4.4.2. 動的設定
動的ラベル設定は、sVirt を SELinux と併用する場合のデフォルトのラベルオプションです。以下の例は、動的ラベリングを示しています。
# ps -eZ | grep qemu-kvm
system_u:system_r:svirt_t:s0:c87,c520 27950 ? 00:00:17 qemu-kvm
この例の qemu-kvm プロセスには、
system_u:system_r:svirt_t:s0
というベースラベルがあります。libvirt システムが、このプロセス用に c87,c520
という一意の MCS ラベルを生成しました。ベースラベルと MCS ラベルを組み合わせることにより、そのプロセス用の完全なセキュリティーラベルが形成されます。同様に、libvirt は同じ MCS ラベルとベースラベルを使用してイメージラベルを形成します。このイメージラベルは次に、ディスクイメージやディスクデバイス、PCI デバイス、USB デバイス、kernel/initrd ファイルなど、仮想マシンがアクセスする必要のある全ホストファイルに自動的に適用されます。各プロセスは、異なるラベルを使用して、他の仮想マシンから分離されます。
以下の例は、
/var/lib/libvirt/images
内のゲストディスクイメージに適用された、仮想マシンの一意のセキュリティーラベル (この場合は、c87,c520
という対応する MCS ラベル付き) を示しています。
# ls -lZ /var/lib/libvirt/images/*
system_u:object_r:svirt_image_t:s0:c87,c520 image1
以下の例は、ゲストの XML 設定内の動的ラベルを示しています。
<seclabel type='dynamic' model='selinux' relabel='yes'> <label>system_u:system_r:svirt_t:s0:c87,c520</label> <imagelabel>system_u:object_r:svirt_image_t:s0:c87,c520</imagelabel> </seclabel>