第3章 Container Development Kit を使用した OpenShift との対話


CDK は仮想マシンを作成し、この仮想マシンにローカルで単一ノードの OpenShift クラスターをプロビジョニングします。以下のセクションでは、CDK がローカルの OpenShift クラスターの対話および設定を支援する方法を説明します。

CDK 仮想マシンを管理する方法は、「基本的な使用方法」セクションを参照してください。

3.1. OpenShift クライアントバイナリー (oc) の使用

3.1.1. 概要

minishift start コマンドは、cluster up 方法を使用してOpenShift クラスターを作成します。このため、oc バイナリーをホストにコピーします。

oc バイナリーは、$MINISHIFT_HOME/cache/oc/v3.11.232 ディレクトリーにあります。これは、CDK のデフォルトの OpenShift バージョンを使用することを前提とします。minishift oc-env を使用してこのバイナリーを PATH に追加できます。これは、シェルに入力する必要のあるコマンドを表示します。

minishift oc-env の出力は、オペレーティングシステムとシェルタイプによって異なります。

$ minishift oc-env
export PATH="/home/user/.minishift/cache/oc/v3.11.232:$PATH"
# Run this command to configure your shell:
# eval $(minishift oc-env)

3.1.2. CDK CLI プロファイル

minishift start コマンドの一環として、minishift という名前の CLI プロファイル も作成されます。このプロファイルは コンテキスト とも呼ばれ、OpenShift クラスターと通信するための設定が含まれます。

CDK は自動的にこのコンテキストをアクティベートしますが、たとえば別の OpenShift インスタンスにログインした後にそのコンテキストに戻す必要がある場合は、以下を実行します。

$ oc config use-context minishift

oc の使用方法の概要は、OpenShift ドキュメントの「CLI の使用方法」トピックを参照してください。

3.1.3. クラスターへのログイン

デフォルトでは、cluster upは、AllowAllPasswordIdentityProvider を使用してローカルクラスターに対して認証を行います。つまり、空でないユーザー名およびパスワードを使用してローカルクラスターにログインできます。

推奨されるユーザー名およびパスワードは、それぞれ developerdeveloper です。これは、そのユーザーおよびパスワードがすでにデフォルトのプロジェクト myproject に割り当てられており、管理者の 権限を借用 できるためです。これにより、--as system:admin パラメーターを使用して管理者コマンドを実行できます。

管理者としてログインするには、システムアカウントを使用します。

$ oc login -u system:admin

この場合、クライアント証明書 が使用されます。証明書は ~/.kube/config に保存されます。cluster up コマンドは、ブートストラップの一部として適切な証明書をインストールします。

注記

oc login -u system -p admin コマンドを実行すると、管理者としてログインしません。代わりに、特定の権限を持たない権限を持たない非特権ユーザーとしてログインします。

利用可能なログインコンテキストを表示するには、以下を実行します。

$ oc config view

3.1.4. Web コンソールへのアクセス

OpenShift Web コンソール にアクセスするには、CDK を起動して Web コンソールの URL を取得するために、シェルでこのコマンドを実行します。

$ minishift console --url

または、CDK の起動後、以下のコマンドを使用してブラウザーでコンソールを直接開くことができます。

$ minishift console

3.1.5. OpenShift サービスへのアクセス

ルートで公開されるサービスにアクセスするには、シェルで以下のコマンドを実行します。

$ minishift openshift service [-n NAMESPACE] [--url] NAME

詳細は、「サービスの公開」も参照してください。

3.1.6. OpenShift ログの表示

OpenShift ログにアクセスするには、CDK の起動後に以下のコマンドを実行します。

$ minishift logs

3.1.7. OpenShift 設定の更新

OpenShift の実行中に、クラスターのマスターまたはノード設定を表示および変更できます。

OpenShift マスター設定ファイル master-config.yaml を表示するには、以下のコマンドを実行します。

$ minishift openshift config view

マスター設定の代わりにノードまたは kubeapi-server 設定を表示するには、target フラグを指定します。

view サブコマンドの詳細は、minishift openshift config view の概要を参照してください。

注記

OpenShift 設定の更新後、OpenShift は透過的に再起動します。

3.1.7.1. 例: クロスオリジンリソース共有の設定

この例では、追加の IP アドレスがリソースを要求するように OpenShift マスター設定を更新して、クロスオリジンリソース共有 (CORS) を設定します。

デフォルトでは、OpenShift はクラスターの IP アドレスまたはローカルホストからのクロスオリジンリソース要求のみを許可します。この設定は、マスター設定 ファイル master-config.yamlcorsAllowedOrigins プロパティーに保存されます。

プロパティー値を変更し、すべてのドメインからのクロスオリジン要求を許可するには、以下のコマンドを実行します。

$  minishift openshift config set --patch '{"corsAllowedOrigins": [".*"]}'
注記

上記コマンドを実行すると The specified patch need to be a valid JSON. が発生する場合は、オペレーティングシステム、シェル環境とその挿入動作に応じて、上記のコマンドを変更する必要があります。

たとえば、Windows 7 または 10 で PowerShell を使用している場合は、上記のコマンドを以下のように変更します。

PS> minishift.exe openshift config set --patch '{\"corsAllowedOrigins\": [\".*\"]}'

コマンドプロンプトを使用する場合は、以下を使用します。

C:\> minishift.exe openshift config set --patch "{\"corsAllowedOrigins\": [\".*\"]}"

3.1.7.2. 例: OpenShift ルーティングサフィックスの変更

この例では、マスター設定で OpenShift ルーティングの接尾辞を変更します。

静的ルーティング接尾辞を使用する場合は、minishift start コマンドの一部として routing-suffix フラグを設定できます。デフォルトでは、CDK は nip.io をベースとした動的なルーティングプレフィックスを使用します。このプレフィックスは、仮想マシンの IP アドレスはルーティング接尾辞 (例: 192.168.99.103.nip.io) に含まれます。

nip.io で問題が発生した場合は、同じ原則を基にした xip.io を使用できます。

ルーティング接尾辞を xip.io に設定するには、以下のコマンドを実行します。

$ minishift openshift config set --patch '{"routingConfig": {"subdomain": "<IP-ADDRESS>.xip.io"}}'

上記の例の IP-ADDRESS は、CDK 仮想マシンの IP アドレスに置き換えてください。minishift ip コマンドを実行して、IP アドレスを取得できます。

3.1.8. コンポーネントの OpenShift クラスターへの追加

コンポーネントを実行中の OpenShift クラスターに追加するには、以下を使用します。

$ minishift openshift component add <component-name>

3.1.8.1. 例: service-catalog コンポーネントの追加

この例では、service-catalog コンポーネントを以下のように追加できます。

$ minishift openshift component add service-catalog

3.1.9. OpenShift クラスターに追加する有効なコンポーネントの一覧表示

実行中の OpenShift クラスターに追加できる有効なコンポーネントを一覧表示するには、以下を実行します。

$ minishift openshift component list
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