9.2. IdM サーバーでの ipa-extdom プラグインの設定タイムアウトの調整
IdM クライアントは Active Directory (AD) からユーザーとグループに関する情報を直接受信できないため、IdM サーバーは ipa-extdom
プラグインを使用して AD ユーザーとグループに関する情報を受信し、その情報は要求元のクライアントに転送されます。
ipa-extdom
プラグインは、AD ユーザーのデータに要求を SSSD に送信します。情報が SSSD キャッシュにない場合、SSSD は AD ドメインコントローラー (DC) にデータを要求します。config タイムアウト値を調整できます。これは、プラグインが接続をキャンセルして発信者にタイムアウトエラーを返す前に、ipa-extdom
プラグインが SSSD からの応答を待機する時間を定義します。デフォルト値は 10000 ミリ秒 (10 秒) です。
次の例では、設定タイムアウトを 20 秒 (20000 ミリ秒) に調整します。
設定タイムアウトを調整するときは注意してください。
- 設定する値が小さすぎる (例: 500 ミリ秒) と、SSSD に応答するのに十分な時間がない可能性があり、要求は常にタイムアウトを返します。
- 設定する値が大きすぎる (例: 30000 ミリ秒 (30 秒)) と、1 つの要求が、この期間、SSSD への接続をブロックする可能性があります。一度に SSSD に接続できるのは 1 つのスレッドであるため、プラグインからの他のリクエストはすべて待機する必要があります。
- IdM クライアントから送信された要求が多い場合、IdM サーバー上の Directory Server 用に設定された使用可能なすべてのワーカーをブロックできます。その結果、サーバーはしばらくの間、どのような種類の要求にも応答できない可能性があります。
以下の状況で設定のタイムアウトを変更します。
- AD ユーザーおよびグループに関する情報を要求する際に、独自の検索タイムアウトが発生する前に IdM クライアントが頻繁にタイムアウトエラーを受け取ると、設定のタイムアウト値が 小さすぎ ます。
-
IdM サーバーで Directory Server がロックされていることが多く、
pstack
ユーティリティーは、この時点で多数またはすべてのワーカースレッドがipa-extdom
要求を処理していることを報告する場合は、値が 大きすぎ ます。
前提条件
- LDAP Directory Manager のパスワード
手順
次のコマンドを使用して、設定タイムアウトを 20000 ミリ秒に調整します。
# ldapmodify -D "cn=directory manager" -W dn: cn=ipa_extdom_extop,cn=plugins,cn=config changetype: modify replace: ipaExtdomMaxNssTimeout ipaExtdomMaxNssTimeout: 20000