3.2. Mod_proxy_cluster のインストールとアップグレード
Red Hat JBoss Core Services (JBCS) と Red Hat Enterprise Linux (RHEL) は、Apache HTTP Server の個別のディストリビューションを提供します。インストールする Apache HTTP Server ディストリビューションに応じて、mod_proxy_cluster
コネクターが自動または手動のどちらでインストールされるか決まります。インストールされている Apache HTTP サーバーのディストリビューションにより、mod_proxy_cluster
モジュールと設定ファイルのインストールパスも異なります。
JBCS Apache HTTP サーバーでは、すべてのサポート対象オペレーティングシステムで mod_proxy_cluster
の使用がサポートされています。RHEL Apache HTTP Server では、RHEL 9 でのみ mod_proxy_cluster
の使用がサポートされています。
3.2.1. JBCS Apache HTTP Server を使用する場合の mod_proxy_cluster
のインストール
JBCS インストールの Apache HTTP Server 部分では、mod_proxy_cluster
モジュールが自動的にインストールされます。
Red Hat JBoss Core Services Apache HTTP Server インストールガイドの手順に従い、オペレーティングシステム用の最新の JBCS Apache HTTP Server リリースをインストールまたはアップグレードできます。詳細は、関連情報 セクションを参照してください。
JBCS Apache HTTP サーバーを使用する場合は、mod_proxy_cluster
のインストールに関する次のガイドラインを考慮してください。
-
mod_proxy_cluster.so
、mod_cluster_slotmem.so
、mod_manager.so
、mod_advertise.so
モジュールは、JBCS_HOME/httpd/modules
ディレクトリーにインストールされます。 -
mod_proxy_cluster.conf.sample
設定ファイルは、JBCS_HOME/httpd/conf.d
ディレクトリーにあります。 -
mod_proxy_cluster.conf.sample
ファイルには、mod_proxy_cluster
モジュールのLoadModule
ディレクティブが含まれています。
JBCS_HOME
は、JBCS インストールの最上位ディレクトリー (/opt/jbcs-httpd24-2.4
) を表します。
3.2.2. 以前の JBCS リリースからの mod_proxy_cluster
のアップグレード
JBCS が 2.4.37 以前のリリースで提供していた mod_cluster-native
パッケージは、JBCS 2.4.51 以降では mod_proxy_cluster
という名前に変更されました。この変更の一環として、2.4.37 以前のリリースで使用可能だった mod_cluster.conf
ファイルも、JBCS 2.4.51 以降では mod_proxy_cluster.conf
という名前に変更されます。JBCS は、JBCS をアーカイブファイルと RPM パッケージのどちらからインストールしたかに応じた方法で、既存の mod_proxy_cluster
設定をアップグレードします。
RPM パッケージからインストールした場合の mod_proxy_cluster
設定のアップグレード
アップグレードする既存の JBCS インストールが RHEL 7 または RHEL 8 上の RPM パッケージからインストールされている場合は、次のガイドラインを考慮してください。
-
JBCS 2.4.37 以前からアップグレードする場合、JBCS はアップグレード中に既存の
mod_cluster.conf
ファイルを保持します。この場合、アップグレードされた JBCS 2.4.57 デプロイメントには、既存のmod_cluster.conf
ファイルとデフォルトのmod_proxy_cluster.conf
ファイルの両方が含まれます。その後、mod_proxy_cluster.conf
を使用するように移行する場合は、セットアップ要件に合わせてデフォルトのmod_proxy_cluster.conf
ファイルを手動で更新できます。 -
JBCS 2.4.51 からアップグレードする場合、JBCS はアップグレード中に既存の
mod_proxy_cluster.conf
ファイルを保持します。この場合、アップグレードされた BCS 2.4.57 デプロイメントには、既存のmod_proxy_cluster.conf
ファイルとデフォルトのmod_proxy_cluster.conf.rpmnew
ファイルの両方が含まれます。
アーカイブファイルからインストールした場合の mod_proxy_cluster
設定のアップグレード
アーカイブファイルからインストールした既存の JBCS インストールをアップグレードする場合は、次のガイドラインを考慮してください。
-
JBCS 2.4.37 以前からアップグレードする場合は、2.4.57 アーカイブファイルを展開する以外に必要な操作はありません。JBCS 2.4.57 にはデフォルトの
mod_cluster.conf
ファイルが含まれていないため、製品のアップグレード中も既存のmod_cluster.conf
ファイルがそのまま残ります。この場合、アップグレードされた JBCS 2.4.57 デプロイメントには、既存のmod_cluster.conf
ファイルとデフォルトのmod_proxy_cluster.conf
ファイルの両方が含まれます。その後、mod_proxy_cluster.conf
を使用するように移行する場合は、セットアップ要件に合わせてデフォルトのmod_proxy_cluster.conf
ファイルを手動で更新できます。 -
JBCS 2.4.51、または JBCS 2.4.57 の既存のリリースからアップグレードする場合は、まず既存の
mod_proxy_cluster.conf
ファイルを一時的な場所にコピーする必要があります。JBCS 2.4.57 にはデフォルトのmod_proxy_cluster.conf
ファイルが含まれており、製品のアップグレード中に既存のmod_proxy_cluster.conf
ファイルが自動的に上書きされます。最新の 2.4.57 アーカイブファイルを抽出したら、既存のmod_proxy_cluster.conf
ファイルのバックアップを正しい場所にコピーして、デフォルトファイルを上書きできます。
3.2.3. Application Streams を使用する場合の mod_proxy_cluster
のインストール
Application Streams を使用して RPM パッケージから Apache HTTP Server の RHEL 9 ディストリビューションをインストールする場合、RHEL は mod_proxy_cluster
パッケージを自動的にインストールしません。この状況で mod_proxy_cluster
コネクターを使用する場合は、mod_proxy_cluster
パッケージを手動でインストールする必要があります。
前提条件
- Application Streams を使用して、Apache HTTP サーバーを RHEL 9 にインストールている。
手順
root ユーザーとして以下のコマンドを実行します。
# dnf install mod_proxy_cluster
検証
mod_proxy_cluster
パッケージが正常にインストールされたことを確認するには、次のコマンドを入力します。# rpm -q mod_proxy_cluster
前述のコマンドは、バージョンとプラットフォームの情報を含む、インストールされたパッケージの完全名を出力します。
RHEL Application Streams を使用する場合は、mod_proxy_cluster
のインストールに関する次のガイドラインを考慮してください。
-
mod_proxy_cluster.so
、mod_cluster_slotmem.so
、mod_manager.so
、mod_advertise.so
モジュールは、/usr/lib64/httpd/modules
ディレクトリーにインストールされます。 -
mod_proxy_cluster.conf.sample
設定ファイルは、/etc/httpd/conf.d
ディレクトリーにあります。 -
mod_proxy_cluster.conf.sample
ファイルには、mod_proxy_cluster
モジュールのLoadModule
ディレクティブが含まれています。