2.2.3. ブロックデバイスをゲストに追加する際のセキュリティー上の懸念事項
- ホストの物理マシンは、ファイルシステムラベルを使用して、
fstab
ファイル、initrd
ファイル、またはカーネルコマンドラインでファイルシステムを特定しないでください。特定すると、ゲストの仮想マシンにすべてのパーティションまたは LVM ボリュームに対する書き込みアクセスがある場合のセキュリティーリスクが発生します。これは、ゲストの仮想マシンが、ホストの物理マシンに属するファイルシステムのラベルを潜在的に自身のブロックデバイスストレージに書き込むことができるからです。ホストの物理マシンの再起動時に、ホストの物理マシンが、このゲストの仮想マシンのディスクをシステムディスクとして誤って使用してしまう可能性があり、ホストの物理マシンシステムが危険にさらされる可能性があります。デバイスの UUID を使用して、/etc/fstab
ファイル、/dev/initrd
ファイル、またはカーネルコマンドラインでデバイスを識別することをお勧めします。 - ゲスト仮想マシンには、ディスク全域、またはブロックデバイス全域 (例:
/dev/sdb
) への書き込みアクセス権を付与しないでください。ブロックデバイス全域にアクセスを持つゲスト仮想マシンは、ボリュームラベルを修正できる場合があり、これがホスト物理マシンシステムの攻撃に使用される可能性があります。パーティション (例:/dev/sdb1
) または LVM ボリュームを使用して、この問題を回避してください。LVM 管理および設定の例は CLI コマンドでの LVM 管理 または LVM 設定の例 を参照してください。たとえば、/dev/sdb1
や/dev/sdb
などの RAW ディスクのパーティションへの RAW アクセスを使用する場合は、global_filter 設定を使用して、安全なディスクのみをスキャンできるように LVM を設定する必要があります。global_filter コマンドを使用した LVM 設定スクリプトの例は、論理ボリュームマネージャーの管理ガイド を参照してください。