14.4. 脆弱性管理ダッシュボードの使用 (非推奨)
これまで、RHACS では、システムで検出された脆弱性を脆弱性管理ダッシュボードに表示していました。このダッシュボードを使用すると、イメージ、ノード、プラットフォームごとに脆弱性を表示できます。クラスター、namespace、デプロイメント、ノードコンポーネント、イメージコンポーネントごとに脆弱性を表示することもできます。このダッシュボードは RHACS 4.5 で非推奨となり、今後のリリースで削除される予定です。
脆弱性に関する追加情報の表示、脆弱性の延期、脆弱性を誤検出としてマークする操作など、脆弱性に対する操作を実行するには、Vulnerability Management
14.4.1. ダッシュボードを使用してアプリケーションの脆弱性を表示する
ダッシュボードを使用して、Red Hat Advanced Cluster Security for Kubernetes のアプリケーションの脆弱性を表示できます。
手順
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RHACS ポータルで、Vulnerability Management
Dashboard に移動します。 -
Dashboard ビューヘッダーで、Application & Infrastructure
Namespaces または Deployments を選択します。 - リストから、確認する Namespace または Deployment を検索し、選択します。
- アプリケーションの詳細を取得するには、右側の Related entities からエンティティーを選択します。
14.4.2. ダッシュボードを使用してイメージの脆弱性を表示する
ダッシュボードを使用して、Red Hat Advanced Cluster Security for Kubernetes のイメージの脆弱性を表示できます。
手順
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RHACS ポータルで、Vulnerability Management
Dashboard に移動します。 - Dashboard ビューのヘッダーで、<number> Images を選択します。
イメージのリストから、調査するイメージを選択します。次のいずれかの手順を実行して、リストをフィルタリングすることもできます。
- 検索バーに Image と入力して、Image 属性を選択します。
- 検索バーにイメージ名を入力します。
- イメージの詳細ビューで、リストされている CVE を確認し、影響を受けるコンポーネントに対処するためのアクションを優先的に実行します。
- 右側の Related entities から Components を選択し、選択したイメージの影響を受けるすべてのコンポーネントに関する詳細情報を取得します。または、特定の CVE の影響を受けるコンポーネントを見つけるには、Image findings セクションの Affected components 列から Components を選択します。
14.4.3. ダッシュボードを使用してクラスターの脆弱性を表示する
Red Hat Advanced Cluster Security for Kubernetes を使用すると、クラスター内の脆弱性を表示できます。
手順
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RHACS ポータルで、Vulnerability Management
Dashboard に移動します。 -
Dashboard ビューのヘッダーで、Application & Infrastructure
Clusters を選択します。 - クラスターのリストから、調査するクラスターを選択します。
- クラスターの脆弱性を確認し、クラスター上の影響を受けるノードに対するアクションの優先順位を決定します。
14.4.4. ダッシュボードを使用してノードの脆弱性を表示する
Red Hat Advanced Cluster Security for Kubernetes を使用して、特定ノードで脆弱性を表示できます。
手順
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RHACS ポータルで、Vulnerability Management
Dashboard に移動します。 - Dashboard ビューヘッダーで、Nodes を選択します。
- ノードのリストから、調査するノードを選択します。
- 選択したノードの脆弱性を確認し、アクションの実行に優先順位を付けます。
- 影響を受けるコンポーネントに関する詳細情報を取得するには、右側の Related entities から Components を選択します。
14.4.5. ダッシュボードを使用して最も脆弱なイメージコンポーネントを特定する
Vulnerability Management ビューを使用して、脆弱なイメージコンポーネントを特定します。
手順
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RHACS ポータルにアクセスし、ナビゲーションメニューから Vulnerability Management
Dashboard をクリックします。 -
Vulnerability Management ビューのヘッダーから、Application & Infrastructure
Image Components を選択します。 - Image Components ビューで、Image CVEs 列ヘッダーを選択して、CVE 数に基づいてコンポーネントを降順 (最も多いものから順) に並べます。
14.4.6. ダッシュボードを使用して修正可能な CVE の詳細のみを表示する
Vulnerability Management ビューを使用して、修正可能な CVE をフィルタリングして表示します。
手順
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RHACS ポータルで、Vulnerability Management
Dashboard に移動します。 - Vulnerability Management ビューのヘッダーの Filter CVEs で、Fixable をクリックします。
14.4.7. ダッシュボードを使用してベースイメージのオペレーティングシステムを特定する
Vulnerability Management ビューを使用して、ベースイメージのオペレーティングシステムを特定します。
手順
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RHACS ポータルにアクセスし、ナビゲーションメニューから Vulnerability Management
Dashboard をクリックします。 - Vulnerability Management ビューヘッダーから Images を選択します。
- Image OS 列の下に、すべてのイメージのベースオペレーティングシステム (OS) および OS バージョンを表示します。
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イメージを選択して、その詳細を表示します。ベースオペレーティングシステムは、Image Summary
Details and Metadata セクションでも利用できます。
Red Hat Advanced Cluster Security for Kubernetes は、以下のいずれかの場合に、Image OS を unknown としてリスト表示します。
- オペレーティングシステム情報が利用できない場合、または
- 使用中のイメージスキャナーでこの情報が提供されない場合。
Docker Trusted Registry、Google Container Registry、および Anchore では、この情報を提供されません。
14.4.8. ダッシュボードを使用して最もリスクの高いオブジェクトを特定する
Vulnerability Management ビューを使用して、環境内の主要なリスクオブジェクトを特定します。Top Risky ウィジェットは、環境内のトップリスクのイメージ、デプロイメント、クラスター、および namespace に関する情報を表示します。このリスクは、脆弱性の数と CVSS スコアに基づいて決定されます。
手順
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RHACS ポータルにアクセスし、ナビゲーションメニューから Vulnerability Management
Dashboard をクリックします。 Top Risky ウィジェットヘッダーを選択して、リスクイメージ、デプロイメント、クラスター、および namespace の中から選択します。
グラフの小さな円は、選択したオブジェクト (イメージ、デプロイメント、クラスター、namespace) を表します。円にマウスをかざし、その円が表すオブジェクトの概要を確認します。円を選択して、選択したオブジェクト、その関連エンティティー、およびエンティティー間の接続に関する詳細情報を表示します。
たとえば、Top Risky Deployments by CVE Count and CVSS score を表示する場合には、グラフの各円はデプロイメントを表します。
- デプロイメントにカーソルを合わせると、デプロイメントの概要が表示されます。これには、デプロイメント名、クラスターと namespace の名前、重大度、リスクの優先度、CVSS、および CVE カウント (修正可能を含む) が含まれます。
- デプロイメントを選択すると、選択したデプロイメントの Deployment ビューが開きます。Deployment ビューには、デプロイメントの詳細情報が表示され、そのデプロイメントのポリシー違反、共通脆弱性、CVE、およびリスクイメージに関する情報が含まれます。
- ウィジェットヘッダーで View All を選択して、選択したタイプのオブジェクトをすべて表示します。たとえば、Top Risky Deployments by CVE Count and CVSS score を選択した場合には、View All を選択して、インフラストラクチャー内のすべてのデプロイメントに関する詳細情報を表示できます。
14.4.9. ダッシュボードを使用して最もリスクの高いイメージとコンポーネントを特定する
Top Risky と同様に、Top Riskiest ウィジェットには、最もリスクの高いイメージとコンポーネントの名前がリスト表示されます。このウィジェットには、リストされたイメージ内の CVE の総数と修正可能な CVE の数も含まれています。
手順
- RHACS ポータルに移動し、ナビゲーションメニューから Vulnerability Management をクリックします。
Top Riskiest Images ウィジェットヘッダーを選択して、リスクイメージとコンポーネントを選択します。Top Riskiest Images を表示する場合は、以下を実行します。
- リスト内のイメージにカーソルを合わせると、イメージの概要が表示されます。これには、イメージ名、スキャン時間、CVE の数、重大度 (クリティカル、高、中、低) が含まれます。
- イメージを選択すると、選択したイメージの Image ビューが開きます。Image ビューには、イメージの詳細が表示され、CVSS スコア別の CVE、最もリスクの高いコンポーネント、修正可能な CVE、およびイメージの Dockerfile に関する情報が含まれます。
- ウィジェットヘッダーで View All を選択して、選択したタイプのオブジェクトをすべて表示します。たとえば、Top Riskiest Components を選択した場合は、View All を選んでインフラストラクチャー内のすべてのコンポーネントに関する詳細情報を表示できます。
14.4.10. ダッシュボードを使用してイメージの Dockerfile を表示する
Vulnerability Management ビューを使用して、イメージの脆弱性の根本的な原因を検索します。Dockerfile を表示して、Dockerfile 内のどのコマンドが脆弱性を導入したか、およびその単一のコマンドに関連付けられているすべてのコンポーネントを正確に見つけることができます。
Dockerfile セクションには、次の情報が表示されます。
- Dockerfile のすべてのレイヤー
- 各レイヤーの命令とその値
- 各レイヤーに含まれるコンポーネント
- 各レイヤーのコンポーネントの CVE 数
特定のレイヤーで導入されたコンポーネントがある場合は、デプロイメントアイコンを選択してコンポーネントの概要を表示できます。これらのコンポーネントに CVE がある場合は、個別のコンポーネントのデプロイメントアイコンを選択して、そのコンポーネントに影響を与える CVE の詳細を取得できます。
手順
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RHACS ポータルで、Vulnerability Management
Dashboard に移動します。 - Top Riskiest Images ウィジェットからイメージを選択するか、ダッシュボードの上部にある Images ボタンをクリックしてイメージを選択します。
- Image の詳細ビューで、Dockerfile の横にある展開アイコンを選択して、手順、値、作成日、およびコンポーネントの概要を表示します。
- 詳細情報を表示するには、個別のコンポーネントの展開アイコンを選択します。
14.4.11. ダッシュボードを使用して脆弱性をもたらすコンテナーイメージレイヤーを特定する
Vulnerability Management ダッシュボードを使用すると、脆弱なコンポーネントとそのコンポーネントが現れるイメージレイヤーを特定できます。
手順
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RHACS ポータルにアクセスし、ナビゲーションメニューから Vulnerability Management
Dashboard をクリックします。 - Top Riskiest Images ウィジェットからイメージを選択するか、ダッシュボードの上部にある Images ボタンをクリックしてイメージを選択します。
- Image の詳細ビューで、Dockerfile の横にある展開アイコンを選択して、イメージコンポーネントの概要を表示します。
- 特定のコンポーネントのデプロイメントアイコンを選択して、選択したコンポーネントに影響する CVE の詳細を取得します。
14.4.12. ダッシュボードを使用して最近検出された脆弱性を表示する
Vulnerability Management
- リスト内の CVE にカーソルを合わせると、CVE の概要が表示されます。これには、スキャン時間、CVSS スコア、説明、影響、および CVSSv2 と v3 のどちらを使用してスコアリングされたかが含まれます。
- CVE を選択すると、選択した CVE の詳細ビューが開きます。CVE の詳細ビューには、表示される CVE およびコンポーネント、イメージ、デプロイメントおよびデプロイメントの詳細が表示されます。
- Recently Detected Vulnerabilities ウィジェットヘッダーで View All を選択し、インフラストラクチャー内のすべての CVE のリストを表示します。CVE の一覧をフィルタリングすることもできます。
14.4.13. ダッシュボードを使用して最も一般的な脆弱性を表示する
Vulnerability Management
- リスト内の CVE にカーソルを合わせると、CVE の概要が表示されます。これには、スキャン時間、CVSS スコア、説明、影響、および CVSSv2 と v3 のどちらを使用してスコアリングされたかが含まれます。
- CVE を選択すると、選択した CVE の詳細ビューが開きます。CVE の詳細ビューには、表示される CVE およびコンポーネント、イメージ、デプロイメントおよびデプロイメントの詳細が表示されます。
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Most Common Vulnerabilities ウィジェットヘッダーで View All を選択し、インフラストラクチャー内のすべての CVE のリストを表示します。CVE の一覧をフィルタリングすることもできます。CVE を CSV ファイルとしてエクスポートするには、Export
Download CVES as CSV の順に選択します。
14.4.14. ダッシュボードを使用して Kubernetes と Istio の脆弱性が最も多いクラスターを特定する
脆弱性管理ダッシュボードを使用すると、環境内で Kubernetes、Red Hat OpenShift、および Istio の脆弱性 (非推奨) が最も多いクラスターを特定できます。
手順
- RHACS ポータルで、Vulnerability Management→ Dashboard をクリックします。Clusters with most orchestrator and Istio vulnerabilities ウィジェットには、各クラスター内の Kubernetes、Red Hat OpenShift、および Istio (非推奨) の脆弱性の数によってランク付けされたクラスターのリストが表示されます。リストの一番上にあるクラスターは、脆弱性の数が最も多いクラスターです。
リストからクラスターの 1 つをクリックして、クラスターの詳細を表示します。Cluster ビューには以下が含まれます。
- Cluster Summary セクション。クラスターの詳細とメタデータ、最もリスクの高いオブジェクト (デプロイメント、namespace、およびイメージ)、最近検出された脆弱性、最もリスクの高いイメージ、および最も重大なポリシー違反のあるデプロイメントが表示されます。
- Cluster Findings セクション。これには、失敗したポリシーのリストおよび修正可能な CVE のリストが含まれます。
- Related Entities セクション。クラスターに含まれる namespace、デプロイメント、ポリシー、イメージ、コンポーネント、CVE の数が表示されます。これらのエンティティーを選択して、詳細情報を表示できます。
- ウィジェットヘッダーの View All をクリックして、すべてのクラスターのリストを表示します。
14.4.15. ダッシュボードを使用してノードの脆弱性を特定する
Vulnerability Management ビューを使用して、ノードの脆弱性を特定できます。特定される脆弱性には、Docker、CRI-O、runC、containerd などの Kubernetes コアコンポーネントとコンテナーランタイムの脆弱性も含まれます。RHACS がスキャンできるオペレーティングシステムの詳細は、「サポート対象オペレーティングシステム」を参照してください。
手順
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RHACS ポータルで、Vulnerability Management
Dashboard に移動します。 - ヘッダーの Nodes を選択し、ノードに影響するすべての CVE のリストを表示します。
リストからノードを選択し、そのノードに影響するすべての CVE の詳細を表示します。
- ノードを選択すると、選択したノードの Node の詳細パネルが開きます。Node ビューには、ノードの詳細が表示され、CVSS スコア別の CVE およびそのノードの修正可能な CVE に関する情報が含まれます。
- 選択したノードのすべての CVE のリストを表示するには、CVEs by CVSS score で、View All を選択します。CVE の一覧をフィルタリングすることもできます。
- 修正可能な CVE を CSV ファイルとしてエクスポートするには、Node Findings セクションで Export as CSV を選択します。
関連情報
14.4.16. ダッシュボードを使用して特定の CVE をブロックするポリシーを作成する
Vulnerability Management ビューから、新しいポリシーを作成したり、既存のポリシーに特定の CVE を追加したりすることができます。
手順
- Vulnerability Management ビューヘッダーから CVE をクリックします。
-
1 つ以上の CVE のチェックボックスを選択してから、Add selected CVEs to Policy (
add
アイコン) をクリックするか、リスト内の CVE の上にマウスを移動して Add アイコンを選択します。 Policy Name の場合:
- 既存のポリシーに CVE を追加するには、ドロップダウンリストから既存のポリシーを選択します。
- 新規ポリシーを作成するには、新規ポリシーの名前を入力し、Create <policy_name> を選択します。
- Severity の値を選択します (Critical、High、Medium、または Low のいずれか)。
- ポリシーを適用する Lifecycle Stage を、Build または Deploy から選択します。また、ライフサイクルステージの両方を選択することもできます。
- Description ボックスに、ポリシーの詳細を入力します。
- ポリシーを作成して後で有効にする場合は、Enable Policy トグルをオフにします。Enable Policy トグルはデフォルトでオンになっています。
- このポリシーに含まれる CVE を確認してください。
- Save Policy をクリックします。