第3章 Red Hat Process Automation Manager へのパッチ更新およびマイナーリリースアップグレードの適用


大抵の場合は、Business Central、KIE Server、ヘッドレス Process Automation Manager コントローラーなど、Red Hat Process Automation Manager の特定コンポーネントの更新を容易にする自動更新ツールが Red Hat Process Automation Manager のパッチ更新と新規マイナーバージョンで提供されます。デシジョンエンジンやスタンドアロンの Business Central など、その他の Red Hat Process Automation Manager アーティファクトは、各マイナーリリースが含まれる新しいアーティファクトとしてリリースされるため、再インストールして更新を適用する必要があります。

同じ自動更新ツールを使用して、Red Hat Process Automation Manager 7.13 にパッチ更新とマイナーリリースアップグレードの両方を適用することができます。バージョン 7.13 から 7.13.4 への更新といった Red Hat Process Automation Manager のパッチ更新には、最新のセキュリティー更新とバグ修正が含まれています。バージョン 7.12.x から 7.13 へのアップグレードといった Red Hat Process Automation Manager のマイナーリリースアップグレードには、機能強化、セキュリティー更新、バグ修正が含まれます。

注記

Red Hat Process Automation Manager への更新だけが、Red Hat Process Automation Manager パッチ更新に含まれます。Red Hat JBoss EAP への更新は、Red Hat JBoss EAP パッチ配信を使用して適用する必要があります。詳細は、Red Hat JBoss EAP パッチおよびアップグレードガイド を参照してください。

前提条件

  • Red Hat Process Automation Manager インスタンスおよび KIE Server インスタンスを実行していない。Red Hat Process Automation Manager または KIE Server のインスタンスを実行している間は更新を適用しないでください。

手順

  1. Red Hat カスタマーポータルの Software Downloads ページに移動し (ログインが必要)、ドロップダウンオプションから製品およびバージョンを選択します。

    バージョン 7.12.x から 7.13 などのように、Red Hat Process Automation Manager の新たなマイナーリリースにアップグレードする場合は、お使いの Red Hat Process Automation Manager に最新のパッチ更新を適用してから、以下の手順にしたがって新たなマイナーリリースにアップグレードしてください。

  2. Patches をクリックし、Red Hat Process Automation Manager [VERSION] Patch Update をダウンロードし、ダウンロードした rhpam-$VERSION-update.zip ファイルを一時ディレクトリーにデプロイメントします。

    この更新ツールは、Business Central、KIE Server、およびヘッドレス Process Automation Manager コントローラーなど、Red Hat Process Automation Manager の一定のコンポーネントの更新を自動化します。この更新ツールを使用して最初に更新を適用し、Red Hat Process Automation Manager ディストリビューションに関連するその他の更新、または新しいリリースアーティファクトをインストールします。

  3. 更新ツールにファイルが更新されないようにするには、デプロイメントした rhpam-$VERSION-update フォルダーに移動し、blacklist.txt ファイルを開き、更新しないファイルの相対パスを追加します。

    ファイルが blacklist.txt ファイルのリストに追加されていると、更新スクリプトは、そのファイルを新しいバージョンに置き換えずにそのまま残し、新しいバージョンのファイルに .new 接尾辞を付けて追加します。ブロックファイルが配布されなくなると、更新ツールは、.removed 接尾辞の付いた、空のマーカーファイルを作成します。次に、これらの新しいファイルを手動で保持、マージ、または削除することを選択できます。

    blacklist.txt ファイルで除外されるファイルの例:

    WEB-INF/web.xml  // Custom file
    styles/base.css  // Obsolete custom file kept for record

    更新後の、ブロックされたファイルディレクトリー内のコンテンツ:

    $ ls WEB-INF
    web.xml web.xml.new
    $ ls styles
    base.css base.css.removed
  4. コマンドの端末で、rhpam-$VERSION-update.zip ファイルからデプロイメントした一時ディレクトリーに移動し、以下の形式で apply-updates スクリプトを実行します。

    重要

    更新を行う前に、Red Hat Process Automation Manager インスタンスおよび KIE Server インスタンスが実行していないことを確認します。Red Hat Process Automation Manager または KIE Server のインスタンスを実行している間は更新を適用しないでください。

    Linux システムまたは Unix ベースのシステムの場合:

    $ ./apply-updates.sh $DISTRO_PATH $DISTRO_TYPE

    Windows の場合:

    $ .\apply-updates.bat $DISTRO_PATH $DISTRO_TYPE

    $DISTRO_PATH の部分は、関連するディストリビューションディレクトリーへのパスで、$DISTRO_TYPE の部分は、更新しているディストリビューションの種類となります。

    Red Hat Process Automation Manager 更新ツールでは、以下のディストリビューションの種類がサポートされます。

    • rhpam-business-central-eap7-deployable: Business Central (business-central.war) を更新します。
    • rhpam-kie-server-ee8: KIE Server (kie-server.war) を更新します。

      注記

      この更新ツールで、Red Hat JBoss EAP EE7 から Red Hat JBoss EAP EE8 に更新および置き換えられます。Red Hat JBoss EAP EE7 は WebLogic および WebSphere に使用されますが、バージョン EE8 は Red Hat JBoss EAP に使用されます。更新ツールでは、WebLogic および WebSphere の KIE Server が更新されていないことを確認します。

    • rhpam-kie-server-jws: Red Hat JBoss Web Server で KIE Server を更新します (kie-server.war)。
    • rhpam-controller-ee7: ヘッドレス Process Automation Manager controller (controller.war) を更新します。
    • rhpam-controller-jws: Red Hat JBoss Web Server でヘッドレスの Process Automation Manager コントローラーを更新します (controller.war)。

      Red Hat JBoss EAP で、Red Hat Process Automation Manager の完全ディストリビューションに対する Business Central および KIE Server への更新の例:

      $ ./apply-updates.sh ~EAP_HOME/standalone/deployments/business-central.war rhpam-business-central-eap7-deployable
      
      $ ./apply-updates.sh ~EAP_HOME/standalone/deployments/kie-server.war rhpam-kie-server-ee8

      ヘッドレス Process Automation Manager コントローラーへの更新例 (使用している場合):

      $ ./apply-updates.sh ~EAP_HOME/standalone/deployments/controller.war rhpam-controller-ee7

      この更新スクリプトは、デプロイメントした rhpam-$VERSION-update ディレクトリーに、指定したディストリビューションのコピーを含む backup ディレクトリーを作成してから、更新を行います。

  5. 更新ツールが完了したら、更新ツールをダウンロードした、Red Hat カスタマーポータルの Software Downloads ページに戻り、Red Hat Process Automation Manager ディストリビューションに関するその他の更新または新しいリリースアーティファクトをインストールします。

    デシジョンエンジンまたはその他のアドオンに関する .jar ファイルなど、Red Hat Process Automation Manager ディストリビューションにすでに存在しているファイルについては、ファイルの既存のバージョンを Red Hat カスタマーポータルから取得した新しいバージョンに置き換えます。

  6. エアギャップ環境など、スタンドアロンの Red Hat Process Automation Manager 7.13.4 Maven リポジトリー アーティファクト (rhpam-7.13.4-maven-repository.zip) を使用する場合は、Red Hat Process Automation Manager 7.13.4 Maven リポジトリー をダウンロードして、ダウンロードした rhpam-7.13.4-maven-repository.zip ファイルを既存の ~/maven-repository ディレクトリーに展開して、関連するコンテンツを更新します。

    Maven リポジトリーの更新例:

    $ unzip -o rhpam-7.13.4-maven-repository.zip 'rhba-7.13.4.GA-maven-repository/maven-repository/*' -d /tmp/rhbaMavenRepoUpdate
    
    $ mv /tmp/rhbaMavenRepoUpdate/rhba-7.13.4.GA-maven-repository/maven-repository/ $REPO_PATH/
    注記

    更新が完了したら /tmp/rhbaMavenRepoUpdate ディレクトリーを削除してください。

  7. オプション: Red Hat Process Automation Manager をプロパティーベースのユーザーストレージの使用からファイルベースのユーザーストレージに変更する場合、以下の手順を実行します。

    1. $JBOSS_HOME ディレクトリーに移動し、以下のコマンドのいずれかを実行します。

      • Linux システムまたは Unix ベースのシステムの場合:

        $ ./bin/standalone.sh --admin-only -c standalone-full.xml
        $ ./bin/jboss-cli.sh --connect --file=rhpam-$VERSION-update/elytron/add-kie-fs-realm.cli
      • Windows の場合:

        $ ./bin/standalone.bat --admin-only -c standalone-full.xml
        $ ./bin/jboss-cli.bat --connect --file=rhpam-$VERSION-update/elytron/add-kie-fs-realm.cli
    2. 以下のコマンドを実行します。

      • Linux システムまたは Unix ベースのシステムの場合:

        $ ./bin/elytron-tool.sh filesystem-realm --users-file standalone/configuration/application-users.properties --roles-file standalone/configuration/application-roles.properties --output-location standalone/configuration/kie-fs-realm-users --filesystem-realm-name kie-fs-realm-users
      • Windows の場合:

        $ ./bin/elytron-tool.bat filesystem-realm --users-file standalone/configuration/application-users.properties --roles-file standalone/configuration/application-roles.properties --output-location standalone/configuration/kie-fs-realm-users --filesystem-realm-name kie-fs-realm-users
    3. rhpam-$VERSION-update.zip ファイルを展開したディレクトリーに移動し、以下のいずれかのコマンドを実行して kie-fs-realm パッチを適用します。

      • Linux システムまたは Unix ベースのシステムの場合:

        $ ./elytron/kie-fs-realm-patch.sh ~/$JBOSS_HOME/standalone/configuration/kie-fs-realm-users/
      • Windows の場合:

        $ ./elytron/kie-fs-realm-patch.bat ~/$JBOSS_HOME/standalone/configuration/kie-fs-realm-users/
  8. 関連する更新をすべて適用したら、Red Hat Process Automation Manager および KIE Server を起動して、Business Central にログインします。
  9. Business Central 内のすべてのプロジェクトデータが存在して正確であることを確認し、Business Central ウィンドウの右上隅でプロファイル名をクリックし、About をクリックして、更新した製品バージョン番号を確認します。

    Business Central でエラーが発生したり、データが不足していることが通知されたら、rhpam-$VERSION-update ディレクトリーの backup ディレクトリーにコンテンツを復元し、更新ツールへの変更を戻します。Red Hat カスタマーポータルで Red Hat Process Automation Manager の以前のバージョンから、関連するリリースアーティファクトを再インストールできます。以前のディストリビューションを復元したら、更新を再実行してください。

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