第6章 Red Hat Enterprise Linux 8.2 上の Red Hat Certificate System 10.0
このセクションでは、注目すべき更新と新機能、重要なバグ修正、ユーザーが知っておくべき現在の既知の問題など、RHEL 8.2 上の Red Hat Certificate System 10.0 の重要な変更を説明します。
6.1. CS 10.0 の更新と新機能
このセクションでは、Red Hat Certificate System 10.0 の新機能および重要な更新を説明します。
Certificate System パッケージがバージョン 10.8.3 にリベース
pki-core
、redhat-pki
、redhat-pki-theme
、および pki-console
パッケージがアップストリームバージョン 10.8.3 にアップグレードされ、以前のバージョンに対するバグ修正や機能強化が数多く追加されました。
pki-core
パッケージの更新と新機能:
テクノロジープレビューとして、公開鍵基盤の全体的な正常性を確認できるようになる
pki-healthcheck
ツールでは、公開鍵基盤 (PKI) 環境の正常性に影響を与える可能性のあるエラー状態を見つけ、報告できるチェック機能が含まれています。
この機能はテクノロジープレビューとして提供され、今後の製品機能への早期アクセスを提供し、サブスクリプション契約ではまだ完全にはサポートされていないことに注意してください。
pki subsystem-cert-find
コマンドおよび pki subsystem-cert-show
コマンドが証明書のシリアル番号を表示
今回の機能強化により、Certificate System の pki subsystem-cert-find
コマンドおよび pki subsystem-cert-show
コマンドでは、出力の証明書のシリアル番号が表示されるようになりました。シリアル番号は重要な情報であり、他の複数のコマンドで必要になることがよくあります。その結果、証明書のシリアル番号を識別するのが容易になりました。
pki user
コマンドおよび pki group
コマンドが、Certificate System で非推奨になる
今回の更新で、Certificate System の新しい pki <subsystem>-user
コマンドおよび pki <subsystem>-group
コマンドが、pki user
コマンドおよび pki group
コマンドに置き換わりました。以前のコマンドは引き続き機能しますが、コマンドが非推奨となり、新しいコマンドを参照するようにというメッセージが表示されます。
Certificate System がシステム証明書のオフライン更新をサポートするようになる
今回の機能強化により、管理者はオフライン更新機能を使用して、Certificate System で設定されているシステム証明書を更新できます。システム証明書の期限が切れると、Certificate System が起動できなくなります。この機能強化により、管理者は期限切れのシステム証明書を置き換える必要がなくなりました。
Certificate System は、外部 CA 署名用の SKI 拡張機能を備えた CSR を作成できるようになる
この機能拡張により、Certificate System は、外部認証局 (CA) 署名用の SKI (Subject Key Identifier) 拡張機能を使用した証明書署名要求 (CSR) の作成をサポートします。特定の CA は、特定の値で、または CA 公開鍵から派生したこの拡張を必要とします。これにより、管理者は pkispawn
ユーティリティーに渡される設定ファイルの pki_req_ski パラメーターを使用して、SKI 拡張子を持つ CSR を作成できるようになりました。