付録B バージョン 9.1 の変更点
以下のセクションでは、Red Hat Developer Toolset 9.1 で導入されたドキュメント機能およびバグ修正について説明します。
B.1. GCC の変更点
Red Hat Developer Toolset 9.1 には GCC 9.3.1 が同梱されており、バグ修正および機能強化が数多く追加されました。
最も重要なバグ修正の 1 つは以下のとおりです。
以前は、9.1.0 以前のバージョンでコンパイルされた C++ オブジェクトファイルを使用すると、ABI の互換性が失われていました。C++
std::rotate
アルゴリズムが空の範囲で呼び出されると、コンパイルされたプログラムは、SIGFPE シグナルとして、除算のゼロエラーで突然終了する可能性がありました。この問題は、GCC 9.2.0 および今後のリリースで修正されています。この問題を回避するには、空の範囲でstd::rotate
を呼び出す可能性があるすべてのオブジェクトを再コンパイルします。