1.3. 設定チャンネルの管理


Red Hat Satellite には、組織の設定ファイルを管理する機能が搭載されています。管理対象のファイルには、設定チャンネル内の中央で管理されるファイルと個別のシステムプロファイルでローカルに管理されるファイルが含まれます。これらのファイルを閲覧できるのは、設定管理者または Satellite 管理者のみです。
これにより、組織は同様の設定を複数のシステムからなるグループに配備したり、設定の変更を中央で管理したりすることができます。
中央管理のファイルとは、複数のシステムに対して使用可能なファイルのことです。中央の設定チャンネルにある単一のファイルに変更を加えることで複数のシステムに影響を与えることができます。また、ローカルの設定チャンネルもあります。Provisioning のエンタイトルメントを有する各システムには、ローカルの設定チャンネル (オーバーライドチャンネルとも呼ばれる) とサンドボックスチャンネルがあります。ローカルの設定チャンネルは Red Hat Satellite 内では作成されず、ローカルの設定チャンネルは、Provisioning エンタイトルメントが適用される各システムに対して自動的に存在します。

1.3.1. 設定管理のためのシステムの準備

Satellite 経由でシステムの設定を管理できるようにするには、システムに適切なツールと config-enable ファイルがインストールされている必要があります。システムを設定管理機能付きでキックスタートしている場合はとくに、これらのツールはすでにシステムにインストールされている可能性があります。インストールされていない場合は、これらのツールは Red Hat Network Tools の子チャンネル内にあります。以下のパッケージをダウンロードし、インストールしてください。
  • rhncfg - rhncfg-* のすべてのパッケージで必要となるベースライブラリと機能になります。
  • rhncfg-actions - Red Hat Network Web サイト経由でスケジュールされた設定動作を実行するのに必要なコードになります。
  • rhncfg-client - Red Hat Network 設定管理システムのクライアント機能に対するコマンドラインインターフェースです。
  • rhncfg-management - Red Hat Network 設定を管理するために使用するコマンドラインインターフェースです。

1.3.2. 新規設定チャンネルの作成

設定チャンネルは、特定のシステムに配備する設定ファイルを格納するために作成する必要があります。新規の設定チャンネルを作成するには:
  1. チャンネル管理者または組織管理者としてログインします。
  2. 設定タブをクリックします。
  3. 設定の動作 とマークされている右側のフレーム上で、新規の設定チャンネルを作成をクリックします。
  4. 以下のフィールドに入力します。
    • 名前
    • ラベル このフィールドには、英数字、「-」、「_」、および「.」のみを入力してください。
    • 詳細 詳細を入力してください。このフィールドには、このチャンネルを他と区別するための簡単な情報を入力できます。
  5. 設定チャンネルの作成 をクリックします。

1.3.3. 設定チャンネルへの設定ファイルの追加

  1. チャンネル管理者または組織管理者としてログインします。
  2. 設定タブをクリックします。
  3. 左側のサブメニューで、設定チャンネル をクリックします。
  4. 設定ファイルが追加される設定チャンネルを選択します。
  5. サブタブの ファイルの追加 をクリックします。
  6. 必須のフィールドに入力します。
    • アップロードするファイル - 設定ファイルの最大許容サイズは 128kb です。
    • ファイル名/パス - 設定ファイルの配備先とする必要のあるターゲットシステムのパスです。
    • 所有権 - ファイルを所有するユーザーおよびグループです。フィールドに追加されたユーザーおよびグループが、ファイルが配備されるシステム上に存在しない場合は、配備は失敗します。
    • ファイルパーミッションモード - 変更可能なユーザーを基にしたパーミッションです。テキストファイルに「644」、ディレクトリーおよび実行可能ファイルに「755」を設定することで、グローバルなアクセスまたは実行が可能になります (変更は不可)。
    • SELinux コンテキスト - user_u:role_r:type_t:s0-s15:c0.c1024 などの SELinux コンテキストを入力します。
    • マクロデリミタ - 使用できるマクロの一覧は、次のセクションの 「設定ファイルへのマクロの組み込み」 に記載されています。

1.3.4. 設定ファイルへのマクロの組み込み

従来のファイル管理では、ファイルの差異がわずかであってもファイルの種類が数百または数千に上る場合に、ぞれぞれのファイルを別々にアップロードし、配信する必要がありました。Red Hat Satellite では、Provisioning のエンタイトルメントが付与されたシステムを対象に管理する設定ファイル内へのマクロや変数の組み込みを許可することによってこれに対応します。カスタムシステム情報の変数のほかに、以下の標準的なマクロがサポートされています。
  • rhn.system.sid
  • rhn.system.profile_name
  • rhn.system.description
  • rhn.system.hostname
  • rhn.system.ip_address
  • rhn.system.custom_info(key_name)
  • rhn.system.net_interface.ip_address(eth_device)
  • rhn.system.net_interface.netmask(eth_device)
  • rhn.system.net_interface.broadcast(eth_device)
  • rhn.system.net_interface.hardware_address(eth_device)
  • rhn.system.net_interface.driver_module(eth_device)
この機能を使用するには、設定チャンネルの詳細 (Configuration Channel Details) ページから、設定ファイルのアップロードまたは作成を行います。次に、その 設定チャンネルの詳細 (Configuration Channel Details) ページを開いて、選択したサポート対象のマクロを組み込みます。変数を相殺するために使用したデリミタが、マクロ開始デリミタ (Macro Start Delimiter)マクロ終了デリミタ (Macro End Delimiter) フィールドで設定されたデリミタと一致しており、ファイル内の他の文字とは競合しないことを確認してください。デリミタの長さは 2 文字であり、パーセント (%) 記号を使用しないことをお勧めします。
例のように、IP アドレスとホスト名以外に違いがないサーバーすべてに適用できるファイルを 1 つ持つことができます。各サーバーごとに別々の設定ファイルを管理する代わりに、server.conf などのような IP アドレスとホスト名のマクロを含む次のような単一ファイルを作成することができます。
hostname={| rhn.system.hostname |}
ip_address={| rhn.system.net_interface.ip_address(eth0) |}
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ファイルを個別システムに配信する際に、Red Hat Network Web サイトのスケジュールされた動作であるか、または Red Hat Network Configuration Client のコマンドライン (rhncfg-client) によるかにかかわらず、変数は、Satellite のシステムプロファイルに記録されている、システムのホスト名と IP アドレスに置き換えられます。例えば、上記の設定ファイルでは、配備されたバージョンは以下のようになります。
hostname=test.example.domain.com
ip_address=177.18.54.7
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カスタムのシステム情報をキャプチャーするには、キーラベルをカスタム情報マクロに挿入します (rhn.system.custom_info)。例えば、「asset」というラベル名のキーを作成した場合、これを設定ファイル内のカスタム情報マクロに追加して、それを含むシステムではその値が置換されるようにすることができます。
asset={@ rhn.system.custom_info(asset) @}
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そのキーの値が含まれているシステムに対してこのファイルを配備すると、マクロは変換されて次のような文字列になります。
asset=Example#456
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デフォルト値を含める場合は、例えばエラーを防ぐためにデフォルト値が必要な場合などは、カスタム情報マクロにそれを追加することができます。次のようになります。
asset={@ rhn.system.custom_info(asset) = 'Asset #' @}
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このデフォルトは、これを含むシステムならいずれでもその値で上書きされます。
Red Hat Network Configuration Manager (rhncfg-manager) はシステム不問のツールであるため、ファイルを変換したり、変更したりしません。rhncfg-manager はシステム設定に依存しません。

注記

この機能は、マクロをテキストファイルにのみ挿入します。バイナリファイルの場合は挿入できません。

1.3.5. 設定チャンネルへのシステムのサブスクライブ

Red Hat Satellite が設定ファイルを使って設定チャンネルを中央で管理できるようにするには、2 つの要件を満たす必要があります。
  • システムを設定チャンネルにサブスクライブさせる必要がある。
  • 設定管理はシステム上で有効にする必要がある。手順については、「システム上での設定管理の有効化」 を参照してください。
システムを設定チャンネルにサブスクライブさせるには:
  1. 設定 をクリックします。左側のサブメニューで、設定チャンネル をクリックします。
  2. システムを追加する必要のある設定チャンネルを選択します。
  3. チャンネルページで、システム ターゲットシステム サブタブの順にクリックします。
  4. 設定チャンネルに追加するシステムを選択し、システムのサブスクライブ をクリックします。

1.3.6. システム上での設定管理の有効化

設定管理をシステム上で有効にする前に、以下の要件を満たす必要があります。
  • ターゲットシステムには、Provisioning のエンタイトルメントが必要です。Provisioning のエンタイトルメントをシステムに追加するには、『システム』 の章を参照してください。
  • Red Hat Satellite Tools チャンネルへのサブスクリプション。子チャンネルを変更する方法については、『システム』 の章を参照してください。
  1. チャンネル管理者または Satellite 管理者としてログインします。
  2. 設定 をクリックします。
  3. 設定の動作 というマークが付けられている右側のフレーム上で、システムで設定管理を有効にする をクリックします。
  4. 有効にするシステムを選択します。
  5. rhcfg-* パッケージのパッケージインストールをスケジュールします。これらの設定パッケージをインストールする時間を選択します。
  6. Red Hat Satellite 設定管理を有効にする (Enable Red Hat Satellite Configuration Management) をクリックします。
  7. 個々のシステムでターミナルコンソールを開くか、root としてリモートからログインします。以下の動作を実行する必要があります。
    1. このコマンドを実行して、保留中の rhncfg-* パッケージのインストールを完了します。
      # rhn_check
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    2. 以下のコマンドを実行して Red Hat Network の動作を有効にします。
      # rhn-actions-control --enable-all
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