1.9. クラスター連携について


OpenShift Lightspeed Service は、大規模言語モデル (LLM) を使用して質問への回答を生成します。クラスター連携機能を有効にすると、OpenShift Container Platform クラスターに関する情報を使用して、LLM で利用できる知識を拡張できます。クラスターに含まれる Kubernetes オブジェクトに関する情報を提供することで、LLM は環境に合わせて非常に具体的な回答を生成できるようになります。

Model Context Protocol (MCP) は、アプリケーションが LLM にコンテキストを提供する方法を標準化するオープンプロトコルです。このプロトコルを使用すると、MCP サーバーは、外部リソースからリアルタイム情報を要求して受信することで、LLM がコンテキストを増やすための標準化された方法を提供します。

クラスター連携を有効にすると、OpenShift Lightspeed Operator によって MCP サーバーがインストールされます。MCP サーバーは、OpenShift Lightspeed Service に OpenShift API へのアクセスを提供します。このアクセスを通じて、OpenShift Lightspeed Service は読み取り操作を実行して LLM 用にコンテキストをさらに収集し、OpenShift クラスター内に存在する Kubernetes オブジェクトに関する質問に答えることができるようになります。

注記

OpenShift Lightspeed がツールを効果的に選択して使用する能力は、大規模言語 (LLM) モデルに大きく依存します。一般的に、パラメータ数が多い、より大規模なモデルほどパフォーマンスが高くなります。そして最高のパフォーマンスは、最新の AI 技術を代表する極めて大規模なフロンティアモデルによってもたらされます。小さなモデルを使用すると、ツールの選択やクラスター連携のその他の側面でパフォーマンスが低下する場合があります。

OpenShift Lightspeed Service でクラスター連携機能を有効にするには、LLM プロバイダーでツール呼び出しを有効にする必要があります。

注記

ツール呼び出しを有効にすると、トークンの使用量が大幅に増加する可能性があります。パブリックモデルプロバイダーを使用する場合、トークンの使用量が増えると、課金コストが増加する可能性があります。

1.9.1. クラスター連携の有効化

OLSConfig カスタムリソースを変更して、クラスター連携機能を有効にします。

重要

クラスターの連携機能は、テクノロジープレビュー機能です。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat 製品のサービスレベルアグリーメント (SLA) の対象外であり、機能的に完全ではないことがあります。Red Hat は、実稼働環境でこれらを使用することを推奨していません。テクノロジープレビュー機能は、最新の製品機能をいち早く提供して、開発段階で機能のテストを行い、フィードバックを提供していただくことを目的としています。

Red Hat のテクノロジープレビュー機能のサポート範囲に関する詳細は、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。

前提条件

  • cluster-admin ロールを持つユーザーとして OpenShift Container Platform Web コンソールにログインしている。または、クラスタースコープの CR を作成する権限を持つユーザーアカウントにログインしている。
  • 大規模言語モデル (LLM) プロバイダーが設定されている。
  • OpenShift Lightspeed Operator がインストールされている。

手順

  1. OpenShift Container Platform Web コンソールで、Operators Installed Operators をクリックします。
  2. OpenShift Lightspeed Operator をクリックします。
  3. OLSConfig をクリックし、一覧にある cluster 設定インスタンスをクリックします。
  4. YAML タブをクリックします。
  5. spec.ols.introspectionEnabled パラメーターを true に設定して、クラスターの連携を有効にします。

    apiVersion: ols.openshift.io/v1alpha1
    kind: OLSConfig
    metadata:
      name: cluster
    spec:
      ols:
        introspectionEnabled: true
    Copy to Clipboard Toggle word wrap
  6. Save をクリックします。

検証

  • OpenShift Lightspeed 仮想アシスタントにアクセスし、クラスターに関連付けられた質問を送信します。

    OpenShift Lightspeed 仮想アシスタントは、環境に固有の高度に洗練された回答を生成します。

1.9.2. カスタム MCP サーバーの有効化

大規模言語モデル (LLM) がツールを使用して質問に対する回答を生成できるように、環境内のツールとインターフェイスする MCP サーバーを追加します。

重要

クラスターの連携機能は、テクノロジープレビュー機能です。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat 製品のサービスレベルアグリーメント (SLA) の対象外であり、機能的に完全ではないことがあります。Red Hat は、実稼働環境でこれらを使用することを推奨していません。テクノロジープレビュー機能は、最新の製品機能をいち早く提供して、開発段階で機能のテストを行い、フィードバックを提供していただくことを目的としています。

Red Hat のテクノロジープレビュー機能のサポート範囲に関する詳細は、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。

前提条件

  • OpenShift Lightspeed Operator がインストールされている。
  • 大規模言語モデルプロバイダーが設定されている。
  • OpenShift Lightspeed サービスを自動的にデプロイする OLSConfig CR ファイルが設定されている。

手順

  1. 次のコマンドを実行して、OpenShift Lightspeed OLSconfig カスタムリソース (CR) ファイルを開きます。

    $ oc edit olsconfig cluster
    Copy to Clipboard Toggle word wrap
  2. spec.featureGates 仕様ファイルに MCPServer を追加し、MCP サーバー情報を含めます。

    apiVersion: ols.openshift.io/v1alpha1
    kind: OLSConfig
    metadata:
      name: cluster
    spec:
      featureGates:
        - MCPServer 
    1
    
      mcpServers:
        - name: mcp-server-1 
    2
    
          streamableHTTP:
            url: http://localhost:8080/mcp 
    3
    
            timeout: 30
            sseReadTimeout: 10
            headers:
              - Authorization: Bearer <token>
              - Content-Type: application/json
              - Accept: application/json
            enableSSE: true
        - name: mcp-server-2
          streamableHTTP:
            url: http://localhost:8080/mcp
            timeout: 30 
    4
    
            sseReadTimeout: 10 
    5
    
            headers:
              - <key1>: <value1> 
    6
    
              - <key2>: <value2>
            enableSSE: true 
    7
    Copy to Clipboard Toggle word wrap
    1
    MCP サーバーの機能を指定します。
    2
    MCP サーバーの名前を指定します。
    3
    MCP サーバーが通信に使用する URL パスを指定します。
    4
    MCP サーバーがクエリーに応答するまでの時間を指定します。指定された時間内にクライアントがクエリーを受信しない場合、MCP サーバーはタイムアウトになります。この例では、タイムアウトは 30 秒です。
    5
    Server-Sent Events (SSE) 接続で、クライアントが新しいデータを待つ時間を指定します。クライアントがその時間内にデータを受信しない場合は、クライアントは接続を閉じます。
    6
    HTTP 要求が MCP サーバーに送信する追加ヘッダーを指定します。
    7
    enableSSEtrue に設定すると、MCP サーバーは、サーバーに新しい情報があるたびにクライアントに更新をプッシュするために使用する一方向チャネルを確立します。デフォルトの設定は false です。
  3. Save をクリックします。

    保存操作によりファイルが保存されて変更が適用され、MCP サーバーが OpenShift Lightspeed Service で使用できるようになります。

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