第10章 スクラブとディープスクラブの問題のトラブルシューティング


スクラブとディープスクラブの問題のトラブルシューティング方法を説明します。

10.1. 8 へのアップグレード中にスクラブが遅くなる問題に対処する

Red Hat Ceph Storage 8 にアップグレードした後に発生するスクラブ速度低下の問題のトラブルシューティング方法を説明します。

スクラブの速度低下は、自動化された OSD ベンチマークが osd_mclock_max_capacity_iops_hdd に極めて低い値を設定することで引き起こされます。このため、OSD の IOPS 容量はスクラブ操作が受信する帯域幅を決定する上で重要な役割を果たすため、スクラブ操作は影響を受けます。スクラブが mClock プロファイルで定義された QoS 割り当てに基づいて合計 IOPS 容量の一部しか受け取らないため、問題がさらに悪化します。

このため、Ceph クラスターは、予想されるスクラブ完了時間を日数または週数で報告します。

前提条件

  1. 健全な状態で稼働中の Red Hat Ceph Storage クラスター。
  2. ノードへのルートレベルのアクセス。

手順

  1. OSD 起動時に OSD ベンチによって IOPS の測定値が低いと報告されたものを検出し、osd_mclock_max_capacity_iops_[hdd|ssd] に定義されたデフォルトの IOPS 設定にフォールバックします。報告された IOPS が osd_mclock_iops_capacity_low_threshold_[hdd|ssd] によって決定されたしきい値を下回ると、フォールバックがトリガーされます。クラスター警告も記録されます。

    以下に例を示します。

    $ ceph config rm osd.X osd_mclock_max_capacity_iops_[hdd|ssd]
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  2. [オプション]: 次の手順を実行します。

    1. すでにクラスターでこの問題の影響を受けている場合は、次のコマンドを実行し、OSD の IOPS 容量設定を削除し手から、修正を含むリリースにアップグレードします。

      以下に例を示します。

      $ ceph config rm osd.X osd_mclock_max_capacity_iops_[hdd|ssd]
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    2. アップグレード前に、影響を受ける OSD の osd_mclock_force_run_benchmark_on_init オプションを true に設定します。

      以下に例を示します。

      $ ceph config set osd.X osd_mclock_force_run_benchmark_on_init true
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      この修正を適用したリリースにアップグレードすると、IOPS 容量はデフォルト設定または OSD ベンチによって報告された新しい設定を反映します。

  3. [オプション]: すでに 7 から 8 にアップグレードしている場合は、次の手順を実行します (アップグレード後)。

    1. アップグレード前に上記の手順を実行できなかった場合は、アップグレード後に osd_mclock_max_capacity_iops_[hdd|ssd] 設定を削除して OSD ベンチを再度実行します。

      以下に例を示します。

      $ ceph config rm osd.X osd_mclock_max_capacity_iops_[hdd|ssd]
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    2. osd_mclock_force_run_benchmark_on_inittrue に設定します。

      以下に例を示します。

      $ ceph config set osd.X osd_mclock_force_run_benchmark_on_init true
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    3. OSD を再起動します。

      OSD が再起動すると、IOPS 容量はデフォルト設定または OSD ベンチによって報告された新しい設定を反映します。

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