第5章 ネットワーク


5.1. ネットワーク

5.1.1. 概要

Kubernetes は、確実に Pod 間がネットワークで接続されるようにし、内部ネットワークから IP アドレスを各 Pod に割り当てます。こうすることで、Pod 内の全コンテナーが同じホスト上にいるかように動作します。各 Pod に IP アドレスを割り当てると、ポートの割り当て、ネットワーク、名前の指定、サービス検出、負荷分散、アプリケーション設定、移行などの点で、Pod を物理ホストや仮想マシンのように扱うことができます。

Pod 間のリンクを作成する必要はないので、この IP アドレスを使用して Pod 間で直接相互に通信することは推奨されません。代わりに、サービスを作成して、そのサービスと対話することが推奨されます。

5.1.2. OpenShift Online DNS

フロントエンドサービスやバックエンドサービスなど、複数のサービスを実行して複数の Pod で使用している場合には、フロントエンド Pod がバックエンドサービスと通信できるように、ユーザー名、サービス IP などの環境変数を作成します。サービスが削除され、再作成された場合には、新規の IP アドレスがサービスに割り当てられるので、サービス IP の環境変数の更新値を取得するには、フロントエンド Pod を再作成する必要があります。さらに、バックエンドサービスは、フロントエンド Pod を作成する前に作成し、サービス IP が正しく生成され、フロントエンド Pod に環境変数として提供できるようにする必要があります。

そのため、OpenShift Online には DNS が組み込まれており、これにより、サービスは、サービス IP/ポートと共にサービス DNS によって到達可能になります。OpenShift Online は、サービスの DNS クエリーに応答するマスターで「SkyDNS」を実行することで、スプリット DNS をサポートします。マスターは、デフォルトで、ポート 53 をリッスンします。

ノードが起動すると、以下のメッセージで、Kubelet が正しくマスターに解決されていることが分かります。

0308 19:51:03.118430    4484 node.go:197] Started Kubelet for node
openshiftdev.local, server at 0.0.0.0:10250
I0308 19:51:03.118459    4484 node.go:199]   Kubelet is setting 10.0.2.15 as a
DNS nameserver for domain "local"

2 番目のメッセージが表示されない場合は、Kuernetes サービスが利用できない可能性があります。

ノードホストで、各コンテナーのネームサーバーのフロントにマスター名が追加され、コンテナーの検索ドメインはデフォルトでは、.<pod_namespace>.cluster.local になります。コンテナーは、ノード上の他のネームサーバーよりも先にネームサーバーのクエリーをマスターに転送します。これは、Docker 形式のコンテナーではデフォルトの動作です。 マスターは、以下の形式の .cluster.local ドメインでクエリーに対応します

表5.1 DNS 名の例
オブジェクトタイプ

デフォルト

<pod_namespace>.cluster.local

サービス

<service>.<pod_namespace>.svc.cluster.local

エンドポイント

<name>.<namespace>.endpoints.cluster.local

これにより、新しいサービスを取得するためにフロントエンドの pod を再起動し、サービスに対して新しい IP を作成せずに済みます。また、pod がサービスの DNS を使用するので、環境変数を使用する必要がなくなります。さらに、DNS は変更しないので、設定ファイルで db.local としてデータベースサービスを参照できます。また、検索はサービス IP に対して解決するため、ワイルドカードの検索もサポートされます。 さらにサービス名 (つまり DNS) が事前に確立しているので、フロントエンド Pod の前にバックエンドサービスを作成する必要がなくなります。

この DNS 構造では、ポータル IP はサービスに割り当てられず、kube-proxy は負荷分散しないまたはエンドポイントのルーティングを提供するヘッドレスサービスに対応しています。サービス DNS は依然として使用でき、サービスの Pod ごとに 1 つずつある複数のレコードに対応し、クライアントによる Pod 間のラウンドロビンを可能にします。

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