サポート
OpenShift Container Platform のサポート
概要
第1章 サポートの概要
Red Hat は、クラスター、モニタリング、およびトラブルシューティング向けにデータを収集するクラスター管理者ツールを提供します。
1.1. サポートの利用
サポートの利用: Red Hat カスタマーポータルにアクセスして、ナレッジベースの記事の確認、サポートケースの作成、追加の製品ドキュメントおよびリソースの確認を行ってください。
1.2. リモートヘルスモニタリングの問題
リモートヘルスモニタリングの問題: OpenShift Container Platform はクラスターの Telemetry および設定データを収集し、Telemeter Client および Insights Operator を使用してこのデータを Red Hat に報告します。Red Hat はこのデータを使用して、オンライン接続されたクラスター での問題を理解し、解決します。オンライン接続されたクラスターと同様に、ネットワークが制限された環境で、リモートヘルスモニタリングを使用 できます。OpenShift Container Platform は以下を使用してデータを収集して正常性を監視します。
Telemetry: Telemetry クライアントは、Red Hat に対して、4 分 30 秒ごとにメトリック値を収集して、アップロードします。Red Hat はこのデータを使用して以下を行います。
- クラスターの監視。
- OpenShift Container Platform のアップグレードのロールアウト。
- アップグレードエクスペリエンスの向上。
Insight Operator: デフォルトで、OpenShift Container Platform は Insight Operator をインストールして有効にし、2 時間ごとに設定およびコンポーネントの障害ステータスを報告します。Insight Operator は以下に役立ちます。
- 発生する可能性のあるクラスターの問題を事前に特定しする。
- Red Hat OpenShift Cluster Manager でソリューションと予防措置を提供する。
Telemetry 情報を確認 できます。
リモートヘルスレポートを有効にしている場合は、Insights を使用して問題を特定 します。必要に応じて、リモートヘルスレポートを無効にできます。
1.3. クラスターに関するデータの収集
クラスターに関するデータの収集: Red Hat は、サポートケースの作成時にデバッグ情報を収集することを推奨します。デバッグ情報があると、Red Hat サポートが根本原因を分析するのに役立ちます。クラスター管理者は、以下を使用してクラスターに関するデータを収集できます。
-
must-gather ツール:
must-gather
ツールを使用してクラスターの情報を収集し、問題のデバッグを行います。 -
sosreport:
sosreport
ツールを使用して、デバッグ目的で設定の詳細、システム情報、および診断データを収集します。 - Cluster ID: Red Hat サポートに情報を提供する際に、クラスターの一意 ID を取得します。
-
ブートストラップノードのジャーナルログ:
bootkube.service
のjournald
ユニットログと、ブートストラップノードからコンテナーログを収集し、ブートストラップ関連の問題をトラブルシューティングします。 -
クラスターノードのジャーナルログ: ノード関連の問題のトラブルシューティングに、各クラスターの
/var/log
にあるログと、journald
ユニットログを収集します。 - ネットワークトレース: Red Hat サポートがネットワーク関連の問題をトラブルシューティングできるように、固有の OpenShift Container Platform クラスターノードまたはコンテナーからネットワークパケットトレースを提供します。
-
診断データ:
redhat-support-tool
コマンドを使用して、クラスターに関する診断データを収集します。
1.4. 問題のトラブルシューティング
クラスター管理者は、以下の OpenShift Container Platform コンポーネントの問題を監視し、トラブルシューティングできます。
インストールの問題: OpenShift Container Platform のインストールは段階を追って進められます。以下を実行できます。
- インストールステージの監視。
- インストールのどの段階で発生するかの判断。
- 複数のインストールの問題調査。
- 失敗したインストールからのログ収集。
ノードの問題: クラスター管理者は、ノードのステータス、リソースの使用状況、および設定を確認して、ノード関連の問題を検証およびトラブルシューティングできます。以下に対してクエリーを実行できます。
- ノード上の kubelet のステータス。
- クラスターノードジャーナルログ。
Crio の問題: クラスター管理者は、各クラスターノードで CRI-O コンテナーランタイムエンジンのステータスを確認できます。コンテナーランタイムの問題が発生した場合には、以下を実行します。
- CRI-O journald ユニットログを収集します。
- CRI-O ストレージをクリーンアップします。
オペレーティングシステムの問題: OpenShift Container Platform は Red Hat Enterprise Linux CoreOS で実行されます。オペレーティングシステムの問題が発生した場合は、カーネルクラッシュの手順を調査してください。以下の点を行うようにしてください。
- kdump が有効である。
- kdump 設定をテストする。
- コアダンプを分析する。
ネットワークの問題: クラスター管理者は以下を実行して、Open vSwitch の問題をトラブルシューティングできます。
- Open vSwitch のログレベルを一時的に設定する。
- Open vSwitch のログレベルを永続的に設定する。
- Open vSwitch のログを表示する。
Operator の問題: クラスター管理者は以下を実行して、Operator の問題を解決できます。
- Operator サブスクリプションのステータスを確認する。
- Operator Pod の正常性を確認する。
- Operator ログを収集する。
Pod の問題: クラスター管理者は、Pod のステータスを確認して以下を実行し、Pod 関連の問題のトラブルシューティングを行うことができます。
- Pod およびコンテナーのログを確認する。
- root アクセスでデバッグ Pod を起動する。
Source-to-Image の問題: クラスター管理者は S2I ステージを確認し、S2I プロセスのどこで障害が発生したかを判断できます。Source-to-Image(S2I) の問題を解決するには、以下を収集します。
- Source-to-Image 診断データ。
- アプリケーションの障害を調査するためのアプリケーション診断データ。
ストレージの問題: 障害のあるノードがアタッチしたボリュームをアンマウントできないことが原因で、新しいノードにボリュームをマウントできない場合、マルチアタッチストレージエラーが発生します。クラスター管理者は、以下を実行して、複数アタッチされているストレージの問題を解決できます。
- RWX ボリュームを使用して、複数割り当てを有効にします。
- RWO ボリュームの使用時に障害が発生したノードを回復するか、削除します。
モニタリングの問題: クラスター管理者は、モニタリングに関するトラブルシューティングページの手順を実行してください。ユーザー定義プロジェクトのメトリクスが利用できない場合や、Prometheus が大量のディスク領域を消費している場合は、以下を確認します。
- ユーザー定義のメトリクスが利用できない理由を調べる。
- Prometheus が大量のディスク領域を消費している理由を特定する。
-
OpenShift CLI (
oc
) の問題: ログレベルを増やすことで OpenShift CLI (oc
) の問題を調査します。
第2章 クラスターリソースの管理
OpenShift Container Platform でグローバル設定オプションを適用できます。Operator はこれらの設定をクラスター全体に適用します。
2.1. クラスターリソースの操作
OpenShift Container Platform の OpenShift CLI (oc
) ツールを使用してクラスターリソースを操作できます。oc api-resources
コマンドの実行後に表示されるクラスターリソースを編集できます。
前提条件
-
cluster-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 -
Web コンソールにアクセスできるか、
oc
CLI ツールがインストールされている。
手順
適用された設定 Operator を確認するには、以下のコマンドを実行します。
$ oc api-resources -o name | grep config.openshift.io
設定可能なクラスターリソースを表示するには、以下のコマンドを実行します。
$ oc explain <resource_name>.config.openshift.io
クラスターのカスタムリソース定義 (CRD) オブジェクトの設定を表示するには、以下のコマンドを実行します。
$ oc get <resource_name>.config -o yaml
クラスターリソース設定を編集するには、以下のコマンドを実行します。
$ oc edit <resource_name>.config -o yaml
第3章 サポート
3.1. サポート
このドキュメントで説明されている手順、または OpenShift Container Platform で問題が発生した場合は、Red Hat カスタマーポータル にアクセスしてください。
カスタマーポータルでは、次のことができます。
- Red Hat 製品に関するアーティクルおよびソリューションを対象とした Red Hat ナレッジベースの検索またはブラウズ。
- Red Hat サポートに対するサポートケースの送信。
- その他の製品ドキュメントへのアクセス。
クラスターの問題を特定するには、OpenShift Cluster Manager で Insights を使用できます。Insights により、問題の詳細と、利用可能な場合は問題の解決方法に関する情報が提供されます。
このドキュメントの改善への提案がある場合、またはエラーを見つけた場合は、最も関連性の高いドキュメントコンポーネントの Jira Issue を送信してください。セクション名や OpenShift Container Platform バージョンなどの具体的な情報を提供してください。
3.2. Red Hat ナレッジベースについて
Red Hat ナレッジベース は、お客様が Red Hat の製品やテクノロジーを最大限に活用できるようにするための豊富なコンテンツを提供します。Red Hat ナレッジベースは、Red Hat 製品のインストール、設定、および使用に関する記事、製品ドキュメント、および動画で構成されています。さらに、既知の問題に対する解決策を検索でき、それぞれに根本原因の簡潔な説明と修復手順が記載されています。
3.3. Red Hat ナレッジベースの検索
OpenShift Container Platform の問題が発生した場合には、初期検索を実行して、解決策を Red Hat ナレッジベース内ですでに見つけることができるかどうかを確認できます。
前提条件
- Red Hat カスタマーポータルのアカウントがある。
手順
- Red Hat カスタマーポータル にログインします。
- Search をクリックします。
検索フィールドに、問題に関連する次のようなキーワードと文字列を入力します。
- OpenShift Container Platform コンポーネント (etcd など)
- 関連する手順 (installation など)
- 明示的な失敗に関連する警告、エラーメッセージ、およびその他の出力
- Enter キーをクリックします。
- オプション: OpenShift Container Platform 製品フィルターを選択します。
- オプション: Documentation コンテンツタイプフィルターを選択します。
3.4. サポートケースの送信
前提条件
-
cluster-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 -
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。 - Red Hat カスタマーポータルのアカウントがある。
- Red Hat の標準またはプレミアムサブスクリプションがある。
手順
- Red Hat カスタマーポータルの Customer Support ページ にログインします。
- Get support をクリックします。
Customer Support ページの Cases タブで、以下を行います。
- オプション: 必要に応じて、事前に入力されたアカウントと所有者の詳細を変更します。
- 問題に該当するカテゴリー (Bug、Defect など) を選択し、Continue をクリックします。
以下の情報を入力します。
- Summary フィールドには、問題の簡潔で説明的な概要と、確認されている現象および予想される動作の詳細情報を入力します。
- Product ドロップダウンメニューから OpenShift Container Platform を選択します。
- Version ドロップダウンから 4.17 を選択します。
- Red Hat ナレッジベースで推奨されるソリューション一覧を確認してください。この一覧に上げられているソリューションは、報告しようとしている問題に適用される可能性があります。提案されている記事が問題に対応していない場合は、Continue をクリックします。
- 報告している問題に対する一致に基づいて推奨される Red Hat ナレッジベースソリューションの一覧が更新されることを確認してください。ケース作成プロセスでより多くの情報を提供すると、このリストの絞り込みが行われます。提案されている記事が問題に対応していない場合は、Continue をクリックします。
- アカウント情報が予想通りに表示されていることを確認し、そうでない場合は適宜修正します。
自動入力された OpenShift Container Platform クラスター ID が正しいことを確認します。正しくない場合は、クラスター ID を手動で取得します。
OpenShift Container Platform Web コンソールを使用してクラスター ID を手動で取得するには、以下を実行します。
- Home → Overview に移動します。
- Details セクションの Cluster ID フィールドで値を見つけます。
または、OpenShift Container Platform Web コンソールで新規サポートケースを作成し、クラスター ID を自動的に入力することができます。
- ツールバーから、(?)Help → Open Support Case に移動します。
- Cluster ID 値が自動的に入力されます。
OpenShift CLI (
oc
) を使用してクラスター ID を取得するには、以下のコマンドを実行します。$ oc get clusterversion -o jsonpath='{.items[].spec.clusterID}{"\n"}'
プロンプトが表示されたら、以下の質問に回答し、Continue をクリックします。
- What are you experiencing? What are you expecting to happen?
- Define the value or impact to you or the business.
- Where are you experiencing this behavior? What environment?
- When does this behavior occur? Frequency? Repeatedly? At certain times?
-
関連する診断データファイルをアップロードし、Continue をクリックします。まずは、
oc adm must-gather
コマンドを使用して収集されるデータと、そのコマンドによって収集されない問題に固有のデータを含めることが推奨されます。 - 関連するケース管理の詳細情報を入力し、Continue をクリックします。
- ケースの詳細を確認し、Submit をクリックします。
3.5. 関連情報
- クラスターの問題を特定する方法の詳細は、Insights を使用したクラスターの問題の特定 を参照してください。
第4章 接続クラスターを使用したリモートヘルスモニタリング
4.1. リモートヘルスモニタリングについて
OpenShift Container Platform は、クラスターに関する Telemetry および設定データを収集し、Telemeter Client および Insights Operator を使用してこれを Red Hat にレポートします。Red Hat に提供されるデータは、このドキュメントで説明されている利点を提供します。
Telemetry および Insights Operator 経由でデータを Red Hat にレポートするクラスターは 接続クラスター (connected cluster) と見なされます。
Telemetry は、Red Hat が OpenShift Container Platform Telemeter Client で Red Hat に送信される情報を記述するために使用する用語です。軽量の属性は、サブスクリプション管理の自動化、クラスターの健全性の監視、サポートの支援、お客様のエクスペリエンスの向上を図るために接続されたクラスターから Red Hat に送信されます。
Insights Operator は OpenShift Container Platform 設定データを収集し、これを Red Hat に送信します。データは、クラスターがさらされる可能性のある問題に関する洞察を生み出すために使用されます。これらの洞察は、OpenShift Cluster Manager でクラスター管理者に伝達されます。
これらの 2 つのプロセスの詳細は、このドキュメントを参照してください。
Telemetry および Insights Operator の利点
ユーザーにとって、Telemetry および Insights Operator には次のような利点があります。
- 問題の特定および解決の強化。エンドユーザーには正常と思われるイベントも、Red Hat は多くのお客様を含む全体的な視点で観察できます。この視点により、一部の問題はより迅速に特定され、エンドユーザーがサポートケースを作成したり、Jira 問題 を作成しなくても解決することが可能です。
-
高度なリリース管理。OpenShift Container Platform は
candidate
、fast
、およびstable
リリースチャネルを提供し、これにより更新ストラテジーを選択することができます。リリースのfast
からstable
に移行できるかどうかは、更新の成功率やアップグレード時に確認されるイベントに依存します。接続されたクラスターが提供する情報により、Red Hat はリリースの品質をstable
チャネルに引き上げ、fast
チャネルで見つかった問題により迅速に対応することができます。 - ターゲットが絞られた新機能の優先付け。収集されるデータは、最も使用される OpenShift Container Platform の領域に関する洞察を提供します。この情報により、Red Hat はお客様に最も大きな影響を与える新機能の開発に重点的に取り組むことができます。
- 効率的なサポートエクスペリエンス。Red Hat カスタマーポータル でサポートチケットを作成する際に、接続されたクラスターのクラスター ID を指定できます。これにより、Red Hat は接続された情報を使用してクラスター固有の効率化されたサポートエクスペリエンスを提供できます。このドキュメントは、強化されたサポートエクスペリエンスの詳細情報を提供しています。
- 予測分析。OpenShift Cluster Manager でクラスターに表示される洞察は、接続されたクラスターから収集される情報によって有効化されます。Red Hat は、OpenShift Container Platform クラスターがさらされる問題を特定するのに役立つディープラーニング (深層学習)、機械学習、および人工知能の自動化の適用に取り組んでいます。
4.1.1. Telemetry について
Telemetry は厳選されたクラスターモニタリングメトリクスのサブセットを Red Hat に送信します。Telemeter Client はメトリクスの値を 4 分 30 秒ごとに取得し、データを Red Hat にアップロードします。これらのメトリクスについては、このドキュメントで説明しています。
このデータのストリームは、Red Hat によってリアルタイムでクラスターをモニターし、お客様に影響を与える問題に随時対応するために使用されます。またこれにより、Red Hat がサービスへの影響を最小限に抑えつつつアップグレードエクスペリエンスの継続的な改善に向けた OpenShift Container Platform のアップグレードのデプロイメントを可能にします。
このデバッグ情報は、サポートケースでレポートされるデータへのアクセスと同じ制限が適用された状態で Red Hat サポートおよびエンジニアリングチームが利用できます。接続クラスターのすべての情報は、OpenShift Container Platform をより使用しやすく、より直感的に使用できるようにするために Red Hat によって使用されます。
関連情報
- クラスターの更新またはアップグレードの詳細は、OpenShift Container Platform の更新に関するドキュメント を参照してください。
4.1.1.1. Telemetry で収集される情報
以下の情報は、Telemetry によって収集されます。
4.1.1.1.1. システム情報
- OpenShift Container Platform クラスターのバージョン情報、および更新バージョンの可用性を特定するために使用されるインストールの更新の詳細を含むバージョン情報
- クラスターごとに利用可能な更新の数、更新に使用されるチャネルおよびイメージリポジトリー、更新の進捗情報、および更新で発生するエラーの数などの更新情報
- インストール時に生成される一意でランダムな識別子
- クラウドインフラストラクチャーレベルのノード設定、ホスト名、IP アドレス、Kubernetes Pod 名、namespace、およびサービスなど、Red Hat サポートがお客様にとって有用なサポートを提供するのに役立つ設定の詳細
- クラスターにインストールされている OpenShift Container Platform フレームワークコンポーネントおよびそれらの状態とステータス
- 動作が低下した Operator の "関連オブジェクト" として一覧表示されるすべての namespace のイベント
- 動作が低下したソフトウェアに関する情報
- 証明書の有効性に関する情報
- OpenShift Container Platform がデプロイされているプラットフォームの名前およびデータセンターの場所
4.1.1.1.2. サイジング情報
- CPU コアの数およびそれぞれに使用される RAM の容量を含む、クラスター、マシンタイプ、およびマシンに関するサイジング情報
- etcd メンバーの数および etcd クラスターに保存されるオブジェクトの数
- ビルドストラテジータイプ別のアプリケーションビルドの数
4.1.1.1.3. 使用情報
- コンポーネント、機能および拡張機能に関する使用率の情報
- テクノロジープレビューおよびサポート対象外の設定に関する使用率の詳細
Telemetry は、ユーザー名やパスワードなどの識別情報を収集しません。Red Hat は、意図的な個人情報の収集は行いません。誤って個人情報を受信したことが明らかになった場合、Red Hat はその情報を削除します。Telemetry データが個人データに該当する場合は、Red Hat プライバシーステートメント を参照し、Red Hat のプライバシー方針を確認してください。
関連情報
- Telemetry が OpenShift Container Platform で Prometheus から収集する属性を一覧表示する方法の詳細は、Telemetry によって収集されるデータの表示 を参照してください。
- Telemetry が Prometheus から収集する属性のリストは、アップストリームの cluster-monitoring-operator ソースコード を参照してください。
- Telemetry はデフォルトでインストールされ、有効にされます。リモートヘルスレポートをオプトアウトする必要がある場合は、リモートヘルスレポートのオプトアウト を参照してください。
4.1.2. Insights Operator について
Insights Operator は設定およびコンポーネントの障害ステータスを定期的に収集し、デフォルトで 2 時間ごとにそのデータを Red Hat に報告します。この情報により、Red Hat は設定や Telemetry で報告されるデータよりも深層度の高いデータを評価できます。
OpenShift Container Platform のユーザーは、Red Hat Hybrid Cloud Console の Insights Advisor サービスで各クラスターのレポートを表示できます。問題が特定されると、Insights は詳細を提供します。利用可能な場合は、問題の解決方法に関する手順が提供されます。
Insights Operator は、ユーザー名、パスワード、または証明書などの識別情報を収集しません。Red Hat Insights のデータ収集とコントロールの詳細は、Red Hat Insights のデータおよびアプリケーションセキュリティー を参照してください。
Red Hat は、接続されたすべてのクラスター情報を使用して、以下を実行します。
- Red Hat Hybrid Cloud Console の Insights Advisor サービスで、潜在的なクラスターの問題を特定し、解決策と予防措置を提供します。
- 集計される情報および重要な情報を製品およびサポートチームに提供し、OpenShift Container Platform の強化を図ります。
- OpenShift Container Platform の直感的な使用方法
関連情報
- Insights Operator はデフォルトでインストールされ、有効にされます。リモートヘルスレポートをオプトアウトする必要がある場合は、リモートヘルスレポートのオプトアウト を参照してください。
4.1.2.1. Insights Operator によって収集される情報
以下の情報は、Insights Operator によって収集されます。
- OpenShift Container Platform バージョンおよび環境に固有の問題を特定するためのクラスターおよびそのコンポーネントに関する一般的な情報
- 誤った設定や設定するパラメーターに固有の問題の判別に使用するクラスターのイメージレジストリー設定などの設定ファイル
- クラスターコンポーネントで発生するエラー
- 実行中の更新の進捗情報、およびコンポーネントのアップグレードのステータス
- OpenShift Container Platform がデプロイされているプラットフォームとクラスターが配置されているリージョンの詳細
- クラスターのワークロード情報が離散的な Secure Hash Algorithm (SHA) 値に変換されました。これにより、Red Hat は機密情報を失うことなくセキュリティーおよびバージョンの脆弱性のワークロードを評価できます。
-
Operator が問題を報告する場合、
openshift-*
およびkube-*
プロジェクトのコア OpenShift Container Platform Pod に関する情報が収集されます。これには、状態、リソース、セキュリティーコンテキスト、ボリューム情報などが含まれます。
関連情報
- Insights Operator によって収集されるデータを確認する方法の詳細は、Insights Operator によって収集されるデータの表示 を参照してください。
- Insights Operator のソースコードは確認したり、提供したりできます。Insights Operator によって収集される項目のリストは、Insights Operator のアップストリームプロジェクト を参照してください。
4.1.3. Telemetry および Insights Operator データフローについて
Telemeter Client は、Prometheus API から選択した時系列データを収集します。時系列データは、処理するために 4 分 30 秒ごとに api.openshift.com にアップロードされます。
Insights Operator は、選択したデータを Kubernetes API および Prometheus API からアーカイブに収集します。アーカイブは、処理のために 2 時間ごとに OpenShift Cluster Manager にアップロードされます。Insights Operator は、OpenShift Cluster Manager から最新の Insights 分析もダウンロードします。これは、OpenShift Container Platform Web コンソールの Overview ページに含まれる Insights status ポップアップを設定するために使用されます。
Red Hat との通信はすべて、Transport Layer Security (TLS) および相互証明書認証を使用して、暗号化されたチャネル上で行われます。すべてのデータは移動中および停止中に暗号化されます。
顧客データを処理するシステムへのアクセスは、マルチファクター認証と厳格な認証制御によって制御されます。アクセスは関係者以外極秘で付与され、必要な操作に制限されます。
Telemetry および Insights Operator データフロー
関連情報
- OpenShift Container Platform モニタリングスタックの詳細は、Monitoring Overviewを参照してください。
- ファイアウォールを設定し、Telemetry および Insights のエンドポイントを有効にする方法の詳細は、ファイアウォールの設定 を参照してください。
4.1.4. リモートヘルスモニタリングデータの使用方法に関する追加情報
リモートヘルスモニタリングを有効にするために収集される情報の詳細は、Information collected by Telemetry および Information collected by the Insights Operator を参照してください。
このドキュメントで前述したとおり、Red Hat は、サポートおよびアップグレードの提供、パフォーマンス/設定の最適化、サービスへの影響の最小化、脅威の特定および修復、トラブルシューティング、オファリングおよびユーザーエクスペリエンスの強化、問題への対応および請求を目的として (該当する場合)、お客様の Red Hat 製品使用データを収集します。
収集における対策
Red Hat は、Telemetry および設定データを保護するために設計された技術的および組織的な対策を採用しています。
共有
Red Hat は、ユーザーエクスペリエンスの向上に向けて、Telemetry および Insights Operator で収集されるデータを内部で共有する場合があります。Red Hat は、以下の目的で Red Hat のビジネスパートナーと、お客様を特定しない集約された形式で Telemetry および設定データを共有する場合があります。つまり、パートナーが市場およびお客様の Red Hat のオファリングの使用についてより良く理解できるように支援することを目的とするか、それらのパートナーと共同でサポートしている製品の統合を効果的に行うことを目的としています。
サードパーティー
Red Hat は、Telemetry および設定データの収集、分析、および保管を支援するために、特定のサードパーティーと連携する場合があります。
ユーザーコントロール/Telemetry および設定データ収集の有効化および無効化
リモートヘルスレポートのオプトアウト の手順に従って、OpenShift Container Platform Telemetry および Insights Operator を無効にすることができます。
4.2. リモートヘルスモニタリングによって収集されるデータの表示
管理者は、Telemetry および Insights Operator によって収集されるメトリックを確認できます。
4.2.1. Telemetry によって収集されるデータの表示
Telemetry でキャプチャーされるクラスターとコンポーネントの時系列データを表示することができます。
前提条件
-
OpenShift Container Platform CLI (
oc
) をインストールしている。 -
cluster-admin
ロールまたはcluster-monitoring-view
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。
手順
- クラスターにログインします。
- 次のコマンドを実行すると、クラスターの Prometheus サービスにクエリーが実行され、Telemetry によってキャプチャーされた時系列データの完全なセットが返されます。
次の例には、OpenShift Container Platform on AWS に固有の値がいくつか含まれています。
$ curl -G -k -H "Authorization: Bearer $(oc whoami -t)" \ https://$(oc get route prometheus-k8s-federate -n \ openshift-monitoring -o jsonpath="{.spec.host}")/federate \ --data-urlencode 'match[]={__name__=~"cluster:usage:.*"}' \ --data-urlencode 'match[]={__name__="count:up0"}' \ --data-urlencode 'match[]={__name__="count:up1"}' \ --data-urlencode 'match[]={__name__="cluster_version"}' \ --data-urlencode 'match[]={__name__="cluster_version_available_updates"}' \ --data-urlencode 'match[]={__name__="cluster_version_capability"}' \ --data-urlencode 'match[]={__name__="cluster_operator_up"}' \ --data-urlencode 'match[]={__name__="cluster_operator_conditions"}' \ --data-urlencode 'match[]={__name__="cluster_version_payload"}' \ --data-urlencode 'match[]={__name__="cluster_installer"}' \ --data-urlencode 'match[]={__name__="cluster_infrastructure_provider"}' \ --data-urlencode 'match[]={__name__="cluster_feature_set"}' \ --data-urlencode 'match[]={__name__="instance:etcd_object_counts:sum"}' \ --data-urlencode 'match[]={__name__="ALERTS",alertstate="firing"}' \ --data-urlencode 'match[]={__name__="code:apiserver_request_total:rate:sum"}' \ --data-urlencode 'match[]={__name__="cluster:capacity_cpu_cores:sum"}' \ --data-urlencode 'match[]={__name__="cluster:capacity_memory_bytes:sum"}' \ --data-urlencode 'match[]={__name__="cluster:cpu_usage_cores:sum"}' \ --data-urlencode 'match[]={__name__="cluster:memory_usage_bytes:sum"}' \ --data-urlencode 'match[]={__name__="openshift:cpu_usage_cores:sum"}' \ --data-urlencode 'match[]={__name__="openshift:memory_usage_bytes:sum"}' \ --data-urlencode 'match[]={__name__="workload:cpu_usage_cores:sum"}' \ --data-urlencode 'match[]={__name__="workload:memory_usage_bytes:sum"}' \ --data-urlencode 'match[]={__name__="cluster:virt_platform_nodes:sum"}' \ --data-urlencode 'match[]={__name__="cluster:node_instance_type_count:sum"}' \ --data-urlencode 'match[]={__name__="cnv:vmi_status_running:count"}' \ --data-urlencode 'match[]={__name__="cluster:vmi_request_cpu_cores:sum"}' \ --data-urlencode 'match[]={__name__="node_role_os_version_machine:cpu_capacity_cores:sum"}' \ --data-urlencode 'match[]={__name__="node_role_os_version_machine:cpu_capacity_sockets:sum"}' \ --data-urlencode 'match[]={__name__="subscription_sync_total"}' \ --data-urlencode 'match[]={__name__="olm_resolution_duration_seconds"}' \ --data-urlencode 'match[]={__name__="csv_succeeded"}' \ --data-urlencode 'match[]={__name__="csv_abnormal"}' \ --data-urlencode 'match[]={__name__="cluster:kube_persistentvolumeclaim_resource_requests_storage_bytes:provisioner:sum"}' \ --data-urlencode 'match[]={__name__="cluster:kubelet_volume_stats_used_bytes:provisioner:sum"}' \ --data-urlencode 'match[]={__name__="ceph_cluster_total_bytes"}' \ --data-urlencode 'match[]={__name__="ceph_cluster_total_used_raw_bytes"}' \ --data-urlencode 'match[]={__name__="ceph_health_status"}' \ --data-urlencode 'match[]={__name__="odf_system_raw_capacity_total_bytes"}' \ --data-urlencode 'match[]={__name__="odf_system_raw_capacity_used_bytes"}' \ --data-urlencode 'match[]={__name__="odf_system_health_status"}' \ --data-urlencode 'match[]={__name__="job:ceph_osd_metadata:count"}' \ --data-urlencode 'match[]={__name__="job:kube_pv:count"}' \ --data-urlencode 'match[]={__name__="job:odf_system_pvs:count"}' \ --data-urlencode 'match[]={__name__="job:ceph_pools_iops:total"}' \ --data-urlencode 'match[]={__name__="job:ceph_pools_iops_bytes:total"}' \ --data-urlencode 'match[]={__name__="job:ceph_versions_running:count"}' \ --data-urlencode 'match[]={__name__="job:noobaa_total_unhealthy_buckets:sum"}' \ --data-urlencode 'match[]={__name__="job:noobaa_bucket_count:sum"}' \ --data-urlencode 'match[]={__name__="job:noobaa_total_object_count:sum"}' \ --data-urlencode 'match[]={__name__="odf_system_bucket_count", system_type="OCS", system_vendor="Red Hat"}' \ --data-urlencode 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4.2.2. Insights Operator によって収集されるデータの表示
Insights Operator で収集されるデータを確認することができます。
前提条件
-
cluster-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。
手順
Insights Operator の現在実行中の Pod の名前を検索します。
$ INSIGHTS_OPERATOR_POD=$(oc get pods --namespace=openshift-insights -o custom-columns=:metadata.name --no-headers --field-selector=status.phase=Running)
Insights Operator で収集される最近のデータアーカイブをコピーします。
$ oc cp openshift-insights/$INSIGHTS_OPERATOR_POD:/var/lib/insights-operator ./insights-data
最近の Insights Operator アーカイブが insights-data
ディレクトリーで利用可能になります。
4.3. リモートヘルスレポートのオプトアウト
クラスターの健全性や使用状況に関するデータのレポートをオプトアウトする必要が生じる可能性があります。
リモートヘルスレポートをオプトアウトするには、以下を実行する必要があります。
- グローバルクラスタープルシークレットを変更 してリモートヘルスレポートを無効にします。
- この変更されたプルシークレットを使用するように クラスターを更新 します。
4.3.1. リモートヘルスレポートを無効した場合の影響
OpenShift Container Platform では、使用状況に関する情報のレポートをオプトアウトできます。ただし、接続クラスターは Red Hat が問題により迅速に対応し、お客様をより効果的にサポートし、製品のアップグレードによるクラスターへの影響をより明確に把握することを可能にします。また接続されたクラスターにより、サブスクリプションとエンタイトルメントのプロセスが単純化され、OpenShift Cluster Manager サービスによってクラスターおよびサブスクリプションのステータスに関する概要を提供することが可能になります。
そのため、実稼働クラスターでのオプトアウトが必要な場合であっても、実稼働以前の環境やテストクラスターでは健全性および使用状況に関するレポートを有効な状態にしておくことが強く推奨されます。これにより、Red Hat は OpenShift Container Platform をご使用の環境に適合させ、製品関連の問題により迅速に対応する上で貢献することができます。
接続クラスターのオプトアウトによる影響には、以下が含まれます。
- Red Hat はサポートケースが作成されない限り、製品アップグレードの正常性やクラスターの健全性を監視することができません。
- Red Hat は設定データを使用して、お客様のサポートケースの優先付けや、お客様にとって重要な設定を特定することができません。
- OpenShift Cluster Manager は健全性や使用状況に関する情報を含むクラスターに関するデータを表示できません。
- 使用状況の自動レポート機能を使用できないため、サブスクリプションのエンタイトルメント情報は console.redhat.com で手動で入力する必要があります。
ネットワークが制限された環境の場合も、プロキシーの適切な設定により Telemetry および Insights データは依然としてレポートされます。
4.3.2. グローバルクラスタープルシークレットの変更によるリモートヘルスレポートの無効化
既存のグローバルクラスタープルシークレットを変更して、リモートヘルスレポートを無効にすることができます。これにより、Telemetry と Insights Operator の両方が無効になります。
前提条件
-
cluster-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。
手順
グローバルクラスタープルシークレットをローカルファイルシステムにダウンロードします。
$ oc extract secret/pull-secret -n openshift-config --to=.
-
テキストエディターで、ダウンロードした
.dockerconfigjson
ファイルを編集します。 以下のように
cloud.openshift.com
JSON エントリーを削除します。"cloud.openshift.com":{"auth":"<hash>","email":"<email_address>"}
- ファイルを保存します。
この変更されたプルシークレットを使用できるようにクラスターを更新できます。
4.3.3. 非接続クラスターの登録
非接続 OpenShift Container Platform クラスターを Red Hat Hybrid Cloud Console に登録し、「リモートヘルスレポートを無効した場合の影響」セクションに記載されている影響を受けないようにします。
非接続クラスターを登録することで、引き続きサブスクリプションの使用状況を Red Hat に報告できます。Red Hat は、サブスクリプションに関連する正確な使用量と容量の傾向を返すことができるため、ユーザーは返された情報を使用して、リソース全体に対してより適切にサブスクリプションを割り当てることができます。
前提条件
-
OpenShift Container Platform Web コンソールに
cluster-admin
としてログインしている。 - Red Hat Hybrid Cloud Console にログインできる。
手順
- Red Hat Hybrid Cloud Console の Register disconnected cluster Web ページに移動します。
- オプション: Red Hat Hybrid Cloud Console のホームページから Register disconnected cluster Web ページにアクセスするには、ナビゲーションメニュー項目の Cluster List に移動し、Register cluster ボタンを選択します。
- Register disconnected cluster ページの指定されたフィールドにクラスターの詳細を入力します。
- そのページの Subscription settings セクションから、ご使用の Red Hat サブスクリプションオファリングに適用されるサブクリプション設定を選択します。
- 非接続クラスターを登録するには、Register cluster ボタンを選択します。
関連情報
- リモートヘルスレポートを無効した場合の影響
- サブスクリプションサービスでのサブスクリプションデータの表示方法 (サブスクリプションサービスのスタートガイド)
4.3.4. グローバルクラスターのプルシークレットの更新
現在のプルシークレットを置き換えるか、新しいプルシークレットを追加することで、クラスターのグローバルプルシークレットを更新できます。
ユーザーがインストール中に使用したレジストリーとは別のレジストリーを使用してイメージを保存する場合は、この手順が必要です。
前提条件
-
cluster-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。
手順
オプション: 既存のプルシークレットに新しいプルシークレットを追加するには、以下の手順を実行します。
以下のコマンドを入力してプルシークレットをダウンロードします。
$ oc get secret/pull-secret -n openshift-config --template='{{index .data ".dockerconfigjson" | base64decode}}' ><pull_secret_location> 1
- 1
- プルシークレットファイルへのパスを指定します。
以下のコマンドを実行して、新しいプルシークレットを追加します。
$ oc registry login --registry="<registry>" \ 1 --auth-basic="<username>:<password>" \ 2 --to=<pull_secret_location> 3
または、プルシークレットファイルを手動で更新することもできます。
以下のコマンドを実行して、クラスターのグローバルプルシークレットを更新します。
$ oc set data secret/pull-secret -n openshift-config --from-file=.dockerconfigjson=<pull_secret_location> 1
- 1
- 新規プルシークレットファイルへのパスを指定します。
この更新はすべてのノードにロールアウトされます。これには、クラスターのサイズに応じて多少時間がかかる場合があります。
注記OpenShift Container Platform 4.7.4 の時点で、グローバルプルシークレットへの変更によってノードドレインまたは再起動がトリガーされなくなりました。
4.4. リモートヘルスレポートの有効化
組織がリモートヘルスレポートを無効にしている場合は、この機能を再度有効にできます。OpenShift Container Platform Web コンソールの概要ページの Status タイルに表示される "Insights not available" メッセージから、リモートヘルスレポートが無効にされていることが分かります。
リモートヘルスレポートを有効にするには、新しい認証トークンを使用して グローバルクラスタープルシークレットを変更 する必要があります。
リモートヘルスレポートを有効にすると、Insights Operator と Telemetry の両方が有効になります。
4.4.1. グローバルクラスタープルシークレットの変更によるリモートヘルスレポートの有効化
既存のグローバルクラスタープルシークレットを変更して、リモートヘルスレポートを有効にすることができます。以前にリモートヘルスモニタリングを無効にしている場合に、まず Red Hat OpenShift Cluster Manager から console.openshift.com
アクセストークンを使用して新しいプルシークレットをダウンロードする必要があります。
前提条件
-
cluster-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 - OpenShift Cluster Manager へのアクセス。
手順
- https://console.redhat.com/openshift/downloads に移動します。
Tokens → Pull Secret から Download をクリックします。
JSON 形式の
cloud.openshift.com
アクセストークンが含まれるファイルpull-secret.txt
がダウンロードされます。{ "auths": { "cloud.openshift.com": { "auth": "<your_token>", "email": "<email_address>" } } }
グローバルクラスタープルシークレットをローカルファイルシステムにダウンロードします。
$ oc get secret/pull-secret -n openshift-config --template='{{index .data ".dockerconfigjson" | base64decode}}' > pull-secret
プルシークレットのバックアップコピーを作成します。
$ cp pull-secret pull-secret-backup
-
テキストエディターで
プルシークレット
を開きます。 -
pull-secret.txt
のcloud.openshift.com
JSON エントリーをauths
に追加します。 - ファイルを保存します。
クラスターのシークレットを更新します。
oc set data secret/pull-secret -n openshift-config --from-file=.dockerconfigjson=pull-secret
シークレットが更新され、クラスターがレポートを開始するまでに数分の時間がかかる場合があります。
検証
- OpenShift Container Platform Web コンソールの概要ページに移動してログインします。
- Status タイルの Insights は検出された問題の数を報告します。
4.5. Insights を使用したクラスターの問題の特定
Insights は、Insights Operator の送信データを繰り返し分析します。OpenShift Container Platform のユーザーは、Red Hat Hybrid Cloud Console の Insights Advisor サービスにレポートを表示できます。
4.5.1. OpenShift Container Platform の Red Hat Insights Advisor について
Insights Advisor を使用して、OpenShift Container Platform クラスターの正常性を評価して監視できます。個々のクラスターとインフラストラクチャー全体のどちらに懸念があるかにかかわらず、サービスの可用性、フォールトトレランス、パフォーマンス、またはセキュリティーに影響を及ぼす可能性のある問題にさらされていることを認識することが重要です。
Insights は、Insights Operator で収集されたクラスターデータを使用して、そのデータを recommendations ライブラリーと繰り返し比較します。各推奨事項は、OpenShift Container Platform クラスターをリスクにさらす可能性のある一連のクラスター環境条件です。Insights 分析の結果は、Red Hat Hybrid Cloud Console の Insights Advisor サービスで利用できます。コンソールでは、次のアクションを実行できます。
- 特定の推奨事項の影響を受けるクラスターを確認します。
- 堅牢なフィルタリング機能を使用して、結果をそれらの推奨事項に絞り込みます。
- 個別の推奨事項、それらが示すリスクの詳細、および個別のクラスターに適した解決方法を確認します。
- 結果を他の内容と共有します。
4.5.2. Insights Advisor の推奨事項について
Insights Advisor は、クラスターのサービスの可用性、フォールトトレランス、パフォーマンス、またはセキュリティーに悪影響を与える可能性のあるさまざまなクラスターの状態およびコンポーネント設定に関する情報をバンドルしています。この情報は Insights Advisor で推奨事項と呼ばれ、以下の情報が含まれます。
- 名前: 推奨事項の簡単な説明
- 追加: 推奨事項が Insights Advisor アーカイブに公開されている場合
- カテゴリー: この問題がサービス可用性、フォールトトレランス、パフォーマンス、またはセキュリティーに悪影響を及ぼす可能性があるかどうか
- 全体のリスク: 条件がインフラストラクチャーに悪影響を与える 可能性 から導出した値と、それが発生した場合にシステム稼働に及ぼす 影響
- クラスター: 推奨事項が検出されたクラスターのリスト
- 説明: クラスターへの影響を含む、問題の簡単な概要
- 関連するトピックへのリンク: Red Hat が提供する、問題に関する詳細情報
4.5.3. クラスターの潜在的な問題の表示
このセクションでは、OpenShift Cluster Manager の Insights Advisor に Insights レポートを表示する方法を説明します。
Insights はクラスターを繰り返し分析し、最新の結果を表示することに注意してください。問題を修正した場合や新しい問題が検出された場合などは、これらの結果が変化する可能性があります。
前提条件
- クラスターが OpenShift Cluster Manager に登録されている。
- リモートヘルスレポートが有効になっている (デフォルト)。
- OpenShift Cluster Manager にログインしている。
手順
OpenShift Cluster Manager で、Advisor → Recommendations に移動します。
結果に応じて、Insights Advisor は次のいずれかを表示します。
- Insights で問題が特定されなかった場合は、No matching recommendations found が表示されます。
- Insights が検出した問題のリストで、リスク (低、中、重要、および重大) ごとにグループ化されています。
- Insights がまだクラスターを分析していない場合は、No clusters yet が表示されます。分析は、クラスターがインストールされて登録され、インターネットに接続された直後に開始します。
問題が表示された場合は、エントリーの前にある > アイコンをクリックして詳細を確認してください。
問題によっては、Red Hat が提供する関連情報へのリンクがあります。
4.5.4. すべての Insights Advisor の推奨事項を表示
Recommendations ビューはデフォルトで、クラスターで検出された推奨事項のみを表示します。ただし、アドバイザーアーカイブですべての推奨事項を表示できます。
前提条件
- リモートヘルスレポートが有効になっている (デフォルト)。
- クラスターが Red Hat Hybrid Cloud Console に 登録 されています。
- OpenShift Cluster Manager にログインしている。
手順
- OpenShift Cluster Manager で、Advisor → Recommendations に移動します。
Clusters Impacted フィルターおよび Status フィルターの横にある X アイコンをクリックします。
これで、クラスターの潜在的な推奨事項をすべて参照できます。
4.5.5. アドバイザーの推奨事項に対するフィルター
Insights アドバイザーサービスは、多数の推奨事項を返すことができます。最も重要な推奨事項に焦点を当てるために、アドバイザーの推奨事項 リストにフィルターを適用して、優先度の低い推奨事項を削除できます。
デフォルトでは、フィルターは 1 つ以上のクラスターに影響を与える有効な推奨事項のみを表示するように設定されています。Insights ライブラリー内のすべての推奨事項または無効化された推奨事項を表示するには、フィルターをカスタマイズできます。
フィルターを適用するには、フィルタータイプを選択し、ドロップダウンリストで使用できるオプションに基づき値を設定します。推奨事項のリストには、複数のフィルターを適用できます。
次のフィルタータイプを設定できます。
- Name: 名前で推奨事項を検索します。
- Total risk: クラスターに対する悪影響の可能性と重大度を示す値として、Critical、Important、Moderate、Low から 1 つ以上選択します。
- Impact: クラスター操作の継続性に対する潜在的な影響を示す値を、Critical、High、Medium、Low から 1 つ以上選択します。
- Likelihood: 推奨事項が実行された場合にクラスターに悪影響を及ぼす可能性を示す値を、Critical、High、Medium、Low から 1 つ以上選択します。
- Category: 注目するカテゴリーを、Service Availability、Performance、Fault Tolerance、Security、Best Practice から 1 つ以上選択します。
- Status: ラジオボタンをクリックして、有効な推奨事項 (デフォルト)、無効な推奨事項、またはすべての推奨事項を表示します。
- Clusters impacted: 現在 1 つ以上のクラスターに影響を与えている推奨事項、影響を与えていない推奨事項、またはすべての推奨事項を表示するようにフィルターを設定します。
- Risk of change: 解決策の実装がクラスター操作に及ぼす可能性のあるリスクを示す値を、High、Moderate、Low、Very low から 1 つ以上選択します。
4.5.5.1. Insights アドバイザーの推奨事項のフィルタリング
OpenShift Container Platform クラスターマネージャーは、推奨事項リストに表示される推奨事項をフィルターできます。フィルターを適用すると、報告される推奨事項の数を減らし、最も優先度の高い推奨事項に集中できます。
次の手順は、Category フィルターの設定方法および削除方法を示していますが、この手順は任意のフィルタータイプおよびそれぞれの値にも適用できます。
前提条件
手順
- Red Hat Hybrid Cloud Console → OpenShift → Advisor recommendations に移動します。
- メインのフィルタータイプドロップダウンリストで、Category フィルタータイプを選択します。
- フィルター値のドロップダウンリストを展開し、表示する推奨事項の各カテゴリー横にあるチェックボックスを選択します。不要なカテゴリーのチェックボックスはオフのままにします。
- オプション: フィルターを追加して、リストをさらに絞り込みます。
選択したカテゴリーの推奨事項のみがリストに表示されます。
検証
- フィルターを適用した後、更新された推奨事項リストを表示できます。適用されたフィルターは、デフォルトのフィルターの隣に追加されます。
4.5.5.2. Insights Advisor の推奨事項からフィルターを削除する
推奨事項のリストには、複数のフィルターを適用できます。準備が完了したフィルターは、個別に削除することも、完全にリセットすることもできます。
フィルターを個別に削除する
- デフォルトのフィルターを含め、各フィルターの横にある X アイコンをクリックすると、フィルターを個別に削除できます。
デフォルト以外のフィルターをすべて削除する
- Reset filters をクリックすると、適用したフィルターのみが削除され、デフォルトのフィルターはそのまま残ります。
4.5.6. Insights Advisor の推奨事項の無効化
クラスターに影響を与える特定の推奨事項を無効にして、それらがレポートに表示されないようにできます。単一のクラスターまたはすべてのクラスターの推奨を無効にできます。
すべてのクラスターの推奨を無効にすると、今後のクラスターにも適用されます。
前提条件
- リモートヘルスレポートが有効になっている (デフォルト)。
- クラスターが OpenShift Cluster Manager に登録されている。
- OpenShift Cluster Manager にログインしている。
手順
- OpenShift Cluster Manager で、Advisor → Recommendations に移動します。
- オプション: 必要に応じて、Clusters Impacted および Status フィルターを使用します。
次のいずれかの方法でアラートを無効にします。
アラートを無効にするには、以下を実行します。
- アラートの Options メニュー をクリックし、Disable recommendation をクリックします。
- 理由を入力し、Save をクリックします。
アラートを無効にする前に、そのアラートの影響を受けるクラスターを表示するには、以下を実行します。
- 無効にする推奨事項の名前をクリックします。その推奨事項のページに移動します。
- Affected clusters セクションで、クラスターのリストを確認します。
- Actions → Disable recommendation をクリックして、すべてのクラスターのアラートを無効にします。
- 理由を入力し、Save をクリックします。
4.5.7. 以前に無効にした Insights Advisor の推奨事項を有効にする
すべてのクラスターで推奨事項を無効にすると、Insights Advisor に推奨事項は表示されなくなります。この動作は変更できます。
前提条件
- リモートヘルスレポートが有効になっている (デフォルト)。
- クラスターが OpenShift Cluster Manager に登録されている。
- OpenShift Cluster Manager にログインしている。
手順
- OpenShift Cluster Manager で、Advisor → Recommendations に移動します。
無効になっている推奨事項から、表示する推奨事項をフィルタリングします。
- Status ドロップダウンメニューから Status を選択します。
- Filter by status ドロップダウンメニューから、Disabled を選択します。
- オプション: Clusters impacted フィルターをクリアします。
- 有効にする推奨事項を特定します。
- Options メニュー をクリックし、Enable recommendation をクリックします。
4.5.8. Web コンソールでの Insights ステータスの表示
Insights はクラスターを繰り返し分析し、OpenShift Container Platform Web コンソールでクラスターの特定された潜在的な問題のステータスを表示することができます。このステータスには、さまざまなカテゴリーの問題の数が表示され、詳細は OpenShift Cluster Manager のレポートへのリンクが表示されます。
前提条件
- クラスターが OpenShift Cluster Manager に 登録されている。
- リモートヘルスレポートが有効になっている (デフォルト)。
- OpenShift Container Platform Web コンソールにログインしている。
手順
- OpenShift Container Platform Web コンソールで、Home → Overview に移動します。
Status カードの Insights をクリックします。
ポップアップウィンドウには、リスクごとにグループ化された潜在的な問題がリスト表示されます。詳細を表示するには、個々のカテゴリーをクリックするか、View all recommendations in Insights Advisor を表示します。
4.6. Insights Operator の使用
Insights Operator は設定およびコンポーネントの障害ステータスを定期的に収集し、デフォルトで 2 時間ごとにそのデータを Red Hat に報告します。この情報により、Red Hat は設定や Telemetry で報告されるデータよりも深層度の高いデータを評価できます。OpenShift Container Platform のユーザーは、Red Hat Hybrid Cloud Console の Insights Advisor サービスにレポートを表示できます。
関連情報
- Insights Operator はデフォルトでインストールされ、有効にされます。リモートヘルスレポートをオプトアウトする必要がある場合は、リモートヘルスレポートのオプトアウト を参照してください。
- Insights Advisor を使用したクラスターの問題の特定に関する詳細は、Insights を使用したクラスターの問題の特定 を参照してください。
4.6.1. Insights Operator の設定
Insights Operator 設定は、デフォルトの Operator 設定と、openshift-insights
namespace の insights-config ConfigMap
オブジェクト、または openshift-config
namespace のサポートシークレットのいずれかに保存されている設定を組み合わせたものです。
ConfigMap
オブジェクトかサポートシークレットが存在する場合、含まれる属性値によってデフォルトの Operator 設定値がオーバーライドされます。ConfigMap
オブジェクトとサポートシークレットが 両方とも 存在する場合、Operator は ConfigMap
オブジェクトを読み取ります。
ConfigMap
オブジェクトはデフォルトでは存在しないため、OpenShift Container Platform クラスター管理者が作成する必要があります。
ConfigMap オブジェクトの設定の構造
この insights-config ConfigMap
オブジェクトの例 (config.yaml
設定) は、標準の YAML 形式を使用した設定オプションを示しています。
設定可能な属性とデフォルト値
次の表に、使用可能な設定属性を示します。
insights-config ConfigMap
オブジェクトは、標準の YAML 形式に準拠しています。子の値が親属性の下にあり、2 つのスペースでインデントされています。Obfuscation 属性では、親属性の子として箇条書きで値を入力します。
Attribute name | 説明 | 値のタイプ | デフォルト値 |
---|---|---|---|
| IP アドレスとクラスタードメイン名のグローバル難読化を有効にします。 | Boolean |
|
| Deployment Validation Operator がインストールされている場合、Deployment Validation Operator からのデータを難読化します。 | Boolean |
|
| Simple Content Access エンタイトルメントのダウンロード頻度を指定します。 | 時間間隔 |
|
| Simple Content Access エンタイトルメントのダウンロードを無効にします。 | Boolean |
|
| クラスターの Prometheus インスタンスへの Insights Operator アラートを無効にします。 | Boolean |
|
| Insights Operator のカスタムプロキシーを設定する | URL | デフォルトなし |
4.6.1.1. insights-config ConfigMap オブジェクトの作成
この手順では、Insights Operator によるカスタム設定を行うための Insights-config ConfigMap
オブジェクトを作成する方法を説明します。
デフォルトの Insights Operator 設定を変更する前に、Red Hat サポートに相談することを推奨します。
前提条件
- リモートヘルスレポートが有効になっている (デフォルト)。
-
cluster-admin
ロールを持つユーザーとして OpenShift Container Platform Web コンソールにログインしている。
手順
- Workloads → ConfigMaps に移動し、Project: openshift-insights を選択します。
- Create ConfigMap をクリックします。
Configure via: YAML view を選択し、次のように設定を入力します。
apiVersion: v1 kind: ConfigMap metadata: name: insights-config namespace: openshift-insights data: config.yaml: | dataReporting: obfuscation: - networking - workload_names sca: disable: false interval: 2h alerting: disabled: false binaryData: {} immutable: false
- オプション: Form view を選択し、フォームで必要な情報を入力します。
- ConfigMap Name フィールドに insights-config と入力します。
- Key フィールドに config.yaml と入力します。
- Value フィールドで、ファイルを探してフィールドにドラッグアンドドロップするか、設定パラメーターを手動で入力します。
-
Create をクリックすると、
ConfigMap
オブジェクトと設定情報が表示されます。
4.6.2. Insights Operator アラートについて
Insights Operator は、Prometheus モニタリングシステムを介して Alertmanager にアラートを宣言します。これらのアラートは、以下のいずれかの方法を使用して、OpenShift Container Platform Web コンソールのアラート UI で表示できます。
- Administrator パースペクティブで、Observe → Alerting をクリックします。
- Developer パースペクティブで、Observe → <project_name> → Alerts タブをクリックします。
現在、Insights Operator は、条件が満たされたときに次のアラートを送信します。
アラート | 説明 |
---|---|
| Insights Operator が無効になっています。 |
| Red Hat Subscription Management で、Simple Content Access が有効になっていません。 |
| Insights に、クラスターに関するアクティブな推奨事項があります。 |
4.6.2.1. Insights Operator アラートの無効化
Insights Operator がクラスター Prometheus インスタンスにアラートを送信しないようにするには、insights-config ConfigMap
オブジェクトを作成または編集します。
以前は、クラスター管理者は、openshift-config
namespace の サポートシークレット を使用して Insights Operator 設定を作成または編集していました。Red Hat Insights が、Operator を設定するための ConfigMap
オブジェクトの作成をサポートするようになりました。両方とも存在する場合、Operator はサポートシークレットよりも config map 設定を優先します。
insights-config ConfigMap
オブジェクトが存在しない場合は、カスタム設定を初めて追加するときに作成する必要があります。ConfigMap
オブジェクト内の設定は、config/pod.yaml
ファイルで定義されているデフォルト設定よりも優先されることに注意してください。
前提条件
- リモートヘルスレポートが有効になっている (デフォルト)。
-
OpenShift Container Platform Web コンソールに
cluster-admin
としてログインしている。 -
insights-config
ConfigMap
オブジェクトが、openshift-insights
namespace に存在する。
手順
- Workloads → ConfigMaps に移動し、Project: openshift-insights を選択します。
-
insights-config
ConfigMap
オブジェクトをクリックして開きます。 - Actions をクリックし、Edit ConfigMap を選択します。
- YAML view のラジオボタンをクリックします。
ファイル内で、
alerting
属性をdisabled: true
に設定します。apiVersion: v1 kind: ConfigMap # ... data: config.yaml: | alerting: disabled: true # ...
- Save をクリックします。insights-config config-map の詳細ページが開きます。
-
config.yaml
のalerting
属性の値がdisabled: true
に設定されていることを確認します。
変更を保存すると、Insights Operator はクラスターの Prometheus インスタンスにアラートを送信しなくなります。
4.6.2.2. Insights Operator アラートの有効化
アラートを無効にすると、Insights Operator はクラスター Prometheus インスタンスにアラートを送信しなくなります。アラートは再度有効にできます。
以前は、クラスター管理者は、openshift-config
namespace の サポートシークレット を使用して Insights Operator 設定を作成または編集していました。Red Hat Insights が、Operator を設定するための ConfigMap
オブジェクトの作成をサポートするようになりました。両方とも存在する場合、Operator はサポートシークレットよりも config map 設定を優先します。
前提条件
- リモートヘルスレポートが有効になっている (デフォルト)。
-
OpenShift Container Platform Web コンソールに
cluster-admin
としてログインしている。 -
insights-config
ConfigMap
オブジェクトが、openshift-insights
namespace に存在する。
手順
- Workloads → ConfigMaps に移動し、Project: openshift-insights を選択します。
-
insights-config
ConfigMap
オブジェクトをクリックして開きます。 - Actions をクリックし、Edit ConfigMap を選択します。
- YAML view のラジオボタンをクリックします。
ファイル内で、
alerting
属性をdisabled: false
に設定します。apiVersion: v1 kind: ConfigMap # ... data: config.yaml: | alerting: disabled: false # ...
- Save をクリックします。insights-config config-map の詳細ページが開きます。
-
config.yaml
のalerting
属性の値がdisabled: false
に設定されていることを確認します。
変更を保存すると、Insights Operator はクラスター Prometheus インスタンスにアラートを再度送信します。
4.6.3. Insights Operator アーカイブのダウンロード
Insights Operator は、収集したデータをクラスターの openshift-insights
namespace にあるアーカイブに保存します。Insights Operator によって収集されたデータをダウンロードして確認できます。
前提条件
-
cluster-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。
手順
Insights Operator の実行中の Pod の名前を見つけます。
$ oc get pods --namespace=openshift-insights -o custom-columns=:metadata.name --no-headers --field-selector=status.phase=Running
Insights Operator で収集される最近のデータアーカイブをコピーします。
$ oc cp openshift-insights/<insights_operator_pod_name>:/var/lib/insights-operator ./insights-data 1
- 1
<insights_operator_pod_name>
を、前のコマンドから出力された Pod 名に置き換えます。
最近の Insights Operator アーカイブが insights-data
ディレクトリーで利用可能になります。
4.6.4. Insights Operator の収集操作の実行
Insights Operator データ収集操作をオンデマンドで実行できます。次の手順では、OpenShift Web コンソールまたは CLI を使用して収集操作のデフォルトのリストを実行する方法を説明します。オンデマンド収集機能をカスタマイズして、選択した収集操作を除外できます。デフォルトのリストからの収集操作を無効にすると、クラスターに効果的な推奨事項を提供する Insights Advisor の機能が低下します。クラスター内で Insights Operator の収集操作を無効にしていた場合は、この手順がそれらのパラメーターをオーバーライドします。
DataGather
カスタムリソースはテクノロジープレビューのみの機能です。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat 製品のサービスレベルアグリーメント (SLA) の対象外であり、機能的に完全ではないことがあります。Red Hat は、実稼働環境でこれらを使用することを推奨していません。テクノロジープレビューの機能は、最新の製品機能をいち早く提供して、開発段階で機能のテストを行いフィードバックを提供していただくことを目的としています。
Red Hat のテクノロジープレビュー機能のサポート範囲に関する詳細は、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。
クラスターでテクノロジープレビューを有効にすると、Insights Operator は個々の Pod で収集操作を実行します。これは、Insights Operator のテクノロジープレビュー機能セットの一部であり、新しいデータ収集機能をサポートします。
4.6.4.1. Insights Operator の収集期間の表示
Insights Operator がアーカイブに含まれる情報を収集する際にかかる時間を表示できます。これは、Insights Operator のリソースの使用状況と Insights Advisor の問題を理解する上で役立ちます。
前提条件
- Insights Operator アーカイブの最新のコピー。
手順
アーカイブから
/insights-operator/gathers.json
を開きます。このファイルには、Insights Operator 収集操作のリストが含まれています。
{ "name": "clusterconfig/authentication", "duration_in_ms": 730, 1 "records_count": 1, "errors": null, "panic": null }
- 1
duration_in_ms
は、各収集操作にかかるミリ秒単位の時間です。
- 各収集操作に異常がないか検査します。
4.6.4.2. Web コンソールから Insights Operator の収集操作を実行する
データを収集するには、OpenShift Container Platform Web コンソールを使用して Insights Operator の収集操作を実行できます。
前提条件
-
cluster-admin
ロールを持つユーザーとして OpenShift Container Platform Web コンソールにログインしている。
手順
- コンソールで、Administration → CustomResourceDefinitions を選択します。
- CustomResourceDefinitions ページの Search by name フィールドで DataGather リソース定義を見つけ、クリックします。
- コンソールで、Administration → CustomResourceDefinitions を選択します。
- CustomResourceDefinitions ページの Search by name フィールドで DataGather リソース定義を見つけ、クリックします。
- CustomResourceDefinition details ページで、Instances タブをクリックします。
- Create DataGather をクリックします。
新しい
DataGather
操作を作成するには、次の設定ファイルを編集し、変更を保存します。apiVersion: insights.openshift.io/v1alpha1 kind: DataGather metadata: name: <your_data_gather> 1 spec: gatherers: 2 - name: workloads state: Disabled
収集操作の名前に periodic-gathering-
の接頭辞は追加しないでください。この文字列は他の管理操作用に予約されており、意図した収集操作に影響を及ぼす可能性があります。
検証
- コンソールで Workloads → Pods を選択します。
- Pods ページで Project プルダウンメニューに移動し、Show default projects を選択します。
-
Project プルダウンメニューから
openshift-insights
プロジェクトを選択します。 - コンソールで Workloads → Pods を選択します。
- Pods ページで Project プルダウンメニューに移動し、Show default projects を選択します。
-
Project プルダウンメニューから
openshift-insights
プロジェクトを選択します。 -
openshift-insights
プロジェクトの Pod のリストで、新しい収集オペレーションに選択した名前の接頭辞が付いていることを確認します。完了すると、Insights Operator は処理のためにデータを Red Hat に自動的にアップロードします。
4.6.4.3. OpenShift CLI から Insights Operator 収集操作を実行する
OpenShift Container Platform コマンドラインインターフェイスを使用して、Insights Operator 収集操作を実行できます。
前提条件
-
cluster-admin
ロールを持つユーザーとして OpenShift Container Platform にログインしている。
手順
次のコマンドを入力して、収集操作を実行します。
$ oc apply -f <your_datagather_definition>.yaml
<your_datagather_definition>.yaml
を、以下のパラメーターが含まれる設定ファイルに置き換えます。apiVersion: insights.openshift.io/v1alpha1 kind: DataGather metadata: name: <your_data_gather> 1 spec: gatherers: 2 - name: workloads state: Disabled
収集操作の名前に periodic-gathering-
の接頭辞は追加しないでください。この文字列は他の管理操作用に予約されており、意図した収集操作に影響を及ぼす可能性があります。
検証
-
openshift-insights
プロジェクトの Pod のリストで、新しい収集オペレーションに選択した名前の接頭辞が付いていることを確認します。完了すると、Insights Operator は処理のためにデータを Red Hat に自動的にアップロードします。
4.6.4.4. Insights Operator の収集操作の無効化
Insights Operator の収集操作を無効にすることができます。収集操作を無効にすると、Insights Operator が Insights クラスターレポートを収集して Red Hat に送信しなくなるため、組織のプライバシーを高めることができます。これにより、クラスター転送などの Red Hat との通信を必要とする他のコア機能に影響を与えることなく、クラスターの Insights 分析と推奨事項が無効になります。Insights Operator アーカイブの /insights-operator/gathers.json
ファイルから、クラスターに対して試行された収集操作のリストを表示できます。一部の収集操作は、特定の条件が満たされた場合にのみ発生し、最新のアーカイブには表示されない可能性があることに注意してください。
InsightsDataGather
カスタムリソースは、テクノロジープレビュー機能としてのみ提供されます。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat 製品のサービスレベルアグリーメント (SLA) の対象外であり、機能的に完全ではないことがあります。Red Hat は、実稼働環境でこれらを使用することを推奨していません。テクノロジープレビューの機能は、最新の製品機能をいち早く提供して、開発段階で機能のテストを行いフィードバックを提供していただくことを目的としています。
Red Hat のテクノロジープレビュー機能のサポート範囲に関する詳細は、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。
クラスターでテクノロジープレビューを有効にすると、Insights Operator は個々の Pod で収集操作を実行します。これは、Insights Operator のテクノロジープレビュー機能セットの一部であり、新しいデータ収集機能をサポートします。
前提条件
-
cluster-admin
ロールを持つユーザーとして OpenShift Container Platform Web コンソールにログインしている。
手順
- Administration → CustomResourceDefinitions に移動します。
- CustomResourceDefinitions ページで、Search by name フィールドを使用して InsightsDataGather リソース定義を見つけてクリックします。
- CustomResourceDefinition details ページで、Instances タブをクリックします。
- cluster をクリックし、YAML タブをクリックします。
InsightsDataGather
設定ファイルに対して次のいずれかの編集を実行して、収集操作を無効にします。すべての収集操作を無効にするには、
disabledGatherers
キーの下にall
を入力します。apiVersion: config.openshift.io/v1alpha1 kind: InsightsDataGather metadata: .... spec: 1 gatherConfig: disabledGatherers: - all 2
個々の収集操作を無効にするには、
disabledGatherers
キーの下に値を入力します。spec: gatherConfig: disabledGatherers: - clusterconfig/container_images 1 - clusterconfig/host_subnets - workloads/workload_info
- 1
- 個別収集操作の例
Save をクリックします。
変更を保存すると、Insights Operator の収集設定が更新され、操作は行われなくなります。
収集操作を無効にすると、クラスターに効果的な推奨事項を提供する Insights Advisor の機能が低下します。
4.6.4.5. Insights Operator の収集操作の有効化
収集操作が無効になっている場合は、Insights Operator の収集操作を有効にできます。
InsightsDataGather
カスタムリソースは、テクノロジープレビュー機能としてのみ提供されます。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat 製品のサービスレベルアグリーメント (SLA) の対象外であり、機能的に完全ではないことがあります。Red Hat は、実稼働環境でこれらを使用することを推奨していません。テクノロジープレビューの機能は、最新の製品機能をいち早く提供して、開発段階で機能のテストを行いフィードバックを提供していただくことを目的としています。
Red Hat のテクノロジープレビュー機能のサポート範囲に関する詳細は、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。
前提条件
-
cluster-admin
ロールを持つユーザーとして OpenShift Container Platform Web コンソールにログインしている。
手順
- Administration → CustomResourceDefinitions に移動します。
- CustomResourceDefinitions ページで、Search by name フィールドを使用して InsightsDataGather リソース定義を見つけてクリックします。
- CustomResourceDefinition details ページで、Instances タブをクリックします。
- cluster をクリックし、YAML タブをクリックします。
次のいずれかの編集を実行して、収集操作を有効にします。
無効になっているすべての収集操作を有効にするには、
gatherConfig
スタンザを削除します。apiVersion: config.openshift.io/v1alpha1 kind: InsightsDataGather metadata: .... spec: gatherConfig: 1 disabledGatherers: all
- 1
- すべての収集操作を有効にするには、
gatherConfig
スタンザを削除します。
個々の収集操作を有効にするには、
disabledGatherers
キーの下の値を削除します。spec: gatherConfig: disabledGatherers: - clusterconfig/container_images 1 - clusterconfig/host_subnets - workloads/workload_info
- 1
- 1 つ以上の収集操作を削除します。
Save をクリックします。
変更を保存すると、Insights Operator の収集設定が更新され、その影響を受けた収集操作が開始します。
収集操作を無効にすると、クラスターに効果的な推奨事項を提供する Insights Advisor の機能が低下します。
4.6.5. Deployment Validation Operator のデータの難読化
Deployment Validation Operator (DVO) がインストールされている場合、クラスター管理者は、この Operator からのデータを難読化するように Insight Operator を設定できます。workload_names
値を insights-config ConfigMap
オブジェクトに追加すると、UID ではなくワークロード名が Insights for Openshift に表示され、クラスター管理者が認識しやすくなります。
前提条件
- リモートヘルスレポートが有効になっている (デフォルト)。
- "cluster-admin" ロールを使用して OpenShift Container Platform Web コンソールにログインしている。
-
insights-config
ConfigMap
オブジェクトが、openshift-insights
namespace に存在する。 - クラスターがセルフマネージドであり、Deployment Validation Operator がインストールされている。
手順
- Workloads → ConfigMaps に移動し、Project: openshift-insights を選択します。
-
insights-config
ConfigMap
オブジェクトをクリックして開きます。 - Actions をクリックし、Edit ConfigMap を選択します。
- YAML view のラジオボタンをクリックします。
ファイル内で、
workload_names
値を使用してobfuscation
属性を設定します。apiVersion: v1 kind: ConfigMap # ... data: config.yaml: | dataReporting: obfuscation: - workload_names # ...
- Save をクリックします。insights-config config-map の詳細ページが開きます。
-
config.yaml
のobfuscation
属性の値が- workload_names
に設定されていることを確認します。
4.7. 限定的なネットワーク環境でのリモートヘルスレポートの使用
Insights Operator アーカイブを手動で収集し、アップロードして限定的なネットワーク環境から問題を診断できます。
限定定期なネットワーク環境で Insights Operator を使用するには、以下を行う必要があります。
- Insights Operator アーカイブのコピーを作成します。
- Insights Operator アーカイブを console.redhat.com にアップロードします。
さらに、アップロード前に Insights Operator データを 難読化 することを選択できます。
4.7.1. Insights Operator の収集操作の実行
Insights Operator アーカイブを作成するには、収集操作を実行する必要があります。
前提条件
-
cluster-admin
として OpenShift Container Platform にログインしている。
手順
以下のテンプレートを使用して、
gather-job.yaml
という名前のファイルを作成します。apiVersion: batch/v1 kind: Job metadata: name: insights-operator-job annotations: config.openshift.io/inject-proxy: insights-operator spec: backoffLimit: 6 ttlSecondsAfterFinished: 600 template: spec: restartPolicy: OnFailure serviceAccountName: operator nodeSelector: beta.kubernetes.io/os: linux node-role.kubernetes.io/master: "" tolerations: - effect: NoSchedule key: node-role.kubernetes.io/master operator: Exists - effect: NoExecute key: node.kubernetes.io/unreachable operator: Exists tolerationSeconds: 900 - effect: NoExecute key: node.kubernetes.io/not-ready operator: Exists tolerationSeconds: 900 volumes: - name: snapshots emptyDir: {} - name: service-ca-bundle configMap: name: service-ca-bundle optional: true initContainers: - name: insights-operator image: quay.io/openshift/origin-insights-operator:latest terminationMessagePolicy: FallbackToLogsOnError volumeMounts: - name: snapshots mountPath: /var/lib/insights-operator - name: service-ca-bundle mountPath: /var/run/configmaps/service-ca-bundle readOnly: true ports: - containerPort: 8443 name: https resources: requests: cpu: 10m memory: 70Mi args: - gather - -v=4 - --config=/etc/insights-operator/server.yaml containers: - name: sleepy image: quay.io/openshift/origin-base:latest args: - /bin/sh - -c - sleep 10m volumeMounts: [{name: snapshots, mountPath: /var/lib/insights-operator}]
insights-operator
イメージバージョンをコピーします。$ oc get -n openshift-insights deployment insights-operator -o yaml
出力例
apiVersion: apps/v1 kind: Deployment metadata: name: insights-operator namespace: openshift-insights # ... spec: template: # ... spec: containers: - args: # ... image: registry.ci.openshift.org/ocp/4.15-2023-10-12-212500@sha256:a0aa581400805ad0... 1 # ...
- 1
insights-operator
イメージのバージョンを指定します。
gather-job.yaml
でイメージのバージョンを貼り付けます。apiVersion: batch/v1 kind: Job metadata: name: insights-operator-job # ... spec: # ... template: spec: initContainers: - name: insights-operator image: image: registry.ci.openshift.org/ocp/4.15-2023-10-12-212500@sha256:a0aa581400805ad0... 1 terminationMessagePolicy: FallbackToLogsOnError volumeMounts:
- 1
- 既存の値を
Insights-Operator
イメージのバージョンに置き換えます。
収集ジョブを作成します。
$ oc apply -n openshift-insights -f gather-job.yaml
ジョブ Pod の名前を見つけます。
$ oc describe -n openshift-insights job/insights-operator-job
出力例
Name: insights-operator-job Namespace: openshift-insights # ... Events: Type Reason Age From Message ---- ------ ---- ---- ------- Normal SuccessfulCreate 7m18s job-controller Created pod: insights-operator-job-<your_job>
- ここでは、以下のようになります。
-
insights-operator-job-<your_job>
は Pod の名前です。
操作が完了したことを確認します。
$ oc logs -n openshift-insights insights-operator-job-<your_job> insights-operator
出力例
I0407 11:55:38.192084 1 diskrecorder.go:34] Wrote 108 records to disk in 33ms
作成したアーカイブを保存します。
$ oc cp openshift-insights/insights-operator-job-<your_job>:/var/lib/insights-operator ./insights-data
ジョブをクリーンアップします。
$ oc delete -n openshift-insights job insights-operator-job
4.7.2. Insights Operator アーカイブのアップロード
Insights Operator アーカイブを console.redhat.com に手動でアップロードし、潜在的な問題を診断できます。
前提条件
-
cluster-admin
として OpenShift Container Platform にログインしている。 - 制限なくインターネットアクセスができるワークステーションがある。
- Insights Operator アーカイブのコピーを作成している。
手順
dockerconfig.json
ファイルをダウンロードします。$ oc extract secret/pull-secret -n openshift-config --to=.
dockerconfig.json
ファイルから"cloud.openshift.com"
"auth
" トークンをコピーします。{ "auths": { "cloud.openshift.com": { "auth": "<your_token>", "email": "asd@redhat.com" } }
console.redhat.com にアーカイブをアップロードします。
$ curl -v -H "User-Agent: insights-operator/one10time200gather184a34f6a168926d93c330 cluster/<cluster_id>" -H "Authorization: Bearer <your_token>" -F "upload=@<path_to_archive>; type=application/vnd.redhat.openshift.periodic+tar" https://console.redhat.com/api/ingress/v1/upload
ここで、
<cluster_id>
はクラスター ID、<your_token>
はプルシークレットからのトークン、<path_to_archive>
は Insights Operator アーカイブへのパスに置き換えます。操作に成功すると、コマンドは
"request_id"
と"account_number"
を返します。出力例
* Connection #0 to host console.redhat.com left intact {"request_id":"393a7cf1093e434ea8dd4ab3eb28884c","upload":{"account_number":"6274079"}}%
検証手順
- https://console.redhat.com/openshift にログインします。
- 左側のペインの Cluster List メニューをクリックします。
- クラスターの詳細を表示するには、クラスターの名前をクリックします。
クラスターの Insights Advisor タブを開きます。
アップロードに成功すると、タブには以下のいずれかが表示されます。
- Your cluster passed all recommendations: Insights でないも問題が特定されなかった場合。
- Insights Advisor が検出した問題。リスク (低、中、重要および重大) 別に優先度が付けられます。
4.7.3. Insights Operator データの難読化の有効化
難読化を有効にして、機密性が高く、識別可能な IPv4 アドレスとクラスターベースドメインをマスクし、Insights Operator が console.redhat.com に送信できるようにします。
この機能は利用可能ですが、Red Hat ではサポートサービスをより効果的に行えるように、難読化を無効のままにすることを推奨します。
難読化は、識別されていない値をクラスター IPv4 アドレスに割り当て、メモリーに保持される変換テーブルを使用して、データを console.redhat.com にアップロードする前に、Insights Operator アーカイブ全体で IP アドレスを難読化バージョンに変更します。
クラスターベースドメインでは、難読化により、ベースドメインがハードコードされたサブ文字列に変更されます。たとえば、cluster-api.openshift.example.com
は cluster-api.<CLUSTER_BASE_DOMAIN>
になります。
以下の手順では、openshift-config
namespace で support
シークレットを使用して難読化を有効にします。
前提条件
-
OpenShift Container Platform Web コンソールに
cluster-admin
としてログインしている。
手順
- Workloads → Secrets に移動します。
- openshift-config プロジェクトを選択します。
- Search by name フィールドを使用して support シークレットを検索します。存在しない場合には、Create → Key/value secret をクリックして作成します。
- Options メニュー をクリックしてから Edit Secret をクリックします。
- Add Key/Value をクリックします。
-
値が
true
のenableGlobalObfuscation
という名前のキーを作成し、Save をクリックします。 - Workloads → Pods に移動します。
-
openshift-insights
プロジェクトを選択します。 -
insights-operator
Pod を検索します。 -
insights-operator
Pod を再起動するには、Options メニュー をクリックしてから Delete Pod をクリックします。
検証
- Workloads → Secrets に移動します。
- openshift-insights プロジェクトを選択します。
- Search by name フィールドを使用して obfuscation-translation-table シークレットを検索します。
obfuscation-translation-table
シークレットが存在する場合は、難読化が有効になって機能します。
または、Insights Operator アーカイブの /insights-operator/gathers.json
で "is_global_obfuscation_enabled": true
の値を確認できます。
関連情報
- Insights Operator アーカイブのダウンロード方法の詳細は、Insights Operator によって収集されるデータの表示 を参照してください。
4.8. Insights Operator を使用した Simple Content Access エンタイトルメントのインポート
Insights Operator は、OpenShift Cluster Manager から Simple Content Access エンタイトルメントを定期的にインポートして openshift-config-managed
namespace の etc-pki-entitlement
シークレットに保存します。Simple Content Access は Red Hat のサブスクリプションツールの機能で、エンタイトルメントツールの動作を簡素化します。この機能は、サブスクリプションツールを設定する複雑さを伴わずに、Red Hat のサブスクリプションが提供するコンテンツを簡単に利用できます。
以前は、クラスター管理者は、openshift-config
namespace の サポートシークレット を使用して Insights Operator 設定を作成または編集していました。Red Hat Insights が、Operator を設定するための ConfigMap
オブジェクトの作成をサポートするようになりました。両方とも存在する場合、Operator はサポートシークレットよりも config map 設定を優先します。
Insights Operator は 8 時間ごとに Simple Content Access エンタイトルメントをインポートしますが、openshift-insights
namespace の insights-config ConfigMap
オブジェクトを使用すると、インポートを設定または無効にすることができます。
インポートを機能させるには、Red Hat Subscription Management で Simple Content Access を有効にする必要があります。
関連情報
- Simple Content Access の詳細は、Red Hat Subscription Central ドキュメントの Simple Content Access を参照してください。
- OpenShift Container Platform のビルドで Simple Content Access エンタイトルメントを使用する場合の詳細は、ビルドでの Red Hat サブスクリプションの使用 を参照してください。
4.8.1. Simple Content Access のインポート間隔の設定
openshift-insights
namespace の insights-config ConfigMap
オブジェクトを使用して、Insights Operator が Simple Content Access (SCA) エンタイトルメントをインポートする頻度を設定できます。エンタイトルメントのインポートは通常 8 時間ごとに行われますが、insights-config ConfigMap
オブジェクトで Simple Content Access の設定を更新すると、SCA のこの間隔を短くすることができます。
この手順では、インポート間隔を 2 時間 (2h) に更新する方法を説明します。時間 (h) または時間と分を指定できます (例: 2h30m)。
前提条件
- リモートヘルスレポートが有効になっている (デフォルト)。
-
cluster-admin
ロールを持つユーザーとして OpenShift Container Platform Web コンソールにログインしている。 -
insights-config
ConfigMap
オブジェクトが、openshift-insights
namespace に存在する。
手順
- Workloads → ConfigMaps に移動し、Project: openshift-insights を選択します。
-
insights-config
ConfigMap
オブジェクトをクリックして開きます。 - Actions をクリックし、Edit ConfigMap を選択します。
- YAML view のラジオボタンをクリックします。
コンテンツを 2 時間ごとにインポートするには、ファイルの
sca
属性をinterval: 2h
に設定します。apiVersion: v1 kind: ConfigMap # ... data: config.yaml: | sca: interval: 2h # ...
- Save をクリックします。insights-config config-map の詳細ページが開きます。
-
config.yaml
のsca
属性の値がinterval: 2h
に設定されていることを確認します。
4.8.2. Simple Content Access インポートの無効化
openshift-insights
namespace の insights-config ConfigMap
オブジェクトを使用して、Simple Content Access エンタイトルメントのインポートを無効にできます。
前提条件
- リモートヘルスレポートが有効になっている (デフォルト)。
-
OpenShift Container Platform Web コンソールに
cluster-admin
としてログインしている。 -
insights-config
ConfigMap
オブジェクトが、openshift-insights
namespace に存在する。
手順
- Workloads → ConfigMaps に移動し、Project: openshift-insights を選択します。
-
insights-config
ConfigMap
オブジェクトをクリックして開きます。 - Actions をクリックし、Edit ConfigMap を選択します。
- YAML view のラジオボタンをクリックします。
ファイルで、
sca
属性をdisabled: true
に設定します。apiVersion: v1 kind: ConfigMap # ... data: config.yaml: | sca: disabled: true # ...
- Save をクリックします。insights-config config-map の詳細ページが開きます。
-
config.yaml
のsca
属性の値がdisabled: true
に設定されていることを確認します。
4.8.3. 無効にしていたシンプルコンテンツアクセスインポートの有効化
シンプルコンテンツアクセスエンタイトルメントのインポートが無効になっている場合、Insights Operator はシンプルコンテンツアクセスエンタイトルメントをインポートしません。この動作は変更できます。
前提条件
- リモートヘルスレポートが有効になっている (デフォルト)。
-
cluster-admin
ロールを持つユーザーとして OpenShift Container Platform Web コンソールにログインしている。 -
insights-config
ConfigMap
オブジェクトが、openshift-insights
namespace に存在する。
手順
- Workloads → ConfigMaps に移動し、Project: openshift-insights を選択します。
-
insights-config
ConfigMap
オブジェクトをクリックして開きます。 - Actions をクリックし、Edit ConfigMap を選択します。
- YAML view のラジオボタンをクリックします。
ファイル内で、
sca
属性をdisabled: false
に設定します。apiVersion: v1 kind: ConfigMap # ... data: config.yaml: | sca: disabled: false # ...
- Save をクリックします。insights-config config-map の詳細ページが開きます。
-
config.yaml
のsca
属性の値がdisabled: false
に設定されていることを確認します。
第5章 クラスターに関するデータの収集
サポートケースを作成する際、ご使用のクラスターに関するデバッグ情報を Red Hat サポートに提供していただくと Red Hat のサポートに役立ちます。
以下を提供することが推奨されます。
5.1. must-gather ツールについて
oc adm must-gather
CLI コマンドは、以下のような問題のデバッグに必要となる可能性のあるクラスターからの情報を収集します。
- リソース定義
- サービスログ
デフォルトで、oc adm must-gather
コマンドはデフォルトのプラグインイメージを使用し、./must-gather.local
に書き込みを行います。
または、以下のセクションで説明されているように、適切な引数を指定してコマンドを実行すると、特定の情報を収集できます。
1 つ以上の特定の機能に関連するデータを収集するには、以下のセクションに示すように、イメージと共に
--image
引数を使用します。以下に例を示します。
$ oc adm must-gather \ --image=registry.redhat.io/container-native-virtualization/cnv-must-gather-rhel9:v4.17.0
監査ログを収集するには、以下のセクションで説明されているように
-- /usr/bin/gather_audit_logs
引数を使用します。以下に例を示します。
$ oc adm must-gather -- /usr/bin/gather_audit_logs
注記ファイルのサイズを小さくするために、監査ログはデフォルトの情報セットの一部として収集されません。
oc adm must-gather
を実行すると、ランダムな名前を持つ新規 Pod がクラスターの新規プロジェクトに作成されます。データはその Pod 上で収集され、現在の作業ディレクトリー内の must-gather.local
で始まる新しいディレクトリーに保存されます。
以下に例を示します。
NAMESPACE NAME READY STATUS RESTARTS AGE ... openshift-must-gather-5drcj must-gather-bklx4 2/2 Running 0 72s openshift-must-gather-5drcj must-gather-s8sdh 2/2 Running 0 72s ...
任意で、--run-namespace
オプションを使用して、特定の namespace で oc adm must-gather
コマンドを実行できます。
以下に例を示します。
$ oc adm must-gather --run-namespace <namespace> \ --image=registry.redhat.io/container-native-virtualization/cnv-must-gather-rhel9:v4.17.0
5.1.1. Red Hat サポート用のクラスターに関するデータの収集
oc adm must-gather
CLI コマンドを使用して、クラスターに関するデバッグ情報を収集できます。
前提条件
-
cluster-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 -
OpenShift Container Platform CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
must-gather
データを保存するディレクトリーに移動します。注記クラスターが非接続環境にある場合は、追加の手順を実行する必要があります。ミラーレジストリーに信頼される CA がある場合、まず信頼される CA をクラスターに追加する必要があります。非接続環境のすべてのクラスターに対して、デフォルトの
must-gather
イメージをイメージストリームとしてインポートする必要があります。$ oc import-image is/must-gather -n openshift
oc adm must-gather
コマンドを実行します。$ oc adm must-gather
重要非接続環境を使用している場合には、must-gather の一部として
--image
フラグを使用し、ペイロードイメージを参照します。注記このコマンドは、デフォルトでランダムなコントロールプレーンノードを選択するため、Pod は
NotReady
およびSchedulingDisabled
状態のコントロールプレーンノードにスケジュールされる場合があります。このコマンドが失敗する場合 (クラスターで Pod をスケジュールできない場合など)、
oc adm inspect
コマンドを使用して、特定リソースに関する情報を収集します。注記収集する推奨リソースについては、Red Hat サポートにお問い合わせください。
作業ディレクトリーに作成された
must-gather
ディレクトリーから圧縮ファイルを作成します。たとえば、Linux オペレーティングシステムを使用するコンピューターで以下のコマンドを実行します。$ tar cvaf must-gather.tar.gz must-gather.local.5421342344627712289/ 1
- 1
must-gather-local.5421342344627712289/
を実際のディレクトリー名に置き換えてください。
- Red Hat カスタマーポータルの カスタマーサポート ページ で、圧縮ファイルをサポートケースに添付します。
5.1.2. must-gather フラグ
次の表にリストされているフラグは、oc adm must-gather
コマンドで使用できます。
フラグ | コマンドの例 | 説明 |
---|---|---|
|
|
クラスター上の、 |
|
| 収集されたデータが書き込まれるローカルマシン上の特定のディレクトリーを設定します。 |
|
|
|
|
|
実行する |
|
|
実行する |
|
| 使用する特定のノードを設定します。指定しない場合は、デフォルトでランダムマスターが使用されます。 |
|
| 使用する特定のノードセレクターを設定します。クラスターノードのセットで同時にデータをキャプチャーする必要があるコマンドとイメージを指定する場合にのみ関連します。 |
|
|
|
|
|
指定された期間よりも新しいログのみを返します。デフォルトはすべてのログです。プラグインが推奨されますが、このサポートには必要はありません。 |
|
|
(RFC3339) 形式で表現された特定の日時以降のログのみを返します。デフォルトはすべてのログです。プラグインが推奨されますが、このサポートには必要はありません。 |
|
| 収集したデータをコピーする Pod 上の特定のディレクトリーを設定します。 |
|
| タイムアウトする前にデータを収集する時間の長さ。秒、分、時間で表されます (例: 3s、5m、2h)。指定する時間は 0 より大きい必要があります。指定されていない場合はデフォルトで 10 分になります。 |
|
|
|
5.1.3. 特定の機能に関するデータ収集
oc adm must-gather
CLI コマンドを --image
または --image-stream
引数と共に使用して、特定に機能に関するデバッグ情報を収集できます。must-gather
ツールは複数のイメージをサポートするため、単一のコマンドを実行して複数の機能に関するデータを収集できます。
イメージ | 目的 |
---|---|
| OpenShift Virtualization のデータ収集。 |
| OpenShift Serverless のデータ収集。 |
| Red Hat OpenShift Service Mesh のデータ収集。 |
| Migration Toolkit for Containers のデータ収集。 |
| Red Hat OpenShift Data Foundation のデータ収集。 |
| ロギング用のデータ収集。 |
| Network Observability Operator のデータ収集。 |
| OpenShift Shared Resource CSI Driver のデータ収集。 |
| ローカルストレージ Operator のデータ収集。 |
| {sandboxed-containers-first} のデータ収集。 |
| Red Hat Workload Availability Operator のデータ収集。これには、Self Node Remediation (SNR) Operator、Fence Agents Remediation (FAR) Operator、Machine Deletion Remediation (MDR) Operator、Node Health Check Operator (NHC) Operator、および Node Maintenance Operator (NMO) Operator が含まれます。 |
| NUMA Resources Operator (NRO) のデータ収集。 |
| PTP Operator のデータ収集。 |
| Red Hat OpenShift GitOps のデータ収集。 |
| Secrets Store CSI Driver Operator のデータ収集。 |
| LVM Operator のデータ収集。 |
| Compliance Operator のデータ収集。 |
OpenShift Container Platform コンポーネントのイメージの最新バージョンを確認するには、Red Hat カスタマーポータルの OpenShift Operator ライフサイクル Web ページを参照してください。
前提条件
-
cluster-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 -
OpenShift Container Platform CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
-
must-gather
データを保存するディレクトリーに移動します。 oc adm must-gather
コマンドを 1 つまたは複数の--image
または--image-stream
引数と共に実行します。注記-
特定の機能データに加えてデフォルトの
must-gather
データを収集するには、--image-stream=openshift/must-gather
引数を追加します。 - Custom Metrics Autoscaler に関するデータの収集は、以下の関連情報セクションを参照してください。
たとえば、以下のコマンドは、デフォルトのクラスターデータと OpenShift Virtualization に固有の情報の両方を収集します。
$ oc adm must-gather \ --image-stream=openshift/must-gather \ 1 --image=registry.redhat.io/container-native-virtualization/cnv-must-gather-rhel9:v4.17.0 2
must-gather
ツールを追加の引数と共に使用し、OpenShift Logging およびクラスター内の Red Hat OpenShift Logging Operator に関連するデータを収集できます。OpenShift Logging の場合、以下のコマンドを実行します。$ oc adm must-gather --image=$(oc -n openshift-logging get deployment.apps/cluster-logging-operator \ -o jsonpath='{.spec.template.spec.containers[?(@.name == "cluster-logging-operator")].image}')
例5.1 OpenShift Logging の
must-gather
の出力例├── cluster-logging │ ├── clo │ │ ├── cluster-logging-operator-74dd5994f-6ttgt │ │ ├── clusterlogforwarder_cr │ │ ├── cr │ │ ├── csv │ │ ├── deployment │ │ └── logforwarding_cr │ ├── collector │ │ ├── fluentd-2tr64 │ ├── eo │ │ ├── csv │ │ ├── deployment │ │ └── elasticsearch-operator-7dc7d97b9d-jb4r4 │ ├── es │ │ ├── cluster-elasticsearch │ │ │ ├── aliases │ │ │ ├── health │ │ │ ├── indices │ │ │ ├── latest_documents.json │ │ │ ├── nodes │ │ │ ├── nodes_stats.json │ │ │ └── thread_pool │ │ ├── cr │ │ ├── elasticsearch-cdm-lp8l38m0-1-794d6dd989-4jxms │ │ └── logs │ │ ├── elasticsearch-cdm-lp8l38m0-1-794d6dd989-4jxms │ ├── install │ │ ├── co_logs │ │ ├── install_plan │ │ ├── olmo_logs │ │ └── subscription │ └── kibana │ ├── cr │ ├── kibana-9d69668d4-2rkvz ├── cluster-scoped-resources │ └── core │ ├── nodes │ │ ├── ip-10-0-146-180.eu-west-1.compute.internal.yaml │ └── persistentvolumes │ ├── pvc-0a8d65d9-54aa-4c44-9ecc-33d9381e41c1.yaml ├── event-filter.html ├── gather-debug.log └── namespaces ├── openshift-logging │ ├── apps │ │ ├── daemonsets.yaml │ │ ├── deployments.yaml │ │ ├── replicasets.yaml │ │ └── statefulsets.yaml │ ├── batch │ │ ├── cronjobs.yaml │ │ └── jobs.yaml │ ├── core │ │ ├── configmaps.yaml │ │ ├── endpoints.yaml │ │ ├── events │ │ │ ├── elasticsearch-im-app-1596020400-gm6nl.1626341a296c16a1.yaml │ │ │ ├── elasticsearch-im-audit-1596020400-9l9n4.1626341a2af81bbd.yaml │ │ │ ├── elasticsearch-im-infra-1596020400-v98tk.1626341a2d821069.yaml │ │ │ ├── elasticsearch-im-app-1596020400-cc5vc.1626341a3019b238.yaml │ │ │ ├── elasticsearch-im-audit-1596020400-s8d5s.1626341a31f7b315.yaml │ │ │ ├── elasticsearch-im-infra-1596020400-7mgv8.1626341a35ea59ed.yaml │ │ ├── events.yaml │ │ ├── persistentvolumeclaims.yaml │ │ ├── pods.yaml │ │ ├── replicationcontrollers.yaml │ │ ├── secrets.yaml │ │ └── services.yaml │ ├── openshift-logging.yaml │ ├── pods │ │ ├── cluster-logging-operator-74dd5994f-6ttgt │ │ │ ├── cluster-logging-operator │ │ │ │ └── cluster-logging-operator │ │ │ │ └── logs │ │ │ │ ├── current.log │ │ │ │ ├── previous.insecure.log │ │ │ │ └── previous.log │ │ │ └── cluster-logging-operator-74dd5994f-6ttgt.yaml │ │ ├── cluster-logging-operator-registry-6df49d7d4-mxxff │ │ │ ├── cluster-logging-operator-registry │ │ │ │ └── cluster-logging-operator-registry │ │ │ │ └── logs │ │ │ │ ├── current.log │ │ │ │ ├── previous.insecure.log │ │ │ │ └── previous.log │ │ │ ├── cluster-logging-operator-registry-6df49d7d4-mxxff.yaml │ │ │ └── mutate-csv-and-generate-sqlite-db │ │ │ └── mutate-csv-and-generate-sqlite-db │ │ │ └── logs │ │ │ ├── current.log │ │ │ ├── previous.insecure.log │ │ │ └── previous.log │ │ ├── elasticsearch-cdm-lp8l38m0-1-794d6dd989-4jxms │ │ ├── elasticsearch-im-app-1596030300-bpgcx │ │ │ ├── elasticsearch-im-app-1596030300-bpgcx.yaml │ │ │ └── indexmanagement │ │ │ └── indexmanagement │ │ │ └── logs │ │ │ ├── current.log │ │ │ ├── previous.insecure.log │ │ │ └── previous.log │ │ ├── fluentd-2tr64 │ │ │ ├── fluentd │ │ │ │ └── fluentd │ │ │ │ └── logs │ │ │ │ ├── current.log │ │ │ │ ├── previous.insecure.log │ │ │ │ └── previous.log │ │ │ ├── fluentd-2tr64.yaml │ │ │ └── fluentd-init │ │ │ └── fluentd-init │ │ │ └── logs │ │ │ ├── current.log │ │ │ ├── previous.insecure.log │ │ │ └── previous.log │ │ ├── kibana-9d69668d4-2rkvz │ │ │ ├── kibana │ │ │ │ └── kibana │ │ │ │ └── logs │ │ │ │ ├── current.log │ │ │ │ ├── previous.insecure.log │ │ │ │ └── previous.log │ │ │ ├── kibana-9d69668d4-2rkvz.yaml │ │ │ └── kibana-proxy │ │ │ └── kibana-proxy │ │ │ └── logs │ │ │ ├── current.log │ │ │ ├── previous.insecure.log │ │ │ └── previous.log │ └── route.openshift.io │ └── routes.yaml └── openshift-operators-redhat ├── ...
-
特定の機能データに加えてデフォルトの
oc adm must-gather
コマンドを 1 つまたは複数の--image
または--image-stream
引数と共に実行します。たとえば、以下のコマンドは、デフォルトのクラスターデータと KubeVirt に固有の情報の両方を収集します。$ oc adm must-gather \ --image-stream=openshift/must-gather \ 1 --image=quay.io/kubevirt/must-gather 2
作業ディレクトリーに作成された
must-gather
ディレクトリーから圧縮ファイルを作成します。たとえば、Linux オペレーティングシステムを使用するコンピューターで以下のコマンドを実行します。$ tar cvaf must-gather.tar.gz must-gather.local.5421342344627712289/ 1
- 1
must-gather-local.5421342344627712289/
を実際のディレクトリー名に置き換えてください。
- Red Hat カスタマーポータルの カスタマーサポート ページ で、圧縮ファイルをサポートケースに添付します。
5.2. 関連情報
- Custom Metrics Autoscaler の デバッグデータの収集
- Red Hat OpenShift Container Platform のライフサイクルポリシー
5.2.1. ネットワークログの収集
クラスター内のすべてのノードでネットワークログを収集できます。
手順
-- gather_network_logs
を指定してoc adm must-gather
コマンドを実行します。$ oc adm must-gather -- gather_network_logs
注記デフォルトでは、
must-gather
ツールはクラスター内のすべてのノードから OVNnbdb
およびsbdb
データベースを収集します。--gather_network_logs
オプションを追加して、OVNnbdb
データベースの OVN-Kubernetes トランザクションを含む追加のログを含めます。作業ディレクトリーに作成された
must-gather
ディレクトリーから圧縮ファイルを作成します。たとえば、Linux オペレーティングシステムを使用するコンピューターで以下のコマンドを実行します。$ tar cvaf must-gather.tar.gz must-gather.local.472290403699006248 1
- 1
must-gather-local.472290403699006248
は、実際のディレクトリー名に置き換えます。
- Red Hat カスタマーポータルの カスタマーサポート ページ で、圧縮ファイルをサポートケースに添付します。
5.2.2. must-gather ストレージ制限の変更
oc adm must-gather
コマンドを使用してデータを収集する場合、情報のデフォルトの最大ストレージは、コンテナーのストレージ容量の 30% です。30% の制限に達すると、コンテナーが強制終了し、収集プロセスが停止します。すでに収集された情報は、ローカルストレージにダウンロードされます。must-gather コマンドを再度実行するには、ストレージ容量がより大きなコンテナーを使用するか、最大ボリュームの割合を調整する必要があります。
コンテナーがストレージ制限に達すると、次の例のようなエラーメッセージが生成されます。
出力例
Disk usage exceeds the volume percentage of 30% for mounted directory. Exiting...
前提条件
-
cluster-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 -
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
volume-percentage
フラグを指定してoc adm must-gather
コマンドを実行します。新しい値として 100 を超える値を指定することはできません。$ oc adm must-gather --volume-percentage <storage_percentage>
5.3. クラスター ID の取得
Red Hat サポートに情報を提供する際には、クラスターに固有の識別子を提供していただくと役に立ちます。OpenShift Container Platform Web コンソールを使用してクラスター ID を自動入力できます。Web コンソールまたは OpenShift CLI (oc
) を使用してクラスター ID を手動で取得することもできます。
前提条件
-
cluster-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 -
Web コンソールまたはインストールされている OpenShift CLI (
oc
) にアクセスできる。
手順
Web コンソールを使用してサポートケースを開き、クラスター ID の自動入力を行うには、以下を実行します。
- ツールバーから、(?)Help に移動し、リストから Share Feedback を選択します。
- Tell us about your experience ウィンドウで Open a support case をクリックします。
Web コンソールを使用してクラスター ID を手動で取得するには、以下を実行します。
- Home → Overview に移動します。
- 値は Details セクションの Cluster ID フィールドで利用できます。
OpenShift CLI (
oc
) を使用してクラスター ID を取得するには、以下のコマンドを実行します。$ oc get clusterversion -o jsonpath='{.items[].spec.clusterID}{"\n"}'
5.4. sosreport について
sosreport
は、設定の詳細、システム情報、および診断データを Red Hat Enterprise Linux (RHEL) および Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) システムから収集するツールです。sosreport
は、ノードに関連する診断情報を収集するための標準化した方法を提供します。この情報は、問題の診断のために Red Hat サポートに提供できます。
サポートによっては、Red Hat サポートは特定の OpenShift Container Platform ノードの sosreport
アーカイブを収集するよう依頼する場合があります。たとえば、oc adm must-gather
の出力に含まれないシステムログまたは他のノード固有のデータを確認する必要がある場合があります。
5.5. OpenShift Container Platform クラスターノードの sosreport アーカイブの生成
OpenShift Container Platform 4.17 クラスターノードの sosreport
を生成する際に推奨される方法は、デバッグ Pod を使用することです。
前提条件
-
cluster-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 - ホストへの SSH アクセスがあること。
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。 - Red Hat の標準またはプレミアムサブスクリプションがある。
- Red Hat カスタマーポータルのアカウントがある。
- 既存の Red Hat サポートケース ID がある。
手順
クラスターノードのリストを取得します。
$ oc get nodes
ターゲットノードのデバッグセッションに入ります。この手順は、
<node_name>-debug
というデバッグ Pod をインスタンス化します。$ oc debug node/my-cluster-node
NoExecute
エフェクトで taint が付けられたターゲットノードで、デバッグセッションに入るには、ダミー namespace に toleration を追加して、そのダミー namespace でデバッグ Pod を起動します。$ oc new-project dummy
$ oc patch namespace dummy --type=merge -p '{"metadata": {"annotations": { "scheduler.alpha.kubernetes.io/defaultTolerations": "[{\"operator\": \"Exists\"}]"}}}'
$ oc debug node/my-cluster-node
/host
をデバッグシェル内の root ディレクトリーとして設定します。デバッグ Pod は、Pod 内の/host
にホストの root ファイルシステムをマウントします。root ディレクトリーを/host
に変更すると、ホストの実行パスに含まれるバイナリーを実行できます。# chroot /host
注記Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) を実行する OpenShift Container Platform 4.17 クラスターノードは、イミュータブルです。クラスターの変更を適用するには、Operator を使用します。SSH を使用したクラスターノードへのアクセスは推奨されません。ただし、OpenShift Container Platform API が利用できない場合や、kubelet がターゲットノードで適切に機能しない場合、
oc
操作がその影響を受けます。この場合は、代わりにssh core@<node>.<cluster_name>.<base_domain>
を使用してノードにアクセスできます。sosreport
を実行するために必要なバイナリーおよびプラグインが含まれるtoolbox
コンテナーを起動します。# toolbox
注記既存の
toolbox
Pod がすでに実行されている場合、toolbox
コマンドは以下を出力します:'toolbox-' already exists.Trying to start…
.podman rm toolbox-
で実行中の toolbox コンテナーを削除して、sosreport
プラグインの問題を回避するために、新規の toolbox コンテナーを生成します。sosreport
アーカイブを収集します。sos report
コマンドを実行して、crio
およびpodman
で必要なトラブルシューティングデータを収集します。# sos report -k crio.all=on -k crio.logs=on -k podman.all=on -k podman.logs=on 1
- 1
-k
により、デフォルト以外のsosreport
プラグインパラメーターを定義できます。
オプション: ノードからの OVN-Kubernetes ネットワーク設定に関する情報をレポートに含めるには、次のコマンドを実行します。
# sos report --all-logs
- プロンプトが表示されたら Enter を押して続行します。
-
Red Hat サポートケース ID を指定します。
sosreport
は ID をアーカイブのファイル名に追加します。 sosreport
出力は、アーカイブの場所とチェックサムを提供します。以下の出力参照例は、ケース ID01234567
を参照します。Your sosreport has been generated and saved in: /host/var/tmp/sosreport-my-cluster-node-01234567-2020-05-28-eyjknxt.tar.xz 1 The checksum is: 382ffc167510fd71b4f12a4f40b97a4e
- 1
- toolbox コンテナーはホストの root ディレクトリーを
/host
にマウントするため、sosreport
アーカイブのファイルパスはchroot
環境外にあります。
以下の方法のいずれかを使用して、解析のために
sosreport
アーカイブを Red Hat サポートに提供します。ファイルを OpenShift Container Platform クラスターから直接既存の Red Hat サポートケースにアップロードします。
toolbox コンテナー内から、
redhat-support-tool
を実行してアーカイブを既存の Red Hat サポートケースに直接割り当てます。この例では、サポートケース ID01234567
を使用します。# redhat-support-tool addattachment -c 01234567 /host/var/tmp/my-sosreport.tar.xz 1
- 1
- toolbox コンテナーは、ホストの root ディレクトリーを
/host
にマウントします。redhat-support-tool
コマンドでアップロードするファイルを指定する場合は、toolbox コンテナーの root ディレクトリー (/host/
を含む) から絶対パスを参照します。
既存の Red Hat サポートケースにファイルをアップロードします。
oc debug node/<node_name>
コマンドを実行してsosreport
アーカイブを連結し、出力をファイルにリダイレクトします。このコマンドは、直前のoc debug
セッションを終了していることを前提としています。$ oc debug node/my-cluster-node -- bash -c 'cat /host/var/tmp/sosreport-my-cluster-node-01234567-2020-05-28-eyjknxt.tar.xz' > /tmp/sosreport-my-cluster-node-01234567-2020-05-28-eyjknxt.tar.xz 1
- 1
- デバッグコンテナーは、ホストの root ディレクトリーを
/host
にマウントします。連結のためにターゲットファイルを指定する際に、デバッグコンテナーの root ディレクトリー (/host
を含む) から絶対パスを参照します。
注記Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) を実行する OpenShift Container Platform 4.17 クラスターノードは、イミュータブルです。クラスターの変更を適用するには、Operator を使用します。
scp
を使用してクラスターノードからsosreport
アーカイブを転送することは推奨されません。ただし、OpenShift Container Platform API が利用できない場合や、kubelet がターゲットノードで適切に機能しない場合、oc
操作がその影響を受けます。この状態では、scp core@<node>.<cluster_name>.<base_domain>:<file_path> <local_path>
を実行して、ノードからsosreport
アーカイブをコピーすることができます。- Red Hat カスタマーポータルの Customer Support ページ にある既存のサポートケースに移動します。
- Attach files を選択し、プロンプトに従ってファイルをアップロードします。
5.6. ブートストラップノードのジャーナルログのクエリー
ブートストラップ関連の問題が発生した場合、ブートストラップノードから bootkube.service
の journald
ユニットログおよびコンテナーログを収集できます。
前提条件
- ブートストラップノードへの SSH アクセスがある。
- ブートストラップノードの完全修飾ドメイン名がある。
手順
OpenShift Container Platform のインストール時にブートストラップノードから
bootkube.service
のjournald
ユニットログをクエリーします。<bootstrap_fqdn>
をブートストラップノードの完全修飾ドメイン名に置き換えます。$ ssh core@<bootstrap_fqdn> journalctl -b -f -u bootkube.service
注記ブートストラップノードの
bootkube.service
のログは etcd のconnection refused
エラーを出力し、ブートストラップサーバーがコントロールプレーンノードの etcd に接続できないことを示します。etcd が各コントロールプレーンノードで起動し、ノードがクラスターに参加した後には、エラーは発生しなくなるはずです。ブートストラップノードで
podman
を使用してブートストラップノードのコンテナーからログを収集します。<bootstrap_fqdn>
をブートストラップノードの完全修飾ドメイン名に置き換えます。$ ssh core@<bootstrap_fqdn> 'for pod in $(sudo podman ps -a -q); do sudo podman logs $pod; done'
5.7. クラスターノードジャーナルログのクエリー
個別のクラスターノードの /var/log
内で journald
ユニットログおよびその他のログを収集できます。
前提条件
-
cluster-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 -
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。 - API サービスが機能している。
- ホストへの SSH アクセスがあること。
手順
OpenShift Container Platform クラスターノードから
kubelet
のjournald
ユニットログをクエリーします。以下の例では、コントロールプレーンノードのみがクエリーされます。$ oc adm node-logs --role=master -u kubelet 1
- 1
- 他のユニットログをクエリーするために、
kubelet
を適宜置き換えます。
クラスターノードの
/var/log/
の下にある特定のサブディレクトリーからログを収集します。/var/log/
サブディレクトリー内に含まれるログの一覧を取得します。以下の例では、すべてのコントロールプレーンノードの/var/log/openshift-apiserver/
にあるファイルをリスト表示します。$ oc adm node-logs --role=master --path=openshift-apiserver
/var/log/
サブディレクトリー内の特定ログを確認します。以下の例は、すべてのコントロールプレーンノードから/var/log/openshift-apiserver/audit.log
コンテンツを出力します。$ oc adm node-logs --role=master --path=openshift-apiserver/audit.log
API が機能しない場合は、代わりに SSH を使用して各ノードのログを確認します。以下の例は、
/var/log/openshift-apiserver/audit.log
をベースとしています。$ ssh core@<master-node>.<cluster_name>.<base_domain> sudo tail -f /var/log/openshift-apiserver/audit.log
注記Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) を実行する OpenShift Container Platform 4.17 クラスターノードは、イミュータブルです。クラスターの変更を適用するには、Operator を使用します。SSH を使用したクラスターノードへのアクセスは推奨されません。SSH 経由で診断データの収集を試行する前に、
oc adm must gather
およびその他のoc
コマンドを実行して収集されるデータが十分であるかどうかを確認してください。ただし、OpenShift Container Platform API が利用できない場合や、kubelet がターゲットノードで適切に機能しない場合、oc
操作がその影響を受けます。この場合は、代わりにssh core@<node>.<cluster_name>.<base_domain>
を使用してノードにアクセスできます。
5.8. ネットワークトレースメソッド
パケットキャプチャーレコードの形式でネットワークトレースを収集すると、Red Hat がネットワークの問題のトラブルシューティングをサポートできます。
OpenShift Container Platform では、ネットワークトレースの実行方法として 2 種類サポートします。以下の表を確認し、ニーズに合った方法を選択します。
メソッド | 利点および機能 |
---|---|
ホストのネットワークトレースの収集 | 1 つ以上のノードで同時に指定する期間で、パケットキャプチャーを実行します。パケットキャプチャーファイルは、指定した期間に達すると、ノードからクライアントマシンに転送されます。 特定のアクションが原因でネットワーク通信に問題を発生される理由をトラブルシューティングでいます。パケットキャプチャーを実行し、問題を発生させるアクションを実行してログで問題を診断します。 |
OpenShift Container Platform ノードまたはコンテナーからのネットワークトレースの収集 |
1 つのノードまたは 1 つのコンテナーでパケットキャプチャーを実行します。パケットキャプチャーの期間を制御できるように パケットキャプチャーを手動で開始し、ネットワーク通信の問題をトリガーしてから、パケットキャプチャーを手動で停止できます。
この方法では、 |
5.9. ホストのネットワークトレースの収集
ネットワーク関連の問題のトラブルシューティングは、ネットワーク通信を追跡して複数のノードで同時にパケットをキャプチャーすることで簡素化されます。
oc adm must-gather
コマンドおよび registry.redhat.io/openshift4/network-tools-rhel8
コンテナーイメージの組み合わせを使用して、ノードからパケットキャプチャーを収集できます。パケットキャプチャーの分析は、ネットワーク通信の問題のトラブルシューティングに役立ちます。
oc adm must-gather
コマンドは、特定のノードの Pod で tcpdump
コマンドの実行に使用されます。tcpdump
コマンドは、Pod でキャプチャーされたパケットを記録します。tcpdump
コマンドを終了すると、oc adm must-gather
コマンドは、Pod からクライアントマシンにキャプチャーされたパケットが含まれるファイルを転送します。
以下の手順で使用するコマンド例は、tcpdump
コマンドを使用してパケットキャプチャーを実行する方法を示しています。ただし、--image
引数で指定したコンテナーイメージでコマンドを実行すると、複数のノードから同時にトラブルシューティング情報を収集できます。
前提条件
-
cluster-admin
ロールを持つユーザーとして OpenShift Container Platform にログインしている。 -
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
以下のコマンドを実行して、一部のノードでホストネットワークからパケットキャプチャーを実行します。
$ oc adm must-gather \ --dest-dir /tmp/captures \ <.> --source-dir '/tmp/tcpdump/' \ <.> --image registry.redhat.io/openshift4/network-tools-rhel8:latest \ <.> --node-selector 'node-role.kubernetes.io/worker' \ <.> --host-network=true \ <.> --timeout 30s \ <.> -- \ tcpdump -i any \ <.> -w /tmp/tcpdump/%Y-%m-%dT%H:%M:%S.pcap -W 1 -G 300
<.>
--dest-dir
引数では、oc adm must-gather
の実行時に、クライアントマシンの/tmp/captures
と相対パスにあるディレクトリーに、キャプチャーしたパケットを保存することを指定します。書き込み可能な任意のディレクトリーを指定できます。<.>oc adm must-gather
が開始するデバッグ Pod でtcpdump
が実行される場合に、--source-dir
引数は、パケットキャプチャーが Pod の/tmp/tcpdump
ディレクトリーに一時的に保存されることを指定します。<.>--image
引数は、tcpdump
コマンドを含むコンテナーイメージを指定します。<.>--node-selector
引数とサンプル値は、ワーカーノードでパケットキャプチャーを実行するように指定します。別の方法としては、代わりに--node-name
引数を指定して、1 つのノードでパケットキャプチャーを実行できます。--node-selector
と--node-name
引数の両方を省略すると、すべてのノードでパケットキャプチャーが実行されます。<.> ノードのネットワークインターフェイスでパケットキャプチャーが実行されるように、--host-network=true
引数が必要です。<.>--timeout
引数と値は、デバッグ Pod を 30 秒間実行するように指定します。--timeout
引数と期間を指定しない場合、デバッグ Pod は 10 分間実行されます。<.>tcpdump
コマンドの-i any
引数は、すべてのネットワークインターフェイスでパケットをキャプチャーするように指定します。また、ネットワークインターフェイス名を指定することもできます。- ネットワークトレースがパケットをキャプチャーしている間に、ネットワーク通信の問題を発生させる、Web アプリケーションにアクセスするなど、特定のアクションを実行します。
oc adm must-gather
で Pod からクライアントマシンに転送したパケットキャプチャーファイルを確認します。tmp/captures ├── event-filter.html ├── ip-10-0-192-217-ec2-internal 1 │ └── registry-redhat-io-openshift4-network-tools-rhel8-sha256-bca... │ └── 2022-01-13T19:31:31.pcap ├── ip-10-0-201-178-ec2-internal 2 │ └── registry-redhat-io-openshift4-network-tools-rhel8-sha256-bca... │ └── 2022-01-13T19:31:30.pcap ├── ip-... └── timestamp
5.10. OpenShift Container Platform ノードまたはコンテナーからのネットワークトレースの収集
ネットワーク関連の OpenShift Container Platform の潜在的な問題を調査する際に、Red Hat サポートは特定の OpenShift Container Platform クラスターノードまたは特定のコンテナーからネットワークパケットトレースを要求する可能性があります。OpenShift Container Platform でネットワークトレースをキャプチャーする方法として、デバッグ Pod を使用できます。
前提条件
-
cluster-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 -
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。 - 既存の Red Hat サポートケース ID がある。
- Red Hat の標準またはプレミアムサブスクリプションがある。
- Red Hat カスタマーポータルのアカウントがある。
- ホストへの SSH アクセスがあること。
手順
クラスターノードのリストを取得します。
$ oc get nodes
ターゲットノードのデバッグセッションに入ります。この手順は、
<node_name>-debug
というデバッグ Pod をインスタンス化します。$ oc debug node/my-cluster-node
/host
をデバッグシェル内の root ディレクトリーとして設定します。デバッグ Pod は、Pod 内の/host
にホストの root ファイルシステムをマウントします。root ディレクトリーを/host
に変更すると、ホストの実行パスに含まれるバイナリーを実行できます。# chroot /host
注記Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) を実行する OpenShift Container Platform 4.17 クラスターノードは、イミュータブルです。クラスターの変更を適用するには、Operator を使用します。SSH を使用したクラスターノードへのアクセスは推奨されません。ただし、OpenShift Container Platform API が利用できない場合や、kubelet がターゲットノードで適切に機能しない場合、
oc
操作がその影響を受けます。この場合は、代わりにssh core@<node>.<cluster_name>.<base_domain>
を使用してノードにアクセスできます。chroot
環境コンソール内から、ノードのインターフェイス名を取得します。# ip ad
sosreport
を実行するために必要なバイナリーおよびプラグインが含まれるtoolbox
コンテナーを起動します。# toolbox
注記既存の
toolbox
Pod がすでに実行されている場合、toolbox
コマンドは以下を出力します:'toolbox-' already exists.Trying to start…
.tcpdump
の問題が発生するのを回避するには、podman rm toolbox-
で実行中の toolbox コンテナーを削除し、新規の toolbox コンテナーを生成します。クラスターノードで
tcpdump
セッションを開始し、出力をキャプチャーファイルにリダイレクトします。この例では、ens5
をインターフェイス名として使用します。$ tcpdump -nn -s 0 -i ens5 -w /host/var/tmp/my-cluster-node_$(date +%d_%m_%Y-%H_%M_%S-%Z).pcap 1
- 1
- toolbox コンテナーはホストの root ディレクトリーを
/host
にマウントするため、tcpdump
キャプチャーファイルのパスはchroot
環境外にあります。
ノード上の特定コンテナーに
tcpdump
キャプチャーが必要な場合は、以下の手順に従います。ターゲットコンテナー ID を確認します。toolbox コンテナーはホストの root ディレクトリーを
/host
にマウントするため、この手順では、chroot host
コマンドがcrictl
コマンドの前に実行されます。# chroot /host crictl ps
コンテナーのプロセス ID を確認します。この例では、コンテナー ID は
a7fe32346b120
です。# chroot /host crictl inspect --output yaml a7fe32346b120 | grep 'pid' | awk '{print $2}'
コンテナーで
tcpdump
セッションを開始し、出力をキャプチャーファイルにリダイレクトします。この例では、49628
をコンテナーのプロセス ID として使用し、ens5
をインターフェイス名として使用します。nsenter
コマンドはターゲットプロセスの namespace に入り、その namespace でコマンドを実行します。この例ではターゲットプロセスがコンテナーのプロセス ID であるため、tcpdump
コマンドはホストからコンテナーの namespace で実行されます。# nsenter -n -t 49628 -- tcpdump -nn -i ens5 -w /host/var/tmp/my-cluster-node-my-container_$(date +%d_%m_%Y-%H_%M_%S-%Z).pcap 1
- 1
- toolbox コンテナーはホストの root ディレクトリーを
/host
にマウントするため、tcpdump
キャプチャーファイルのパスはchroot
環境外にあります。
以下の方法のいずれかを使用して、分析用に
tcpdump
キャプチャーファイルを Red Hat サポートに提供します。ファイルを OpenShift Container Platform クラスターから直接既存の Red Hat サポートケースにアップロードします。
toolbox コンテナー内から、
redhat-support-tool
を実行してファイルディレクトリーを既存の Red Hat サポートケースに直接割り当てます。この例では、サポートケース ID01234567
を使用します。# redhat-support-tool addattachment -c 01234567 /host/var/tmp/my-tcpdump-capture-file.pcap 1
- 1
- toolbox コンテナーは、ホストの root ディレクトリーを
/host
にマウントします。redhat-support-tool
コマンドでアップロードするファイルを指定する場合は、toolbox コンテナーの root ディレクトリー (/host/
を含む) から絶対パスを参照します。
既存の Red Hat サポートケースにファイルをアップロードします。
oc debug node/<node_name>
コマンドを実行してsosreport
アーカイブを連結し、出力をファイルにリダイレクトします。このコマンドは、直前のoc debug
セッションを終了していることを前提としています。$ oc debug node/my-cluster-node -- bash -c 'cat /host/var/tmp/my-tcpdump-capture-file.pcap' > /tmp/my-tcpdump-capture-file.pcap 1
- 1
- デバッグコンテナーは、ホストの root ディレクトリーを
/host
にマウントします。連結のためにターゲットファイルを指定する際に、デバッグコンテナーの root ディレクトリー (/host
を含む) から絶対パスを参照します。
注記Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) を実行する OpenShift Container Platform 4.17 クラスターノードは、イミュータブルです。クラスターの変更を適用するには、Operator を使用します。
scp
を使用してクラスターノードからtcpdump
キャプチャーファイルを転送することは推奨されません。ただし、OpenShift Container Platform API が利用できない場合や、kubelet がターゲットノードで適切に機能しない場合、oc
操作がその影響を受けます。この状態では、scp core@<node>.<cluster_name>.<base_domain>:<file_path> <local_path>
を実行して、ノードからtcpdump
キャプチャーファイルをコピーすることができます。- Red Hat カスタマーポータルの Customer Support ページ にある既存のサポートケースに移動します。
- Attach files を選択し、プロンプトに従ってファイルをアップロードします。
5.11. Red Hat サポートへの診断データの提供
OpenShift Container Platform の問題を調査する際に、Red Hat サポートは診断データをサポートケースにアップロードするよう依頼する可能性があります。ファイルは、Red Hat カスタマーポータルからサポートケースにアップロードするか、redhat-support-tool
コマンドを使用して OpenShift Container Platform クラスターから直接アップロードできます。
前提条件
-
cluster-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 -
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。 - ホストへの SSH アクセスがあること。
- Red Hat の標準またはプレミアムサブスクリプションがある。
- Red Hat カスタマーポータルのアカウントがある。
- 既存の Red Hat サポートケース ID がある。
手順
Red Hat カスタマーポータルから既存の Red Hat サポートケースに診断データをアップロードします。
oc debug node/<node_name>
コマンドを使用して OpenShift Container Platform ノードで組み込まれている診断ファイルを連結し、出力をファイルにリダイレクトします。以下の例では、/host/var/tmp/my-diagnostic-data.tar.gz
をデバッグコンテナーから/var/tmp/my-diagnostic-data.tar.gz
にコピーします。$ oc debug node/my-cluster-node -- bash -c 'cat /host/var/tmp/my-diagnostic-data.tar.gz' > /var/tmp/my-diagnostic-data.tar.gz 1
- 1
- デバッグコンテナーは、ホストの root ディレクトリーを
/host
にマウントします。連結のためにターゲットファイルを指定する際に、デバッグコンテナーの root ディレクトリー (/host
を含む) から絶対パスを参照します。
注記Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) を実行する OpenShift Container Platform 4.17 クラスターノードは、イミュータブルです。クラスターの変更を適用するには、Operator を使用します。
scp
を使用してクラスターノードからファイルを転送することは推奨されません。ただし、OpenShift Container Platform API が利用できない場合や、kubelet がターゲットノードで適切に機能しない場合、oc
操作がその影響を受けます。この状態では、scp core@<node>.<cluster_name>.<base_domain>:<file_path> <local_path>
を実行してノードから診断ファイルをコピーできます。- Red Hat カスタマーポータルの Customer Support ページ にある既存のサポートケースに移動します。
- Attach files を選択し、プロンプトに従ってファイルをアップロードします。
5.12. toolbox
について
toolbox
は、Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) システムでコンテナーを起動するツールです。このツールは、主に sosreport
や redhat-support-tool
などのコマンドを実行するために必要なバイナリーおよびプラグインを含むコンテナーを起動するために使用されます。
toolbox
コンテナーの主な目的は、診断情報を収集し、これを Red Hat サポートに提供することにあります。ただし、追加の診断ツールが必要な場合は、RPM パッケージを追加するか、標準のサポートツールイメージの代替イメージを実行することができます。
toolbox
コンテナーへのパッケージのインストール
デフォルトでは、toolbox
コマンドを実行すると、registry.redhat.io/rhel8/support-tools:latest
イメージでコンテナーが起動します。このイメージには、最も頻繁に使用されるサポートツールが含まれます。イメージの一部ではないサポートツールを必要とするノード固有のデータを収集する必要がある場合は、追加のパッケージをインストールできます。
前提条件
-
oc debug node/<node_name>
コマンドでノードにアクセスしている。
手順
/host
をデバッグシェル内の root ディレクトリーとして設定します。デバッグ Pod は、Pod 内の/host
にホストの root ファイルシステムをマウントします。root ディレクトリーを/host
に変更すると、ホストの実行パスに含まれるバイナリーを実行できます。# chroot /host
toolbox コンテナーを起動します。
# toolbox
wget
などの追加のパッケージをインストールします。# dnf install -y <package_name>
toolbox
を使用した代替イメージの起動
デフォルトでは、toolbox
コマンドを実行すると、registry.redhat.io/rhel8/support-tools:latest
イメージでコンテナーが起動します。.toolboxrc
ファイルを作成し、実行するイメージを指定して代替イメージを起動できます。
前提条件
-
oc debug node/<node_name>
コマンドでノードにアクセスしている。
手順
/host
をデバッグシェル内の root ディレクトリーとして設定します。デバッグ Pod は、Pod 内の/host
にホストの root ファイルシステムをマウントします。root ディレクトリーを/host
に変更すると、ホストの実行パスに含まれるバイナリーを実行できます。# chroot /host
root ユーザー ID のホームディレクトリーに
.toolboxrc
ファイルを作成します。# vi ~/.toolboxrc
REGISTRY=quay.io 1 IMAGE=fedora/fedora:33-x86_64 2 TOOLBOX_NAME=toolbox-fedora-33 3
代替イメージを使用して toolbox コンテナーを起動します。
# toolbox
注記既存の
toolbox
Pod がすでに実行されている場合、toolbox
コマンドは以下を出力します:'toolbox-' already exists.Trying to start…
.podman rm toolbox-
で実行中の toolbox コンテナーを削除して、sosreport
プラグインの問題を回避するために、新規の toolbox コンテナーを生成します。
第6章 クラスター仕様の要約
6.1. クラスターバージョンオブジェクトを使用してクラスター仕様を要約する
clusterversion
リソースをクエリーすることにより、OpenShift Container Platform クラスター仕様の要約を取得できます。
前提条件
-
cluster-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 -
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
クラスターバージョン、可用性、アップタイム、および一般的なステータスをクエリーします。
$ oc get clusterversion
出力例
NAME VERSION AVAILABLE PROGRESSING SINCE STATUS version 4.13.8 True False 8h Cluster version is 4.13.8
クラスター仕様の詳細な要約、更新の可用性、および更新履歴を取得します。
$ oc describe clusterversion
出力例
Name: version Namespace: Labels: <none> Annotations: <none> API Version: config.openshift.io/v1 Kind: ClusterVersion # ... Image: quay.io/openshift-release-dev/ocp-release@sha256:a956488d295fe5a59c8663a4d9992b9b5d0950f510a7387dbbfb8d20fc5970ce URL: https://access.redhat.com/errata/RHSA-2023:4456 Version: 4.13.8 History: Completion Time: 2023-08-17T13:20:21Z Image: quay.io/openshift-release-dev/ocp-release@sha256:a956488d295fe5a59c8663a4d9992b9b5d0950f510a7387dbbfb8d20fc5970ce Started Time: 2023-08-17T12:59:45Z State: Completed Verified: false Version: 4.13.8 # ...
第7章 トラブルシューティング
7.1. インストールのトラブルシューティング
7.1.1. インストールの問題が発生する場所の判別
OpenShift Container Platform のインストールの問題のトラブルシューティング時に、インストールログを監視して、問題が発生した段階を判別できます。次に、その段階に関連する診断データを取得します。
OpenShift Container Platform インストールは以下の段階に従って実行されます。
- Ignition 設定ファイルが作成されます。
- ブートストラップマシンが起動し、コントロールプレーンマシンの起動に必要なリモートリソースのホスティングを開始します。
- コントロールプレーンマシンは、ブートストラップマシンからリモートリソースをフェッチし、起動を終了します。
- コントロールプレーンマシンはブートストラップマシンを使用して、etcd クラスターを作成します。
- ブートストラップマシンは、新規 etcd クラスターを使用して一時的な Kubernetes コントロールプレーンを起動します。
- 一時的なコントロールプレーンは、実稼働コントロールプレーンをコントロールプレーンマシンにスケジュールします。
- 一時的なコントロールプレーンはシャットダウンし、コントロールを実稼働コントロールプレーンに渡します。
- ブートストラップマシンは OpenShift Container Platform コンポーネントを実稼働コントロールプレーンに追加します。
- インストールプログラムはブートストラップマシンをシャットダウンします。
- コントロールプレーンはワーカーノードをセットアップします。
- コントロールプレーンは一連の Operator の形式で追加のサービスをインストールします。
- クラスターはサポートされる環境でのワーカーマシンの作成など、日常の操作に必要な残りのコンポーネントをダウンロードし、設定します。
7.1.2. ユーザーによってプロビジョニングされるインフラストラクチャーのインストールに関する考慮事項
デフォルトのインストール方法は、インストーラーでプロビジョニングされるインフラストラクチャーです。インストーラーでプロビジョニングされるインフラストラクチャークラスターの場合、OpenShift Container Platform は、オペレーティングシステム自体を含むクラスターのすべての側面を管理します。可能な場合は、この機能を使用してクラスターインフラストラクチャーのプロビジョニングと保守の手間を省くようにしてください。
OpenShift Container Platform 4.17 は、ユーザーが独自に提供するインフラストラクチャーにインストールすることもできます。このインストール方法を使用する場合は、ユーザーによってプロビジョニングされるインフラストラクチャーのインストールドキュメントに注意深く従ってください。また、インストール前に以下の考慮事項を確認してください。
- Red Hat Enterprise Linux (RHEL) Ecosystem を確認し、選択したサーバーハードウェアまたは仮想化テクノロジー向けに提供されている Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) サポートのレベルを判別します。
- 多くの仮想化環境およびクラウド環境では、ゲストオペレーティングシステムにエージェントをインストールする必要があります。これらのエージェントがデーモンセット経由でデプロイされるコンテナー化されたワークロードとしてインストールされていることを確認します。
動的ストレージ、オンデマンドサービスルーティング、ノードホスト名の Kubernetes ホスト名への解決、クラスターの自動スケーリングなどの機能を有効にする場合は、クラウドプロバイダーの統合をインストールします。
注記異なるクラウドプロバイダーのリソースを組み合わせた OpenShift Container Platform 環境でのクラウドプロバイダーの統合を有効にしたり、複数の物理または仮想プラットフォームにまたがるクラウドプロバイダーの統合を有効にすることはできません。ノードライフサイクルコントローラーでは、既存プロバイダーの外部にあるノードをクラスターに追加することはできず、複数のクラウドプロバイダーの統合を指定することはできません。
- マシンセットまたは自動スケーリングを使用して OpenShift Container Platform クラスターノードを自動的にプロビジョニングする必要がある場合、プロバイダー固有のマシン API 実装が必要です。
- 選択したクラウドプロバイダーが、初期デプロイメントの一部として Ignition 設定ファイルをホストに挿入する方法を提供するかどうかを確認します。提供しない場合は、HTTP サーバーを使用して Ignition 設定ファイルをホストする必要があります。Ignition 設定ファイルの問題のトラブルシューティングを行う手順は、これらの 2 つの方法のどちらをデプロイするかによって異なります。
- 組み込みコンテナーレジストリー、Elasticsearch、Prometheus などのオプションのフレームワークコンポーネントを利用する必要がある場合は、ストレージを手動でプロビジョニングする必要があります。デフォルトのストレージクラスは、明示的に設定されない限り、ユーザーによってプロビジョニングされるインフラストラクチャーのインストールでは定義されません。
- ロードバランサーは、可用性の高い OpenShift Container Platform 環境にあるすべてのコントロールプレーンノードに API 要求を分散するために必要です。OpenShift Container Platform DNS ルーティングおよびポートの要件を満たす TCP ベースの負荷分散ソリューションを使用できます。
7.1.3. OpenShift Container Platform インストール前のロードバランサー設定の確認
OpenShift Container Platform インストールを開始する前に、ロードバランサーの設定を確認してください。
前提条件
- OpenShift Container Platform インストールの準備のために、選択した外部ロードバランサーを設定している。以下の例では、HAProxy を使用した Red Hat Enterprise Linux (RHEL) ホストに基づいて、負荷分散サービスをクラスターに提供します。
- OpenShift Container Platform インストールの準備のために DNS を設定している。
- ロードバランサーへの SSH アクセスがある。
手順
haproxy
systemd サービスがアクティブであることを確認します。$ ssh <user_name>@<load_balancer> systemctl status haproxy
ロードバランサーが必要なポートでリッスンしていることを確認します。以下の例では、ポート
80
、443
、6443
、および22623
を参照します。Red Hat Enterprise Linux (RHEL) 6 で実行している HAProxy インスタンスの場合は、
netstat
コマンドを使用して、ポートのステータスを確認します。$ ssh <user_name>@<load_balancer> netstat -nltupe | grep -E ':80|:443|:6443|:22623'
Red Hat Enterprise Linux (RHEL) 7 または 8 で実行している HAProxy インスタンスの場合、
ss
コマンドを使用して、ポートのステータスを確認します。$ ssh <user_name>@<load_balancer> ss -nltupe | grep -E ':80|:443|:6443|:22623'
注記Red Hat は、Red Hat Enterprise Linux (RHEL) 7 以降の
netstat
ではなく、ss
コマンドを推奨しています。ss
は、iproute パッケージで提供されます。ss
コマンドの詳細は、Red Hat Enterprise Linux (RHEL) 7 パフォーマンスチューニングガイド を参照してください。
ワイルドカード DNS レコードがロードバランサーに解決されていることを確認します。
$ dig <wildcard_fqdn> @<dns_server>
7.1.4. OpenShift Container Platform インストーラーのログレベルの指定
デフォルトで、OpenShift Container Platform インストーラーのログレベルは info
に設定されます。失敗した OpenShift Container Platform インストールの診断時により詳細なロギングが必要な場合は、再びインストールを開始する際に openshift-install
ログレベルを debug
に引き上げることができます。
前提条件
- インストールホストにアクセスできる。
手順
インストールを開始する際に、インストールのログレベルを
debug
に設定します。$ ./openshift-install --dir <installation_directory> wait-for bootstrap-complete --log-level debug 1
- 1
- ログレベルには、
info
、warn
、error、
およびdebug
が含まれます。
7.1.5. openshift-install コマンド関連の問題のトラブルシューティング
openshift-install
コマンドの実行に問題がある場合には、以下を確認してください。
インストールは Ignition 設定ファイルの作成から 24 時間以内に開始されている。Ignition ファイルは以下のコマンドの実行時に作成されている。
$ ./openshift-install create ignition-configs --dir=./install_dir
-
install-config.yaml
ファイルはインストーラーと同じディレクトリーにある。代替インストールパスが./openshift-install --dir
オプションを使用して宣言される場合、そのディレクトリーにinstall-config.yaml
ファイルが存在することを確認します。
7.1.6. インストールの進捗の監視
OpenShift Container Platform インストールの進捗として、高レベルのインストール、ブートストラップ、およびコントロールプレーンのログをモニターできます。これにより、インストールの進捗をより明確に把握できるようになり、インストールが失敗する段階を特定しやすくなります。
前提条件
-
cluster-admin
クラスターロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 -
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。 - ホストへの SSH アクセスがあること。
ブートストラップおよびコントロールプレーンノードの完全修飾ドメイン名がある。
注記初期の
kubeadmin
パスワードは、インストールホストの<install_directory>/auth/kubeadmin-password
にあります。
手順
インストールの進捗に応じてインストールログを監視します。
$ tail -f ~/<installation_directory>/.openshift_install.log
起動後にブートストラップノードで
bootkube.service
journald ユニットログを監視します。これにより、最初のコントロールプレーンのブートストラップを可視化できます。<bootstrap_fqdn>
をブートストラップノードの完全修飾ドメイン名に置き換えます。$ ssh core@<bootstrap_fqdn> journalctl -b -f -u bootkube.service
注記ブートストラップノードの
bootkube.service
のログは etcd のconnection refused
エラーを出力し、ブートストラップサーバーがコントロールプレーンノードの etcd に接続できないことを示します。etcd が各コントロールプレーンノードで起動し、ノードがクラスターに参加した後には、エラーは発生しなくなるはずです。起動後のコントロールプレーンノードで
kubelet.service
journald ユニットログを監視します。これにより、コントロールプレーンノードエージェントのアクティビティーを可視化できます。oc
を使用してログを監視します。$ oc adm node-logs --role=master -u kubelet
API が機能しない場合は、代わりに SSH を使用してログを確認します。
<master-node>.<cluster_name>.<base_domain>
を適切な値に置き換えます。$ ssh core@<master-node>.<cluster_name>.<base_domain> journalctl -b -f -u kubelet.service
起動後のコントロールプレーンノードで
crio.service
journald ユニットログを監視します。これにより、コントロールプレーンノードの CRI-O コンテナーランタイムのアクティビティーを可視化できます。oc
を使用してログを監視します。$ oc adm node-logs --role=master -u crio
API が機能しない場合は、代わりに SSH を使用してログを確認します。
<master-node>.<cluster_name>.<base_domain>
を適切な値に置き換えます。$ ssh core@master-N.cluster_name.sub_domain.domain journalctl -b -f -u crio.service
7.1.7. ブートストラップノードの診断データの収集
ブートストラップ関連の問題が発生した場合、ブートストラップノードから bootkube.service
の journald
ユニットログおよびコンテナーログを収集できます。
前提条件
- ブートストラップノードへの SSH アクセスがある。
- ブートストラップノードの完全修飾ドメイン名がある。
- HTTP サーバーを使用して Ignition 設定ファイルをホストする場合、HTTP サーバーの完全修飾ドメイン名およびポート番号が必要です。HTTP ホストへの SSH アクセスも必要です。
手順
- ブートストラップノードのコンソールにアクセスできる場合は、ノードがログインプロンプトに到達するまでコンソールを監視します。
Ignition ファイル設定を検証します。
HTTP サーバーを使用して Ignition 設定ファイルをホストする場合。
ブートストラップノードの Ignition ファイル URL を確認します。
<http_server_fqdn>
を HTTP サーバーの完全修飾ドメイン名に置き換えます。$ curl -I http://<http_server_fqdn>:<port>/bootstrap.ign 1
- 1
-I
オプションはヘッダーのみを返します。Ignition ファイルが指定された URL で利用可能な場合、コマンドは200 OK
ステータスを返します。これが利用できない場合は、コマンドは404 file not found
を返します。
Ignition ファイルがブートストラップノードで受信されたことを確認するには、提供側ホストの HTTP サーバーログをクエリーします。たとえば、Apache Web サーバーを使用して Ignition ファイルを提供する場合は、以下のコマンドを入力します。
$ grep -is 'bootstrap.ign' /var/log/httpd/access_log
ブートストラップ Ignition ファイルが受信される場合、関連付けられた
HTTP GET
ログメッセージには要求が成功したことを示す200 OK
の成功ステータスが含まれます。- Ignition ファイルが受信されていない場合には、Ignition ファイルが存在し、それらに提供側ホストの適切なファイルおよび Web サーバーパーミッションがあることを直接確認します。
クラウドプロバイダーのメカニズムを使用して Ignition 設定ファイルを初期デプロイメントの一部としてホストに挿入する場合。
- ブートストラップノードのコンソールを確認し、ブートストラップノードの Ignition ファイルを正しく挿入するメカニズムが機能しているかどうかを確認します。
- ブートストラップノードの割り当てられたストレージデバイスの可用性を確認します。
- ブートストラップノードに DHCP サーバーから IP アドレスが割り当てられていることを確認します。
ブートストラップノードから
bootkube.service
journald ユニットログを収集します。<bootstrap_fqdn>
をブートストラップノードの完全修飾ドメイン名に置き換えます。$ ssh core@<bootstrap_fqdn> journalctl -b -f -u bootkube.service
注記ブートストラップノードの
bootkube.service
のログは etcd のconnection refused
エラーを出力し、ブートストラップサーバーがコントロールプレーンノードの etcd に接続できないことを示します。etcd が各コントロールプレーンノードで起動し、ノードがクラスターに参加した後には、エラーは発生しなくなるはずです。ブートストラップノードコンテナーからログを収集します。
ブートストラップノードで
podman
を使用してログを収集します。<bootstrap_fqdn>
をブートストラップノードの完全修飾ドメイン名に置き換えます。$ ssh core@<bootstrap_fqdn> 'for pod in $(sudo podman ps -a -q); do sudo podman logs $pod; done'
ブートストラッププロセスに失敗した場合は、以下を確認します。
-
インストールホストから
api.<cluster_name>.<base_domain>
を解決できます。 - ロードバランサーはブートストラップおよびコントロールプレーンノードへのポート 6443 接続をプロキシーします。プロキシー設定が OpenShift Container Platform のインストール要件を満たしていることを確認します。
-
インストールホストから
7.1.8. コントロールプレーンノードのインストールの問題の調査
コントロールプレーンノードのインストールに問題がある場合には、コントロールプレーンノード、OpenShift Container Platform ソフトウェア定義ネットワーク (SDN)、およびネットワーク Operator のステータスを判別します。kubelet.service
、crio.service
journald ユニットログ、およびコントロールプレーンノードコンテナーログを収集し、コントロールプレーンノードエージェント、CRI-O コンテナーランタイム、および Pod アクティビティーを可視化します。
前提条件
-
cluster-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 -
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。 - ホストへの SSH アクセスがあること。
- ブートストラップおよびコントロールプレーンノードの完全修飾ドメイン名がある。
HTTP サーバーを使用して Ignition 設定ファイルをホストする場合、HTTP サーバーの完全修飾ドメイン名およびポート番号が必要です。HTTP ホストへの SSH アクセスも必要です。
注記初期の
kubeadmin
パスワードは、インストールホストの<install_directory>/auth/kubeadmin-password
にあります。
手順
- コントロールプレーンノードのコンソールにアクセスできる場合は、ノードがログインプロンプトに到達するまでコンソールを監視します。インストール時に、Ignition ログメッセージはコンソールに出力されます。
Ignition ファイル設定を確認します。
HTTP サーバーを使用して Ignition 設定ファイルをホストする場合。
コントロールプレーンノードの Ignition ファイル URL を確認します。
<http_server_fqdn>
を HTTP サーバーの完全修飾ドメイン名に置き換えます。$ curl -I http://<http_server_fqdn>:<port>/master.ign 1
- 1
-I
オプションはヘッダーのみを返します。Ignition ファイルが指定された URL で利用可能な場合、コマンドは200 OK
ステータスを返します。これが利用できない場合は、コマンドは404 file not found
を返します。
Ignition ファイルがコントロールプレーンノードで受信されたことを確認するには、提供側ホストの HTTP サーバーログをクエリーします。たとえば、Apache Web サーバーを使用して Ignition ファイルを提供する場合は、以下を考慮してください。
$ grep -is 'master.ign' /var/log/httpd/access_log
マスター Ignition ファイルが受信される場合、関連付けられた
HTTP GET
ログメッセージには要求が成功したことを示す200 OK
の成功ステータスが含まれます。- Ignition ファイルが受信されなかった場合、これが提供側ホストに存在することを直接確認します。適切なファイルおよび Web サーバーのパーミッションが適用されていることを確認します。
クラウドプロバイダーのメカニズムを使用して Ignition 設定ファイルを初期デプロイメントの一部としてホストに挿入する場合。
- コントロールプレーンノードのコンソールを確認し、コントロールプレーンノードの Ignition ファイルを正しく挿入するメカニズムが機能しているかどうかを確認します。
- コントロールプレーンノードに割り当てられたストレージデバイスの可用性を確認します。
- コントロールプレーンノードに DHCP サーバーから IP アドレスが割り当てられていることを確認します。
コントロールプレーンノードのステータスを判別します。
コントロールプレーンノードのステータスをクエリーします。
$ oc get nodes
コントロールプレーンノードのいずれかが
Ready
ステータスに達していない場合は、詳細なノードの説明を取得します。$ oc describe node <master_node>
注記インストールの問題により OpenShift Container Platform API が実行できなくなったり、kubelet が各ノードでまだ実行されていない場合、
oc
コマンドを実行することはできません。
OVN-Kubernetes のステータスを確認します。
openshift-ovn-kubernetes
namespace で、ovnkube-node
デーモンセットのステータスを確認します。$ oc get daemonsets -n openshift-ovn-kubernetes
これらのリソースが
Not found
としてリストされている場合は、openshift-ovn-kubernetes
namespace 内の Pod を確認します。$ oc get pods -n openshift-ovn-kubernetes
openshift-ovn-kubernetes
namespace 内の失敗した OpenShift Container Platform OVN-Kubernetes Pod に関連するログを確認します。$ oc logs <ovn-k_pod> -n openshift-ovn-kubernetes
クラスターのネットワーク設定のステータスを確認します。
クラスターのネットワーク設定が存在するかどうかを確認します。
$ oc get network.config.openshift.io cluster -o yaml
インストーラーがネットワーク設定の作成に失敗した場合、Kubernetes マニフェストを再度生成し、メッセージの出力を確認します。
$ ./openshift-install create manifests
openshift-network-operator
namespace で Pod のステータスを確認し、Cluster Network Operator (CNO) が実行されているかどうかを判別します。$ oc get pods -n openshift-network-operator
openshift-network-operator
namespace からネットワーク Operator Pod ログを収集します。$ oc logs pod/<network_operator_pod_name> -n openshift-network-operator
起動後のコントロールプレーンノードで
kubelet.service
journald ユニットログを監視します。これにより、コントロールプレーンノードエージェントのアクティビティーを可視化できます。oc
を使用してログを取得します。$ oc adm node-logs --role=master -u kubelet
API が機能しない場合は、代わりに SSH を使用してログを確認します。
<master-node>.<cluster_name>.<base_domain>
を適切な値に置き換えます。$ ssh core@<master-node>.<cluster_name>.<base_domain> journalctl -b -f -u kubelet.service
注記Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) を実行する OpenShift Container Platform 4.17 クラスターノードは、イミュータブルです。クラスターの変更を適用するには、Operator を使用します。SSH を使用したクラスターノードへのアクセスは推奨されません。SSH 経由で診断データの収集を試行する前に、
oc adm must gather
およびその他のoc
コマンドを実行して収集されるデータが十分であるかどうかを確認してください。ただし、OpenShift Container Platform API が利用できない場合や、kubelet がターゲットノードで適切に機能しない場合、oc
操作がその影響を受けます。この場合は、代わりにssh core@<node>.<cluster_name>.<base_domain>
を使用してノードにアクセスできます。
起動後のコントロールプレーンノードで
crio.service
journald ユニットログを取得します。これにより、コントロールプレーンノードの CRI-O コンテナーランタイムのアクティビティーを可視化できます。oc
を使用してログを取得します。$ oc adm node-logs --role=master -u crio
API が機能しない場合は、代わりに SSH を使用してログを確認します。
$ ssh core@<master-node>.<cluster_name>.<base_domain> journalctl -b -f -u crio.service
コントロールプレーンノードの
/var/log/
の下にある特定のサブディレクトリーからログを収集します。/var/log/
サブディレクトリー内に含まれるログの一覧を取得します。以下の例では、すべてのコントロールプレーンノードの/var/log/openshift-apiserver/
にあるファイルをリスト表示します。$ oc adm node-logs --role=master --path=openshift-apiserver
/var/log/
サブディレクトリー内の特定ログを確認します。以下の例は、すべてのコントロールプレーンノードから/var/log/openshift-apiserver/audit.log
コンテンツを出力します。$ oc adm node-logs --role=master --path=openshift-apiserver/audit.log
API が機能しない場合は、代わりに SSH を使用して各ノードのログを確認します。以下の例は、
/var/log/openshift-apiserver/audit.log
をベースとしています。$ ssh core@<master-node>.<cluster_name>.<base_domain> sudo tail -f /var/log/openshift-apiserver/audit.log
SSH を使用してコントロールプレーンノードのコンテナーログを確認します。
コンテナーを一覧表示します。
$ ssh core@<master-node>.<cluster_name>.<base_domain> sudo crictl ps -a
crictl
を使用してコンテナーのログを取得します。$ ssh core@<master-node>.<cluster_name>.<base_domain> sudo crictl logs -f <container_id>
コントロールプレーンノードの設定に問題がある場合には、MCO、MCO エンドポイント、および DNS レコードが機能していることを確認します。Machine Config Operator (MCO) は、インストール時にオペレーティングシステムの設定を管理します。システムクロックの精度と証明書の有効性も確認します。
MCO エンドポイントが利用可能かどうかをテストします。
<cluster_name>
を適切な値に置き換えます。$ curl https://api-int.<cluster_name>:22623/config/master
- エンドポイントが応答しない場合は、ロードバランサーの設定を確認します。エンドポイントがポート 22623 で実行されるよう設定されていることを確認します。
MCO エンドポイントの DNS レコードが設定され、ロードバランサーに対して解決していることを確認します。
定義された MCO エンドポイント名の DNS ルックアップを実行します。
$ dig api-int.<cluster_name> @<dns_server>
ロードバランサーの割り当てられた MCO IP アドレスに対して逆引き参照を実行します。
$ dig -x <load_balancer_mco_ip_address> @<dns_server>
MCO がブートストラップノードから直接機能していることを確認します。
<bootstrap_fqdn>
をブートストラップノードの完全修飾ドメイン名に置き換えます。$ ssh core@<bootstrap_fqdn> curl https://api-int.<cluster_name>:22623/config/master
システムクロックは、ブートストラップ、マスター、およびワーカーノード間で同期される必要があります。各ノードのシステムクロックの参照時間と時刻同期の統計を確認します。
$ ssh core@<node>.<cluster_name>.<base_domain> chronyc tracking
証明書の有効性を確認します。
$ openssl s_client -connect api-int.<cluster_name>:22623 | openssl x509 -noout -text
7.1.9. etcd インストールの問題の調査
インストール時に etcd の問題が発生した場合には、etcd Pod のステータスを確認し、etcd Pod ログを収集できます。etcd DNS レコードを確認し、コントロールプレーンノードで DNS の可用性を確認することもできます。
前提条件
-
cluster-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 -
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。 - ホストへの SSH アクセスがあること。
- コントロールプレーンノードの完全修飾ドメイン名がある。
手順
etcd Pod のステータスを確認します。
openshift-etcd
namespace の Pod のステータスを確認します。$ oc get pods -n openshift-etcd
openshift-etcd-operator
namespace の Pod のステータスを確認します。$ oc get pods -n openshift-etcd-operator
直前のコマンドでリスト表示される Pod のいずれかに
Running
またはCompleted
ステータスが表示されない場合は、Pod の診断情報を収集します。Pod のイベントを確認します。
$ oc describe pod/<pod_name> -n <namespace>
Pod のログを検査します。
$ oc logs pod/<pod_name> -n <namespace>
Pod に複数のコンテナーがある場合、前述のコマンドでエラーが作成され、コンテナー名はエラーメッセージに指定されます。各コンテナーのログを検査します。
$ oc logs pod/<pod_name> -c <container_name> -n <namespace>
API が機能しない場合には、代わりに SSH を使用して各コントロールプレーンノードで etcd Pod およびコンテナーログを確認します。
<master-node>.<cluster_name>.<base_domain>
を適切な値に置き換えます。各コントロールプレーンノードに etcd Pod をリスト表示します。
$ ssh core@<master-node>.<cluster_name>.<base_domain> sudo crictl pods --name=etcd-
Ready
ステータスが表示されない Pod について、Pod のステータスの詳細を検査します。<pod_id>
を前述のコマンドの出力にリスト表示されている Pod の ID に置き換えます。$ ssh core@<master-node>.<cluster_name>.<base_domain> sudo crictl inspectp <pod_id>
Pod に関連するコンテナーをリスト表示します。
$ ssh core@<master-node>.<cluster_name>.<base_domain> sudo crictl ps | grep '<pod_id>'
Ready
ステータスが表示されていないコンテナーの場合は、コンテナーのステータスの詳細を検査します。<container_id>
を前述のコマンドの出力にリスト表示されているコンテナー ID に置き換えます。$ ssh core@<master-node>.<cluster_name>.<base_domain> sudo crictl inspect <container_id>
Ready
ステータスが表示されていないコンテナーのログを確認します。<container_id>
を前述のコマンドの出力に一覧表示されているコンテナー ID に置き換えます。$ ssh core@<master-node>.<cluster_name>.<base_domain> sudo crictl logs -f <container_id>
注記Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) を実行する OpenShift Container Platform 4.17 クラスターノードは、イミュータブルです。クラスターの変更を適用するには、Operator を使用します。SSH を使用したクラスターノードへのアクセスは推奨されません。SSH 経由で診断データの収集を試行する前に、
oc adm must gather
およびその他のoc
コマンドを実行して収集されるデータが十分であるかどうかを確認してください。ただし、OpenShift Container Platform API が利用できない場合や、kubelet がターゲットノードで適切に機能しない場合、oc
操作がその影響を受けます。この場合は、代わりにssh core@<node>.<cluster_name>.<base_domain>
を使用してノードにアクセスできます。
- コントロールプレーンノードからプライマリーおよびセカンダリー DNS サーバー接続を検証します。
7.1.10. コントロールプレーンノードの kubelet および API サーバーの問題の調査
インストール時にコントロールプレーンノードの kubelet および API サーバーの問題を調査するには、DNS、DHCP、およびロードバランサーの機能を確認してください。また、証明書の有効期限が切れていないことを確認します。
前提条件
-
cluster-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 -
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。 - ホストへの SSH アクセスがあること。
- コントロールプレーンノードの完全修飾ドメイン名がある。
手順
-
API サーバーの DNS レコードがコントロールプレーンノードの kubelet を
https://api-int.<cluster_name>.<base_domain>:6443
にダイレクトすることを確認します。レコードがロードバランサーを参照することを確認します。 - ロードバランサーのポート 6443 定義が各コントロールプレーンノードを参照することを確認します。
- DHCP によって固有のコントロールプレーンノードのホスト名が指定されていることを確認します。
各コントロールプレーンノードで
kubelet.service
journald ユニットログを検査します。oc
を使用してログを取得します。$ oc adm node-logs --role=master -u kubelet
API が機能しない場合は、代わりに SSH を使用してログを確認します。
<master-node>.<cluster_name>.<base_domain>
を適切な値に置き換えます。$ ssh core@<master-node>.<cluster_name>.<base_domain> journalctl -b -f -u kubelet.service
注記Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) を実行する OpenShift Container Platform 4.17 クラスターノードは、イミュータブルです。クラスターの変更を適用するには、Operator を使用します。SSH を使用したクラスターノードへのアクセスは推奨されません。SSH 経由で診断データの収集を試行する前に、
oc adm must gather
およびその他のoc
コマンドを実行して収集されるデータが十分であるかどうかを確認してください。ただし、OpenShift Container Platform API が利用できない場合や、kubelet がターゲットノードで適切に機能しない場合、oc
操作がその影響を受けます。この場合は、代わりにssh core@<node>.<cluster_name>.<base_domain>
を使用してノードにアクセスできます。
コントロールプレーンノードの kubelet ログで証明書の有効期限のメッセージの有無を確認します。
oc
を使用してログを取得します。$ oc adm node-logs --role=master -u kubelet | grep -is 'x509: certificate has expired'
API が機能しない場合は、代わりに SSH を使用してログを確認します。
<master-node>.<cluster_name>.<base_domain>
を適切な値に置き換えます。$ ssh core@<master-node>.<cluster_name>.<base_domain> journalctl -b -f -u kubelet.service | grep -is 'x509: certificate has expired'
7.1.11. ワーカーノードのインストールに関連する問題の調査
ワーカーノードのインストールに問題がある場合には、ワーカーノードのステータスを確認できます。kubelet.service
、crio.service
journald ユニットログ、およびワーカーノードコンテナーログを収集し、ワーカーノードエージェント、CRI-O コンテナーランタイム、および Pod アクティビティーを可視化します。さらに、Ignition ファイルおよびマシン API Operator の機能を確認することもできます。ワーカーノードのインストール後の設定が失敗する場合は、Machine Config Operator (MCO) および DNS 機能を確認します。また、ブートストラップ、マスター、およびワーカーノード間のシステムクロックの同期を確認し、証明書を検証することもできます。
前提条件
-
cluster-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 -
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。 - ホストへの SSH アクセスがあること。
- ブートストラップおよびワーカーノードの完全修飾ドメイン名がある。
HTTP サーバーを使用して Ignition 設定ファイルをホストする場合、HTTP サーバーの完全修飾ドメイン名およびポート番号が必要です。HTTP ホストへの SSH アクセスも必要です。
注記初期の
kubeadmin
パスワードは、インストールホストの<install_directory>/auth/kubeadmin-password
にあります。
手順
- ワーカーノードのコンソールにアクセスできる場合は、ノードがログインプロンプトに到達するまでコンソールを監視します。インストール時に、Ignition ログメッセージはコンソールに出力されます。
Ignition ファイル設定を確認します。
HTTP サーバーを使用して Ignition 設定ファイルをホストする場合。
ワーカーノードの Ignition ファイル URL を確認します。
<http_server_fqdn>
を HTTP サーバーの完全修飾ドメイン名に置き換えます。$ curl -I http://<http_server_fqdn>:<port>/worker.ign 1
- 1
-I
オプションはヘッダーのみを返します。Ignition ファイルが指定された URL で利用可能な場合、コマンドは200 OK
ステータスを返します。これが利用できない場合は、コマンドは404 file not found
を返します。
Ignition ファイルがワーカーノードで受信されたことを確認するには、HTTP ホストの HTTP サーバーログをクエリーします。たとえば、Apache Web サーバーを使用して Ignition ファイルを提供する場合は、以下を考慮してください。
$ grep -is 'worker.ign' /var/log/httpd/access_log
ワーカー Ignition ファイルが受信される場合、関連付けられた
HTTP GET
ログメッセージには要求が成功したことを示す200 OK
の成功ステータスが含まれます。- Ignition ファイルが受信されなかった場合、これが提供側ホストに存在することを直接確認します。適切なファイルおよび Web サーバーのパーミッションが適用されていることを確認します。
クラウドプロバイダーのメカニズムを使用して Ignition 設定ファイルを初期デプロイメントの一部としてホストに挿入する場合。
- ワーカーノードのコンソールを確認し、ワーカーノードの Ignition ファイルを正しく挿入するメカニズムが機能しているかどうかを確認します。
- ワーカーノードの割り当てられたストレージデバイスの可用性を確認します。
- ワーカーノードに DHCP サーバーから IP アドレスが割り当てられていることを確認します。
ワーカーノードのステータスを判別します。
ノードのステータスをクエリーします。
$ oc get nodes
Ready
ステータスが表示されないワーカーノードの詳細なノードの説明を取得します。$ oc describe node <worker_node>
注記インストールの問題により OpenShift Container Platform API が実行できなくなったり、kubelet が各ノードでまだ実行されていない場合、
oc
コマンドを実行することはできません。
コントロールプレーンノードとは異なり、ワーカーノードは Machine API Operator を使用してデプロイされ、スケーリングされます。Machine API Operator のステータスを確認します。
Machine API Operator Pod のステータスを確認します。
$ oc get pods -n openshift-machine-api
Machine API Operator Pod のステータスが
Ready
ではない場合は、Pod のイベントを詳細に作成します。$ oc describe pod/<machine_api_operator_pod_name> -n openshift-machine-api
machine-api-operator
コンテナーログを検査します。コンテナーはmachine-api-operator
Pod 内で実行されます。$ oc logs pod/<machine_api_operator_pod_name> -n openshift-machine-api -c machine-api-operator
また、
kube-rbac-proxy
コンテナーログも検査します。コンテナーはmachine-api-operator
Pod 内でも実行されます。$ oc logs pod/<machine_api_operator_pod_name> -n openshift-machine-api -c kube-rbac-proxy
kubelet.service
journald ユニットログを、起動後のワーカーノードでモニターします。これにより、ワーカーノードエージェントのアクティビティーを可視化できます。oc
を使用してログを取得します。$ oc adm node-logs --role=worker -u kubelet
API が機能しない場合は、代わりに SSH を使用してログを確認します。
<worker-node>.<cluster_name>.<base_domain>
を適切な値に置き換えます。$ ssh core@<worker-node>.<cluster_name>.<base_domain> journalctl -b -f -u kubelet.service
注記Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) を実行する OpenShift Container Platform 4.17 クラスターノードは、イミュータブルです。クラスターの変更を適用するには、Operator を使用します。SSH を使用したクラスターノードへのアクセスは推奨されません。SSH 経由で診断データの収集を試行する前に、
oc adm must gather
およびその他のoc
コマンドを実行して収集されるデータが十分であるかどうかを確認してください。ただし、OpenShift Container Platform API が利用できない場合や、kubelet がターゲットノードで適切に機能しない場合、oc
操作がその影響を受けます。この場合は、代わりにssh core@<node>.<cluster_name>.<base_domain>
を使用してノードにアクセスできます。
起動後のワーカーノードで
crio.service
journald ユニットログを取得します。これにより、ワーカーノードの CRI-O コンテナーランタイムのアクティビティーを可視化できます。oc
を使用してログを取得します。$ oc adm node-logs --role=worker -u crio
API が機能しない場合は、代わりに SSH を使用してログを確認します。
$ ssh core@<worker-node>.<cluster_name>.<base_domain> journalctl -b -f -u crio.service
ワーカーノードの
/var/log/
の下にある特定のサブディレクトリーからログを収集します。/var/log/
サブディレクトリー内に含まれるログの一覧を取得します。以下の例は、すべてのワーカーノードの/var/log/sssd/
にあるファイルをリスト表示します。$ oc adm node-logs --role=worker --path=sssd
/var/log/
サブディレクトリー内の特定ログを確認します。以下の例では、すべてのワーカーノードから/var/log/sssd/audit.log
コンテンツを出力します。$ oc adm node-logs --role=worker --path=sssd/sssd.log
API が機能しない場合は、代わりに SSH を使用して各ノードのログを確認します。以下の例は、
/var/log/sssd/sssd.log
をベースとしています。$ ssh core@<worker-node>.<cluster_name>.<base_domain> sudo tail -f /var/log/sssd/sssd.log
SSH を使用してワーカーノードのコンテナーログを確認します。
コンテナーを一覧表示します。
$ ssh core@<worker-node>.<cluster_name>.<base_domain> sudo crictl ps -a
crictl
を使用してコンテナーのログを取得します。$ ssh core@<worker-node>.<cluster_name>.<base_domain> sudo crictl logs -f <container_id>
ワーカーノードの設定に問題がある場合には、MCO、MCO エンドポイント、および DNS レコードが機能していることを確認します。Machine Config Operator (MCO) は、インストール時にオペレーティングシステムの設定を管理します。システムクロックの精度と証明書の有効性も確認します。
MCO エンドポイントが利用可能かどうかをテストします。
<cluster_name>
を適切な値に置き換えます。$ curl https://api-int.<cluster_name>:22623/config/worker
- エンドポイントが応答しない場合は、ロードバランサーの設定を確認します。エンドポイントがポート 22623 で実行されるよう設定されていることを確認します。
MCO エンドポイントの DNS レコードが設定され、ロードバランサーに対して解決していることを確認します。
定義された MCO エンドポイント名の DNS ルックアップを実行します。
$ dig api-int.<cluster_name> @<dns_server>
ロードバランサーの割り当てられた MCO IP アドレスに対して逆引き参照を実行します。
$ dig -x <load_balancer_mco_ip_address> @<dns_server>
MCO がブートストラップノードから直接機能していることを確認します。
<bootstrap_fqdn>
をブートストラップノードの完全修飾ドメイン名に置き換えます。$ ssh core@<bootstrap_fqdn> curl https://api-int.<cluster_name>:22623/config/worker
システムクロックは、ブートストラップ、マスター、およびワーカーノード間で同期される必要があります。各ノードのシステムクロックの参照時間と時刻同期の統計を確認します。
$ ssh core@<node>.<cluster_name>.<base_domain> chronyc tracking
証明書の有効性を確認します。
$ openssl s_client -connect api-int.<cluster_name>:22623 | openssl x509 -noout -text
7.1.12. インストール後の Operator ステータスのクエリー
インストールの終わりに Operator のステータスを確認できます。利用できない Operator の診断データを取得します。Pending
と一覧表示されているか、エラーステータスのある Operator Pod のログを確認します。問題のある Pod によって使用されるベースイメージを検証します。
前提条件
-
cluster-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 -
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
クラスター Operator がすべてインストールの終わりに利用可能な状態であることを確認します。
$ oc get clusteroperators
必要な証明書署名要求 (CSR) がすべて承認されていることを確認します。一部のノードは
Ready
ステータスには移行さず、一部のクラスター Operator は保留中の CSR がある場合に利用できない可能性があります。CSR のステータスを確認し、クラスターに追加したそれぞれのマシンのクライアントおよびサーバー要求に
Pending
またはApproved
ステータスが表示されていることを確認します。$ oc get csr
出力例
NAME AGE REQUESTOR CONDITION csr-8b2br 15m system:serviceaccount:openshift-machine-config-operator:node-bootstrapper Pending 1 csr-8vnps 15m system:serviceaccount:openshift-machine-config-operator:node-bootstrapper Pending csr-bfd72 5m26s system:node:ip-10-0-50-126.us-east-2.compute.internal Pending 2 csr-c57lv 5m26s system:node:ip-10-0-95-157.us-east-2.compute.internal Pending ...
この例では、2 つのマシンがクラスターに参加しています。このリストにはさらに多くの承認された CSR が表示される可能性があります。
追加したマシンの保留中の CSR すべてが
Pending
ステータスになった後に CSR が承認されない場合には、クラスターマシンの CSR を承認します。注記CSR のローテーションは自動的に実行されるため、クラスターにマシンを追加後 1 時間以内に CSR を承認してください。1 時間以内に承認しない場合には、証明書のローテーションが行われ、各ノードに 3 つ以上の証明書が存在するようになります。これらの証明書すべてを承認する必要があります。最初の CSR の承認後、後続のノードクライアント CSR はクラスターの
kube-controller-manager
によって自動的に承認されます。注記ベアメタルおよび他の user-provisioned infrastructure などのマシン API ではないプラットフォームで実行されているクラスターの場合、kubelet 提供証明書要求 (CSR) を自動的に承認する方法を実装する必要があります。要求が承認されない場合、API サーバーが kubelet に接続する際に提供証明書が必須であるため、
oc exec
、oc rsh
、およびoc logs
コマンドは正常に実行できません。Kubelet エンドポイントにアクセスする操作には、この証明書の承認が必要です。この方法は新規 CSR の有無を監視し、CSR がsystem:node
またはsystem:admin
グループのnode-bootstrapper
サービスアカウントによって提出されていることを確認し、ノードのアイデンティティーを確認します。それらを個別に承認するには、それぞれの有効な CSR について以下のコマンドを実行します。
$ oc adm certificate approve <csr_name> 1
- 1
<csr_name>
は、現行の CSR のリストからの CSR の名前です。
すべての保留中の CSR を承認するには、以下のコマンドを実行します。
$ oc get csr -o go-template='{{range .items}}{{if not .status}}{{.metadata.name}}{{"\n"}}{{end}}{{end}}' | xargs oc adm certificate approve
Operator イベントを表示します。
$ oc describe clusteroperator <operator_name>
Operator の namespace 内で Operator Pod のステータスを確認します。
$ oc get pods -n <operator_namespace>
Running
ステータスを持たない Pod の詳細な説明を取得します。$ oc describe pod/<operator_pod_name> -n <operator_namespace>
Pod ログを検査します。
$ oc logs pod/<operator_pod_name> -n <operator_namespace>
Pod ベースイメージに関連する問題が発生した場合には、ベースイメージのステータスを確認します。
問題のある Pod で使用されるベースイメージの詳細を取得します。
$ oc get pod -o "jsonpath={range .status.containerStatuses[*]}{.name}{'\t'}{.state}{'\t'}{.image}{'\n'}{end}" <operator_pod_name> -n <operator_namespace>
ベースイメージのリリース情報をリスト表示します。
$ oc adm release info <image_path>:<tag> --commits
7.1.13. 失敗したインストールのログの収集
SSH キーをインストールプログラムに指定している場合、失敗したインストールに関するデータを収集することができます。
実行中のクラスターからログを収集する場合とは異なるコマンドを使用して失敗したインストールに関するログを収集します。実行中のクラスターからログを収集する必要がある場合は、oc adm must-gather
コマンドを使用します。
前提条件
- OpenShift Container Platform のインストールがブートストラッププロセスの終了前に失敗している。ブートストラップノードは実行中であり、SSH でアクセスできる。
-
ssh-agent
プロセスはコンピューター上でアクティブであり、ssh-agent
プロセスとインストールプログラムの両方に同じ SSH キーを提供している。 - 独自にプロビジョニングしたインフラストラクチャーにクラスターのインストールを試行した場合には、ブートストラップおよびコントロールプレーンノードの完全修飾ドメイン名がある。
手順
ブートストラップおよびコントロールプレーンマシンからインストールログを収集するために必要なコマンドを生成します。
installer-provisioned infrastructure を使用する場合は、インストールプログラムが含まれるディレクトリーに切り替え、以下のコマンドを実行します。
$ ./openshift-install gather bootstrap --dir <installation_directory> 1
- 1
installation_directory
は、./openshift-install create cluster
を実行した際に指定したディレクトリーです。このディレクトリーには、インストールプログラムが作成する OpenShift Container Platform 定義ファイルが含まれます。
installer-provisioned infrastructure の場合、インストールプログラムは、ホスト名または IP アドレスを指定しなくてもよいようにクラスターに関する情報を保存します。
各自でプロビジョニングしたインフラストラクチャーを使用した場合は、インストールプログラムが含まれるディレクトリーに切り替え、以下のコマンドを実行します。
$ ./openshift-install gather bootstrap --dir <installation_directory> \ 1 --bootstrap <bootstrap_address> \ 2 --master <master_1_address> \ 3 --master <master_2_address> \ 4 --master <master_3_address> 5
- 1
installation_directory
には、./openshift-install create cluster
を実行した際に指定したのと同じディレクトリーを指定します。このディレクトリーには、インストールプログラムが作成する OpenShift Container Platform 定義ファイルが含まれます。- 2
<bootstrap_address>
は、クラスターのブートストラップマシンの完全修飾ドメイン名または IP アドレスです。- 3 4 5
- クラスター内のそれぞれのコントロールプレーン (またはマスター) マシンについては、
<master_*_address>
をその完全修飾ドメイン名または IP アドレスに置き換えます。
注記デフォルトクラスターには 3 つのコントロールプレーンマシンが含まれます。クラスターが使用する数にかかわらず、表示されるようにすべてのコントロールプレーンマシンをリスト表示します。
出力例
INFO Pulling debug logs from the bootstrap machine INFO Bootstrap gather logs captured here "<installation_directory>/log-bundle-<timestamp>.tar.gz"
インストールの失敗に関する Red Hat サポートケースを作成する場合は、圧縮したログをケースに含めるようにしてください。
7.1.14. 関連情報
- OpenShift Container Platform のインストールタイプおよびプロセスに関する詳細は、インストールプロセス を参照してください。
7.2. ノードの健全性の確認
7.2.1. ノードのステータス、リソースの使用状況および設定の確認
クラスターノードの健全性ステータス、リソース消費統計、およびノードログを確認します。さらに、個別のノードで kubelet
ステータスをクエリーします。
前提条件
-
cluster-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 -
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
クラスターのすべてのノードの名前、ステータスおよびロールをリスト表示します。
$ oc get nodes
クラスター内の各ノードの CPU およびメモリーの使用状況を要約します。
$ oc adm top nodes
特定のノードの CPU およびメモリーの使用状況を要約します。
$ oc adm top node my-node
7.2.2. ノードにおける kubelet ステータスのクエリー
クラスターノードの健全性ステータス、リソース消費統計、およびノードログを確認できます。さらに、個別のノードで kubelet
ステータスをクエリーできます。
前提条件
-
cluster-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 - API サービスが機能している。
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
kubelet は各ノードの systemd サービスを使用して管理されます。デバッグ Pod 内で
kubelet
systemd サービスをクエリーし、kubelet のステータスを確認します。ノードのデバッグ Pod を起動します。
$ oc debug node/my-node
注記コントロールプレーンノードで
oc debug
を実行している場合は、/etc/kubernetes/static-pod-resources/kube-apiserver-certs/secrets/node-kubeconfigs
ディレクトリーに管理用kubeconfig
ファイルがあります。/host
をデバッグシェル内の root ディレクトリーとして設定します。デバッグ Pod は、Pod 内の/host
にホストの root ファイルシステムをマウントします。root ディレクトリーを/host
に変更すると、ホストの実行パスに含まれるバイナリーを実行できます。# chroot /host
注記Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) を実行する OpenShift Container Platform 4.17 クラスターノードは、イミュータブルです。クラスターの変更を適用するには、Operator を使用します。SSH を使用したクラスターノードへのアクセスは推奨されません。ただし、OpenShift Container Platform API が利用できない場合や、
kubelet
がターゲットノードで適切に機能しない場合、oc
操作がその影響を受けます。この場合は、代わりにssh core@<node>.<cluster_name>.<base_domain>
を使用してノードにアクセスできます。kubelet
systemd サービスがノードでアクティブかどうかを確認します。# systemctl is-active kubelet
より詳細な
kubelet.service
ステータスの要約を出力します。# systemctl status kubelet
7.2.3. クラスターノードジャーナルログのクエリー
個別のクラスターノードの /var/log
内で journald
ユニットログおよびその他のログを収集できます。
前提条件
-
cluster-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 -
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。 - API サービスが機能している。
- ホストへの SSH アクセスがあること。
手順
OpenShift Container Platform クラスターノードから
kubelet
のjournald
ユニットログをクエリーします。以下の例では、コントロールプレーンノードのみがクエリーされます。$ oc adm node-logs --role=master -u kubelet 1
- 1
- 他のユニットログをクエリーするために、
kubelet
を適宜置き換えます。
クラスターノードの
/var/log/
の下にある特定のサブディレクトリーからログを収集します。/var/log/
サブディレクトリー内に含まれるログの一覧を取得します。以下の例では、すべてのコントロールプレーンノードの/var/log/openshift-apiserver/
にあるファイルをリスト表示します。$ oc adm node-logs --role=master --path=openshift-apiserver
/var/log/
サブディレクトリー内の特定ログを確認します。以下の例は、すべてのコントロールプレーンノードから/var/log/openshift-apiserver/audit.log
コンテンツを出力します。$ oc adm node-logs --role=master --path=openshift-apiserver/audit.log
API が機能しない場合は、代わりに SSH を使用して各ノードのログを確認します。以下の例は、
/var/log/openshift-apiserver/audit.log
をベースとしています。$ ssh core@<master-node>.<cluster_name>.<base_domain> sudo tail -f /var/log/openshift-apiserver/audit.log
注記Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) を実行する OpenShift Container Platform 4.17 クラスターノードは、イミュータブルです。クラスターの変更を適用するには、Operator を使用します。SSH を使用したクラスターノードへのアクセスは推奨されません。SSH 経由で診断データの収集を試行する前に、
oc adm must gather
およびその他のoc
コマンドを実行して収集されるデータが十分であるかどうかを確認してください。ただし、OpenShift Container Platform API が利用できない場合や、kubelet がターゲットノードで適切に機能しない場合、oc
操作がその影響を受けます。この場合は、代わりにssh core@<node>.<cluster_name>.<base_domain>
を使用してノードにアクセスできます。
7.3. CRI-O コンテナーランタイムの問題のトラブルシューティング
7.3.1. CRI-O コンテナーランタイムエンジンについて
CRI-O は Kubernetes ネイティブコンテナーエンジン実装です。これはオペレーティングシステムに密接に統合し、Kubernetes の効率的で最適化されたエクスペリエンスを提供します。CRI-O コンテナーエンジンは、各 OpenShift Container Platform クラスターノードで systemd サービスとして実行されます。
コンテナーランタイムの問題が発生する場合は、各ノードの crio
systemd サービスのステータスを確認します。コンテナーのランタイムに問題があるノードから CRI-O journald ユニットログを収集します。
7.3.2. CRI-O ランタイムエンジンのステータスの確認
各クラスターノードで CRI-O コンテナーランタイムエンジンのステータスを確認できます。
前提条件
-
cluster-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 -
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
デバッグ Pod 内で、ノードの
crio
systemd サービスをクエリーして CRI-O ステータスを確認します。ノードのデバッグ Pod を起動します。
$ oc debug node/my-node
/host
をデバッグシェル内の root ディレクトリーとして設定します。デバッグ Pod は、Pod 内の/host
にホストの root ファイルシステムをマウントします。root ディレクトリーを/host
に変更すると、ホストの実行パスに含まれるバイナリーを実行できます。# chroot /host
注記Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) を実行する OpenShift Container Platform 4.17 クラスターノードは、イミュータブルです。クラスターの変更を適用するには、Operator を使用します。SSH を使用したクラスターノードへのアクセスは推奨されません。ただし、OpenShift Container Platform API が利用できない場合や、kubelet がターゲットノードで適切に機能しない場合、
oc
操作がその影響を受けます。この場合は、代わりにssh core@<node>.<cluster_name>.<base_domain>
を使用してノードにアクセスできます。crio
systemd サービスがノードでアクティブかどうかを確認します。# systemctl is-active crio
より詳細な
crio.service
ステータスの要約を出力します。# systemctl status crio.service
7.3.3. CRI-O の journald ユニットログの収集
CRI-O の問題が発生した場合には、ノードから CRI-O journald ユニットログを取得できます。
前提条件
-
cluster-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 - API サービスが機能している。
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。 - コントロールプレーンまたはコントロールプレーンマシンの完全修飾ドメイン名がある。
手順
CRI-O journald ユニットログを収集します。以下の例は、クラスター内のすべてのコントロールプレーンノードからログを収集します。
$ oc adm node-logs --role=master -u crio
特定のノードから CRI-O journald ユニットログを収集します。
$ oc adm node-logs <node_name> -u crio
API が機能しない場合は、代わりに SSH を使用してログを確認します。
<node>.<cluster_name>.<base_domain>
を適切な値に置き換えます。$ ssh core@<node>.<cluster_name>.<base_domain> journalctl -b -f -u crio.service
注記Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) を実行する OpenShift Container Platform 4.17 クラスターノードは、イミュータブルです。クラスターの変更を適用するには、Operator を使用します。SSH を使用したクラスターノードへのアクセスは推奨されません。SSH 経由で診断データの収集を試行する前に、
oc adm must gather
およびその他のoc
コマンドを実行して収集されるデータが十分であるかどうかを確認してください。ただし、OpenShift Container Platform API が利用できない場合や、kubelet がターゲットノードで適切に機能しない場合、oc
操作がその影響を受けます。この場合は、代わりにssh core@<node>.<cluster_name>.<base_domain>
を使用してノードにアクセスできます。
7.3.4. CRI-O ストレージの消去
以下の問題が発生した場合、CRI-O の一時ストレージを手動でクリアすることができます。
ノードがどの Pod でも実行できず、このエラーが表示される。
Failed to create pod sandbox: rpc error: code = Unknown desc = failed to mount container XXX: error recreating the missing symlinks: error reading name of symlink for XXX: open /var/lib/containers/storage/overlay/XXX/link: no such file or directory
作業ノードに新しいコンテナーを作成することができず、“can’t stat lower layer” というエラーが表示される。
can't stat lower layer ... because it does not exist. Going through storage to recreate the missing symlinks.
-
クラスターをアップグレードした後、またはノードを再起動しようとすると、ノードが
NotReady
状態になる。 -
コンテナーランタイム実装
(crio
) が正しく動作していない。 -
コンテナーランタイムインスタンス
(crio
) が動作していないため、oc debug node/<node_name>
を使用してノード上でデバッグシェルを開始できまない。
この手順で、CRI-O のストレージを完全に消去し、エラーを解消してください。
前提条件
-
cluster-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 -
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
ノードで
cordon
を使用します。これは、ノードがReady
状態になった場合に、ワークロードがスケジューリングされるのを防ぐためです。Status セクションにSchedulingDisabled
と表示されていれば、スケジューリングが無効になっていることがわかります。$ oc adm cordon <node_name>
cluster-admin ユーザーとして、ノードをドレインします。
$ oc adm drain <node_name> --ignore-daemonsets --delete-emptydir-data
注記Pod または Pod テンプレートの
terminateGracePeriodSeconds
属性は、正常な終了期間を制御します。この属性のデフォルトは 30 秒ですが、必要に応じてアプリケーションごとにカスタマイズできます。90 秒を超えて設定すると、Pod がSIGKILLed
とマークされ、正常に終了しない可能性があります。ノードが戻ってきたら、SSH またはコンソールでノードに接続し直します。その後、root ユーザーで接続します。
$ ssh core@node1.example.com $ sudo -i
kubelet を手動で停止します。
# systemctl stop kubelet
コンテナーや Pod を停止します。
以下のコマンドを使用して、
HostNetwork
にない Pod を停止します。これらが削除されるかどうかは、HostNetwork
にあるネットワークプラグイン Pod に左右されるので、先に削除する必要があります。.. for pod in $(crictl pods -q); do if [[ "$(crictl inspectp $pod | jq -r .status.linux.namespaces.options.network)" != "NODE" ]]; then crictl rmp -f $pod; fi; done
他のすべての Pod を停止します。
# crictl rmp -fa
crio のサービスを手動で停止します。
# systemctl stop crio
これらのコマンドを実行すると、一時ストレージを完全に消去することができます。
# crio wipe -f
crio および kubelet サービスを起動します。
# systemctl start crio # systemctl start kubelet
crio および kubelet サービスが起動しており、ノードが
Ready
のステータスになっている場合には、クリーンアップが正常に機能したことが分かります。$ oc get nodes
出力例
NAME STATUS ROLES AGE VERSION ci-ln-tkbxyft-f76d1-nvwhr-master-1 Ready, SchedulingDisabled master 133m v1.30.3
ノードをスケジューリング可能な状態にします。スケジューリングが有効になったことは、
SchedulingDisabled
のステータスがなくなったときにわかります。$ oc adm uncordon <node_name>
出力例
NAME STATUS ROLES AGE VERSION ci-ln-tkbxyft-f76d1-nvwhr-master-1 Ready master 133m v1.30.3
7.4. オペレーティングシステムの問題のトラブルシューティング
OpenShift Container Platform は RHCOS で実行されます。以下の手順に従って、オペレーティングシステムに関連する問題のトラブルシューティングを行うことができます。
7.4.1. カーネルクラッシュの調査
kexec-tools
パッケージに含まれる kdump
サービスは、クラッシュダンプメカニズムを提供します。このサービスを使用して、後で分析するためにシステムのメモリーの内容を保存できます。
x86_64
アーキテクチャーは一般提供 (GA) ステータスの kdump をサポートしますが、他のアーキテクチャーはテクノロジープレビュー (TP) ステータスの kdump をサポートします。
次の表は、さまざまなアーキテクチャーの kdump のサポートレベルに関する詳細を示しています。
アーキテクチャー | サポートレベル |
---|---|
|
GA |
|
TP |
|
TP |
|
TP |
表の中の、最初の 3 つのアーキテクチャーに対する Kdump サポートは、テクノロジープレビュー機能のみになります。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat 製品のサービスレベルアグリーメント (SLA) の対象外であり、機能的に完全ではないことがあります。Red Hat は、実稼働環境でこれらを使用することを推奨していません。テクノロジープレビューの機能は、最新の製品機能をいち早く提供して、開発段階で機能のテストを行いフィードバックを提供していただくことを目的としています。
Red Hat のテクノロジープレビュー機能のサポート範囲に関する詳細は、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。
7.4.1.1. kdump の有効化
RHCOS には kexec-tools
パッケージが同梱されていますが、kdump
サービスを有効にするには手動で設定する必要があります。
手順
RHCOS で kdump を有効にするには、以下の手順を実行します。
初回のカーネルの起動時にクラッシュカーネルのメモリーを確保するには、以下のコマンドを入力してカーネル引数を指定します。
# rpm-ostree kargs --append='crashkernel=256M'
注記ppc64le
プラットフォームの場合、crashkernel
の推奨値はcrashkernel=2G-4G:384M,4G-16G:512M,16G-64G:1G,64G-128G:2G,128G-:4G
です。オプション: デフォルトのローカルの
/var/crash
の場所ではなく、ネットワーク経由または他の場所にクラッシュダンプを書き込むには、/etc/kdump.conf
設定ファイルを編集します。注記ノードが LUKS 暗号化デバイスを使用している場合、kdump は LUKS 暗号化デバイスへのクラッシュダンプの保存をサポートしていないため、ネットワークダンプを使用する必要があります。
kdump
サービスの設定の詳細は、/etc/sysconfig/kdump
、/etc/kdump.conf
、およびkdump.conf
manual ページのコメントを参照してください。ダンプターゲットの設定に関する詳細は、RHEL kdump documentation も参照してください。重要プライマリーディスクでマルチパスが有効になっている場合、ダンプターゲットは NFS サーバーまたは SSH サーバーのいずれかである必要があり、
/etc/kdump.conf
設定ファイルからマルチパスモジュールを除外する必要があります。kdump
systemd サービスを有効にします。# systemctl enable kdump.service
システムを再起動します。
# systemctl reboot
-
kdump.service
systemd サービスが正常に開始および終了したこと、およびcat /sys/kernel/kexec_crash_loaded
コマンドが値1
を出力することを確認して、kdump がクラッシュカーネルをロードしたことを確認します。
7.4.1.2. Day-1 の kdump の有効化
kdump
サービスは、カーネルの問題をデバッグするために、ノードごとに有効にすることが意図されています。kdump の有効化にはコストがかかり、これらのコストは kdump が有効化されたノードを追加するたびに増えるため、kdump
サービスを必要な場合にのみ各ノードで有効にすことが推奨されます。各ノードで kdump
サービスを有効にする場合の潜在的なコストには、以下が含まれます。
- クラッシュカーネル用にメモリーが予約されているため、利用可能な RAM が少ない。
- カーネルがコアをダンプしている間にノードが利用できなくなる。
- 追加のストレージ容量がクラッシュダンプを保存するために使用される。
kdump
サービスを有効にすることに伴う不利な点やトレードオフを把握している場合には、クラスター全体で kdump を有効にすることができます。マシン固有のマシン設定はまだサポートされていませんが、Day 1 のカスタマイズとして MachineConfig
オブジェクトで systemd
ユニットを使用し、クラスター内のすべてのノードで kdump を有効にすることができます。MachineConfig
オブジェクトを作成し、そのオブジェクトをクラスターのセットアップ時に Ignition が使用するマニフェストファイルのセットに挿入することができます。
Ignition 設定の使用方法の詳細は、インストール → インストール設定 セクションの「ノードのカスタマイズ」を参照してください。
手順
クラスター全体の設定の MachineConfig
オブジェクトを作成します。
kdump を設定および有効にする Butane 設定ファイル 99-
99-worker-kdump.bu
を作成します。variant: openshift version: 4.17.0 metadata: name: 99-worker-kdump 1 labels: machineconfiguration.openshift.io/role: worker 2 openshift: kernel_arguments: 3 - crashkernel=256M storage: files: - path: /etc/kdump.conf 4 mode: 0644 overwrite: true contents: inline: | path /var/crash core_collector makedumpfile -l --message-level 7 -d 31 - path: /etc/sysconfig/kdump 5 mode: 0644 overwrite: true contents: inline: | KDUMP_COMMANDLINE_REMOVE="hugepages hugepagesz slub_debug quiet log_buf_len swiotlb" KDUMP_COMMANDLINE_APPEND="irqpoll nr_cpus=1 reset_devices cgroup_disable=memory mce=off numa=off udev.children-max=2 panic=10 rootflags=nofail acpi_no_memhotplug transparent_hugepage=never nokaslr novmcoredd hest_disable" 6 KEXEC_ARGS="-s" KDUMP_IMG="vmlinuz" systemd: units: - name: kdump.service enabled: true
- 1 2
- コントロールプレーンノードの
MachineConfig
オブジェクトの作成時に、両方の場所にあるworker
をmaster
に置き換えます。 - 3
- カーネル引数を指定して、クラッシュカーネル用にメモリーを予約します。必要に応じて、他のカーネル引数を追加できます。
ppc64le
プラットフォームの場合、crashkernel
の推奨値はcrashkernel=2G-4G:384M,4G-16G:512M,16G-64G:1G,64G-128G:2G,128G-:4G
です。 - 4
- デフォルトから
/etc/kdump.conf
の内容を変更する場合は、このセクションを追加し、インライン
のサブセクションを変更します。 - 5
/etc/sysconfig/kdump
の内容をデフォルトから変更する場合は、このセクションを追加し、随時、インライン
のサブセクションを変更します。- 6
ppc64le
プラットフォームの場合は、nr_cpus=1
をmaxcpus=1
に置き換えますが、これはこのプラットフォームではサポートされていません。
ダンプを NFS ターゲットにエクスポートするには、nfs
カーネルモジュールを設定ファイルに明示的に追加する必要があります。
/etc/kdump.conf
ファイルの例
nfs server.example.com:/export/cores core_collector makedumpfile -l --message-level 7 -d 31 extra_modules nfs
Butane を使用して、ノードに配信する設定が含まれる、マシン設定 YAML ファイル (
99-worker-kdump.yaml
) を生成します。$ butane 99-worker-kdump.bu -o 99-worker-kdump.yaml
クラスターのセットアップ中に、YAML ファイルを
<installation_directory>/manifests/
ディレクトリーに配置します。YAML ファイルを使用してクラスターの設定後にこのMachineConfig
オブジェクトを作成することもできます。$ oc create -f 99-worker-kdump.yaml
7.4.1.3. kdump 設定のテスト
kdump については、RHEL ドキュメントの Testing the kdump configuration セクションを参照してください。
7.4.1.4. コアダンプの分析
kdump については、RHEL ドキュメントの Analyzing a core dump セクションを参照してください。
別の RHEL システムで vmcore 分析を実行することが推奨されます。
関連情報
- RHEL での kdump の設定
- kdump に関する Linux カーネルドキュメント
-
kdump.conf(5): 利用可能なオプションの詳細なドキュメントを含む
/etc/kdump.conf
設定ファイルの man ページ -
kexec(8) —
kexec
パッケージの man ページ - kexec および kdump に関する Red Hat ナレッジの記事
7.4.2. Ignition の失敗のデバッグ
マシンをプロビジョニングできない場合、Ignition は失敗し、RHCOS は緊急シェルで起動します。デバッグ情報を取得するには、次の手順を使用します。
手順
次のコマンドを実行して、失敗したサービスユニットを表示します。
$ systemctl --failed
オプション: 個々のサービスユニットで次のコマンドを実行して、詳細を確認します。
$ journalctl -u <unit>.service
7.5. ネットワーク関連の問題のトラブルシューティング
7.5.1. ネットワークインターフェイスの選択方法
ベアメタルでのインストールや、複数のネットワークインターフェイスコントローラー (NIC) でのインストールの場合に、OpenShift Container Platform が Kubernetes API サーバーとの通信に使用する NIC は、ノードの起動時に systemd で実行される nodeip-configuration.service
サービスユニットによって決定されます。nodeip-configuration.service
は、デフォルトルートに関連付けられたインターフェイスから IP を選択します。
nodeip-configuration.service
サービスが正しい NIC を決定すると、このサービスは /etc/systemd/system/kubelet.service.d/20-nodenet.conf
ファイルを作成します。20-nodenet.conf
ファイルは、KUBELET_NODE_IP
環境変数を、サービスが選択した IP アドレスに設定します。
kubelet サービスの起動時に、20-nodenet.conf
ファイルから環境変数の値を読み取り、IP アドレスを --node-ip
kubelet コマンドライン引数に設定します。その結果、kubelet サービスは選択した IP アドレスをノード IP アドレスとして使用します。
インストール後にハードウェアまたはネットワークが再設定された場合、またはノード IP がデフォルトルートインターフェイスから取得されないネットワークレイアウトがある場合、再起動後に nodeip-configuration.service
サービスが別の NIC を選択する可能性があります。oc get nodes -o wide
コマンドの出力の INTERNAL-IP
列を確認して、別の NIC が選択されていることを確認できる場合があります。
別の NIC が選択されているためにネットワーク通信が中断または誤って設定されている場合、次のエラーが表示されることがあります: EtcdCertSignerControllerDegraded
。NODEIP_HINT
変数を含むヒントファイルを作成して、デフォルトの IP 選択ロジックをオーバーライドできます。詳細は、オプション: デフォルトのノード IP 選択ロジックのオーバーライドを参照してください。
7.5.1.1. オプション: デフォルトのノード IP 選択ロジックのオーバーライド
デフォルトの IP 選択ロジックをオーバーライドするには、NODEIP_HINT
変数を含むヒントファイルを作成して、デフォルトの IP 選択ロジックをオーバーライドします。ヒントファイルを作成すると、NODEIP_HINT
変数で指定された IP アドレスのサブネット内のインターフェイスから特定のノード IP アドレスを選択できます。
たとえば、ノードに 10.0.0.10/24
のアドレスを持つ eth0
と 192.0.2.5/24
のアドレスを持つ eth1
の 2 つのインターフェイスがあり、デフォルトルートが eth0
(10.0.0.10
) を指している場合、ノードの IP アドレスは通常、10.0.0.10
IP アドレスを使用します。
ユーザーは、別のサブネット 192.0.2.0/24
が選択されるように、サブネット内の既知の IP (たとえば、192.0.2.1
などのサブネットゲートウェイ) を指すように NODEIP_HINT
変数を設定できます。その結果、eth1
の 192.0.2.5
IP アドレスがノードに使用されます。
次の手順は、デフォルトのノード IP 選択ロジックをオーバーライドする方法を示しています。
手順
/etc/default/nodeip-configuration
ファイルにヒントファイルを追加します。たとえば、以下のようになります。NODEIP_HINT=192.0.2.1
重要-
192.0.2.5
など、ノードの正確な IP アドレスをヒントとして使用しないでください。ノードの正確な IP アドレスを使用すると、ヒント IP アドレスを使用するノードが正しく設定できなくなります。 - ヒントファイル内の IP アドレスは、正しいサブネットを決定するためにのみ使用されます。ヒントファイルに表示されるため、トラフィックを受信しません。
-
次のコマンドを実行して、
base-64
でエンコードされたコンテンツを生成します。$ echo -n 'NODEIP_HINT=192.0.2.1' | base64 -w0
出力例
Tk9ERUlQX0hJTlQ9MTkyLjAuMCxxxx==
クラスターをデプロイする前に、
master
ロールとworker
ロールの両方のマシン設定マニフェストを作成して、ヒントを有効にします。99-nodeip-hint-master.yaml
apiVersion: machineconfiguration.openshift.io/v1 kind: MachineConfig metadata: labels: machineconfiguration.openshift.io/role: master name: 99-nodeip-hint-master spec: config: ignition: version: 3.2.0 storage: files: - contents: source: data:text/plain;charset=utf-8;base64,<encoded_content> 1 mode: 0644 overwrite: true path: /etc/default/nodeip-configuration
- 1
<encoded_contents>
を/etc/default/nodeip-configuration
ファイルの base64 でエンコードされたコンテンツに置き換えます (例:Tk9ERUlQX0hJTlQ9MTkyLjAuMCxxxx==
)。コンマの後およびエンコードされたコンテンツの前にスペースを入れることはできないことに注意してください。
99-nodeip-hint-worker.yaml
apiVersion: machineconfiguration.openshift.io/v1 kind: MachineConfig metadata: labels: machineconfiguration.openshift.io/role: worker name: 99-nodeip-hint-worker spec: config: ignition: version: 3.2.0 storage: files: - contents: source: data:text/plain;charset=utf-8;base64,<encoded_content> 1 mode: 0644 overwrite: true path: /etc/default/nodeip-configuration
- 1
<encoded_contents>
を/etc/default/nodeip-configuration
ファイルの base64 でエンコードされたコンテンツに置き換えます (例:Tk9ERUlQX0hJTlQ9MTkyLjAuMCxxxx==
)。コンマの後およびエンコードされたコンテンツの前にスペースを入れることはできないことに注意してください。
-
~/clusterconfigs
など、クラスター設定を保存するディレクトリーにマニフェストを保存します。 - クラスターのデプロイ
7.5.1.2. セカンダリー OVS ブリッジを使用するように OVN-Kubernetes を設定する
追加または セカンダリー の Open vSwitch (OVS) ブリッジ br-ex1
を作成できます。このブリッジは、OVN-Kubernetes によって管理され、Multiple External Gateways (MEG) 実装が OpenShift Container Platform ノードの外部ゲートウェイを定義するために使用するものです。MEG は、AdminPolicyBasedExternalRoute
カスタムリソース (CR) で定義できます。MEG 実装は、複数のゲートウェイ、等コストマルチパス (ECMP) ルート、および双方向フォワーディング検出 (BFD) 実装へのアクセスを Pod に提供します。
Multiple External Gateways (MEG) 機能の影響を受ける Pod のユースケースを考えてみてください。たとえば、ノード上の別のインターフェイス (br-ex1
など) に Egress トラフィックを送信するとします。MEG の影響を受けない Pod の Egress トラフィックは、デフォルトの OVS br-ex
ブリッジにルーティングされます。
現在、MEG は、Egress IP、Egress ファイアウォール、Egress ルーターなどの他の Egress 機能との使用はサポートされていません。Egress IP などの Egress 機能で MEG を使用しようとすると、ルーティングとトラフィックフローの競合が発生する可能性があります。これは、OVN-Kubernetes がルーティングと送信元ネットワークアドレス変換 (SNAT) を処理する方法が原因で発生します。その結果、ルーティングに一貫性がなくなり、戻りパスが着信パスをパッチする必要がある一部の環境では接続が切断される可能性があります。
追加のブリッジは、マシン設定マニフェストファイルのインターフェイス定義で定義する必要があります。Machine Config Operator が、このマニフェストを使用して、ホスト上の /etc/ovnk/extra_bridge
に新しいファイルを作成します。この新しいファイルには、追加の OVS ブリッジがノード用に設定するネットワークインターフェイスの名前が含まれています。
マニフェストファイルを作成して編集すると、Machine Config Operator は次の順序でタスクを完了します。
- 選択したマシン設定プールに基づいて、単一の順序でノードをドレインします。
-
各ノードに Ignition 設定ファイルを挿入し、各ノードが追加の
br-ex1
ブリッジネットワーク設定を受信するようにします。 -
br-ex
の MAC アドレスが、br-ex
がネットワーク接続に使用するインターフェイスの MAC アドレスと一致していることを確認します。 -
新しいインターフェイス定義を参照する
configure-ovs.sh
シェルスクリプトを実行します。 -
br-ex
とbr-ex1
をホストノードに追加します。 - ノードをスケジューリング対象に戻します。
すべてのノードが Ready
状態に戻り、OVN-Kubernetes Operator が br-ex
と br-ex1
を検出して設定した後、Operator は各ノードに k8s.ovn.org/l3-gateway-config
アノテーションを適用します。
追加の br-ex1
ブリッジが役立つ状況と、デフォルトの br-ex
ブリッジが常に必要な状況の詳細は、「ローカルネットトポロジーの設定」を参照してください。
手順
オプション: 次の手順を実行して、追加のブリッジ
br-ex1
が使用できるインターフェイス接続を作成します。この手順の例では、新しいボンディングとその依存インターフェイスを作成する方法を示しています。これらはすべて、マシン設定マニフェストファイルで定義されています。追加のブリッジは、MachineConfig
オブジェクトを使用して追加のボンディングインターフェイスを形成します。重要追加のインターフェイスを定義するために、Kubernetes NMState Operator や
NodeNetworkConfigurationPolicy
(NNCP) マニフェストファイルを使用しないでください。また、
bond
インターフェイスを定義するときには、追加のインターフェイスまたはサブインターフェイスが既存のbr-ex
OVN Kubernetes ネットワークデプロイメントで使用されていないことを確認してください。次のインターフェイス定義ファイルを作成します。以下のファイルは、ホストノードが定義ファイルにアクセスできるように、マシン設定マニフェストファイルに追加されます。
1 番目のインターフェイス定義ファイルの例 (
eno1.config
)[connection] id=eno1 type=ethernet interface-name=eno1 master=bond1 slave-type=bond autoconnect=true autoconnect-priority=20
2 番目のインターフェイス定義ファイルの例 (
eno2.config
)[connection] id=eno2 type=ethernet interface-name=eno2 master=bond1 slave-type=bond autoconnect=true autoconnect-priority=20
2 番目のボンディングインターフェイス定義ファイルの例 (
bond1.config
)[connection] id=bond1 type=bond interface-name=bond1 autoconnect=true connection.autoconnect-slaves=1 autoconnect-priority=20 [bond] mode=802.3ad miimon=100 xmit_hash_policy="layer3+4" [ipv4] method=auto
次のコマンドを実行して、定義ファイルを Base64 でエンコードされた文字列に変換します。
$ base64 <directory_path>/en01.config
$ base64 <directory_path>/eno2.config
$ base64 <directory_path>/bond1.config
環境変数を準備します。
<machine_role>
を、worker
などのノードロールに置き換え、<interface_name>
を追加のbr-ex
ブリッジ名に置き換えます。$ export ROLE=<machine_role>
マシン設定マニフェストファイルで各インターフェイス定義を定義します。
bond1
、eno1
、en02
の定義を追加したマシン設定ファイルの例apiVersion: machineconfiguration.openshift.io/v1 kind: MachineConfig metadata: labels: machineconfiguration.openshift.io/role: ${worker} name: 12-${ROLE}-sec-bridge-cni spec: config: ignition: version: 3.2.0 storage: files: - contents: source: data:;base64,<base-64-encoded-contents-for-bond1.conf> path: /etc/NetworkManager/system-connections/bond1.nmconnection filesystem: root mode: 0600 - contents: source: data:;base64,<base-64-encoded-contents-for-eno1.conf> path: /etc/NetworkManager/system-connections/eno1.nmconnection filesystem: root mode: 0600 - contents: source: data:;base64,<base-64-encoded-contents-for-eno2.conf> path: /etc/NetworkManager/system-connections/eno2.nmconnection filesystem: root mode: 0600 # ...
ターミナルで次のコマンドを入力して、ネットワークプラグインを設定するためのマシン設定マニフェストファイルを作成します。
$ oc create -f <machine_config_file_name>
OVN-Kubernetes ネットワークプラグインを使用して
extra_bridge
ファイルを作成し、ノード上に Open vSwitch (OVS) ブリッジbr-ex1
を作成します。このファイルは、ホストの/etc/ovnk/extra_bridge
パスに保存します。ファイルには、ノードのプライマリー IP アドレスを保持するbr-ex
をサポートするデフォルトのインターフェイスではなく、追加のブリッジをサポートするインターフェイスの名前を記述する必要があります。追加のインターフェイスを参照する
extra_bridge
ファイル/etc/ovnk/extra_bridge
の設定例bond1
クラスターで再起動されるノードで
br-ex1
をホストする既存の静的インターフェイスを定義したマシン設定マニフェストファイルを作成します。br-ex1
をホストするインターフェイスとしてbond1
を定義したマシン設定ファイルの例apiVersion: machineconfiguration.openshift.io/v1 kind: MachineConfig metadata: labels: machineconfiguration.openshift.io/role: ${worker} name: 12-worker-extra-bridge spec: config: ignition: version: 3.2.0 storage: files: - path: /etc/ovnk/extra_bridge mode: 0420 overwrite: true contents: source: data:text/plain;charset=utf-8,bond1 filesystem: root
選択したノードにマシン設定を適用します。
$ oc create -f <machine_config_file_name>
オプション:
/var/lib/ovnk/iface_default_hint
リソースを作成するマシン設定ファイルを作成することにより、ノードのbr-ex
選択ロジックをオーバーライドできます。注記このリソースには、
br-ex
がクラスター用に選択するインターフェイスの名前がリストされます。br-ex
は、デフォルトで、ブート順序とマシンネットワーク内の IP アドレスサブネットに基づいて、ノードのプライマリーインターフェイスを選択します。マシンネットワークの設定によっては、ホストノードのデフォルトのインターフェイスまたはボンディングを引き続きbr-ex
が選択する必要があります。ホストノードに、デフォルトのインターフェイスをオーバーライドするためのマシン設定ファイルを作成します。
重要このマシン設定ファイルは、
br-ex
選択ロジックを変更する目的でのみ作成します。このファイルを使用してクラスター内の既存のノードの IP アドレスを変更することはサポートされていません。デフォルトのインターフェイスをオーバーライドするマシン設定ファイルの例
apiVersion: machineconfiguration.openshift.io/v1 kind: MachineConfig metadata: labels: machineconfiguration.openshift.io/role: ${worker} name: 12-worker-br-ex-override spec: config: ignition: version: 3.2.0 storage: files: - path: /var/lib/ovnk/iface_default_hint mode: 0420 overwrite: true contents: source: data:text/plain;charset=utf-8,bond0 1 filesystem: root
- 1
- マシン設定ファイルをノードに適用する前に、ノードに
bond0
が存在することを確認します。
-
クラスター内のすべての新しいノードに設定を適用する前に、ホストノードを再起動して、
br-ex
が目的のインターフェイスを選択し、br-ex1
で定義した新しいインターフェイスと競合しないことを検証します。 クラスター内のすべての新しいノードにマシン設定ファイルを適用します。
$ oc create -f <machine_config_file_name>
検証
クラスター内の
exgw-ip-addresses
ラベルを持つノードの IP アドレスを特定し、ノードがデフォルトのブリッジではなく追加のブリッジを使用していることを確認します。$ oc get nodes -o json | grep --color exgw-ip-addresses
出力例
"k8s.ovn.org/l3-gateway-config": \"exgw-ip-address\":\"172.xx.xx.yy/24\",\"next-hops\":[\"xx.xx.xx.xx\"],
ホストノードのネットワークインターフェイス名を確認して、ターゲットノードに追加のブリッジが存在することを確認します。
$ oc debug node/<node_name> -- chroot /host sh -c "ip a | grep mtu | grep br-ex"
出力例
Starting pod/worker-1-debug ... To use host binaries, run `chroot /host` # ... 5: br-ex: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc noqueue state UNKNOWN group default qlen 1000 6: br-ex1: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc noqueue state UNKNOWN group default qlen 1000
オプション:
/var/lib/ovnk/iface_default_hint
を使用する場合は、br-ex
の MAC アドレスが、選択したプライマリーインターフェイスの MAC アドレスと一致していることを確認します。$ oc debug node/<node_name> -- chroot /host sh -c "ip a | grep -A1 -E 'br-ex|bond0'
br-ex
のプライマリーインターフェイスがbond0
であることを示す出力例Starting pod/worker-1-debug ... To use host binaries, run `chroot /host` # ... sh-5.1# ip a | grep -A1 -E 'br-ex|bond0' 2: bond0: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc fq_codel master ovs-system state UP group default qlen 1000 link/ether fa:16:3e:47:99:98 brd ff:ff:ff:ff:ff:ff -- 5: br-ex: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc noqueue state UNKNOWN group default qlen 1000 link/ether fa:16:3e:47:99:98 brd ff:ff:ff:ff:ff:ff inet 10.xx.xx.xx/21 brd 10.xx.xx.255 scope global dynamic noprefixroute br-ex
7.5.2. Open vSwitch の問題のトラブルシューティング
Open vSwitch(OVS) の問題をトラブルシューティングするためには、より多くの情報を含むようにログレベルを設定する必要があるかもしれません。
ノードのログレベルを一時的に変更した場合、次の例のようにノード上のマシン設定デーモンからログメッセージを受信することがあるので注意が必要です。
E0514 12:47:17.998892 2281 daemon.go:1350] content mismatch for file /etc/systemd/system/ovs-vswitchd.service: [Unit]
不一致に関連するログメッセージを回避するには、トラブルシューティングが完了した後に、ログレベルの変更を元に戻してください。
7.5.2.1. Open vSwitch のログレベルの一時的な設定
短期間のトラブルシューティングのために、Open vSwitch(OVS) のログレベルを一時的に設定することができます。以下の手順では、ノードを再起動する必要はありません。また、ノードを再起動した場合、設定の変更は保持されません。
この手順を実行してログレベルを変更した後、ovs-vswitchd.service
のコンテンツの不一致を示すログメッセージをマシン設定デーモンから受け取ることがあります。ログメッセージが表示されないようにするには、この手順を繰り返し、ログレベルを元の値に設定してください。
前提条件
-
cluster-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 -
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
ノードのデバッグ Pod を起動します。
$ oc debug node/<node_name>
/host
をデバッグシェル内の root ディレクトリーとして設定します。デバッグ Pod は、Pod 内の/host
にホストからのルートファイルシステムをマウントします。ルートディレクトリーを/host
に変更すると、ホストファイルシステムからのバイナリーを実行できます。# chroot /host
OVS モジュールの現在の syslog レベルを表示します。
# ovs-appctl vlog/list
次の出力例では、syslog のログレベルが
info
に設定されています。出力例
console syslog file ------- ------ ------ backtrace OFF INFO INFO bfd OFF INFO INFO bond OFF INFO INFO bridge OFF INFO INFO bundle OFF INFO INFO bundles OFF INFO INFO cfm OFF INFO INFO collectors OFF INFO INFO command_line OFF INFO INFO connmgr OFF INFO INFO conntrack OFF INFO INFO conntrack_tp OFF INFO INFO coverage OFF INFO INFO ct_dpif OFF INFO INFO daemon OFF INFO INFO daemon_unix OFF INFO INFO dns_resolve OFF INFO INFO dpdk OFF INFO INFO ...
etc/systemd/system/ovs-vswitchd.service.d/10-ovs-vswitchd-restart.conf
ファイルでログレベルを指定します。Restart=always ExecStartPre=-/bin/sh -c '/usr/bin/chown -R :$${OVS_USER_ID##*:} /var/lib/openvswitch' ExecStartPre=-/bin/sh -c '/usr/bin/chown -R :$${OVS_USER_ID##*:} /etc/openvswitch' ExecStartPre=-/bin/sh -c '/usr/bin/chown -R :$${OVS_USER_ID##*:} /run/openvswitch' ExecStartPost=-/usr/bin/ovs-appctl vlog/set syslog:dbg ExecReload=-/usr/bin/ovs-appctl vlog/set syslog:dbg
前述の例では、ログレベルは
dbg
に設定されています。syslog:<log_level>
をoff
、emer
、err
、warn
、info
、またはdbg
に設定することで、最後の 2 行を変更します。ログレベルoff
では、すべてのログメッセージが除外されます。サービスを再起動します。
# systemctl daemon-reload
# systemctl restart ovs-vswitchd
7.5.2.2. Open vSwitch のログレベルの恒久的な設定
Open vSwitch(OVS) のログレベルを長期的に変更する場合は、ログレベルを恒久的に変更することができます。
前提条件
-
cluster-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 -
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
以下の例のような
MachineConfig
オブジェクトで、99-change-ovs-loglevel.yaml
のようなファイルを作成します。apiVersion: machineconfiguration.openshift.io/v1 kind: MachineConfig metadata: labels: machineconfiguration.openshift.io/role: master 1 name: 99-change-ovs-loglevel spec: config: ignition: version: 3.2.0 systemd: units: - dropins: - contents: | [Service] ExecStartPost=-/usr/bin/ovs-appctl vlog/set syslog:dbg 2 ExecReload=-/usr/bin/ovs-appctl vlog/set syslog:dbg name: 20-ovs-vswitchd-restart.conf name: ovs-vswitchd.service
マシン設定を適用します。
$ oc apply -f 99-change-ovs-loglevel.yaml
7.5.2.3. Open vSwitch のログの表示
Open vSwitch(OVS) のログを表示するには、以下の手順で行います。
前提条件
-
cluster-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 -
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
以下のコマンドのいずれかを実行します。
クラスター外から
oc
コマンドを使用してログを表示する。$ oc adm node-logs <node_name> -u ovs-vswitchd
クラスター内のノードにログオンした後にログを表示する。
# journalctl -b -f -u ovs-vswitchd.service
ノードにログオンする 1 つの方法は、
oc debug node/<node_name>
コマンドを使用することです。
7.6. Operator 関連の問題のトラブルシューティング
Operator は、OpenShift Container Platform アプリケーションをパッケージ化し、デプロイし、管理する方法です。Operator はソフトウェアベンダーのエンジニアリングチームの拡張機能のように動作し、OpenShift Container Platform 環境を監視し、その最新状態に基づいてリアルタイムの意思決定を行います。Operator はアップグレードをシームレスに実行し、障害に自動的に対応するように設計されており、時間の節約のためにソフトウェアのバックアッププロセスを省略するなどのショートカットを実行することはありません。
OpenShift Container Platform 4.17 には、クラスターが適切に機能するために必要なデフォルトの Operator セットが含まれています。これらのデフォルト Operator は Cluster Version Operator (CVO) によって管理されます。
クラスター管理者は、OpenShift Container Platform Web コンソールまたは CLI を使用して OperatorHub からアプリケーション Operator をインストールできます。その後、Operator を 1 つまたは複数の namespace にサブスクライブし、クラスター上で開発者が使用できるようにできます。アプリケーション Operator は Operator Lifecycle Manager (OLM) によって管理されます。
Operator に問題が発生した場合には、Operator Subscription のステータスを確認します。クラスター全体で Operator Pod の正常性を確認し、診断用に Operator ログを収集します。
7.6.1. Operator サブスクリプションの状態のタイプ
サブスクリプションは状態に関する以下のタイプを報告します。
状態 | 説明 |
---|---|
| 解決に使用される一部のまたはすべてのカタログソースは正常ではありません。 |
| サブスクリプションのインストール計画がありません。 |
| サブスクリプションのインストール計画はインストールの保留中です。 |
| サブスクリプションのインストール計画が失敗しました。 |
| サブスクリプションの依存関係の解決に失敗しました。 |
デフォルトの OpenShift Container Platform Cluster Operator は Cluster Version Operator (CVO) によって管理され、これらの Operator には Subscription
オブジェクトがありません。アプリケーション Operator は Operator Lifecycle Manager (OLM) によって管理され、それらには Subscription
オブジェクトがあります。
関連情報
7.6.2. CLI を使用した Operator サブスクリプションステータスの表示
CLI を使用して Operator サブスクリプションステータスを表示できます。
前提条件
-
cluster-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 -
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
Operator サブスクリプションをリスト表示します。
$ oc get subs -n <operator_namespace>
oc describe
コマンドを使用して、Subscription
リソースを検査します。$ oc describe sub <subscription_name> -n <operator_namespace>
コマンド出力で、
Conditions
セクションで Operator サブスクリプションの状態タイプのステータスを確認します。以下の例では、利用可能なすべてのカタログソースが正常であるため、CatalogSourcesUnhealthy
状態タイプのステータスはfalse
になります。出力例
Name: cluster-logging Namespace: openshift-logging Labels: operators.coreos.com/cluster-logging.openshift-logging= Annotations: <none> API Version: operators.coreos.com/v1alpha1 Kind: Subscription # ... Conditions: Last Transition Time: 2019-07-29T13:42:57Z Message: all available catalogsources are healthy Reason: AllCatalogSourcesHealthy Status: False Type: CatalogSourcesUnhealthy # ...
デフォルトの OpenShift Container Platform Cluster Operator は Cluster Version Operator (CVO) によって管理され、これらの Operator には Subscription
オブジェクトがありません。アプリケーション Operator は Operator Lifecycle Manager (OLM) によって管理され、それらには Subscription
オブジェクトがあります。
7.6.3. CLI を使用した Operator カタログソースのステータス表示
Operator カタログソースのステータスは、CLI を使用して確認できます。
前提条件
-
cluster-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 -
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
namespace のカタログソースをリスト表示します。たとえば、クラスター全体のカタログソースに使用されている
openshift-marketplace
namespace を確認することができます。$ oc get catalogsources -n openshift-marketplace
出力例
NAME DISPLAY TYPE PUBLISHER AGE certified-operators Certified Operators grpc Red Hat 55m community-operators Community Operators grpc Red Hat 55m example-catalog Example Catalog grpc Example Org 2m25s redhat-marketplace Red Hat Marketplace grpc Red Hat 55m redhat-operators Red Hat Operators grpc Red Hat 55m
カタログソースの詳細やステータスを確認するには、
oc describe
コマンドを使用します。$ oc describe catalogsource example-catalog -n openshift-marketplace
出力例
Name: example-catalog Namespace: openshift-marketplace Labels: <none> Annotations: operatorframework.io/managed-by: marketplace-operator target.workload.openshift.io/management: {"effect": "PreferredDuringScheduling"} API Version: operators.coreos.com/v1alpha1 Kind: CatalogSource # ... Status: Connection State: Address: example-catalog.openshift-marketplace.svc:50051 Last Connect: 2021-09-09T17:07:35Z Last Observed State: TRANSIENT_FAILURE Registry Service: Created At: 2021-09-09T17:05:45Z Port: 50051 Protocol: grpc Service Name: example-catalog Service Namespace: openshift-marketplace # ...
前述の出力例では、最後に観測された状態が
TRANSIENT_FAILURE
となっています。この状態は、カタログソースの接続確立に問題があることを示しています。カタログソースが作成された namespace の Pod をリストアップします。
$ oc get pods -n openshift-marketplace
出力例
NAME READY STATUS RESTARTS AGE certified-operators-cv9nn 1/1 Running 0 36m community-operators-6v8lp 1/1 Running 0 36m marketplace-operator-86bfc75f9b-jkgbc 1/1 Running 0 42m example-catalog-bwt8z 0/1 ImagePullBackOff 0 3m55s redhat-marketplace-57p8c 1/1 Running 0 36m redhat-operators-smxx8 1/1 Running 0 36m
namespace にカタログソースを作成すると、その namespace にカタログソース用の Pod が作成されます。前述の出力例では、
example-catalog-bwt8z
Pod のステータスがImagePullBackOff
になっています。このステータスは、カタログソースのインデックスイメージのプルに問題があることを示しています。oc describe
コマンドを使用して、より詳細な情報を得るために Pod を検査します。$ oc describe pod example-catalog-bwt8z -n openshift-marketplace
出力例
Name: example-catalog-bwt8z Namespace: openshift-marketplace Priority: 0 Node: ci-ln-jyryyg2-f76d1-ggdbq-worker-b-vsxjd/10.0.128.2 ... Events: Type Reason Age From Message ---- ------ ---- ---- ------- Normal Scheduled 48s default-scheduler Successfully assigned openshift-marketplace/example-catalog-bwt8z to ci-ln-jyryyf2-f76d1-fgdbq-worker-b-vsxjd Normal AddedInterface 47s multus Add eth0 [10.131.0.40/23] from openshift-sdn Normal BackOff 20s (x2 over 46s) kubelet Back-off pulling image "quay.io/example-org/example-catalog:v1" Warning Failed 20s (x2 over 46s) kubelet Error: ImagePullBackOff Normal Pulling 8s (x3 over 47s) kubelet Pulling image "quay.io/example-org/example-catalog:v1" Warning Failed 8s (x3 over 47s) kubelet Failed to pull image "quay.io/example-org/example-catalog:v1": rpc error: code = Unknown desc = reading manifest v1 in quay.io/example-org/example-catalog: unauthorized: access to the requested resource is not authorized Warning Failed 8s (x3 over 47s) kubelet Error: ErrImagePull
前述の出力例では、エラーメッセージは、カタログソースのインデックスイメージが承認問題のために正常にプルできないことを示しています。例えば、インデックスイメージがログイン認証情報を必要とするレジストリーに保存されている場合があります。
7.6.4. Operator Pod ステータスのクエリー
クラスター内の Operator Pod およびそれらのステータスをリスト表示できます。詳細な Operator Pod の要約を収集することもできます。
前提条件
-
cluster-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 - API サービスが機能している。
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
クラスターで実行されている Operator をリスト表示します。出力には、Operator バージョン、可用性、およびアップタイムの情報が含まれます。
$ oc get clusteroperators
Operator の namespace で実行されている Operator Pod をリスト表示し、Pod のステータス、再起動、および経過時間をリスト表示します。
$ oc get pod -n <operator_namespace>
詳細な Operator Pod の要約を出力します。
$ oc describe pod <operator_pod_name> -n <operator_namespace>
Operator の問題がノード固有の問題である場合、そのノードで Operator コンテナーのステータスをクエリーします。
ノードのデバッグ Pod を起動します。
$ oc debug node/my-node
/host
をデバッグシェル内の root ディレクトリーとして設定します。デバッグ Pod は、Pod 内の/host
にホストの root ファイルシステムをマウントします。root ディレクトリーを/host
に変更すると、ホストの実行パスに含まれるバイナリーを実行できます。# chroot /host
注記Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) を実行する OpenShift Container Platform 4.17 クラスターノードは、イミュータブルです。クラスターの変更を適用するには、Operator を使用します。SSH を使用したクラスターノードへのアクセスは推奨されません。ただし、OpenShift Container Platform API が利用できない場合や、kubelet がターゲットノードで適切に機能しない場合、
oc
操作がその影響を受けます。この場合は、代わりにssh core@<node>.<cluster_name>.<base_domain>
を使用してノードにアクセスできます。状態および関連付けられた Pod ID を含む、ノードのコンテナーの詳細をリスト表示します。
# crictl ps
ノード上の特定の Operator コンテナーに関する情報をリスト表示します。以下の例では、
network-operator
コンテナーに関する情報をリスト表示します。# crictl ps --name network-operator
- デバッグシェルを終了します。
7.6.5. Operator ログの収集
Operator の問題が発生した場合、Operator Pod ログから詳細な診断情報を収集できます。
前提条件
-
cluster-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 - API サービスが機能している。
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。 - コントロールプレーンまたはコントロールプレーンマシンの完全修飾ドメイン名がある。
手順
Operator の namespace で実行されている Operator Pod、Pod のステータス、再起動、および経過時間をリスト表示します。
$ oc get pods -n <operator_namespace>
Operator Pod のログを確認します。
$ oc logs pod/<pod_name> -n <operator_namespace>
Operator Pod に複数のコンテナーがある場合、前述のコマンドにより各コンテナーの名前が含まれるエラーが生成されます。個別のコンテナーからログをクエリーします。
$ oc logs pod/<operator_pod_name> -c <container_name> -n <operator_namespace>
API が機能しない場合には、代わりに SSH を使用して各コントロールプレーンノードで Operator Pod およびコンテナーログを確認します。
<master-node>.<cluster_name>.<base_domain>
を適切な値に置き換えます。各コントロールプレーンノードの Pod をリスト表示します。
$ ssh core@<master-node>.<cluster_name>.<base_domain> sudo crictl pods
Operator Pod で
Ready
ステータスが表示されない場合は、Pod のステータスを詳細に検査します。<operator_pod_id>
を直前のコマンドの出力にリスト表示されている Operator Pod の ID に置き換えます。$ ssh core@<master-node>.<cluster_name>.<base_domain> sudo crictl inspectp <operator_pod_id>
Operator Pod に関連するコンテナーをリスト表示します。
$ ssh core@<master-node>.<cluster_name>.<base_domain> sudo crictl ps --pod=<operator_pod_id>
Ready
ステータスが Operator コンテナーに表示されない場合は、コンテナーのステータスを詳細に検査します。<container_id>
を前述のコマンドの出力に一覧表示されているコンテナー ID に置き換えます。$ ssh core@<master-node>.<cluster_name>.<base_domain> sudo crictl inspect <container_id>
Ready
ステータスが表示されない Operator コンテナーのログを確認します。<container_id>
を前述のコマンドの出力に一覧表示されているコンテナー ID に置き換えます。$ ssh core@<master-node>.<cluster_name>.<base_domain> sudo crictl logs -f <container_id>
注記Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) を実行する OpenShift Container Platform 4.17 クラスターノードは、イミュータブルです。クラスターの変更を適用するには、Operator を使用します。SSH を使用したクラスターノードへのアクセスは推奨されません。SSH 経由で診断データの収集を試行する前に、
oc adm must gather
およびその他のoc
コマンドを実行して収集されるデータが十分であるかどうかを確認してください。ただし、OpenShift Container Platform API が利用できない場合や、kubelet がターゲットノードで適切に機能しない場合、oc
操作がその影響を受けます。この場合は、代わりにssh core@<node>.<cluster_name>.<base_domain>
を使用してノードにアクセスできます。
7.6.6. Machine Config Operator の自動再起動の無効化
設定変更が Machine Config Operator (MCO) によって行われる場合、Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) を再起動して変更を反映する必要があります。設定の変更が自動または手動であるかどうかにかかわらず、RHCOS ノードは、一時停止されない限り自動的に再起動します。
以下の変更は、ノードの再起動をトリガーしません。
MCO が以下の変更のいずれかを検出すると、ノードのドレインまたは再起動を行わずに更新を適用します。
-
マシン設定の
spec.config.passwd.users.sshAuthorizedKeys
パラメーターの SSH キーの変更。 -
openshift-config
namespace でのグローバルプルシークレットまたはプルシークレットへの変更 -
Kubernetes API Server Operator による
/etc/kubernetes/kubelet-ca.crt
認証局 (CA) の自動ローテーション。
-
マシン設定の
MCO は、
/etc/containers/registries.conf
ファイルへの変更 (ImageDigestMirrorSet
、ImageTagMirrorSet
、またはImageContentSourcePolicy
オブジェクトの追加や編集など) を検出すると、対応するノードをドレインし、変更を適用し、ノードの分離を解除します。次の変更ではノードドレインは発生しません。-
pull-from-mirror = "digest-only"
パラメーターがミラーごとに設定されたレジストリーの追加。 -
pull-from-mirror = "digest-only"
パラメーターがレジストリーに設定されたミラーの追加。 -
unqualified-search-registries
へのアイテムの追加。
-
不要な中断を防ぐために、マシン設定プール (MCP) を変更して、Operator がマシン設定を変更した後に自動再起動を防ぐことができます。
7.6.6.1. コンソールの使用による Machine Config Operator の自動再起動の無効化
Machine Config Operator (MCO) の変更から不要な中断を防ぐには、OpenShift Container Platform Web コンソールを使用してマシン設定プール (MCP) を変更し、MCO がそのプール内のノードに変更を加えられないようにすることができます。これにより、通常 MCO 更新プロセスの一部として実行される再起動ができなくなります。
Machine Config Operator の自動再起動の無効化 の 2 つ目の NOTE
を参照してください。
前提条件
-
cluster-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。
手順
自動 MCO 更新の再起動の一時停止または一時停止を解除するには、以下を実行します。
自動再起動プロセスを一時停止します。
-
cluster-admin
ロールを持つユーザーとして OpenShift Container Platform Web コンソールにログインします。 - Compute → MachineConfigPools をクリックします。
- MachineConfigPools ページで、再起動を一時停止するノードに合わせて master または worker のいずれかをクリックします。
- master または worker ページで、YAML をクリックします。
YAML で、
spec.paused
フィールドをtrue
に更新します。MachineConfigPool オブジェクトのサンプル
apiVersion: machineconfiguration.openshift.io/v1 kind: MachineConfigPool # ... spec: # ... paused: true 1 # ...
- 1
spec.paused
フィールドをtrue
に更新し、再起動を一時停止します。
MCP が一時停止されていることを確認するには、MachineConfigPools ページに戻ります。
MachineConfigPools ページの Paused 列では、変更した MCP に対して True が報告されます。
MCP が一時停止中に保留中の変更がある場合は、Updated 列は False であり、Updating は False になります。Updated が True であり、Updating が False の場合、保留中の変更はありません。
重要保留中の変更がある場合 (Updated および Updating 列の両方が False の場合)、できるだけ早期に再起動のメンテナンス期間をスケジュールすることが推奨されます。自動再起動プロセスの一時停止を解除して、最後に再起動してからキューに追加された変更を適用するには、以下の手順に従います。
-
自動再起動プロセスの一時停止を解除するには、以下を実行します。
-
cluster-admin
ロールを持つユーザーとして OpenShift Container Platform Web コンソールにログインします。 - Compute → MachineConfigPools をクリックします。
- MachineConfigPools ページで、再起動を一時停止するノードに合わせて master または worker のいずれかをクリックします。
- master または worker ページで、YAML をクリックします。
YAML で、
spec.paused
フィールドをfalse
に更新します。MachineConfigPool オブジェクトのサンプル
apiVersion: machineconfiguration.openshift.io/v1 kind: MachineConfigPool # ... spec: # ... paused: false 1 # ...
- 1
spec.paused
フィールドをfalse
に更新し、再起動を許可します。
注記MCP の一時停止を解除すると、MCO は一時停止したすべての変更を適用し、必要に応じて Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) を再起動します。
MCP が一時停止されていることを確認するには、MachineConfigPools ページに戻ります。
MachineConfigPools ページの Paused 列では、変更した MCP に対して False が報告されます。
MCP が保留中の変更を適用する場合、Updated 列は False になり、Updating 列は True になります。Updated が True であり、Updating が False の場合、追加の変更は加えられません。
-
7.6.6.2. CLI の使用による Machine Config Operator の自動再起動の無効化
Machine Config Operator (MCO) によって加えられる変更から生じる不要な中断を防ぐには、OpenShift CLI (oc) を使用してマシン設定プール (MCP) を変更し、MCO がそのプール内のノードに変更を加えられないようにすることができます。これにより、通常 MCO 更新プロセスの一部として実行される再起動ができなくなります。
Machine Config Operator の自動再起動の無効化 の 2 つ目の NOTE
を参照してください。
前提条件
-
cluster-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 -
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
自動 MCO 更新の再起動の一時停止または一時停止を解除するには、以下を実行します。
自動再起動プロセスを一時停止します。
MachineConfigPool
カスタムリソースを、spec.paused
フィールドをtrue
に設定するように更新します。コントロールプレーン (マスター) ノード
$ oc patch --type=merge --patch='{"spec":{"paused":true}}' machineconfigpool/master
ワーカーノード
$ oc patch --type=merge --patch='{"spec":{"paused":true}}' machineconfigpool/worker
MCP が一時停止されていることを確認します。
コントロールプレーン (マスター) ノード
$ oc get machineconfigpool/master --template='{{.spec.paused}}'
ワーカーノード
$ oc get machineconfigpool/worker --template='{{.spec.paused}}'
出力例
true
spec.paused
フィールドはtrue
であり、MCP は一時停止されます。MCP に保留中の変更があるかどうかを判別します。
# oc get machineconfigpool
出力例
NAME CONFIG UPDATED UPDATING master rendered-master-33cf0a1254318755d7b48002c597bf91 True False worker rendered-worker-e405a5bdb0db1295acea08bcca33fa60 False False
UPDATED 列が False であり、UPDATING が False の場合は、保留中の変更があります。UPDATED が True であり、UPDATING が False の場合、保留中の変更はありません。この例では、ワーカーノードに保留中の変更があります。コントロールプレーンノードには保留中の変更がありません。
重要保留中の変更がある場合 (Updated および Updating 列の両方が False の場合)、できるだけ早期に再起動のメンテナンス期間をスケジュールすることが推奨されます。自動再起動プロセスの一時停止を解除して、最後に再起動してからキューに追加された変更を適用するには、以下の手順に従います。
自動再起動プロセスの一時停止を解除するには、以下を実行します。
MachineConfigPool
カスタムリソースを、spec.paused
フィールドをfalse
に設定するように更新します。コントロールプレーン (マスター) ノード
$ oc patch --type=merge --patch='{"spec":{"paused":false}}' machineconfigpool/master
ワーカーノード
$ oc patch --type=merge --patch='{"spec":{"paused":false}}' machineconfigpool/worker
注記MCP の一時停止を解除すると、MCO は一時停止したすべての変更を適用し、必要に応じて Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) を再起動します。
MCP の一時停止が解除されていることを確認します。
コントロールプレーン (マスター) ノード
$ oc get machineconfigpool/master --template='{{.spec.paused}}'
ワーカーノード
$ oc get machineconfigpool/worker --template='{{.spec.paused}}'
出力例
false
spec.paused
フィールドはfalse
であり、マシン設定プールの一時停止は解除されます。MCP に保留中の変更があるかどうかを判別します。
$ oc get machineconfigpool
出力例
NAME CONFIG UPDATED UPDATING master rendered-master-546383f80705bd5aeaba93 True False worker rendered-worker-b4c51bb33ccaae6fc4a6a5 False True
MCP が保留中の変更を適用する場合、UPDATED 列は False で、UPDATING 列は True になります。UPDATED が True であり、UPDATING が False の場合、追加の変更は加えられません。直前の例では、MCO はワーカーノードを更新しています。
7.6.7. 障害のあるサブスクリプションの更新
Operator Lifecycle Manager (OLM) で、ネットワークでアクセスできないイメージを参照する Operator をサブスクライブする場合、以下のエラーを出して失敗した openshift-marketplace
namespace でジョブを見つけることができます。
出力例
ImagePullBackOff for Back-off pulling image "example.com/openshift4/ose-elasticsearch-operator-bundle@sha256:6d2587129c846ec28d384540322b40b05833e7e00b25cca584e004af9a1d292e"
出力例
rpc error: code = Unknown desc = error pinging docker registry example.com: Get "https://example.com/v2/": dial tcp: lookup example.com on 10.0.0.1:53: no such host
その結果、サブスクリプションはこの障害のある状態のままとなり、Operator はインストールまたはアップグレードを実行できません。
サブスクリプション、クラスターサービスバージョン (CSV) その他の関連オブジェクトを削除して、障害のあるサブスクリプションを更新できます。サブスクリプションを再作成した後に、OLM は Operator の正しいバージョンを再インストールします。
前提条件
- アクセス不可能なバンドルイメージをプルできない障害のあるサブスクリプションがある。
- 正しいバンドルイメージにアクセスできることを確認している。
手順
Operator がインストールされている namespace から
Subscription
およびClusterServiceVersion
オブジェクトの名前を取得します。$ oc get sub,csv -n <namespace>
出力例
NAME PACKAGE SOURCE CHANNEL subscription.operators.coreos.com/elasticsearch-operator elasticsearch-operator redhat-operators 5.0 NAME DISPLAY VERSION REPLACES PHASE clusterserviceversion.operators.coreos.com/elasticsearch-operator.5.0.0-65 OpenShift Elasticsearch Operator 5.0.0-65 Succeeded
サブスクリプションを削除します。
$ oc delete subscription <subscription_name> -n <namespace>
クラスターサービスバージョンを削除します。
$ oc delete csv <csv_name> -n <namespace>
openshift-marketplace
namespace の失敗したジョブおよび関連する config map の名前を取得します。$ oc get job,configmap -n openshift-marketplace
出力例
NAME COMPLETIONS DURATION AGE job.batch/1de9443b6324e629ddf31fed0a853a121275806170e34c926d69e53a7fcbccb 1/1 26s 9m30s NAME DATA AGE configmap/1de9443b6324e629ddf31fed0a853a121275806170e34c926d69e53a7fcbccb 3 9m30s
ジョブを削除します。
$ oc delete job <job_name> -n openshift-marketplace
これにより、アクセスできないイメージのプルを試行する Pod は再作成されなくなります。
設定マップを削除します。
$ oc delete configmap <configmap_name> -n openshift-marketplace
- Web コンソールの OperatorHub を使用した Operator の再インストール
検証
Operator が正常に再インストールされていることを確認します。
$ oc get sub,csv,installplan -n <namespace>
7.6.8. アンインストール失敗後の Operator の再インストール
同じ Operator の再インストールを試行する前に、Operator を正常かつ完全にアンインストールする必要があります。Operator を適切かつ完全にアンインストールできていない場合、プロジェクトや namespace などのリソースが "Terminating" ステータスでスタックし、"error resolving resource" メッセージが表示されます。以下に例を示します。
Project
リソースの説明例
... message: 'Failed to delete all resource types, 1 remaining: Internal error occurred: error resolving resource' ...
これらのタイプの問題は、Operator の正常な再インストールを妨げる可能性があります。
namespace を強制的に削除しても、"Terminating" 状態の問題が解決される可能性は低く、クラスターの動作が不安定または予測不能になる可能性があるため、namespace の削除を妨げている可能性のある関連リソースの特定に注力することが推奨されます。詳細は、Red Hat Knowledgebase Solution #4165791 を参照し、特に注意と警告に注目してください。
次の手順では、以前インストールされた Operator からの既存カスタムリソース定義 (CRD) が原因で関連する namespace が正常に削除されないために Operator を再インストールできない場合のトラブルシューティングを示します。
手順
"Terminating" 状態のままになっている Operator に関連する namespace があるかどうかを確認します。
$ oc get namespaces
出力例
operator-ns-1 Terminating
アンインストールの失敗後も Operator に関連する CRD があるか確認します。
$ oc get crds
注記CRD はグローバルクラスター定義です。CRD に関連する実際のカスタムリソース (CR) インスタンスは、他の namespace にあるか、グローバルクラスターインスタンスである可能性があります。
Operator によって提供または管理されている CRD があり、その CRD をアンインストール後に削除する必要がある場合は、CRD を削除します。
$ oc delete crd <crd_name>
アンインストールした後も Operator に関連する CR インスタンスが残っているか確認し、残っている場合は CR を削除します。
アンインストール後は、検索する CR のタイプの判断が困難になり、Operator が管理する CRD を把握している必要がある場合もあります。たとえば、
EtcdCluster
CRD を提供する etcd Operator のアンインストールをトラブルシューティングする場合、namespace で残りのEtcdCluster
CR を検索できます。$ oc get EtcdCluster -n <namespace_name>
もしくは、すべての namespace で検索できます。
$ oc get EtcdCluster --all-namespaces
削除する必要のある CR が残っている場合は、インスタンスを削除します。
$ oc delete <cr_name> <cr_instance_name> -n <namespace_name>
namespace の削除が正常に解決されたことを確認します。
$ oc get namespace <namespace_name>
重要namespace やその他の Operator リソースが正常にアンインストールされていない場合は、Red Hat サポートにお問い合わせください。
- Web コンソールの OperatorHub を使用した Operator の再インストール
検証
Operator が正常に再インストールされていることを確認します。
$ oc get sub,csv,installplan -n <namespace>
7.7. Pod の問題の調査
OpenShift Container Platform は、ホスト上に共にデプロイされる 1 つ以上のコンテナーである Pod の Kubernetes の概念を活用しています。Pod は、OpenShift Container Platform 4.17 で定義、デプロイ、管理できる最小のコンピュート単位です。
Pod が定義されると、コンテナーが終了するまで、またはコンテナーが削除されるまでノードで実行されるように割り当てられます。ポリシーおよび終了コードに応じて、Pod は終了または保持後に削除され、それらのログがアクセスできるようにします。
Pod の問題が発生した場合には、まず Pod のステータスをチェックします。Pod の明示的な障害が発生した場合には、Pod のエラー状態をチェックして、特定のイメージ、コンテナー、または Pod ネットワークの問題を特定してください。エラー状態に基づく診断データの収集を行います。Pod イベントメッセージおよび Pod およびコンテナーのログ情報を確認します。コマンドライン上で実行中の Pod にアクセスするか、問題のある Pod のデプロイメント設定に基づいて root アクセスでデバッグ Pod を起動して問題を動的に診断します。
7.7.1. Pod のエラー状態について
Pod の障害により、oc get Pods
の出力の status
フィールドで確認できる明示的なエラー状態が返されます。Pod のエラー状態は、イメージ、コンテナー、およびコンテナーネットワークに関連する障害に関する状態を示します。
以下の表は、Pod のエラー状態のリストをそれらの説明を記載しています。
Pod のエラー状態 | 説明 |
---|---|
| 一般的なイメージの取得エラー。 |
| イメージの取得に失敗し、取り消されました。 |
| 指定されたイメージ名は無効です。 |
| イメージの検査に失敗しました。 |
|
|
| レジストリーからイメージの取得を試みる際に、HTTP エラーが発生しました。 |
| 指定されたコンテナーが宣言された Pod 内にないか、kubelet によって管理されていません。 |
| コンテナーの初期化に失敗しました。 |
| Pod のコンテナーのいずれも正常に起動しませんでした。 |
| Pod のコンテナーのいずれも正常に強制終了されませんでした。 |
| コンテナーが終了しました。kubelet は再起動を試行しません。 |
| コンテナーまたはイメージが root 権限で実行を試行しました。 |
| Pod サンドボックスの作成が成功しませんでした。 |
| Pod サンドボックス設定を取得できませんでした。 |
| Pod サンドボックスは正常に停止しませんでした。 |
| ネットワークの初期化に失敗しました。 |
| ネットワークの終了に失敗しました。 |
7.7.2. Pod ステータスの確認
Pod のステータスおよびエラー状態をクエリーできます。Pod に関連するデプロイメント設定をクエリーし、ベースイメージの可用性を確認することもできます。
前提条件
-
cluster-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 -
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。 -
skopeo
がインストールされている。
手順
プロジェクトに切り替えます。
$ oc project <project_name>
namespace 内で実行されている Pod、Pod のステータス、エラーの状態、再起動、および経過時間をリスト表示します。
$ oc get pods
namespace がデプロイメント設定で管理されているかどうかを判別します。
$ oc status
namespace がデプロイメント設定で管理される場合、出力には、デプロイメント設定名とベースイメージの参照が含まれます。
前述のコマンドの出力で参照されているベースイメージを検査します。
$ skopeo inspect docker://<image_reference>
ベースイメージの参照が正しくない場合は、デプロイメント設定の参照を更新します。
$ oc edit deployment/my-deployment
デプロイメント設定が終了時に変更されると、設定が自動的に再デプロイされます。デプロイメントの進行中に Pod ステータスを確認し、問題が解決されているかどうかを判別します。
$ oc get pods -w
Pod の失敗に関連する診断情報は、namespace 内でイベントを確認します。
$ oc get events
7.7.3. Pod およびコンテナーログの検査
明示的な Pod の失敗に関連する警告およびエラーメッセージの有無について Pod およびコンテナーログを検査できます。ポリシーおよび終了コードによっては、Pod およびコンテナーログは Pod の終了後も利用可能のままになります。
前提条件
-
cluster-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 - API サービスが機能している。
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
特定の Pod のログをクエリーします。
$ oc logs <pod_name>
Pod 内の特定コンテナーのログをクエリーします。
$ oc logs <pod_name> -c <container_name>
前述の
oc logs
コマンドを使用して取得されるログは、Pod またはコンテナー内の標準出力 (stdout) に送信されるメッセージで構成されます。Pod 内の
/var/log/
に含まれるログを検査します。Pod 内の
/var/log
に含まれるファイルおよびサブディレクトリーをリスト表示します。$ oc exec <pod_name> -- ls -alh /var/log
出力例
total 124K drwxr-xr-x. 1 root root 33 Aug 11 11:23 . drwxr-xr-x. 1 root root 28 Sep 6 2022 .. -rw-rw----. 1 root utmp 0 Jul 10 10:31 btmp -rw-r--r--. 1 root root 33K Jul 17 10:07 dnf.librepo.log -rw-r--r--. 1 root root 69K Jul 17 10:07 dnf.log -rw-r--r--. 1 root root 8.8K Jul 17 10:07 dnf.rpm.log -rw-r--r--. 1 root root 480 Jul 17 10:07 hawkey.log -rw-rw-r--. 1 root utmp 0 Jul 10 10:31 lastlog drwx------. 2 root root 23 Aug 11 11:14 openshift-apiserver drwx------. 2 root root 6 Jul 10 10:31 private drwxr-xr-x. 1 root root 22 Mar 9 08:05 rhsm -rw-rw-r--. 1 root utmp 0 Jul 10 10:31 wtmp
Pod 内の
/var/log
に含まれる特定のログファイルをクエリーします。$ oc exec <pod_name> cat /var/log/<path_to_log>
出力例
2023-07-10T10:29:38+0000 INFO --- logging initialized --- 2023-07-10T10:29:38+0000 DDEBUG timer: config: 13 ms 2023-07-10T10:29:38+0000 DEBUG Loaded plugins: builddep, changelog, config-manager, copr, debug, debuginfo-install, download, generate_completion_cache, groups-manager, needs-restarting, playground, product-id, repoclosure, repodiff, repograph, repomanage, reposync, subscription-manager, uploadprofile 2023-07-10T10:29:38+0000 INFO Updating Subscription Management repositories. 2023-07-10T10:29:38+0000 INFO Unable to read consumer identity 2023-07-10T10:29:38+0000 INFO Subscription Manager is operating in container mode. 2023-07-10T10:29:38+0000 INFO
特定のコンテナー内の
/var/log
に含まれるログファイルおよびサブディレクトリーをリスト表示します。$ oc exec <pod_name> -c <container_name> ls /var/log
特定のコンテナー内の
/var/log
に含まれる特定のログファイルをクエリーします。$ oc exec <pod_name> -c <container_name> cat /var/log/<path_to_log>
7.7.4. 実行中の Pod へのアクセス
Pod 内でシェルを開くか、ポート転送によりネットワークアクセスを取得して、実行中の Pod を動的に確認することができます。
前提条件
-
cluster-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 - API サービスが機能している。
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
アクセスする Pod が含まれるプロジェクトに切り替えます。これは、
oc rsh
コマンドが-n
namespace オプションを受け入れないために必要です。$ oc project <namespace>
リモートシェルを Pod で起動します。
$ oc rsh <pod_name> 1
- 1
- Pod に複数のコンテナーがある場合、
oc rsh
は-c <container_name>
が指定されていない限り最初のコンテナーにデフォルト設定されます。
Pod 内の特定のコンテナーでリモートシェルを起動します。
$ oc rsh -c <container_name> pod/<pod_name>
Pod のポートへのポート転送セッションを作成します。
$ oc port-forward <pod_name> <host_port>:<pod_port> 1
- 1
- ポート転送セッションをキャンセルするには、
Ctrl+C
を入力します。
7.7.5. root アクセスでのデバッグ Pod の起動
問題のある Pod のデプロイメントまたはデプロイメント設定に基づいて、root アクセスでデバッグ Pod を起動できます。通常、Pod ユーザーは root 以外の権限で実行しますが、問題を調査するために一時的な root 権限で Pod のトラブルシューティングを実行することは役に立ちます。
前提条件
-
cluster-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 - API サービスが機能している。
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
デプロイメントに基づいて、root アクセスでデバッグ Pod を起動します。
プロジェクトのデプロイメント名を取得します。
$ oc get deployment -n <project_name>
デプロイメントに基づいて、root 権限でデバッグ Pod を起動します。
$ oc debug deployment/my-deployment --as-root -n <project_name>
デプロイメント設定に基づいて、root アクセスでデバッグ Pod を起動します。
プロジェクトのデプロイメント設定名を取得します。
$ oc get deploymentconfigs -n <project_name>
デプロイメント設定に基づいて、root 権限でデバッグ Pod を起動します。
$ oc debug deploymentconfig/my-deployment-configuration --as-root -n <project_name>
インタラクティブなシェルを実行する代わりに、-- <command>
を前述の oc debug
コマンドに追加し、デバッグ Pod 内で個々のコマンドを実行することができます。
7.7.6. Pod およびコンテナーへの/からのファイルのコピー
Pod に/からファイルをコピーして、設定変更をテストしたり、診断情報を収集したりできます。
前提条件
-
cluster-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 - API サービスが機能している。
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
7.8. Source-to-Image (S2I) プロセスのトラブルシューティング
7.8.1. Source-to-Image (S2I) のトラブルシューティングのストラテジー
Source-to-Image (S2I) を使用して、再現可能な Docker 形式のコンテナーイメージをビルドします。アプリケーションソースコードをコンテナーイメージに挿入し、新規イメージをアセンブルして実行可能なイメージを作成できます。新規イメージには、ベースイメージ (ビルダー) およびビルドされたソースが組み込まれています。
S2I プロセスで障害が発生する場所を特定するには、以下の各 S2I ステージに関連する Pod の状態を確認できます。
- ビルド設定の段階 で、ビルド Pod はベースイメージおよびアプリケーションのソースコードからアプリケーションコンテナーイメージを作成するために使用されます。
- デプロイメント設定の段階 で、デプロイメント Pod はビルド設定段階でビルドされたアプリケーションコンテナーイメージからアプリケーション Pod をデプロイするために使用されます。デプロイメント Pod は、サービスやルートなどの他のリソースもデプロイします。デプロイメント設定は、ビルド設定が成功すると開始されます。
-
デプロイメント Pod のアプリケーション Pod の起動後 に、アプリケーションの障害が実行中のアプリケーション Pod 内で発生する可能性があります。たとえば、アプリケーション Pod が
Running
状態であっても、アプリケーションは予想通りに動作しない可能性があります。このシナリオでは、実行中のアプリケーション Pod にアクセスして、Pod 内のアプリケーションの障害を調査できます。
S2I の問題のトラブルシューティングを行う際には、以下のストラテジーに従います。
- ビルド、デプロイメント、およびアプリケーション Pod ステータスの監視
- 問題が発生した S2I プロセスのステージの判別
- 失敗したステージに対応するログの確認
7.8.2. Source-to-Image 診断データの収集
S2I ツールは、ビルド Pod とデプロイメント Pod を順番に実行します。デプロイメント Pod は、ビルドステージで作成されたアプリケーションコンテナーイメージに基づいてアプリケーション Pod をデプロイします。S2I プロセスで障害が発生する場所を判別するために、ビルド、デプロイメント、およびアプリケーション Pod のステータスを監視します。次に、これに応じて診断データを収集します。
前提条件
-
cluster-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 - API サービスが機能している。
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
S2I プロセス全体での Pod のステータスを確認し、障害が発生するステージを判別します。
$ oc get pods -w 1
- 1
-w
を使用して、Ctrl+C
を使用してコマンドを終了するまで Pod で変更の有無を監視します。
障害のある Pod のログでエラーの有無を確認します。
ビルド Pod が失敗する場合、ビルド Pod のログを確認します。
$ oc logs -f pod/<application_name>-<build_number>-build
注記または、
oc logs -f bc/<application_name>
を使用して、ビルド設定のログを確認できます。ビルド設定のログには、ビルド Pod からのログが含まれます。デプロイメント Pod が失敗する場合、デプロイメント Pod のログを確認します。
$ oc logs -f pod/<application_name>-<build_number>-deploy
注記または、
oc logs -f dc/<application_name>
を使用して、デプロイメント設定のログを確認できます。これにより、デプロイメント Pod が正常に実行されるまで、デプロイメント Pod からログが出力されます。デプロイメント Pod の完了後に実行すると、コマンドはアプリケーション Pod からログを出力します。デプロイメント Pod の完了後も、oc logs -f pod/<application_name>-<build_number>-deploy
を実行してログにアクセスできます。アプリケーション Pod が失敗した場合や、アプリケーションが実行中のアプリケーション Pod 内で予想通りに動作しない場合、アプリケーション Pod のログを確認します。
$ oc logs -f pod/<application_name>-<build_number>-<random_string>
7.8.3. アプリケーションの障害を調査するためのアプリケーション診断データの収集
アプリケーションの障害は実行中のアプリケーション Pod 内で発生する可能性があります。このような状態では、以下のストラテジーを使用して診断情報を取得できます。
- アプリケーション Pod に関連するイベントを確認します。
- アプリケーション Pod からログを確認します。これには、OpenShift Logging フレームワークによって収集されないアプリケーション固有のログファイルが含まれます。
- アプリケーション機能を対話的にテストし、アプリケーションコンテナーで診断ツールを実行します。
前提条件
-
cluster-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 -
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
特定のアプリケーション Pod に関連するイベントをリスト表示します。以下の例では、
my-app-1-akdlg
という名前のアプリケーション Pod のイベントを取得します。$ oc describe pod/my-app-1-akdlg
アプリケーション Pod からのログを確認します。
$ oc logs -f pod/my-app-1-akdlg
実行中のアプリケーション Pod 内で特定のログをクエリーします。標準出力 (stdout) に送信されるログは OpenShift Logging フレームワークによって収集され、これは前述のコマンドの出力に含まれます。以下のクエリーは、標準出力 (stdout) に送信されないログにのみ必要です。
Pod 内で root 権限なしにアプリケーションログにアクセスできる場合は、以下のようにログファイルを連結します。
$ oc exec my-app-1-akdlg -- cat /var/log/my-application.log
アプリケーションログの表示に root アクセスが必要な場合は、root 権限でデバッグコンテナーを起動し、コンテナー内でログファイルを表示できます。プロジェクトの
DeploymentConfig
オブジェクトからデバッグコンテナーを起動します。通常、Pod ユーザーは root 以外の権限で実行しますが、問題を調査するために一時的な root 権限で Pod のトラブルシューティングを実行することは役に立ちます。$ oc debug dc/my-deployment-configuration --as-root -- cat /var/log/my-application.log
注記oc debug dc/<deployment_configuration> --as-root
を-- <command>
を追加せずに実行する場合、デバッグ Pod 内で root アクセスでインタラクティブなシェルにアクセスできます。
インタラクティブなシェルでアプリケーション機能を対話的にテストし、アプリケーションコンテナーで診断ツールを実行します。
アプリケーションコンテナーでインタラクティブなシェルを起動します。
$ oc exec -it my-app-1-akdlg /bin/bash
- シェルからアプリケーションの機能を対話的にテストします。たとえば、コンテナーのエントリーポイントコマンドを実行して、結果を確認することができます。次に、ソースコードを更新し、S2I プロセスでアプリケーションコンテナーを再ビルドする前に、コマンドラインから直接に変更をテストします。
コンテナー内で利用可能な診断バイナリーを実行します。
注記一部の診断バイナリーを実行するには、root 権限が必要です。このような状況では、
oc debug dc/<deployment_configuration> --as-root
を実行して、問題のある Pod のDeploymentConfig
オブジェクトに基づいて、root 権限でデバッグ Pod を起動できます。次に、デバッグ Pod 内から診断バイナリーを root として実行できます。
診断バイナリーがコンテナー内で利用できない場合は、
nsenter
を使用して、コンテナーの namespace 内でホストの診断バイナリーを実行できます。以下の例では、ホストのip
バイナリーを使用して、コンテナーの namespace 内でip ad
を実行します。ターゲットノードのデバッグセッションに入ります。この手順は、
<node_name>-debug
というデバッグ Pod をインスタンス化します。$ oc debug node/my-cluster-node
/host
をデバッグシェル内の root ディレクトリーとして設定します。デバッグ Pod は、Pod 内の/host
にホストの root ファイルシステムをマウントします。root ディレクトリーを/host
に変更すると、ホストの実行パスに含まれるバイナリーを実行できます。# chroot /host
注記Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) を実行する OpenShift Container Platform 4.17 クラスターノードは、イミュータブルです。クラスターの変更を適用するには、Operator を使用します。SSH を使用したクラスターノードへのアクセスは推奨されません。ただし、OpenShift Container Platform API が利用できない場合や、kubelet がターゲットノードで適切に機能しない場合、
oc
操作がその影響を受けます。この場合は、代わりにssh core@<node>.<cluster_name>.<base_domain>
を使用してノードにアクセスできます。ターゲットコンテナー ID を判別します。
# crictl ps
コンテナーのプロセス ID を確認します。この例では、ターゲットコンテナー ID は
a7fe32346b120
です。# crictl inspect a7fe32346b120 --output yaml | grep 'pid:' | awk '{print $2}'
ホストの
ip
バイナリーを使用して、コンテナーの namespace 内でip ad
を実行します。この例では、31150
をコンテナーのプロセス ID として使用します。nsenter
コマンドは、ターゲットプロセスの namespace を入力し、その namespace でコマンドを実行します。この例のターゲットプロセスはコンテナーのプロセス ID であるため、ip ad
コマンドは、ホストからコンテナーの namespace で実行されます。# nsenter -n -t 31150 -- ip ad
注記デバッグノードなどの特権付きコンテナーを使用している場合のみ、コンテナーの namespace 内でホストの診断バイナリーを実行できます。
7.8.4. 関連情報
- S2I ビルドストラテジーの詳細は、Source-to-Image (S2I) ビルド を参照してください。
7.9. ストレージの問題のトラブルシューティング
7.9.1. 複数割り当てエラーの解決
ノードが予期せずにクラッシュまたはシャットダウンすると、割り当てられた ReadWriteOnce (RWO) ボリュームがノードからアンマウントされ、その後は別のノードでスケジュールされる Pod で使用可能になることが予想されます。
ただし、障害が発生したノードは割り当てられたボリュームをアンマウントできないため、新規ノードにマウントすることはできません。
複数割り当てのエラーが報告されます。
出力例
Unable to attach or mount volumes: unmounted volumes=[sso-mysql-pvol], unattached volumes=[sso-mysql-pvol default-token-x4rzc]: timed out waiting for the condition Multi-Attach error for volume "pvc-8837384d-69d7-40b2-b2e6-5df86943eef9" Volume is already used by pod(s) sso-mysql-1-ns6b4
手順
複数割り当ての問題を解決するには、以下のソリューションのいずれかを使用します。
RWX ボリュームを使用して、複数割り当てを有効にします。
ほとんどのストレージソリューションでは、ReadWriteMany (RWX) ボリュームを使用して、複数割り当てエラーを防ぐことができます。
RWO ボリュームの使用時に障害が発生したノードを回復するか、削除します。
VMware vSphere などの RWX をサポートしないストレージの場合、RWO ボリュームが代わりに使用される必要があります。ただし、RWO ボリュームは複数のノードにマウントできません。
複数割り当てのエラーメッセージが RWO ボリュームと共に表示される場合には、シャットダウンまたはクラッシュしたノードで Pod を強制的に削除し、動的永続ボリュームの割り当て時などの重要なワークロードでのデータ損失を回避します。
$ oc delete pod <old_pod> --force=true --grace-period=0
このコマンドは、シャットダウンまたはクラッシュしたノードで停止したボリュームを 6 分後に削除します。
7.10. Windows コンテナーのワークロード関連の問題のトラブルシューティング
7.10.1. Windows Machine Config Operator がインストールされない
Windows Machine Config Operator (WMCO) のインストールプロセスを完了しているが、Operator が InstallWaiting
フェーズのままである場合、問題はネットワークに関係する問題によって引き起こされている可能性があります。
WMCO では、OVN-Kubernetes を使用して OpenShift Container Platform クラスターをハイブリッドネットワークで設定する必要があります。WMCO はハイブリッドネットワークが利用可能でない状態でインストールプロセスを完了できません。これは、複数のオペレーティングシステム (OS) および OS バリアント上でノードを管理するために必要です。これは、クラスターのインストール時に完了する必要があります。
詳細は、ハイブリッドネットワークの設定 を参照してください。
7.10.2. Windows マシンがコンピュートノードにならない理由の調査
Windows マシンがコンピュートノードにならない理由には、各種の理由があります。この問題を調査する最適な方法として、Windows Machine Config Operator (WMCO) ログを収集することができます。
前提条件
- Operator Lifecycle Manager (OLM) を使用して Windows Machine Config Operator (WMCO) をインストールしている。
- Windows コンピュートマシンセットを作成しました。
手順
以下のコマンドを実行して WMCO ログを収集します。
$ oc logs -f deployment/windows-machine-config-operator -n openshift-windows-machine-config-operator
7.10.3. Windows ノードへのアクセス
Windows ノードは oc debug node
コマンドを使用してアクセスできません。このコマンドでは、ノードで特権付き Pod を実行する必要があります。これは Windows ではまだサポートされていません。代わりとして Windows ノードは、セキュアシェル (SSH) または Remote Desktop Protocol (RDP) を使用してアクセスできます。どちらの方法にも SSH bastion が必要です。
7.10.3.1. SSH を使用した Windows ノードへのアクセス
セキュアシェル (SSH) を使用して Windows ノードにアクセスできます。
前提条件
- Operator Lifecycle Manager (OLM) を使用して Windows Machine Config Operator (WMCO) をインストールしている。
- Windows コンピュートマシンセットを作成しました。
-
cloud-private-key
シークレットで使用されるキーおよび ssh-agent に対してクラスターを作成する際に使用されるキーを追加している。セキュリティー上の理由から、キーは使用後は ssh-agent から削除するようにしてください。 -
ssh-bastion
Pod を使用して Windows ノードに接続している。
手順
以下のコマンドを実行して Windows ノードにアクセスします。
$ ssh -t -o StrictHostKeyChecking=no -o ProxyCommand='ssh -A -o StrictHostKeyChecking=no \ -o ServerAliveInterval=30 -W %h:%p core@$(oc get service --all-namespaces -l run=ssh-bastion \ -o go-template="{{ with (index (index .items 0).status.loadBalancer.ingress 0) }}{{ or .hostname .ip }}{{end}}")' <username>@<windows_node_internal_ip> 1 2
$ oc get nodes <node_name> -o jsonpath={.status.addresses[?\(@.type==\"InternalIP\"\)].address}
7.10.3.2. RDP を使用した Windows ノードへのアクセス
Remote Desktop Protocol (RDP) を使用して Windows ノードにアクセスできます。
前提条件
- Operator Lifecycle Manager (OLM) を使用して Windows Machine Config Operator (WMCO) をインストールしている。
- Windows コンピュートマシンセットを作成しました。
-
cloud-private-key
シークレットで使用されるキーおよび ssh-agent に対してクラスターを作成する際に使用されるキーを追加している。セキュリティー上の理由から、キーは使用後は ssh-agent から削除するようにしてください。 -
ssh-bastion
Pod を使用して Windows ノードに接続している。
手順
以下のコマンドを実行して SSH トンネルを設定します。
$ ssh -L 2020:<windows_node_internal_ip>:3389 \ 1 core@$(oc get service --all-namespaces -l run=ssh-bastion -o go-template="{{ with (index (index .items 0).status.loadBalancer.ingress 0) }}{{ or .hostname .ip }}{{end}}")
- 1
- 以下のコマンドを実行して検出可能な、ノードの内部 IP アドレスを指定します。
$ oc get nodes <node_name> -o jsonpath={.status.addresses[?\(@.type==\"InternalIP\"\)].address}
生成されるシェル内で Windows ノードに対して SSH を実行し、以下のコマンドを実行してユーザーのパスワードを作成します。
C:\> net user <username> * 1
- 1
- AWS の
Administrator
、または Azure のcapi
などのクラウドプロバイダーのユーザー名を指定します。
RDP クライアントを使用して、localhost:2020
で Windows ノードにリモートでアクセスできるようになりました。
7.10.4. Windows コンテナーの Kubernetes ノードログの収集
Windows コンテナーロギングは Linux コンテナーロギングとは異なる仕方で機能します。Windows ワークロードの Kubernetes ノードログは、デフォルトで C:\var\logs
ディレクトリーにストリーミングされます。したがって、そのディレクトリーから Windows ノードのログを収集する必要があります。
前提条件
- Operator Lifecycle Manager (OLM) を使用して Windows Machine Config Operator (WMCO) をインストールしている。
- Windows コンピュートマシンセットを作成しました。
手順
C:\var\logs
のすべてのディレクトリー下でログを表示するには、以下のコマンドを実行します。$ oc adm node-logs -l kubernetes.io/os=windows --path= \ /ip-10-0-138-252.us-east-2.compute.internal containers \ /ip-10-0-138-252.us-east-2.compute.internal hybrid-overlay \ /ip-10-0-138-252.us-east-2.compute.internal kube-proxy \ /ip-10-0-138-252.us-east-2.compute.internal kubelet \ /ip-10-0-138-252.us-east-2.compute.internal pods
同じコマンドを使用してディレクトリー内のファイルをリスト表示し、個別のログファイルを表示できるようになりました。たとえば、kubelet ログを表示するには、以下のコマンドを実行します。
$ oc adm node-logs -l kubernetes.io/os=windows --path=/kubelet/kubelet.log
7.10.5. Windows アプリケーションイベントログの収集
kubelet logs
エンドポイントの Get-WinEvent
shim は、Windows マシンからアプリケーションイベントログを収集するために使用できます。
前提条件
- Operator Lifecycle Manager (OLM) を使用して Windows Machine Config Operator (WMCO) をインストールしている。
- Windows コンピュートマシンセットを作成しました。
手順
Windows マシンのイベントログですべてのアプリケーションロギングのログを表示するには、以下を実行します。
$ oc adm node-logs -l kubernetes.io/os=windows --path=journal
同じコマンドが
oc adm must-gather
でログを収集する際に実行されます。イベントログの他の Windows アプリケーションログは、それぞれのサービスを
-u
フラグで指定して収集することもできます。たとえば、以下のコマンドを実行して docker ランタイムサービスのログを収集できます。$ oc adm node-logs -l kubernetes.io/os=windows --path=journal -u docker
7.10.6. Windows コンテナー用の Docker ログの収集
Windows Docker サービスはログを標準出力 (stdout) にストリーミングせず、Windows のイベントログにログを記録します。Docker イベントログを表示して、Windows Docker サービスが原因と予想される問題を調査できます。
前提条件
- Operator Lifecycle Manager (OLM) を使用して Windows Machine Config Operator (WMCO) をインストールしている。
- Windows コンピュートマシンセットを作成しました。
手順
Windows ノードに SSH を実行し、PowerShell と入力します。
C:\> powershell
以下のコマンドを実行して Docker ログを表示します。
C:\> Get-EventLog -LogName Application -Source Docker
7.10.7. 関連情報
7.11. モニタリング関連の問題の調査
OpenShift Container Platform には、コアプラットフォームコンポーネントのモニタリングを提供する事前に設定され、事前にインストールされた自己更新型のモニタリングスタックが含まれます。OpenShift Container Platform 4.17 では、クラスター管理者は必要に応じてユーザー定義プロジェクトのモニタリングを有効にできます。
次の問題が発生した場合は、このセクションの手順に従ってください。
- 独自のメトリクスが利用できない。
- Prometheus が大量のディスク容量を消費している。
-
Prometheus に対して
KubePersistentVolumeFillingUp
アラートが発生している。
7.11.2. Prometheus が大量のディスク領域を消費している理由の特定
開発者は、キーと値のペアの形式でメトリクスの属性を定義するためにラベルを作成できます。使用できる可能性のあるキーと値のペアの数は、属性について使用できる可能性のある値の数に対応します。数が無制限の値を持つ属性は、バインドされていない属性と呼ばれます。たとえば、customer_id
属性は、使用できる値が無限にあるため、バインドされていない属性になります。
割り当てられるキーと値のペアにはすべて、一意の時系列があります。ラベルに多数のバインドされていない値を使用すると、作成される時系列の数が指数関数的に増加する可能性があります。これは Prometheus のパフォーマンスに影響する可能性があり、多くのディスク領域を消費する可能性があります。
Prometheus が多くのディスクを消費する場合、以下の手段を使用できます。
- どのラベルが最も多くの時系列データを作成しているか詳しく知るには、Prometheus HTTP API を使用して時系列データベース (TSDB) のステータスを確認 します。これを実行するには、クラスター管理者権限が必要です。
- 収集されている スクレイプサンプルの数を確認 します。
ユーザー定義メトリクスに割り当てられるバインドされていない属性の数を減らすことで、作成される一意の時系列の数を減らします。
注記使用可能な値の制限されたセットにバインドされる属性を使用すると、可能なキーと値のペアの組み合わせの数が減ります。
- ユーザー定義のプロジェクト全体で スクレイピングできるサンプルの数に制限を適用 します。これには、クラスター管理者の権限が必要です。
前提条件
-
cluster-admin
クラスターロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 -
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
- Administrator パースペクティブで、Observe → Metrics に移動します。
Expression フィールドに、Prometheus Query Language (PromQL) クエリーを入力します。次のクエリー例は、ディスク領域の消費量の増加につながる可能性のある高カーディナリティメトリクスを識別するのに役立ちます。
次のクエリーを実行すると、スクレイプサンプルの数が最も多いジョブを 10 個特定できます。
topk(10, max by(namespace, job) (topk by(namespace, job) (1, scrape_samples_post_metric_relabeling)))
次のクエリーを実行すると、過去 1 時間に最も多くの時系列データを作成したジョブを 10 個特定して、時系列のチャーンを正確に特定できます。
topk(10, sum by(namespace, job) (sum_over_time(scrape_series_added[1h])))
想定よりもサンプルのスクレイプ数が多いメトリクスに割り当てられたラベルで、値が割り当てられていないものの数を確認します。
- メトリクスがユーザー定義のプロジェクトに関連する場合、ワークロードに割り当てられたメトリクスのキーと値のペアを確認します。これらのライブラリーは、アプリケーションレベルで Prometheus クライアントライブラリーを使用して実装されます。ラベルで参照されるバインドされていない属性の数の制限を試行します。
- メトリクスが OpenShift Container Platform のコアプロジェクトに関連する場合、Red Hat サポートケースを Red Hat カスタマーポータル で作成してください。
クラスター管理者としてログインしてから、次の手順に従い Prometheus HTTP API を使用して TSDB ステータスを確認します。
次のコマンドを実行して、Prometheus API ルート URL を取得します。
$ HOST=$(oc -n openshift-monitoring get route prometheus-k8s -ojsonpath={.status.ingress[].host})
次のコマンドを実行して認証トークンを抽出します。
$ TOKEN=$(oc whoami -t)
次のコマンドを実行して、Prometheus の TSDB ステータスをクエリーします。
$ curl -H "Authorization: Bearer $TOKEN" -k "https://$HOST/api/v1/status/tsdb"
出力例
"status": "success","data":{"headStats":{"numSeries":507473, "numLabelPairs":19832,"chunkCount":946298,"minTime":1712253600010, "maxTime":1712257935346},"seriesCountByMetricName": [{"name":"etcd_request_duration_seconds_bucket","value":51840}, {"name":"apiserver_request_sli_duration_seconds_bucket","value":47718}, ...
関連情報
- スクレイプサンプル制限の設定方法と関連するアラートルールの作成方法の詳細は、ユーザー定義プロジェクトのスクレイプサンプル制限の設定 を参照してください。
7.11.3. Prometheus に対する KubePersistentVolumeFillingUp アラートの解決
クラスター管理者は、Prometheus に対してトリガーされている KubePersistentVolumeFillingUp
アラートを解決できます。
openshift-monitoring
プロジェクトの prometheus-k8s-*
Pod によって要求された永続ボリューム (PV) の合計残り容量が 3% 未満になると、重大アラートが発生します。これにより、Prometheus の動作異常が発生する可能性があります。
KubePersistentVolumeFillingUp
アラートは 2 つあります。
-
重大アラート: マウントされた PV の合計残り容量が 3% 未満になると、
severity="critical"
ラベルの付いたアラートがトリガーされます。 -
警告アラート: マウントされた PV の合計空き容量が 15% 未満になり、4 日以内にいっぱいになると予想される場合、
severity="warning"
ラベルの付いたアラートがトリガーされます。
この問題に対処するには、Prometheus 時系列データベース (TSDB) のブロックを削除して、PV 用のスペースを増やすことができます。
前提条件
-
cluster-admin
クラスターロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 -
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
次のコマンドを実行して、すべての TSDB ブロックのサイズを古いものから新しいものの順にリスト表示します。
$ oc debug <prometheus_k8s_pod_name> -n openshift-monitoring \1 -c prometheus --image=$(oc get po -n openshift-monitoring <prometheus_k8s_pod_name> \2 -o jsonpath='{.spec.containers[?(@.name=="prometheus")].image}') \ -- sh -c 'cd /prometheus/;du -hs $(ls -dt */ | grep -Eo "[0-9|A-Z]{26}")'
出力例
308M 01HVKMPKQWZYWS8WVDAYQHNMW6 52M 01HVK64DTDA81799TBR9QDECEZ 102M 01HVK64DS7TRZRWF2756KHST5X 140M 01HVJS59K11FBVAPVY57K88Z11 90M 01HVH2A5Z58SKT810EM6B9AT50 152M 01HV8ZDVQMX41MKCN84S32RRZ1 354M 01HV6Q2N26BK63G4RYTST71FBF 156M 01HV664H9J9Z1FTZD73RD1563E 216M 01HTHXB60A7F239HN7S2TENPNS 104M 01HTHMGRXGS0WXA3WATRXHR36B
削除できるブロックとその数を特定し、ブロックを削除します。次のコマンド例は、
prometheus-k8s-0
Pod から最も古い 3 つの Prometheus TSDB ブロックを削除します。$ oc debug prometheus-k8s-0 -n openshift-monitoring \ -c prometheus --image=$(oc get po -n openshift-monitoring prometheus-k8s-0 \ -o jsonpath='{.spec.containers[?(@.name=="prometheus")].image}') \ -- sh -c 'ls -latr /prometheus/ | egrep -o "[0-9|A-Z]{26}" | head -3 | \ while read BLOCK; do rm -r /prometheus/$BLOCK; done'
次のコマンドを実行して、マウントされた PV の使用状況を確認し、十分な空き容量があることを確認します。
$ oc debug <prometheus_k8s_pod_name> -n openshift-monitoring \1 --image=$(oc get po -n openshift-monitoring <prometheus_k8s_pod_name> \2 -o jsonpath='{.spec.containers[?(@.name=="prometheus")].image}') -- df -h /prometheus/
次の出力例は、
prometheus-k8s-0
Pod によって要求されるマウントされた PV に、63% の空き容量が残っていることを示しています。出力例
Starting pod/prometheus-k8s-0-debug-j82w4 ... Filesystem Size Used Avail Use% Mounted on /dev/nvme0n1p4 40G 15G 40G 37% /prometheus Removing debug pod ...
7.12. OpenShift CLI (oc
) 関連の問題の診断
7.12.1. OpenShift CLI (oc
) ログレベルについて
OpenShift CLI (oc
) を使用すると、ターミナルからアプリケーションを作成し、OpenShift Container Platform プロジェクトを管理できます。
oc
コマンド固有の問題が発生した場合は、oc
のログレベルを引き上げ、コマンドで生成される API 要求、API 応答、および curl
要求の詳細を出力します。これにより、特定の oc
コマンドの基礎となる操作の詳細ビューが得られます。これにより、障害の性質に関する洞察が得られる可能性があります。
oc
ログレベルは、1 から 10 まであります。以下の表は、oc
ログレベルのリストとそれらの説明を示しています。
ログレベル | 説明 |
---|---|
1 - 5 | 標準エラー (stderr) への追加のロギングはありません。 |
6 | 標準エラー (stderr) に API 要求のログを記録します。 |
7 | 標準エラー (stderr) に API 要求およびヘッダーのログを記録します。 |
8 | 標準エラー (stderr) に API 要求、ヘッダーおよび本体、ならびに API 応答ヘッダーおよび本体のログを記録します。 |
9 |
標準エラー (stderr) に API 要求、ヘッダーおよび本体、API 応答ヘッダーおよび本体、 |
10 |
標準エラー (stderr) に API 要求、ヘッダーおよび本体、API 応答ヘッダーおよび本体、 |
7.12.2. OpenShift CLI (oc
) ログレベルの指定
コマンドのログレベルを引き上げて、OpenShift CLI (oc
) の問題を調査できます。
通常、OpenShift Container Platform ユーザーの現行セッショントークンは、必要に応じてログに記録される curl
要求に含まれます。また、oc
コマンドの基礎となるプロセスを手順ごとにテストする際に使用するために、現行ユーザーのセッショントークンを手動で取得することもできます。
前提条件
-
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
oc
コマンドの実行時にoc
ログレベルを指定します。$ oc <command> --loglevel <log_level>
ここでは、以下のようになります。
- <command>
- 実行しているコマンドを指定します。
- <log_level>
- コマンドに適用するログレベルを指定します。
現行ユーザーのセッショントークンを取得するには、次のコマンドを実行します。
$ oc whoami -t
出力例
sha256~RCV3Qcn7H-OEfqCGVI0CvnZ6...
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