4.2.3. Upstart


Red Hat Enterprise Linux 6 では、sysvinit パッケージの init はイベントベースの init システムである Upstart に入れ替わっています。 このシステムはブート時のサービスやタスクの開始、 シャットダウン時の停止、 システムの稼働中にはサービスやタスクの監視を行います。 Upstart 自体に関する詳細は init(8) man ページを参照してください。
プロセスは Upstart でジョブとして認識されており、 /etc/init ディレクトリー内のファイル群によって定義されます。 Upstart については man ページ内詳しくが記載があります。 コマンドの概要については init(8)、 ジョブの構文については init(5) に説明があります。
Red Hat Enterprise Linux 6 の Upstart では、 以下のような動作変更があります。
  • /etc/inittab ファイルは非推奨となるため、 initdefault 行で デフォルトのランレベルを設定する場合にしか使用されなくなります。 その他の設定は /etc/init ディレクトリー内の upstart のジョブで行われます。
  • アクティブな tty コンソール数は /etc/sysconfig/init 内の ACTIVE_CONSOLES 変数でセットされるようになります。 この変数は /etc/init/start-ttys.conf ジョブによって読み込まれます。 デフォルト値は ACTIVE_CONSOLES=/dev/tty[1-6] となり、 tty1 から tty6 上で getty を起動します。
  • シリアルコンソールがシステムの主要コンソールになる場合、シリアル getty も自動的に設定されます。旧リリースでは、/etc/inittab を編集する kudzu によって行われていました。 Red Hat Enterprise Linux 6 では、主要シリアルコンソールの設定は /etc/init/serial.conf で行われます。
  • デフォルト以外のシリアルコンソールで実行している getty を設定するには、 /etc/inittab を編集するのではなく、 Upstart ジョブを記述する必要があります。 例えば、 ttyS1 上の getty を設定したい場合は、 以下のようなジョブファイル (/etc/init/serial-ttyS1.conf) になるでしょう。
    # This service maintains a getty on /dev/ttyS1.
    
    start on stopped rc RUNLEVEL=[2345]
    stop on starting runlevel [016]
    
    respawn
    exec /sbin/agetty /dev/ttyS1 115200 vt100-nav
旧リリースと同じく、この getty で root ログインを許可したい場合は /etc/securetty に ttyS1 が必要になります。
Upstart への移動のため、 /etc/shutdown.allow を使用してマシンのシャットダウンを行うことができるユーザーを定義する方法はサポートされなくなります。
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