第5章 新機能および機能拡張
5.1. Red Hat Enterprise Linux 8.1 for SAP Solutions
- ライブパッチを使用すると、ビジネスクリティカルな SAP アプリケーションを中断することなく、カーネル内のクリティカルな CVE にパッチを適用できます。この機能拡張により、システムの再起動による中断が最小限に抑えられます。以前のリリースでは、SAP HANA などのインメモリーデータベースの初期化は、停止後にデータをメモリーにロードするのに数時間かかる場合がありました。
- SAPInstance: systemd ベースの SAP Start-Up Framework のアップストリームパッチを統合します。
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resource-agents-sap-hana
およびresource-agents-sap-hana-scaleout
パッケージは、RHEL HA アドオンと組み合わせて SAP HANA システムレプリケーションのセットアップを管理するためのリソースエージェントを提供します。 新しい rhel-system-roles-sap パッケージが、テクノロジープレビューとして Red Hat Enterprise Linux 8 で利用できるようになりました。
rhel-system-roles-sap
パッケージは、SAP 向けの Red Hat Enterprise Linux システムロールを提供します。これは、RHEL システムの設定を自動化して SAP ワークロードを実行するために使用できます。これらのロールは、関連する SAP ノート記載のベストプラクティスに基づいて最適な設定を自動的に適用することで、SAP ワークロードを実行するようにシステムを設定する時間を大幅に短縮できます。注記アクセスは、RHEL for SAP Solutions 製品に限定されます。サブスクリプションに関するサポートが必要な場合は、Red Hat カスタマーサポートまでご連絡ください。
この機能強化更新により、
rhel-system-roles-sap
が Red Hat Enterprise Linux 8 for SAP Solutions に追加されます。次の新しいロールが利用できるようになりました。- sap-preconfigure
- sap-netweaver-preconfigure
- sap-hana-preconfigure
resource-agents-sap-hana-scaleout
の更新が、Red Hat Enterprise Linux 8.1 拡張更新サポートで利用できるようになりました。resource-agents-sap-hana-scaleout
パッケージは、SAP HANA スケールアウトインスタンスをクラスター環境で管理できるようにする Pacemaker との SAP HANA スケールアウトリソースエージェントインターフェイスを提供します。詳細については、Red Hat Enterprise Linux (RHEL) 上の Pacemaker ベースのクラスターでの SAP HANA マルチターゲットシステムレプリケーションの自動化 を参照してください。