検索

第1章 OVS から OVN への ML2 メカニズムドライバーの移行計画

download PDF

RHOSP 15.0 以降のすべての新規デプロイメントについて、Red Hat では ML2/OVN をデフォルトのメカニズムドライバーとして選択しました。これは、今日のほとんどのお客様にとって ML2/OVS メカニズムドライバー以上のメリットが即座に得られるためです。継続して ML2/OVN 機能セットの拡張および改善を行っているため、これらのメリットはリリースと共に拡大します。

ML2/OVS メカニズムドライバーは、RHOSP 17.0 で非推奨になりました。いくつかのリリースで、Red Hat は ML2/OVS を ML2/OVN に置き換えています。

非推奨の ML2/OVS メカニズムドライバーは、RHOSP 17 リリースでサポートされます。この間、ML2/OVS ドライバーはメンテナンスモードのままで、バグ修正と通常のサポートを受けられます。ほとんどの新機能開発は ML2/OVN メカニズムドライバーで行われます。

RHOSP 18.0 では、Red Hat は ML2/OVS メカニズムドライバーを完全に削除し、サポートを停止する予定です。

既存の Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) デプロイメントで ML2/OVS メカニズムドライバーが使用されている場合、ML2/OVS メカニズムドライバーを ML2/OVN メカニズムドライバーに置き換えるメリットおよび現実性の評価を今すぐ開始してください。移行は、RHOSP 16.2 および RHOSP 17.1 でサポートされています。

注記

ML2/OVS から ML2/OVN への移行を試みる前に、プロアクティブケースを作成する必要があります。プロアクティブケースを作成しない場合、Red Hat では移行をサポートしません。link:https://access.redhat.com/solutions/2186261] を参照してください。

この評価の初期段階で、Red Hat Technical Account Manager または Red Hat Global Professional Services との連携を開始してください。移行を選択した場合、Red Hat は必要なプロアクティブケースの作成支援に加えて、以下の基本的な疑問に対する回答や、計画および準備に対するサポートを提供できます。

いつ移行すべきか?
タイミングは、お客様のビジネスニーズや Red Hat による ML2/OVN オファリングに対する継続的な改善のステータスなど、多くの要素に依存します。OVN および OVS メカニズムドライバーでの機能サポート および ML2/OVS から ML2/OVN へのインプレースマイグレーション: 検証済みのシナリオおよび禁止されるシナリオ を参照してください。
インプレースマイグレーションか並列移行か ?

さまざまな要因に応じて、以下の移行の基本アプローチのいずれかを選択できます。

  • 並列移行:ML2/OVN を使用する新しい並列デプロイメントを作成し、運用をそのデプロイメントに移動します。
  • インプレースマイグレーション:このドキュメントで説明しているように、ovn-migration.sh スクリプトを使用します。Red Hat は、RHOSP director が管理するデプロイメントでのみ ovn_migration.sh スクリプトをサポートする点に注意してください。
警告

ML2/OVS から ML2/OVN に移行すると、環境が変更され、完全には元に戻せなくなる可能性があります。適切なバックアップ手順と元に戻す手順に従えば、失敗または中断された移行を元に戻すことができますが、元に戻された OVS 環境は元の環境から変更される可能性があります。実稼働環境で移行を行う前に、プロアクティブケースを作成してください。次に、Red Hat Technical Account Manager または Red Hat Global Professional Services と連携してバックアップおよび移行プランを作成し、実稼働環境に極めて近いステージ環境で移行をテストします。潜在的な移行の元に戻しに備えてバックアップを準備することを選択した場合は、ステージ環境で移行の元に戻しをテストする必要もあります。

1.1. OVN および OVS メカニズムドライバーでの機能サポート

OVS から OVN メカニズムドライバーへの移行計画の一環として、Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) 機能の可用性を確認します。

機能OVN RHOSP 16.2OVN RHOSP 17.1OVS RHOSP 16.2OVS RHOSP 17.1関連情報

OVN と DHCP の組み合わせでのベアメタルマシンのプロビジョニング

いいえ

いいえ

はい

はい

OVN 上の組み込み型 DHCP サーバーは、現状ベアメタルノードをプロビジョニングできません。プロビジョニングネットワーク用に、DHCP を提供できません。iPXE のチェーンブートにはタグ付け (dnsmasq の --dhcp-match) が必要ですが、OVN DHCP サーバーではサポートされていません。https://bugzilla.redhat.com/show_bug.cgi?id=1622154 を参照してください。

VLAN プロジェクト (テナントネットワーク) の VF (ダイレクト) ポートでのノース/サウスルーティング

いいえ

いいえ

はい

はい

OVN に関する主な制約。Bug #1875852 を参照してください。

内部 DNS レコードの逆引き DNS

いいえ

はい

はい

はい

https://bugzilla.redhat.com/show_bug.cgi?id=2211426 を参照してください。

分離ネットワークの内部 DNS 解決

いいえ

いいえ

はい

はい

OVN は、DNS サービスにポートを割り当てないため、分離ネットワークの内部 DNS 解決をサポートしません。OVS は dnsmasq を使用するため、これは OVS デプロイメントには影響しません。https://issues.redhat.com/browse/OSP-25661 を参照してください。

セキュリティーグループのロギング

テクノロジープレビュー

はい

いいえ

いいえ

RHOSP は、OVS メカニズムドライバーを使用したセキュリティーグループのロギングをサポートしません。

ステートレスセキュリティーグループ

いいえ

はい

いいえ

いいえ

セキュリティーグループの設定 を参照してください。

負荷分散サービスの分散仮想ルーティング (DVR)

はい

はい

いいえ

いいえ

DVR が有効になっている場合でも、OVS メカニズムドライバーは、負荷分散サービストラフィックをコントローラーノードまたはネットワークノード経由でルーティングします。OVN メカニズムドライバーは、負荷分散サービストラフィックをコンピュートノード経由で直接ルーティングします。

IPv6 DVR

はい

はい

いいえ

いいえ

OVS メカニズムドライバーを使用すると、DVR が有効になっている場合でも、RHOSP は IPv6 トラフィックをコンピュートノードに分散しません。すべての ingress/egress トラフィックは、集中型のコントローラーノードまたはネットワークノードを通過します。IPv6 DVR が必要な場合は、OVN メカニズムドライバーを使用します。

DVR およびレイヤー 3 高可用性 (L3 HA)

はい

はい

いいえ

いいえ

OVS メカニズムドライバーを使用した RHOSP デプロイメントは、DVR と L3 HA の組み合わせをサポートしません。RHOSP director で DVR を使用する場合、L3 HA は無効になります。これは、Networking サービスが引き続きネットワークノード上のルーターをスケジュールし、L3 エージェント間で負荷分散することを意味します。ただし、1 つのエージェントに障害が発生すると、このエージェントがホストするすべてのルーターにも障害が発生します。この影響を受けるのは SNAT トラフィックだけです。Red Hat は、このような場合に allow_automatic_l3agent_failover 機能を使用することを推奨しています。そうすることで、1 つのネットワークノードに障害が発生してもルーターが別のノードに再スケジュールされます。

Red Hat logoGithubRedditYoutubeTwitter

詳細情報

試用、購入および販売

コミュニティー

Red Hat ドキュメントについて

Red Hat をお使いのお客様が、信頼できるコンテンツが含まれている製品やサービスを活用することで、イノベーションを行い、目標を達成できるようにします。

多様性を受け入れるオープンソースの強化

Red Hat では、コード、ドキュメント、Web プロパティーにおける配慮に欠ける用語の置き換えに取り組んでいます。このような変更は、段階的に実施される予定です。詳細情報: Red Hat ブログ.

会社概要

Red Hat は、企業がコアとなるデータセンターからネットワークエッジに至るまで、各種プラットフォームや環境全体で作業を簡素化できるように、強化されたソリューションを提供しています。

© 2024 Red Hat, Inc.