7.7. Kata エージェントポリシーのカスタマイズ


Kata エージェントポリシーは、Kata ランタイムで実行されている Pod のエージェント API 要求を制御するセキュリティーメカニズムです。このポリシーは Rego で記述され、Pod 仮想マシン (VM) 内の Kata エージェントによって適用され、許可または拒否される操作を決定します。

デフォルトでは、Kata エージェントポリシーは exec APIlog API を無効にします。これは、これらの API がコントロールプレーンを介して暗号化されていないデータを送受信する可能性があり、安全ではないためです。

セキュリティーが問題にならない開発やテストなどの特定のユースケースでは、デフォルトのポリシーをカスタムポリシーで上書きできます。たとえば、コントロールプレーンを信頼できる環境で実行する場合があります。カスタムポリシーは、複数の方法で適用できます。

  • ポリシーを Pod VM イメージに組み込む。
  • ピア Pod の config map にパッチを適用する。
  • ワークロード Pod YAML にアノテーションを追加する。

実稼働システムの場合、initdata を使用して Kata エージェントポリシーをオーバーライドする方法が推奨されます。以下の手順では、io.katacontainers.config.agent.policy アノテーションを使用してカスタムポリシーを個々の Pod に適用します。ポリシーは Base64 でエンコードされた Rego 形式で提供されます。このアプローチでは、Pod 仮想マシンイメージを変更せずに、Pod 作成時にデフォルトのポリシーをオーバーライドします。

重要

Confidential Containers ワークロードで exec API または log API を有効にすると、機密情報が公開される可能性があります。実稼働環境ではこれらの API を有効にしないでください。

注記

カスタムポリシーは、デフォルトのポリシーを完全に置き換えます。特定の API のみを変更するには、完全なポリシーを含め、関連するルールを調整します。

手順

  1. カスタムポリシーを含む policy.rego ファイルを作成します。次の例では、デモ用に execlog を有効にした、設定可能なすべての API を示しています。

    package agent_policy
    
    import future.keywords.in
    import input
    
    default CopyFileRequest := false
    default CreateContainerRequest := false
    default CreateSandboxRequest := true
    default DestroySandboxRequest := true
    default ExecProcessRequest := true  # Enabled to allow exec API
    default GetOOMEventRequest := true
    default GuestDetailsRequest := true
    default OnlineCPUMemRequest := true
    default PullImageRequest := true
    default ReadStreamRequest := true   # Enabled to allow log API
    default RemoveContainerRequest := true
    default RemoveStaleVirtiofsShareMountsRequest := true
    default SignalProcessRequest := true
    default StartContainerRequest := true
    default StatsContainerRequest := true
    default TtyWinResizeRequest := true
    default UpdateEphemeralMountsRequest := true
    default UpdateInterfaceRequest := true
    default UpdateRoutesRequest := true
    default WaitProcessRequest := true
    default WriteStreamRequest := false
    Copy to Clipboard

    このポリシーは、exec (ExecProcessRequest) および log (ReadStreamRequest) API を有効にします。必要に応じて、true または false の値を調整してポリシーをさらにカスタマイズします。

  2. 次のコマンドを実行して、policy.rego ファイルを Base64 でエンコードされた文字列に変換します。

    $ base64 -w0 policy.rego
    Copy to Clipboard

    yaml ファイルで使用するために出力を保存します。

  3. Base64 でエンコードされたポリシーを my-pod.yaml Pod 仕様ファイルに追加します。

    apiVersion: v1
    kind: Pod
    metadata:
      name: <pod_name>
      annotations:
        io.katacontainers.config.agent.policy: <base64_encoded_policy>
    spec:
      runtimeClassName: kata-remote
      containers:
      - name: <container_name>
        image: registry.access.redhat.com/ubi9/ubi:latest
        command:
        - sleep
        - "36000"
        securityContext:
          privileged: false
          seccompProfile:
            type: RuntimeDefault
    Copy to Clipboard
  4. 以下のコマンドを実行して Pod マニフェストを適用します。

    $ oc apply -f my-pod.yaml
    Copy to Clipboard
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