第5章 DM Multipath 設定ファイルの編集
DM Multipath では、マルチパスで最も一般的に使用する設定値がデフォルトで提供されています。また、DM Multipath に対応する最も一般的なストレージアレイへのサポートも DM Multipath に含まれています。
DM-Multipath のデフォルトの設定値は、/etc/multipath.conf
設定ファイルを編集するとオーバーライドできます。必要に応じて、サポートされていないデフォルトのストレージアレイを設定ファイルに追加することもできます。マルチパス設定ファイルでは、設定に必要なセクション、またはデフォルト値から変更する必要があるセクションのみを指定する必要があります。使用環境には無関係なファイルのセクションや、デフォルト値を無効にする必要がないファイルのセクションでは、初期ファイルに指定されているコメントアウトを削除する必要はありません。
設定ファイルでは、正規表現を使用することもできます。
initramfs
ファイルシステムからマルチパスを実行してマルチパス設定ファイルに変更を加える場合、変更を有効にするには initramfs
ファイルシステムを再構築する必要があります。
5.1. 設定ファイルの概要
マルチパス設定ファイルは以下のセクションに分かれています。
- blacklist
- マルチパス設定の対象として考慮しないデバイスのリスト。
- blacklist_exceptions
-
指定されていなければ、
blacklist
セクションのパラメーターに従って無視されるマルチパスのデバイスのリスト。 - defaults
- DM Multipath のデフォルトの全般設定。
- multipaths
-
マルチパスデバイスの特性に関する個別設定。ここで指定する値は、設定ファイルの
overrides
、devices
、およびdefaults
のセクションで指定されている値より優先されます。 - devices
-
ストレージコントローラーの個別設定。ここで指定する値は、設定ファイル内の
defaults
セクションで指定されている値より優先されます。デフォルトでは対応していないストレージアレイを使用している場合は、そのアレイ用のdevices
サブセクションを作成する必要があります。 - overrides
-
すべてのデバイスに適用される設定。ここで指定する値は、設定ファイルの
devices
セクションおよびdefaults
セクションで指定されている値より優先されます。
システムがマルチパスデバイスの属性を決定するとき、次の順序で multipath.conf
ファイルから個別のセクションの設定をチェックします。
-
multipaths
セクション -
overrides
セクション -
devices
セクション -
defaults
セクション
デフォルト設定を表示する方法は次のとおりです。
マシンをマルチパスデバイスにインストールすると、デフォルトのマルチパス設定が自動的に適用されます。デフォルトの設定には、以下が含まれます。
-
デフォルト設定値の完全なリストを表示するには、
multipath -t
またはmultipathd show config
コマンドを実行します。 -
設定オプションのリストと説明については、システム上の
multipath.conf
man ページを参照してください。
-
デフォルト設定値の完全なリストを表示するには、
-
インストール中にマルチパスをセットアップしなかった場合は、
mpathconf --enable
コマンドを実行してデフォルト設定を取得します。