第3章 DM-Multipath のセットアップ
この章では、DM-Multipath を設定するための手順を順を追って説明します。手順は以下のとおりです。
- 基本的な DM-Multipath のセットアップ
- ローカルディスクを無視する
- 設定ファイルへのデバイスの追加
initramfs
ファイルシステムでのマルチパスの起動
3.1. DM-Multipath のセットアップ
ご使用のシステムに DM-Multipath をセットアップする前に、システムが更新されており、
device-mapper-multipath
パッケージが含まれていることを確認してください。
mpathconf
ユーティリティーを使用してマルチパスをセットアップします。これによって、マルチパス設定ファイル /etc/multipath.conf
が作成されます。
/etc/multipath.conf
ファイルがすでに存在する場合、mpathconf
ユーティリティーは、そのファイルを編集します。/etc/multipath.conf
ファイルが存在しない場合は、mpathconf
ユーティリティーは、/usr/share/doc/device-mapper-multipath-0.4.9/multipath.conf
ファイルを開始ファイルとして使用します。/usr/share/doc/device-mapper-multipath-0.4.9/multipath.conf
ファイルが存在しない場合は、mpathconf
ユーティリティーが/etc/multipath.conf
ファイルをゼロから作成します。
/etc/multipath.conf
ファイルを編集する必要がない場合は、以下のコマンドを実行することによって、基本的なフェイルオーバー設定用の DM-Multipath をセットアップすることができます。このコマンドによって、マルチパス設定が有効にされ、multipathd
デーモンが起動します。
# mpathconf --enable --with_multipathd y
multipathd
デーモンを起動する前に /etc/multipath.conf
ファイルを編集する必要がある場合は、以下の手順に従って、基本的なフェイルオーバー設定用に DM-Multipath をセットアップします。
--enable
オプションを指定してmpathconf
コマンドを実行します。#
mpathconf --enable
必要になる可能性のあるmpathconf
コマンドへの追加オプションについての情報を得るには、mpathconf
の man ページを参照するか、または--help
オプションを指定してmpathconf
コマンドを実行してください。#
mpathconf --help
usage: /sbin/mpathconf <command> Commands: Enable: --enable Disable: --disable Set user_friendly_names (Default n): --user_friendly_names <y|n> Set find_multipaths (Default n): --find_multipaths <y|n> Load the dm-multipath modules on enable (Default y): --with_module <y|n> start/stop/reload multipathd (Default n): --with_multipathd <y|n> chkconfig on/off multipathd (Default y): --with_chkconfig <y|n>- 必要な場合は、
/etc/multipath.conf
ファイルを編集します。DM-Multipath 用のデフォルト設定はシステムにコンパイルしてあるため、/etc/multipath.conf
ファイルに明示的に設定する必要はありません。path_grouping_policy
のデフォルト値はfailover
に設定されています。そのため、この例では/etc/multipath.conf
ファイルを編集する必要はありません。設定ファイル内の値のデフォルト以外の値に変更する方法についての情報は、4章DM-Multipath 設定ファイル を参照してください。設定ファイルの初期デフォルトセクションは、マルチパスデバイス名がmpath
n の形式になるようご使用のシステムを設定します。この設定がないと、マルチパスデバイス名はそのデバイスの WWID へとエイリアス化されます。 - 必要に応じて設定ファイルを保存し、エディターを終了します。
- 以下のコマンドを実行します。
#
service multipathd start
user_friendly_name
の値が、設定ファイルで yes
に設定されているため、マルチパスデバイスは /dev/mapper/mpath
n として作成されます。デバイス名を別の任意のエイリアスに設定する方法についての情報は、4章DM-Multipath 設定ファイル を参照してください。
ユーザーフレンドリーな名前を使用したくない場合には、以下のコマンドを実行することができます。
# mpathconf --enable --user_friendly_names n
注記
マルチパスデーモンの起動後にマルチパス設定ファイルを編集する必要がある場合、変更を有効にするには
service multipathd reload
コマンドを使用する必要があります。