第8章 統合ポイント
本章では、director の統合における具体的な統合ポイントを考察します。固有の OpenStack コンポーネントと director またはオーバークラウドの統合とそのコンポーネントの関係について記載します。本セクションに記載する内容は、OpenStack のすべての統合についての包括的な説明ではありませんが、ハードウェアおよびソフトウェアを Red Hat OpenStack Platform に統合する作業を開始するには十分な情報となるはずです。
8.1. Bare Metal Provisioning (Ironic)
OpenStack Bare Metal Provisioning (Ironic) のコンポーネントは、director 内で使用され、ノードの電源状態を制御します。director はバックエンドドライバーのセットを使用して、固有のベアメタルの電源コントローラーとやりとりをします。これらのドライバーは、ハードウェアやベンダー固有の拡張や機能を有効化する際に重要です。最も一般的なドライバーは IPMI ドライバー (pxe_ipmitool
) で、Intelligent Platform Management Interface (IPMI) をサポートするサーバーの電源状態を制御します。
Ironic との統合は、アップストリームの OpenStack コミュニティーから始まります。アップストリームで受け入れられた Ironic ドライバーは、コアの Red Hat OpenStack Platform 製品と director にデフォルトで自動的に含まれます。ただし、認定要件によりサポートされない可能性があります。
機能が継続して確保されるように、ハードウェアドライバーは、常に統合テストを受ける必要があります。サードパーティー製のドライバーのテストおよび適性に関する情報は、OpenStack コミュニティーページの Ironic Testing を参照してください。
アップストリームのリポジトリー:
アップストリームのブループリント:
- Launchpad: http://launchpad.net/ironic
Puppet モジュール:
Bugzilla コンポーネント:
- openstack-ironic
- python-ironicclient
- python-ironic-oscplugin
- openstack-ironic-discoverd
- openstack-puppet-modules
- openstack-tripleo-heat-templates
統合メモ:
-
アップストリームプロジェクトでは、
ironic/drivers
ディレクトリーにドライバーが含まれます。 -
director は、JSON ファイルで定義されたノードをまとめて登録します。
os-cloud-config
ツール (https://github.com/openstack/os-cloud-config/) は、このファイルを解析して、ノード登録の詳細を判断して登録を実行します。これは、os-cloud-config
ツール (具体的にはnodes.py
ファイル) には、ドライバーのサポートが必要であることを意味します。 director は、Ironic を使用するように自動的に設定されます。つまり、Puppet 設定では、変更をほぼ加える必要はないということです。ただし、ドライバーに Ironic が含まれる場合には、お使いのドライバーを
/etc/ironic/ironic.conf
ファイルに追加する必要があります。このファイルを編集してenabled_drivers
パラメーターを検索してください。以下に例を示します。enabled_drivers=pxe_ipmitool,pxe_ssh,pxe_drac
これにより、
drivers
ディレクトリーからの指定のドライバーを Ironic が使用できるようになります。