8.3. クラスターロギング


8.3.1. OpenShift Serverless での OpenShift Logging の使用

8.3.1.1. Red Hat OpenShift の logging サブシステムのデプロイについて

OpenShift Container Platform クラスター管理者は、OpenShift Container Platform Web コンソールまたは CLI コマンドを使用してロギングシステムをデプロイし、OpenShift Elasticsearch Operator および Red Hat OpenShift Logging Operator をインストールできます。Operator がインストールされたら、ClusterLogging カスタムリソース (CR) を作成して、ロギングサブシステム pod およびロギングサブシステムをサポートするために必要なその他のリソースをスケジュールします。Operator は、ロギングサブシステムのデプロイ、アップグレード、および保守を担当します。

ClusterLogging CR は、ログを収集し、保存し、視覚化するために必要なロギングスタックのすべてのコンポーネントを含む完全なロギングシステム環境を定義します。Red Hat OpenShift Logging Operator はロギングシステム CR を監視し、ロギングデプロイメントを適宜調整します。

管理者およびアプリケーション開発者は、表示アクセスのあるプロジェクトのログを表示できます。

8.3.1.2. Red Hat OpenShift のロギングサブシステムのデプロイおよび設定

Logging システムは、小規模および中規模の OpenShift Container Platform クラスター用に調整されたデフォルト設定で使用されるように設計されています。

以下のインストール方法には、サンプルの ClusterLogging カスタムリソース (CR) が含まれます。これを使用して、ロギングサブシステムインスタンスを作成し、ロギングサブシステムの環境を設定することができます。

デフォルトのロギングサビシステムのインストールを使用する必要がある場合は、サンプル CR を直接使用できます。

デプロイメントをカスタマイズする必要がある場合、必要に応じてサンプル CR に変更を加えます。以下では、OpenShift Logging インスタンスのインストール時に実行し、インストール後に変更する設定について説明します。ClusterLogging カスタムリソース外で加える変更を含む、各コンポーネントの使用方法については、設定についてのセクションを参照してください。

8.3.1.2.1. ロギングサブシステムの設定および調整

ロギングサブシステムは、openshift-logging プロジェクトにデプロイされる ClusterLogging カスタムリソースを変更することによって設定できます。

インストール時またはインストール後に、以下のコンポーネントのいずれかを変更することができます。

メモリーおよび CPU
resources ブロックを有効なメモリーおよび CPU 値で変更することにより、各コンポーネントの CPU およびメモリーの両方の制限を調整することができます。
spec:
  logStore:
    elasticsearch:
      resources:
        limits:
          cpu:
          memory: 16Gi
        requests:
          cpu: 500m
          memory: 16Gi
      type: "elasticsearch"
  collection:
    logs:
      fluentd:
        resources:
          limits:
            cpu:
            memory:
          requests:
            cpu:
            memory:
        type: "fluentd"
  visualization:
    kibana:
      resources:
        limits:
          cpu:
          memory:
        requests:
          cpu:
          memory:
      type: kibana
Elasticsearch ストレージ
storageClass name および size パラメーターを使用し、Elasticsearch クラスターの永続ストレージのクラスおよびサイズを設定できます。Red Hat OpenShift Logging Operator は、これらのパラメーターに基づいて、Elasticsearch クラスターの各データノードについて永続ボリューム要求 (PVC) を作成します。
  spec:
    logStore:
      type: "elasticsearch"
      elasticsearch:
        nodeCount: 3
        storage:
          storageClassName: "gp2"
          size: "200G"

この例では、クラスターの各データノードが gp2 ストレージの 200G を要求する PVC にバインドされるように指定します。それぞれのプライマリーシャードは単一のレプリカによってサポートされます。

注記

storage ブロックを省略すると、一時ストレージのみを含むデプロイメントになります。

  spec:
    logStore:
      type: "elasticsearch"
      elasticsearch:
        nodeCount: 3
        storage: {}
Elasticsearch レプリケーションポリシー

Elasticsearch シャードをクラスター内のデータノードにレプリケートする方法を定義するポリシーを設定できます。

  • FullRedundancy:各インデックスのシャードはすべてのデータノードに完全にレプリケートされます。
  • MultipleRedundancy:各インデックスのシャードはデータノードの半分に分散します。
  • SingleRedundancy:各シャードの単一コピー。2 つ以上のデータノードが存在する限り、ログは常に利用可能かつ回復可能です。
  • ZeroRedundancy:シャードのコピーはありません。ログは、ノードの停止または失敗時に利用不可になる (または失われる) 可能性があります。
8.3.1.2.2. 変更された ClusterLogging カスタムリソースのサンプル

以下は、前述のオプションを使用して変更された ClusterLogging カスタムリソースの例です。

変更された ClusterLogging リソースのサンプル

apiVersion: "logging.openshift.io/v1"
kind: "ClusterLogging"
metadata:
  name: "instance"
  namespace: "openshift-logging"
spec:
  managementState: "Managed"
  logStore:
    type: "elasticsearch"
    retentionPolicy:
      application:
        maxAge: 1d
      infra:
        maxAge: 7d
      audit:
        maxAge: 7d
    elasticsearch:
      nodeCount: 3
      resources:
        limits:
          memory: 32Gi
        requests:
          cpu: 3
          memory: 32Gi
        storage:
          storageClassName: "gp2"
          size: "200G"
      redundancyPolicy: "SingleRedundancy"
  visualization:
    type: "kibana"
    kibana:
      resources:
        limits:
          memory: 1Gi
        requests:
          cpu: 500m
          memory: 1Gi
      replicas: 1
  collection:
    logs:
      type: "fluentd"
      fluentd:
        resources:
          limits:
            memory: 1Gi
          requests:
            cpu: 200m
            memory: 1Gi

8.3.2. Knative Serving コンポーネントのログの検索

以下の手順を使用して、Knative Serving コンポーネントのログを検索できます。

8.3.2.1. OpenShift Logging の使用による Knative Serving コンポーネントのログの検索

前提条件

  • OpenShift CLI (oc) をインストールしている。

手順

  1. Kibana ルートを取得します。

    $ oc -n openshift-logging get route kibana
  2. ルートの URL を使用して Kibana ダッシュボードに移動し、ログインします。
  3. インデックスが .all に設定されていることを確認します。インデックスが .all に設定されていない場合、OpenShift Container Platform システムログのみが一覧表示されます。
  4. knative-serving namespace を使用してログをフィルターします。kubernetes.namespace_name:knative-serving を検索ボックスに入力して結果をフィルターします。
注記

Knative Serving はデフォルトで構造化ロギングを使用します。OpenShift Logging Fluentd 設定をカスタマイズしてこれらのログの解析を有効にできます。これにより、ログの検索がより容易になり、ログレベルでのフィルターにより問題を迅速に特定できるようになります。

8.3.3. Knative Serving サービスのログの検索

以下の手順を使用して、Knative Serving サービスのログを検索できます。

8.3.3.1. OpenShift Logging を使用した Knative Serving でデプロイされたサービスのログの検索

OpenShift Logging により、アプリケーションがコンソールに書き込むログは Elasticsearch で収集されます。以下の手順で、Knative Serving を使用してデプロイされたアプリケーションにこれらの機能を適用する方法の概要を示します。

前提条件

  • OpenShift CLI (oc) をインストールしている。

手順

  1. Kibana ルートを取得します。

    $ oc -n openshift-logging get route kibana
  2. ルートの URL を使用して Kibana ダッシュボードに移動し、ログインします。
  3. インデックスが .all に設定されていることを確認します。インデックスが .all に設定されていない場合、OpenShift システムログのみが一覧表示されます。
  4. knative-serving namespace を使用してログをフィルターします。検索ボックスにサービスのフィルターを入力して、結果をフィルターします。

    フィルターの例

    kubernetes.namespace_name:default AND kubernetes.labels.serving_knative_dev\/service:{service_name}

    /configuration または /revision を使用してフィルターすることもできます。

  5. kubernetes.container_name:<user_container> を使用して検索を絞り込み、ご使用のアプリケーションで生成されるログのみを表示することができます。それ以外の場合は、queue-proxy からのログが表示されます。
注記

アプリケーションで JSON ベースの構造化ロギングを使用することで、実稼働環境でのこれらのログの迅速なフィルターを実行できます。

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