8.4. initdata について
initdata 仕様は、実行時に機密データまたはワークロード固有のデータを使用してピア Pod を初期化する柔軟な方法を提供し、そのようなデータを仮想マシン (VM) イメージに埋め込む必要性を回避します。これにより、機密情報の漏洩が減り、セキュリティーが強化され、カスタムイメージビルドがなくなることで柔軟性が向上します。たとえば、initdata には次の 3 つの設定を含めることができます。
- 安全な通信のための X.509 証明書。
- 認証用の暗号化キー。
-
デフォルトの Kata Agent ポリシーを上書きするときに実行時の動作を強制する任意の Kata Agent
policy.rego
ファイル。
次のいずれかの方法を使用して、initdata 設定を適用できます。
- ピア Pod の config map に含めることでグローバルに、すべての Pod に対してクラスター全体のデフォルトを設定します。
特定の Pod に対して Pod ワークロードオブジェクトを設定するときに、個々のワークロードのカスタマイズが可能になります。
Pod ワークロードオブジェクトを設定するときに指定する
io.katacontainers.config.runtime.cc_init_data
アノテーションは、その特定の Pod のピア Podconfig map 内のグローバルINITDATA
設定をオーバーライドします。Kata ランタイムは、Pod の作成時にこの優先順位を自動的に処理します。
initdata コンテンツは次のコンポーネントを設定します。
- Attestation Agent (AA) は、アテステーションのために受託者に証拠を送信することで、ピア Pod の信頼性を検証します。
- Confidential Data Hub (CDH) は、ピア Pod 仮想マシン内の秘密と安全なデータアクセスを管理します。
- Kata エージェントは、ランタイムポリシーを適用し、Pod 仮想マシン内のコンテナーのライフサイクルを管理します。