第14章 Open Container Initiative のサポート
コンテナーレジストリーは、当初 Docker イメージ形式のコンテナーイメージをサポートするように設計されていました。Docker 以外で追加のランタイムの使用をプロモートするために、コンテナーランタイムとイメージ形式に関連する標準化を提供するために Open Container Initiative (OCI) が作成されました。ほとんどのコンテナーレジストリーは、Docker イメージマニフェスト V2、Schema 2 形式をベースとして OCI 標準化をサポートします。
コンテナーイメージのほかにも、個別のアプリケーションだけでなく、Kubernetes プラットフォームを全体としてサポートする各種のアーティファクトが新たに出現しました。これは、アプリケーションのデプロイメントを支援するセキュリティーおよびガバナンスの Open Policy Agent (OPA) ポリシーから Helm チャートおよび Operator に及びます。
Quay.io は、コンテナーイメージを格納するだけでなく、コンテナーの管理を支援するツールのエコシステム全体もサポートするプライベートコンテナーレジストリーです。Quay.io は、OCI 1.1 Image and Distribution specifications と可能な限り互換性を保つよう努めており、Helm チャート (OCI をサポートする Helm のバージョンを使用してプッシュされている場合に限る) などの一般的なメディアタイプや、コンテナーイメージのマニフェストまたはレイヤーコンポーネント内部のさまざまな任意のメディアタイプをサポートしています。OCI メディアタイプのサポートが、以前の Quay.io のバージョンと異なる点です。以前のバージョンでは、受け入れるメディアタイプについてより厳しい制限がレジストリーに設けられていました。Quay.io は、以前はサポート範囲外だったメディアタイプも含め、より幅広いメディアタイプに対応できるようになりました。そのため、標準のコンテナーイメージ形式だけでなく、新しいタイプや従来とは異なるタイプにも対応できるようになり、より多用途になりました。
新しいメディアタイプへのサポート拡張に加えて、Quay.io は、V2_2 および V2_1 形式を含む Docker イメージとの互換性を確保しています。このような Docker V2_2 および V2_1 イメージとの互換性は、Docker ユーザーにシームレスなエクスペリエンスを提供するという Quay.io の取り組みを表すものです。さらに、Quay.io は、引き続き Docker V1 プルのサポートを拡張し、このような以前のバージョンの Docker イメージを現在も利用している可能性のあるユーザーに対応します。
OCI アーティファクトのサポートはデフォルトで有効になっています。次の例は、いくつかのメディアタイプの使用方法を示しています。これは、他の OCI メディアタイプを使用する際の例として使用できます。
14.1. Helm および OCI の前提条件
Helm は、アプリケーションのパッケージ化とデプロイの方法を簡素化します。Helm は、アプリケーションを表す Kubernetes リソースが含まれる チャート というパッケージ形式を使用します。Quay.io は、OCI でサポートされているバージョンである限り、Helm チャートをサポートします。
次の手順に従って、Helm およびその他の OCI メディアタイプを使用するようにシステムを事前設定します。
Helm の最新バージョンは、Helm リリース ページからダウンロードできます。