2.7. 仮想マシンコンソールへのアクセス
Container-native Virtualization は、異なる製品タスクを実現するために使用できる異なる仮想マシンコンソールを提供します。Web コンソールおよび CLI コマンドを使用してこれらのコンソールにアクセスできます。
2.7.1. 仮想マシンコンソールのセッション
Web コンソールの Virtual Machine Details 画面の Consoles タブから、実行中の仮想マシンの VNC およびシリアルコンソールに接続することができます。
グラフィカルな VNC コンソール と シリアルコンソール の 2 つのコンソールを使用できます。VNC コンソール は、Consoles タブに移動する際には常にデフォルトで開きます。VNC ConsoleSerial Console リストを使用してコンソールを切り換えることができます。
コンソールのセッションは切断しない限り、バックグラウンドでアクティブな状態のままになります。Disconnect before switching チェックボックスがアクティブな場合にコンソールを切り替えると、現在のコンソールセッションは切断され、選択したコンソールの新規セッションが仮想マシンに接続されます。これにより、一度に 1 つのコンソールセッションのみが開かれます。
VNC コンソール のオプション
Send Key ボタンでは、仮想マシンに送信するキーの組み合わせを一覧表示します。
シリアルコンソール のオプション
Disconnect ボタンを使用して、仮想マシンから Serial Console セッションを手動で切断します。
Reconnect ボタンを使用して Serial Console セッションを仮想マシンに対して手動で開きます。
2.7.2. Web コンソールの使用による仮想マシンへの接続
2.7.2.1. ターミナルへの接続
Web コンソールを使用して仮想マシンに接続することができます。
手順
- 正しいプロジェクトを指定していることを確認します。そうでない場合は、Project 一覧をクリックして適切なプロジェクトを選択します。
-
Workloads
Virtual Machines をクリックして、プロジェクトに仮想マシンを表示します。 - 仮想マシンを選択します。
-
Overview タブで、
virt-launcher-<vm-name>
Pod をクリックします。 - Terminal タブをクリックします。ターミナルが空白の場合、ターミナルをクリックし、任意のキーを押して接続を開始します。
2.7.2.2. シリアルコンソールへの接続
Web コンソールの Virtual Machine Details 画面の Consoles タブから、実行中の仮想マシンの Serial Console に接続します。
手順
-
Container-native Virtualization コンソールで Workloads
Virtual Machinesをクリックします。 - 仮想マシンを選択します。
- Consoles をクリックします。VNC コンソールがデフォルトで開きます。
- VNC Console ドロップダウンリストをクリックし、Serial Console を選択します。
2.7.2.3. VNC コンソールへの接続
Web コンソールの Virtual Machine Details 画面の Consoles タブから、実行中の仮想マシンの VNC コンソールに接続します。
手順
-
Container-native Virtualization コンソールで Workloads
Virtual Machinesをクリックします。 - 仮想マシンを選択します。
- Consoles をクリックします。VNC コンソールがデフォルトで開きます。
2.7.2.4. RDP コンソールへの接続
Remote Desktop Protocol (RDP) を使用するデスクトップビューアーコンソールは、Windows 仮想マシンに接続するためのより使いやすいコンソールを提供します。
RDP を使用して Windows 仮想マシンに接続するには、Web コンソールの Virtual Machine Details 画面の Consoles タブから仮想マシンの console.rdp
ファイルをダウンロードし、これを優先する RDP クライアントに指定します。
前提条件
-
QEMU ゲストエージェントがインストールされた実行中の Windows 仮想マシン。
qemu-guest-agent
は VirtIO ドライバーに含まれています。 - 仮想マシンに接続されたレイヤー2 vNIC。
- Windows 仮想マシンと同じネットワーク上のマシンにインストールされた RDP クライアント。
手順
-
Container-native Virtualization コンソールで Workloads
Virtual Machinesをクリックします。 - Windows 仮想マシンを選択します。
- Consoles タブをクリックします。
- Consoles 一覧をクリックし、Desktop Viewer を選択します。
- Network Interface 一覧で、レイヤー 2 vNIC を選択します。
-
Launch Remote Desktop をクリックし、
console.rdp
ファイルをダウンロードします。 RDP クライアントを開き、
console.rdp
ファイルを参照します。たとえば、remmina を使用します。$ remmina --connect /path/to/console.rdp
- Administrator ユーザー名およびパスワードを入力して、Windows 仮想マシンに接続します。
2.7.3. CLI コマンドの使用による仮想マシンコンソールへのアクセス
2.7.3.1. SSH 経由での仮想マシンインスタンスへのアクセス
仮想マシンにポート 22 を公開した後に、SSH を使用して仮想マシンにアクセスできます。
virtctl expose
コマンドは、仮想マシンインスタンスのポートをノードポートに転送し、有効にされたアクセスのサービスを作成します。以下の例では、fedora-vm-ssh
サービスを作成します。 このサービスは、<fedora-vm>
仮想マシンのポート 22 をノード上のポートに転送します。
前提条件
-
アクセスする仮想マシンインスタンスは、
masquerade
バインディングメソッド方法を使用してデフォルトの Pod ネットワークに接続されている。 - アクセスする仮想マシンインスタンスが実行中であること。
-
oc
として知られる OpenShift コマンドラインインターフェース (CLI) のインストール。
手順
以下のコマンドを実行して
fedora-vm-ssh
サービスを作成します。$ virtctl expose vm <fedora-vm> --port=20022 --target-port=22 --name=fedora-vm-ssh --type=NodePort 1
- 1
<fedora-vm>
は、fedora-vm-ssh
サービスを実行する仮想マシンの名前です。
サービスをチェックし、サービスが取得したポートを見つけます。
$ oc get svc NAME TYPE CLUSTER-IP EXTERNAL-IP PORT(S) AGE fedora-vm-ssh NodePort 127.0.0.1 <none> 20022:32551/TCP 6s
この例では、サービスは
32551
ポートを取得しています。SSH 経由で仮想マシンインスタンスにログインします。ノードの
ipAddress
および直前の手順で確認したポートを使用します。$ ssh username@<node_IP_address> -p 32551
2.7.3.2. 仮想マシンインスタンスのシリアルコンソールへのアクセス
virtctl console
コマンドは、指定された仮想マシンインスタンスへのシリアルコンソールを開きます。
前提条件
-
virt-viewer
パッケージがインストールされていること。 - アクセスする仮想マシンインスタンスが実行中であること。
手順
virtctl
でシリアルコンソールに接続します。$ virtctl console <VMI>
2.7.3.3. VNC を使用した仮想マシンインスタンスのグラフィカルコンソールへのアクセス
virtctl
クライアントユーティリティーは remote-viewer
機能を使用し、実行中の仮想マシンインスタンスに対してグラフィカルコンソールを開くことができます。この機能は virt-viewer
パッケージに組み込まれています。
前提条件
-
virt-viewer
パッケージがインストールされていること。 - アクセスする仮想マシンインスタンスが実行中であること。
リモートマシンで SSH 経由で virtctl
を使用する場合、X セッションをマシンに転送する必要があります。
手順
virtctl
ユーティリティーを使用してグラフィカルインターフェースに接続します。$ virtctl vnc <VMI>
コマンドが失敗した場合には、トラブルシューティング情報を収集するために
-v
フラグの使用を試行します。$ virtctl vnc <VMI> -v 4
2.7.3.4. RDP コンソールの使用による Windows 仮想マシンへの接続
Remote Desktop Protocol (RDP) は、Windows 仮想マシンに接続するためのより使いやすいコンソールを提供します。
RDP を使用して Windows 仮想マシンに接続するには、割り当てられた L2 vNIC の IP アドレスを RDP クライアントに対して指定します。
前提条件
-
QEMU ゲストエージェントがインストールされた実行中の Windows 仮想マシン。
qemu-guest-agent
は VirtIO ドライバーに含まれています。 - 仮想マシンに接続されたレイヤー2 vNIC。
- Windows 仮想マシンと同じネットワーク上のマシンにインストールされた RDP クライアント。
手順
アクセストークンを持つユーザーとして、
oc
CLI ツールを使って Container-native Virtualization クラスターにログインします。$ oc login -u <user> https://<cluster.example.com>:8443
oc describe vmi
を使用して、実行中の Windows 仮想マシンの設定を表示します。$ oc describe vmi <windows-vmi-name>
... spec: networks: - name: default pod: {} - multus: networkName: cnv-bridge name: bridge-net ... status: interfaces: - interfaceName: eth0 ipAddress: 198.51.100.0/24 ipAddresses: 198.51.100.0/24 mac: a0:36:9f:0f:b1:70 name: default - interfaceName: eth1 ipAddress: 192.0.2.0/24 ipAddresses: 192.0.2.0/24 2001:db8::/32 mac: 00:17:a4:77:77:25 name: bridge-net ...
-
レイヤー 2 ネットワークインターフェースの IP アドレスを特定し、これをコピーします。これは直前の例では
192.0.2.0
であり、IPv6 を選択する場合は2001:db8::
になります。 - RDP クライアントを開き、接続用に直前の手順でコピーした IP アドレスを使用します。
- Administrator ユーザー名およびパスワードを入力して、Windows 仮想マシンに接続します。