3.2. SELinux ユーザーのロールとアクセス権


SELinux ポリシーは、各 Linux ユーザーを SELinux ユーザーにマッピングします。これにより、Linux ユーザーは SELinux ユーザーの制限を継承できます。

ポリシーのブール値を調整することで、SELinux ポリシーの制限ユーザーの権限を、特定のニーズに合わせてカスタマイズできます。semanage boolean -l コマンドを使用すると、このブール値の現在の状態を確認できます。すべての SELinux ユーザー、その SELinux ロール、MLS および MCS のレベルと範囲をリスト表示するには、root として semanage user -l コマンドを使用します。

表3.1 SELinux ユーザーのロール
Userデフォルトロール追加のロール

unconfined_u

unconfined_r

system_r

guest_u

guest_r

 

xguest_u

xguest_r

 

user_u

user_r

 

staff_u

staff_r

sysadm_r

unconfined_r

system_r

sysadm_u

sysadm_r

 

root

staff_r

sysadm_r

unconfined_r

system_r

system_u

system_r

 

system_u は、システムプロセスおよびオブジェクトの特別なユーザー ID であり、system_r は関連付けられたロールであることに注意してください。管理者は、この system_u ユーザーと system_r ロールを Linux ユーザーに関連付けることはできません。また、unconfined_u および root は制限のないユーザーです。このため、これらの SELinux ユーザーに関連付けられたロールは、以下の表 SELinux ロールの種類とアクセス権 には含まれていません。

各 SELinux ロールは SELinux のタイプに対応しており、特定のアクセス権限を提供します。

表3.2 SELinux ロールの種類とアクセス権
RoleタイプX Window System を使用したログインsu および sudoホームディレクトリーおよび /tmp (デフォルト) での実行ネットワーク

unconfined_r

unconfined_t

はい

はい

はい

はい

guest_r

guest_t

いいえ

いいえ

はい

いいえ

xguest_r

xguest_t

はい

いいえ

はい

Web ブラウザーのみ (Mozilla Firefox、GNOME Web)

user_r

user_t

はい

いいえ

はい

はい

staff_r

staff_t

はい

sudo のみ

はい

はい

auditadm_r

auditadm_t

 

はい

はい

はい

dbadm_r

dbadm_r

 

はい

はい

はい

logadm_r

logadm_t

 

はい

はい

はい

webadm_r

webadm_r

 

はい

はい

はい

secadm_r

secadm_t

 

はい

はい

はい

sysadm_r

sysadm_t

xdm_sysadm_login のブール値が on の場合のみ

はい

はい

はい

非管理者ロールの詳細は、SELinux における制限のある非管理者ロール を参照してください。

管理者ロールの詳細は、SELinux における制限のある管理者ロール を参照してください。

利用可能なロールの一覧を表示するには、seinfo -r コマンドを実行します。

seinfo -r
Roles: 14
   auditadm_r
   dbadm_r
   guest_r
   logadm_r
   nx_server_r
   object_r
   secadm_r
   staff_r
   sysadm_r
   system_r
   unconfined_r
   user_r
   webadm_r
   xguest_r

seinfo コマンドは、setools-console パッケージにより提供されることに注意してください。これは、デフォルトではインストールされません。

関連情報

Red Hat logoGithubRedditYoutubeTwitter

詳細情報

試用、購入および販売

コミュニティー

Red Hat ドキュメントについて

Red Hat をお使いのお客様が、信頼できるコンテンツが含まれている製品やサービスを活用することで、イノベーションを行い、目標を達成できるようにします。

多様性を受け入れるオープンソースの強化

Red Hat では、コード、ドキュメント、Web プロパティーにおける配慮に欠ける用語の置き換えに取り組んでいます。このような変更は、段階的に実施される予定です。詳細情報: Red Hat ブログ.

会社概要

Red Hat は、企業がコアとなるデータセンターからネットワークエッジに至るまで、各種プラットフォームや環境全体で作業を簡素化できるように、強化されたソリューションを提供しています。

© 2024 Red Hat, Inc.