3.4. Red Hat OpenShift Local 環境での Migration Toolkit for Applications Operator のインストールと設定
Red Hat OpenShift Local を使用すると、デスクトップまたはラップトップ上にローカル OpenShift クラスターをすばやく簡単にセットアップできます。このローカルクラスターを使用すると、アプリケーションと設定パラメーターを実稼働環境に送信する前にテストできます。
3.4.1. オペレーティングシステム要件
Red Hat OpenShift Local には、サポートされるオペレーティングシステムの最小バージョンが必要です。
3.4.1.1. Microsoft Windows の Red Hat OpenShift Local の要件
Microsoft Windows を使用する場合、Red Hat OpenShift Local に、Windows 10 Fall Creators Update (バージョン 1709) 以降が必要です。Red Hat OpenShift Local は、それ以前のバージョンの Microsoft Windows では動作しません。Microsoft Windows 10 Home Edition はサポートされません。
3.4.1.2. macOS の Red Hat OpenShift Local の要件
macOS を使用する場合、Red Hat OpenShift Local に macOS 11 Big Sur 以降が必要です。Red Hat OpenShift Local は、それ以前のバージョンの macOS では動作しません。
3.4.1.3. Linux の Red Hat OpenShift Local の要件
Linux を使用する場合、Red Hat OpenShift Local は、最新の 2 つの Red Hat Enterprise Linux 8 および 9 マイナーリリースと、最新の 2 つの安定版 Fedora リリースでのみサポートされます。
Red Hat Enterprise Linux を使用する場合は、Red Hat OpenShift Local を実行するマシンが Red Hat カスタマーポータルに登録されている必要があります。
Ubuntu 18.04 LTS 以降および Debian 10 以降はサポートされておらず、ホストマシンの手動設定が必要になる場合があります。
3.4.1.3.1. Linux に必要なソフトウェアパッケージ
Red Hat OpenShift Local を Linux で実行するには、libvirt
および NetworkManager
パッケージが必要です。
Fedora および Red Hat Enterprise Linux では、以下を実行します。
sudo dnf install NetworkManager
Debian/Ubuntu では、以下を実行します。
sudo apt install qemu-kvm libvirt-daemon libvirt-daemon-system network-manager
3.4.2. Red Hat OpenShift Local 環境への Migration Toolkit for Applications Operator のインストール
Red Hat OpenShift Local をインストールするには、次の手順を実行します。
ご使用のプラットフォーム用の Red Hat OpenShift Local の最新リリースをダウンロードします。
- OpenShift Local をダウンロードします。
- プルシークレット をダウンロードします。
アーカイブを
~/Downloads
ディレクトリーに保存した場合は、次の手順に従います。cd ~/Downloads
tar xvf crc-linux-amd64.tar.xz
crc
実行ファイルをそこにコピーします。cp ~/Downloads/crc-linux-<version-number>-amd64/crc ~/bin/crc
$PATH
変数に~/bin/crc
ディレクトリーを追加します。export PATH=$PATH:$HOME/bin/crc
echo 'export PATH=$PATH:$HOME/bin/crc' >> ~/.bashrc
テレメトリーを無効にするために、次のコマンドを実行します。
crc config set consent-telemetry no
macOS の場合は、適切な crc-macos-installer.pkg をダウンロードしてください。
- Finder を使用して Downloads に移動します。
-
crc-macos-installer.pkg
をダブルクリックします。
3.4.3. Red Hat OpenShift Local の設定
crc setup
コマンドで、Red Hat OpenShift Local インスタンスのホストマシンの環境を設定する操作を実行します。
crc setup
コマンドは ~/.crc
ディレクトリーを作成します。
Red Hat OpenShift Local 用にホストマシンを設定します。
crc setup
3.4.4. Red Hat OpenShift Local インスタンスの起動
Red Hat OpenShift Local プリセットは、マネージドコンテナーランタイムと、インスタンスがそのランタイムの実行に必要なシステムリソースの下限を表します。
-
Linux または macOS の場合は、ユーザーアカウントに
sudo
コマンドを使用できるようになっている。 - Microsoft Windows の場合は、ユーザーアカウントが管理者権限に昇格できるようになっている。
crc start
コマンドで、Red Hat OpenShift Local インスタンスと設定済みのコンテナーランタイムを起動します。以下のフラグを使用できます。
フラグ | タイプ | 説明 | デフォルト値 |
---|---|---|---|
-b、--bundle | string |
バンドルのパス/URI - 絶対パスまたはローカルパス、HTTP、HTTPS、または docker URI (例: |
デフォルト |
-c、–cpus | int | インスタンスに割り当てる CPU コアの数 | 4 |
–disable-update-check | 更新をチェックしない | ||
-d、–disk-size | uint | インスタンスにより使用されているディスクの合計サイズ(GB) | 31 |
-h、–help | start のヘルプ | ||
-m、–memory | int |
インスタンスに割り当てるメモリー | 10752 |
-n、–nameserver | string | インスタンスに使用するネームサーバーの IPv4 アドレス | |
-o、–output | string | JSON 形式の出力 | |
-p、–pull-secret-file | string | イメージプルシークレットのファイルパス (https://console.redhat.com/openshift/create/local からダウンロード) |
また、次のグローバルフラグも使用できます。
フラグ | タイプ | 説明 | デフォルト値 |
---|---|---|---|
–log-level | string | ログレベルの例:
*
*
*
* |
|
デフォルト設定では、4 つの仮想 CPU、ディスクサイズが 31 GB、および 10 GB の RAM を持つ仮想マシン(VM)を作成します。ただし、このデフォルト設定では、MTA を安定して実行するには不十分です。
仮想 CPU 数を 6 に、ディスクサイズを 200 GB に、メモリーを 20 GB に増やすには、次のように crc config
を実行します。
+
crc config set cpus 6
+
crc config set disk-size 200
+
$ crc config set memory 20480
設定を確認するには、次のコマンドを実行します。
+
crc config view
出力例
+
- consent-telemetry : yes - cpus : 6 - disk-size : 200 - memory : 16384
入力した設定プロパティーへの変更は、CRC インスタンスの起動時にのみ適用されます。
すでに実行中の CRC インスタンスがある場合、この設定の変更を有効にするには、crc stop
で CRC インスタンスを停止し、crc start
で再起動します。
3.4.5. Red Hat OpenShift Local インスタンスのステータスの確認
Red Hat OpenShift Local インスタンスのステータスを確認するには、次のコマンドを実行します。
+
crc status
出力例
+
CRC VM: Running OpenShift: Starting (v4.15.14) RAM Usage: 9.25GB of 20.97GB Disk Usage: 31.88GB of 212.8GB (Inside the CRC VM) Cache Usage: 26.83GB Cache Directory: /home/<user>/.crc/cache
3.4.6. Red Hat OpenShift Local 環境での Migration Toolkit for Applications Operator の設定
次の表は、テスト済みの Red Hat OpenShift Local の推奨最小設定を示しています。
メモリー(Gi) | CPU | disk sze (Gi) |
---|---|---|
| 5 |
|
| 5 |
|