パワーモニタリング


OpenShift Container Platform 4.19

OpenShift Container Platform のパワーモニタリングの設定と使用

Red Hat OpenShift Documentation Team

概要

パワーモニタリングを使用すると、OpenShift Container Platform クラスターで実行されている各コンテナーの CPU や DRAM などのさまざまなコンポーネントの電力消費をモニタリングします。

第1章 Red Hat OpenShift 用パワーモニタリング 0.5 (テクノロジープレビュー) のリリースノート

このリリースノートでは、OpenShift Container Platform の Red Hat OpenShift 用パワーモニタリングの開発状況を追跡します。

Power Monitoring Operator の概要は、パワーモニタリングについて を参照してください。

1.1. パワーモニタリング 0.5 (テクノロジープレビュー) リリースノートの概要

重要

パワーモニタリングはテクノロジープレビュー機能です。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat 製品のサービスレベルアグリーメント (SLA) の対象外であり、機能的に完全ではないことがあります。Red Hat は、実稼働環境でこれらを使用することを推奨していません。テクノロジープレビュー機能は、最新の製品機能をいち早く提供して、開発段階で機能のテストを行い、フィードバックを提供していただくことを目的としています。

Red Hat のテクノロジープレビュー機能のサポート範囲に関する詳細は、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。

Red Hat OpenShift 用パワーモニタリングを使用すると、ワークロードの電力使用量を監視し、コンテナーレベルで測定された CPU や DRAM などの主要な電力消費メトリクスを使用して、OpenShift Container Platform クラスター内で実行されている消費電力が最も多い namespace を特定できます。

パワーモニタリングおよび Power Monitoring Operator のこのリリースは、より正確なデータを提供し、新しいダッシュボードを備え、一部の機能が削除されています。

パワーモニタリングおよび Power Monitoring Operator のこのリリースは、以下でサポートされています。

  • OpenShift Container Platform 4.17 以降
  • ベアメタルデプロイメント

1.1.1. パワーモニタリングテクノロジープレビュー 0.5 の新機能

Kepler プロジェクトをベースとする Red Hat OpenShift 用パワーモニタリングと Power Monitoring Operator のこのリリースには、次の新機能が含まれています。

  • PowerMonitor カスタムリソース定義 (CRD) のデプロイと削除

1.1.2. パワーモニタリングテクノロジープレビュー 0.5 の機能拡張

Kepler プロジェクトをベースとする Red Hat OpenShift 用パワーモニタリングと Power Monitoring Operator のこのリリースには、次の機能強化が含まれています。

  • ノード Running Average Power Limit (RAPL) ゾーンの動的検出
  • アクティブな CPU 使用率に基づくより正確な電力測定
  • 仮想マシン (VM)、コンテナー、Pod の検出の改善
  • プロセス、コンテナー、仮想マシン、Pod のラベル値の関連性向上
  • ホストの /proc および /sys への readonly アクセスのみを要求

    • CAP_SYSADMINCAP_BPF が不要に
  • 以前の Kepler 実装と比較してリソース使用量を大幅に削減
  • 次のレベルのマルチレベルエネルギー追跡:

    • node
    • process
    • container
    • VM
    • pod
  • 設定可能な保持ポリシーによる終了したワークロードの追跡
  • 終了したリソースのエネルギーベースの優先順位付け
  • 設定可能な間隔と古さの検出によるリアルタイムのデータ収集
1.1.2.1. ダッシュボードの更新

この更新により、Red Hat OpenShift 用パワーモニタリングのダッシュボードが次のように変更されました。

  • Power Monitor / Overview ダッシュボードが更新されました。
  • Power Monitor / Namespace (Pods) ダッシュボードが更新されました。
重要

古いメトリクスとダッシュボードがサポートされなくなりました。独自のカスタムダッシュボードまたはクエリーを管理している場合は、新しいバージョンに更新する必要があります。

1.1.3. パワーモニタリング 0.5 (テクノロジープレビュー) の非推奨機能と削除された機能

  • Red Hat OpenShift パワーモニタリングテクノロジープレビュー 0.5 リリースでは、Kepler カスタムリソースが非推奨となり、今後のリリースで削除される予定です。代わりに PowerMonitor カスタムリソースを使用してください。
  • Red Hat OpenShift パワーモニタリングテクノロジープレビュー 0.5 リリースでは、Redfish 設定が削除されました。この設定は、以前のバージョンのパワーモニタリングでサポートされなくなりました。

1.1.4. パワーモニタリング 0.5 (テクノロジープレビュー) サポート表

このリリースには、次のサポートの更新が含まれています。

Expand
表1.1 Power Monitoring Operator のサポート対象バージョンの表

Kepler

0.10.2

Power Monitoring Operator

0.20.0

Expand
表1.2 パワーモニタリングのサポート対象プラットフォーム

OpenShift Container Platform

4.17 以降

ベアメタル

X

重要

仮想マシンへのインストールはサポートされておらず、機能しません。

第2章 Red Hat OpenShift 用パワーモニタリングのリリースノート

重要

パワーモニタリングはテクノロジープレビュー機能です。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat 製品のサービスレベルアグリーメント (SLA) の対象外であり、機能的に完全ではないことがあります。Red Hat は、実稼働環境でこれらを使用することを推奨していません。テクノロジープレビュー機能は、最新の製品機能をいち早く提供して、開発段階で機能のテストを行い、フィードバックを提供していただくことを目的としています。

Red Hat のテクノロジープレビュー機能のサポート範囲に関する詳細は、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。

Red Hat OpenShift 用パワーモニタリングを使用すると、ワークロードの電力使用量を監視し、コンテナーレベルで測定された CPU や DRAM などの主要な電力消費メトリクスを使用して、OpenShift Container Platform クラスター内で実行されている消費電力が最も多い namespace を特定できます。

このリリースノートでは、OpenShift Container Platform の Red Hat OpenShift 用パワーモニタリングの開発状況を追跡します。

Power Monitoring Operator の概要は、パワーモニタリングについて を参照してください。

2.1. パワーモニタリング 0.4 (テクノロジープレビュー)

このリリースには、次のバージョンの更新が含まれています。

  • Kepler 0.7.12
  • Power Monitoring Operator 0.15.0

2.1.1. 機能

  • このリリースでは、FIPS モードが Red Hat OpenShift 用パワーモニタリングに対応しました。FIPS モードの OpenShift Container Platform クラスターに Power Monitoring Operator をインストールすると、Operator はクラスターの FIPS サポートステータスに影響を与えることなく互換性を確保します。

2.1.2. バグ修正

  • この更新の前は、Red Hat OpenShift 用パワーモニタリングの OperatorHub ページの Install 画面に誤ったドキュメントリンクが表示されていました。この更新により、リンクから正しいパスに移動するようになりました。

2.1.3. CVE

2.2. パワーモニタリング 0.3 (テクノロジープレビュー)

このリリースには、次のバージョンの更新が含まれています。

  • Kepler 0.7.12
  • Power Monitoring Operator 0.15.0

パワーモニタリング 0.3 については、次のアドバイザリーが利用できます。

2.2.1. バグ修正

  • この更新前は、Power Monitoring Operator ダッシュボードで無効な Prometheus ルールが使用されていました。そのため、OTHER Power Consumption(W) by Pods のパネルに誤ったデータが表示されていました。この更新により、ルールが修正され、ダッシュボードに正確な電力消費データが表示されるようになりました。

2.2.2. CVE

2.3. パワーモニタリング 0.2 (テクノロジープレビュー)

このリリースには、次のバージョンの更新が含まれています。

  • Kepler 0.7.10
  • Power Monitoring Operator 0.13.0

パワーモニタリング 0.2 には、次のアドバイザリーが利用できます。

2.3.1. 機能

  • この更新により、Kepler で Redfish API を有効にできるようになりました。Kepler は Redfish を使用してノードによって消費される電力を取得します。
  • この更新により、任意の namespace に Power Monitoring Operator をインストールできるようになりました。
  • この更新により、Developer パースペクティブからパワーモニタリングの Overview ダッシュボードにアクセスできるようになりました。

2.3.2. CVE

2.4. パワーモニタリング 0.1 (テクノロジープレビュー)

このリリースでは、Red Hat OpenShift 用パワーモニタリングのテクノロジープレビューバージョンが導入されています。パワーモニタリング 0.1 には、次のアドバイザリーが利用できます。

2.4.1. 機能

  • Kepler のデプロイと削除
  • Intel ベースのベアメタルデプロイメントからの電力使用量メトリクス
  • 電力使用量を視覚化するためのダッシュボード

第3章 パワーモニタリングの概要

重要

パワーモニタリングはテクノロジープレビュー機能です。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat 製品のサービスレベルアグリーメント (SLA) の対象外であり、機能的に完全ではないことがあります。Red Hat は、実稼働環境でこれらを使用することを推奨していません。テクノロジープレビュー機能は、最新の製品機能をいち早く提供して、開発段階で機能のテストを行い、フィードバックを提供していただくことを目的としています。

Red Hat のテクノロジープレビュー機能のサポート範囲に関する詳細は、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。

3.1. パワーモニタリングについて

Red Hat OpenShift 用パワーモニタリングを使用すると、電力使用量を監視し、OpenShift Container Platform クラスター内で実行されている消費電力が多いコンテナーを特定できます。パワーモニタリングは、CPU や DRAM などのさまざまなコンポーネントからエネルギー関連のシステム統計情報を収集し、エクスポートします。Kubernetes Pod と namespace の推定値と詳細な電力消費データを提供し、ノードの電力消費を読み取ります。

警告

テクノロジープレビュー機能であるパワーモニタリングは、ベアメタルデプロイメントでのみ機能します。ほとんどのパブリッククラウドベンダーは、Kernel Power Management Subsystem を仮想マシンに公開していません。

3.2. パワーモニタリングのアーキテクチャー

パワーモニタリングは、次の主要コンポーネントで構成されます。

Power Monitoring Operator
Power Monitoring Operator は、管理者のために、OpenShift Container Platform クラスターの Kepler のデプロイと管理を簡素化し、ワークロードの電力使用量の監視を効率化します。PowerMonitor カスタムリソース定義 (CRD) を追加することで、Power Monitoring Operator のセットアップと設定が簡素化されます。Operator は、Kepler のアップグレード、削除、設定、再デプロイなどの操作も管理します。
Kepler
Kepler はパワーモニタリングの重要なコンポーネントです。OpenShift Container Platform で実行されているコンテナーの電力使用量を監視する役割を果たします。ノードとコンテナーの両方の電力使用量に関連するメトリクスを生成します。

3.3. Kepler のハードウェアサポート

Kepler は、RAPL サブシステムを通じてノードからリアルタイムの CPU 電力消費データを収集するパワーモニタリングの主要コンポーネントです。ノードの総電力消費量を把握し、各プロセスが使用している CPU 時間の割合を計算することで、プロセスごとおよびコンテナーレベルの電力消費量を推定できます。

Kernel Power Management Subsystem
  • rapl-sysfs: これは /sys/class/powercap/intel-rapl ディレクトリーへのアクセスを必要とします。

3.4. Power Monitoring Operator の FIPS 準拠について

バージョン 0.4 以降の Power Monitoring Operator for Red Hat OpenShift は、FIPS に準拠しています。この Operator を FIPS モードの OpenShift Container Platform クラスターにデプロイすると、National Institute of Standards and Technology (NIST) によって検証された Red Hat Enterprise Linux (RHEL) 暗号化ライブラリーが使用されます。

NIST 検証プログラムの詳細は、Cryptographic module validation program を参照してください。RHEL 暗号化ライブラリーの NIST における最新ステータスは、Compliance activities and government standards を参照してください。

FIPS モードを有効にするには、OpenShift Container Platform クラスターに Power Monitoring Operator for Red Hat OpenShift をインストールする必要があります。詳細は、「Do you need extra security for your cluster?」を参照してください。

第4章 Red Hat OpenShift 用パワーモニタリングのインストール

重要

パワーモニタリングはテクノロジープレビュー機能です。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat 製品のサービスレベルアグリーメント (SLA) の対象外であり、機能的に完全ではないことがあります。Red Hat は、実稼働環境でこれらを使用することを推奨していません。テクノロジープレビュー機能は、最新の製品機能をいち早く提供して、開発段階で機能のテストを行い、フィードバックを提供していただくことを目的としています。

Red Hat のテクノロジープレビュー機能のサポート範囲に関する詳細は、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。

OpenShift Container Platform Web コンソールに Power Monitoring Operator をデプロイすることで、Red Hat OpenShift 用パワーモニタリングをインストールできます。

4.1. Power Monitoring Operator のインストール

クラスター管理者は、OpenShift Container Platform Web コンソールを使用して、OperatorHub から Power Monitoring Operator をインストールできます。

警告

インストール前に、以前にインストールしたバージョンの Power Monitoring Operator を削除する必要があります。

前提条件

  • OpenShift Container Platform Web コンソールにアクセスできる。
  • cluster-admin ロールを持つユーザーとしてログインしている。

手順

  1. Web コンソールで、OperatorsOperatorHub に移動します。
  2. power monitoring を検索し、Power monitoring for Red Hat OpenShift タイルをクリックして、Install をクリックします。
  3. もう一度 Install をクリックして、Power Monitoring Operator をインストールします。

    Red Hat OpenShift 用パワーモニタリングが、OpenShift Container Platform クラスターのすべての namespace で利用できるようになります。

検証

  1. Power Monitoring Operator が OperatorsInstalled Operators にリストされていることを確認します。StatusSucceeded に解決されるはずです。

4.2. PowerMonitor カスタムリソースのデプロイ

Power Monitoring Operator を使用して PowerMonitor カスタムリソース (CR) のインスタンスを作成することにより、Kepler をデプロイできます。

重要

Kepler カスタムリソース定義 (CRD) は非推奨となり、今後のリリースで削除される予定です。代わりに PowerMonitor カスタムリソースを使用してください。

前提条件

  • OpenShift Container Platform Web コンソールにアクセスできる。
  • cluster-admin ロールを持つユーザーとしてログインしている。
  • Power Monitoring Operator がインストールされている。

手順

  1. Web コンソールで、OperatorsInstalled Operators に移動します。
  2. Installed Operator リストから Power monitoring for Red Hat OpenShift をクリックし、PowerMonitor タブに移動します。
  3. Create PowerMonitor をクリックします。
  4. Create PowerMonitor ページで、Namepower-monitor に設定されていることを確認します。

    重要

    PowerMonitor インスタンスの名前は power-monitor に設定する必要があります。他のインスタンスは、すべて Power Monitoring Operator に無視されます。

  5. Create をクリックして、PowerMonitor およびパワーモニタリングダッシュボードをデプロイします。

第5章 パワーモニタリングの設定

重要

パワーモニタリングはテクノロジープレビュー機能です。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat 製品のサービスレベルアグリーメント (SLA) の対象外であり、機能的に完全ではないことがあります。Red Hat は、実稼働環境でこれらを使用することを推奨していません。テクノロジープレビュー機能は、最新の製品機能をいち早く提供して、開発段階で機能のテストを行い、フィードバックを提供していただくことを目的としています。

Red Hat のテクノロジープレビュー機能のサポート範囲に関する詳細は、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。

PowerMonitor リソースは Kubernetes カスタムリソース定義 (CRD) です。これを使用してデプロイメントを設定し、PowerMonitor リソースのステータスを監視できます。

5.1. Kepler の設定

PowerMonitor リソースの spec フィールドを使用して Kepler を設定できます。

重要

PowerMonitor インスタンスの名前が power-monitor であることを確認してください。他のインスタンスは、すべて Power Monitoring Operator Webhook によって拒否されます。

以下は設定オプションのリストです。

Expand
表5.1 PowerMonitor の設定オプション
名前説明デフォルトの動作

deployment.nodeSelector

Kepler (PowerMonitor によって作成) Pod がスケジュールされるノード。

kubernetes.io/os: linux

deployment.tolerations

特定の特性を持つノードに Pod をスケジュールすることを許可する Power Monitor 用の toleration。

- operator: "Exists"

deployment.security.mode

セキュリティーモードを none に設定すると、すべてのエンティティーによる Kepler のメトリクスへの無制限のアクセスを許可できます。rbac に設定すると、メトリクスのエンドポイントを TLS 暗号化で保護し、allowedSANames にリストされている承認済みサービスアカウントだけにアクセスを制限できます。

デフォルトでは rbac に設定されており、ユーザーワークロードの Prometheus だけにアクセスが許可されます。

deployment.security.allowedSANames

セキュリティーモードが rbac の場合に Kepler のメトリクスエンドポイントにアクセスできるサービスアカウント名のリスト。

OpenShift では、ユーザーワークロードモニタリングが Kepler をスクレイピングできるように、openshift-user-workload-monitoring:prometheus-user-workload に設定されています。

config.logLevel

Kepler によって公開されるログのレベル。

info に設定されています。

config.metricLevels

公開するエネルギーメトリクスレベルのリスト。設定できる値は、nodeprocesscontainervm、および pod です。

デフォルトのリストには、nodepodvm が含まれています。

config.staleness

計算された電力値が古いと判断されるまでの待機時間を指定します。

500ms (500 ミリ秒)。

config.sampleRate

プロセス、コンテナー、仮想マシンなどのリソースを監視する間隔を指定します。

5s (5 秒)。

config.maxTerminated

終了したワークロードの追跡を制御します。負の値を設定すると、ワークロードが無制限に追跡されます。ゼロを設定すると、追跡が無効になります。正の値を設定すると、エネルギー消費量に基づいて上位 N 個の終了したワークロードが追跡されます。

500。

デフォルト設定の PowerMonitor リソースの例

apiVersion: v1alpha1
kind: PowerMonitor
metadata:
  labels:
    app.kubernetes.io/name: powermonitor
    app.kubernetes.io/instance: powermonitor
    app.kubernetes.io/part-of: kepler-operator
  name: power-monitor
spec:
  kepler:
    deployment:
      nodeSelector:
        kubernetes.io/os: linux

      tolerations:
        - key: key1
          operator: Equal
          value: value1
          effect: NoSchedule

      security:
        mode: rbac
        allowedSANames:
          - openshift-user-workload-monitoring:prometheus-user-workload

    config:
      logLevel: info
      metricLevels: [node, pod, vm]
      staleness: 1s
      sampleRate: 10s
      maxTerminated: 1000
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5.2. Kepler のステータスの監視

PowerMonitor リソースの status フィールドを使用して、Kepler エクスポーターの状態を監視できます。

status フィールドには、次のような情報が含まれています。

  • 現在 Kepler Pod を実行しているノードの数
  • Kepler Pod を実行する必要があるノードの数
  • Kepler リソースの健全性を表す条件

これにより、spec フィールドを通じて行った変更に関する貴重な情報が得られます。

PowerMonitor リソースの状態の例

apiVersion: kepler.system.sustainable.computing.io/v1alpha1
kind: PowerMonitor
metadata:
  name: power-monitor
status:
   conditions: 
1

     - lastTransitionTime: '2024-01-11T11:07:39Z'
       message: Reconcile succeeded
       observedGeneration: 1
       reason: ReconcileSuccess
       status: 'True'
       type: Reconciled
     - lastTransitionTime: '2024-01-11T11:07:39Z'
       message: >-
         power-monitor daemonset "openshift-power-monitoring/power-monitor" is deployed to all nodes and
         available; ready 2/2
       observedGeneration: 1
       reason: DaemonSetReady
       status: 'True'
       type: Available
   currentNumberScheduled: 2 
2

   desiredNumberScheduled: 2 
3
Copy to Clipboard Toggle word wrap

1
PowerMonitor リソースの健全性。この例では、PowerMonitor リソースは正常にリコンサイルされており、準備完了状態です。
2
現在 Kepler Pod を実行しているノードの数は 2 です。
3
Kepler Pod を実行する必要があるノードの数は 2 です。

第6章 パワーモニタリングのメトリクスの視覚化

重要

パワーモニタリングはテクノロジープレビュー機能です。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat 製品のサービスレベルアグリーメント (SLA) の対象外であり、機能的に完全ではないことがあります。Red Hat は、実稼働環境でこれらを使用することを推奨していません。テクノロジープレビュー機能は、最新の製品機能をいち早く提供して、開発段階で機能のテストを行い、フィードバックを提供していただくことを目的としています。

Red Hat のテクノロジープレビュー機能のサポート範囲に関する詳細は、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。

OpenShift Container Platform Web コンソールでパワーモニタリングのメトリクスを視覚的に確認するには、パワーモニタリングダッシュボードにアクセスするか、Observe タブの Metrics を確認します。

6.1. パワーモニタリングダッシュボードの概要

パワーモニタリングダッシュボードは 2 種類あります。どちらも、1 つのクラスターの消費電力メトリクスに関するさまざまなレベルの詳細情報を提供します。

6.1.1. Power Monitor / Overview ダッシュボード

このダッシュボードでは、次の情報を表示できます。

クラスター全体の電力消費量
ゾーンごとにグループ化された、現在の合計、アクティブ、およびアイドル状態の CPU 電力消費量を表示します。
ノードレベルの電力の詳細
個々のノードの過去および現在の電力消費量 (合計、アクティブ、およびアイドル) を分析します。
ハードウェア情報
クラスター内の各ノードの CPU モデルとコア数を表示します。
時系列分析
ノードとゾーンでフィルタリングできるグラフを使用して、経時的な電力消費の傾向を追跡します。これにより、クラスターのエネルギー使用量を包括的に確認できます。

6.1.2. Power Monitor / Namespace (Pod) ダッシュボード

このダッシュボードでは、Kubernetes の namespace と Pod の電力消費量を監視および分析できます。以下の情報が表示されます。

電力消費量が多い上位 10 個の namespace
現在の電力使用量に基づいて上位 10 個の namespace を表示するリアルタイムテーブル。これにより、最も多くリソースを消費するワークロードを迅速に特定できます。
namespace の総電力消費量
選択した namespace 内の Pod の合計電力消費量を、ゾーンごとにグループ化して経時的に表示する履歴グラフ。これにより、傾向を確認し、アプリケーションまたはサービスの総電力使用量を把握できます。
個々の Pod の電力消費量
個々の Pod の電力消費量を示す詳細なグラフが表示されるため、Pod を詳細に分析できます。

6.2. クラスター管理者としてパワーモニタリングダッシュボードにアクセスする

OpenShift Container Platform Web コンソールのパワーモニタリングダッシュボードにアクセスできます。

前提条件

  • OpenShift Container Platform Web コンソールにアクセスできる。
  • cluster-admin ロールを持つユーザーとしてログインしている。
  • Power Monitoring Operator がインストールされている。
  • Kepler がクラスターにデプロイされている。
  • ユーザー定義プロジェクトのモニタリングが有効になっている。

手順

  1. Web コンソールで、ObserveDashboards に移動します。
  2. Dashboard ドロップダウンリストから、表示するパワーモニタリングダッシュボードを選択します。

    • Power Monitor / Overview
    • Power Monitor / Namespace (Pod)

6.3. 開発者としてパワーモニタリングダッシュボードにアクセスする

OpenShift Container Platform Web コンソールからパワーモニタリングダッシュボードにアクセスできます。

前提条件

  • OpenShift Container Platform Web コンソールにアクセスできる。
  • 開発者またはユーザーとしてクラスターにアクセスできる。
  • Power Monitoring Operator がインストールされている。
  • Kepler がクラスターにデプロイされている。
  • ユーザー定義プロジェクトのモニタリングが有効になっている。
  • Kepler がデプロイされている namespace openshift-power-monitoring に対する view 権限がある。

手順

  1. Web コンソールで、ObserveDashboard に移動します。
  2. Dashboard ドロップダウンリストから、表示するパワーモニタリングダッシュボードを選択します。

    • Power Monitor / Overview

第7章 パワーモニタリングのアンインストール

重要

パワーモニタリングはテクノロジープレビュー機能です。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat 製品のサービスレベルアグリーメント (SLA) の対象外であり、機能的に完全ではないことがあります。Red Hat は、実稼働環境でこれらを使用することを推奨していません。テクノロジープレビュー機能は、最新の製品機能をいち早く提供して、開発段階で機能のテストを行い、フィードバックを提供していただくことを目的としています。

Red Hat のテクノロジープレビュー機能のサポート範囲に関する詳細は、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。

パワーモニタリングをアンインストールするには、OpenShift Container Platform Web コンソールで Kepler インスタンスを削除してから、Power Monitoring Operator を削除します。

7.1. Kepler の削除

Kepler を削除するには、OpenShift Container Platform Web コンソールから Kepler カスタムリソース定義 (CRD) の Kepler インスタンスを削除します。

重要

Red Hat OpenShift 用パワーモニタリング 0.5 (テクノロジープレビュー) 以降は、PowerMonitor CRD を使用し、Kepler CRD のすべてのインスタンスを削除してください。

前提条件

  • OpenShift Container Platform Web コンソールにアクセスできる。
  • cluster-admin ロールを持つユーザーとしてログインしている。

手順

  1. Web コンソールで、OperatorsInstalled Operators に移動します。
  2. Installed Operators リストから Power monitoring for Red Hat OpenShift をクリックし、Kepler タブに移動します。
  3. リストで Kepler インスタンスのエントリーを見つけます。
  4. このエントリーの kebab をクリックして、Delete Kepler を選択します。
  5. Delete Kepler? ダイアログで、Delete をクリックして Kepler インスタンスを削除します。

7.2. PowerMonitor カスタムリソースの削除

OpenShift Container Platform Web コンソールから PowerMonitor CR の power-monitor インスタンスを削除することにより、PowerMonitor カスタムリソース (CR) を削除できます。

前提条件

  • OpenShift Container Platform Web コンソールにアクセスできる。
  • cluster-admin ロールを持つユーザーとしてログインしている。

手順

  1. Web コンソールで、OperatorsInstalled Operators に移動します。
  2. Installed Operator リストから Power monitoring for Red Hat OpenShift をクリックし、PowerMonitor タブに移動します。
  3. リストで PowerMonitor インスタンスのエントリーを見つけます。
  4. このエントリーの kebab をクリックし、Delete PowerMonitor を選択します。
  5. Delete PowerMonitor? ダイアログで、Delete をクリックして PowerMonitor インスタンスを削除します。

7.3. Power Monitoring Operator のアンインストール

OperatorHub を使用して Power Monitoring Operator をインストールした場合は、OpenShift Container Platform Web コンソールからアンインストールできます。

前提条件

  • OpenShift Container Platform Web コンソールにアクセスできる。
  • cluster-admin ロールを持つユーザーとしてログインしている。

手順

  1. Kepler インスタンスを削除します。

    警告

    Power Monitoring Operator をアンインストールする前に、Kepler インスタンスが削除されていることを確認してください。

  2. OperatorsInstalled Operators に移動します。
  3. リストで Power monitoring for Red Hat OpenShift エントリーを見つけます。
  4. このエントリーの kebab をクリックし、Uninstall Operator を選択します。
  5. Uninstall Operator? ダイアログで、Uninstall をクリックして Power Monitoring Operator をアンインストールします。

第8章 パワーモニタリングのリファレンス

重要

パワーモニタリングはテクノロジープレビュー機能です。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat 製品のサービスレベルアグリーメント (SLA) の対象外であり、機能的に完全ではないことがあります。Red Hat は、実稼働環境でこれらを使用することを推奨していません。テクノロジープレビュー機能は、最新の製品機能をいち早く提供して、開発段階で機能のテストを行い、フィードバックを提供していただくことを目的としています。

Red Hat のテクノロジープレビュー機能のサポート範囲に関する詳細は、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。

8.1. パワーモニタリングの Kepler 電力配分ガイド

Kepler の電力配分システムは、ハードウェアのエネルギー消費量を個々のワークロードに実用的な形で比例的に配分するものです。CPU 時間に基づいた配分は、現代の CPU の複雑さに起因する固有の制限がありますが、ほとんどの監視および最適化のユースケースにおいて、正確さ、シンプルさ、パフォーマンスオーバーヘッドの点で優れたバランスを提供します。

電力配分の詳細は、Kepler Power Attribution Guide を参照してください。

第9章 パワーモニタリングの API リファレンス

重要

パワーモニタリングはテクノロジープレビュー機能です。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat 製品のサービスレベルアグリーメント (SLA) の対象外であり、機能的に完全ではないことがあります。Red Hat は、実稼働環境でこれらを使用することを推奨していません。テクノロジープレビュー機能は、最新の製品機能をいち早く提供して、開発段階で機能のテストを行い、フィードバックを提供していただくことを目的としています。

Red Hat のテクノロジープレビュー機能のサポート範囲に関する詳細は、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。

PowerMonitor は、PowerMonitor API のスキーマです。

9.1. PowerMonitoring API 仕様

PowerMonitor

PowerMonitor は、PowerMonitor API のスキーマです。

Expand
名前タイプ説明必須

apiVersion

string

kepler.system.sustainable.computing.io/v1alpha1

true

kind

string

PowerMonitor

true

object

metadata フィールドのフィールドについては、Kubernetes API ドキュメントを参照してください。

true

spec

object

PowerMonitorSpec は、Power Monitor の望ましい状態を定義します。

false

status

9.1.1. PowerMonitor.spec

PowerMonitorSpec は、Power Monitor の望ましい状態を定義します。

Expand
名前タイプ説明必須

kepler

object

 

true

9.1.2. PowerMonitor.status.conditions

Expand
名前タイプ説明必須

lastTransitionTime

string

最後にあるステータスから別のステータスに条件が遷移した時刻。これは、基礎となる条件が変更された時刻になるはずです。その時刻が不明な場合は、API フィールドが変更された時刻を使用することが許容されます。
形式: date-time

true

message

string

遷移の詳細を示す人が判読できるメッセージ。空の文字列の場合もあります。

true

reason

string

条件が最後に遷移した理由を示す、プログラムによる識別子が格納されます。

true

status

string

条件のステータス。True、False、または Unknown のいずれかになります。

true

type

string

Kepler の条件のタイプ (Reconciled や Available など)。

true

observedGeneration

integer

条件が設定される基になった .metadata.generation を表します。たとえば、.metadata.generation が現在 12 であるが、.status.conditions[x].observedGeneration が 9 の場合、条件が古くなっています。
形式: int64
最小値: 0

false

9.1.3. PowerMonitor.status.kepler

Expand
名前タイプ説明必須

currentNumberScheduled

integer

少なくとも 1 つの power-monitor Pod を実行しており、この Pod を実行することになっているノードの数。
形式: int32

true

desiredNumberScheduled

integer

power-monitor Pod を実行する必要があるノードの合計数。
形式: int32

true

numberMisscheduled

integer

power-monitor Pod を実行するべきではないノードの数。
形式: int32

true

numberReady

integer

power-monitor Pod を実行する必要があり、少なくとも 1 つの Pod が Ready 状態にあるノードの数。
形式: int32

true

numberAvailable

integer

power-monitor Pod を実行する必要があり、少なくとも 1 つの Pod が実行中で利用可能なノードの数。
形式: int32

false

numberUnavailable

integer

power-monitor Pod を実行する必要があるが、実行中で利用可能な Pod がないノードの数。
形式: int32

false

updatedNumberScheduled

integer

更新された power-monitor Pod を実行しているノードの合計数。
形式: int32

false

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