3. ネットワークに関する更新
今回の更新で、GRO (Generic Receive Offload) のサポートがカーネルとユーザー空間アプリケーション ethtool の両方に実装されました ((BZ#499347))。 GRO システムは、CPU (中央処理装置、Central Processing Unit) の処理量を削減して、受信ネットワーク接続のパフォーマンスを向上します。GRO は LRO (Large Receive Offload) システムと同じ技術を使用しますが、より多くのトランスポート層プロトコルに適応することができます。 Intel® Gigabit イーサネットアダプタの igb ドライバや Intel 10 Gigabit PCI Express ネットワークデバイスの ixgbe ドライバなどを含むネットワークデバイスドライバに GRO のサポートが追加されました。
Netfilter フレームワーク (ネットワークパケットをフィルタするカーネルの一部) が更新され、DSCP (Differentiated Services Code Point) 値のサポートが追加されました。
bind
(Berkeley Internet Name Domain) パッケージは DNS (ドメインネームシステム、Domain Name System) プロトコルの実装を提供します。 これまで、権限のある (authoritative) 返答を受信する要求と、権限のない (non-authoritative) 返答を受信する要求を簡単に区別するメカニズムが bind にはありませんでした。 そのため、適切に設定されていないサーバーが拒否すべき要求に応答してしまうことがありました。 今回 bind が更新され、サーバー上の権限のないデータ (キャッシュされた再帰的な結果やルートゾーンのヒットなど) へのアクセスを制御する新しいオプション allow-query-cache
が追加されました (BZ#483708)。