の両方を最適化できます。KubeVirt 仮想マシンイメージキャッシュは、スマートクローニングと ReadWriteMany アクセスモードが可能なストレージクラスの使用をサポートします。スマートクローン作成の詳細は、smart-cloning を使用したデータボリュームのクローン作成 を参照してください。

イメージのキャッシュは次のように機能します。

  1. VM イメージは、ホステッドクラスターに関連付けられた PVC にインポートされます。
  2. その PVC の一意のクローンは、クラスターにワーカーノードとして追加されるすべての KubeVirt VM に対して作成されます。

イメージキャッシュを使用すると、イメージのインポートが 1 つだけ必要になるため、VM の起動時間が短縮されます。ストレージクラスがコピーオンライトクローン作成をサポートしている場合、クラスター全体のストレージ使用量をさらに削減できます。

手順

  • イメージキャッシュを有効にするには、クラスターの作成時に、次のコマンドを実行して --root-volume-cache-strategy=PVC 引数を使用します。

    $ hcp create cluster kubevirt \
      --name <hosted_cluster_name> \ 1
      --node-pool-replicas <worker_node_count> \ 2
      --pull-secret <path_to_pull_secret> \ 3
      --memory <memory> \ 4
      --cores <cpu> \ 5
      --root-volume-cache-strategy=PVC 6
    1
    ホステッドクラスターの名前を指定します (例: example)。
    2
    ワーカー数を指定します (例: 2)。
    3
    プルシークレットへのパスを指定します (例: /user/name/pullsecret)。
    4
    メモリーの値を指定します (例: 8Gi)。
    5
    CPU の値を指定します (例: 2)。
    6
    イメージキャッシュのストラテジー (例: PVC) を指定します。
5.3.2.6. etcd ストレージの設定

クラスターの作成時に、--etcd-storage-class 引数を使用して、etcd データをホストするために使用されるストレージクラスを設定できます。

手順

  • etcd のストレージクラスを設定するには、次のコマンドを実行します。

    $ hcp create cluster kubevirt \
      --name <hosted_cluster_name> \ 1
      --node-pool-replicas <worker_node_count> \ 2
      --pull-secret <path_to_pull_secret> \ 3
      --memory <memory> \ 4
      --cores <cpu> \ 5
      --etcd-storage-class=<etcd_storage_class_name> 6
    1
    ホステッドクラスターの名前を指定します (例: example)。
    2
    ワーカー数を指定します (例: 2)。
    3
    プルシークレットへのパスを指定します (例: /user/name/pullsecret)。
    4
    メモリーの値を指定します (例: 8Gi)。
    5
    CPU の値を指定します (例: 2)。
    6
    etcd ストレージクラス名を指定します (例: lvm-storageclass)。--etcd-storage-class 引数を指定しない場合は、デフォルトのストレージクラスが使用されます。

5.3.3. hcp CLI を使用して NVIDIA GPU デバイスをアタッチする

OpenShift Virtualization 上のホステッドクラスターの hcp コマンドラインインターフェイス (CLI) を使用して、1 つ以上の NVIDIA グラフィックスプロセッシングユニット (GPU) デバイスをノードプールにアタッチできます。

重要

NVIDIA GPU デバイスをノードプールにアタッチする機能は、テクノロジープレビュー機能です。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat 製品サポートのサービスレベルアグリーメント (SLA) の対象外であり、機能的に完全ではない場合があります。Red Hat は、実稼働環境でこれらを使用することを推奨していません。テクノロジープレビューの機能は、最新の製品機能をいち早く提供して、開発段階で機能のテストを行いフィードバックを提供していただくことを目的としています。

Red Hat のテクノロジープレビュー機能のサポート範囲に関する詳細は、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。

前提条件

  • GPU デバイスが存在するノード上のリソースとして NVIDIA GPU デバイスを公開した。詳細は、NVIDIA GPU Operator with OpenShift Virtualization を参照してください。
  • ノードプールに割り当てるために、NVIDIA GPU デバイスをノード上の 拡張リソース として公開した。

手順

  • 次のコマンドを実行すると、クラスターの作成中に GPU デバイスをノードプールにアタッチできます。

    $ hcp create cluster kubevirt \
      --name <hosted_cluster_name> \1
      --node-pool-replicas <worker_node_count> \2
      --pull-secret <path_to_pull_secret> \3
      --memory <memory> \4
      --cores <cpu> \5
      --host-device-name="<gpu_device_name>,count:<value>" 6
    1
    ホステッドクラスターの名前を指定します (例: example)。
    2
    ワーカー数を指定します (例: 3)。
    3
    プルシークレットへのパスを指定します (例: /user/name/pullsecret)。
    4
    メモリーの値を指定します (例: 16Gi)。
    5
    CPU の値を指定します (例: 2)。
    6
    GPU デバイス名と数を指定します (例: --host-device-name="nvidia-a100,count:2")。--host-device-name 引数は、インフラストラクチャーノードからの GPU デバイスの名前と、ノードプール内の各仮想マシンにアタッチする GPU デバイスの数を表すオプション数を取得します。デフォルトは 1 です。たとえば、2 つの GPU デバイスを 3 つのノードプールレプリカにアタッチすると、ノードプール内の 3 つの仮想マシンすべてが 2 つの GPU デバイスにアタッチされます。
    ヒント

    --host-device-name 引数を複数回使用して、タイプの異なる複数デバイスをアタッチできます。

5.3.4. NodePool リソースを使用して NVIDIA GPU デバイスをアタッチする

NodePool リソースの nodepool.spec.platform.kubevirt.hostDevices フィールドを設定することで、1 つ以上の NVIDIA グラフィックスプロセッシングユニット (GPU) デバイスをノードプールにアタッチできます。

重要

NVIDIA GPU デバイスをノードプールにアタッチする機能は、テクノロジープレビュー機能です。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat 製品サポートのサービスレベルアグリーメント (SLA) の対象外であり、機能的に完全ではない場合があります。Red Hat は、実稼働環境でこれらを使用することを推奨していません。テクノロジープレビューの機能は、最新の製品機能をいち早く提供して、開発段階で機能のテストを行いフィードバックを提供していただくことを目的としています。

Red Hat のテクノロジープレビュー機能のサポート範囲に関する詳細は、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。

手順

  • 1 つ以上の GPU デバイスをノードプールにアタッチします。

    • 1 つの GPU デバイスをアタッチするには、次の設定例を使用して NodePool リソースを設定します。

      apiVersion: hypershift.openshift.io/v1beta1
      kind: NodePool
      metadata:
        name: <hosted_cluster_name> 1
        namespace: <hosted_cluster_namespace> 2
      spec:
        arch: amd64
        clusterName: <hosted_cluster_name>
        management:
          autoRepair: false
          upgradeType: Replace
        nodeDrainTimeout: 0s
        nodeVolumeDetachTimeout: 0s
        platform:
          kubevirt:
            attachDefaultNetwork: true
            compute:
              cores: <cpu> 3
              memory: <memory> 4
            hostDevices: 5
            - count: <count> 6
              deviceName: <gpu_device_name> 7
            networkInterfaceMultiqueue: Enable
            rootVolume:
              persistent:
                size: 32Gi
              type: Persistent
          type: KubeVirt
        replicas: <worker_node_count> 8
      1
      ホステッドクラスターの名前を指定します (例: example)。
      2
      ホステッドクラスターの namespace の名前を指定します (例: clusters)。
      3
      CPU の値を指定します (例: 2)。
      4
      メモリーの値を指定します (例: 16Gi)。
      5
      hostDevices フィールドは、ノードプールにアタッチできる各種 GPU デバイスのリストを定義します。
      6
      ノードプール内の各仮想マシンにアタッチする GPU デバイスの数を指定します。たとえば、2 つの GPU デバイスを 3 つのノードプールレプリカにアタッチすると、ノードプール内の 3 つの仮想マシンすべてが 2 つの GPU デバイスにアタッチされます。デフォルトは 1 です。
      7
      GPU デバイス名を指定します (例: nvidia-a100)。
      8
      ワーカー数を指定します (例: 3)。
    • 複数の GPU デバイスをアタッチするには、次の設定例を使用して NodePool リソースを設定します。

      apiVersion: hypershift.openshift.io/v1beta1
      kind: NodePool
      metadata:
        name: <hosted_cluster_name>
        namespace: <hosted_cluster_namespace>
      spec:
        arch: amd64
        clusterName: <hosted_cluster_name>
        management:
          autoRepair: false
          upgradeType: Replace
        nodeDrainTimeout: 0s
        nodeVolumeDetachTimeout: 0s
        platform:
          kubevirt:
            attachDefaultNetwork: true
            compute:
              cores: <cpu>
              memory: <memory>
            hostDevices:
            - count: <count>
              deviceName: <gpu_device_name>
            - count: <count>
              deviceName: <gpu_device_name>
            - count: <count>
              deviceName: <gpu_device_name>
            - count: <count>
              deviceName: <gpu_device_name>
            networkInterfaceMultiqueue: Enable
            rootVolume:
              persistent:
                size: 32Gi
              type: Persistent
          type: KubeVirt
        replicas: <worker_node_count>

5.4. 非ベアメタルエージェントマシンでの Hosted Control Plane の管理

非ベアメタルエージェントマシンに Hosted Control Plane をデプロイした後、次のタスクを完了してホステッドクラスターを管理できます。

5.4.1. ホステッドクラスターへのアクセス

ホステッドクラスターにアクセスするには、kubeconfig ファイルと kubeadmin 認証情報をリソースから直接取得するか、hcp コマンドラインインターフェイスを使用して kubeconfig ファイルを生成します。

前提条件

リソースから kubeconfig ファイルと認証情報を直接取得し、ホステッドクラスターにアクセスするには、ホステッドクラスターのアクセスシークレットを理解している必要があります。ホステッドクラスター (ホスティング) のリソースとアクセスシークレットは、ホステッドクラスターの namespace に格納されます。Hosted Control Plane は、Hosted Control Plane の namespace で実行されます。

シークレット名の形式は次のとおりです。

  • kubeconfig シークレット: <hosted_cluster_namespace>-<name>-admin-kubeconfig.たとえば、clusters-hypershift-demo-admin-kubeconfig です。
  • kubeadmin パスワードシークレット: <hosted_cluster_namespace>-<name>-kubeadmin-password.たとえば、clusters-hypershift-demo-kubeadmin-password です。

kubeconfig シークレットには Base64 でエンコードされた kubeconfig フィールドが含まれており、これをデコードしてファイルに保存し、次のコマンドで使用できます。

$ oc --kubeconfig <hosted_cluster_name>.kubeconfig get nodes

kubeadmin パスワードシークレットも Base64 でエンコードされます。これをデコードし、そのパスワードを使用して、ホステッドクラスターの API サーバーまたはコンソールにログインできます。

手順

  • hcp CLI を使用してホステッドクラスターにアクセスして kubeconfig ファイルを生成するには、次の手順を実行します。

    1. 次のコマンドを入力して、kubeconfig ファイルを生成します。

      $ hcp create kubeconfig --namespace <hosted_cluster_namespace> --name <hosted_cluster_name> > <hosted_cluster_name>.kubeconfig
    2. kubeconfig ファイルを保存した後、次のコマンド例を入力して、ホステッドクラスターにアクセスできます。

      $ oc --kubeconfig <hosted_cluster_name>.kubeconfig get nodes

5.4.2. ホステッドクラスターの NodePool オブジェクトのスケーリング

ホステッドクラスターにノードを追加することで、NodePool オブジェクトをスケールアップできます。ノードプールをスケーリングする際には、次の情報を考慮してください。

  • ノードプールによってレプリカをスケーリングすると、マシンが作成されます。クラスター API プロバイダーは、すべてのマシンに対して、ノードプール仕様で指定された要件を満たすエージェントを見つけてインストールします。エージェントのステータスと状態を確認することで、エージェントのインストールを監視できます。
  • ノードプールをスケールダウンすると、エージェントは対応するクラスターからバインド解除されます。Agent を再利用するには、Discovery イメージを使用してエージェントを再起動する必要があります。

手順

  1. NodePool オブジェクトを 2 つのノードにスケーリングします。

    $ oc -n <hosted_cluster_namespace> scale nodepool <nodepool_name> --replicas 2

    Cluster API エージェントプロバイダーは、ホステッドクラスターに割り当てられる 2 つのエージェントをランダムに選択します。これらのエージェントはさまざまな状態を経て、最終的に OpenShift Container Platform ノードとしてホステッドクラスターに参加します。エージェントは次の順序で状態を通過します。

    • binding
    • discovering
    • insufficient
    • installing
    • installing-in-progress
    • added-to-existing-cluster
  2. 以下のコマンドを入力します。

    $ oc -n <hosted_control_plane_namespace> get agent

    出力例

    NAME                                   CLUSTER         APPROVED   ROLE          STAGE
    4dac1ab2-7dd5-4894-a220-6a3473b67ee6   hypercluster1   true       auto-assign
    d9198891-39f4-4930-a679-65fb142b108b                   true       auto-assign
    da503cf1-a347-44f2-875c-4960ddb04091   hypercluster1   true       auto-assign

  3. 以下のコマンドを入力します。

    $ oc -n <hosted_control_plane_namespace> get agent -o jsonpath='{range .items[*]}BMH: {@.metadata.labels.agent-install\.openshift\.io/bmh} Agent: {@.metadata.name} State: {@.status.debugInfo.state}{"\n"}{end}'

    出力例

    BMH: ocp-worker-2 Agent: 4dac1ab2-7dd5-4894-a220-6a3473b67ee6 State: binding
    BMH: ocp-worker-0 Agent: d9198891-39f4-4930-a679-65fb142b108b State: known-unbound
    BMH: ocp-worker-1 Agent: da503cf1-a347-44f2-875c-4960ddb04091 State: insufficient

  4. 次の extract コマンドを入力して、新しいホステッドクラスターの kubeconfig を取得します。

    $ oc extract -n <hosted_cluster_namespace> secret/<hosted_cluster_name>-admin-kubeconfig --to=- > kubeconfig-<hosted_cluster_name>
  5. エージェントが added-to-existing-cluster 状態に達したら、次のコマンドを入力して、ホステッドクラスターの OpenShift Container Platform ノードが表示されることを確認します。

    $ oc --kubeconfig kubeconfig-<hosted_cluster_name> get nodes

    出力例

    NAME           STATUS   ROLES    AGE     VERSION
    ocp-worker-1   Ready    worker   5m41s   v1.24.0+3882f8f
    ocp-worker-2   Ready    worker   6m3s    v1.24.0+3882f8f

    Cluster Operator は、ワークロードをノードに追加することによって調整を開始します。

  6. 次のコマンドを入力して、NodePool オブジェクトをスケールアップしたときに 2 台のマシンが作成されたことを確認します。

    $ oc -n <hosted_control_plane_namespace> get machines

    出力例

    NAME                            CLUSTER               NODENAME       PROVIDERID                                     PHASE     AGE   VERSION
    hypercluster1-c96b6f675-m5vch   hypercluster1-b2qhl   ocp-worker-1   agent://da503cf1-a347-44f2-875c-4960ddb04091   Running   15m   4.x.z
    hypercluster1-c96b6f675-tl42p   hypercluster1-b2qhl   ocp-worker-2   agent://4dac1ab2-7dd5-4894-a220-6a3473b67ee6   Running   15m   4.x.z

    clusterversion 調整プロセスは最終的に、Ingress および Console クラスター Operator のみが欠落しているポイントに到達します。

  7. 以下のコマンドを入力します。

    $ oc --kubeconfig kubeconfig-<hosted_cluster_name> get clusterversion,co

    出力例

    NAME                                         VERSION   AVAILABLE   PROGRESSING   SINCE   STATUS
    clusterversion.config.openshift.io/version             False       True          40m     Unable to apply 4.x.z: the cluster operator console has not yet successfully rolled out
    
    NAME                                                                             VERSION   AVAILABLE   PROGRESSING   DEGRADED   SINCE   MESSAGE
    clusteroperator.config.openshift.io/console                                      4.12z     False       False         False      11m     RouteHealthAvailable: failed to GET route (https://console-openshift-console.apps.hypercluster1.domain.com): Get "https://console-openshift-console.apps.hypercluster1.domain.com": dial tcp 10.19.3.29:443: connect: connection refused
    clusteroperator.config.openshift.io/csi-snapshot-controller                      4.12z     True        False         False      10m
    clusteroperator.config.openshift.io/dns                                          4.12z     True        False         False      9m16s

5.4.2.1. ノードプールの追加

名前、レプリカの数、およびエージェントラベルセレクターなどの追加情報を指定して、ホステッドクラスターのノードプールを作成できます。

手順

  1. ノードプールを作成するには、次の情報を入力します。

    $ hcp create nodepool agent \
      --cluster-name <hosted_cluster_name> \1
      --name <nodepool_name> \2
      --node-count <worker_node_count> \3
      --agentLabelSelector '{"matchLabels": {"size": "medium"}}' 4
    1
    <hosted_cluster_name> は、ホステッドクラスターの名前に置き換えます。
    2
    <nodepool_name> は、ノードプールの名前に置き換えます (例: <hosted_cluster_name>-extra-cpu)。
    3
    <worker_node_count> は、ワーカーノード数 (例: 2) に置き換えます。
    4
    --agentLabelSelector フラグは任意です。ノードプールは、"size" : "medium" ラベルを持つエージェントを使用します。
  2. clusters namespace 内の nodepool リソースをリスト表示して、ノードプールのステータスを確認します。

    $ oc get nodepools --namespace clusters
  3. 次のコマンドを入力して、admin-kubeconfig シークレットを抽出します。

    $ oc extract -n <hosted_control_plane_namespace> secret/admin-kubeconfig --to=./hostedcluster-secrets --confirm

    出力例

    hostedcluster-secrets/kubeconfig

  4. しばらくしてから、次のコマンドを入力してノードプールのステータスを確認できます。

    $ oc --kubeconfig ./hostedcluster-secrets get nodes

検証

  • 次のコマンドを入力して、使用可能なノードプールの数が予想されるノードプールの数と一致することを確認します。

    $ oc get nodepools --namespace clusters
5.4.2.2. ホステッドクラスターのノード自動スケーリングの有効化

ホステッドクラスターにさらに容量が必要で、予備のエージェントが利用可能な場合は、自動スケーリングを有効にして新しいワーカーノードをインストールできます。

手順

  1. 自動スケーリングを有効にするには、次のコマンドを入力します。

    $ oc -n <hosted_cluster_namespace> patch nodepool <hosted_cluster_name> --type=json -p '[{"op": "remove", "path": "/spec/replicas"},{"op":"add", "path": "/spec/autoScaling", "value": { "max": 5, "min": 2 }}]'
    注記

    この例では、ノードの最小数は 2、最大数は 5 です。追加できるノードの最大数は、プラットフォームによって制限される場合があります。たとえば、エージェントプラットフォームを使用する場合、ノードの最大数は使用可能なエージェントの数によって制限されます。

  2. 新しいノードを必要とするワークロードを作成します。

    1. 次の例を使用して、ワークロード設定を含む YAML ファイルを作成します。

      apiVersion: apps/v1
      kind: Deployment
      metadata:
        creationTimestamp: null
        labels:
          app: reversewords
        name: reversewords
        namespace: default
      spec:
        replicas: 40
        selector:
          matchLabels:
            app: reversewords
        strategy: {}
        template:
          metadata:
            creationTimestamp: null
            labels:
              app: reversewords
        spec:
          containers:
          - image: quay.io/mavazque/reversewords:latest
            name: reversewords
            resources:
              requests:
                memory: 2Gi
      status: {}
    2. ファイルを workload-config.yaml として保存します。
    3. 以下のコマンドを入力して、YAML を適用します。

      $ oc apply -f workload-config.yaml
  3. 次のコマンドを入力して、admin-kubeconfig シークレットを抽出します。

    $ oc extract -n <hosted_cluster_namespace> secret/<hosted_cluster_name>-admin-kubeconfig --to=./hostedcluster-secrets --confirm

    出力例

    hostedcluster-secrets/kubeconfig

  4. 次のコマンドを入力して、新しいノードが Ready ステータスであるかどうかを確認できます。

    $ oc --kubeconfig ./hostedcluster-secrets get nodes
  5. ノードを削除するには、次のコマンドを入力してワークロードを削除します。

    $ oc --kubeconfig ./hostedcluster-secrets -n <namespace> delete deployment <deployment_name>
  6. 数分間待ちます。その間に、容量の追加が必要にならないようにします。エージェントプラットフォームでは、エージェントは廃止され、再利用できます。次のコマンドを入力すると、ノードが削除されたことを確認できます。

    $ oc --kubeconfig ./hostedcluster-secrets get nodes
注記

IBM Z エージェントの場合、コンピュートノードがクラスターからデタッチされるのは、KVM エージェントを使用する IBM Z の場合だけです。z/VM および LPAR の場合は、コンピュートノードを手動で削除する必要があります。

エージェントは、KVM を使用する IBM Z でのみ再利用できます。z/VM および LPAR の場合は、エージェントを再作成して、それらをコンピュートノードとして使用してください。

5.4.2.3. ホストされたクラスターのノードの自動スケーリングを無効にする

ノードの自動スケーリングを無効にするには、次の手順を実行します。

手順

  • ホステッドクラスターのノードの自動スケーリングを無効にするには、次のコマンドを入力します。

    $ oc -n <hosted_cluster_namespace> patch nodepool <hosted_cluster_name> --type=json -p '[\{"op":"remove", "path": "/spec/autoScaling"}, \{"op": "add", "path": "/spec/replicas", "value": <specify_value_to_scale_replicas>]'

    このコマンドは、YAML ファイルから "spec.autoScaling" を削除し、"spec.replicas" を追加し、"spec.replicas" を指定の整数値に設定します。

5.4.3. ベアメタル上のホステッドクラスターでの Ingress の処理

すべての OpenShift Container Platform クラスターには、通常、外部 DNS レコードが関連付けられているデフォルトのアプリケーション Ingress コントローラーがあります。たとえば、ベースドメイン krnl.esexample という名前のホストされたクラスターを作成する場合は、ワイルドカードドメイン *.apps.example.krnl.es がルーティング可能であると予想することができます。

手順

*.apps ドメインのロードバランサーとワイルドカード DNS レコードを設定するには、ゲストクラスターで次のアクションを実行します。

  1. MetalLB Operator の設定を含む YAML ファイルを作成して MetalLB をデプロイします。

    apiVersion: v1
    kind: Namespace
    metadata:
      name: metallb
      labels:
        openshift.io/cluster-monitoring: "true"
      annotations:
        workload.openshift.io/allowed: management
    ---
    apiVersion: operators.coreos.com/v1
    kind: OperatorGroup
    metadata:
      name: metallb-operator-operatorgroup
      namespace: metallb
    ---
    apiVersion: operators.coreos.com/v1alpha1
    kind: Subscription
    metadata:
      name: metallb-operator
      namespace: metallb
    spec:
      channel: "stable"
      name: metallb-operator
      source: redhat-operators
      sourceNamespace: openshift-marketplace
  2. ファイルを metallb-operator-config.yaml として保存します。
  3. 以下のコマンドを入力して設定を適用します。

    $ oc apply -f metallb-operator-config.yaml
  4. Operator の実行後、MetalLB インスタンスを作成します。

    1. MetalLB インスタンスの設定を含む YAML ファイルを作成します。

      apiVersion: metallb.io/v1beta1
      kind: MetalLB
      metadata:
        name: metallb
        namespace: metallb
    2. ファイルを metallb-instance-config.yaml として保存します。
    3. 次のコマンドを入力して、MetalLB インスタンスを作成します。

      $ oc apply -f metallb-instance-config.yaml
  5. 単一の IP アドレスを含む IPAddressPool リソースを作成します。この IP アドレスは、クラスターノードが使用するネットワークと同じサブネット上にある必要があります。

    1. 以下の例のような内容で、ipaddresspool.yaml などのファイルを作成します。

      apiVersion: metallb.io/v1beta1
      kind: IPAddressPool
      metadata:
        namespace: metallb
        name: <ip_address_pool_name> 1
      spec:
        addresses:
          - <ingress_ip>-<ingress_ip> 2
        autoAssign: false
      1
      IPAddressPool リソース名を指定します。
      2
      環境の IP アドレスを指定します。たとえば、192.168.122.23 です。
    2. 次のコマンドを入力して、IP アドレスプールの設定を適用します。

      $ oc apply -f ipaddresspool.yaml
  6. L2 アドバタイズメントを作成します。

    1. 以下の例のような内容で、l2advertisement.yaml などのファイルを作成します。

      apiVersion: metallb.io/v1beta1
      kind: L2Advertisement
      metadata:
        name: <l2_advertisement_name> 1
        namespace: metallb
      spec:
        ipAddressPools:
         - <ip_address_pool_name> 2
      1
      L2Advertisement リソース名を指定します。
      2
      IPAddressPool リソース名を指定します。
    2. 次のコマンドを入力して設定を適用します。

      $ oc apply -f l2advertisement.yaml
  7. LoadBalancer タイプのサービスを作成すると、MetalLB はサービスに外部 IP アドレスを追加します。

    1. metallb-loadbalancer-service.yaml という名前の YAML ファイルを作成して、Ingress トラフィックを Ingress デプロイメントにルーティングする新しいロードバランサーサービスを設定します。

      kind: Service
      apiVersion: v1
      metadata:
        annotations:
          metallb.universe.tf/address-pool: ingress-public-ip
        name: metallb-ingress
        namespace: openshift-ingress
      spec:
        ports:
          - name: http
            protocol: TCP
            port: 80
            targetPort: 80
          - name: https
            protocol: TCP
            port: 443
            targetPort: 443
        selector:
          ingresscontroller.operator.openshift.io/deployment-ingresscontroller: default
        type: LoadBalancer
    2. metallb-loadbalancer-service.yaml ファイルを保存します。
    3. YAML 設定を適用するには、次のコマンドを入力します。

      $ oc apply -f metallb-loadbalancer-service.yaml
    4. 次のコマンドを入力して、OpenShift Container Platform コンソールにアクセスします。

      $ curl -kI https://console-openshift-console.apps.example.krnl.es

      出力例

      HTTP/1.1 200 OK

    5. clusterversionclusteroperator の値をチェックして、すべてが実行されていることを確認します。以下のコマンドを入力します。

      $ oc --kubeconfig <hosted_cluster_name>.kubeconfig get clusterversion,co

      出力例

      NAME                                         VERSION   AVAILABLE   PROGRESSING   SINCE   STATUS
      clusterversion.config.openshift.io/version   4.x.y      True        False        3m32s   Cluster version is 4.x.y
      
      NAME                                                                             VERSION   AVAILABLE   PROGRESSING   DEGRADED   SINCE   MESSAGE
      clusteroperator.config.openshift.io/console                                      4.x.y     True        False         False      3m50s
      clusteroperator.config.openshift.io/ingress                                      4.x.y     True        False         False      53m

      <4.x.y> は、使用するサポート対象の OpenShift Container Platform バージョン (例: 4.17.0-multi) に置き換えます。

5.4.4. ベアメタル上でマシンのヘルスチェックを有効にする

ベアメタル上でマシンのヘルスチェックを有効にして、異常なマネージドクラスターノードを自動的に修復および置き換えることができます。マネージドクラスターにインストールする準備ができている追加のエージェントマシンが必要です。

マシンのヘルスチェックを有効にする前に、次の制限を考慮してください。

  • MachineHealthCheck オブジェクトを変更することはできません。
  • マシンヘルスチェックでは、少なくとも 2 つのノードが 8 分以上 False または Unknown ステータスのままである場合にのみ、ノードが置き換えられます。

マネージドクラスターノードのマシンヘルスチェックを有効にすると、ホストされたクラスターに MachineHealthCheck オブジェクトが作成されます。

手順

ホストされたクラスターでマシンのヘルスチェックを有効にするには、NodePool リソースを変更します。以下の手順を実行します。

  1. NodePool リソースの spec.nodeDrainTimeout 値が 0s より大きいことを確認します。<hosted_cluster_namespace> をホストされたクラスター namespace の名前に置き換え、<nodepool_name> をノードプール名に置き換えます。以下のコマンドを実行します。

    $ oc get nodepool -n <hosted_cluster_namespace> <nodepool_name> -o yaml | grep nodeDrainTimeout

    出力例

    nodeDrainTimeout: 30s

  2. spec.nodeDrainTimeout 値が 0s より大きくない場合は、次のコマンドを実行して値を変更します。

    $ oc patch nodepool -n <hosted_cluster_namespace> <nodepool_name> -p '{"spec":{"nodeDrainTimeout": "30m"}}' --type=merge
  3. NodePool リソースで spec.management.autoRepair フィールドを true に設定して、マシンのヘルスチェックを有効にします。以下のコマンドを実行します。

    $ oc patch nodepool -n <hosted_cluster_namespace> <nodepool_name> -p '{"spec": {"management": {"autoRepair":true}}}' --type=merge
  4. 次のコマンドを実行して、NodePool リソースが autoRepair: true 値で更新されていることを確認します。

    $ oc get nodepool -n <hosted_cluster_namespace> <nodepool_name> -o yaml | grep autoRepair

5.4.5. ベアメタル上でマシンのヘルスチェックを無効にする

マネージドクラスターノードのマシンのヘルスチェックを無効にするには、NodePool リソースを変更します。

手順

  1. NodePool リソースで spec.management.autoRepair フィールドを false に設定して、マシンのヘルスチェックを無効にします。以下のコマンドを実行します。

    $ oc patch nodepool -n <hosted_cluster_namespace> <nodepool_name> -p '{"spec": {"management": {"autoRepair":false}}}' --type=merge
  2. 次のコマンドを実行して、NodePool リソースが autoRepair: false 値で更新されていることを確認します。

    $ oc get nodepool -n <hosted_cluster_namespace> <nodepool_name> -o yaml | grep autoRepair

5.5. IBM Power での Hosted Control Plane の管理

IBM Power に Hosted Control Plane をデプロイした後、次のタスクを完了してホステッドクラスターを管理できます。

5.5.1. IBM Power 上の Hosted Control Plane 用の InfraEnv リソースを作成する

InfraEnv は、ライブ ISO を開始しているホストがエージェントとして参加できる環境です。この場合、エージェントは Hosted Control Plane と同じ namespace に作成されます。

IBM Power コンピュートノード用の 64 ビット x86 ベアメタル上に、Hosted Control Plane 用の InfraEnv リソースを作成できます。

手順

  1. InfraEnv リソースを設定するための YAML ファイルを作成します。以下の例を参照してください。

    apiVersion: agent-install.openshift.io/v1beta1
    kind: InfraEnv
    metadata:
      name: <hosted_cluster_name> \1
      namespace: <hosted_control_plane_namespace> \2
    spec:
      cpuArchitecture: ppc64le
      pullSecretRef:
        name: pull-secret
      sshAuthorizedKey: <path_to_ssh_public_key> 3
    1
    <hosted_cluster_name> は、ホステッドクラスターの名前に置き換えます。
    2
    <hosted_control_plane_namespace> は、Hosted Control Plane の namespace の名前 (例: clusters-hosted) に置き換えます。
    3
    <path_to_ssh_public_key> は、SSH 公開鍵へのパスに置き換えます。デフォルトのファイルパスは ~/.ssh/id_rsa.pub です。
  2. ファイルを infraenv-config.yaml として保存します。
  3. 次のコマンドを入力して設定を適用します。

    $ oc apply -f infraenv-config.yaml
  4. URL を取得してライブ ISO をダウンロードし、IBM Power マシンがエージェントとして参加できるようにするには、以下のコマンドを入力します。

    $ oc -n <hosted_control_plane_namespace> get InfraEnv <hosted_cluster_name> -o json

5.5.2. InfraEnv リソースへの IBM Power エージェントの追加

エージェントを追加するには、ライブ ISO で開始するようにマシンを手動で設定できます。

手順

  1. ライブ ISO をダウンロードし、それを使用してベアメタルまたは仮想マシン (VM) ホストを起動します。ライブ ISO の URL は、InfraEnv リソースの status.isoDownloadURL フィールドにあります。起動時に、ホストは Assisted Service と通信し、InfraEnv リソースと同じ namespace にエージェントとして登録します。
  2. エージェントとそのプロパティーの一部を一覧表示するには、次のコマンドを入力します。

    $ oc -n <hosted_control_plane_namespace> get agents

    出力例

    NAME                                   CLUSTER   APPROVED   ROLE          STAGE
    86f7ac75-4fc4-4b36-8130-40fa12602218                        auto-assign
    e57a637f-745b-496e-971d-1abbf03341ba                        auto-assign

  3. 各エージェントが作成された後、必要に応じてエージェントの installation_disk_idhostname を設定できます。

    1. エージェントの installation_disk_id フィールドを設定するには、次のコマンドを入力します。

      $ oc -n <hosted_control_plane_namespace> patch agent <agent_name> -p '{"spec":{"installation_disk_id":"<installation_disk_id>","approved":true}}' --type merge
    2. エージェントの hostname フィールドを設定するには、次のコマンドを入力します。

      $ oc -n <hosted_control_plane_namespace> patch agent <agent_name> -p '{"spec":{"hostname":"<hostname>","approved":true}}' --type merge

検証

  • エージェントの使用が承認されていることを確認するには、次のコマンドを入力します。

    $ oc -n <hosted_control_plane_namespace> get agents

    出力例

    NAME                                   CLUSTER   APPROVED   ROLE          STAGE
    86f7ac75-4fc4-4b36-8130-40fa12602218             true       auto-assign
    e57a637f-745b-496e-971d-1abbf03341ba             true       auto-assign

5.5.3. IBM Power 上のホステッドクラスターの NodePool オブジェクトのスケーリング

NodePool オブジェクトは、ホステッドクラスターの作成時に作成されます。NodePool オブジェクトをスケーリングすることで、Hosted Control Plane にさらに多くのコンピュートノードを追加できます。

手順

  1. 次のコマンドを実行して、NodePool オブジェクトを 2 つのノードにスケーリングします。

    $ oc -n <hosted_cluster_namespace> scale nodepool <nodepool_name> --replicas 2

    Cluster API エージェントプロバイダーは、ホステッドクラスターに割り当てられる 2 つのエージェントをランダムに選択します。これらのエージェントはさまざまな状態を経て、最終的に OpenShift Container Platform ノードとしてホステッドクラスターに参加します。エージェントは次の順序で移行フェーズを通過します。

    • binding
    • discovering
    • insufficient
    • installing
    • installing-in-progress
    • added-to-existing-cluster
  2. 次のコマンドを実行して、スケールされた特定のエージェントのステータスを確認します。

    $ oc -n <hosted_control_plane_namespace> get agent -o jsonpath='{range .items[*]}BMH: {@.metadata.labels.agent-install\.openshift\.io/bmh} Agent: {@.metadata.name} State: {@.status.debugInfo.state}{"\n"}{end}'

    出力例

    BMH: Agent: 50c23cda-cedc-9bbd-bcf1-9b3a5c75804d State: known-unbound
    BMH: Agent: 5e498cd3-542c-e54f-0c58-ed43e28b568a State: insufficient

  3. 次のコマンドを実行して、移行フェーズを表示します。

    $ oc -n <hosted_control_plane_namespace> get agent

    出力例

    NAME                                   CLUSTER            APPROVED       ROLE          STAGE
    50c23cda-cedc-9bbd-bcf1-9b3a5c75804d   hosted-forwarder   true           auto-assign
    5e498cd3-542c-e54f-0c58-ed43e28b568a                      true           auto-assign
    da503cf1-a347-44f2-875c-4960ddb04091   hosted-forwarder   true           auto-assign

  4. 次のコマンドを実行して、ホステッドクラスターにアクセスするための kubeconfig ファイルを生成します。

    $ hcp create kubeconfig --namespace <hosted_cluster_namespace> --name <hosted_cluster_name> > <hosted_cluster_name>.kubeconfig
  5. エージェントが added-to-existing-cluster 状態に達したら、次のコマンドを入力して、OpenShift Container Platform ノードが表示されることを確認します。

    $ oc --kubeconfig <hosted_cluster_name>.kubeconfig get nodes

    出力例

    NAME                             STATUS   ROLES    AGE      VERSION
    worker-zvm-0.hostedn.example.com Ready    worker   5m41s    v1.24.0+3882f8f
    worker-zvm-1.hostedn.example.com Ready    worker   6m3s     v1.24.0+3882f8f

  6. 次のコマンドを入力して、NodePool オブジェクトをスケールアップしたときに 2 台のマシンが作成されたことを確認します。

    $ oc -n <hosted_control_plane_namespace> get machine.cluster.x-k8s.io

    出力例

    NAME                                CLUSTER                  NODENAME                           PROVIDERID                                     PHASE     AGE   VERSION
    hosted-forwarder-79558597ff-5tbqp   hosted-forwarder-crqq5   worker-zvm-0.hostedn.example.com   agent://50c23cda-cedc-9bbd-bcf1-9b3a5c75804d   Running   41h   4.15.0
    hosted-forwarder-79558597ff-lfjfk   hosted-forwarder-crqq5   worker-zvm-1.hostedn.example.com   agent://5e498cd3-542c-e54f-0c58-ed43e28b568a   Running   41h   4.15.0

  7. 次のコマンドを実行して、クラスターのバージョンを確認します。

    $ oc --kubeconfig <hosted_cluster_name>.kubeconfig get clusterversion

    出力例

    NAME                                         VERSION       AVAILABLE   PROGRESSING   SINCE   STATUS
    clusterversion.config.openshift.io/version   4.15.0        True        False         40h     Cluster version is 4.15.0

  8. 次のコマンドを実行して、クラスター Operator のステータスを確認します。

    $ oc --kubeconfig <hosted_cluster_name>.kubeconfig get clusteroperators

    クラスターの各コンポーネントについて、出力に次のクラスター Operator ステータスが表示されます。

    • NAME
    • VERSION
    • AVAILABLE
    • PROGRESSING
    • DEGRADED
    • SINCE
    • MESSAGE

第6章 非接続環境での Hosted Control Plane のデプロイ

6.1. 非接続環境の Hosted Control Plane の概要

Hosted Control Plane のコンテキストでは、非接続環境は、インターネットに接続されておらず、Hosted Control Plane をベースとして使用する OpenShift Container Platform デプロイメントです。Hosted Control Plane は、ベアメタルまたは OpenShift Virtualization 上の非接続環境にデプロイできます。

非接続環境の Hosted Control Plane は、スタンドアロンの OpenShift Container Platform とは異なる動作をします。

  • コントロールプレーンは、管理クラスター内にあります。コントロールプレーンは、Control Plane Operator によって Hosted Control Plane の Pod が実行および管理される場所です。
  • データプレーンは、ホステッドクラスターのワーカー内にあります。データプレーンは、HostedClusterConfig Operator によって管理されるワークロードやその他の Pod が実行される場所です。

Pod は、実行される場所に応じて、管理クラスターで作成された ImageDigestMirrorSet (IDMS) または ImageContentSourcePolicy (ICSP) か、ホステッドクラスターのマニフェストの spec フィールドに設定されている ImageContentSource の影響を受けます。spec フィールドは、ホステッドクラスター上の IDMS オブジェクトに変換されます。

Hosted Control Plane は、IPv4、IPv6、デュアルスタックネットワーク上の非接続環境にデプロイできます。IPv4 は、非接続環境に Hosted Control Plane をデプロイするための最もシンプルなネットワーク設定の 1 つです。IPv4 範囲では、IPv6 またはデュアルスタック設定よりも必要な外部コンポーネントが少なくなります。非接続環境の OpenShift Virtualization 上の Hosted Control Plane の場合は、IPv4 またはデュアルスタックネットワークのいずれかを使用してください。

重要

デュアルスタックネットワーク上の非接続環境の Hosted Control Plane は、テクノロジープレビュー機能です。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat 製品サポートのサービスレベルアグリーメント (SLA) の対象外であり、機能的に完全ではない場合があります。Red Hat は、実稼働環境でこれらを使用することを推奨していません。テクノロジープレビューの機能は、最新の製品機能をいち早く提供して、開発段階で機能のテストを行いフィードバックを提供していただくことを目的としています。

Red Hat のテクノロジープレビュー機能のサポート範囲に関する詳細は、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。

6.2. 非接続環境で OpenShift Virtualization に Hosted Control Plane をデプロイする

Hosted Control Plane を非接続環境でデプロイする場合、使用するプラットフォームに応じて手順の一部が異なります。以下の手順は、OpenShift Virtualization へのデプロイに固有のものです。

6.2.1. 前提条件

  • 管理クラスターとして機能する、非接続の OpenShift Container Platform 環境がある。
  • イメージをミラーリングするための内部レジストリーがある。詳細は、非接続インストールミラーリングについて を参照してください。

6.2.2. 非接続環境で Hosted Control Plane のイメージミラーリングを設定する

イメージミラーリングは、registry.redhat.comquay.io などの外部レジストリーからイメージを取得し、プライベートレジストリーに保存するプロセスです。

次の手順では、ImageSetConfiguration オブジェクトを使用するバイナリーである、oc-mirror ツールが使用されます。このファイルで、以下の情報を指定できます。

  • ミラーリングする OpenShift Container Platform バージョン。バージョンは quay.io にあります。
  • ミラーリングする追加の Operator。パッケージは個別に選択します。
  • リポジトリーに追加する追加のイメージ。

前提条件

ミラーリングプロセスを開始する前に、レジストリーサーバーが実行されていることを確認する。

手順

イメージのミラーリングを設定するには、以下の手順を実行します。

  1. ${HOME}/.docker/config.json ファイルが、ミラーリング元のレジストリーとイメージのプッシュ先のプライベートレジストリーで更新されていることを確認します。
  2. 次の例を使用して、ミラーリングに使用する ImageSetConfiguration オブジェクトを作成します。環境に合わせて必要に応じて値を置き換えます。

    apiVersion: mirror.openshift.io/v1alpha2
    kind: ImageSetConfiguration
    storageConfig:
      registry:
        imageURL: registry.<dns.base.domain.name>:5000/openshift/release/metadata:latest 1
    mirror:
      platform:
        channels:
        - name: candidate-4.17
          minVersion: 4.x.y-build  2
          maxVersion: 4.x.y-build 3
          type: ocp
        kubeVirtContainer: true 4
        graph: true
      additionalImages:
      - name: quay.io/karmab/origin-keepalived-ipfailover:latest
      - name: quay.io/karmab/kubectl:latest
      - name: quay.io/karmab/haproxy:latest
      - name: quay.io/karmab/mdns-publisher:latest
      - name: quay.io/karmab/origin-coredns:latest
      - name: quay.io/karmab/curl:latest
      - name: quay.io/karmab/kcli:latest
      - name: quay.io/user-name/trbsht:latest
      - name: quay.io/user-name/hypershift:BMSelfManage-v4.17
      - name: registry.redhat.io/openshift4/ose-kube-rbac-proxy:v4.10
      operators:
      - catalog: registry.redhat.io/redhat/redhat-operator-index:v4.17
        packages:
        - name: lvms-operator
        - name: local-storage-operator
        - name: odf-csi-addons-operator
        - name: odf-operator
        - name: mcg-operator
        - name: ocs-operator
        - name: metallb-operator
        - name: kubevirt-hyperconverged 5
    1
    <dns.base.domain.name> は、DNS ベースドメイン名に置き換えます。
    2 3
    4.x.y-build は、使用するサポート対象の OpenShift Container Platform バージョンに置き換えます。
    4
    KubeVirt プロバイダーの Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) ブートイメージのコンテナーディスクイメージもミラーリングする場合は、このオプションのフラグを true に設定します。このフラグは oc-mirror v2 でのみ使用できます。
    5
    KubeVirt プロバイダーを使用するデプロイメントの場合は、この行を含めます。
  3. 次のコマンドを入力して、ミラーリングプロセスを開始します。

    $ oc-mirror --v2 --config imagesetconfig.yaml docker://${REGISTRY}

    ミラーリングプロセスが完了すると、oc-mirror-workspace/results-XXXXXX/ という名前の新しいフォルダーが作成されます。このフォルダーには、ホステッドクラスターに適用する IDMS とカタログソースが含まれています。

  4. imagesetconfig.yaml ファイルを次のように設定して、OpenShift Container Platform のナイトリーバージョンまたは CI バージョンをミラーリングします。

    apiVersion: mirror.openshift.io/v2alpha1
    kind: ImageSetConfiguration
    mirror:
      platform:
        graph: true
        release: registry.ci.openshift.org/ocp/release:4.x.y-build 1
        kubeVirtContainer: true 2
    # ...
    1
    4.x.y-build は、使用するサポート対象の OpenShift Container Platform バージョンに置き換えます。
    2
    KubeVirt プロバイダーの Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) ブートイメージのコンテナーディスクイメージもミラーリングする場合は、このオプションのフラグを true に設定します。このフラグは oc-mirror v2 でのみ使用できます。
  5. 次のコマンドを入力して、ファイルに変更を適用します。

    $ oc-mirror --v2 --config imagesetconfig.yaml docker://${REGISTRY}
  6. 非接続ネットワークへのインストール の手順に従って、最新の multicluster engine Operator イメージをミラーリングします。

6.2.3. 管理クラスターでのオブジェクトの適用

ミラーリングプロセスが完了したら、管理クラスターに 2 つのオブジェクトを適用する必要があります。

  • ImageContentSourcePolicy (ICSP) または ImageDigestMirrorSet (IDMS)
  • カタログソース

oc-mirror ツールを使用すると、出力アーティファクトは oc-mirror-workspace/results-XXXXXX/ という名前のフォルダーに保存されます。

ICSP または IDMS は、ノードを再起動せずに、各ノードの kubelet を再起動する MachineConfig の変更を開始します。ノードが READY としてマークされたら、新しく生成されたカタログソースを適用する必要があります。

カタログソースは、カタログイメージのダウンロードや処理を行い、そのイメージに含まれるすべての PackageManifests を取得するなど、openshift-marketplace Operator でアクションを開始します。

手順

  1. 新しいソースを確認するには、新しい CatalogSource をソースとして使用して次のコマンドを実行します。

    $ oc get packagemanifest
  2. アーティファクトを適用するには、次の手順を実行します。

    1. 次のコマンドを入力して、ICSP または IDMS アーティファクトを作成します。

      $ oc apply -f oc-mirror-workspace/results-XXXXXX/imageContentSourcePolicy.yaml
    2. ノードの準備が完了するまで待ってから、次のコマンドを入力します。

      $ oc apply -f catalogSource-XXXXXXXX-index.yaml
  3. OLM カタログをミラーリングし、ホステッドクラスターがミラーを参照するように設定します。

    管理 (デフォルト) OLMCatalogPlacement モードを使用する場合、OLM カタログに使用されるイメージストリームは、管理クラスター上の ICSP からのオーバーライド情報で自動的に修正されません。

    1. OLM カタログが元の名前とタグを使用して内部レジストリーに適切にミラーリングされている場合は、hypershift.openshift.io/olm-catalogs-is-registry-overrides アノテーションを HostedCluster リソースに追加します。形式は "sr1=dr1,sr2=dr2" です。ソースレジストリーの文字列がキーで、宛先レジストリーが値です。
    2. OLM カタログのイメージストリームメカニズムを回避するには、HostedCluster リソースで次の 4 つのアノテーションを使用して、OLM Operator カタログに使用する 4 つのイメージのアドレスを直接指定します。

      • hypershift.openshift.io/certified-operators-catalog-image
      • hypershift.openshift.io/community-operators-catalog-image
      • hypershift.openshift.io/redhat-marketplace-catalog-image
      • hypershift.openshift.io/redhat-operators-catalog-image

この場合、イメージストリームは作成されないため、Operator の更新を取得するために内部ミラーを更新するときに、アノテーションの値を更新する必要があります。

次のステップ

Hosted Control Plane の非接続インストールのために multicluster engine Operator をデプロイする の手順を実行して、multicluster engine Operator をデプロイします。

6.2.4. Hosted Control Plane の非接続インストールのために multicluster engine Operator をデプロイする

multicluster engine for Kubernetes Operator は、複数のプロバイダーでクラスターをデプロイする場合に重要な役割を果たします。multicluster engine Operator がインストールされていない場合は、次のドキュメントを参照して、インストールの前提条件と手順を確認してください。

6.2.5. Hosted Control Plane の非接続インストールのために TLS 証明書を設定する

非接続デプロイメントで適切な機能を確保するには、管理クラスターとホステッドクラスターのワーカーノードでレジストリー CA 証明書を設定する必要があります。

6.2.5.1. 管理クラスターにレジストリー CA を追加する

管理クラスターにレジストリー CA を追加するには、次の手順を実行します。

手順

  1. 次の例のような config map を作成します。

    apiVersion: v1
    kind: ConfigMap
    metadata:
      name: <config_map_name> 1
      namespace: <config_map_namespace> 2
    data: 3
      <registry_name>..<port>: | 4
        -----BEGIN CERTIFICATE-----
        -----END CERTIFICATE-----
      <registry_name>..<port>: |
        -----BEGIN CERTIFICATE-----
        -----END CERTIFICATE-----
      <registry_name>..<port>: |
        -----BEGIN CERTIFICATE-----
        -----END CERTIFICATE-----
    1
    config map の名前を指定します。
    2
    config map の namespace を指定します。
    3
    data フィールドには、レジストリー名とレジストリー証明書の内容を指定します。<port> は、レジストリーサーバーが実行されているポート (例: 5000) に置き換えます。
    4
    config map 内のデータは、| - などの他の方法ではなく、必ず | だけを使用して定義します。他の方法を使用すると、Pod が証明書を読み取るときに問題が発生する可能性があります。
  2. クラスター全体のオブジェクト image.config.openshift.io にパッチを適用して、次の仕様を含めます。

    spec:
      additionalTrustedCA:
        - name: registry-config

    このパッチの結果、コントロールプレーンノードがプライベートレジストリーからイメージを取得できるようになります。また、HyperShift Operator がホステッドクラスターのデプロイメント用の OpenShift Container Platform ペイロードを抽出できるようになります。

    オブジェクトにパッチを適用するプロセスが完了するまでに数分かかる場合があります。

6.2.5.2. ホステッドクラスターのワーカーノードにレジストリー CA を追加する

ホステッドクラスターのデータプレーンワーカーがプライベートレジストリーからイメージを取得できるようにするために、ワーカーノードにレジストリー CA を追加する必要があります。

手順

  1. hc.spec.additionalTrustBundle ファイルに次の仕様を追加します。

    spec:
      additionalTrustBundle:
        - name: user-ca-bundle 1
    1
    user-ca-bundle エントリーは、次の手順で作成する config map です。
  2. HostedCluster オブジェクトの作成先と同じ namespace で、user-ca-bundle config map を作成します。config map は次の例のようになります。

    apiVersion: v1
    data:
      ca-bundle.crt: |
        // Registry1 CA
        -----BEGIN CERTIFICATE-----
        -----END CERTIFICATE-----
    
        // Registry2 CA
        -----BEGIN CERTIFICATE-----
        -----END CERTIFICATE-----
    
        // Registry3 CA
        -----BEGIN CERTIFICATE-----
        -----END CERTIFICATE-----
    
    kind: ConfigMap
    metadata:
      name: user-ca-bundle
      namespace: <hosted_cluster_namespace> 1
    1
    HostedCluster オブジェクトの作成先の namespace を指定します。

6.2.6. OpenShift Virtualization でのホステッドクラスターの作成

ホステッドクラスターは、コントロールプレーンと API エンドポイントが管理クラスターでホストされている OpenShift Container Platform クラスターです。ホステッドクラスターには、コントロールプレーンとそれに対応するデータプレーンが含まれます。

6.2.6.1. OpenShift Virtualization に Hosted Control Plane をデプロイするための要件

OpenShift Virtualization に Hosted Control Plane をデプロイする準備をする際には、次の情報を考慮してください。

  • Hosted Control Plane の同じプラットフォームで、ハブクラスターとワーカーを実行します。
  • 各ホステッドクラスターに、クラスター全体で一意の名前が必要です。multicluster engine Operator によってホステッドクラスターを管理するには、ホステッドクラスター名を既存のマネージドクラスターと同じにすることはできません。
  • ホステッドクラスター名として clusters を使用しないでください。
  • ホステッドクラスターは、multicluster engine Operator のマネージドクラスターの namespace には作成できません。
  • Hosted Control Plane のストレージを設定する場合は、etcd の推奨プラクティスを考慮してください。レイテンシー要件を満たすには、各コントロールプレーンノードで実行されるすべての Hosted Control Plane の etcd インスタンス専用の高速ストレージデバイスを使用します。LVM ストレージを使用して、ホストされた etcd Pod のローカルストレージクラスを設定できます。詳細は、「推奨される etcd プラクティス」および「論理ボリュームマネージャーストレージを使用した永続ストレージ」を参照してください。
6.2.6.2. CLI を使用して KubeVirt プラットフォームでホステッドクラスターを作成する

ホステッドクラスターを作成するには、Hosted Control Plane コマンドラインインターフェイス (hcp) を使用できます。

手順

  1. 以下のコマンドを入力します。

    $ hcp create cluster kubevirt \
      --name <hosted-cluster-name> \ 1
      --node-pool-replicas <worker-count> \ 2
      --pull-secret <path-to-pull-secret> \ 3
      --memory <value-for-memory> \ 4
      --cores <value-for-cpu> \ 5
      --etcd-storage-class=<etcd-storage-class> 6
    1
    ホステッドクラスターの名前を指定します (例: example)。
    2
    ワーカー数を指定します (例: 2)。
    3
    プルシークレットへのパスを指定します (例: /user/name/pullsecret)。
    4
    メモリーの値を指定します (例: 6Gi)。
    5
    CPU の値を指定します (例: 2)。
    6
    etcd ストレージクラス名を指定します (例: lvm-storageclass)。
    注記

    --release-image フラグを使用すると、特定の OpenShift Container Platform リリースを使用してホステッドクラスターを設定できます。

    --node-pool-replicas フラグに従って、2 つの仮想マシンワーカーレプリカを持つクラスターに対してデフォルトのノードプールが作成されます。

  2. しばらくすると、次のコマンドを入力して、ホストされているコントロールプレーン Pod が実行されていることを確認できます。

    $ oc -n clusters-<hosted-cluster-name> get pods

    出力例

    NAME                                                  READY   STATUS    RESTARTS   AGE
    capi-provider-5cc7b74f47-n5gkr                        1/1     Running   0          3m
    catalog-operator-5f799567b7-fd6jw                     2/2     Running   0          69s
    certified-operators-catalog-784b9899f9-mrp6p          1/1     Running   0          66s
    cluster-api-6bbc867966-l4dwl                          1/1     Running   0          66s
    .
    .
    .
    redhat-operators-catalog-9d5fd4d44-z8qqk              1/1     Running   0          66s

    KubeVirt 仮想マシンによってサポートされるワーカーノードを含むホステッドクラスターは、通常、完全にプロビジョニングされるまでに 10 ~ 15 分かかります。

  3. ホステッドクラスターのステータスを確認するには、次のコマンドを入力して、対応する HostedCluster リソースを確認します。

    $ oc get --namespace clusters hostedclusters

    完全にプロビジョニングされた HostedCluster オブジェクトを示す以下の出力例を参照してください。

    NAMESPACE   NAME      VERSION   KUBECONFIG                 PROGRESS    AVAILABLE   PROGRESSING   MESSAGE
    clusters    example   4.x.0     example-admin-kubeconfig   Completed   True        False         The hosted control plane is available

    4.x.0 を、使用するサポートされている OpenShift Container Platform バージョンに置き換えます。

6.2.6.3. OpenShift Virtualization 上の Hosted Control Plane のデフォルトの Ingress と DNS を設定する

すべての OpenShift Container Platform クラスターにはデフォルトのアプリケーション Ingress コントローラーが含まれており、これにはワイルドカード DNS レコードが関連付けられている必要があります。デフォルトでは、HyperShift KubeVirt プロバイダーを使用して作成されたホステッドクラスターは、自動的に KubeVirt 仮想マシンが実行される OpenShift Container Platform クラスターのサブドメインになります。

たとえば、OpenShift Container Platform クラスターには次のデフォルトの Ingress DNS エントリーがある可能性があります。

*.apps.mgmt-cluster.example.com

その結果、guest という名前が付けられ、その基礎となる OpenShift Container Platform クラスター上で実行される KubeVirt ホステッドクラスターには、次のデフォルト Ingress が設定されます。

*.apps.guest.apps.mgmt-cluster.example.com

手順

デフォルトの Ingress DNS が適切に機能するには、KubeVirt 仮想マシンをホストするクラスターでワイルドカード DNS ルートを許可する必要があります。

  • この動作は、以下のコマンドを入力して設定できます。

    $ oc patch ingresscontroller -n openshift-ingress-operator default --type=json -p '[{ "op": "add", "path": "/spec/routeAdmission", "value": {wildcardPolicy: "WildcardsAllowed"}}]'
注記

デフォルトのホステッドクラスターの Ingress を使用する場合、接続がポート 443 経由の HTTPS トラフィックに制限されます。ポート 80 経由のプレーン HTTP トラフィックは拒否されます。この制限は、デフォルトの Ingress の動作にのみ適用されます。

6.2.6.4. Ingress と DNS の動作のカスタマイズ

デフォルトの Ingress および DNS 動作を使用しない場合は、作成時に一意のベースドメインを使用して KubeVirt ホステッドクラスターを設定できます。このオプションでは、作成時に手動の設定手順が必要であり、クラスターの作成、ロードバランサーの作成、およびワイルドカード DNS 設定の 3 つの主要な手順が含まれます。

6.2.6.4.1. ベースドメインを指定するホステッドクラスターのデプロイ

ベースドメインを指定するホステッドクラスターを作成するには、次の手順を実行します。

手順

  1. 以下のコマンドを入力します。

    $ hcp create cluster kubevirt \
      --name <hosted_cluster_name> \ 1
      --node-pool-replicas <worker_count> \ 2
      --pull-secret <path_to_pull_secret> \ 3
      --memory <value_for_memory> \ 4
      --cores <value_for_cpu> \ 5
      --base-domain <basedomain> 6
    1
    ホステッドクラスターの名前を指定します。
    2
    ワーカー数を指定します (例: 2)。
    3
    プルシークレットへのパスを指定します (例: /user/name/pullsecret)。
    4
    メモリーの値を指定します (例: 6Gi)。
    5
    CPU の値を指定します (例: 2)。
    6
    ベースドメインを指定します (例: hypershift.lab)。

    その結果、ホストされたクラスターには、クラスター名とベースドメイン用に設定された Ingress ワイルドカード (例: .apps.example.hypershift.lab) が含まれます。ホステッドクラスターは Partial ステータスのままです。一意のベースドメインを持つホステッドクラスターを作成した後、必要な DNS レコードとロードバランサーを設定する必要があるためです。

  2. 次のコマンドを入力して、ホストされたクラスターのステータスを表示します。

    $ oc get --namespace clusters hostedclusters

    出力例

    NAME            VERSION   KUBECONFIG                       PROGRESS   AVAILABLE   PROGRESSING   MESSAGE
    example                   example-admin-kubeconfig         Partial    True        False         The hosted control plane is available

  3. 次のコマンドを入力してクラスターにアクセスします。

    $ hcp create kubeconfig --name <hosted_cluster_name> > <hosted_cluster_name>-kubeconfig
    $ oc --kubeconfig <hosted_cluster_name>-kubeconfig get co

    出力例

    NAME                                       VERSION   AVAILABLE   PROGRESSING   DEGRADED   SINCE   MESSAGE
    console                                    4.x.0     False       False         False      30m     RouteHealthAvailable: failed to GET route (https://console-openshift-console.apps.example.hypershift.lab): Get "https://console-openshift-console.apps.example.hypershift.lab": dial tcp: lookup console-openshift-console.apps.example.hypershift.lab on 172.31.0.10:53: no such host
    ingress                                    4.x.0     True        False         True       28m     The "default" ingress controller reports Degraded=True: DegradedConditions: One or more other status conditions indicate a degraded state: CanaryChecksSucceeding=False (CanaryChecksRepetitiveFailures: Canary route checks for the default ingress controller are failing)

    4.x.0 を、使用するサポートされている OpenShift Container Platform バージョンに置き換えます。

次のステップ

出力のエラーを修正するには、「ロードバランサーのセットアップ」および「ワイルドカード DNS の設定」の手順を完了します。

注記

ホステッドクラスターがベアメタル上にある場合は、ロードバランサーサービスを設定するために MetalLB が必要になる場合があります。詳細は、「MetalLB の設定」を参照してください。

6.2.6.4.2. ロードバランサーのセットアップ

Ingress トラフィックを KubeVirt 仮想マシンにルーティングし、ロードバランサー IP アドレスにワイルドカード DNS エントリーを割り当てるロードバランサーサービスを設定します。

手順

  1. ホストされたクラスターの Ingress を公開する NodePort サービスがすでに存在します。ノードポートをエクスポートし、それらのポートをターゲットとするロードバランサーサービスを作成できます。

    1. 次のコマンドを入力して、HTTP ノードポートを取得します。

      $ oc --kubeconfig <hosted_cluster_name>-kubeconfig get services -n openshift-ingress router-nodeport-default -o jsonpath='{.spec.ports[?(@.name=="http")].nodePort}'

      次の手順で使用する HTTP ノードポート値をメモします。

    2. 次のコマンドを入力して、HTTPS ノードポートを取得します。

      $ oc --kubeconfig <hosted_cluster_name>-kubeconfig get services -n openshift-ingress router-nodeport-default -o jsonpath='{.spec.ports[?(@.name=="https")].nodePort}'

      次の手順で使用する HTTPS ノードポート値をメモします。

  2. 次のコマンドを入力して、ロードバランサーサービスを作成します。

    oc apply -f -
    apiVersion: v1
    kind: Service
    metadata:
      labels:
        app: <hosted_cluster_name>
      name: <hosted_cluster_name>-apps
      namespace: clusters-<hosted_cluster_name>
    spec:
      ports:
      - name: https-443
        port: 443
        protocol: TCP
        targetPort: <https_node_port> 1
      - name: http-80
        port: 80
        protocol: TCP
        targetPort: <http-node-port> 2
      selector:
        kubevirt.io: virt-launcher
      type: LoadBalancer
    1
    前の手順でメモした HTTPS ノードポート値を指定します。
    2
    前の手順でメモした HTTP ノードポート値を指定します。
6.2.6.4.3. ワイルドカード DNS の設定

ロードバランサーサービスの外部 IP を参照するワイルドカード DNS レコードまたは CNAME を設定します。

手順

  1. 次のコマンドを入力して外部 IP アドレスを取得します。

    $ oc -n clusters-<hosted_cluster_name> get service <hosted-cluster-name>-apps -o jsonpath='{.status.loadBalancer.ingress[0].ip}'

    出力例

    192.168.20.30

  2. 外部 IP アドレスを参照するワイルドカード DNS エントリーを設定します。次の DNS エントリーの例を表示します。

    *.apps.<hosted_cluster_name\>.<base_domain\>.

    DNS エントリーは、クラスターの内部と外部にルーティングできる必要があります。

    DNS 解決の例

    dig +short test.apps.example.hypershift.lab
    
    192.168.20.30

  3. 次のコマンドを実行して、ホストされたクラスターのステータスが Partial から Completed に移行したことを確認します。

    $ oc get --namespace clusters hostedclusters

    出力例

    NAME            VERSION   KUBECONFIG                       PROGRESS    AVAILABLE   PROGRESSING   MESSAGE
    example         4.x.0     example-admin-kubeconfig         Completed   True        False         The hosted control plane is available

    4.x.0 を、使用するサポートされている OpenShift Container Platform バージョンに置き換えます。

6.2.7. デプロイの完了

ホステッドクラスターのデプロイは、コントロールプレーンの観点とデータプレーンの観点から監視できます。

6.2.7.1. コントロールプレーンの監視

デプロイの進行中に、次のアーティファクトに関する情報を収集してコントロールプレーンを監視できます。

  • HyperShift Operator
  • HostedControlPlane Pod
  • ベアメタルホスト
  • エージェント
  • InfraEnv リソース
  • HostedCluster および NodePool リソース

手順

  • コントロールプレーンを監視するには、次のコマンドを入力します。

    $ export KUBECONFIG=/root/.kcli/clusters/hub-ipv4/auth/kubeconfig
    $ watch "oc get pod -n hypershift;echo;echo;oc get pod -n clusters-hosted-ipv4;echo;echo;oc get bmh -A;echo;echo;oc get agent -A;echo;echo;oc get infraenv -A;echo;echo;oc get hostedcluster -A;echo;echo;oc get nodepool -A;echo;echo;"
6.2.7.2. データプレーンの監視

デプロイの進行中に、次のアーティファクトに関する情報を収集してデータプレーンを監視できます。

  • クラスターのバージョン
  • ノード (特にノードがクラスターに参加したかどうかについて)
  • クラスター Operator

手順

  • 次のコマンドを入力します。

    $ oc get secret -n clusters-hosted-ipv4 admin-kubeconfig -o jsonpath='{.data.kubeconfig}' |base64 -d > /root/hc_admin_kubeconfig.yaml
    $ export KUBECONFIG=/root/hc_admin_kubeconfig.yaml
    $ watch "oc get clusterversion,nodes,co"

6.3. 非接続環境でベアメタルに Hosted Control Plane をデプロイする

Hosted Control Plane をベアメタルにプロビジョニングする場合は、Agent プラットフォームを使用します。Agent プラットフォームと multicluster engine for Kubernetes Operator が連携して、非接続デプロイメントを可能にします。Agent プラットフォームは、Central Infrastructure Management サービスを使用して、ホステッドクラスターにワーカーノードを追加します。Central Infrastructure Management の概要は、Central Infrastructure Management の有効化 を参照してください。

6.3.1. ベアメタル向けの非接続環境のアーキテクチャー

以下の図は、非接続環境のアーキテクチャーの例を示しています。

Disconnected architecture diagram

  1. TLS サポートを備えたレジストリー証明書のデプロイメント、Web サーバー、DNS などのインフラストラクチャーサービスを設定して、非接続デプロイメントが確実に機能するようにします。
  2. openshift-config namespace に config map を作成します。この例では、config map の名前は registry-config になります。config map の内容はレジストリー CA 証明書です。config map の data フィールドには、次のキー/値が含まれている必要があります。

    • キー: <registry_dns_domain_name>..<port> (例: registry.hypershiftdomain.lab..5000:)ポートを指定するときは、レジストリー DNS ドメイン名の後に .. を配置するようにしてください。
    • 値: 証明書の内容

      config map の作成の詳細は、Hosted Control Plane の非接続インストールのために TLS 証明書を設定する を参照してください。

  3. images.config.openshift.io カスタムリソース (CR) 仕様を変更し、値が name: registry-configadditionalTrustedCA という名前の新規フィールドを追加します。
  4. 2 つのデータフィールドを含む config map を作成します。1 つのフィールドには RAW 形式の registries.conf ファイルが、もう 1 つのフィールドにはレジストリー CA が含まれ、ca-bundle.crt という名前が付けられます。config map は multicluster-engine namespace に属し、config map の名前は他のオブジェクトで参照されます。config map の例は、以下の設定例を参照してください。

    apiVersion: v1
    kind: ConfigMap
    metadata:
      name: custom-registries
      namespace: multicluster-engine
      labels:
        app: assisted-service
    data:
      ca-bundle.crt: |
        -----BEGIN CERTIFICATE-----
        # ...
        -----END CERTIFICATE-----
      registries.conf: |
        unqualified-search-registries = ["registry.access.redhat.com", "docker.io"]
    
        [[registry]]
        prefix = ""
        location = "registry.redhat.io/openshift4"
        mirror-by-digest-only = true
    
        [[registry.mirror]]
          location = "registry.ocp-edge-cluster-0.qe.lab.redhat.com:5000/openshift4"
    
        [[registry]]
        prefix = ""
        location = "registry.redhat.io/rhacm2"
        mirror-by-digest-only = true
    # ...
    # ...
  5. multicluster engine Operator の namespace で、Agent と hypershift-addon アドオンの両方を有効にする multiclusterengine CR を作成します。multicluster engine Operator の namespace には、非接続デプロイメントでの動作を変更するための config map が含まれている必要があります。namespace には、multicluster-engineassisted-service、および hypershift-addon-manager Pod も含まれます。
  6. ホストされたクラスターのデプロイに必要な次のオブジェクトを作成します。

    • シークレット: シークレットには、プルシークレット、SSH キー、etcd 暗号化キーが含まれます。
    • config map: config map には、プライベートレジストリーの CA 証明書が含まれています。
    • HostedCluster: HostedCluster リソースは、ユーザーが作成しようとしているクラスターの設定を定義します。
    • NodePool: NodePool リソースは、データプレーンに使用するマシンを参照するノードプールを識別します。
  7. ホステッドクラスターオブジェクトを作成した後、HyperShift Operator は、コントロールプレーン Pod に対応するために HostedControlPlane namespace を確立します。この namespace は、エージェント、ベアメタルホスト (BMH)、InfraEnv リソースなどのコンポーネントもホストします。その後、InfraEnv リソースを作成し、ISO の作成後に、ベースボード管理コントローラー (BMC) 認証情報を含む BMH とそのシークレットを作成します。
  8. openshift-machine-api namespace の Metal3 Operator は、新しい BMH を検査します。その後、Metal3 Operator は、multicluster engine Operator の namespace の AgentServiceConfig CR を通じて指定された設定済みの LiveISO および RootFS の値を使用して、BMC に接続して BMC を起動しようとします。
  9. HostedCluster リソースのワーカーノードが起動された後、エージェントコンテナーが起動されます。このエージェントは、デプロイメントを完了するためのアクションを調整する Assisted Service との接続を確立します。最初に、NodePool リソースを HostedCluster リソースのワーカーノードの数にスケーリングする必要があります。Assisted Service は残りのタスクを管理します。
  10. この時点で、デプロイメントプロセスが完了するまで待ちます。

6.3.2. 非接続環境でベアメタルに Hosted Control Plane をデプロイするための要件

オフライン環境で Hosted Control Plane を設定するには、次の前提条件を満たす必要があります。

  • CPU: 提供される CPU の数によって、同時に実行できるホステッドクラスターの数が決まります。通常、3 つのノードの場合、各ノードに 16 個の CPU を使用します。最小限の開発では、3 つのノードの場合、各ノードに 12 個の CPU を使用できます。
  • メモリー: RAM の容量は、ホストできるホステッドクラスターの数に影響します。各ノードに 48 GB の RAM を使用します。最小限の開発であれば、18 GB の RAM で十分です。
  • ストレージ: multicluster engine Operator には SSD ストレージを使用します。

    • 管理クラスター: 250 GB。
    • レジストリー: 必要なストレージは、ホストされているリリース、Operator、イメージの数によって異なります。許容可能な数値は 500 GB ですが、ホステッドクラスターをホストするディスクから分離することが望ましいです。
    • Web サーバー: 必要なストレージは、ホストされる ISO とイメージの数によって異なります。許容可能な数値は 500 GB です。
  • 実稼働環境: 実稼働環境の場合、管理クラスター、レジストリー、および Web サーバーを異なるディスク上に分離します。この例は、実稼働環境で可能な設定を示しています。

    • レジストリー: 2 TB
    • 管理クラスター: 500 GB
    • Web サーバー: 2 TB

6.3.3. リリースイメージダイジェストの抽出

タグ付けされたイメージを使用して、OpenShift Container Platform リリースイメージダイジェストを抽出できます。

手順

  • 次のコマンドを実行して、イメージダイジェストを取得します。

    $ oc adm release info <tagged_openshift_release_image> | grep "Pull From"

    <tagged_openshift_release_image> を、サポートされている OpenShift Container Platform バージョンのタグ付きイメージに置き換えます (例: quay.io/openshift-release-dev/ocp-release:4.14.0-x8_64)。

    出力例

    Pull From: quay.io/openshift-release-dev/ocp-release@sha256:69d1292f64a2b67227c5592c1a7d499c7d00376e498634ff8e1946bc9ccdddfe

6.3.4. Hosted Control Plane の非接続インストールのためにハイパーバイザーを設定する

以下の情報は、仮想マシン環境にのみ適用されます。

手順

  1. 仮想管理クラスターをデプロイするために、次のコマンドを入力して必要なパッケージにアクセスします。

    $ sudo dnf install dnsmasq radvd vim golang podman bind-utils net-tools httpd-tools tree htop strace tmux -y
  2. 次のコマンドを入力して、Podman サービスを有効にして起動します。

    $ systemctl enable --now podman
  3. kcli を使用して管理クラスターおよびその他の仮想コンポーネントをデプロイするために、次のコマンドを入力してハイパーバイザーをインストールおよび設定します。

    $ sudo yum -y install libvirt libvirt-daemon-driver-qemu qemu-kvm
    $ sudo usermod -aG qemu,libvirt $(id -un)
    $ sudo newgrp libvirt
    $ sudo systemctl enable --now libvirtd
    $ sudo dnf -y copr enable karmab/kcli
    $ sudo dnf -y install kcli
    $ sudo kcli create pool -p /var/lib/libvirt/images default
    $ kcli create host kvm -H 127.0.0.1 local
    $ sudo setfacl -m u:$(id -un):rwx /var/lib/libvirt/images
    $ kcli create network  -c 192.168.122.0/24 default
  4. ネットワークマネージャーのディスパッチャーを有効にして、仮想マシンが必要なドメイン、ルート、およびレジストリーを解決できるようにします。ネットワークマネージャーのディスパッチャーを有効にするには、/etc/NetworkManager/dispatcher.d/ ディレクトリーに、次の内容を含む forcedns という名前のスクリプトを作成します。

    #!/bin/bash
    
    export IP="192.168.126.1" 1
    export BASE_RESOLV_CONF="/run/NetworkManager/resolv.conf"
    
    if ! [[ `grep -q "$IP" /etc/resolv.conf` ]]; then
    export TMP_FILE=$(mktemp /etc/forcedns_resolv.conf.XXXXXX)
    cp $BASE_RESOLV_CONF $TMP_FILE
    chmod --reference=$BASE_RESOLV_CONF $TMP_FILE
    sed -i -e "s/dns.base.domain.name//" -e "s/search /& dns.base.domain.name /" -e "0,/nameserver/s/nameserver/& $IP\n&/" $TMP_FILE 2
    mv $TMP_FILE /etc/resolv.conf
    fi
    echo "ok"
    1
    OpenShift Container Platform 管理クラスターをホストするハイパーバイザーインターフェイスの IP アドレスを指すように IP 変数を変更します。
    2
    dns.base.domain.name は DNS ベースドメイン名に置き換えます。
  5. ファイルを作成したら、次のコマンドを入力してパーミッションを追加します。

    $ chmod 755 /etc/NetworkManager/dispatcher.d/forcedns
  6. スクリプトを実行し、出力が ok を返すことを確認します。
  7. 仮想マシンのベースボード管理コントローラー (BMC) をシミュレートするように ksushy を設定します。次のコマンドを入力します。

    $ sudo dnf install python3-pyOpenSSL.noarch python3-cherrypy -y
    $ kcli create sushy-service --ssl --ipv6 --port 9000
    $ sudo systemctl daemon-reload
    $ systemctl enable --now ksushy
  8. 次のコマンドを入力して、サービスが正しく機能しているかどうかをテストします。

    $ systemctl status ksushy
  9. 開発環境で作業している場合は、環境内の各種仮想ネットワークを介したさまざまなタイプの接続を許可するようにハイパーバイザーシステムを設定します。

    注記

    実稼働環境で作業している場合は、セキュアな環境を確保するために、firewalld サービスの適切なルールを確立し、SELinux ポリシーを設定する必要があります。

    • SELinux の場合は、次のコマンドを入力します。

      $ sed -i s/^SELINUX=.*$/SELINUX=permissive/ /etc/selinux/config; setenforce 0
    • firewalld の場合は、次のコマンドを入力します。

      $ systemctl disable --now firewalld
    • libvirtd の場合は、以下のコマンドを入力します。

      $ systemctl restart libvirtd
      $ systemctl enable --now libvirtd

6.3.5. ベアメタルでの DNS 設定

ホステッドクラスターの API サーバーは、NodePort サービスとして公開されます。API サーバーに到達できる宛先を指す api.<hosted_cluster_name>.<base_domain> の DNS エントリーが存在する必要があります。

DNS エントリーは、Hosted Control Plane を実行しているマネージドクラスター内のノードの 1 つを指すレコードと同様、単純化できます。エントリーは、受信トラフィックを Ingress Pod にリダイレクトするためにデプロイされるロードバランサーを指すこともできます。

DNS 設定の例

api.example.krnl.es.    IN A 192.168.122.20
api.example.krnl.es.    IN A 192.168.122.21
api.example.krnl.es.    IN A 192.168.122.22
api-int.example.krnl.es.    IN A 192.168.122.20
api-int.example.krnl.es.    IN A 192.168.122.21
api-int.example.krnl.es.    IN A 192.168.122.22
`*`.apps.example.krnl.es. IN A 192.168.122.23

IPv6 ネットワーク上の非接続環境用に DNS を設定する場合、設定は次の例のようになります。

IPv6 ネットワークの DNS 設定の例

api.example.krnl.es.    IN A 2620:52:0:1306::5
api.example.krnl.es.    IN A 2620:52:0:1306::6
api.example.krnl.es.    IN A 2620:52:0:1306::7
api-int.example.krnl.es.    IN A 2620:52:0:1306::5
api-int.example.krnl.es.    IN A 2620:52:0:1306::6
api-int.example.krnl.es.    IN A 2620:52:0:1306::7
`*`.apps.example.krnl.es. IN A 2620:52:0:1306::10

デュアルスタックネットワークの非接続環境で DNS を設定する場合は、IPv4 と IPv6 の両方の DNS エントリーを含めるようにしてください。

デュアルスタックネットワークの DNS 設定の例

host-record=api-int.hub-dual.dns.base.domain.name,192.168.126.10
host-record=api.hub-dual.dns.base.domain.name,192.168.126.10
address=/apps.hub-dual.dns.base.domain.name/192.168.126.11
dhcp-host=aa:aa:aa:aa:10:01,ocp-master-0,192.168.126.20
dhcp-host=aa:aa:aa:aa:10:02,ocp-master-1,192.168.126.21
dhcp-host=aa:aa:aa:aa:10:03,ocp-master-2,192.168.126.22
dhcp-host=aa:aa:aa:aa:10:06,ocp-installer,192.168.126.25
dhcp-host=aa:aa:aa:aa:10:07,ocp-bootstrap,192.168.126.26

host-record=api-int.hub-dual.dns.base.domain.name,2620:52:0:1306::2
host-record=api.hub-dual.dns.base.domain.name,2620:52:0:1306::2
address=/apps.hub-dual.dns.base.domain.name/2620:52:0:1306::3
dhcp-host=aa:aa:aa:aa:10:01,ocp-master-0,[2620:52:0:1306::5]
dhcp-host=aa:aa:aa:aa:10:02,ocp-master-1,[2620:52:0:1306::6]
dhcp-host=aa:aa:aa:aa:10:03,ocp-master-2,[2620:52:0:1306::7]
dhcp-host=aa:aa:aa:aa:10:06,ocp-installer,[2620:52:0:1306::8]
dhcp-host=aa:aa:aa:aa:10:07,ocp-bootstrap,[2620:52:0:1306::9]

6.3.6. 非接続環境で Hosted Control Plane のレジストリーをデプロイする

開発環境の場合は、Podman コンテナーを使用して、小規模な自己ホスト型レジストリーをデプロイします。実稼働環境では、Red Hat Quay、Nexus、Artifactory などのエンタープライズでホストされるレジストリーをデプロイします。

手順

Podman を使用して小規模なレジストリーをデプロイするには、以下の手順を実行します。

  1. 特権ユーザーとして ${HOME} ディレクトリーにアクセスし、次のスクリプトを作成します。

    #!/usr/bin/env bash
    
    set -euo pipefail
    
    PRIMARY_NIC=$(ls -1 /sys/class/net | grep -v podman | head -1)
    export PATH=/root/bin:$PATH
    export PULL_SECRET="/root/baremetal/hub/openshift_pull.json" 1
    
    if [[ ! -f $PULL_SECRET ]];then
      echo "Pull Secret not found, exiting..."
      exit 1
    fi
    
    dnf -y install podman httpd httpd-tools jq skopeo libseccomp-devel
    export IP=$(ip -o addr show $PRIMARY_NIC | head -1 | awk '{print $4}' | cut -d'/' -f1)
    REGISTRY_NAME=registry.$(hostname --long)
    REGISTRY_USER=dummy
    REGISTRY_PASSWORD=dummy
    KEY=$(echo -n $REGISTRY_USER:$REGISTRY_PASSWORD | base64)
    echo "{\"auths\": {\"$REGISTRY_NAME:5000\": {\"auth\": \"$KEY\", \"email\": \"sample-email@domain.ltd\"}}}" > /root/disconnected_pull.json
    mv ${PULL_SECRET} /root/openshift_pull.json.old
    jq ".auths += {\"$REGISTRY_NAME:5000\": {\"auth\": \"$KEY\",\"email\": \"sample-email@domain.ltd\"}}" < /root/openshift_pull.json.old > $PULL_SECRET
    mkdir -p /opt/registry/{auth,certs,data,conf}
    cat <<EOF > /opt/registry/conf/config.yml
    version: 0.1
    log:
      fields:
        service: registry
    storage:
      cache:
        blobdescriptor: inmemory
      filesystem:
        rootdirectory: /var/lib/registry
      delete:
        enabled: true
    http:
      addr: :5000
      headers:
        X-Content-Type-Options: [nosniff]
    health:
      storagedriver:
        enabled: true
        interval: 10s
        threshold: 3
    compatibility:
      schema1:
        enabled: true
    EOF
    openssl req -newkey rsa:4096 -nodes -sha256 -keyout /opt/registry/certs/domain.key -x509 -days 3650 -out /opt/registry/certs/domain.crt -subj "/C=US/ST=Madrid/L=San Bernardo/O=Karmalabs/OU=Guitar/CN=$REGISTRY_NAME" -addext "subjectAltName=DNS:$REGISTRY_NAME"
    cp /opt/registry/certs/domain.crt /etc/pki/ca-trust/source/anchors/
    update-ca-trust extract
    htpasswd -bBc /opt/registry/auth/htpasswd $REGISTRY_USER $REGISTRY_PASSWORD
    podman create --name registry --net host --security-opt label=disable --replace -v /opt/registry/data:/var/lib/registry:z -v /opt/registry/auth:/auth:z -v /opt/registry/conf/config.yml:/etc/docker/registry/config.yml -e "REGISTRY_AUTH=htpasswd" -e "REGISTRY_AUTH_HTPASSWD_REALM=Registry" -e "REGISTRY_HTTP_SECRET=ALongRandomSecretForRegistry" -e REGISTRY_AUTH_HTPASSWD_PATH=/auth/htpasswd -v /opt/registry/certs:/certs:z -e REGISTRY_HTTP_TLS_CERTIFICATE=/certs/domain.crt -e REGISTRY_HTTP_TLS_KEY=/certs/domain.key docker.io/library/registry:latest
    [ "$?" == "0" ] || !!
    systemctl enable --now registry
    1
    PULL_SECRET の場所は、設定に適した場所に置き換えます。
  2. スクリプトファイル registry.sh という名前を指定して保存します。スクリプトを実行すると、以下の情報がプルされます。

    • ハイパーバイザーのホスト名に基づくレジストリー名
    • 必要な認証情報およびユーザーアクセスの詳細
  3. 次のように実行フラグを追加して、パーミッションを調整します。

    $ chmod u+x ${HOME}/registry.sh
  4. パラメーターを指定せずにスクリプトを実行するには、以下のコマンドを入力します。

    $ ${HOME}/registry.sh

    このスクリプトはサーバーを起動します。このスクリプトは、管理目的で systemd サービスを使用します。

  5. スクリプトを管理する必要がある場合は、以下のコマンドを使用できます。

    $ systemctl status
    $ systemctl start
    $ systemctl stop

レジストリーのルートフォルダーは /opt/registry ディレクトリー内にあり、次のサブディレクトリーが含まれています。

  • certs には TLS 証明書が含まれます。
  • auth には認証情報が含まれます。
  • data にはレジストリーイメージが含まれます。
  • conf にはレジストリー設定が含まれています。

6.3.7. 非接続環境で Hosted Control Plane の管理クラスターをデプロイする

OpenShift Container Platform 管理クラスターを設定するには、dev-scripts を使用できます。または、仮想マシンをベースにしている場合は、kcli ツールを使用できます。以下は、kcli ツールに固有のものです。

手順

  1. ハイパーバイザーで使用するために適切なネットワークの準備が完了していることを確認します。ネットワークは、管理クラスターとホステッドクラスターの両方をホストします。以下の kcli コマンドを入力します。

    $ kcli create network -c 192.168.126.0/24 -P dhcp=false -P dns=false -d 2620:52:0:1306::0/64 --domain dns.base.domain.name --nodhcp dual

    ここでは、以下のようになります。

    • -c は、ネットワークの CIDR を指定します。
    • -p dhcp=false は、設定した dnsmasq によって処理される DHCP を無効にするようにネットワークを設定します。
    • -P dns=false は、 DNS を無効にするようにネットワークを設定します。これも、設定した dnsmasq によって処理されます。
    • --domain は、検索するドメインを設定します。
    • dns.base.domain.name は DNS ベースドメイン名です。
    • dual は、作成するネットワークの名前です。
  2. ネットワークを作成したら、以下の出力を確認します。

    [root@hypershiftbm ~]# kcli list network
    Listing Networks...
    +---------+--------+---------------------+-------+------------------+------+
    | Network |  Type  |         Cidr        |  Dhcp |      Domain      | Mode |
    +---------+--------+---------------------+-------+------------------+------+
    | default | routed |   192.168.122.0/24  |  True |     default      | nat  |
    | ipv4    | routed | 2620:52:0:1306::/64 | False | dns.base.domain.name | nat  |
    | ipv4    | routed |   192.168.125.0/24  | False | dns.base.domain.name | nat  |
    | ipv6    | routed | 2620:52:0:1305::/64 | False | dns.base.domain.name | nat  |
    +---------+--------+---------------------+-------+------------------+------+
    [root@hypershiftbm ~]# kcli info network ipv6
    Providing information about network ipv6...
    cidr: 2620:52:0:1306::/64
    dhcp: false
    domain: dns.base.domain.name
    mode: nat
    plan: kvirt
    type: routed
  3. OpenShift Container Platform 管理クラスターをデプロイできるように、プルシークレットと kcli プランファイルが配置されていることを確認します。

    1. プルシークレットが kcli プランと同じフォルダーにあり、プルシークレットファイルの名前が openshift_pull.json であることを確認します。
    2. OpenShift Container Platform 定義を含む kcli プランを mgmt-compact-hub-dual.yaml ファイルに追加します。ご使用の環境に合わせてファイルの内容を更新してください。

      plan: hub-dual
      force: true
      version: stable
      tag: "4.x.y-x86_64" 1
      cluster: "hub-dual"
      dualstack: true
      domain: dns.base.domain.name
      api_ip: 192.168.126.10
      ingress_ip: 192.168.126.11
      service_networks:
      - 172.30.0.0/16
      - fd02::/112
      cluster_networks:
      - 10.132.0.0/14
      - fd01::/48
      disconnected_url: registry.dns.base.domain.name:5000
      disconnected_update: true
      disconnected_user: dummy
      disconnected_password: dummy
      disconnected_operators_version: v4.14
      disconnected_operators:
      - name: metallb-operator
      - name: lvms-operator
        channels:
        - name: stable-4.14
      disconnected_extra_images:
      - quay.io/user-name/trbsht:latest
      - quay.io/user-name/hypershift:BMSelfManage-v4.14-rc-v3
      - registry.redhat.io/openshift4/ose-kube-rbac-proxy:v4.10
      dualstack: true
      disk_size: 200
      extra_disks: [200]
      memory: 48000
      numcpus: 16
      ctlplanes: 3
      workers: 0
      manifests: extra-manifests
      metal3: true
      network: dual
      users_dev: developer
      users_devpassword: developer
      users_admin: admin
      users_adminpassword: admin
      metallb_pool: dual-virtual-network
      metallb_ranges:
      - 192.168.126.150-192.168.126.190
      metallb_autoassign: true
      apps:
      - users
      - lvms-operator
      - metallb-operator
      vmrules:
      - hub-bootstrap:
          nets:
          - name: ipv6
            mac: aa:aa:aa:aa:10:07
      - hub-ctlplane-0:
          nets:
          - name: ipv6
            mac: aa:aa:aa:aa:10:01
      - hub-ctlplane-1:
          nets:
          - name: ipv6
            mac: aa:aa:aa:aa:10:02
      - hub-ctlplane-2:
          nets:
          - name: ipv6
            mac: aa:aa:aa:aa:10:03
      1
      4.x.y を、使用するサポートされている OpenShift Container Platform バージョンに置き換えます。
  4. 管理クラスターをプロビジョニングするには、以下のコマンドを入力します。

    $ kcli create cluster openshift --pf mgmt-compact-hub-dual.yaml

次のステップ

次に、Web サーバーを設定します。

6.3.8. 非接続環境で Hosted Control Plane の Web サーバーを設定する

ホステッドクラスターとしてデプロイする OpenShift Container Platform リリースに関連付けられた Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) イメージをホストするには、追加の Web サーバーを設定する必要があります。

手順

Web サーバーを設定するには、以下の手順を実行します。

  1. 以下のコマンドを入力して、使用する OpenShift Container Platform リリースから openshift-install バイナリーを展開します。

    $ oc adm -a ${LOCAL_SECRET_JSON} release extract --command=openshift-install "${LOCAL_REGISTRY}/${LOCAL_REPOSITORY}:${OCP_RELEASE}-${ARCHITECTURE}"
  2. 次のスクリプトを実行します。このスクリプトは、/opt/srv ディレクトリーにフォルダーを作成します。このフォルダーには、ワーカーノードをプロビジョニングするための RHCOS イメージが含まれています。

    #!/bin/bash
    
    WEBSRV_FOLDER=/opt/srv
    ROOTFS_IMG_URL="$(./openshift-install coreos print-stream-json | jq -r '.architectures.x86_64.artifacts.metal.formats.pxe.rootfs.location')" 1
    LIVE_ISO_URL="$(./openshift-install coreos print-stream-json | jq -r '.architectures.x86_64.artifacts.metal.formats.iso.disk.location')" 2
    
    mkdir -p ${WEBSRV_FOLDER}/images
    curl -Lk ${ROOTFS_IMG_URL} -o ${WEBSRV_FOLDER}/images/${ROOTFS_IMG_URL##*/}
    curl -Lk ${LIVE_ISO_URL} -o ${WEBSRV_FOLDER}/images/${LIVE_ISO_URL##*/}
    chmod -R 755 ${WEBSRV_FOLDER}/*
    
    ## Run Webserver
    podman ps --noheading | grep -q websrv-ai
    if [[ $? == 0 ]];then
        echo "Launching Registry pod..."
        /usr/bin/podman run --name websrv-ai --net host -v /opt/srv:/usr/local/apache2/htdocs:z quay.io/alosadag/httpd:p8080
    fi
    1
    ROOTFS_IMG_URL 値は OpenShift CI Release ページにあります。
    2
    LIVE_ISO_URL 値は、OpenShift CI リリースページで確認できます。

ダウンロードが完了すると、コンテナーが実行され、Web サーバー上でイメージをホストします。このコンテナーは公式 HTTPd イメージのバリエーションを使用しているので、IPv6 ネットワークでの動作も可能になります。

6.3.9. 非接続環境で Hosted Control Plane のイメージミラーリングを設定する

イメージミラーリングは、registry.redhat.comquay.io などの外部レジストリーからイメージを取得し、プライベートレジストリーに保存するプロセスです。

次の手順では、ImageSetConfiguration オブジェクトを使用するバイナリーである、oc-mirror ツールが使用されます。このファイルで、以下の情報を指定できます。

  • ミラーリングする OpenShift Container Platform バージョン。バージョンは quay.io にあります。
  • ミラーリングする追加の Operator。パッケージは個別に選択します。
  • リポジトリーに追加する追加のイメージ。

前提条件

ミラーリングプロセスを開始する前に、レジストリーサーバーが実行されていることを確認する。

手順

イメージのミラーリングを設定するには、以下の手順を実行します。

  1. ${HOME}/.docker/config.json ファイルが、ミラーリング元のレジストリーとイメージのプッシュ先のプライベートレジストリーで更新されていることを確認します。
  2. 次の例を使用して、ミラーリングに使用する ImageSetConfiguration オブジェクトを作成します。環境に合わせて必要に応じて値を置き換えます。

    apiVersion: mirror.openshift.io/v1alpha2
    kind: ImageSetConfiguration
    storageConfig:
      registry:
        imageURL: registry.<dns.base.domain.name>:5000/openshift/release/metadata:latest 1
    mirror:
      platform:
        channels:
        - name: candidate-4.17
          minVersion: 4.x.y-build  2
          maxVersion: 4.x.y-build 3
          type: ocp
        kubeVirtContainer: true 4
        graph: true
      additionalImages:
      - name: quay.io/karmab/origin-keepalived-ipfailover:latest
      - name: quay.io/karmab/kubectl:latest
      - name: quay.io/karmab/haproxy:latest
      - name: quay.io/karmab/mdns-publisher:latest
      - name: quay.io/karmab/origin-coredns:latest
      - name: quay.io/karmab/curl:latest
      - name: quay.io/karmab/kcli:latest
      - name: quay.io/user-name/trbsht:latest
      - name: quay.io/user-name/hypershift:BMSelfManage-v4.17
      - name: registry.redhat.io/openshift4/ose-kube-rbac-proxy:v4.10
      operators:
      - catalog: registry.redhat.io/redhat/redhat-operator-index:v4.17
        packages:
        - name: lvms-operator
        - name: local-storage-operator
        - name: odf-csi-addons-operator
        - name: odf-operator
        - name: mcg-operator
        - name: ocs-operator
        - name: metallb-operator
        - name: kubevirt-hyperconverged 5
    1
    <dns.base.domain.name> は、DNS ベースドメイン名に置き換えます。
    2 3
    4.x.y-build は、使用するサポート対象の OpenShift Container Platform バージョンに置き換えます。
    4
    KubeVirt プロバイダーの Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) ブートイメージのコンテナーディスクイメージもミラーリングする場合は、このオプションのフラグを true に設定します。このフラグは oc-mirror v2 でのみ使用できます。
    5
    KubeVirt プロバイダーを使用するデプロイメントの場合は、この行を含めます。
  3. 次のコマンドを入力して、ミラーリングプロセスを開始します。

    $ oc-mirror --v2 --config imagesetconfig.yaml docker://${REGISTRY}

    ミラーリングプロセスが完了すると、oc-mirror-workspace/results-XXXXXX/ という名前の新しいフォルダーが作成されます。このフォルダーには、ホステッドクラスターに適用する IDMS とカタログソースが含まれています。

  4. imagesetconfig.yaml ファイルを次のように設定して、OpenShift Container Platform のナイトリーバージョンまたは CI バージョンをミラーリングします。

    apiVersion: mirror.openshift.io/v2alpha1
    kind: ImageSetConfiguration
    mirror:
      platform:
        graph: true
        release: registry.ci.openshift.org/ocp/release:4.x.y-build 1
        kubeVirtContainer: true 2
    # ...
    1
    4.x.y-build は、使用するサポート対象の OpenShift Container Platform バージョンに置き換えます。
    2
    KubeVirt プロバイダーの Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) ブートイメージのコンテナーディスクイメージもミラーリングする場合は、このオプションのフラグを true に設定します。このフラグは oc-mirror v2 でのみ使用できます。
  5. 次のコマンドを入力して、ファイルに変更を適用します。

    $ oc-mirror --v2 --config imagesetconfig.yaml docker://${REGISTRY}
  6. 非接続ネットワークへのインストール の手順に従って、最新の multicluster engine Operator イメージをミラーリングします。

6.3.10. 管理クラスターでのオブジェクトの適用

ミラーリングプロセスが完了したら、管理クラスターに 2 つのオブジェクトを適用する必要があります。

  • ImageContentSourcePolicy (ICSP) または ImageDigestMirrorSet (IDMS)
  • カタログソース

oc-mirror ツールを使用すると、出力アーティファクトは oc-mirror-workspace/results-XXXXXX/ という名前のフォルダーに保存されます。

ICSP または IDMS は、ノードを再起動せずに、各ノードの kubelet を再起動する MachineConfig の変更を開始します。ノードが READY としてマークされたら、新しく生成されたカタログソースを適用する必要があります。

カタログソースは、カタログイメージのダウンロードや処理を行い、そのイメージに含まれるすべての PackageManifests を取得するなど、openshift-marketplace Operator でアクションを開始します。

手順

  1. 新しいソースを確認するには、新しい CatalogSource をソースとして使用して次のコマンドを実行します。

    $ oc get packagemanifest
  2. アーティファクトを適用するには、次の手順を実行します。

    1. 次のコマンドを入力して、ICSP または IDMS アーティファクトを作成します。

      $ oc apply -f oc-mirror-workspace/results-XXXXXX/imageContentSourcePolicy.yaml
    2. ノードの準備が完了するまで待ってから、次のコマンドを入力します。

      $ oc apply -f catalogSource-XXXXXXXX-index.yaml
  3. OLM カタログをミラーリングし、ホステッドクラスターがミラーを参照するように設定します。

    管理 (デフォルト) OLMCatalogPlacement モードを使用する場合、OLM カタログに使用されるイメージストリームは、管理クラスター上の ICSP からのオーバーライド情報で自動的に修正されません。

    1. OLM カタログが元の名前とタグを使用して内部レジストリーに適切にミラーリングされている場合は、hypershift.openshift.io/olm-catalogs-is-registry-overrides アノテーションを HostedCluster リソースに追加します。形式は "sr1=dr1,sr2=dr2" です。ソースレジストリーの文字列がキーで、宛先レジストリーが値です。
    2. OLM カタログのイメージストリームメカニズムを回避するには、HostedCluster リソースで次の 4 つのアノテーションを使用して、OLM Operator カタログに使用する 4 つのイメージのアドレスを直接指定します。

      • hypershift.openshift.io/certified-operators-catalog-image
      • hypershift.openshift.io/community-operators-catalog-image
      • hypershift.openshift.io/redhat-marketplace-catalog-image
      • hypershift.openshift.io/redhat-operators-catalog-image

この場合、イメージストリームは作成されないため、Operator の更新を取得するために内部ミラーを更新するときに、アノテーションの値を更新する必要があります。

次のステップ

Hosted Control Plane の非接続インストールのために multicluster engine Operator をデプロイする の手順を実行して、multicluster engine Operator をデプロイします。

6.3.11. Hosted Control Plane の非接続インストールのために multicluster engine Operator をデプロイする

multicluster engine for Kubernetes Operator は、複数のプロバイダーでクラスターをデプロイする場合に重要な役割を果たします。multicluster engine Operator がインストールされていない場合は、次のドキュメントを参照して、インストールの前提条件と手順を確認してください。

6.3.11.1. AgentServiceConfig リソースのデプロイ

AgentServiceConfig カスタムリソースは、multicluster engine Operator の一部である Assisted Service アドオンの重要なコンポーネントです。このリソースはベアメタルクラスターをデプロイします。アドオンが有効な場合に、AgentServiceConfig リソースをデプロイしてアドオンを設定します。

AgentServiceConfig リソースの設定に加えて、multicluster engine Operator が非接続環境で適切に機能するように、追加の config map を含める必要があります。

手順

  1. 次の config map を追加してカスタムレジストリーを設定します。これには、デプロイメントをカスタマイズするための非接続環境の情報が含まれています。

    apiVersion: v1
    kind: ConfigMap
    metadata:
      name: custom-registries
      namespace: multicluster-engine
      labels:
        app: assisted-service
    data:
      ca-bundle.crt: |
        -----BEGIN CERTIFICATE-----
        -----END CERTIFICATE-----
      registries.conf: |
        unqualified-search-registries = ["registry.access.redhat.com", "docker.io"]
    
        [[registry]]
        prefix = ""
        location = "registry.redhat.io/openshift4"
        mirror-by-digest-only = true
    
        [[registry.mirror]]
          location = "registry.dns.base.domain.name:5000/openshift4" 1
    
        [[registry]]
        prefix = ""
        location = "registry.redhat.io/rhacm2"
        mirror-by-digest-only = true
        # ...
        # ...
    1
    dns.base.domain.name は DNS ベースドメイン名に置き換えます。

    オブジェクトには、以下の 2 つのフィールドが含まれます。

    • カスタム CA: このフィールドには、デプロイメントのさまざまなプロセスに読み込まれる認証局 (CA) が含まれます。
    • レジストリー: Registries.conf フィールドには、元のソースレジストリーではなくミラーレジストリーから使用する必要があるイメージと namespace に関する情報が含まれています。
  2. 次の例に示すように、AssistedServiceConfig オブジェクトを追加して、Assisted Service を設定します。

    apiVersion: agent-install.openshift.io/v1beta1
    kind: AgentServiceConfig
    metadata:
      annotations:
        unsupported.agent-install.openshift.io/assisted-service-configmap: assisted-service-config 1
      name: agent
      namespace: multicluster-engine
    spec:
      mirrorRegistryRef:
        name: custom-registries 2
      databaseStorage:
        storageClassName: lvms-vg1
        accessModes:
        - ReadWriteOnce
        resources:
          requests:
            storage: 10Gi
      filesystemStorage:
        storageClassName: lvms-vg1
        accessModes:
        - ReadWriteOnce
        resources:
          requests:
            storage: 20Gi
      osImages: 3
      - cpuArchitecture: x86_64 4
        openshiftVersion: "4.14"
        rootFSUrl: http://registry.dns.base.domain.name:8080/images/rhcos-414.92.202308281054-0-live-rootfs.x86_64.img 5
        url: http://registry.dns.base.domain.name:8080/images/rhcos-414.92.202308281054-0-live.x86_64.iso
        version: 414.92.202308281054-0
      - cpuArchitecture: x86_64
       openshiftVersion: "4.15"
       rootFSUrl: http://registry.dns.base.domain.name:8080/images/rhcos-415.92.202403270524-0-live-rootfs.x86_64.img
       url: http://registry.dns.base.domain.name:8080/images/rhcos-415.92.202403270524-0-live.x86_64.iso
       version: 415.92.202403270524-0
    1
    metadata.annotations["unsupported.agent-install.openshift.io/assisted-service-configmap"] アノテーションは、Operator が動作をカスタマイズするために使用する config map 名を参照します。
    2
    spec.mirrorRegistryRef.name アノテーションは、Assisted Service Operator が使用する非接続のレジストリー情報を含む config map を指します。この config map は、デプロイメントプロセス中にこれらのリソースを追加します。
    3
    spec.osImages フィールドには、この Operator がデプロイできるさまざまなバージョンが含まれています。このフィールドは必須です。この例では、RootFS ファイルと LiveISO ファイルがすでにダウンロードされていることを前提としています。
    4
    デプロイする OpenShift Container Platform リリースごとに cpuArchitecture サブセクションを追加します。この例では、4.14 および 4.15 の cpuArchitecture サブセクションが含まれています。
    5
    rootFSUrl フィールドurl フィールドで、dns.base.domain.name を DNS ベースドメイン名に置き換えます。
  3. すべてのオブジェクトを 1 つのファイルに連結し、管理クラスターに適用し、これらのオブジェクトをデプロイします。起動するには、以下のコマンドを実行します。

    $ oc apply -f agentServiceConfig.yaml

    このコマンドは 2 つの Pod をトリガーします。

    出力例

    assisted-image-service-0                               1/1     Running   2             11d 1
    assisted-service-668b49548-9m7xw                       2/2     Running   5             11d 2

    1
    assisted-image-service Pod は、デプロイするクラスターごとにカスタマイズされた、Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) 起動イメージテンプレートを作成します。
    2
    assisted-service は Operator を参照します。

次のステップ

Hosted Control Plane の非接続インストールのために TLS 証明書を設定する の手順を完了して、TLS 証明書を設定します。

6.3.12. Hosted Control Plane の非接続インストールのために TLS 証明書を設定する

非接続デプロイメントで適切な機能を確保するには、管理クラスターとホステッドクラスターのワーカーノードでレジストリー CA 証明書を設定する必要があります。

6.3.12.1. 管理クラスターにレジストリー CA を追加する

管理クラスターにレジストリー CA を追加するには、次の手順を実行します。

手順

  1. 次の例のような config map を作成します。

    apiVersion: v1
    kind: ConfigMap
    metadata:
      name: <config_map_name> 1
      namespace: <config_map_namespace> 2
    data: 3
      <registry_name>..<port>: | 4
        -----BEGIN CERTIFICATE-----
        -----END CERTIFICATE-----
      <registry_name>..<port>: |
        -----BEGIN CERTIFICATE-----
        -----END CERTIFICATE-----
      <registry_name>..<port>: |
        -----BEGIN CERTIFICATE-----
        -----END CERTIFICATE-----
    1
    config map の名前を指定します。
    2
    config map の namespace を指定します。
    3
    data フィールドには、レジストリー名とレジストリー証明書の内容を指定します。<port> は、レジストリーサーバーが実行されているポート (例: 5000) に置き換えます。
    4
    config map 内のデータは、| - などの他の方法ではなく、必ず | だけを使用して定義します。他の方法を使用すると、Pod が証明書を読み取るときに問題が発生する可能性があります。
  2. クラスター全体のオブジェクト image.config.openshift.io にパッチを適用して、次の仕様を含めます。

    spec:
      additionalTrustedCA:
        - name: registry-config

    このパッチの結果、コントロールプレーンノードがプライベートレジストリーからイメージを取得できるようになります。また、HyperShift Operator がホステッドクラスターのデプロイメント用の OpenShift Container Platform ペイロードを抽出できるようになります。

    オブジェクトにパッチを適用するプロセスが完了するまでに数分かかる場合があります。

6.3.12.2. ホステッドクラスターのワーカーノードにレジストリー CA を追加する

ホステッドクラスターのデータプレーンワーカーがプライベートレジストリーからイメージを取得できるようにするために、ワーカーノードにレジストリー CA を追加する必要があります。

手順

  1. hc.spec.additionalTrustBundle ファイルに次の仕様を追加します。

    spec:
      additionalTrustBundle:
        - name: user-ca-bundle 1
    1
    user-ca-bundle エントリーは、次の手順で作成する config map です。
  2. HostedCluster オブジェクトの作成先と同じ namespace で、user-ca-bundle config map を作成します。config map は次の例のようになります。

    apiVersion: v1
    data:
      ca-bundle.crt: |
        // Registry1 CA
        -----BEGIN CERTIFICATE-----
        -----END CERTIFICATE-----
    
        // Registry2 CA
        -----BEGIN CERTIFICATE-----
        -----END CERTIFICATE-----
    
        // Registry3 CA
        -----BEGIN CERTIFICATE-----
        -----END CERTIFICATE-----
    
    kind: ConfigMap
    metadata:
      name: user-ca-bundle
      namespace: <hosted_cluster_namespace> 1
    1
    HostedCluster オブジェクトの作成先の namespace を指定します。

6.3.13. ベアメタルでのホステッドクラスターの作成

ホステッドクラスターは、コントロールプレーンと API エンドポイントが管理クラスターでホストされている OpenShift Container Platform クラスターです。ホステッドクラスターには、コントロールプレーンとそれに対応するデータプレーンが含まれます。

6.3.13.1. ホステッドクラスターオブジェクトのデプロイ

通常、HyperShift Operator は HostedControlPlane namespace を作成します。ただし、この場合は、HyperShift Operator が HostedCluster オブジェクトの調整を開始する前に、すべてのオブジェクトを含める必要があります。その後、Operator が調整プロセスを開始すると、所定の場所にあるすべてのオブジェクトを見つけることができます。

手順

  1. namespace に関する次の情報を含めて、YAML ファイルを作成します。

    ---
    apiVersion: v1
    kind: Namespace
    metadata:
      creationTimestamp: null
      name: <hosted_cluster_namespace>-<hosted_cluster_name> 1
    spec: {}
    status: {}
    ---
    apiVersion: v1
    kind: Namespace
    metadata:
      creationTimestamp: null
      name: <hosted_cluster_namespace> 2
    spec: {}
    status: {}
    1
    <hosted_cluster_name> は、ホステッドクラスターに置き換えます。
    2
    <hosted_cluster_namespace> は、ホステッドクラスターの namespace の名前に置き換えます。
  2. config map とシークレットに関する次の情報を含む YAML ファイルを作成し、HostedCluster デプロイメントに追加します。

    ---
    apiVersion: v1
    data:
      ca-bundle.crt: |
        -----BEGIN CERTIFICATE-----
        -----END CERTIFICATE-----
    kind: ConfigMap
    metadata:
      name: user-ca-bundle
      namespace: <hosted_cluster_namespace> 1
    ---
    apiVersion: v1
    data:
      .dockerconfigjson: xxxxxxxxx
    kind: Secret
    metadata:
      creationTimestamp: null
      name: <hosted_cluster_name>-pull-secret 2
      namespace: <hosted_cluster_namespace> 3
    ---
    apiVersion: v1
    kind: Secret
    metadata:
      name: sshkey-cluster-<hosted_cluster_name> 4
      namespace: <hosted_cluster_namespace> 5
    stringData:
      id_rsa.pub: ssh-rsa xxxxxxxxx
    ---
    apiVersion: v1
    data:
      key: nTPtVBEt03owkrKhIdmSW8jrWRxU57KO/fnZa8oaG0Y=
    kind: Secret
    metadata:
      creationTimestamp: null
      name: <hosted_cluster_name>-etcd-encryption-key 6
      namespace: <hosted_cluster_namespace> 7
    type: Opaque
    1 3 5 7
    <hosted_cluster_namespace> は、ホステッドクラスターの namespace の名前に置き換えます。
    2 4 6
    <hosted_cluster_name> は、ホステッドクラスターに置き換えます。
  3. RBAC ロールを含む YAML ファイルを作成し、Assisted Service エージェントが Hosted Control Plane と同じ HostedControlPlane namespace に配置し、引き続きクラスター API で管理されるようにします。

    apiVersion: rbac.authorization.k8s.io/v1
    kind: Role
    metadata:
      creationTimestamp: null
      name: capi-provider-role
      namespace: <hosted_cluster_namespace>-<hosted_cluster_name> 1 2
    rules:
    - apiGroups:
      - agent-install.openshift.io
      resources:
      - agents
      verbs:
      - '*'
    1
    <hosted_cluster_namespace> は、ホステッドクラスターの namespace の名前に置き換えます。
    2
    <hosted_cluster_name> は、ホステッドクラスターに置き換えます。
  4. HostedCluster オブジェクトに関する情報を含む YAML ファイルを作成し、必要に応じて値を置き換えます。

    apiVersion: hypershift.openshift.io/v1beta1
    kind: HostedCluster
    metadata:
      name: <hosted_cluster_name> 1
      namespace: <hosted_cluster_namespace> 2
    spec:
      additionalTrustBundle:
        name: "user-ca-bundle"
      olmCatalogPlacement: guest
      imageContentSources: 3
      - source: quay.io/openshift-release-dev/ocp-v4.0-art-dev
        mirrors:
        - registry.<dns.base.domain.name>:5000/openshift/release 4
      - source: quay.io/openshift-release-dev/ocp-release
        mirrors:
        - registry.<dns.base.domain.name>:5000/openshift/release-images 5
      - mirrors:
      ...
      ...
      autoscaling: {}
      controllerAvailabilityPolicy: SingleReplica
      dns:
        baseDomain: <dns.base.domain.name> 6
      etcd:
        managed:
          storage:
            persistentVolume:
              size: 8Gi
            restoreSnapshotURL: null
            type: PersistentVolume
        managementType: Managed
      fips: false
      networking:
        clusterNetwork:
        - cidr: 10.132.0.0/14
        - cidr: fd01::/48
        networkType: OVNKubernetes
        serviceNetwork:
        - cidr: 172.31.0.0/16
        - cidr: fd02::/112
      platform:
        agent:
          agentNamespace: <hosted_cluster_namespace>-<hosted_cluster_name> 7 8
        type: Agent
      pullSecret:
        name: <hosted_cluster_name>-pull-secret 9
      release:
        image: registry.<dns.base.domain.name>:5000/openshift/release-images:4.x.y-x86_64 10 11
      secretEncryption:
        aescbc:
          activeKey:
            name: <hosted_cluster_name>-etcd-encryption-key 12
        type: aescbc
      services:
      - service: APIServer
        servicePublishingStrategy:
          type: LoadBalancer
      - service: OAuthServer
        servicePublishingStrategy:
          type: Route
      - service: OIDC
        servicePublishingStrategy:
          type: Route
      - service: Konnectivity
        servicePublishingStrategy:
          type: Route
      - service: Ignition
        servicePublishingStrategy:
          type: Route
      sshKey:
        name: sshkey-cluster-<hosted_cluster_name> 13
    status:
      controlPlaneEndpoint:
        host: ""
        port: 0
    1 7 9 12 13
    <hosted_cluster_name> は、ホステッドクラスターに置き換えます。
    2 8
    <hosted_cluster_namespace> は、ホステッドクラスターの namespace の名前に置き換えます。
    3
    imageContentSources セクションには、ホステッドクラスター内のユーザーワークロードのミラー参照が含まれます。
    4 5 6 10
    <dns.base.domain.name> は、DNS ベースドメイン名に置き換えます。
    11
    4.x.y を、使用するサポートされている OpenShift Container Platform バージョンに置き換えます。
  5. OpenShift Container Platform リリースの HyperShift Operator リリースを指すアノテーションを HostedCluster オブジェクトに追加します。

    1. 次のコマンドを入力して、イメージペイロードを取得します。

      $ oc adm release info registry.<dns.base.domain.name>:5000/openshift-release-dev/ocp-release:4.x.y-x86_64 | grep hypershift

      dns.base.domain.name は DNS ベースドメイン名です。4.x.y は使用するサポート対象の OpenShift Container Platform のバージョンです。

      出力例

      hypershift        sha256:31149e3e5f8c5e5b5b100ff2d89975cf5f7a73801b2c06c639bf6648766117f8

    2. OpenShift Container Platform Images namespace を使用して、次のコマンドを入力してダイジェストを確認します。

      podman pull registry.<dns.base.domain.name>:5000/openshift-release-dev/ocp-v4.0-art-dev@sha256:31149e3e5f8c5e5b5b100ff2d89975cf5f7a73801b2c06c639bf6648766117f8

      dns.base.domain.name は DNS ベースドメイン名です。

      出力例

      podman pull registry.dns.base.domain.name:5000/openshift/release@sha256:31149e3e5f8c5e5b5b100ff2d89975cf5f7a73801b2c06c639bf6648766117f8
      Trying to pull registry.dns.base.domain.name:5000/openshift/release@sha256:31149e3e5f8c5e5b5b100ff2d89975cf5f7a73801b2c06c639bf6648766117f8...
      Getting image source signatures
      Copying blob d8190195889e skipped: already exists
      Copying blob c71d2589fba7 skipped: already exists
      Copying blob d4dc6e74b6ce skipped: already exists
      Copying blob 97da74cc6d8f skipped: already exists
      Copying blob b70007a560c9 done
      Copying config 3a62961e6e done
      Writing manifest to image destination
      Storing signatures
      3a62961e6ed6edab46d5ec8429ff1f41d6bb68de51271f037c6cb8941a007fde

      HostedCluster オブジェクトに設定するリリースイメージでは、タグではなくダイジェストを使用する必要があります (例: quay.io/openshift-release-dev/ocp-release@sha256:e3ba11bd1e5e8ea5a0b36a75791c90f29afb0fdbe4125be4e48f69c76a5c47a0)。

  6. YAML ファイルで定義したすべてのオブジェクトを 1 つのファイルに連結し、管理クラスターに対して適用して作成します。起動するには、以下のコマンドを実行します。

    $ oc apply -f 01-4.14-hosted_cluster-nodeport.yaml

    出力例

    NAME                                                  READY   STATUS    RESTARTS   AGE
    capi-provider-5b57dbd6d5-pxlqc                        1/1     Running   0          3m57s
    catalog-operator-9694884dd-m7zzv                      2/2     Running   0          93s
    cluster-api-f98b9467c-9hfrq                           1/1     Running   0          3m57s
    cluster-autoscaler-d7f95dd5-d8m5d                     1/1     Running   0          93s
    cluster-image-registry-operator-5ff5944b4b-648ht      1/2     Running   0          93s
    cluster-network-operator-77b896ddc-wpkq8              1/1     Running   0          94s
    cluster-node-tuning-operator-84956cd484-4hfgf         1/1     Running   0          94s
    cluster-policy-controller-5fd8595d97-rhbwf            1/1     Running   0          95s
    cluster-storage-operator-54dcf584b5-xrnts             1/1     Running   0          93s
    cluster-version-operator-9c554b999-l22s7              1/1     Running   0          95s
    control-plane-operator-6fdc9c569-t7hr4                1/1     Running   0          3m57s
    csi-snapshot-controller-785c6dc77c-8ljmr              1/1     Running   0          77s
    csi-snapshot-controller-operator-7c6674bc5b-d9dtp     1/1     Running   0          93s
    csi-snapshot-webhook-5b8584875f-2492j                 1/1     Running   0          77s
    dns-operator-6874b577f-9tc6b                          1/1     Running   0          94s
    etcd-0                                                3/3     Running   0          3m39s
    hosted-cluster-config-operator-f5cf5c464-4nmbh        1/1     Running   0          93s
    ignition-server-6b689748fc-zdqzk                      1/1     Running   0          95s
    ignition-server-proxy-54d4bb9b9b-6zkg7                1/1     Running   0          95s
    ingress-operator-6548dc758b-f9gtg                     1/2     Running   0          94s
    konnectivity-agent-7767cdc6f5-tw782                   1/1     Running   0          95s
    kube-apiserver-7b5799b6c8-9f5bp                       4/4     Running   0          3m7s
    kube-controller-manager-5465bc4dd6-zpdlk              1/1     Running   0          44s
    kube-scheduler-5dd5f78b94-bbbck                       1/1     Running   0          2m36s
    machine-approver-846c69f56-jxvfr                      1/1     Running   0          92s
    oauth-openshift-79c7bf44bf-j975g                      2/2     Running   0          62s
    olm-operator-767f9584c-4lcl2                          2/2     Running   0          93s
    openshift-apiserver-5d469778c6-pl8tj                  3/3     Running   0          2m36s
    openshift-controller-manager-6475fdff58-hl4f7         1/1     Running   0          95s
    openshift-oauth-apiserver-dbbc5cc5f-98574             2/2     Running   0          95s
    openshift-route-controller-manager-5f6997b48f-s9vdc   1/1     Running   0          95s
    packageserver-67c87d4d4f-kl7qh                        2/2     Running   0          93s

    ホステッドクラスターが利用可能な場合、出力は次の例のようになります。

    出力例

    NAMESPACE   NAME         VERSION   KUBECONFIG                PROGRESS   AVAILABLE   PROGRESSING   MESSAGE
    clusters    hosted-dual            hosted-admin-kubeconfig   Partial    True          False         The hosted control plane is available

6.3.13.2. ホステッドクラスターの NodePool オブジェクトの作成

NodePool は、ホステッドクラスターに関連付けられたスケーラブルなワーカーノードのセットです。NodePool マシンアーキテクチャーは特定のプール内で一貫性を保ち、コントロールプレーンのマシンアーキテクチャーから独立しています。

手順

  1. NodePool オブジェクトに関する次の情報を含む YAML ファイルを作成し、必要に応じて値を置き換えます。

    apiVersion: hypershift.openshift.io/v1beta1
    kind: NodePool
    metadata:
      creationTimestamp: null
      name: <hosted_cluster_name> \1
      namespace: <hosted_cluster_namespace> \2
    spec:
      arch: amd64
      clusterName: <hosted_cluster_name>
      management:
        autoRepair: false \3
        upgradeType: InPlace \4
      nodeDrainTimeout: 0s
      platform:
        type: Agent
      release:
        image: registry.<dns.base.domain.name>:5000/openshift/release-images:4.x.y-x86_64 \5
      replicas: 2 6
    status:
      replicas: 2
    1
    <hosted_cluster_name> は、ホステッドクラスターに置き換えます。
    2
    <hosted_cluster_namespace> は、ホステッドクラスターの namespace の名前に置き換えます。
    3
    ノードが削除された場合、ノードは再作成されないため、autoRepair フィールドは false に設定されます。
    4
    upgradeTypeInPlace に設定されます。これは、アップグレード中に同じベアメタルノードが再利用されることを示します。
    5
    この NodePool に含まれるすべてのノードは、OpenShift Container Platform バージョン 4.x.y-x86_64 に基づいています。<dns.base.domain.name> の値は、DNS ベースドメイン名に置き換えます。4.x.y の値は、使用するサポート対象の OpenShift Container Platform のバージョンに置き換えます。
    6
    replicas の値を 2 に設定すると、ホステッドクラスターに 2 つのノードプールレプリカを作成できます。
  2. 次のコマンドを入力して、NodePool オブジェクトを作成します。

    $ oc apply -f 02-nodepool.yaml

    出力例

    NAMESPACE   NAME          CLUSTER   DESIRED NODES   CURRENT NODES   AUTOSCALING   AUTOREPAIR   VERSION                              UPDATINGVERSION   UPDATINGCONFIG   MESSAGE
    clusters    hosted-dual   hosted    0                               False         False        4.x.y-x86_64

6.3.13.3. ホステッドクラスターの InfraEnv リソースの作成

InfraEnv リソースは、pullSecretRefsshAuthorizedKey などの重要な詳細を含む Assisted Service オブジェクトです。これらの詳細は、ホステッドクラスター用にカスタマイズされた Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) ブートイメージを作成するために使用されます。

複数の InfraEnv リソースをホストすることができます。各リソースは特定のタイプのホストを採用できます。たとえば、大きな RAM 容量を持つホスト間でサーバーファームを分割することができます。

手順

  1. InfraEnv リソースに関する次の情報を含めて YAML ファイルを作成し、必要に応じて値を置き換えます。

    apiVersion: agent-install.openshift.io/v1beta1
    kind: InfraEnv
    metadata:
      name: <hosted_cluster_name>
      namespace: <hosted-cluster-namespace>-<hosted_cluster_name> 1 2
    spec:
      pullSecretRef: 3
        name: pull-secret
      sshAuthorizedKey: ssh-rsa AAAAB3NzaC1yc2EAAAADAQABAAABgQDk7ICaUE+/k4zTpxLk4+xFdHi4ZuDi5qjeF52afsNkw0w/glILHhwpL5gnp5WkRuL8GwJuZ1VqLC9EKrdmegn4MrmUlq7WTsP0VFOZFBfq2XRUxo1wrRdor2z0Bbh93ytR+ZsDbbLlGngXaMa0Vbt+z74FqlcajbHTZ6zBmTpBVq5RHtDPgKITdpE1fongp7+ZXQNBlkaavaqv8bnyrP4BWahLP4iO9/xJF9lQYboYwEEDzmnKLMW1VtCE6nJzEgWCufACTbxpNS7GvKtoHT/OVzw8ArEXhZXQUS1UY8zKsX2iXwmyhw5Sj6YboA8WICs4z+TrFP89LmxXY0j6536TQFyRz1iB4WWvCbH5n6W+ABV2e8ssJB1AmEy8QYNwpJQJNpSxzoKBjI73XxvPYYC/IjPFMySwZqrSZCkJYqQ023ySkaQxWZT7in4KeMu7eS2tC+Kn4deJ7KwwUycx8n6RHMeD8Qg9flTHCv3gmab8JKZJqN3hW1D378JuvmIX4V0= 4
    1
    <hosted_cluster_name> は、ホステッドクラスターに置き換えます。
    2
    <hosted_cluster_namespace> は、ホステッドクラスターの namespace の名前に置き換えます。
    3
    pullSecretRef は、プルシークレットが使用される InfraEnv と同じ namespace 内の config map を参照します。
    4
    sshAuthorizedKey は、ブートイメージに配置される SSH 公開鍵を表します。SSH 鍵を使用すると、core ユーザーとしてワーカーノードにアクセスできます。
  2. 次のコマンドを入力して、InfraEnv リソースを作成します。

    $ oc apply -f 03-infraenv.yaml

    出力例

    NAMESPACE              NAME     ISO CREATED AT
    clusters-hosted-dual   hosted   2023-09-11T15:14:10Z

6.3.13.4. ホステッドクラスター用のワーカーノードの作成

ベアメタルプラットフォームで作業している場合、BareMetalHost の詳細が正しく設定されていることを確認するためにワーカーノードを作成することが重要です。

仮想マシンを使用している場合は、次の手順を実行して、Metal3 Operator が使用する空のワーカーノードを作成できます。これには、kcli ツールを使用します。

手順

  1. ワーカーノードを作成するのが初めてではない場合は、まず以前の設定を削除する必要があります。これには、次のコマンドを入力してプランを削除します。

    $ kcli delete plan <hosted_cluster_name> 1
    1
    <hosted_cluster_name> は、ホステッドクラスターの名前に置き換えます。
    1. プランを削除するかどうかを確認するプロンプトが表示されたら、y と入力します。
    2. プランが削除されたことを示すメッセージが表示されることを確認します。
  2. 次のコマンドを入力して仮想マシンを作成します。

    1. 次のコマンドを入力して、1 つ目の仮想マシンを作成します。

      $ kcli create vm \
        -P start=False \1
        -P uefi_legacy=true \2
        -P plan=<hosted_cluster_name> \3
        -P memory=8192 -P numcpus=16 \4
        -P disks=[200,200] \5
        -P nets=["{\"name\": \"<network>\", \"mac\": \"aa:aa:aa:aa:11:01\"}"] \6
        -P uuid=aaaaaaaa-aaaa-aaaa-aaaa-aaaaaaaa1101 \
        -P name=<hosted_cluster_name>-worker0 7
      1
      仮想マシン (VM) の作成時に自動的に起動しないようにする場合は、start=False を含めます。
      2
      uefi_legacy=true を追加して、以前の UEFI 実装との互換性を確保するために UEFI レガシーブートを使用することを指定します。
      3
      <hosted_cluster_name> は、ホステッドクラスターの名前に置き換えます。plan=<hosted_cluster_name> ステートメントは、マシンのグループをクラスターとして識別するプラン名を示します。
      4
      memory=8192 および numcpus=16 パラメーターを追加して、RAM や CPU などの仮想マシンのリソースを指定します。
      5
      disks=[200,200] を追加して、仮想マシンに 2 つのシンプロビジョニングディスクを作成することを指定します。
      6
      nets=[{"name": "<network>", "mac": "aa:aa:aa:aa:02:13"}] を追加して、接続先のネットワーク名、ネットワークの種類 (ipv4ipv6、または dual)、プライマリーインターフェイスの MAC アドレスなど、ネットワークの詳細を指定します。
      7
      <hosted_cluster_name> は、ホステッドクラスターの名前に置き換えます。
    2. 次のコマンドを入力して、2 つ目の仮想マシンを作成します。

      $ kcli create vm \
        -P start=False \1
        -P uefi_legacy=true \2
        -P plan=<hosted_cluster_name> \3
        -P memory=8192 -P numcpus=16 \4
        -P disks=[200,200] \5
        -P nets=["{\"name\": \"<network>\", \"mac\": \"aa:aa:aa:aa:11:02\"}"] \6
        -P uuid=aaaaaaaa-aaaa-aaaa-aaaa-aaaaaaaa1102
        -P name=<hosted_cluster_name>-worker1 7
      1
      仮想マシン (VM) の作成時に自動的に起動しないようにする場合は、start=False を含めます。
      2
      uefi_legacy=true を追加して、以前の UEFI 実装との互換性を確保するために UEFI レガシーブートを使用することを指定します。
      3
      <hosted_cluster_name> は、ホステッドクラスターの名前に置き換えます。plan=<hosted_cluster_name> ステートメントは、マシンのグループをクラスターとして識別するプラン名を示します。
      4
      memory=8192 および numcpus=16 パラメーターを追加して、RAM や CPU などの仮想マシンのリソースを指定します。
      5
      disks=[200,200] を追加して、仮想マシンに 2 つのシンプロビジョニングディスクを作成することを指定します。
      6
      nets=[{"name": "<network>", "mac": "aa:aa:aa:aa:02:13"}] を追加して、接続先のネットワーク名、ネットワークの種類 (ipv4ipv6、または dual)、プライマリーインターフェイスの MAC アドレスなど、ネットワークの詳細を指定します。
      7
      <hosted_cluster_name> は、ホステッドクラスターの名前に置き換えます。
    3. 次のコマンドを入力して、3 つ目の仮想マシンを作成します。

      $ kcli create vm \
        -P start=False \1
        -P uefi_legacy=true \2
        -P plan=<hosted_cluster_name> \3
        -P memory=8192 -P numcpus=16 \4
        -P disks=[200,200] \5
        -P nets=["{\"name\": \"<network>\", \"mac\": \"aa:aa:aa:aa:11:03\"}"] \6
        -P uuid=aaaaaaaa-aaaa-aaaa-aaaa-aaaaaaaa1103
        -P name=<hosted_cluster_name>-worker2 7
      1
      仮想マシン (VM) の作成時に自動的に起動しないようにする場合は、start=False を含めます。
      2
      uefi_legacy=true を追加して、以前の UEFI 実装との互換性を確保するために UEFI レガシーブートを使用することを指定します。
      3
      <hosted_cluster_name> は、ホステッドクラスターの名前に置き換えます。plan=<hosted_cluster_name> ステートメントは、マシンのグループをクラスターとして識別するプラン名を示します。
      4
      memory=8192 および numcpus=16 パラメーターを追加して、RAM や CPU などの仮想マシンのリソースを指定します。
      5
      disks=[200,200] を追加して、仮想マシンに 2 つのシンプロビジョニングディスクを作成することを指定します。
      6
      nets=[{"name": "<network>", "mac": "aa:aa:aa:aa:02:13"}] を追加して、接続先のネットワーク名、ネットワークの種類 (ipv4ipv6、または dual)、プライマリーインターフェイスの MAC アドレスなど、ネットワークの詳細を指定します。
      7
      <hosted_cluster_name> は、ホステッドクラスターの名前に置き換えます。
  3. restart ksushy コマンドを入力して ksushy ツールを再起動し、追加した仮想マシンがツールによって検出されるようにします。

    $ systemctl restart ksushy

    出力例

    +---------------------+--------+-------------------+----------------------------------------------------+-------------+---------+
    |         Name        | Status |         Ip        |                       Source                       |     Plan    | Profile |
    +---------------------+--------+-------------------+----------------------------------------------------+-------------+---------+
    |    hosted-worker0   |  down  |                   |                                                    | hosted-dual |  kvirt  |
    |    hosted-worker1   |  down  |                   |                                                    | hosted-dual |  kvirt  |
    |    hosted-worker2   |  down  |                   |                                                    | hosted-dual |  kvirt  |
    +---------------------+--------+-------------------+----------------------------------------------------+-------------+---------+

6.3.13.5. ホステッドクラスターのベアメタルホスト作成

ベアメタルホスト は、物理的な詳細と論理詳細を含む openshift-machine-api オブジェクトで、Metal3 Operator によって識別できるようになっています。これらの詳細は、agents と呼ばれる他の Assisted Service オブジェクトに関連付けられています。

前提条件

ベアメタルホストと宛先ノードを作成する前に、宛先マシンを準備しておく必要があります。

手順

ベアメタルホストを作成するには、以下の手順を実行します。

  1. 次の情報を使用して YAML ファイルを作成します。

    ベアメタルホストの認証情報を保持するシークレットが 1 つ以上あるため、ワーカーノードごとに少なくとも 2 つのオブジェクトを作成する必要があります。

    apiVersion: v1
    kind: Secret
    metadata:
      name: <hosted_cluster_name>-worker0-bmc-secret \1
      namespace: <hosted_cluster_namespace>-<hosted_cluster_name> \2
    data:
      password: YWRtaW4= \3
      username: YWRtaW4= \4
    type: Opaque
    # ...
    apiVersion: metal3.io/v1alpha1
    kind: BareMetalHost
    metadata:
      name: <hosted_cluster_name>-worker0
      namespace: <hosted_cluster_namespace>-<hosted_cluster_name> \5
      labels:
        infraenvs.agent-install.openshift.io: <hosted_cluster_name> \6
      annotations:
        inspect.metal3.io: disabled
        bmac.agent-install.openshift.io/hostname: <hosted_cluster_name>-worker0 \7
    spec:
      automatedCleaningMode: disabled \8
      bmc:
        disableCertificateVerification: true \9
        address: redfish-virtualmedia://[192.168.126.1]:9000/redfish/v1/Systems/local/<hosted_cluster_name>-worker0 \10
        credentialsName: <hosted_cluster_name>-worker0-bmc-secret \11
      bootMACAddress: aa:aa:aa:aa:02:11 \12
      online: true 13
    1
    <hosted_cluster_name> は、ホステッドクラスターに置き換えます。
    2 5
    <hosted_cluster_name> は、ホステッドクラスターに置き換えます。<hosted_cluster_namespace> は、ホステッドクラスターの namespace の名前に置き換えます。
    3
    ベースボード管理コントローラー (BMC) のパスワードを Base64 形式で指定します。
    4
    BMC のユーザー名を Base64 形式で指定します。
    6
    <hosted_cluster_name> は、ホステッドクラスターに置き換えます。infraenvs.agent-install.openshift.io フィールドは、Assisted Installer と BareMetalHost オブジェクト間のリンクとして機能します。
    7
    <hosted_cluster_name> は、ホステッドクラスターに置き換えます。bmac.agent-install.openshift.io/hostname フィールドは、デプロイ時に採用されるノード名を表します。
    8
    automatedCleaningMode フィールドは、Metal3 Operator によってノードが消去されるのを防ぎます。
    9
    disableCertificateVerification フィールドを true に設定して、クライアントからの証明書検証を回避します。
    10
    <hosted_cluster_name> は、ホステッドクラスターに置き換えます。address フィールドは、ワーカーノードの BMC アドレスを示します。
    11
    <hosted_cluster_name> は、ホステッドクラスターに置き換えます。credentialsName フィールドは、ユーザーとパスワードの認証情報が保存されるシークレットを指します。
    12
    bootMACAddress フィールドは、ノードの起動元のインターフェイス MAC アドレスを示します。
    13
    online フィールドは、BareMetalHost オブジェクトが作成された後のノードの状態を定義します。
  2. 次のコマンドを入力して、BareMetalHost オブジェクトをデプロイします。

    $ oc apply -f 04-bmh.yaml

    プロセス中に、次の出力が確認できます。

    • この出力は、プロセスがノードに到達しようとしていることを示しています。

      出力例

      NAMESPACE         NAME             STATE         CONSUMER   ONLINE   ERROR   AGE
      clusters-hosted   hosted-worker0   registering              true             2s
      clusters-hosted   hosted-worker1   registering              true             2s
      clusters-hosted   hosted-worker2   registering              true             2s

    • この出力は、ノードが起動していることを示しています。

      出力例

      NAMESPACE         NAME             STATE          CONSUMER   ONLINE   ERROR   AGE
      clusters-hosted   hosted-worker0   provisioning              true             16s
      clusters-hosted   hosted-worker1   provisioning              true             16s
      clusters-hosted   hosted-worker2   provisioning              true             16s

    • この出力は、ノードが正常に起動したことを示しています。

      出力例

      NAMESPACE         NAME             STATE         CONSUMER   ONLINE   ERROR   AGE
      clusters-hosted   hosted-worker0   provisioned              true             67s
      clusters-hosted   hosted-worker1   provisioned              true             67s
      clusters-hosted   hosted-worker2   provisioned              true             67s

  3. ノードが起動したら、次の例に示すように、namespace のエージェントに注目してください。

    出力例

    NAMESPACE         NAME                                   CLUSTER   APPROVED   ROLE          STAGE
    clusters-hosted   aaaaaaaa-aaaa-aaaa-aaaa-aaaaaaaa0411             true       auto-assign
    clusters-hosted   aaaaaaaa-aaaa-aaaa-aaaa-aaaaaaaa0412             true       auto-assign
    clusters-hosted   aaaaaaaa-aaaa-aaaa-aaaa-aaaaaaaa0413             true       auto-assign

    エージェントは、インストールに使用できるノードを表します。ホステッドクラスターにノードを割り当てるには、ノードプールをスケールアップします。

6.3.13.6. ノードプールのスケールアップ

ベアメタルホストを作成すると、そのステータスが Registering ProvisioningProvisioned に変わります。ノードは、エージェントの LiveISO と、agent という名前のデフォルトの Pod で始まります。このエージェントは、Assisted Service Operator から OpenShift Container Platform ペイロードをインストールする指示を受け取ります。

手順

  1. ノードプールをスケールアップするには、次のコマンドを入力します。

    $ oc -n <hosted_cluster_namespace> scale nodepool <hosted_cluster_name> --replicas 3

    ここでは、以下のようになります。

    • <hosted_cluster_namespace> は、ホステッドクラスターの namespace の名前です。
    • <hosted_cluster_name> は、ホステッドクラスターの名前です。
  2. スケーリングプロセスが完了すると、エージェントがホステッドクラスターに割り当てられていることがわかります。

    出力例

    NAMESPACE         NAME                                   CLUSTER   APPROVED   ROLE          STAGE
    clusters-hosted   aaaaaaaa-aaaa-aaaa-aaaa-aaaaaaaa0411   hosted    true       auto-assign
    clusters-hosted   aaaaaaaa-aaaa-aaaa-aaaa-aaaaaaaa0412   hosted    true       auto-assign
    clusters-hosted   aaaaaaaa-aaaa-aaaa-aaaa-aaaaaaaa0413   hosted    true       auto-assign

  3. また、ノードプールレプリカが設定されていることにも注意してください。

    出力例

    NAMESPACE   NAME     CLUSTER   DESIRED NODES   CURRENT NODES   AUTOSCALING   AUTOREPAIR   VERSION       UPDATINGVERSION   UPDATINGCONFIG   MESSAGE
    clusters    hosted   hosted    3                               False         False        4.x.y-x86_64                                     Minimum availability requires 3 replicas, current 0 available

    4.x.y を、使用するサポートされている OpenShift Container Platform バージョンに置き換えます。

  4. ノードがクラスターに参加するまで待ちます。プロセス中に、エージェントはステージとステータスに関する最新情報を提供します。

6.4. 非接続環境で IBM Z に Hosted Control Plane をデプロイする

非接続環境の Hosted Control Plane デプロイメントは、スタンドアロンの OpenShift Container Platform とは異なる動作をします。

Hosted Control Plane には、次の 2 つの異なる環境が関係します。

  • コントロールプレーン: 管理クラスターに配置されます。Hosted Control Plane の Pod が Control Plane Operator によって実行および管理される場所です。
  • データプレーン: ホステッドクラスターのワーカーに配置されます。ワークロードと他のいくつかの Pod が実行され、Hosted Cluster Config Operator によって管理される場所です。

データプレーンの ImageContentSourcePolicy (ICSP) カスタムリソースは、ホステッドクラスターのマニフェストの ImageContentSources API を通じて管理されます。

コントロールプレーンの ICSP オブジェクトは、管理クラスターで管理されます。このオブジェクトは、HyperShift Operator によって解析され、registry-overrides エントリーとして Control Plane Operator と共有されます。このエントリーは、Hosted Control Plane の namespace 内の利用可能なデプロイメントのいずれかに引数として挿入されます。

Hosted Control Plane 内の非接続レジストリーを操作するには、まず管理クラスターに適切な ICSP を作成する必要があります。その後、非接続ワークロードをデータプレーンにデプロイするために、ホステッドクラスターのマニフェストの ImageContentSources フィールドに必要なエントリーを追加する必要があります。

6.4.1. 非接続環境で IBM Z に Hosted Control Plane をデプロイするための前提条件

  • ミラーレジストリー。詳細は、「mirror registry for Red Hat OpenShift を使用したミラーレジストリーの作成」を参照してください。
  • 非接続インストールのミラーイメージ。詳細は、「oc-mirror プラグインを使用した非接続インストールのイメージのミラーリング」参照してください。

6.4.2. 管理クラスターに認証情報とレジストリー認証局を追加する

管理クラスターからミラーレジストリーイメージをプルするには、まずミラーレジストリーの認証情報と認証局を管理クラスターに追加する必要があります。以下の手順を使用してください。

手順

  1. 次のコマンドを実行して、ミラーレジストリーの証明書を含む ConfigMap を作成します。

    $ oc apply -f registry-config.yaml

    registry-config.yaml ファイルの例

    apiVersion: v1
    kind: ConfigMap
    metadata:
      name: registry-config
      namespace: openshift-config
    data:
      <mirror_registry>: |
        -----BEGIN CERTIFICATE-----
        -----END CERTIFICATE-----

  2. image.config.openshift.io クラスター全体のオブジェクトにパッチを適用して、次のエントリーを追加します。

    spec:
      additionalTrustedCA:
        - name: registry-config
  3. 管理クラスターのプルシークレットを更新して、ミラーレジストリーの認証情報を追加します。

    1. 次のコマンドを実行して、クラスターからプルシークレットを JSON 形式で取得します。

      $ oc get secret/pull-secret -n openshift-config -o json | jq -r '.data.".dockerconfigjson"' | base64 -d > authfile
    2. 取得したシークレットの JSON ファイルを編集して、認証局の認証情報を含むセクションを追加します。

        "auths": {
          "<mirror_registry>": { 1
            "auth": "<credentials>", 2
            "email": "you@example.com"
          }
        },
      1
      ミラーレジストリーの名前を指定します。
      2
      ミラーレジストリーの認証情報を指定して、イメージを取得できるようにします。
    3. 次のコマンドを実行して、クラスター上のプルシークレットを更新します。

      $ oc set data secret/pull-secret -n openshift-config --from-file=.dockerconfigjson=authfile

6.4.3. AgentServiceConfig リソースのレジストリー認証局をミラーレジストリーで更新する

イメージのミラーレジストリーを使用する場合、イメージをセキュアにプルできるように、エージェントがレジストリーの証明書を信頼する必要があります。ConfigMap を作成することにより、ミラーレジストリーの認証局を AgentServiceConfig カスタムリソースに追加できます。

前提条件

  • multicluster engine for Kubernetes Operator をインストールした。

手順

  1. multicluster engine Operator をインストールしたのと同じ namespace で、ミラーレジストリーの詳細を含む ConfigMap リソースを作成します。この ConfigMap リソースにより、ホステッドクラスターのワーカーに、ミラーレジストリーからイメージを取得する権限が付与されます。

    ConfigMap ファイルの例

    apiVersion: v1
    kind: ConfigMap
    metadata:
      name: mirror-config
      namespace: multicluster-engine
      labels:
        app: assisted-service
    data:
      ca-bundle.crt: |
        -----BEGIN CERTIFICATE-----
        -----END CERTIFICATE-----
      registries.conf: |
    
        [[registry]]
          location = "registry.stage.redhat.io"
          insecure = false
          blocked = false
          mirror-by-digest-only = true
          prefix = ""
    
          [[registry.mirror]]
            location = "<mirror_registry>"
            insecure = false
    
        [[registry]]
          location = "registry.redhat.io/multicluster-engine"
          insecure = false
          blocked = false
          mirror-by-digest-only = true
          prefix = ""
    
          [[registry.mirror]]
            location = "<mirror_registry>/multicluster-engine" 1
            insecure = false

    1
    <mirror_registry> はミラーレジストリーの名前です。
  2. AgentServiceConfig リソースにパッチを適用して、作成した ConfigMap リソースを含めます。AgentServiceConfig リソースが存在しない場合は、次の内容を埋め込んだ AgentServiceConfig リソースを作成します。

    spec:
      mirrorRegistryRef:
        name: mirror-config

6.4.4. ホステッドクラスターにレジストリー認証局を追加する

非接続環境で IBM Z に Hosted Control Plane をデプロイする場合は、additional-trust-bundle リソースと image-content-sources リソースを含めます。これらのリソースにより、ホステッドクラスターがデータプレーンのワーカーに認証局を注入して、イメージをレジストリーからプルできるようになります。

  1. image-content-sources の情報を含む icsp.yaml ファイルを作成します。

    image-content-sources の情報は、oc-mirror を使用してイメージをミラーリングした後に生成される ImageContentSourcePolicy の YAML ファイルで入手できます。

    ImageContentSourcePolicy ファイルの例

    # cat icsp.yaml
    - mirrors:
      - <mirror_registry>/openshift/release
      source: quay.io/openshift-release-dev/ocp-v4.0-art-dev
    - mirrors:
      - <mirror_registry>/openshift/release-images
      source: quay.io/openshift-release-dev/ocp-release

  2. ホステッドクラスターを作成し、additional-trust-bundle 証明書を指定して、コンピュートノードを証明書で更新します。次に例を示します。

    $ hcp create cluster agent \
        --name=<hosted_cluster_name> \ 1
        --pull-secret=<path_to_pull_secret> \ 2
        --agent-namespace=<hosted_control_plane_namespace> \ 3
        --base-domain=<basedomain> \ 4
        --api-server-address=api.<hosted_cluster_name>.<basedomain> \
        --etcd-storage-class=<etcd_storage_class> \ 5
        --ssh-key  <path_to_ssh_public_key> \ 6
        --namespace <hosted_cluster_namespace> \ 7
        --control-plane-availability-policy SingleReplica \
        --release-image=quay.io/openshift-release-dev/ocp-release:<ocp_release_image> \ 8
        --additional-trust-bundle <path for cert> \ 9
        --image-content-sources icsp.yaml
    1
    <hosted_cluster_name> は、ホステッドクラスターの名前に置き換えます。
    2
    プルシークレットへのパスを置き換えます (例: /user/name/pullsecret)。
    3
    <hosted_control_plane_namespace> は、Hosted Control Plane の namespace の名前 (例: clusters-hosted) に置き換えます。
    4
    名前をベースドメインに置き換えます (例: example.com)。
    5
    etcd ストレージクラス名を置き換えます (例: lvm-storageclass)。
    6
    SSH 公開鍵へのパスを置き換えます。デフォルトのファイルパスは ~/.ssh/id_rsa.pub です。
    7 8
    使用するサポート対象の OpenShift Container Platform バージョン (例: 4.17.0-multi) に置き換えます。
    9
    ミラーレジストリーの認証局へのパスを置き換えます。

6.5. オフライン環境でのユーザーワークロードの監視

hypershift-addon マネージドクラスターアドオンは、HyperShift Operator の --enable-uwm-telemetry-remote-write オプションを有効にします。このオプションを有効にすると、ユーザーワークロードの監視が有効になり、コントロールプレーンから Telemetry メトリックをリモートで書き込むことができるようになります。

6.5.1. ユーザーワークロード監視の問題の解決

インターネットに接続されていない OpenShift Container Platform クラスターに multicluster engine Operator をインストールした場合、次のコマンドを入力して HyperShift Operator のユーザーワークロードの監視機能を実行しようとすると、エラーが発生して機能が失敗します。

$ oc get events -n hypershift

エラーの例

LAST SEEN   TYPE      REASON           OBJECT                MESSAGE
4m46s       Warning   ReconcileError   deployment/operator   Failed to ensure UWM telemetry remote write: cannot get telemeter client secret: Secret "telemeter-client" not found

エラーを解決するには、local-cluster namespace に config map を作成して、ユーザーワークロード監視オプションを無効にする必要があります。アドオンを有効にする前または後に config map を作成できます。アドオンエージェントは、HyperShift Operator を再設定します。

手順

  1. 次の config map を作成します。

    kind: ConfigMap
    apiVersion: v1
    metadata:
      name: hypershift-operator-install-flags
      namespace: local-cluster
    data:
      installFlagsToAdd: ""
      installFlagsToRemove: "--enable-uwm-telemetry-remote-write"
  2. 以下のコマンドを実行して config map を適用します。

    $ oc apply -f <filename>.yaml

6.5.2. Hosted Control Plane 機能のステータス確認

Hosted Control Plane 機能がデフォルトで有効になりました。

手順

  1. この機能が無効になっており、有効にする場合は、次のコマンドを入力します。<multiclusterengine> は、multicluster engine Operator インスタンスの名前に置き換えます。

    $ oc patch mce <multiclusterengine> --type=merge -p '{"spec":{"overrides":{"components":[{"name":"hypershift","enabled": true}]}}}'

    この機能を有効にすると、hypershift-addon マネージドクラスターアドオンが local-cluster マネージドクラスターにインストールされ、アドオンエージェントによって HyperShift Operator が multicluster engine Operator ハブクラスターにインストールされます。

  2. 次のコマンドを入力して、hypershift-addon マネージドクラスターアドオンがインストールされていることを確認します。

    $ oc get managedclusteraddons -n local-cluster hypershift-addon

    出力例

    NAME               AVAILABLE   DEGRADED   PROGRESSING
    hypershift-addon   True        False

  3. このプロセス時のタイムアウトを回避するには、以下のコマンドを入力します。

    $ oc wait --for=condition=Degraded=True managedclusteraddons/hypershift-addon -n local-cluster --timeout=5m
    $ oc wait --for=condition=Available=True managedclusteraddons/hypershift-addon -n local-cluster --timeout=5m

    プロセスが完了すると、hypershift-addon マネージドクラスターアドオンと HyperShift Operator がインストールされ、local-cluster マネージドクラスターがホステッドクラスターをホストおよび管理できるようになります。

6.5.3. インフラストラクチャーノード上で実行する hypershift-addon マネージドクラスターアドオンの設定

デフォルトでは、hypershift-addon マネージドクラスターアドオンに対してノード配置設定は指定されていません。インフラストラクチャーノード上でアドオンを実行することを検討してください。そうすることで、サブスクリプション数に対する請求コストの発生や、個別のメンテナンスおよび管理タスクの発生を防ぐことができます。

手順

  1. ハブクラスターにログインします。
  2. 次のコマンドを入力して、hypershift-addon-deploy-config アドオンデプロイメント設定仕様を開いて編集します。

    $ oc edit addondeploymentconfig hypershift-addon-deploy-config -n multicluster-engine
  3. 以下の例のように、nodePlacement フィールドを仕様に追加します。

    apiVersion: addon.open-cluster-management.io/v1alpha1
    kind: AddOnDeploymentConfig
    metadata:
      name: hypershift-addon-deploy-config
      namespace: multicluster-engine
    spec:
      nodePlacement:
        nodeSelector:
          node-role.kubernetes.io/infra: ""
        tolerations:
        - effect: NoSchedule
          key: node-role.kubernetes.io/infra
          operator: Exists
  4. 変更を保存します。hypershift-addon マネージドクラスターアドオンは、新規および既存のマネージドクラスターのインフラストラクチャーノードにデプロイされます。

第7章 Hosted Control Plane の更新

Hosted Control Plane の更新には、ホストされたクラスターとノードプールの更新が含まれます。更新プロセス中にクラスターが完全に動作し続けるためには、コントロールプレーンとノードの更新を完了する際に、Kubernetes バージョンスキューポリシー の要件を満たす必要があります。

7.1. Hosted Control Plane をアップグレードするための要件

multicluster engine for Kubernetes Operator は、1 つ以上の OpenShift Container Platform クラスターを管理できます。OpenShift Container Platform でホストされたクラスターを作成した後、ホストされたクラスターをマネージドクラスターとしてマルチクラスターエンジン Operator にインポートする必要があります。その後、OpenShift Container Platform クラスターを管理クラスターとして使用できます。

Hosted Control Plane の更新を開始する前に、次の要件を考慮してください。

  • OpenShift Virtualization をプロバイダーとして使用する場合は、OpenShift Container Platform クラスターにベアメタルプラットフォームを使用する必要があります。
  • ホストされたクラスターのクラウドプラットフォームとして、ベアメタルまたは OpenShift Virtualization を使用する必要があります。ホストされたクラスターのプラットフォームタイプは、HostedCluster カスタムリソース (CR) の spec.Platform.type 仕様で確認できます。
重要

Hosted Control Plane は次の順序で更新する必要があります。

  1. OpenShift Container Platform クラスターを最新バージョンにアップグレードします。詳細は、「Web コンソールを使用してクラスターを更新」または「CLI を使用したクラスターの更新」を参照してください。
  2. マルチクラスターエンジン Operator を最新バージョンにアップグレードします。詳細は、「インストールされている Operator の更新」を参照してください。
  3. ホストされたクラスターとノードプールを以前の OpenShift Container Platform バージョンから最新バージョンにアップグレードします。詳細は、「ホステッドクラスターのコントロールプレーンの更新」および「ホステッドクラスターのノードプールの更新」を参照してください。

7.2. ホステッドクラスターのチャネルの設定

利用可能な更新は、HostedCluster カスタムリソース (CR) の HostedCluster.Status フィールドで確認できます。

利用可能な更新は、ホステッドクラスターの Cluster Version Operator (CVO) からは取得されません。利用可能な更新のリストは、HostedCluster カスタムリソース (CR) の次のフィールドに含まれている利用可能な更新とは異なる場合があります。

  • status.version.availableUpdates
  • status.version.conditionalUpdates

初期の HostedCluster CR には、status.version.availableUpdates フィールドと status.version.conditionalUpdates フィールドに情報が含まれていません。spec.channel フィールドを OpenShift Container Platform の stable リリースバージョンに設定すると、HyperShift Operator が HostedCluster CR を調整し、利用可能な更新と条件付き更新で status.version フィールドを更新します。

チャネル設定を含む HostedCluster CR の次の例を参照してください。

spec:
  autoscaling: {}
  channel: stable-4.y 1
  clusterID: d6d42268-7dff-4d37-92cf-691bd2d42f41
  configuration: {}
  controllerAvailabilityPolicy: SingleReplica
  dns:
    baseDomain: dev11.red-chesterfield.com
    privateZoneID: Z0180092I0DQRKL55LN0
    publicZoneID: Z00206462VG6ZP0H2QLWK
1
<4.y> は、spec.release で指定した OpenShift Container Platform リリースバージョンに置き換えます。たとえば、spec.releaseocp-release:4.16.4-multi に設定する場合は、spec.channelstable-4.16 に設定する必要があります。

HostedCluster CR でチャネルを設定した後、status.version.availableUpdates フィールドと status.version.conditionalUpdates フィールドの出力を表示するには、次のコマンドを実行します。

$ oc get -n <hosted_cluster_namespace> hostedcluster <hosted_cluster_name> -o yaml

出力例

version:
  availableUpdates:
  - channels:
    - candidate-4.16
    - candidate-4.17
    - eus-4.16
    - fast-4.16
    - stable-4.16
    image: quay.io/openshift-release-dev/ocp-release@sha256:b7517d13514c6308ae16c5fd8108133754eb922cd37403ed27c846c129e67a9a
    url: https://access.redhat.com/errata/RHBA-2024:6401
    version: 4.16.11
  - channels:
    - candidate-4.16
    - candidate-4.17
    - eus-4.16
    - fast-4.16
    - stable-4.16
    image: quay.io/openshift-release-dev/ocp-release@sha256:d08e7c8374142c239a07d7b27d1170eae2b0d9f00ccf074c3f13228a1761c162
    url: https://access.redhat.com/errata/RHSA-2024:6004
    version: 4.16.10
  - channels:
    - candidate-4.16
    - candidate-4.17
    - eus-4.16
    - fast-4.16
    - stable-4.16
    image: quay.io/openshift-release-dev/ocp-release@sha256:6a80ac72a60635a313ae511f0959cc267a21a89c7654f1c15ee16657aafa41a0
    url: https://access.redhat.com/errata/RHBA-2024:5757
    version: 4.16.9
  - channels:
    - candidate-4.16
    - candidate-4.17
    - eus-4.16
    - fast-4.16
    - stable-4.16
    image: quay.io/openshift-release-dev/ocp-release@sha256:ea624ae7d91d3f15094e9e15037244679678bdc89e5a29834b2ddb7e1d9b57e6
    url: https://access.redhat.com/errata/RHSA-2024:5422
    version: 4.16.8
  - channels:
    - candidate-4.16
    - candidate-4.17
    - eus-4.16
    - fast-4.16
    - stable-4.16
    image: quay.io/openshift-release-dev/ocp-release@sha256:e4102eb226130117a0775a83769fe8edb029f0a17b6cbca98a682e3f1225d6b7
    url: https://access.redhat.com/errata/RHSA-2024:4965
    version: 4.16.6
  - channels:
    - candidate-4.16
    - candidate-4.17
    - eus-4.16
    - fast-4.16
    - stable-4.16
    image: quay.io/openshift-release-dev/ocp-release@sha256:f828eda3eaac179e9463ec7b1ed6baeba2cd5bd3f1dd56655796c86260db819b
    url: https://access.redhat.com/errata/RHBA-2024:4855
    version: 4.16.5
  conditionalUpdates:
  - conditions:
    - lastTransitionTime: "2024-09-23T22:33:38Z"
      message: |-
        Could not evaluate exposure to update risk SRIOVFailedToConfigureVF (creating PromQL round-tripper: unable to load specified CA cert /etc/tls/service-ca/service-ca.crt: open /etc/tls/service-ca/service-ca.crt: no such file or directory)
          SRIOVFailedToConfigureVF description: OCP Versions 4.14.34, 4.15.25, 4.16.7 and ALL subsequent versions include kernel datastructure changes which are not compatible with older versions of the SR-IOV operator. Please update SR-IOV operator to versions dated 20240826 or newer before updating OCP.
          SRIOVFailedToConfigureVF URL: https://issues.redhat.com/browse/NHE-1171
      reason: EvaluationFailed
      status: Unknown
      type: Recommended
    release:
      channels:
      - candidate-4.16
      - candidate-4.17
      - eus-4.16
      - fast-4.16
      - stable-4.16
      image: quay.io/openshift-release-dev/ocp-release@sha256:fb321a3f50596b43704dbbed2e51fdefd7a7fd488ee99655d03784d0cd02283f
      url: https://access.redhat.com/errata/RHSA-2024:5107
      version: 4.16.7
    risks:
    - matchingRules:
      - promql:
          promql: |
            group(csv_succeeded{_id="d6d42268-7dff-4d37-92cf-691bd2d42f41", name=~"sriov-network-operator[.].*"})
            or
            0 * group(csv_count{_id="d6d42268-7dff-4d37-92cf-691bd2d42f41"})
        type: PromQL
      message: OCP Versions 4.14.34, 4.15.25, 4.16.7 and ALL subsequent versions
        include kernel datastructure changes which are not compatible with older
        versions of the SR-IOV operator. Please update SR-IOV operator to versions
        dated 20240826 or newer before updating OCP.
      name: SRIOVFailedToConfigureVF
      url: https://issues.redhat.com/browse/NHE-1171

7.3. ホステッドクラスターの OpenShift Container Platform バージョンの更新

Hosted Control Plane は、コントロールプレーンとデータプレーン間の更新の分離を可能にします。

クラスターサービスプロバイダーやクラスター管理者は、コントロールプレーンとデータを個別に管理できます。

コントロールプレーンは HostedCluster カスタムリソース (CR) を変更することで更新でき、ノードは NodePool CR を変更することで更新できます。HostedCluster CR と NodePool CR では、どちらも .release フィールドで OpenShift Container Platform リリースイメージを指定します。

更新プロセス中にホステッドクラスターを完全に機能させ続けるには、コントロールプレーンとノードの更新が Kubernetes バージョンスキューポリシー に準拠している必要があります。

7.3.1. multicluster engine Operator ハブ管理クラスター

multicluster engine for Kubernetes Operator には、管理クラスターのサポート対象状態を維持するために、特定の OpenShift Container Platform バージョンが必要です。multicluster engine Operator は、OpenShift Container Platform Web コンソールの OperatorHub からインストールできます。

multicluster engine Operator のバージョンは、次のサポートマトリックスを参照してください。

multicluster engine Operator は、次の OpenShift Container Platform バージョンをサポートしています。

  • 最新の未リリースバージョン
  • 最新リリースバージョン
  • 最新リリースバージョンの 2 つ前のバージョン

Red Hat Advanced Cluster Management (RHACM) の一部として multicluster engine Operator バージョンを入手することもできます。

7.3.2. ホステッドクラスターでサポートされる OpenShift Container Platform のバージョン

ホステッドクラスターをデプロイする場合、管理クラスターの OpenShift Container Platform バージョンは、ホステッドクラスターの OpenShift Container Platform バージョンに影響しません。

HyperShift Operator は、hypershift namespace に supported-versions ConfigMap を作成します。supported-versions ConfigMap には、デプロイ可能なサポートされている OpenShift Container Platform バージョンの範囲が記述されています。

supported-versions ConfigMap の次の例を参照してください。

apiVersion: v1
data:
    server-version: 2f6cfe21a0861dea3130f3bed0d3ae5553b8c28b
    supported-versions: '{"versions":["4.17","4.16","4.15","4.14"]}'
kind: ConfigMap
metadata:
    creationTimestamp: "2024-06-20T07:12:31Z"
    labels:
        hypershift.openshift.io/supported-versions: "true"
    name: supported-versions
    namespace: hypershift
    resourceVersion: "927029"
    uid: f6336f91-33d3-472d-b747-94abae725f70
重要

ホステッドクラスターを作成するには、サポートバージョン範囲内の OpenShift Container Platform バージョンを使用する必要があります。ただし、multicluster engine Operator が管理できるのは、n+1 から n-2 までの OpenShift Container Platform バージョンだけです (n は現在のマイナーバージョンを示します)。multicluster engine Operator サポートマトリックスをチェックすると、multicluster engine Operator によって管理されるホステッドクラスターが、サポートされている OpenShift Container Platform の範囲内であることを確認できます。

上位バージョンのホステッドクラスターを OpenShift Container Platform にデプロイするには、multicluster engine Operator を新しいマイナーバージョンリリースに更新して、新しいバージョンの Hypershift Operator をデプロイする必要があります。multicluster engine Operator を新しいパッチ (z-stream) にアップグレードしても、HyperShift Operator は次のバージョンに更新されません。

hcp version コマンドの次の出力例を参照してください。管理クラスターの OpenShift Container Platform 4.16 でサポートされている OpenShift Container Platform バージョンを示しています。

Client Version: openshift/hypershift: fe67b47fb60e483fe60e4755a02b3be393256343. Latest supported OCP: 4.17.0
Server Version: 05864f61f24a8517731664f8091cedcfc5f9b60d
Server Supports OCP Versions: 4.17, 4.16, 4.15, 4.14

7.4. ホステッドクラスターの更新

spec.release 値は、コントロールプレーンのバージョンを決定します。HostedCluster オブジェクトは、意図した spec.release 値を HostedControlPlane.spec.release 値に送信し、適切な Control Plane Operator のバージョンを実行します。

Hosted Control Plane は、新しいバージョンの Cluster Version Operator (CVO) により、新しいバージョンのコントロールプレーンコンポーネントと OpenShift Container Platform コンポーネントのロールアウトを管理します。

7.5. ノードプールの更新

ノードプールを使用すると、spec.release および spec.config の値を公開することで、ノードで実行されているソフトウェアを設定できます。次の方法でノードプールのローリング更新を開始できます。

  • spec.release または spec.config の値を変更します。
  • AWS インスタンスタイプなどのプラットフォーム固有のフィールドを変更します。結果は、新しいタイプの新規インスタンスのセットになります。
  • クラスター設定を変更します (変更がノードに伝播される場合)。

ノードプールは、置換更新とインプレース更新をサポートします。nodepool.spec.release 値は、特定のノードプールのバージョンを決定します。NodePool オブジェクトは、.spec.management.upgradeType 値に従って、置換またはインプレースローリング更新を完了します。

ノードプールを作成した後は、更新タイプは変更できません。更新タイプを変更する場合は、ノードプールを作成し、他のノードプールを削除する必要があります。

7.5.1. ノードプールの置き換え更新

置き換え 更新では、以前のバージョンから古いインスタンスが削除され、新しいバージョンでインスタンスが作成されます。この更新タイプは、このレベルの不変性がコスト効率に優れているクラウド環境で効果的です。

置き換え更新では、ノードが完全に再プロビジョニングされるため、手動による変更は一切保持されません。

7.5.2. ノードプールのインプレース更新

インプレース 更新では、インスタンスのオペレーティングシステムが直接更新されます。このタイプは、ベアメタルなど、インフラストラクチャーの制約が高い環境に適しています。

インプレース更新では手動による変更を保存できますが、kubelet 証明書など、クラスターが直接管理するファイルシステムまたはオペレーティングシステムの設定に手動で変更を加えると、エラーが報告されます。

7.6. ホステッドクラスターのノードプールの更新

ホステッドクラスターのノードプールを更新することで、OpenShift Container Platform のバージョンを更新できます。ノードプールのバージョンが Hosted Control Plane のバージョンを超えることはできません。

NodePool カスタムリソース (CR) の .spec.release フィールドは、ノードプールのバージョンを示します。

手順

  • 次のコマンドを入力して、ノードプールの spec.release.image 値を変更します。

    $ oc patch nodepool <node_pool_name> -n <hosted_cluster_namespace> --type=merge -p '{"spec":{"nodeDrainTimeout":"60s","release":{"image":"<openshift_release_image>"}}}' 1 2
    1
    <node_pool_name><hosted_cluster_namespace> を、それぞれノードプール名とホストされたクラスターの namespace に置き換えます。
    2
    <openshift_release_image> 変数は、アップグレードする新しい OpenShift Container Platform リリースイメージを指定します (例: quay.io/openshift-release-dev/ocp-release:4.y.z-x86_64)。<4.y.z> をサポートされている OpenShift Container Platform バージョンに置き換えます。

検証

  • 新しいバージョンがロールアウトされたことを確認するには、次のコマンドを実行して、ノードプールの .status.conditions 値を確認します。

    $ oc get -n <hosted_cluster_namespace> nodepool <node_pool_name> -o yaml

    出力例

    status:
     conditions:
     - lastTransitionTime: "2024-05-20T15:00:40Z"
           message: 'Using release image: quay.io/openshift-release-dev/ocp-release:4.y.z-x86_64' 1
           reason: AsExpected
           status: "True"
           type: ValidReleaseImage

    1
    <4.y.z> をサポートされている OpenShift Container Platform バージョンに置き換えます。

7.7. ホステッドクラスターのコントロールプレーンの更新

Hosted Control Plane でホステッドクラスターを更新することで、OpenShift Container Platform のバージョンをアップグレードできます。HostedCluster カスタムリソース (CR) の .spec.release は、コントロールプレーンのバージョンを示します。HostedCluster は、.spec.release フィールドを HostedControlPlane.spec.release に更新し、適切な Control Plane Operator のバージョンを実行します。

HostedControlPlane リソースは、新しいバージョンの Cluster Version Operator (CVO) により、データプレーン内の OpenShift Container Platform コンポーネントとともに、新しいバージョンのコントロールプレーンコンポーネントのロールアウトを調整します。HostedControlPlane には次のアーティファクトが含まれています。

  • CVO
  • Cluster Network Operator (CNO)
  • Cluster Ingress Operator
  • Kube API サーバー、スケジューラー、およびマネージャーのマニフェスト
  • Machine approver
  • Autoscaler
  • Kube API サーバー、Ignition、Konnectivity など、コントロールプレーンエンドポイントの Ingress を有効にするインフラストラクチャーリソース

HostedCluster CR の .spec.release フィールドを設定すると、status.version.availableUpdates フィールドと status.version.conditionalUpdates フィールドの情報を使用してコントロールプレーンを更新できます。

手順

  1. 次のコマンドを実行して、ホストされたクラスターに hypershift.openshift.io/force-upgrade-to=<openshift_release_image> アノテーションを追加します。

    $ oc annotate hostedcluster -n <hosted_cluster_namespace> <hosted_cluster_name> "hypershift.openshift.io/force-upgrade-to=<openshift_release_image>" --overwrite 1 2
    1
    <hosted_cluster_name><hosted_cluster_namespace> を、それぞれホストされたクラスター名とホストされたクラスター namespace に置き換えます。
    2
    <openshift_release_image> 変数は、アップグレードする新しい OpenShift Container Platform リリースイメージを指定します (例: quay.io/openshift-release-dev/ocp-release:4.y.z-x86_64)。<4.y.z> をサポートされている OpenShift Container Platform バージョンに置き換えます。
  2. 次のコマンドを実行して、ホストされたクラスターの spec.release.image 値を変更します。

    $ oc patch hostedcluster <hosted_cluster_name> -n <hosted_cluster_namespace> --type=merge -p '{"spec":{"release":{"image":"<openshift_release_image>"}}}'

検証

  • 新しいバージョンがロールアウトされたことを確認するには、次のコマンドを実行して、ホストされたクラスターの .status.conditions.status.version の値を確認します。

    $ oc get -n <hosted_cluster_namespace> hostedcluster <hosted_cluster_name> -o yaml

    出力例

    status:
     conditions:
     - lastTransitionTime: "2024-05-20T15:01:01Z"
            message: Payload loaded version="4.y.z" image="quay.io/openshift-release-dev/ocp-release:4.y.z-x86_64" 1
            status: "True"
            type: ClusterVersionReleaseAccepted
    #...
    version:
          availableUpdates: null
          desired:
          image: quay.io/openshift-release-dev/ocp-release:4.y.z-x86_64 2
          version: 4.y.z

    1 2
    <4.y.z> をサポートされている OpenShift Container Platform バージョンに置き換えます。

7.8. multicluster engine Operator のコンソールを使用したホステッドクラスターの更新

multicluster engine Operator のコンソールを使用して、ホステッドクラスターを更新できます。

重要

ホステッドクラスターを更新する前に、ホステッドクラスターの利用可能な更新と条件付き更新を参照する必要があります。間違ったリリースバージョンを選択すると、ホステッドクラスターが壊れる可能性があります。

手順

  1. All clusters を選択します。
  2. InfrastructureClusters に移動して、管理対象のホステッドクラスターを表示します。
  3. Upgrade available リンクをクリックして、コントロールプレーンとノードプールを更新します。

第8章 Hosted Control Plane の高可用性

8.1. Hosted Control Plane の高可用性について

次のアクションを実装することで、Hosted Control Plane の高可用性 (HA) を維持できます。

  • ホストされたクラスターの etcd メンバーを回復します。
  • ホストされたクラスターの etcd をバックアップおよび復元します。
  • ホストされたクラスターの障害復旧プロセスを実行します。

8.1.1. 管理クラスターコンポーネントの障害の影響

管理クラスターコンポーネントに障害が発生しても、ワークロードは影響を受けません。OpenShift Container Platform 管理クラスターでは、回復力を提供するために、コントロールプレーンがデータプレーンから分離されています。

次の表は、管理クラスターコンポーネントの障害がコントロールプレーンとデータプレーンに与える影響を示しています。ただし、この表は管理クラスターコンポーネントの障害のすべてのシナリオを網羅しているわけではありません。

表8.1 故障したコンポーネントが Hosted Control Plane に与える影響
故障したコンポーネントの名前Hosted Control Plane API ステータスホストされたクラスターデータプレーンのステータス

ワーカーノード

利用可能

利用可能

アベイラビリティーゾーン

利用可能

利用可能

管理クラスターの制御プレーン

利用可能

利用可能

管理クラスターのコントロールプレーンとワーカーノード

利用不可

利用可能

8.2. 不健全な etcd クラスターの回復

高可用性コントロールプレーンでは、3 つの etcd Pod が etcd クラスター内のステートフルセットの一部として実行されます。etcd クラスターを回復するには、etcd クラスターの健全性をチェックして、正常でない etcd Pod を特定します。

8.2.1. etcd クラスターのステータスの確認

任意の etcd Pod にログインすると、etcd クラスターの健全性ステータスを確認できます。

手順

  1. 次のコマンドを入力して、etcd Pod にログインします。

    $ oc rsh -n openshift-etcd -c etcd <etcd_pod_name>
  2. 次のコマンドを入力して、etcd クラスターの健全性ステータスを出力します。

    sh-4.4# etcdctl endpoint status -w table

    出力例

    +------------------------------+-----------------+---------+---------+-----------+------------+-----------+------------+--------------------+--------+
    |          ENDPOINT            |       ID        | VERSION | DB SIZE | IS LEADER | IS LEARNER | RAFT TERM | RAFT INDEX | RAFT APPLIED INDEX | ERRORS |
    +------------------------------+-----------------+---------+---------+-----------+------------+-----------+------------+--------------------+--------+
    | https://192.168.1xxx.20:2379 | 8fxxxxxxxxxx    |  3.5.12 |  123 MB |     false |      false |        10 |     180156 |             180156 |        |
    | https://192.168.1xxx.21:2379 | a5xxxxxxxxxx    |  3.5.12 |  122 MB |     false |      false |        10 |     180156 |             180156 |        |
    | https://192.168.1xxx.22:2379 | 7cxxxxxxxxxx    |  3.5.12 |  124 MB |      true |      false |        10 |     180156 |             180156 |        |
    +-----------------------------+------------------+---------+---------+-----------+------------+-----------+------------+--------------------+--------+

8.2.2. 障害が発生した etcd Pod の回復

3 ノードクラスターの各 etcd Pod には、データを保存するための独自の永続ボリューム要求 (PVC) があります。データが破損しているか欠落しているために、etcd Pod が失敗する可能性があります。障害が発生した etcd Pod とその PVC を回復できます。

手順

  1. etcd Pod が失敗していることを確認するには、次のコマンドを入力します。

    $ oc get pods -l app=etcd -n openshift-etcd

    出力例

    NAME     READY   STATUS             RESTARTS     AGE
    etcd-0   2/2     Running            0            64m
    etcd-1   2/2     Running            0            45m
    etcd-2   1/2     CrashLoopBackOff   1 (5s ago)   64m

    失敗した etcd Pod のステータスは CrashLoopBackOff または Error である可能性があります。

  2. 次のコマンドを入力して、障害が発生した Pod とその PVC を削除します。

    $ oc delete pods etcd-2 -n openshift-etcd

検証

  • 次のコマンドを実行して、新しい etcd Pod が起動して実行していることを確認します。

    $ oc get pods -l app=etcd -n openshift-etcd

    出力例

    NAME     READY   STATUS    RESTARTS   AGE
    etcd-0   2/2     Running   0          67m
    etcd-1   2/2     Running   0          48m
    etcd-2   2/2     Running   0          2m2s

8.3. オンプレミス環境での etcd のバックアップと復元

オンプレミス環境のホストされたクラスターで etcd をバックアップおよび復元して、障害を修正できます。

8.3.1. オンプレミス環境のホストされたクラスターでの etcd のバックアップと復元

ホストされたクラスターで etcd をバックアップおよび復元することで、3 ノードクラスターの etcd メンバー内にあるデータの破損や欠落などの障害を修正できます。etcd クラスターの複数メンバーでデータの損失や CrashLoopBackOff ステータスが発生する場合、このアプローチにより etcd クォーラムの損失を防ぐことができます。

重要

この手順には、API のダウンタイムが必要です。

前提条件

  • oc および jq バイナリーがインストールされている。

手順

  1. まず環境変数を設定し、API サーバーをスケールダウンします。

    1. 必要に応じて値を置き換えて次のコマンドを入力し、ホストされたクラスターの環境変数を設定します。

      $ CLUSTER_NAME=my-cluster
      $ HOSTED_CLUSTER_NAMESPACE=clusters
      $ CONTROL_PLANE_NAMESPACE="${HOSTED_CLUSTER_NAMESPACE}-${CLUSTER_NAME}"
    2. 必要に応じて値を置き換えて次のコマンドを入力し、ホストされたクラスターの調整を一時停止します。

      $ oc patch -n ${HOSTED_CLUSTER_NAMESPACE} hostedclusters/${CLUSTER_NAME} -p '{"spec":{"pausedUntil":"true"}}' --type=merge
    3. 次のコマンドを入力して、API サーバーをスケールダウンします。

      1. kube-apiserver をスケールダウンします。

        $ oc scale -n ${CONTROL_PLANE_NAMESPACE} deployment/kube-apiserver --replicas=0
      2. openshift-apiserver をスケールダウンします。

        $ oc scale -n ${CONTROL_PLANE_NAMESPACE} deployment/openshift-apiserver --replicas=0
      3. openshift-oauth-apiserver をスケールダウンします。

        $ oc scale -n ${CONTROL_PLANE_NAMESPACE} deployment/openshift-oauth-apiserver --replicas=0
  2. 次に、次のいずれかの方法を使用して etcd のスナップショットを取得します。

    1. 以前にバックアップした etcd のスナップショットを使用します。
    2. 使用可能な etcd Pod がある場合は、次の手順を実行して、アクティブな etcd Pod からスナップショットを取得します。

      1. 次のコマンドを入力して、etcd Pod をリスト表示します。

        $ oc get -n ${CONTROL_PLANE_NAMESPACE} pods -l app=etcd
      2. 次のコマンドを入力して、Pod データベースのスナップショットを取得し、マシンのローカルに保存します。

        $ ETCD_POD=etcd-0
        $ oc exec -n ${CONTROL_PLANE_NAMESPACE} -c etcd -t ${ETCD_POD} -- env ETCDCTL_API=3 /usr/bin/etcdctl \
        --cacert /etc/etcd/tls/etcd-ca/ca.crt \
        --cert /etc/etcd/tls/client/etcd-client.crt \
        --key /etc/etcd/tls/client/etcd-client.key \
        --endpoints=https://localhost:2379 \
        snapshot save /var/lib/snapshot.db
      3. 次のコマンドを入力して、スナップショットが成功したことを確認します。

        $ oc exec -n ${CONTROL_PLANE_NAMESPACE} -c etcd -t ${ETCD_POD} -- env ETCDCTL_API=3 /usr/bin/etcdctl -w table snapshot status /var/lib/snapshot.db
    3. 次のコマンドを入力して、スナップショットのローカルコピーを作成します。

      $ oc cp -c etcd ${CONTROL_PLANE_NAMESPACE}/${ETCD_POD}:/var/lib/snapshot.db /tmp/etcd.snapshot.db
      1. etcd 永続ストレージからスナップショットデータベースのコピーを作成します。

        1. 次のコマンドを入力して、etcd Pod をリスト表示します。

          $ oc get -n ${CONTROL_PLANE_NAMESPACE} pods -l app=etcd
        2. 実行中の Pod を検索し、その名前を ETCD_POD: ETCD_POD=etcd-0 の値として設定し、次のコマンドを入力してそのスナップショットデータベースをコピーします。

          $ oc cp -c etcd ${CONTROL_PLANE_NAMESPACE}/${ETCD_POD}:/var/lib/data/member/snap/db /tmp/etcd.snapshot.db
  3. 次のコマンドを入力して、etcd statefulset をスケールダウンします。

    $ oc scale -n ${CONTROL_PLANE_NAMESPACE} statefulset/etcd --replicas=0
    1. 次のコマンドを入力して、2 番目と 3 番目のメンバーのボリュームを削除します。

      $ oc delete -n ${CONTROL_PLANE_NAMESPACE} pvc/data-etcd-1 pvc/data-etcd-2
    2. 最初の etcd メンバーのデータにアクセスする Pod を作成します。

      1. 次のコマンドを入力して、etcd イメージを取得します。

        $ ETCD_IMAGE=$(oc get -n ${CONTROL_PLANE_NAMESPACE} statefulset/etcd -o jsonpath='{ .spec.template.spec.containers[0].image }')
      2. etcd データへのアクセスを許可する Pod を作成します。

        $ cat << EOF | oc apply -n ${CONTROL_PLANE_NAMESPACE} -f -
        apiVersion: apps/v1
        kind: Deployment
        metadata:
          name: etcd-data
        spec:
          replicas: 1
          selector:
            matchLabels:
              app: etcd-data
          template:
            metadata:
              labels:
                app: etcd-data
            spec:
              containers:
              - name: access
                image: $ETCD_IMAGE
                volumeMounts:
                - name: data
                  mountPath: /var/lib
                command:
                - /usr/bin/bash
                args:
                - -c
                - |-
                  while true; do
                    sleep 1000
                  done
              volumes:
              - name: data
                persistentVolumeClaim:
                  claimName: data-etcd-0
        EOF
      3. 次のコマンドを入力して、etcd-data Pod のステータスを確認し、実行されるまで待ちます。

        $ oc get -n ${CONTROL_PLANE_NAMESPACE} pods -l app=etcd-data
      4. 次のコマンドを入力して、etcd-data Pod の名前を取得します。

        $ DATA_POD=$(oc get -n ${CONTROL_PLANE_NAMESPACE} pods --no-headers -l app=etcd-data -o name | cut -d/ -f2)
    3. 次のコマンドを入力して、etcd スナップショットを Pod にコピーします。

      $ oc cp /tmp/etcd.snapshot.db ${CONTROL_PLANE_NAMESPACE}/${DATA_POD}:/var/lib/restored.snap.db
    4. 次のコマンドを入力して、etcd-data Pod から古いデータを削除します。

      $ oc exec -n ${CONTROL_PLANE_NAMESPACE} ${DATA_POD} -- rm -rf /var/lib/data
      $ oc exec -n ${CONTROL_PLANE_NAMESPACE} ${DATA_POD} -- mkdir -p /var/lib/data
    5. 次のコマンドを入力して、etcd スナップショットを復元します。

      $ oc exec -n ${CONTROL_PLANE_NAMESPACE} ${DATA_POD} -- etcdutl snapshot restore /var/lib/restored.snap.db \
           --data-dir=/var/lib/data --skip-hash-check \
           --name etcd-0 \
           --initial-cluster-token=etcd-cluster \
           --initial-cluster etcd-0=https://etcd-0.etcd-discovery.${CONTROL_PLANE_NAMESPACE}.svc:2380,etcd-1=https://etcd-1.etcd-discovery.${CONTROL_PLANE_NAMESPACE}.svc:2380,etcd-2=https://etcd-2.etcd-discovery.${CONTROL_PLANE_NAMESPACE}.svc:2380 \
           --initial-advertise-peer-urls https://etcd-0.etcd-discovery.${CONTROL_PLANE_NAMESPACE}.svc:2380
    6. 次のコマンドを入力して、Pod から一時的な etcd スナップショットを削除します。

      $ oc exec -n ${CONTROL_PLANE_NAMESPACE} ${DATA_POD} -- rm /var/lib/restored.snap.db
    7. 次のコマンドを入力して、データアクセスデプロイメントを削除します。

      $ oc delete -n ${CONTROL_PLANE_NAMESPACE} deployment/etcd-data
    8. 次のコマンドを入力して、etcd クラスターをスケールアップします。

      $ oc scale -n ${CONTROL_PLANE_NAMESPACE} statefulset/etcd --replicas=3
    9. 次のコマンドを入力して、etcd メンバー Pod が返され、使用可能であると報告されるのを待ちます。

      $ oc get -n ${CONTROL_PLANE_NAMESPACE} pods -l app=etcd -w
    10. 次のコマンドを入力して、すべての etcd-writer デプロイメントをスケールアップします。

      $ oc scale deployment -n ${CONTROL_PLANE_NAMESPACE} --replicas=3 kube-apiserver openshift-apiserver openshift-oauth-apiserver
  4. 次のコマンドを入力して、ホストされたクラスターの調整を復元します。

    $ oc patch -n ${CLUSTER_NAMESPACE} hostedclusters/${CLUSTER_NAME} -p '{"spec":{"pausedUntil":""}}' --type=merge

8.4. AWS での etcd のバックアップと復元

障害を修正するために、Amazon Web Services (AWS) 上のホステッドクラスターで etcd をバックアップおよび復元できます。

8.4.1. ホステッドクラスターの etcd のスナップショットを取得する

ホステッドクラスターの etcd をバックアップするには、etcd のスナップショットを作成する必要があります。後で、スナップショットを使用して etcd を復元できます。

重要

この手順には、API のダウンタイムが必要です。

手順

  1. 次のコマンドを入力して、ホステッドクラスターの調整を一時停止します。

    $ oc patch -n clusters hostedclusters/<hosted_cluster_name> -p '{"spec":{"pausedUntil":"true"}}' --type=merge
  2. 次のコマンドを入力して、すべての etcd-writer デプロイメントを停止します。

    $ oc scale deployment -n <hosted_cluster_namespace> --replicas=0 kube-apiserver openshift-apiserver openshift-oauth-apiserver
  3. etcd スナップショットを取得するには、次のコマンドを実行して、各 etcd コンテナーで exec コマンドを使用します。

    $ oc exec -it <etcd_pod_name> -n <hosted_cluster_namespace> -- env ETCDCTL_API=3 /usr/bin/etcdctl --cacert /etc/etcd/tls/etcd-ca/ca.crt --cert /etc/etcd/tls/client/etcd-client.crt --key /etc/etcd/tls/client/etcd-client.key --endpoints=localhost:2379 snapshot save /var/lib/data/snapshot.db
  4. スナップショットのステータスを確認するには、次のコマンドを実行して、各 etcd コンテナーで exec コマンドを使用します。

    $ oc exec -it <etcd_pod_name> -n <hosted_cluster_namespace> -- env ETCDCTL_API=3 /usr/bin/etcdctl -w table snapshot status /var/lib/data/snapshot.db
  5. スナップショットデータを、S3 バケットなど、後で取得できる場所にコピーします。以下の例を参照してください。

    注記

    次の例では、署名バージョン 2 を使用しています。署名バージョン 4 をサポートするリージョン (例: us-east-2 リージョン) にいる場合は、署名バージョン 4 を使用してください。そうしないと、スナップショットを S3 バケットにコピーするときにアップロードが失敗します。

    BUCKET_NAME=somebucket
    FILEPATH="/${BUCKET_NAME}/${CLUSTER_NAME}-snapshot.db"
    CONTENT_TYPE="application/x-compressed-tar"
    DATE_VALUE=`date -R`
    SIGNATURE_STRING="PUT\n\n${CONTENT_TYPE}\n${DATE_VALUE}\n${FILEPATH}"
    ACCESS_KEY=accesskey
    SECRET_KEY=secret
    SIGNATURE_HASH=`echo -en ${SIGNATURE_STRING} | openssl sha1 -hmac ${SECRET_KEY} -binary | base64`
    
    oc exec -it etcd-0 -n ${HOSTED_CLUSTER_NAMESPACE} -- curl -X PUT -T "/var/lib/data/snapshot.db" \
      -H "Host: ${BUCKET_NAME}.s3.amazonaws.com" \
      -H "Date: ${DATE_VALUE}" \
      -H "Content-Type: ${CONTENT_TYPE}" \
      -H "Authorization: AWS ${ACCESS_KEY}:${SIGNATURE_HASH}" \
      https://${BUCKET_NAME}.s3.amazonaws.com/${CLUSTER_NAME}-snapshot.db

  6. 後で新しいクラスターでスナップショットを復元するには、ホストされたクラスターが参照する暗号化シークレットを保存します。

    1. 次のコマンドを実行してシークレットの暗号鍵を取得します。

      $ oc get hostedcluster <hosted_cluster_name> -o=jsonpath='{.spec.secretEncryption.aescbc}'
      {"activeKey":{"name":"<hosted_cluster_name>-etcd-encryption-key"}}
    2. 次のコマンドを実行してシークレットの暗号鍵を保存します。

      $ oc get secret <hosted_cluster_name>-etcd-encryption-key -o=jsonpath='{.data.key}'

      新しいクラスターでスナップショットを復元するときに、このキーを復号化できます。

次のステップ

etcd スナップショットを復元します。

8.4.2. ホストされたクラスターでの etcd スナップショットの復元

ホストされたクラスターからの etcd のスナップショットがある場合は、それを復元できます。現在、クラスターの作成中にのみ etcd スナップショットを復元できます。

etcd スナップショットを復元するには、create cluster --render コマンドからの出力を変更し、HostedCluster 仕様の etcd セクションで restoreSnapshotURL 値を定義します。

注記

hcp create コマンドの --render フラグはシークレットをレンダリングしません。シークレットをレンダリングするには、hcp create コマンドで --render フラグと --render-sensitive フラグの両方を使用する必要があります。

前提条件

ホストされたクラスターで etcd スナップショットを作成している。

手順

  1. aws コマンドラインインターフェイス (CLI) で事前に署名された URL を作成し、認証情報を etcd デプロイメントに渡さずに S3 から etcd スナップショットをダウンロードできるようにします。

    ETCD_SNAPSHOT=${ETCD_SNAPSHOT:-"s3://${BUCKET_NAME}/${CLUSTER_NAME}-snapshot.db"}
    ETCD_SNAPSHOT_URL=$(aws s3 presign ${ETCD_SNAPSHOT})
  2. 次の URL を参照するように HostedCluster 仕様を変更します。

    spec:
      etcd:
        managed:
          storage:
            persistentVolume:
              size: 4Gi
            type: PersistentVolume
            restoreSnapshotURL:
            - "${ETCD_SNAPSHOT_URL}"
        managementType: Managed
  3. spec.secretEncryption.aescbc 値から参照したシークレットに、前の手順で保存したものと同じ AES キーが含まれていることを確認します。

8.5. OpenShift Virtualization 上のホステッドクラスターのバックアップと復元

障害に対処するために、OpenShift Virtualization 上のホステッドクラスターをバックアップおよび復元できます。

8.5.1. OpenShift Virtualization 上のホステッドクラスターのバックアップ

OpenShift Virtualization 上のホステッドクラスターをバックアップしても、ホステッドクラスターは動作を継続できます。バックアップには、Hosted Control Plane のコンポーネントとホステッドクラスターの etcd が含まれます。

ホステッドクラスターが外部インフラストラクチャー上でコンピュートノードを実行していない場合、KubeVirt CSI によってプロビジョニングされた永続ボリューム要求 (PVC) に保存されているホステッドクラスターのワークロードデータもバックアップされます。バックアップには、コンピュートノードとして使用される KubeVirt 仮想マシン (VM) は含まれません。これらの仮想マシンは、復元プロセスの完了後、自動的に再作成されます。

手順

  1. 次の例のような YAML ファイルを作成して、Velero バックアップリソースを作成します。

    apiVersion: velero.io/v1
    kind: Backup
    metadata:
      name: hc-clusters-hosted-backup
      namespace: openshift-adp
      labels:
        velero.io/storage-location: default
    spec:
      includedNamespaces: 1
      - clusters
      - clusters-hosted
      includedResources:
      - sa
      - role
      - rolebinding
      - deployment
      - statefulset
      - pv
      - pvc
      - bmh
      - configmap
      - infraenv
      - priorityclasses
      - pdb
      - hostedcluster
      - nodepool
      - secrets
      - hostedcontrolplane
      - cluster
      - datavolume
      - service
      - route
      excludedResources: [ ]
      labelSelector: 2
        matchExpressions:
        - key: 'hypershift.openshift.io/is-kubevirt-rhcos'
          operator: 'DoesNotExist'
      storageLocation: default
      preserveNodePorts: true
      ttl: 4h0m0s
      snapshotMoveData: true 3
      datamover: "velero" 4
      defaultVolumesToFsBackup: false 5
    1
    このフィールドでは、バックアップするオブジェクトの namespace を選択します。ホステッドクラスターと Hosted Control Plane の両方の namespace を含めます。この例では、clusters はホステッドクラスターの namespace であり、clusters-hosted は Hosted Control Plane の namespace です。デフォルトでは、HostedControlPlane の namespace は clusters-<hosted_cluster_name> です。
    2
    ホステッドクラスターノードとして使用される仮想マシンのブートイメージは、大規模な PVC に保存されています。バックアップ時間とストレージサイズを削減するには、このラベルセレクターを追加して、この PVC をバックアップから除外できます。
    3
    このフィールドと datamover フィールドにより、CSI VolumeSnapshots をリモートクラウドストレージに自動的にアップロードできます。
    4
    このフィールドと snapshotMoveData フィールドにより、CSI VolumeSnapshots をリモートクラウドストレージに自動的にアップロードできます。
    5
    このフィールドは、Pod ボリュームファイルシステムバックアップをデフォルトですべてのボリュームに使用するかどうかを指定します。特定の PVC をバックアップするには、この値を false に設定します。
  2. 次のコマンドを入力して、YAML ファイルに変更を適用します。

    $ oc apply -f <backup_file_name>.yaml

    <backup_file_name> は、ファイル名に置き換えます。

  3. バックアップオブジェクトのステータスと Velero ログでバックアッププロセスを監視します。

    • バックアップオブジェクトの状態を監視するには、次のコマンドを入力します。

      $ watch "oc get backups.velero.io -n openshift-adp <backup_file_name> -o jsonpath='{.status}' | jq"
    • Velero ログを監視するには、次のコマンドを入力します。

      $ oc logs -n openshift-adp -ldeploy=velero -f

検証

  • status.phase フィールドが Completed の場合、バックアッププロセスは完了したと見なすことができます。

8.5.2. OpenShift Virtualization 上のホステッドクラスターの復元

OpenShift Virtualization 上のホステッドクラスターをバックアップした後、そのバックアップを復元できます。

注記

復元プロセスは、バックアップを作成したのと同じ管理クラスター上でのみ完了できます。

手順

  1. HostedControlPlane namespace で Pod または永続ボリューム要求 (PVC) が実行されていないことを確認します。
  2. 管理クラスターから次のオブジェクトを削除します。

    • HostedCluster
    • NodePool
    • PVC
  3. 次の例のような復元マニフェスト YAML ファイルを作成します。

    apiVersion: velero.io/v1
    kind: Restore
    metadata:
      name: hc-clusters-hosted-restore
      namespace: openshift-adp
    spec:
      backupName: hc-clusters-hosted-backup
      restorePVs: true 1
      existingResourcePolicy: update 2
      excludedResources:
      - nodes
      - events
      - events.events.k8s.io
      - backups.velero.io
      - restores.velero.io
      - resticrepositories.velero.io
    1
    このフィールドにより、含まれている永続ボリュームを使用して Pod の復元が開始されます。
    2
    existingResourcePolicyupdate に設定すると、既存のオブジェクトがバックアップコンテンツで上書きされます。この操作により、イミュータブルなフィールドを含むオブジェクトで問題が発生する可能性があります。そのため、HostedCluster、ノードプール、および PVC を削除しました。このポリシーを設定しなかった場合、Velero エンジンによって、すでに存在するオブジェクトの復元がスキップされます。
  4. 次のコマンドを入力して、YAML ファイルに変更を適用します。

    $ oc apply -f <restore_resource_file_name>.yaml

    <restore_resource_file_name> は、ファイル名に置き換えます。

  5. 復元ステータスフィールドと Velero ログを確認して、復元プロセスを監視します。

    • 復元ステータスフィールドを確認するには、次のコマンドを入力します。

      $ watch "oc get restores.velero.io -n openshift-adp <backup_file_name> -o jsonpath='{.status}' | jq"
    • Velero ログを確認するには、次のコマンドを入力します。

      $ oc logs -n openshift-adp -ldeploy=velero -f

検証

  • status.phase フィールドが Completed の場合、復元プロセスは完了したと見なすことができます。

次のステップ

  • しばらくすると、KubeVirt 仮想マシンが作成され、ホステッドクラスターにコンピュートノードとして参加します。ホステッドクラスターのワークロードが期待どおりに再度実行されていることを確認してください。

8.6. AWS でホストされたクラスターの障害復旧

ホストされたクラスターを Amazon Web Services (AWS) 内の同じリージョンに復元できます。たとえば、管理クラスターのアップグレードが失敗し、ホストされたクラスターが読み取り専用状態になっている場合は、障害復旧が必要になります。

障害復旧プロセスには次の手順が含まれます。

  1. ソース管理クラスターでのホストされたクラスターのバックアップ
  2. 宛先管理クラスターでのホストされたクラスターの復元
  3. ホストされたクラスターのソース管理クラスターからの削除

プロセス中、ワークロードは引き続き実行されます。クラスター API は一定期間使用できない場合がありますが、ワーカーノードで実行されているサービスには影響しません。

重要

API サーバー URL を維持するには、ソース管理クラスターと宛先管理クラスターの両方に --external-dns フラグが必要です。これにより、サーバー URL は https://api-sample-hosted.sample-hosted.aws.openshift.com で終わります。以下の例を参照してください。

例: 外部 DNS フラグ

--external-dns-provider=aws \
--external-dns-credentials=<path_to_aws_credentials_file> \
--external-dns-domain-filter=<basedomain>

API サーバー URL を維持するために --external-dns フラグを含めない場合、ホストされたクラスターを移行することはできません。

8.6.1. バックアップおよび復元プロセスの概要

バックアップと復元のプロセスは、以下のような仕組みとなっています。

  1. 管理クラスター 1 (ソース管理クラスターと見なすことができます) では、コントロールプレーンとワーカーが外部 DNS API を使用して対話します。外部 DNS API はアクセス可能で、管理クラスター間にロードバランサーが配置されています。

    外部 DNS API にアクセスするワーカーと、ロードバランサーを介してコントロールプレーンを参照する外部 DNS API を示す図
  2. ホストされたクラスターのスナップショットを作成します。これには、etcd、コントロールプレーン、およびワーカーノードが含まれます。このプロセスの間、ワーカーノードは外部 DNS API にアクセスできなくても引き続きアクセスを試みます。また、ワークロードが実行され、コントロールプレーンがローカルマニフェストファイルに保存され、etcd が S3 バケットにバックアップされます。データプレーンはアクティブで、コントロールプレーンは一時停止しています。

    298 OpenShift バックアップの復元 0123 01
  3. 管理クラスター 2 (宛先管理クラスターと見なすことができます) では、S3 バケットから etcd を復元し、ローカルマニフェストファイルからコントロールプレーンを復元します。このプロセスの間、外部 DNS API は停止し、ホストされたクラスター API にアクセスできなくなり、API を使用するワーカーはマニフェストファイルを更新できなくなりますが、ワークロードは引き続き実行されます。

    298 OpenShift バックアップの復元 0123 02
  4. 外部 DNS API に再びアクセスできるようになり、ワーカーノードはそれを使用して管理クラスター 2 に移動します。外部 DNS API は、コントロールプレーンを参照するロードバランサーにアクセスできます。

    298 OpenShift バックアップの復元 0123 03
  5. 管理クラスター 2 では、コントロールプレーンとワーカーノードが外部 DNS API を使用して対話します。リソースは、etcd の S3 バックアップを除いて、管理クラスター 1 から削除されます。ホストされたクラスターを管理クラスター 1 で再度設定しようとしても、機能しません。

    298 OpenShift バックアップの復元 0123 04

8.6.2. ホストされたクラスターのバックアップ

ターゲット管理クラスターでホストされたクラスターを復元するには、最初にすべての関連データをバックアップする必要があります。

手順

  1. 以下のコマンドを入力して、configmap ファイルを作成し、ソース管理クラスターを宣言します。

    $ oc create configmap mgmt-parent-cluster -n default --from-literal=from=${MGMT_CLUSTER_NAME}
  2. 以下のコマンドを入力して、ホストされたクラスターとノードプールの調整をシャットダウンします。

    $ PAUSED_UNTIL="true"
    $ oc patch -n ${HC_CLUSTER_NS} hostedclusters/${HC_CLUSTER_NAME} -p '{"spec":{"pausedUntil":"'${PAUSED_UNTIL}'"}}' --type=merge
    $ oc scale deployment -n ${HC_CLUSTER_NS}-${HC_CLUSTER_NAME} --replicas=0 kube-apiserver openshift-apiserver openshift-oauth-apiserver control-plane-operator
    $ PAUSED_UNTIL="true"
    $ oc patch -n ${HC_CLUSTER_NS} hostedclusters/${HC_CLUSTER_NAME} -p '{"spec":{"pausedUntil":"'${PAUSED_UNTIL}'"}}' --type=merge
    $ oc patch -n ${HC_CLUSTER_NS} nodepools/${NODEPOOLS} -p '{"spec":{"pausedUntil":"'${PAUSED_UNTIL}'"}}' --type=merge
    $ oc scale deployment -n ${HC_CLUSTER_NS}-${HC_CLUSTER_NAME} --replicas=0 kube-apiserver openshift-apiserver openshift-oauth-apiserver control-plane-operator
  3. 以下の bash スクリプトを実行して、etcd をバックアップし、データを S3 バケットにアップロードします。

    ヒント

    このスクリプトを関数でラップし、メイン関数から呼び出します。

    # ETCD Backup
    ETCD_PODS="etcd-0"
    if [ "${CONTROL_PLANE_AVAILABILITY_POLICY}" = "HighlyAvailable" ]; then
      ETCD_PODS="etcd-0 etcd-1 etcd-2"
    fi
    
    for POD in ${ETCD_PODS}; do
      # Create an etcd snapshot
      oc exec -it ${POD} -n ${HC_CLUSTER_NS}-${HC_CLUSTER_NAME} -- env ETCDCTL_API=3 /usr/bin/etcdctl --cacert /etc/etcd/tls/client/etcd-client-ca.crt --cert /etc/etcd/tls/client/etcd-client.crt --key /etc/etcd/tls/client/etcd-client.key --endpoints=localhost:2379 snapshot save /var/lib/data/snapshot.db
      oc exec -it ${POD} -n ${HC_CLUSTER_NS}-${HC_CLUSTER_NAME} -- env ETCDCTL_API=3 /usr/bin/etcdctl -w table snapshot status /var/lib/data/snapshot.db
    
      FILEPATH="/${BUCKET_NAME}/${HC_CLUSTER_NAME}-${POD}-snapshot.db"
      CONTENT_TYPE="application/x-compressed-tar"
      DATE_VALUE=`date -R`
      SIGNATURE_STRING="PUT\n\n${CONTENT_TYPE}\n${DATE_VALUE}\n${FILEPATH}"
    
      set +x
      ACCESS_KEY=$(grep aws_access_key_id ${AWS_CREDS} | head -n1 | cut -d= -f2 | sed "s/ //g")
      SECRET_KEY=$(grep aws_secret_access_key ${AWS_CREDS} | head -n1 | cut -d= -f2 | sed "s/ //g")
      SIGNATURE_HASH=$(echo -en ${SIGNATURE_STRING} | openssl sha1 -hmac "${SECRET_KEY}" -binary | base64)
      set -x
    
      # FIXME: this is pushing to the OIDC bucket
      oc exec -it etcd-0 -n ${HC_CLUSTER_NS}-${HC_CLUSTER_NAME} -- curl -X PUT -T "/var/lib/data/snapshot.db" \
        -H "Host: ${BUCKET_NAME}.s3.amazonaws.com" \
        -H "Date: ${DATE_VALUE}" \
        -H "Content-Type: ${CONTENT_TYPE}" \
        -H "Authorization: AWS ${ACCESS_KEY}:${SIGNATURE_HASH}" \
        https://${BUCKET_NAME}.s3.amazonaws.com/${HC_CLUSTER_NAME}-${POD}-snapshot.db
    done

    etcd のバックアップの詳細は、「ホストされたクラスターでの etcd のバックアップと復元」を参照してください。

  4. 以下のコマンドを入力して、Kubernetes および OpenShift Container Platform オブジェクトをバックアップします。次のオブジェクトをバックアップする必要があります。

    • HostedCluster namespace の HostedCluster および NodePool オブジェクト
    • HostedCluster namespace の HostedCluster シークレット
    • Hosted Control Plane namespace の HostedControlPlane
    • Hosted Control Plane namespace の Cluster
    • Hosted Control Plane namespace の AWSClusterAWSMachineTemplate、および AWSMachine
    • Hosted Control Plane namespace の MachineDeploymentsMachineSets、および Machines
    • Hosted Control Plane namespace の ControlPlane シークレット

      $ mkdir -p ${BACKUP_DIR}/namespaces/${HC_CLUSTER_NS} ${BACKUP_DIR}/namespaces/${HC_CLUSTER_NS}-${HC_CLUSTER_NAME}
      $ chmod 700 ${BACKUP_DIR}/namespaces/
      
      # HostedCluster
      $ echo "Backing Up HostedCluster Objects:"
      $ oc get hc ${HC_CLUSTER_NAME} -n ${HC_CLUSTER_NS} -o yaml > ${BACKUP_DIR}/namespaces/${HC_CLUSTER_NS}/hc-${HC_CLUSTER_NAME}.yaml
      $ echo "--> HostedCluster"
      $ sed -i '' -e '/^status:$/,$d' ${BACKUP_DIR}/namespaces/${HC_CLUSTER_NS}/hc-${HC_CLUSTER_NAME}.yaml
      
      # NodePool
      $ oc get np ${NODEPOOLS} -n ${HC_CLUSTER_NS} -o yaml > ${BACKUP_DIR}/namespaces/${HC_CLUSTER_NS}/np-${NODEPOOLS}.yaml
      $ echo "--> NodePool"
      $ sed -i '' -e '/^status:$/,$ d' ${BACKUP_DIR}/namespaces/${HC_CLUSTER_NS}/np-${NODEPOOLS}.yaml
      
      # Secrets in the HC Namespace
      $ echo "--> HostedCluster Secrets:"
      for s in $(oc get secret -n ${HC_CLUSTER_NS} | grep "^${HC_CLUSTER_NAME}" | awk '{print $1}'); do
          oc get secret -n ${HC_CLUSTER_NS} $s -o yaml > ${BACKUP_DIR}/namespaces/${HC_CLUSTER_NS}/secret-${s}.yaml
      done
      
      # Secrets in the HC Control Plane Namespace
      $ echo "--> HostedCluster ControlPlane Secrets:"
      for s in $(oc get secret -n ${HC_CLUSTER_NS}-${HC_CLUSTER_NAME} | egrep -v "docker|service-account-token|oauth-openshift|NAME|token-${HC_CLUSTER_NAME}" | awk '{print $1}'); do
          oc get secret -n ${HC_CLUSTER_NS}-${HC_CLUSTER_NAME} $s -o yaml > ${BACKUP_DIR}/namespaces/${HC_CLUSTER_NS}-${HC_CLUSTER_NAME}/secret-${s}.yaml
      done
      
      # Hosted Control Plane
      $ echo "--> HostedControlPlane:"
      $ oc get hcp ${HC_CLUSTER_NAME} -n ${HC_CLUSTER_NS}-${HC_CLUSTER_NAME} -o yaml > ${BACKUP_DIR}/namespaces/${HC_CLUSTER_NS}-${HC_CLUSTER_NAME}/hcp-${HC_CLUSTER_NAME}.yaml
      
      # Cluster
      $ echo "--> Cluster:"
      $ CL_NAME=$(oc get hcp ${HC_CLUSTER_NAME} -n ${HC_CLUSTER_NS}-${HC_CLUSTER_NAME} -o jsonpath={.metadata.labels.\*} | grep ${HC_CLUSTER_NAME})
      $ oc get cluster ${CL_NAME} -n ${HC_CLUSTER_NS}-${HC_CLUSTER_NAME} -o yaml > ${BACKUP_DIR}/namespaces/${HC_CLUSTER_NS}-${HC_CLUSTER_NAME}/cl-${HC_CLUSTER_NAME}.yaml
      
      # AWS Cluster
      $ echo "--> AWS Cluster:"
      $ oc get awscluster ${HC_CLUSTER_NAME} -n ${HC_CLUSTER_NS}-${HC_CLUSTER_NAME} -o yaml > ${BACKUP_DIR}/namespaces/${HC_CLUSTER_NS}-${HC_CLUSTER_NAME}/awscl-${HC_CLUSTER_NAME}.yaml
      
      # AWS MachineTemplate
      $ echo "--> AWS Machine Template:"
      $ oc get awsmachinetemplate ${NODEPOOLS} -n ${HC_CLUSTER_NS}-${HC_CLUSTER_NAME} -o yaml > ${BACKUP_DIR}/namespaces/${HC_CLUSTER_NS}-${HC_CLUSTER_NAME}/awsmt-${HC_CLUSTER_NAME}.yaml
      
      # AWS Machines
      $ echo "--> AWS Machine:"
      $ CL_NAME=$(oc get hcp ${HC_CLUSTER_NAME} -n ${HC_CLUSTER_NS}-${HC_CLUSTER_NAME} -o jsonpath={.metadata.labels.\*} | grep ${HC_CLUSTER_NAME})
      for s in $(oc get awsmachines -n ${HC_CLUSTER_NS}-${HC_CLUSTER_NAME} --no-headers | grep ${CL_NAME} | cut -f1 -d\ ); do
          oc get -n ${HC_CLUSTER_NS}-${HC_CLUSTER_NAME} awsmachines $s -o yaml > ${BACKUP_DIR}/namespaces/${HC_CLUSTER_NS}-${HC_CLUSTER_NAME}/awsm-${s}.yaml
      done
      
      # MachineDeployments
      $ echo "--> HostedCluster MachineDeployments:"
      for s in $(oc get machinedeployment -n ${HC_CLUSTER_NS}-${HC_CLUSTER_NAME} -o name); do
          mdp_name=$(echo ${s} | cut -f 2 -d /)
          oc get -n ${HC_CLUSTER_NS}-${HC_CLUSTER_NAME} $s -o yaml > ${BACKUP_DIR}/namespaces/${HC_CLUSTER_NS}-${HC_CLUSTER_NAME}/machinedeployment-${mdp_name}.yaml
      done
      
      # MachineSets
      $ echo "--> HostedCluster MachineSets:"
      for s in $(oc get machineset -n ${HC_CLUSTER_NS}-${HC_CLUSTER_NAME} -o name); do
          ms_name=$(echo ${s} | cut -f 2 -d /)
          oc get -n ${HC_CLUSTER_NS}-${HC_CLUSTER_NAME} $s -o yaml > ${BACKUP_DIR}/namespaces/${HC_CLUSTER_NS}-${HC_CLUSTER_NAME}/machineset-${ms_name}.yaml
      done
      
      # Machines
      $ echo "--> HostedCluster Machine:"
      for s in $(oc get machine -n ${HC_CLUSTER_NS}-${HC_CLUSTER_NAME} -o name); do
          m_name=$(echo ${s} | cut -f 2 -d /)
          oc get -n ${HC_CLUSTER_NS}-${HC_CLUSTER_NAME} $s -o yaml > ${BACKUP_DIR}/namespaces/${HC_CLUSTER_NS}-${HC_CLUSTER_NAME}/machine-${m_name}.yaml
      done
  5. 次のコマンドを入力して、ControlPlane ルートをクリーンアップします。

    $ oc delete routes -n ${HC_CLUSTER_NS}-${HC_CLUSTER_NAME} --all

    このコマンドを入力すると、ExternalDNS Operator が Route53 エントリーを削除できるようになります。

  6. 次のスクリプトを実行して、Route53 エントリーがクリーンであることを確認します。

    function clean_routes() {
    
        if [[ -z "${1}" ]];then
            echo "Give me the NS where to clean the routes"
            exit 1
        fi
    
        # Constants
        if [[ -z "${2}" ]];then
            echo "Give me the Route53 zone ID"
            exit 1
        fi
    
        ZONE_ID=${2}
        ROUTES=10
        timeout=40
        count=0
    
        # This allows us to remove the ownership in the AWS for the API route
        oc delete route -n ${1} --all
    
        while [ ${ROUTES} -gt 2 ]
        do
            echo "Waiting for ExternalDNS Operator to clean the DNS Records in AWS Route53 where the zone id is: ${ZONE_ID}..."
            echo "Try: (${count}/${timeout})"
            sleep 10
            if [[ $count -eq timeout ]];then
                echo "Timeout waiting for cleaning the Route53 DNS records"
                exit 1
            fi
            count=$((count+1))
            ROUTES=$(aws route53 list-resource-record-sets --hosted-zone-id ${ZONE_ID} --max-items 10000 --output json | grep -c ${EXTERNAL_DNS_DOMAIN})
        done
    }
    
    # SAMPLE: clean_routes "<HC ControlPlane Namespace>" "<AWS_ZONE_ID>"
    clean_routes "${HC_CLUSTER_NS}-${HC_CLUSTER_NAME}" "${AWS_ZONE_ID}"

検証

すべての OpenShift Container Platform オブジェクトと S3 バケットをチェックし、すべてが想定どおりであることを確認します。

次のステップ

ホストされたクラスターを復元します。

8.6.3. ホストされたクラスターの復元

バックアップしたすべてのオブジェクトを収集し、宛先管理クラスターに復元します。

前提条件

ソース管理クラスターからデータをバックアップしている。

ヒント

宛先管理クラスターの kubeconfig ファイルが、KUBECONFIG 変数に設定されているとおりに、あるいは、スクリプトを使用する場合は MGMT2_KUBECONFIG 変数に設定されているとおりに配置されていることを確認します。export KUBECONFIG=<Kubeconfig FilePath> を使用するか、スクリプトを使用する場合は export KUBECONFIG=${MGMT2_KUBECONFIG} を使用します。

手順

  1. 以下のコマンドを入力して、新しい管理クラスターに、復元するクラスターの namespace が含まれていないことを確認します。

    # Just in case
    $ export KUBECONFIG=${MGMT2_KUBECONFIG}
    $ BACKUP_DIR=${HC_CLUSTER_DIR}/backup
    
    # Namespace deletion in the destination Management cluster
    $ oc delete ns ${HC_CLUSTER_NS} || true
    $ oc delete ns ${HC_CLUSTER_NS}-{HC_CLUSTER_NAME} || true
  2. 以下のコマンドを入力して、削除された namespace を再作成します。

    # Namespace creation
    $ oc new-project ${HC_CLUSTER_NS}
    $ oc new-project ${HC_CLUSTER_NS}-${HC_CLUSTER_NAME}
  3. 次のコマンドを入力して、HC namespace のシークレットを復元します。

    $ oc apply -f ${BACKUP_DIR}/namespaces/${HC_CLUSTER_NS}/secret-*
  4. 以下のコマンドを入力して、HostedCluster コントロールプレーン namespace のオブジェクトを復元します。

    # Secrets
    $ oc apply -f ${BACKUP_DIR}/namespaces/${HC_CLUSTER_NS}-${HC_CLUSTER_NAME}/secret-*
    
    # Cluster
    $ oc apply -f ${BACKUP_DIR}/namespaces/${HC_CLUSTER_NS}-${HC_CLUSTER_NAME}/hcp-*
    $ oc apply -f ${BACKUP_DIR}/namespaces/${HC_CLUSTER_NS}-${HC_CLUSTER_NAME}/cl-*
  5. ノードとノードプールを復元して AWS インスタンスを再利用する場合は、次のコマンドを入力して、HC コントロールプレーン namespace のオブジェクトを復元します。

    # AWS
    $ oc apply -f ${BACKUP_DIR}/namespaces/${HC_CLUSTER_NS}-${HC_CLUSTER_NAME}/awscl-*
    $ oc apply -f ${BACKUP_DIR}/namespaces/${HC_CLUSTER_NS}-${HC_CLUSTER_NAME}/awsmt-*
    $ oc apply -f ${BACKUP_DIR}/namespaces/${HC_CLUSTER_NS}-${HC_CLUSTER_NAME}/awsm-*
    
    # Machines
    $ oc apply -f ${BACKUP_DIR}/namespaces/${HC_CLUSTER_NS}-${HC_CLUSTER_NAME}/machinedeployment-*
    $ oc apply -f ${BACKUP_DIR}/namespaces/${HC_CLUSTER_NS}-${HC_CLUSTER_NAME}/machineset-*
    $ oc apply -f ${BACKUP_DIR}/namespaces/${HC_CLUSTER_NS}-${HC_CLUSTER_NAME}/machine-*
  6. 次の bash スクリプトを実行して、etcd データとホストされたクラスターを復元します。

    ETCD_PODS="etcd-0"
    if [ "${CONTROL_PLANE_AVAILABILITY_POLICY}" = "HighlyAvailable" ]; then
      ETCD_PODS="etcd-0 etcd-1 etcd-2"
    fi
    
    HC_RESTORE_FILE=${BACKUP_DIR}/namespaces/${HC_CLUSTER_NS}/hc-${HC_CLUSTER_NAME}-restore.yaml
    HC_BACKUP_FILE=${BACKUP_DIR}/namespaces/${HC_CLUSTER_NS}/hc-${HC_CLUSTER_NAME}.yaml
    HC_NEW_FILE=${BACKUP_DIR}/namespaces/${HC_CLUSTER_NS}/hc-${HC_CLUSTER_NAME}-new.yaml
    cat ${HC_BACKUP_FILE} > ${HC_NEW_FILE}
    cat > ${HC_RESTORE_FILE} <<EOF
        restoreSnapshotURL:
    EOF
    
    for POD in ${ETCD_PODS}; do
      # Create a pre-signed URL for the etcd snapshot
      ETCD_SNAPSHOT="s3://${BUCKET_NAME}/${HC_CLUSTER_NAME}-${POD}-snapshot.db"
      ETCD_SNAPSHOT_URL=$(AWS_DEFAULT_REGION=${MGMT2_REGION} aws s3 presign ${ETCD_SNAPSHOT})
    
      # FIXME no CLI support for restoreSnapshotURL yet
      cat >> ${HC_RESTORE_FILE} <<EOF
        - "${ETCD_SNAPSHOT_URL}"
    EOF
    done
    
    cat ${HC_RESTORE_FILE}
    
    if ! grep ${HC_CLUSTER_NAME}-snapshot.db ${HC_NEW_FILE}; then
      sed -i '' -e "/type: PersistentVolume/r ${HC_RESTORE_FILE}" ${HC_NEW_FILE}
      sed -i '' -e '/pausedUntil:/d' ${HC_NEW_FILE}
    fi
    
    HC=$(oc get hc -n ${HC_CLUSTER_NS} ${HC_CLUSTER_NAME} -o name || true)
    if [[ ${HC} == "" ]];then
        echo "Deploying HC Cluster: ${HC_CLUSTER_NAME} in ${HC_CLUSTER_NS} namespace"
        oc apply -f ${HC_NEW_FILE}
    else
        echo "HC Cluster ${HC_CLUSTER_NAME} already exists, avoiding step"
    fi
  7. ノードとノードプールを復元して AWS インスタンスを再利用する場合は、次のコマンドを入力してノードプールを復元します。

    $ oc apply -f ${BACKUP_DIR}/namespaces/${HC_CLUSTER_NS}/np-*

検証

  • ノードが完全に復元されたことを確認するには、次の関数を使用します。

    timeout=40
    count=0
    NODE_STATUS=$(oc get nodes --kubeconfig=${HC_KUBECONFIG} | grep -v NotReady | grep -c "worker") || NODE_STATUS=0
    
    while [ ${NODE_POOL_REPLICAS} != ${NODE_STATUS} ]
    do
        echo "Waiting for Nodes to be Ready in the destination MGMT Cluster: ${MGMT2_CLUSTER_NAME}"
        echo "Try: (${count}/${timeout})"
        sleep 30
        if [[ $count -eq timeout ]];then
            echo "Timeout waiting for Nodes in the destination MGMT Cluster"
            exit 1
        fi
        count=$((count+1))
        NODE_STATUS=$(oc get nodes --kubeconfig=${HC_KUBECONFIG} | grep -v NotReady | grep -c "worker") || NODE_STATUS=0
    done

次のステップ

クラスターをシャットダウンして削除します。

8.6.4. ホストされたクラスターのソース管理クラスターからの削除

ホストされたクラスターをバックアップして宛先管理クラスターに復元した後、ソース管理クラスターのホストされたクラスターをシャットダウンして削除します。

前提条件

データをバックアップし、ソース管理クラスターに復元している。

ヒント

宛先管理クラスターの kubeconfig ファイルが、KUBECONFIG 変数に設定されているとおりに、あるいは、スクリプトを使用する場合は MGMT_KUBECONFIG 変数に設定されているとおりに配置されていることを確認します。export KUBECONFIG=<Kubeconfig FilePath> を使用するか、スクリプトを使用する場合は export KUBECONFIG=${MGMT_KUBECONFIG} を使用します。

手順

  1. 以下のコマンドを入力して、deployment および statefulset オブジェクトをスケーリングします。

    重要

    spec.persistentVolumeClaimRetentionPolicy.whenScaled フィールドの値が Delete に設定されている場合は、データの損失につながる可能性があるため、ステートフルセットをスケーリングしないでください。

    回避策として、spec.persistentVolumeClaimRetentionPolicy.whenScaled フィールドの値を Retain に更新します。ステートフルセットを調整し、値を Delete に返すコントローラーが存在しないことを確認してください。これにより、データの損失が発生する可能性があります。

    # Just in case
    $ export KUBECONFIG=${MGMT_KUBECONFIG}
    
    # Scale down deployments
    $ oc scale deployment -n ${HC_CLUSTER_NS}-${HC_CLUSTER_NAME} --replicas=0 --all
    $ oc scale statefulset.apps -n ${HC_CLUSTER_NS}-${HC_CLUSTER_NAME} --replicas=0 --all
    $ sleep 15
  2. 次のコマンドを入力して、NodePool オブジェクトを削除します。

    NODEPOOLS=$(oc get nodepools -n ${HC_CLUSTER_NS} -o=jsonpath='{.items[?(@.spec.clusterName=="'${HC_CLUSTER_NAME}'")].metadata.name}')
    if [[ ! -z "${NODEPOOLS}" ]];then
        oc patch -n "${HC_CLUSTER_NS}" nodepool ${NODEPOOLS} --type=json --patch='[ { "op":"remove", "path": "/metadata/finalizers" }]'
        oc delete np -n ${HC_CLUSTER_NS} ${NODEPOOLS}
    fi
  3. 次のコマンドを入力して、machine および machineset オブジェクトを削除します。

    # Machines
    for m in $(oc get machines -n ${HC_CLUSTER_NS}-${HC_CLUSTER_NAME} -o name); do
        oc patch -n ${HC_CLUSTER_NS}-${HC_CLUSTER_NAME} ${m} --type=json --patch='[ { "op":"remove", "path": "/metadata/finalizers" }]' || true
        oc delete -n ${HC_CLUSTER_NS}-${HC_CLUSTER_NAME} ${m} || true
    done
    
    $ oc delete machineset -n ${HC_CLUSTER_NS}-${HC_CLUSTER_NAME} --all || true
  4. 次のコマンドを入力して、クラスターオブジェクトを削除します。

    # Cluster
    $ C_NAME=$(oc get cluster -n ${HC_CLUSTER_NS}-${HC_CLUSTER_NAME} -o name)
    $ oc patch -n ${HC_CLUSTER_NS}-${HC_CLUSTER_NAME} ${C_NAME} --type=json --patch='[ { "op":"remove", "path": "/metadata/finalizers" }]'
    $ oc delete cluster.cluster.x-k8s.io -n ${HC_CLUSTER_NS}-${HC_CLUSTER_NAME} --all
  5. 次のコマンドを入力して、AWS マシン (Kubernetes オブジェクト) を削除します。実際の AWS マシンの削除を心配する必要はありません。クラウドインスタンスへの影響はありません。

    # AWS Machines
    for m in $(oc get awsmachine.infrastructure.cluster.x-k8s.io -n ${HC_CLUSTER_NS}-${HC_CLUSTER_NAME} -o name)
    do
        oc patch -n ${HC_CLUSTER_NS}-${HC_CLUSTER_NAME} ${m} --type=json --patch='[ { "op":"remove", "path": "/metadata/finalizers" }]' || true
        oc delete -n ${HC_CLUSTER_NS}-${HC_CLUSTER_NAME} ${m} || true
    done
  6. 次のコマンドを入力して、HostedControlPlane および ControlPlane HC namespace オブジェクトを削除します。

    # Delete HCP and ControlPlane HC NS
    $ oc patch -n ${HC_CLUSTER_NS}-${HC_CLUSTER_NAME} hostedcontrolplane.hypershift.openshift.io ${HC_CLUSTER_NAME} --type=json --patch='[ { "op":"remove", "path": "/metadata/finalizers" }]'
    $ oc delete hostedcontrolplane.hypershift.openshift.io -n ${HC_CLUSTER_NS}-${HC_CLUSTER_NAME} --all
    $ oc delete ns ${HC_CLUSTER_NS}-${HC_CLUSTER_NAME} || true
  7. 次のコマンドを入力して、HostedCluster および HC namespace オブジェクトを削除します。

    # Delete HC and HC Namespace
    $ oc -n ${HC_CLUSTER_NS} patch hostedclusters ${HC_CLUSTER_NAME} -p '{"metadata":{"finalizers":null}}' --type merge || true
    $ oc delete hc -n ${HC_CLUSTER_NS} ${HC_CLUSTER_NAME}  || true
    $ oc delete ns ${HC_CLUSTER_NS} || true

検証

  • すべてが機能することを確認するには、次のコマンドを入力します。

    # Validations
    $ export KUBECONFIG=${MGMT2_KUBECONFIG}
    
    $ oc get hc -n ${HC_CLUSTER_NS}
    $ oc get np -n ${HC_CLUSTER_NS}
    $ oc get pod -n ${HC_CLUSTER_NS}-${HC_CLUSTER_NAME}
    $ oc get machines -n ${HC_CLUSTER_NS}-${HC_CLUSTER_NAME}
    
    # Inside the HostedCluster
    $ export KUBECONFIG=${HC_KUBECONFIG}
    $ oc get clusterversion
    $ oc get nodes

次のステップ

ホストされたクラスター内の OVN Pod を削除して、新しい管理クラスターで実行される新しい OVN コントロールプレーンに接続できるようにします。

  1. ホストされたクラスターの kubeconfig パスを使用して KUBECONFIG 環境変数を読み込みます。
  2. 以下のコマンドを入力します。

    $ oc delete pod -n openshift-ovn-kubernetes --all

8.7. OADP を使用したホストされたクラスターの障害復旧

OpenShift API for Data Protection (OADP) Operator を使用して、Amazon Web Services (AWS) およびベアメタルで障害復旧を実行できます。

OpenShift API for Data Protection (OADP) を使用した障害復旧プロセスには、次の手順が含まれます。

  1. OADP を使用するために Amazon Web Services やベアメタルなどのプラットフォームを準備
  2. データプレーンのワークロードのバックアップ
  3. コントロールプレーンのワークロードのバックアップ
  4. OADP を使用してホストされたクラスターの復元

8.7.1. 前提条件

管理クラスターで次の前提条件を満たす必要があります。

  • OADP Operator をインストールした
  • ストレージクラスを作成した。
  • cluster-admin 権限でクラスターにアクセスできる。
  • カタログソースを通じて OADP サブスクリプションにアクセスできる。
  • S3、Microsoft Azure、Google Cloud Platform、MinIO など、OADP と互換性のあるクラウドストレージプロバイダーにアクセスできる。
  • 非接続環境では、OADP と互換性のある Red Hat OpenShift Data FoundationMinIO などのセルフホスト型ストレージプロバイダーにアクセスできる。
  • Hosted Control Plane の Pod が稼働している。

8.7.2. OADP を使用するための AWS の準備

ホストされたクラスターの障害復旧を実行するには、Amazon Web Services (AWS) S3 互換ストレージで OpenShift API for Data Protection (OADP) を使用できます。DataProtectionApplication オブジェクトを作成すると、openshift-adp namespace に新しい velero デプロイメントと node-agent Pod が作成されます。

OADP を使用するために AWS を準備するには、「Multicloud Object Gateway を使用したデータ保護における OpenShift API の設定」を参照してください。

次のステップ

  • データプレーンのワークロードのバックアップ
  • コントロールプレーンのワークロードのバックアップ

8.7.3. OADP を使用するためのベアメタルの準備

ホストされたクラスターの障害復旧を実行するには、ベアメタル上で OpenShift API for Data Protection (OADP) を使用できます。DataProtectionApplication オブジェクトを作成すると、openshift-adp namespace に新しい velero デプロイメントと node-agent Pod が作成されます。

OADP を使用するためにベアメタルを準備するには、「AWS S3 互換ストレージを使用したデータ保護用の OpenShift API の設定」を参照してください。

次のステップ

  • データプレーンのワークロードのバックアップ
  • コントロールプレーンのワークロードのバックアップ

8.7.4. データプレーンのワークロードのバックアップ

データプレーンのワークロードが重要でない場合は、この手順をスキップできます。OADP Operator を使用してデータプレーンワークロードをバックアップするには、「アプリケーションのバックアップ」を参照してください。

次のステップ

  • OADP を使用してホストされたクラスターの復元

8.7.5. コントロールプレーンのワークロードのバックアップ

Backup カスタムリソース (CR) を作成することで、コントロールプレーンのワークロードをバックアップできます。

バックアッププロセスを監視および観察するには、「バックアップおよび復元プロセスの観察」を参照してください。

手順

  1. 次のコマンドを実行して、HostedCluster リソースの調整を一時停止します。

    $ oc --kubeconfig <management_cluster_kubeconfig_file> \
      patch hostedcluster -n <hosted_cluster_namespace> <hosted_cluster_name> \
      --type json -p '[{"op": "add", "path": "/spec/pausedUntil", "value": "true"}]'
  2. 次のコマンドを実行して、NodePool リソースの調整を一時停止します。

    $ oc --kubeconfig <management_cluster_kubeconfig_file> \
      patch nodepool -n <hosted_cluster_namespace> <node_pool_name> \
      --type json -p '[{"op": "add", "path": "/spec/pausedUntil", "value": "true"}]'
  3. 次のコマンドを実行して、AgentCluster リソースの調整を一時停止します。

    $ oc --kubeconfig <management_cluster_kubeconfig_file> \
      annotate agentcluster -n <hosted_control_plane_namespace>  \
      cluster.x-k8s.io/paused=true --all'
  4. 次のコマンドを実行して、AgentMachine リソースの調整を一時停止します。

    $ oc --kubeconfig <management_cluster_kubeconfig_file> \
      annotate agentmachine -n <hosted_control_plane_namespace>  \
      cluster.x-k8s.io/paused=true --all'
  5. 次のコマンドを実行して、HostedCluster リソースにアノテーションを付け、Hosted Control Plane namespace が削除されないようにします。

    $ oc --kubeconfig <management_cluster_kubeconfig_file> \
      annotate hostedcluster -n <hosted_cluster_namespace> <hosted_cluster_name> \
      hypershift.openshift.io/skip-delete-hosted-controlplane-namespace=true
  6. Backup CR を定義する YAML ファイルを作成します。

    例8.1 例: backup-control-plane.yaml ファイル

    apiVersion: velero.io/v1
    kind: Backup
    metadata:
      name: <backup_resource_name> 1
      namespace: openshift-adp
      labels:
        velero.io/storage-location: default
    spec:
      hooks: {}
      includedNamespaces: 2
      - <hosted_cluster_namespace> 3
      - <hosted_control_plane_namespace> 4
      includedResources:
      - sa
      - role
      - rolebinding
      - pod
      - pvc
      - pv
      - bmh
      - configmap
      - infraenv 5
      - priorityclasses
      - pdb
      - agents
      - hostedcluster
      - nodepool
      - secrets
      - hostedcontrolplane
      - cluster
      - agentcluster
      - agentmachinetemplate
      - agentmachine
      - machinedeployment
      - machineset
      - machine
      excludedResources: []
      storageLocation: default
      ttl: 2h0m0s
      snapshotMoveData: true 6
      datamover: "velero" 7
      defaultVolumesToFsBackup: true 8
    1
    backup_resource_nameBackup リソースの名前に置き換えます。
    2
    特定の namespace を選択して、そこからオブジェクトをバックアップします。ホステッドクラスターの namespace と Hosted Control Plane の namespace を含める必要があります。
    3
    <hosted_cluster_namespace> を、ホストされたクラスター namespace の名前 (例: clusters) に置き換えます。
    4
    <hosted_control_plane_namespace> は、Hosted Control Plane の namespace の名前 (例: clusters-hosted) に置き換えます。
    5
    infraenv リソースを別の namespace に作成する必要があります。バックアッププロセス中に infraenv リソースを削除しないでください。
    6 7
    CSI ボリュームスナップショットを有効にし、コントロールプレーンのワークロードをクラウドストレージに自動的にアップロードします。
    8
    永続ボリューム (PV) の fs-backup バックアップ方法をデフォルトとして設定します。この設定は、Container Storage Interface (CSI) ボリュームスナップショットと fs-backup 方式を組み合わせて使用する場合に便利です。
    注記

    CSI ボリュームスナップショットを使用する場合は、PV に backup.velero.io/backup-volumes-excludes=<pv_name> アノテーションを追加する必要があります。

  7. 次のコマンドを実行して、Backup CR を適用します。

    $ oc apply -f backup-control-plane.yaml

検証

  • 次のコマンドを実行して、status.phase の値が Completed になっているかどうかを確認します。

    $ oc get backups.velero.io <backup_resource_name> -n openshift-adp -o jsonpath='{.status.phase}'

次のステップ

  • OADP を使用してホストされたクラスターの復元

8.7.6. OADP を使用してホストされたクラスターの復元

Restore カスタムリソース (CR) を作成することで、ホストされたクラスターを復元できます。

  • in-place 更新を使用している場合、InfraEnv にはスペアノードは必要ありません。新しい管理クラスターからワーカーノードを再プロビジョニングする必要があります。
  • replace 更新を使用している場合は、ワーカーノードをデプロイするために InfraEnv 用の予備ノードがいくつか必要です。
重要

ホストされたクラスターをバックアップした後、復元プロセスを開始するには、そのクラスターを破棄する必要があります。ノードのプロビジョニングを開始するには、ホストされたクラスターを削除する前に、データプレーン内のワークロードをバックアップする必要があります。

前提条件

バックアッププロセスを監視および観察するには、「バックアップおよび復元プロセスの観察」を参照してください。

手順

  1. 次のコマンドを実行して、Hosted Control Plane namespace に Pod と永続ボリューム要求 (PVC) が存在しないことを確認します。

    $ oc get pod pvc -n <hosted_control_plane_namespace>

    予想される出力

    No resources found

  2. Restore CR を定義する YAML ファイルを作成します。

    restore-hosted-cluster.yaml ファイルの例

    apiVersion: velero.io/v1
    kind: Restore
    metadata:
      name: <restore_resource_name> 1
      namespace: openshift-adp
    spec:
      backupName: <backup_resource_name> 2
      restorePVs: true 3
      existingResourcePolicy: update 4
      excludedResources:
      - nodes
      - events
      - events.events.k8s.io
      - backups.velero.io
      - restores.velero.io
      - resticrepositories.velero.io

    1
    <restore_resource_name>Restore リソースの名前に置き換えます。
    2
    <backup_resource_name>Backup リソースの名前に置き換えます。
    3
    永続ボリューム (PV) とその Pod のリカバリーを開始します。
    4
    既存のオブジェクトがバックアップされたコンテンツで上書きされるようにします。
    重要

    infraenv リソースを別の namespace に作成する必要があります。復元プロセス中に infraenv リソースを削除しないでください。新しいノードを再プロビジョニングするには、infraenv リソースが必須です。

  3. 次のコマンドを実行して、Restore CR を適用します。

    $ oc apply -f restore-hosted-cluster.yaml
  4. 次のコマンドを実行して、status.phase の値が Completed になっているかどうかを確認します。

    $ oc get hostedcluster <hosted_cluster_name> -n <hosted_cluster_namespace> -o jsonpath='{.status.phase}'
  5. 復元プロセスが完了したら、コントロールプレーンワークロードのバックアップ中に一時停止した HostedCluster リソースおよび NodePool リソースの調整を開始します。

    1. 次のコマンドを実行して、HostedCluster リソースの調整を開始します。

      $ oc --kubeconfig <management_cluster_kubeconfig_file> \
        patch hostedcluster -n <hosted_cluster_namespace> <hosted_cluster_name> \
        --type json -p '[{"op": "add", "path": "/spec/pausedUntil", "value": "false"}]'
    2. 次のコマンドを実行して、NodePool リソースの調整を開始します。

      $ oc --kubeconfig <management_cluster_kubeconfig_file> \
        patch nodepool -n <hosted_cluster_namespace> <node_pool_name> \
        --type json -p '[{"op": "add", "path": "/spec/pausedUntil", "value": "false"}]'
  6. コントロールプレーンワークロードのバックアップ中に一時停止したエージェントプロバイダーリソースの調整を開始します。

    1. 次のコマンドを実行して、AgentCluster リソースの調整を開始します。

      $ oc --kubeconfig <management_cluster_kubeconfig_file> \
        annotate agentcluster -n <hosted_control_plane_namespace>  \
        cluster.x-k8s.io/paused- --overwrite=true --all
    2. 次のコマンドを実行して、AgentMachine リソースの調整を開始します。

      $ oc --kubeconfig <management_cluster_kubeconfig_file> \
        annotate agentmachine -n <hosted_control_plane_namespace>  \
        cluster.x-k8s.io/paused- --overwrite=true --all
  7. 次のコマンドを実行して、HostedCluster リソースの hypershift.openshift.io/skip-delete-hosted-controlplane-namespace- アノテーションを削除し、Hosted Control Plane namespace の手動削除を回避します。

    $ oc --kubeconfig <management_cluster_kubeconfig_file> \
      annotate hostedcluster -n <hosted_cluster_namespace> <hosted_cluster_name> \
      hypershift.openshift.io/skip-delete-hosted-controlplane-namespace- \
      --overwrite=true --all
  8. 次のコマンドを実行して、NodePool リソースを必要なレプリカ数にスケーリングします。

    $ oc --kubeconfig <management_cluster_kubeconfig_file> \
      scale nodepool -n <hosted_cluster_namespace> <node_pool_name> \
      --replicas <replica_count> 1
    1
    <replica_count> を整数値 (例: 3) に置き換えます。

8.7.7. バックアップと復元のプロセスの観察

OpenShift API for Data Protection (OADP) を使用してホストされたクラスターをバックアップおよび復元する場合は、プロセスを監視および観察できます。

手順

  1. 次のコマンドを実行して、バックアッププロセスを確認します。

    $ watch "oc get backups.velero.io -n openshift-adp <backup_resource_name> -o jsonpath='{.status}'"
  2. 次のコマンドを実行して、復元プロセスを確認します。

    $ watch "oc get restores.velero.io -n openshift-adp <backup_resource_name> -o jsonpath='{.status}'"
  3. 次のコマンドを実行して、Velero ログを確認します。

    $ oc logs -n openshift-adp -ldeploy=velero -f
  4. 次のコマンドを実行して、すべての OADP オブジェクトの進行状況を確認します。

    $ watch "echo BackupRepositories:;echo;oc get backuprepositories.velero.io -A;echo; echo BackupStorageLocations: ;echo; oc get backupstoragelocations.velero.io -A;echo;echo DataUploads: ;echo;oc get datauploads.velero.io -A;echo;echo DataDownloads: ;echo;oc get datadownloads.velero.io -n openshift-adp; echo;echo VolumeSnapshotLocations: ;echo;oc get volumesnapshotlocations.velero.io -A;echo;echo Backups:;echo;oc get backup -A; echo;echo Restores:;echo;oc get restore -A"

8.7.8. velero CLI を使用してバックアップおよび復元リソースを記述する

OpenShift API for Data Protection を使用する場合は、velero コマンドラインインターフェイス (CLI) を使用して、Backup および Restore リソースの詳細を取得できます。

手順

  1. 次のコマンドを実行して、コンテナーから velero CLI を使用するためのエイリアスを作成します。

    $ alias velero='oc -n openshift-adp exec deployment/velero -c velero -it -- ./velero'
  2. 次のコマンドを実行して、Restore カスタムリソース (CR) の詳細を取得します。

    $ velero restore describe <restore_resource_name> --details 1
    1
    <restore_resource_name>Restore リソースの名前に置き換えます。
  3. 次のコマンドを実行して、Backup CR の詳細を取得します。

    $ velero restore describe <backup_resource_name> --details 1
    1
    <backup_resource_name>Backup リソースの名前に置き換えます。

第9章 Hosted Control Plane の認証と認可

OpenShift Container Platform のコントロールプレーンには、組み込みの OAuth サーバーが含まれています。OAuth アクセストークンを取得することで、OpenShift Container Platform API に対して認証できます。ホストされたクラスターを作成した後に、アイデンティティープロバイダーを指定して OAuth を設定できます。

9.1. CLI を使用してホストされたクラスターの OAuth サーバーを設定する

OpenID Connect アイデンティティープロバイダー (oidc) を使用して、ホストされたクラスターの内部 OAuth サーバーを設定できます。

サポートされている次のアイデンティティープロバイダーに対して OAuth を設定できます。

  • oidc
  • htpasswd
  • keystone
  • ldap
  • basic-authentication
  • request-header
  • github
  • gitlab
  • google

OAuth 設定にアイデンティティープロバイダーを追加すると、デフォルトの kubeadmin ユーザープロバイダーが削除されます。

注記

アイデンティティープロバイダーを設定するときは、ホステッドクラスターに少なくとも 1 つの NodePool レプリカを事前に設定する必要があります。DNS 解決のトラフィックはワーカーノードを介して送信されます。htpasswd および request-header アイデンティティープロバイダー用に、NodePool レプリカを事前に設定する必要はありません。

前提条件

  • ホストされたクラスターを作成した。

手順

  1. 次のコマンドを実行して、ホスティングクラスターで HostedCluster カスタムリソース (CR) を編集します。

    $ oc edit <hosted_cluster_name> -n <hosted_cluster_namespace>
  2. 次の例を使用して、HostedCluster CR に OAuth 設定を追加します。

    apiVersion: hypershift.openshift.io/v1alpha1
    kind: HostedCluster
    metadata:
      name: <hosted_cluster_name> 1
      namespace: <hosted_cluster_namespace> 2
    spec:
      configuration:
        oauth:
          identityProviders:
          - openID: 3
              claims:
                email: 4
                  - <email_address>
                name: 5
                  - <display_name>
                preferredUsername: 6
                  - <preferred_username>
              clientID: <client_id> 7
              clientSecret:
                name: <client_id_secret_name> 8
              issuer: https://example.com/identity 9
            mappingMethod: lookup 10
            name: IAM
            type: OpenID
    1
    ホストされたクラスターの名前を指定します。
    2
    ホストされたクラスターの namespace を指定します。
    3
    このプロバイダー名はアイデンティティー要求の値に接頭辞として付加され、アイデンティティー名が作成されます。プロバイダー名はリダイレクト URL の構築にも使用されます。
    4
    メールアドレスとして使用する属性のリストを定義します。
    5
    表示名として使用する属性のリストを定義します。
    6
    優先ユーザー名として使用する属性のリストを定義します。
    7
    OpenID プロバイダーに登録されたクライアントの ID を定義します。このクライアントを URL https://oauth-openshift.apps.<cluster_name>.<cluster_domain>/oauth2callback/<idp_provider_name> にリダイレクトできるようにする必要があります。
    8
    OpenID プロバイダーに登録されたクライアントのシークレットを定義します。
    9
    OpenID の仕様で説明されている Issuer Identifier。クエリーまたはフラグメントコンポーネントのない https を使用する必要があります。
    10
    このプロバイダーのアイデンティティーと User オブジェクトの間でマッピングを確立する方法を制御するマッピング方法を定義します。
  3. 変更を適用するためにファイルを保存します。

9.2. Web コンソールを使用してホストされたクラスターの OAuth サーバーを設定する

OpenShift Container Platform Web コンソールを使用して、ホストされたクラスターの内部 OAuth サーバーを設定できます。

サポートされている次のアイデンティティープロバイダーに対して OAuth を設定できます。

  • oidc
  • htpasswd
  • keystone
  • ldap
  • basic-authentication
  • request-header
  • github
  • gitlab
  • google

OAuth 設定にアイデンティティープロバイダーを追加すると、デフォルトの kubeadmin ユーザープロバイダーが削除されます。

注記

アイデンティティープロバイダーを設定するときは、ホステッドクラスターに少なくとも 1 つの NodePool レプリカを事前に設定する必要があります。DNS 解決のトラフィックはワーカーノードを介して送信されます。htpasswd および request-header アイデンティティープロバイダー用に、NodePool レプリカを事前に設定する必要はありません。

前提条件

  • cluster-admin 権限を持つユーザーとしてログインしている。
  • ホストされたクラスターを作成した。

手順

  1. HomeAPI Explorer に移動します。
  2. Filter by kind ボックスを使用して、HostedCluster リソースを検索します。
  3. 編集する HostedCluster リソースをクリックします。
  4. Instances タブをクリックします。
  5. ホストされたクラスター名エントリーの横にあるオプションメニュー kebab をクリックし、Edit HostedCluster をクリックします。
  6. YAML ファイルに OAuth 設定を追加します。

    spec:
      configuration:
        oauth:
          identityProviders:
          - openID: 1
              claims:
                email: 2
                  - <email_address>
                name: 3
                  - <display_name>
                preferredUsername: 4
                  - <preferred_username>
              clientID: <client_id> 5
              clientSecret:
                name: <client_id_secret_name> 6
              issuer: https://example.com/identity 7
            mappingMethod: lookup 8
            name: IAM
            type: OpenID
    1
    このプロバイダー名はアイデンティティー要求の値に接頭辞として付加され、アイデンティティー名が作成されます。プロバイダー名はリダイレクト URL の構築にも使用されます。
    2
    メールアドレスとして使用する属性のリストを定義します。
    3
    表示名として使用する属性のリストを定義します。
    4
    優先ユーザー名として使用する属性のリストを定義します。
    5
    OpenID プロバイダーに登録されたクライアントの ID を定義します。このクライアントを URL https://oauth-openshift.apps.<cluster_name>.<cluster_domain>/oauth2callback/<idp_provider_name> にリダイレクトできるようにする必要があります。
    6
    OpenID プロバイダーに登録されたクライアントのシークレットを定義します。
    7
    OpenID の仕様で説明されている Issuer Identifier。クエリーまたはフラグメントコンポーネントのない https を使用する必要があります。
    8
    このプロバイダーのアイデンティティーと User オブジェクトの間でマッピングを確立する方法を制御するマッピング方法を定義します。
  7. Save をクリックします。

関連情報

9.3. AWS 上のホステッドクラスターで CCO を使用してコンポーネントに IAM ロールを割り当てる

Amazon Web Services (AWS) 上のホステッドクラスターで Cloud Credential Operator (CCO) を使用して、権限が限られた短期間のセキュリティー認証情報を提供する IAM ロールをコンポーネントに割り当てることができます。デフォルトでは、CCO は Hosted Control Plane で実行されます。

注記

CCO は、AWS 上のホステッドクラスターでのみ手動モードをサポートします。デフォルトでは、ホストされたクラスターは手動モードで設定されます。管理クラスターでは、手動以外のモードを使用する場合があります。

9.4. AWS 上のホストされたクラスターで CCO のインストールを検証する

Hosted Control Plane で Cloud Credential Operator (CCO) が正しく実行されていることを確認できます。

前提条件

  • Amazon Web Services (AWS) でホストされたクラスターを設定した。

手順

  1. 次のコマンドを実行して、ホストされたクラスターで CCO が手動モードで設定されていることを確認します。

    $ oc get cloudcredentials <hosted_cluster_name> -n <hosted_cluster_namespace> -o=jsonpath={.spec.credentialsMode}

    予想される出力

    Manual

  2. 次のコマンドを実行して、serviceAccountIssuer リソースの値が空でないことを確認します。

    $ oc get authentication cluster --kubeconfig <hosted_cluster_name>.kubeconfig -o jsonpath --template '{.spec.serviceAccountIssuer }'

    出力例

    https://aos-hypershift-ci-oidc-29999.s3.us-east-2.amazonaws.com/hypershift-ci-29999

9.5. Operator が AWS STS を使用した CCO ベースのワークフローをサポートできるようにする

Operator Lifecycle Manager (OLM) で実行するプロジェクトを設計する Operator 作成者は、Cloud Credential Operator (CCO) をサポートするようにプロジェクトをカスタマイズすることで、STS 対応の OpenShift Container Platform クラスター上で Operator が AWS に対して認証できるようにすることができます。

この方法では、Operator が CredentialsRequest オブジェクトを作成します。Operator には、オブジェクトを作成するための RBAC 権限と、生成される Secret オブジェクトを読み取るための RBAC 権限が必要です。

注記

デフォルトでは、Operator デプロイメントに関連する Pod は、生成される Secret オブジェクトでサービスアカウントトークンを参照できるように、serviceAccountToken ボリュームをマウントします。

前提条件

  • OpenShift Container Platform 4.14 以降
  • STS モードのクラスター
  • OLM ベースの Operator プロジェクト

手順

  1. Operator プロジェクトの ClusterServiceVersion (CSV) オブジェクトを更新します。

    1. Operator が CredentialsRequests オブジェクトを作成する RBAC 権限を持っていることを確認します。

      例9.1 clusterPermissions リストの例

      # ...
      install:
        spec:
          clusterPermissions:
          - rules:
            - apiGroups:
              - "cloudcredential.openshift.io"
              resources:
              - credentialsrequests
              verbs:
              - create
              - delete
              - get
              - list
              - patch
              - update
              - watch
    2. AWS STS を使用したこの CCO ベースのワークフロー方式のサポートを要求するために、次のアノテーションを追加します。

      # ...
      metadata:
       annotations:
         features.operators.openshift.io/token-auth-aws: "true"
  2. Operator プロジェクトコードを更新します。

    1. Subscription オブジェクトによって Pod に設定された環境変数からロール ARN を取得します。以下に例を示します。

      // Get ENV var
      roleARN := os.Getenv("ROLEARN")
      setupLog.Info("getting role ARN", "role ARN = ", roleARN)
      webIdentityTokenPath := "/var/run/secrets/openshift/serviceaccount/token"
    2. パッチを適用して適用できる CredentialsRequest オブジェクトがあることを確認してください。以下に例を示します。

      例9.2 CredentialsRequest オブジェクトの作成例

      import (
         minterv1 "github.com/openshift/cloud-credential-operator/pkg/apis/cloudcredential/v1"
         corev1 "k8s.io/api/core/v1"
         metav1 "k8s.io/apimachinery/pkg/apis/meta/v1"
      )
      
      var in = minterv1.AWSProviderSpec{
         StatementEntries: []minterv1.StatementEntry{
            {
               Action: []string{
                  "s3:*",
               },
               Effect:   "Allow",
               Resource: "arn:aws:s3:*:*:*",
            },
         },
      	STSIAMRoleARN: "<role_arn>",
      }
      
      var codec = minterv1.Codec
      var ProviderSpec, _ = codec.EncodeProviderSpec(in.DeepCopyObject())
      
      const (
         name      = "<credential_request_name>"
         namespace = "<namespace_name>"
      )
      
      var CredentialsRequestTemplate = &minterv1.CredentialsRequest{
         ObjectMeta: metav1.ObjectMeta{
             Name:      name,
             Namespace: "openshift-cloud-credential-operator",
         },
         Spec: minterv1.CredentialsRequestSpec{
            ProviderSpec: ProviderSpec,
            SecretRef: corev1.ObjectReference{
               Name:      "<secret_name>",
               Namespace: namespace,
            },
            ServiceAccountNames: []string{
               "<service_account_name>",
            },
            CloudTokenPath:   "",
         },
      }

      あるいは、YAML 形式の CredentialsRequest オブジェクトから開始している場合 (たとえば、Operator プロジェクトコードの一部として)、別の方法で処理することもできます。

      例9.3 YAML フォームでの CredentialsRequest オブジェクト作成の例

      // CredentialsRequest is a struct that represents a request for credentials
      type CredentialsRequest struct {
        APIVersion string `yaml:"apiVersion"`
        Kind       string `yaml:"kind"`
        Metadata   struct {
           Name      string `yaml:"name"`
           Namespace string `yaml:"namespace"`
        } `yaml:"metadata"`
        Spec struct {
           SecretRef struct {
              Name      string `yaml:"name"`
              Namespace string `yaml:"namespace"`
           } `yaml:"secretRef"`
           ProviderSpec struct {
              APIVersion     string `yaml:"apiVersion"`
              Kind           string `yaml:"kind"`
              StatementEntries []struct {
                 Effect   string   `yaml:"effect"`
                 Action   []string `yaml:"action"`
                 Resource string   `yaml:"resource"`
              } `yaml:"statementEntries"`
              STSIAMRoleARN   string `yaml:"stsIAMRoleARN"`
           } `yaml:"providerSpec"`
      
           // added new field
            CloudTokenPath   string `yaml:"cloudTokenPath"`
        } `yaml:"spec"`
      }
      
      // ConsumeCredsRequestAddingTokenInfo is a function that takes a YAML filename and two strings as arguments
      // It unmarshals the YAML file to a CredentialsRequest object and adds the token information.
      func ConsumeCredsRequestAddingTokenInfo(fileName, tokenString, tokenPath string) (*CredentialsRequest, error) {
        // open a file containing YAML form of a CredentialsRequest
        file, err := os.Open(fileName)
        if err != nil {
           return nil, err
        }
        defer file.Close()
      
        // create a new CredentialsRequest object
        cr := &CredentialsRequest{}
      
        // decode the yaml file to the object
        decoder := yaml.NewDecoder(file)
        err = decoder.Decode(cr)
        if err != nil {
           return nil, err
        }
      
        // assign the string to the existing field in the object
        cr.Spec.CloudTokenPath = tokenPath
      
        // return the modified object
        return cr, nil
      }
      注記

      CredentialsRequest オブジェクトを Operator バンドルに追加することは現在サポートされていません。

    3. ロール ARN と Web ID トークンパスを認証情報リクエストに追加し、Operator の初期化中に適用します。

      例9.4 Operator の初期化中に CredentialsRequest オブジェクトを適用する例

      // apply CredentialsRequest on install
      credReq := credreq.CredentialsRequestTemplate
      credReq.Spec.CloudTokenPath = webIdentityTokenPath
      
      c := mgr.GetClient()
      if err := c.Create(context.TODO(), credReq); err != nil {
         if !errors.IsAlreadyExists(err) {
            setupLog.Error(err, "unable to create CredRequest")
            os.Exit(1)
         }
      }
    4. 次の例に示すように、Operator が CCO から Secret オブジェクトが表示されるのを待機できるようにします。これは、Operator で調整している他の項目とともに呼び出されます。

      例9.5 Secret オブジェクトを待機する例

      // WaitForSecret is a function that takes a Kubernetes client, a namespace, and a v1 "k8s.io/api/core/v1" name as arguments
      // It waits until the secret object with the given name exists in the given namespace
      // It returns the secret object or an error if the timeout is exceeded
      func WaitForSecret(client kubernetes.Interface, namespace, name string) (*v1.Secret, error) {
        // set a timeout of 10 minutes
        timeout := time.After(10 * time.Minute) 1
      
        // set a polling interval of 10 seconds
        ticker := time.NewTicker(10 * time.Second)
      
        // loop until the timeout or the secret is found
        for {
           select {
           case <-timeout:
              // timeout is exceeded, return an error
              return nil, fmt.Errorf("timed out waiting for secret %s in namespace %s", name, namespace)
                 // add to this error with a pointer to instructions for following a manual path to a Secret that will work on STS
           case <-ticker.C:
              // polling interval is reached, try to get the secret
              secret, err := client.CoreV1().Secrets(namespace).Get(context.Background(), name, metav1.GetOptions{})
              if err != nil {
                 if errors.IsNotFound(err) {
                    // secret does not exist yet, continue waiting
                    continue
                 } else {
                    // some other error occurred, return it
                    return nil, err
                 }
              } else {
                 // secret is found, return it
                 return secret, nil
              }
           }
        }
      }
      1
      timeout 値は、CCO が追加された CredentialsRequest オブジェクトを検出して Secret オブジェクトを生成する速度の推定に基づいています。Operator がまだクラウドリソースにアクセスしていない理由を疑問に思っているクラスター管理者のために、時間を短縮するか、カスタムフィードバックを作成することを検討してください。
    5. 認証情報リクエストから CCO によって作成されたシークレットを読み取り、そのシークレットのデータを含む AWS 設定ファイルを作成することで、AWS 設定をセットアップします。

      例9.6 AWS 設定の作成例

      func SharedCredentialsFileFromSecret(secret *corev1.Secret) (string, error) {
         var data []byte
         switch {
         case len(secret.Data["credentials"]) > 0:
             data = secret.Data["credentials"]
         default:
             return "", errors.New("invalid secret for aws credentials")
         }
      
      
         f, err := ioutil.TempFile("", "aws-shared-credentials")
         if err != nil {
             return "", errors.Wrap(err, "failed to create file for shared credentials")
         }
         defer f.Close()
         if _, err := f.Write(data); err != nil {
             return "", errors.Wrapf(err, "failed to write credentials to %s", f.Name())
         }
         return f.Name(), nil
      }
      重要

      シークレットは存在すると想定されますが、このシークレットを使用する場合、CCO がシークレットを作成する時間を与えるために、Operator コードは待機して再試行する必要があります。

      さらに、待機期間は最終的にタイムアウトになり、OpenShift Container Platform クラスターのバージョン、つまり CCO が、STS 検出による CredentialsRequest オブジェクトのワークフローをサポートしていない以前のバージョンである可能性があることをユーザーに警告します。このような場合は、別の方法を使用してシークレットを追加する必要があることをユーザーに指示します。

    6. AWS SDK セッションを設定します。以下に例を示します。

      例9.7 AWS SDK セッション設定の例

      sharedCredentialsFile, err := SharedCredentialsFileFromSecret(secret)
      if err != nil {
         // handle error
      }
      options := session.Options{
         SharedConfigState: session.SharedConfigEnable,
         SharedConfigFiles: []string{sharedCredentialsFile},
      }

第10章 Hosted Control Plane のマシン設定の処理

スタンドアロン OpenShift Container Platform クラスターでは、マシン設定プールがノードのセットを管理します。MachineConfigPool カスタムリソース (CR) を使用してマシン設定を処理できます。

ホストされたコントロールプレーンでは、MachineConfigPool CR は存在しません。ノードプールには、一連のコンピュートノードがあります。ノードプールを使用してマシン設定を処理できます。

10.1. ホストされたコントロールプレーンのノードプールの設定

ホストされたコントロールプレーンでは、管理クラスターの config map 内に MachineConfig オブジェクトを作成することでノードプールを設定できます。

手順

  1. 管理クラスターの config map 内に MachineConfig オブジェクトを作成するには、次の情報を入力します。

    apiVersion: v1
    kind: ConfigMap
    metadata:
      name: <configmap-name>
      namespace: clusters
    data:
      config: |
        apiVersion: machineconfiguration.openshift.io/v1
        kind: MachineConfig
        metadata:
          labels:
            machineconfiguration.openshift.io/role: worker
          name: <machineconfig-name>
        spec:
          config:
            ignition:
              version: 3.2.0
            storage:
              files:
              - contents:
                  source: data:...
                mode: 420
                overwrite: true
                path: ${PATH} 1
    1
    MachineConfig オブジェクトが保存されているノード上のパスを設定します。
  2. オブジェクトを config map に追加した後、次のように config map をノードプールに適用できます。

    $ oc edit nodepool <nodepool_name> --namespace <hosted_cluster_namespace>
    apiVersion: hypershift.openshift.io/v1alpha1
    kind: NodePool
    metadata:
    # ...
      name: nodepool-1
      namespace: clusters
    # ...
    spec:
      config:
      - name: ${configmap-name}
    # ...

10.2. ホステッドクラスターにおけるノードのチューニング設定

ホストされたクラスター内のノードでノードレベルのチューニングを設定するには、Node Tuning Operator を使用できます。ホストされたコントロールプレーンでは、Tuned オブジェクトを含む config map を作成し、ノードプールでそれらの config map を参照することで、ノードのチューニングを設定できます。

手順

  1. チューニングされた有効なマニフェストを含む config map を作成し、ノードプールでマニフェストを参照します。次の例で Tuned マニフェストは、任意の値を持つ tuned-1-node-label ノードラベルを含むノード上で vm.dirty_ratio を 55 に設定するプロファイルを定義します。次の ConfigMap マニフェストを tuned-1.yaml という名前のファイルに保存します。

        apiVersion: v1
        kind: ConfigMap
        metadata:
          name: tuned-1
          namespace: clusters
        data:
          tuning: |
            apiVersion: tuned.openshift.io/v1
            kind: Tuned
            metadata:
              name: tuned-1
              namespace: openshift-cluster-node-tuning-operator
            spec:
              profile:
              - data: |
                  [main]
                  summary=Custom OpenShift profile
                  include=openshift-node
                  [sysctl]
                  vm.dirty_ratio="55"
                name: tuned-1-profile
              recommend:
              - priority: 20
                profile: tuned-1-profile
    注記

    Tuned 仕様の spec.recommend セクションのエントリーにラベルを追加しない場合は、ノードプールベースのマッチングが想定されるため、spec.recommend セクションの最も優先度の高いプロファイルがプール内のノードに適用されます。Tuned .spec.recommend.match セクションでラベル値を設定することにより、よりきめ細かいノードラベルベースのマッチングを実現できますが、ノードプールの .spec.management.upgradeType 値を InPlace に設定しない限り、ノードラベルはアップグレード中に保持されません。

  2. 管理クラスターに ConfigMap オブジェクトを作成します。

    $ oc --kubeconfig="$MGMT_KUBECONFIG" create -f tuned-1.yaml
  3. ノードプールを編集するか作成して、ノードプールの spec.tuningConfig フィールドで ConfigMap オブジェクトを参照します。この例では、2 つのノードを含む nodepool-1 という名前の NodePool が 1 つだけあることを前提としています。

        apiVersion: hypershift.openshift.io/v1alpha1
        kind: NodePool
        metadata:
          ...
          name: nodepool-1
          namespace: clusters
        ...
        spec:
          ...
          tuningConfig:
          - name: tuned-1
        status:
        ...
    注記

    複数のノードプールで同じ config map を参照できます。Hosted Control Plane では、Node Tuning Operator が Tuned CR の名前にノードプール名と namespace のハッシュを追加して、それらを区別します。この場合を除き、同じホステッドクラスターの異なる Tuned CR に、同じ名前の複数の TuneD プロファイルを作成しないでください。

検証

これで Tuned マニフェストを含む ConfigMap オブジェクトを作成し、それを NodePool で参照しました。次に、Node Tuning Operator は Tuned オブジェクトをホストされたクラスターに同期します。どの Tuned オブジェクトが定義されているか、どの TuneD プロファイルが各ノードに適用されているかを確認できます。

  1. ホストされたクラスター内の Tuned オブジェクトを一覧表示します。

    $ oc --kubeconfig="$HC_KUBECONFIG" get tuned.tuned.openshift.io -n openshift-cluster-node-tuning-operator

    出力例

    NAME       AGE
    default    7m36s
    rendered   7m36s
    tuned-1    65s

  2. ホストされたクラスター内の Profile オブジェクトを一覧表示します。

    $ oc --kubeconfig="$HC_KUBECONFIG" get profile.tuned.openshift.io -n openshift-cluster-node-tuning-operator

    出力例

    NAME                           TUNED            APPLIED   DEGRADED   AGE
    nodepool-1-worker-1            tuned-1-profile  True      False      7m43s
    nodepool-1-worker-2            tuned-1-profile  True      False      7m14s

    注記

    カスタムプロファイルが作成されていない場合は、openshift-node プロファイルがデフォルトで適用されます。

  3. チューニングが正しく適用されたことを確認するには、ノードでデバッグシェルを開始し、sysctl 値を確認します。

    $ oc --kubeconfig="$HC_KUBECONFIG" debug node/nodepool-1-worker-1 -- chroot /host sysctl vm.dirty_ratio

    出力例

    vm.dirty_ratio = 55

10.3. Hosted Control Plane 用の SR-IOV Operator のデプロイ

ホスティングサービスクラスターを設定してデプロイすると、ホストされたクラスターで SR-IOV Operator へのサブスクリプションを作成できます。SR-IOV Pod は、コントロールプレーンではなくワーカーマシンで実行されます。

前提条件

AWS 上でホストされたクラスターを設定およびデプロイしている。

手順

  1. namespace と Operator グループを作成します。

    apiVersion: v1
    kind: Namespace
    metadata:
      name: openshift-sriov-network-operator
    ---
    apiVersion: operators.coreos.com/v1
    kind: OperatorGroup
    metadata:
      name: sriov-network-operators
      namespace: openshift-sriov-network-operator
    spec:
      targetNamespaces:
      - openshift-sriov-network-operator
  2. SR-IOV Operator へのサブスクリプションを作成します。

    apiVersion: operators.coreos.com/v1alpha1
    kind: Subscription
    metadata:
      name: sriov-network-operator-subsription
      namespace: openshift-sriov-network-operator
    spec:
      channel: stable
      name: sriov-network-operator
      config:
        nodeSelector:
          node-role.kubernetes.io/worker: ""
      source: s/qe-app-registry/redhat-operators
      sourceNamespace: openshift-marketplace

検証

  1. SR-IOV Operator の準備ができていることを確認するには、次のコマンドを実行し、結果の出力を表示します。

    $ oc get csv -n openshift-sriov-network-operator

    出力例

    NAME                                         DISPLAY                   VERSION               REPLACES                                     PHASE
    sriov-network-operator.4.17.0-202211021237   SR-IOV Network Operator   4.17.0-202211021237   sriov-network-operator.4.17.0-202210290517   Succeeded

  2. SR-IOV Pod がデプロイされていることを確認するには、次のコマンドを実行します。

    $ oc get pods -n openshift-sriov-network-operator

第11章 ホストされたクラスターでのフィーチャーゲートの使用

ホストされたクラスターでフィーチャーゲートを使用して、デフォルトの機能セットに含まれていない機能を有効にすることができます。ホストされたクラスターでフィーチャーゲートを使用すると、TechPreviewNoUpgrade 機能セットを有効にすることができます。

11.1. フィーチャーゲートを使用した機能セットの有効化

OpenShift CLI を使用して HostedCluster カスタムリソース (CR) を編集することにより、ホストされたクラスターで TechPreviewNoUpgrade 機能セットを有効にすることができます。

前提条件

  • OpenShift CLI (oc) がインストールされている。

手順

  1. 次のコマンドを実行して、ホスティングクラスターで HostedCluster CR を編集するために開きます。

    $ oc edit <hosted_cluster_name> -n <hosted_cluster_namespace>
  2. featureSet フィールドに値を入力して機能セットを定義します。以下に例を示します。

    apiVersion: hypershift.openshift.io/v1beta1
    kind: HostedCluster
    metadata:
      name: <hosted_cluster_name> 1
      namespace: <hosted_cluster_namespace> 2
    spec:
      configuration:
        featureGate:
          featureSet: TechPreviewNoUpgrade 3
    1
    ホストされたクラスターの名前を指定します。
    2
    ホストされたクラスターの namespace を指定します。
    3
    この機能セットは、現在のテクノロジープレビュー機能のサブセットです。
    警告

    クラスターで TechPreviewNoUpgrade 機能セットを有効にすると、元に戻すことができず、マイナーバージョンの更新が妨げられます。この機能セットを使用すると、該当するテクノロジープレビュー機能をテストクラスターで有効にして、完全にテストすることができます。実稼働クラスターではこの機能セットを有効にしないでください。

  3. 変更を適用するためにファイルを保存します。

検証

  • 次のコマンドを実行して、ホストされたクラスターで TechPreviewNoUpgrade フィーチャーゲートが有効になっていることを確認します。

    $ oc get featuregate cluster -o yaml

第12章 Hosted Control Plane の可観測性

メトリクスセットを設定することで、Hosted Control Plane のメトリクスを収集できます。HyperShift Operator は、管理対象のホストされたクラスターごとに、管理クラスター内のモニタリングダッシュボードを作成または削除できます。

12.1. Hosted Control Plane のメトリクスセットの設定

Red Hat OpenShift Container Platform の Hosted Control Plane は、各コントロールプレーンの namespace に ServiceMonitor リソースを作成します。これにより、Prometheus スタックがコントロールプレーンからメトリクスを収集できるようになります。ServiceMonitor リソースは、メトリクスの再ラベル付けを使用して、etcd や Kubernetes API サーバーなどの特定のコンポーネントにどのメトリクスを含めるか、または除外するかを定義します。コントロールプレーンによって生成されるメトリクスの数は、それらを収集する監視スタックのリソース要件に直接影響します。

すべての状況に適用される固定数のメトリクスを生成する代わりに、コントロールプレーンごとに生成するメトリクスのセットを識別するメトリクスセットを設定できます。次のメトリクスセットがサポートされています。

  • Telemetry: このメトリクスはテレメトリーに必要です。このセットはデフォルトのセットで、メトリックの最小セットです。
  • SRE: このセットには、アラートを生成し、コントロールプレーンコンポーネントのトラブルシューティングを可能にするために必要なメトリクスが含まれています。
  • All: このセットには、スタンドアロンの OpenShift Container Platform コントロールプレーンコンポーネントによって生成されるすべてのメトリクスが含まれます。

メトリクスセットを設定するには、次のコマンドを入力して、HyperShift Operator デプロイメントで METRICS_SET 環境変数を設定します。

$ oc set env -n hypershift deployment/operator METRICS_SET=All

12.1.1. SRE メトリックセットの設定

SRE メトリクスセットを指定すると、HyperShift Operator は、単一キー config を持つ sre-metric-set という名前の config map を検索します。config キーの値には、コントロールプレーンコンポーネントごとに編成された RelabelConfig のセットが含まれている必要があります。

次のコンポーネントを指定できます。

  • etcd
  • kubeAPIServer
  • kubeControllerManager
  • openshiftAPIServer
  • openshiftControllerManager
  • openshiftRouteControllerManager
  • cvo
  • olm
  • catalogOperator
  • registryOperator
  • nodeTuningOperator
  • controlPlaneOperator
  • hostedClusterConfigOperator

SRE メトリクスセットの設定を次の例に示します。

kubeAPIServer:
  - action:       "drop"
    regex:        "etcd_(debugging|disk|server).*"
    sourceLabels: ["__name__"]
  - action:       "drop"
    regex:        "apiserver_admission_controller_admission_latencies_seconds_.*"
    sourceLabels: ["__name__"]
  - action:       "drop"
    regex:        "apiserver_admission_step_admission_latencies_seconds_.*"
    sourceLabels: ["__name__"]
  - action:       "drop"
    regex:        "scheduler_(e2e_scheduling_latency_microseconds|scheduling_algorithm_predicate_evaluation|scheduling_algorithm_priority_evaluation|scheduling_algorithm_preemption_evaluation|scheduling_algorithm_latency_microseconds|binding_latency_microseconds|scheduling_latency_seconds)"
    sourceLabels: ["__name__"]
  - action:       "drop"
    regex:        "apiserver_(request_count|request_latencies|request_latencies_summary|dropped_requests|storage_data_key_generation_latencies_microseconds|storage_transformation_failures_total|storage_transformation_latencies_microseconds|proxy_tunnel_sync_latency_secs)"
    sourceLabels: ["__name__"]
  - action:       "drop"
    regex:        "docker_(operations|operations_latency_microseconds|operations_errors|operations_timeout)"
    sourceLabels: ["__name__"]
  - action:       "drop"
    regex:        "reflector_(items_per_list|items_per_watch|list_duration_seconds|lists_total|short_watches_total|watch_duration_seconds|watches_total)"
    sourceLabels: ["__name__"]
  - action:       "drop"
    regex:        "etcd_(helper_cache_hit_count|helper_cache_miss_count|helper_cache_entry_count|request_cache_get_latencies_summary|request_cache_add_latencies_summary|request_latencies_summary)"
    sourceLabels: ["__name__"]
  - action:       "drop"
    regex:        "transformation_(transformation_latencies_microseconds|failures_total)"
    sourceLabels: ["__name__"]
  - action:       "drop"
    regex:        "network_plugin_operations_latency_microseconds|sync_proxy_rules_latency_microseconds|rest_client_request_latency_seconds"
    sourceLabels: ["__name__"]
  - action:       "drop"
    regex:        "apiserver_request_duration_seconds_bucket;(0.15|0.25|0.3|0.35|0.4|0.45|0.6|0.7|0.8|0.9|1.25|1.5|1.75|2.5|3|3.5|4.5|6|7|8|9|15|25|30|50)"
    sourceLabels: ["__name__", "le"]
kubeControllerManager:
  - action:       "drop"
    regex:        "etcd_(debugging|disk|request|server).*"
    sourceLabels: ["__name__"]
  - action:       "drop"
    regex:        "rest_client_request_latency_seconds_(bucket|count|sum)"
    sourceLabels: ["__name__"]
  - action:       "drop"
    regex:        "root_ca_cert_publisher_sync_duration_seconds_(bucket|count|sum)"
    sourceLabels: ["__name__"]
openshiftAPIServer:
  - action:       "drop"
    regex:        "etcd_(debugging|disk|server).*"
    sourceLabels: ["__name__"]
  - action:       "drop"
    regex:        "apiserver_admission_controller_admission_latencies_seconds_.*"
    sourceLabels: ["__name__"]
  - action:       "drop"
    regex:        "apiserver_admission_step_admission_latencies_seconds_.*"
    sourceLabels: ["__name__"]
  - action:       "drop"
    regex:        "apiserver_request_duration_seconds_bucket;(0.15|0.25|0.3|0.35|0.4|0.45|0.6|0.7|0.8|0.9|1.25|1.5|1.75|2.5|3|3.5|4.5|6|7|8|9|15|25|30|50)"
    sourceLabels: ["__name__", "le"]
openshiftControllerManager:
  - action:       "drop"
    regex:        "etcd_(debugging|disk|request|server).*"
    sourceLabels: ["__name__"]
openshiftRouteControllerManager:
  - action:       "drop"
    regex:        "etcd_(debugging|disk|request|server).*"
    sourceLabels: ["__name__"]
olm:
  - action:       "drop"
    regex:        "etcd_(debugging|disk|server).*"
    sourceLabels: ["__name__"]
catalogOperator:
  - action:       "drop"
    regex:        "etcd_(debugging|disk|server).*"
    sourceLabels: ["__name__"]
cvo:
  - action: drop
    regex: "etcd_(debugging|disk|server).*"
    sourceLabels: ["__name__"]

12.2. ホストされたクラスターのモニタリングダッシュボードの有効化

ホストされたクラスターのモニタリングダッシュボードを有効にするには、次の手順を実行します。

手順

  1. local-cluster namespace に hypershift-operator-install-flags config map を作成します。data.installFlagsToAdd セクションで --monitoring-dashboards フラグを必ず指定してください。以下に例を示します。

    kind: ConfigMap
    apiVersion: v1
    metadata:
      name: hypershift-operator-install-flags
      namespace: local-cluster
    data:
      installFlagsToAdd: "--monitoring-dashboards"
      installFlagsToRemove: ""
  2. hypershift namespace の HyperShift Operator デプロイメントが更新され、次の環境変数が含まれるまで数分待ちます。

        - name: MONITORING_DASHBOARDS
          value: "1"

    モニタリングダッシュボードが有効になっている場合、HyperShift Operator が管理するホストされたクラスターごとに、HyperShift Operator が openshift-config-managed namespace に cp-<hosted_cluster_namespace>-<hosted_cluster_name> という名前の config map を作成します。<hosted_cluster_namespace> はホストされたクラスターの namespace、<hosted_cluster_name> はホストされたクラスターの名前です。その結果、管理クラスターの管理コンソールに新しいダッシュボードが追加されます。

  3. ダッシュボードを表示するには、管理クラスターのコンソールにログインし、Observe → Dashboards をクリックして、ホストされたクラスターのダッシュボードに移動します。
  4. オプション: ホストされたクラスターのモニタリングダッシュボードを無効にするには、hypershift-operator-install-flags config map から --monitoring-dashboards フラグを削除します。ホストされたクラスターを削除すると、対応するダッシュボードも削除されます。

12.2.1. ダッシュボードのカスタマイズ

各ホストされたクラスターのダッシュボードを生成するために、HyperShift Operator は、Operator の namespace (hypershift) の monitoring-dashboard-template config map に保存されているテンプレートを使用します。このテンプレートには、ダッシュボードのメトリクスを含む一連の Grafana パネルが含まれています。config map の内容を編集して、ダッシュボードをカスタマイズできます。

ダッシュボードが生成されると、次の文字列が特定のホステッドクラスターに対応する値に置き換えられます。

名前

説明

__NAME__

ホステッドクラスターの名前

__NAMESPACE__

ホステッドクラスターの namespace

__CONTROL_PLANE_NAMESPACE__

ホステッドクラスターのコントロールプレーン Pod が配置される namespace

__CLUSTER_ID__

ホステッドクラスターの UUID。これはホステッドクラスターのメトリクスの _id ラベルと一致します。

第13章 Hosted Control Plane のトラブルシューティング

Hosted Control Plane で問題が発生した場合は、次の情報を参照してトラブルシューティングを行ってください。

13.1. Hosted Control Plane のトラブルシューティング用の情報収集

ホステッドクラスターの問題をトラブルシューティングする必要がある場合は、must-gather コマンドを実行して情報を収集できます。このコマンドは、管理クラスターとホステッドクラスターの出力を生成します。

管理クラスターの出力には次の内容が含まれます。

  • クラスタースコープのリソース: これらのリソースは、管理クラスターのノード定義です。
  • hypershift-dump 圧縮ファイル: このファイルは、コンテンツを他の人と共有する必要がある場合に役立ちます。
  • namespace リソース: これらのリソースには、config map、サービス、イベント、ログなど、関連する namespace のすべてのオブジェクトが含まれます。
  • ネットワークログ: これらのログには、OVN ノースバウンドデータベースとサウスバウンドデータベース、およびそれぞれのステータスが含まれます。
  • ホストされたクラスター: このレベルの出力には、ホストされたクラスター内のすべてのリソースが含まれます。

ホストされたクラスターの出力には、次の内容が含まれます。

  • クラスタースコープのリソース: これらのリソースには、ノードや CRD などのクラスター全体のオブジェクトがすべて含まれます。
  • namespace リソース: これらのリソースには、config map、サービス、イベント、ログなど、関連する namespace のすべてのオブジェクトが含まれます。

出力にはクラスターからのシークレットオブジェクトは含まれませんが、シークレットの名前への参照が含まれる可能性があります。

前提条件

  • 管理クラスターへの cluster-admin アクセス権がある。
  • HostedCluster リソースの name 値と、CR がデプロイされる namespace がある。
  • hcp コマンドラインインターフェイスがインストールされている。詳細は、「Hosted Control Plane のコマンドラインインターフェイスのインストール」を参照してください。
  • OpenShift CLI (oc) がインストールされている。
  • kubeconfig ファイルがロードされ、管理クラスターを指している。

手順

  • トラブルシューティングのために出力を収集するには、次のコマンドを入力します。

    $ oc adm must-gather \
      --image=registry.redhat.io/multicluster-engine/must-gather-rhel9:v<mce_version> \
      /usr/bin/gather hosted-cluster-namespace=HOSTEDCLUSTERNAMESPACE \
      hosted-cluster-name=HOSTEDCLUSTERNAME \
      --dest-dir=NAME ; tar -cvzf NAME.tgz NAME

    ここでは、以下のようになります。

    • <mce_version> を、使用しているマルチクラスターエンジン Operator のバージョン (例: 2.6) に置き換えます。
    • hosted-cluster-namespace=HOSTEDCLUSTERNAMESPACE パラメーターはオプションです。このパラメーターを使用しないと、ホストされたクラスターがデフォルトの namespace (clusters) にあるかのようにコマンドが実行します。
    • コマンドの結果を圧縮ファイルに保存する場合は、--dest-dir=NAME パラメーターを指定します。NAME は、結果を保存するディレクトリー名に置き換えます。

13.2. 非接続環境での must-gather コマンドの入力

非接続環境で must-gather コマンドを実行するには、次の手順を実行します。

手順

  1. 非接続環境で、Red Hat Operator のカタログイメージをミラーレジストリーにミラーリングします。詳細は、ネットワーク切断状態でのインストール を参照してください。
  2. 次のコマンドを実行して、ミラーレジストリーからイメージを参照するログを抽出します。

    REGISTRY=registry.example.com:5000
    IMAGE=$REGISTRY/multicluster-engine/must-gather-rhel8@sha256:ff9f37eb400dc1f7d07a9b6f2da9064992934b69847d17f59e385783c071b9d8
    
    $ oc adm must-gather \
      --image=$IMAGE /usr/bin/gather \
      hosted-cluster-namespace=HOSTEDCLUSTERNAMESPACE \
      hosted-cluster-name=HOSTEDCLUSTERNAME \
      --dest-dir=./data

13.3. OpenShift Virtualization でのホステッドクラスターのトラブルシューティング

OpenShift Virtualization でホステッドクラスターのトラブルシューティングを行う場合は、トップレベルの HostedCluster リソースと NodePool リソースから始めて、根本原因が見つかるまでスタックを下位に向かって作業します。以下の手順は、一般的な問題の根本原因を検出するのに役立ちます。

13.3.1. HostedCluster リソースが partial 状態でスタックする

HostedCluster リソースが保留中であるために Hosted Control Plane が完全にオンラインにならない場合は、前提条件、リソースの状態、ノードと Operator のステータスを確認して問題を特定します。

手順

  • OpenShift Virtualization 上のホステッドクラスターの前提条件をすべて満たしていることを確認します。
  • 進行を妨げる検証エラーがないか、HostedCluster リソースと NodePool リソースの状態を表示します。
  • ホステッドクラスターの kubeconfig ファイルを使用して、ホステッドクラスターのステータスを検査します。

    • oc get clusteroperators コマンドの出力を表示して、保留中のクラスター Operator を表示します。
    • oc get nodes コマンドの出力を表示して、ワーカーノードの準備ができていることを確認します。

13.3.2. ワーカーノードが登録されない

Hosted Control Plane にワーカーノードが登録されないために Hosted Control Plane が完全にオンラインにならない場合は、Hosted Control Plane のさまざまな部分のステータスを確認して問題を特定します。

手順

  • HostedClusterNodePool の障害の状態を表示して、問題の内容を示します。
  • 次のコマンドを入力して、NodePool リソースの KubeVirt ワーカーノード仮想マシン (VM) のステータスを表示します。

    $ oc get vm -n <namespace>
  • 仮想マシンがプロビジョニング状態でスタックしている場合は、次のコマンドを入力して、仮想マシン namespace 内の CDI インポート Pod を表示し、インポーター Pod が完了していない理由を調べます。

    $ oc get pods -n <namespace> | grep "import"
  • 仮想マシンが開始状態でスタックしている場合は、次のコマンドを入力して、virt-launcher Pod のステータスを表示します。

    $ oc get pods -n <namespace> -l kubevirt.io=virt-launcher

    virt-launcher Pod が保留状態にある場合は、Pod がスケジュールされていない理由を調査してください。たとえば、virt-launcher Pod の実行に必要なリソースが十分存在しない可能性があります。

  • 仮想マシンが実行されていてもワーカーノードとして登録されていない場合は、Web コンソールを使用して、影響を受ける仮想マシンの 1 つへの VNC アクセスを取得します。VNC 出力は ignition 設定が適用されたかどうかを示します。仮想マシンが起動時に Hosted Control Plane Ignition サーバーにアクセスできない場合、仮想マシンは正しくプロビジョニングできません。
  • Ignition 設定が適用されても、仮想マシンがノードとして登録されない場合は、問題の特定: 仮想マシンコンソールログへのアクセス で、起動時に仮想マシンコンソールログにアクセスする方法を確認してください。

13.3.3. ワーカーノードが NotReady 状態でスタックする

クラスターの作成中、ネットワークスタックがロールアウトされる間、ノードは一時的に NotReady 状態になります。プロセスのこの部分は正常です。ただし、プロセスのこの部分に 15 分以上かかる場合は、問題が発生している可能性があります。

手順

ノードオブジェクトと Pod を調査して問題を特定します。

  • 次のコマンドを入力して、ノードオブジェクトの状態を表示し、ノードの準備ができていない理由を特定します。

    $ oc get nodes -o yaml
  • 次のコマンドを入力して、クラスター内で障害が発生している Pod を探します。

    $ oc get pods -A --field-selector=status.phase!=Running,status,phase!=Succeeded

13.3.4. Ingress およびコンソールクラスター Operator がオンラインにならない

Ingress およびコンソールクラスター Operator がオンラインでないために Hosted Control Plane が完全にオンラインにならない場合は、ワイルドカード DNS ルートとロードバランサーを確認します。

手順

  • クラスターがデフォルトの Ingress 動作を使用する場合は、次のコマンドを入力して、仮想マシン (VM) がホストされている OpenShift Container Platform クラスターでワイルドカード DNS ルートが有効になっていることを確認します。

    $ oc patch ingresscontroller -n openshift-ingress-operator \
      default --type=json -p \
      '[{ "op": "add", "path": "/spec/routeAdmission", "value": {wildcardPolicy: "WildcardsAllowed"}}]'
  • Hosted Control Plane にカスタムベースドメインを使用する場合は、次の手順を実行します。

    • ロードバランサーが仮想マシン Pod を正しくターゲットにしていることを確認します。
    • ワイルドカード DNS エントリーがロードバランサー IP をターゲットにしていることを確認します。

13.3.5. ホステッドクラスターのロードバランサーサービスが利用できない

ロードバランサーサービスが利用できないために Hosted Control Plane が完全にオンラインにならない場合は、イベント、詳細、Kubernetes Cluster Configuration Manager (KCCM) Pod を確認します。

手順

  • ホステッドクラスター内のロードバランサーサービスに関連付けられたイベントおよび詳細を探します。
  • デフォルトでは、ホステッドクラスターのロードバランサーは、Hosted Control Plane の namespace 内の kubevirt-cloud-controller-manager によって処理されます。KCCM Pod がオンラインであることを確認し、ログでエラーや警告を確認します。Hosted Control Plane の namespace で KCCM Pod を特定するには、次のコマンドを入力します。

    $ oc get pods -n <hosted_control_plane_namespace> -l app=cloud-controller-manager

13.3.6. ホステッドクラスターの PVC が利用できない

ホステッドクラスターの永続ボリューム要求 (PVC) が利用できないために Hosted Control Plane が完全にオンラインにならない場合は、PVC イベントと詳細、およびコンポーネントログを確認します。

手順

  • PVC に関連するイベントと詳細を探して、どのエラーが発生しているかを把握します。
  • PVC が Pod に割り当てられていない場合は、ホステッドクラスター内の kubevirt-csi-node daemonset コンポーネントのログを表示して、問題をさらに調査します。各ノードの kubevirt-csi-node Pod を識別するには、次のコマンドを入力します。

    $ oc get pods -n openshift-cluster-csi-drivers -o wide -l app=kubevirt-csi-driver
  • PVC が永続ボリューム (PV) にバインドできない場合は、Hosted Control Plane の namespace 内の kubevirt-csi-controller コンポーネントのログを表示します。Hosted Control Plane の namespace 内の kubevirt-csi-controller Pod を識別するには、次のコマンドを入力します。

    $ oc get pods -n <hcp namespace> -l app=kubevirt-csi-driver

13.3.7. 仮想マシンノードがクラスターに正しく参加していない

仮想マシンノードがクラスターに正しく参加していないために Hosted Control Plane が完全にオンラインにならない場合は、仮想マシンコンソールログにアクセスします。

手順

13.3.8. RHCOS イメージのミラーリングが失敗する

非接続環境の OpenShift Virtualization 上の Hosted Control Plane の場合、oc-mirror で、Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) イメージを内部レジストリーに自動的にミラーリングできません。最初のホステッドクラスターを作成するときに、ブートイメージを内部レジストリーで利用できないため、Kubevirt 仮想マシンが起動しません。

この問題を解決するには、RHCOS イメージを手動で内部レジストリーにミラーリングします。

手順

  1. 次のコマンドを実行して内部レジストリー名を取得します。

    $ oc get imagecontentsourcepolicy -o json | jq -r '.items[].spec.repositoryDigestMirrors[0].mirrors[0]'
  2. 次のコマンドを実行してペイロードイメージを取得します。

    $ oc get clusterversion version -ojsonpath='{.status.desired.image}'
  3. ホステッドクラスター上のペイロードイメージからブートイメージを含む 0000_50_installer_coreos-bootimages.yaml ファイルを抽出します。<payload_image> は、ペイロードイメージの名前に置き換えます。以下のコマンドを実行します。

    $ oc image extract --file /release-manifests/0000_50_installer_coreos-bootimages.yaml <payload_image> --confirm
  4. 次のコマンドを実行して RHCOS イメージを取得します。

    $ cat 0000_50_installer_coreos-bootimages.yaml | yq -r .data.stream | jq -r '.architectures.x86_64.images.kubevirt."digest-ref"'
  5. RHCOS イメージを内部レジストリーにミラーリングします。<rhcos_image> は、RHCOS イメージに置き換えます (例: quay.io/openshift-release-dev/ocp-v4.0-art-dev@sha256:d9643ead36b1c026be664c9c65c11433c6cdf71bfd93ba229141d134a4a6dd94)。<internal_registry> は、内部レジストリーの名前に置き換えます (例: virthost.ostest.test.metalkube.org:5000/localimages/ocp-v4.0-art-dev)。以下のコマンドを実行します。

    $ oc image mirror <rhcos_image> <internal_registry>
  6. ImageDigestMirrorSet オブジェクトを定義する rhcos-boot-kubevirt.yaml という名前の YAML ファイルを作成します。次の設定例を参照してください。

    apiVersion: config.openshift.io/v1
    kind: ImageDigestMirrorSet
    metadata:
      name: rhcos-boot-kubevirt
    spec:
      repositoryDigestMirrors:
        - mirrors:
            - <rhcos_image_no_digest> 1
          source: virthost.ostest.test.metalkube.org:5000/localimages/ocp-v4.0-art-dev 2
    1
    ダイジェストなしで RHCOS イメージを指定します (例: quay.io/openshift-release-dev/ocp-v4.0-art-dev)。
    2
    内部レジストリーの名前を指定します (例: virthost.ostest.test.metalkube.org:5000/localimages/ocp-v4.0-art-dev)。
  7. 次のコマンドを実行して、rhcos-boot-kubevirt.yaml ファイルを適用し、ImageDigestMirrorSet オブジェクトを作成します。

    $ oc apply -f rhcos-boot-kubevirt.yaml

13.3.9. 非ベアメタルクラスターを遅延バインディングプールに戻す

BareMetalHosts なしで遅延バインディングマネージドクラスターを使用している場合は、遅延バインディングクラスターを削除し、ノードを Discovery ISO に戻すための追加の手動手順を実行する必要があります。

BareMetalHosts のない遅延バインディングマネージドクラスターの場合、クラスター情報を削除しても、すべてのノードが自動的に Discovery ISO に戻されるわけではありません。

手順

遅延バインディングを使用する非ベアメタルノードのバインドを解除するには、次の手順を実行します。

  1. クラスター情報を削除します。詳細は、マネージメントからのクラスターの削除 を参照してください。
  2. ルートディスクをクリーンアップします。
  3. Discovery ISO を使用して手動で再起動します。

13.4. Hosted Control Plane コンポーネントの再起動

Hosted Control Plane の管理者の場合は、hypershift.openshift.io/restart-date アノテーションを使用して、特定の HostedCluster リソースのすべてのコントロールプレーンコンポーネントを再起動できます。たとえば、証明書のローテーション用にコントロールプレーンコンポーネントを再起動する必要がある場合があります。

手順

コントロールプレーンを再起動するには、次のコマンドを入力して HostedCluster リソースにアノテーションを付けます。

$ oc annotate hostedcluster \
  -n <hosted_cluster_namespace> \
  <hosted_cluster_name> \
  hypershift.openshift.io/restart-date=$(date --iso-8601=seconds)

検証

アノテーションの値が変わるたびに、コントロールプレーンが再起動されます。この例の date コマンドは、一意の文字列のソースとして機能します。アノテーションはタイムスタンプではなく文字列として扱われます。

次のコンポーネントが再起動されます。

  • catalog-operator
  • certified-operators-catalog
  • cluster-api
  • cluster-autoscaler
  • cluster-policy-controller
  • cluster-version-operator
  • community-operators-catalog
  • control-plane-operator
  • hosted-cluster-config-operator
  • ignition-server
  • ingress-operator
  • konnectivity-agent
  • konnectivity-server
  • kube-apiserver
  • kube-controller-manager
  • kube-scheduler
  • machine-approver
  • oauth-openshift
  • olm-operator
  • openshift-apiserver
  • openshift-controller-manager
  • openshift-oauth-apiserver
  • packageserver
  • redhat-marketplace-catalog
  • redhat-operators-catalog

13.5. ホストされたクラスターと Hosted Control Plane の調整の一時停止

クラスターインスタンス管理者は、ホストされたクラスターと Hosted Control Plane の調整を一時停止できます。etcd データベースをバックアップおよび復元するときや、ホストされたクラスターまたは Hosted Control Plane の問題をデバッグする必要があるときは、調整を一時停止することができます。

手順

  1. ホストされたクラスターと Hosted Control Plane の調整を一時停止するには、HostedCluster リソースの pausedUntil フィールドを設定します。

    • 特定の時刻まで調整を一時停止するには、次のコマンドを入力します。

      $ oc patch -n <hosted_cluster_namespace> \
        hostedclusters/<hosted_cluster_name> \
        -p '{"spec":{"pausedUntil":"<timestamp>"}}' \
        --type=merge 1
      1
      RFC339 形式でタイムスタンプを指定します (例: 2024-03-03T03:28:48Z)。指定の時間が経過するまで、調整が一時停止します。
    • 調整を無期限に一時停止するには、次のコマンドを入力します。

      $ oc patch -n <hosted_cluster_namespace> \
        hostedclusters/<hosted_cluster_name> \
        -p '{"spec":{"pausedUntil":"true"}}' \
        --type=merge

      HostedCluster リソースからフィールドを削除するまで、調整は一時停止されます。

      HostedCluster リソースの一時停止調整フィールドが設定されると、そのフィールドは関連付けられた HostedControlPlane リソースに自動的に追加されます。

  2. pausedUntil フィールドを削除するには、次の patch コマンドを入力します。

    $ oc patch -n <hosted_cluster_namespace> \
      hostedclusters/<hosted_cluster_name> \
      -p '{"spec":{"pausedUntil":null}}' \
      --type=merge

13.6. データプレーンをゼロにスケールダウンする

Hosted Control Plane を使用していない場合は、リソースとコストを節約するために、データプレーンをゼロにスケールダウンできます。

注記

データプレーンをゼロにスケールダウンする準備ができていることを確認してください。スケールダウンするとワーカーノードからのワークロードがなくなるためです。

手順

  1. 次のコマンドを実行して、ホストされたクラスターにアクセスするように kubeconfig ファイルを設定します。

    $ export KUBECONFIG=<install_directory>/auth/kubeconfig
  2. 次のコマンドを実行して、ホストされたクラスターに関連付けられた NodePool リソースの名前を取得します。

    $ oc get nodepool --namespace <hosted_cluster_namespace>
  3. オプション: Pod のドレインを防止するには、次のコマンドを実行して、NodePool リソースに nodeDrainTimeout フィールドを追加します。

    $ oc edit nodepool <nodepool_name>  --namespace <hosted_cluster_namespace>

    出力例

    apiVersion: hypershift.openshift.io/v1alpha1
    kind: NodePool
    metadata:
    # ...
      name: nodepool-1
      namespace: clusters
    # ...
    spec:
      arch: amd64
      clusterName: clustername 1
      management:
        autoRepair: false
        replace:
          rollingUpdate:
            maxSurge: 1
            maxUnavailable: 0
          strategy: RollingUpdate
        upgradeType: Replace
      nodeDrainTimeout: 0s 2
    # ...

    1
    ホストされたクラスターの名前を定義します。
    2
    コントローラーがノードをドレインするのに費やす合計時間を指定します。デフォルトでは、nodeDrainTimeout: 0s 設定はノードドレインプロセスをブロックします。
    注記

    ノードドレインプロセスを一定期間継続できるようにするには、それに応じて、nodeDrainTimeout フィールドの値を設定できます (例: nodeDrainTimeout: 1m)。

  4. 次のコマンドを実行して、ホストされたクラスターに関連付けられた NodePool リソースをスケールダウンします。

    $ oc scale nodepool/<nodepool_name> --namespace <hosted_cluster_namespace> --replicas=0
    注記

    データプランをゼロにスケールダウンした後、コントロールプレーン内の一部の Pod は Pending ステータスのままになり、ホストされているコントロールプレーンは稼働したままになります。必要に応じて、NodePool リソースをスケールアップできます。

  5. オプション: 次のコマンドを実行して、ホストされたクラスターに関連付けられた NodePool リソースをスケールアップします。

    $ oc scale nodepool/<nodepool_name> --namespace <hosted_cluster_namespace> --replicas=1

    NodePool リソースを再スケーリングした後、NodePool リソースが準備 Ready 状態で使用可能になるまで数分間待ちます。

検証

  • 次のコマンドを実行して、nodeDrainTimeout フィールドの値が 0s より大きいことを確認します。

    $ oc get nodepool -n <hosted_cluster_namespace> <nodepool_name> -ojsonpath='{.spec.nodeDrainTimeout}'

第14章 ホステッドクラスターの破棄

14.1. AWS 上のホステッドクラスターの破棄

コマンドラインインターフェイス (CLI) を使用して、Amazon Web Services (AWS) 上のホステッドクラスターとそのマネージドクラスターリソースを破棄できます。

14.1.1. CLI を使用した AWS 上のホステッドクラスターの破棄

コマンドラインインターフェイス (CLI) を使用して、Amazon Web Services (AWS) 上のホステッドクラスターを破棄できます。

手順

  1. 次のコマンドを実行して、multicluster engine Operator のマネージドクラスターリソースを削除します。

    $ oc delete managedcluster <hosted_cluster_name> 1
    1
    <hosted_cluster_name> は、クラスターの名前に置き換えます。
  2. 次のコマンドを実行して、ホステッドクラスターとそのバックエンドリソースを削除します。

    $ hcp destroy cluster aws  \
      --name <hosted_cluster_name> \1
      --infra-id <infra_id> \2
      --role-arn <arn_role> \3
      --sts-creds <path_to_sts_credential_file> \4
      --base-domain <basedomain> 5
    1
    ホステッドクラスターの名前を指定します (例: example)。
    2
    ホステッドクラスターのインフラストラクチャー名を指定します。
    3
    Amazon Resource Name (ARN) を指定します (例: arn:aws:iam::820196288204:role/myrole)。
    4
    AWS Security Token Service (STS) 認証情報ファイルへのパスを指定します (例: /home/user/sts-creds/sts-creds.json)。
    5
    ベースドメインを指定します (例: example.com)。
    重要

    AWS Security Token Service (STS) のセッショントークンの有効期限が切れている場合は、次のコマンドを実行して、sts-creds.json という名前の JSON ファイルで STS 認証情報を取得してください。

    $ aws sts get-session-token --output json > sts-creds.json

14.2. ベアメタル上のホステッドクラスターの破棄

コマンドラインインターフェイス (CLI) または multicluster engine Operator の Web コンソールを使用して、ベアメタル上のホステッドクラスターを破棄できます。

14.2.1. CLI を使用したベアメタル上のホステッドクラスターの破棄

hcp コマンドラインインターフェイス (CLI) を使用して、ベアメタル上のホステッドクラスターを破棄できます。

手順

  • 次のコマンドを実行して、ホステッドクラスターとそのバックエンドリソースを削除します。

    $ hcp destroy cluster agent --name <hosted_cluster_name> 1
    1
    ホステッドクラスターの名前を指定します。

14.2.2. Web コンソールを使用したベアメタル上のホステッドクラスターの破棄

multicluster engine Operator の Web コンソールを使用して、ベアメタル上のホステッドクラスターを破棄できます。

手順

  1. コンソールで、InfrastructureClusters をクリックします。
  2. Clusters ページで、破棄するクラスターを選択します。
  3. Actions メニューで Destroy clusters を選択し、クラスターを削除します。

14.3. OpenShift Virtualization 上のホステッドクラスターの破棄

コマンドラインインターフェイス (CLI) を使用して、OpenShift Virtualization 上のホステッドクラスターとそのマネージドクラスターリソースを破棄できます。

14.3.1. CLI を使用した OpenShift Virtualization 上のホステッドクラスターの破棄

コマンドラインインターフェイス (CLI) を使用して、OpenShift Virtualization 上のホステッドクラスターとそのマネージドクラスターリソースを破棄できます。

手順

  1. 次のコマンドを実行して、multicluster engine Operator のマネージドクラスターリソースを削除します。

    $ oc delete managedcluster <hosted_cluster_name>
  2. 次のコマンドを実行して、ホステッドクラスターとそのバックエンドリソースを削除します。

    $ hcp destroy cluster kubevirt --name <hosted_cluster_name>

14.4. IBM Z 上のホステッドクラスターの破棄

コマンドラインインターフェイス (CLI) を使用して、IBM Z コンピュートノードを含む x86 ベアメタル上のホステッドクラスターとそのマネージドクラスターリソースを破棄できます。

14.4.1. IBM Z コンピュートノードを含む x86 ベアメタル上のホステッドクラスターの破棄

IBM Z コンピュートノードを含む x86 ベアメタル上のホステッドクラスターとそのマネージドクラスターを破棄するには、コマンドラインインターフェイス (CLI) を使用できます。

手順

  1. 次のコマンドを実行して、NodePool オブジェクトを 0 ノードにスケーリングします。

    $ oc -n <hosted_cluster_namespace> scale nodepool <nodepool_name> --replicas 0

    NodePool オブジェクトを 0 にスケーリングすると、コンピュートノードがホステッドクラスターからデタッチされます。OpenShift Container Platform バージョン 4.17 では、この機能は KVM を使用する IBM Z にのみ適用されます。z/VM および LPAR の場合は、コンピュートノードを手動で削除する必要があります。

    コンピュートノードをクラスターに再アタッチする場合は、必要なコンピュートノードの数を指定して NodePool オブジェクトをスケールアップできます。z/VM および LPAR の場合、エージェントを再利用するには、Discovery イメージを使用してエージェントを再作成する必要があります。

    重要

    コンピュートノードがホステッドクラスターからデタッチされていない場合、または Notready 状態のままになっている場合は、次のコマンドを実行してコンピュートノードを手動で削除します。

    $ oc --kubeconfig <hosted_cluster_name>.kubeconfig delete node <compute_node_name>
  2. 次のコマンドを入力して、コンピュートノードのステータスを確認します。

    $ oc --kubeconfig <hosted_cluster_name>.kubeconfig get nodes

    コンピュートノードがホステッドクラスターからデタッチされると、エージェントのステータスは auto-assign に変更されます。

  3. 次のコマンドを実行して、クラスターからエージェントを削除します。

    $ oc -n <hosted_control_plane_namespace> delete agent <agent_name>
    注記

    クラスターからエージェントを削除した後、エージェントとして作成した仮想マシンを削除できます。

  4. 次のコマンドを実行して、ホステッドクラスターを破棄します。

    $ hcp destroy cluster agent --name <hosted_cluster_name> --namespace <hosted_cluster_namespace>

14.5. IBM Power 上のホステッドクラスターの破棄

コマンドラインインターフェイス (CLI) を使用して、IBM Power 上のホステッドクラスターを破棄できます。

14.5.1. CLI を使用した IBM Power 上のホステッドクラスターの破棄

IBM Power 上のホステッドクラスターを破棄するには、hcp コマンドラインインターフェイス (CLI) を使用できます。

手順

  • 次のコマンドを実行して、ホステッドクラスターを削除します。

    $ hcp destroy cluster agent
     --name=<hosted_cluster_name> \1
     --namespace=<hosted_cluster_namespace> \2
     --cluster-grace-period <duration> 3
    1
    <hosted_cluster_name> は、ホステッドクラスターの名前に置き換えます。
    2
    <hosted_cluster_namespace> は、ホステッドクラスターの namespace の名前に置き換えます。
    3
    ホステッドクラスターを完全に破棄するまでの期間を指定します (例: 20m0s)。

14.6. 非ベアメタルエージェントマシン上のホステッドクラスターの破棄

コマンドラインインターフェイス (CLI) または multicluster engine Operator の Web コンソールを使用して、非ベアメタルエージェントマシン上のホステッドクラスターを破棄できます。

14.6.1. 非ベアメタルエージェントマシン上のホステッドクラスターの破棄

hcp コマンドラインインターフェイス (CLI) を使用して、非ベアメタルエージェントマシン上のホステッドクラスターを破棄できます。

手順

  • 次のコマンドを実行して、ホステッドクラスターとそのバックエンドリソースを削除します。

    $ hcp destroy cluster agent --name <hosted_cluster_name> 1
    1
    <hosted_cluster_name> は、ホステッドクラスターの名前に置き換えます。

14.6.2. Web コンソールを使用した非ベアメタルエージェントマシン上のホステッドクラスターの破棄

multicluster engine Operator の Web コンソールを使用して、非ベアメタルエージェントマシン上のホステッドクラスターを破棄できます。

手順

  1. コンソールで、InfrastructureClusters をクリックします。
  2. Clusters ページで、破棄するクラスターを選択します。
  3. Actions メニューで Destroy clusters を選択し、クラスターを削除します。

第15章 ホステッドクラスターの手動インポート

ホステッドクラスターは、Hosted Control Plane が使用可能になった後、multicluster engine Operator に自動的にインポートされます。

15.1. インポートされたホステッドクラスターの管理の制限

ホステッドクラスターは、スタンドアロンの OpenShift Container Platform やサードパーティーのクラスターとは異なり、multicluster engine for Kubernetes Operator に自動的にインポートされます。ホステッドクラスターは、エージェントがクラスターのリソースを使用しないように、一部のエージェントを ホステッドモード で実行します。

ホステッドクラスターを自動的にインポートした場合は、管理クラスターの HostedCluster リソースを使用して、ホステッドクラスター内のノードプールとコントロールプレーンを更新できます。ノードプールとコントロールプレーンを更新するには、「ホステッドクラスターのノードプールの更新」と「ホステッドクラスターのコントロールプレーンの更新」を参照してください。

Red Hat Advanced Cluster Management (RHACM) を使用すると、ホステッドクラスターをローカルの multicluster engine Operator 以外の場所にインポートできます。詳細は、「Red Hat Advanced Cluster Management での multicluster engine for Kubernetes Operator ホステッドクラスターの検出」を参照してください。

このトポロジーでは、クラスターがホストされている multicluster engine for Kubernetes Operator のコマンドラインインターフェイスまたはコンソールを使用して、ホステッドクラスターを更新する必要があります。RHACM ハブクラスターを介してホステッドクラスターを更新することはできません。

15.2. 関連情報

15.3. ホステッドクラスターの手動インポート

ホステッドクラスターを手動でインポートする場合は、次の手順を実行します。

手順

  1. InfrastructureClusters をクリックし、インポートするホステッドクラスターを選択します。
  2. Import hosted cluster をクリックします。

    注記

    検出された ホステッドクラスターは、コンソールからインポートすることもできます。ただし、そのクラスターがアップグレード可能な状態である必要があります。Hosted Control Plane を使用できないため、ホステッドクラスターがアップグレード可能な状態ではない場合、クラスターへのインポートは無効になります。Import をクリックして、プロセスを開始します。クラスターが更新を受信している間、ステータスは Importing であり、その後、Ready に変わります。

15.4. AWS へのホステッドクラスターの手動インポート

コマンドラインインターフェイスを使用して、Amazon Web Services (AWS) にホステッドクラスターをインポートすることもできます。

手順

  1. 以下のサンプル YAML ファイルを使用して、ManagedCluster リソースを作成します。

    apiVersion: cluster.open-cluster-management.io/v1
    kind: ManagedCluster
    metadata:
      annotations:
        import.open-cluster-management.io/hosting-cluster-name: local-cluster
        import.open-cluster-management.io/klusterlet-deploy-mode: Hosted
        open-cluster-management/created-via: hypershift
      labels:
        cloud: auto-detect
        cluster.open-cluster-management.io/clusterset: default
        name: <cluster_name>
        vendor: OpenShift
      name: <cluster_name>
    spec:
      hubAcceptsClient: true
      leaseDurationSeconds: 60

    <cluster_name> は、ホステッドクラスターの名前に置き換えます。

  2. 以下のコマンドを実行してリソースを適用します。

    $ oc apply -f <file_name>

    <file_name> は、前のステップで作成した YAML ファイル名に置き換えます。

  3. Red Hat Advanced Cluster Management がインストールされている場合は、次のサンプル YAML ファイルを使用して KlusterletAddonConfig リソースを作成します。multicluster engine Operator のみをインストールした場合は、この手順を省略します。

    apiVersion: agent.open-cluster-management.io/v1
    kind: KlusterletAddonConfig
    metadata:
      name: <cluster_name>
      namespace: <cluster_name>
    spec:
      clusterName: <cluster_name>
      clusterNamespace: <cluster_name>
      clusterLabels:
        cloud: auto-detect
        vendor: auto-detect
      applicationManager:
        enabled: true
      certPolicyController:
        enabled: true
      iamPolicyController:
        enabled: true
      policyController:
        enabled: true
      searchCollector:
        enabled: false

    <cluster_name> は、ホステッドクラスターの名前に置き換えます。

  4. 以下のコマンドを実行してリソースを適用します。

    $ oc apply -f <file_name>

    <file_name> は、前のステップで作成した YAML ファイル名に置き換えます。

  5. インポートプロセスが完了すると、ホステッドクラスターがコンソールに表示されます。以下のコマンドを実行して、ホステッドクラスターのステータスを確認することもできます。

    $ oc get managedcluster <cluster_name>

15.5. multicluster engine Operator へのホステッドクラスターの自動インポートの無効化

ホステッドクラスターは、コントロールプレーンが使用可能になった後、multicluster engine Operator に自動的にインポートされます。必要に応じて、ホステッドクラスターの自動インポートを無効にすることができます。

自動インポートを無効にしても、以前にインポートされたホステッドクラスターは影響を受けません。multicluster engine Operator 2.5 にアップグレードし、自動インポートが有効になっている場合、コントロールプレーンが使用可能な場合、インポートされていないすべてのホステッドクラスターが自動的にインポートされます。

注記

Red Hat Advanced Cluster Management がインストールされている場合は、すべての Red Hat Advanced Cluster Management アドオンも有効になります。

自動インポートが無効になっている場合、新しく作成されたホステッドクラスターのみが自動的にインポートされません。すでにインポートされているホステッドクラスターは影響を受けません。コンソールを使用するか、ManagedCluster および KlusterletAddonConfig カスタムリソースを作成することにより、クラスターを手動でインポートすることもできます。

手順

ホステッドクラスターの自動インポートを無効にするには、次の手順を実行します。

  1. ハブクラスターで、次のコマンドを入力して、multicluster engine Operator がインストールされている namespace の AddonDeploymentConfig リソースにある hypershift-addon-deploy-config 仕様を開きます。

    $ oc edit addondeploymentconfig hypershift-addon-deploy-config -n multicluster-engine
  2. 次の例に示すように、spec.customizedVariables セクションで、値が "true"autoImportDisabled 変数を追加します。

    apiVersion: addon.open-cluster-management.io/v1alpha1
    kind: AddOnDeploymentConfig
    metadata:
      name: hypershift-addon-deploy-config
      namespace: multicluster-engine
    spec:
      customizedVariables:
       - name: hcMaxNumber
         value: "80"
      - name: hcThresholdNumber
        value: "60"
      - name: autoImportDisabled
        value: "true"
  3. 自動インポートを再度有効にするには、autoImportDisabled 変数の値を "false" に設定するか、AddonDeploymentConfig リソースから変数を削除します。

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