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3.4. アンダークラウドおよびオーバークラウドの起動順序

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Red Hat OpenStack Platform 環境を起動するには、アンダークラウドおよびオーバークラウドを以下の順序で起動する必要があります。

  1. アンダークラウドを起動します。
  2. Controller ノードを起動します。
  3. Ceph Storage ノードを起動します。
  4. Compute ノードを起動します。
  5. オーバークラウドの Compute ノードでインスタンスを起動します。

3.4.1. アンダークラウドの起動

Red Hat OpenStack Platform 環境の起動のサブタスクとして、アンダークラウドノードの電源をオンにし、アンダークラウドにログインし、アンダークラウドのサービスを確認します。

前提条件

  • アンダークラウドの電源がオフになっている。

手順

  • アンダークラウドの電源をオンにし、アンダークラウドがブートするまで待ちます。

検証

  1. アンダークラウドホストに stack ユーザーとしてログインします。
  2. stackrc アンダークラウド認証情報ファイルを入手します。

    $ source ~/stackrc
  3. アンダークラウドのサービスを確認します。

    $ systemctl list-units 'tripleo_*'
  4. tripleo-ansible-inventory.yaml という名前の静的インベントリーファイルを検証します。

    $ validation run --group pre-introspection -i <inventory_file>
    • <inventory_file> ファイルを Ansible インベントリーファイルの名前および場所に置き換えます (例: ~/tripleo-deploy/undercloud/tripleo-ansible-inventory.yaml)。

      注記

      検証を実行すると、出力の Reasons 列は 79 文字に制限されます。検証結果を完全に表示するには、検証ログファイルを表示します。

  5. すべてのサービスとコンテナーがアクティブおよび正常であることを確認します。

    $ validation run --validation service-status --limit undercloud -i <inventory_file>

3.4.2. Controller ノードの起動

Red Hat OpenStack Platform 環境の起動のサブタスクとして、それぞれの Controller ノードの電源をオンにし、そのノードの Pacemaker 以外のサービスを確認します。

前提条件

  • Controller ノードの電源がオフになっている。

手順

  • それぞれの Controller ノードの電源をオンにします。

検証

  1. root ユーザーとして各 Controller ノードにログインします。
  2. Controller ノードのサービスを確認します。

    $ systemctl -t service

    Pacemaker ベース以外のサービスだけが動作中です。

  3. Pacemaker サービスが起動するまで待ち、サービスが起動したことを確認します。

    $ pcs status
    注記

    環境でインスタンス HA を使用している場合、Pacemaker リソースは、Compute ノードを起動するか、pcs stonith confirm <compute_node> コマンドを使用して手動でフェンスを解除する操作を実行するまで起動しません。このコマンドは、インスタンス HA を使用する各 Compute ノードで実行する必要があります。

3.4.3. Ceph Storage ノードの起動

Red Hat OpenStack Platform 環境の起動のサブタスクとして、Ceph MON ノードおよび Ceph Storage ノードの電源をオンにし、Ceph Storage サービスを有効にします。

前提条件

  • 電源がオフの Ceph Storage クラスター。
  • 電源がオフのスタンドアロンの Ceph MON ノードまたは電源がオンの Controller ノードで、Ceph MON サービスが有効になっている。

手順

  1. 使用している環境にスタンドアロンの Ceph MON ノードがある場合、それぞれの Ceph MON ノードの電源をオンにします。
  2. それぞれの Ceph Storage ノードの電源をオンにします。
  3. Ceph MON サービスを実行するノード (例: Controller ノードまたはスタンドアロンの Ceph MON ノード) に root ユーザーとしてログインします。
  4. クラスターノードのステータスを確認します。以下の例の podman コマンドにより、Controller ノード上の Ceph MON コンテナー内でステータス確認が実施されます。

    # sudo podman exec -it ceph-mon-controller-0 ceph status

    それぞれのノードの電源がオンで、接続された状態であることを確認します。

  5. クラスターの nooutnorecovernorebalancenobackfillnodown、および pause フラグの設定を解除します。以下の例の podman コマンドにより、Controller ノード上の Ceph MON コンテナーを通じてこれらのフラグの設定が解除されます。

    # sudo podman exec -it ceph-mon-controller-0 ceph osd unset noout
    # sudo podman exec -it ceph-mon-controller-0 ceph osd unset norecover
    # sudo podman exec -it ceph-mon-controller-0 ceph osd unset norebalance
    # sudo podman exec -it ceph-mon-controller-0 ceph osd unset nobackfill
    # sudo podman exec -it ceph-mon-controller-0 ceph osd unset nodown
    # sudo podman exec -it ceph-mon-controller-0 ceph osd unset pause

検証

  1. クラスターが正常であることを確認します。以下の例の podman コマンドにより、Controller ノード上の Ceph MON コンテナー内でステータス確認が実施されます。

    # sudo podman exec -it ceph-mon-controller-0 ceph status

    ステータスが HEALTH_OK であることを確認します。

3.4.4. Compute ノードの起動

Red Hat OpenStack Platform 環境の起動のサブタスクとして、それぞれの Compute ノードの電源をオンにし、そのノードのサービスを確認します。

前提条件

  • 電源がオフの Compute ノード

手順

  1. それぞれの Compute ノードの電源をオンにします。

検証

  1. 各 Compute に root ユーザーとしてログインします。
  2. Compute ノードのサービスを確認します。

    $ systemctl -t service

3.4.5. オーバークラウドコンピュートノードのインスタンス HA サービスの起動

Red Hat OpenStack Platform 環境の起動のサブタスクとして、コンピュートノードのインスタンス HA サービスをすべて起動します。

前提条件

  • コンピュートノードが動作中のオーバークラウド
  • コンピュートノードで有効化されているインスタンス HA

手順

  1. Pacemaker を実行するオーバークラウドノードに root ユーザーとしてログインします。
  2. コンピュートノードの STONITH デバイスを有効にします。

    1. コンピュートノードの STONITH デバイスを特定します。

      # pcs stonith status
    2. コンピュートノードの STONITH エラーをすべて消去します。

      # pcs stonith confirm <COMPUTE_NODE>

      このコマンドにより、ノードがクリーンな STONITH の状態に戻ります。

    3. コンピュートノードの STONITH デバイスを有効にします。

      # pcs stonith enable <STONITH_DEVICE>
    4. STONITH を使用するそれぞれのコンピュートノードで、この手順を実施します。
  3. それぞれのコンピュートノードの Pacemaker リモートリソースを有効にします。

    1. コンピュートノードの Pacemaker リモートリソースを特定します。

      # pcs resource status

      これらのリソースは ocf::pacemaker:remote エージェントを使用し、通常はコンピュートノードのホストの形式に基づく名前が付けられます (例: overcloud-novacomputeiha-0)。

    2. それぞれの Pacemaker リモートリソースを有効にします。overcloud-novacomputeiha-0 のリソースを有効にする方法を、以下の例に示します。

      # pcs resource enable overcloud-novacomputeiha-0
    3. Pacemaker リモート管理を行うそれぞれのコンピュートノードで、この手順を実施します。
  4. Pacemaker サービスが起動するまで待ち、サービスが起動したことを確認します。

    # pcs status
  5. 起動プロセス中に Pacemaker リソースの起動に失敗した場合は、リソースのステータスと失敗回数をリセットします。

    # pcs resource cleanup
    注記

    fence_computefence_kdump など、一部のサービスは開始に時間がかかる場合があります。

3.4.6. オーバークラウド Compute ノード上のインスタンスの起動

Red Hat OpenStack Platform 環境の起動のサブタスクとして、Compute ノード上のインスタンスを起動します。

前提条件

  • アクティブなノードを持つアクティブなオーバークラウド

手順

  1. アンダークラウドに stack ユーザーとしてログインします。
  2. source コマンドでオーバークラウドの認証情報ファイルを読み込みます。

    $ source ~/overcloudrc
  3. オーバークラウドで実行中のインスタンスを表示します。

    $ openstack server list --all-projects
  4. オーバークラウド内のインスタンスを起動します。

    $ openstack server start <INSTANCE>
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