第5章 Connectivity Link の利点
Connectivity Link には、ビジネスに関連する以下の主要な利点があります。
- ユーザーロール指向
Gateway API は、インフラストラクチャー所有者、クラスターオペレーター、およびアプリケーション開発者の組織の役割に対応する API リソースで構成されています。インフラストラクチャー所有者とクラスターオペレーターは、連携していないさまざまなアプリケーション開発チームがどのように共有インフラストラクチャーを使用できるかを定義するプラットフォームエンジニアです。
アプリケーション開発者は、クラスターで実行されるアプリケーションを作成し、管理します。これには、API の作成と、アプリケーションタイムアウト、リクエストのマッチング、およびバックエンドへのパスルーティングの管理が含まれます。
- Kubernetes ネイティブ
- Connectivity Link は、リソース効率と最適な使用のために Kubernetes ネイティブ機能を使用するように設計されています。これらの機能は、任意のパブリックまたはプライベートの OpenShift クラスターで実行でき、デフォルトでマルチクラウドおよびハイブリッドクラウドの動作が可能です。OpenShift の高い拡張性、回復力、可用性が実証されています。
- 簡潔な設定
- Gateway API リソースは、ヘッダーベースのマッチング機能とトラフィックの重み付け機能に加え、カスタムアノテーションとカスタムコードを使用することで、既存の Ingress 標準でのみ可能なその他のビルトイン機能を提供します。これにより、カスタムコードを作成しなくても、よりインテリジェントなルーティング、セキュリティー、特定ルートの分離が可能になります。
- 移植性
- Gateway API は、多くの実装を含むオープンソース標準であり、柔軟な適合の概念を使用して設計されています。これにより、環境および実装のネイティブ機能をサポートするための柔軟性と拡張性を備えた、移植性の高いコア API がプロモートされます。その結果、実装や環境またいで概念とコアリソースの一貫性が維持され、複雑さが緩和され、熟練度が向上します。
- ハイブリッドクラウドとマルチクラウド
Connectivity Link には、パブリッククラウドまたはプライベートクラウドでホストされる任意の OpenShift クラスターに同じアプリケーションをデプロイできる柔軟性を備えています。そのため、特定のクラウドプロバイダーに固定されることで発生する単一の依存関係または単一障害点が解消されます。
たとえば、あるクラウドプロバイダーでネットワークの問題が発生した場合は、デプロイメントとトラフィックを別のプロバイダーに切り替えて、お客様への影響を最小化することができます。これにより高可用性および障害復旧が可能になり、予期しない事態の発生に備え、サービスの中断を回避し、プラットフォームとアプリケーションの回復力を確保できます。
- Infrastructure as code
- コードを使用して、バージョン管理の実施とテストが実行され、容易に複製できるインフラストラクチャーを定義できます。自動スケーリングは、OpenShift の自動スケーリング機能を利用して、ワークロードのニーズに基づきリソースを動的に調整します。これには、OpenShift クラスターを完全に可視化するための堅牢な監視およびロギングソリューションを実装する機能も含まれています。
- モジュール式と柔軟性
Connectivity Link の柔軟性の高いモジュラーアーキテクチャーでは、既存のテクノロジーとツールも使用できますが、接続管理プラットフォームに接続して最大限の効果を得ることもできます。
図5.1 高い柔軟性を備えた Connectivity Link のモジュラー設計